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JP2979600B2 - 紙用塗工組成物 - Google Patents

紙用塗工組成物

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JP2979600B2
JP2979600B2 JP2213933A JP21393390A JP2979600B2 JP 2979600 B2 JP2979600 B2 JP 2979600B2 JP 2213933 A JP2213933 A JP 2213933A JP 21393390 A JP21393390 A JP 21393390A JP 2979600 B2 JP2979600 B2 JP 2979600B2
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Japan
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reaction
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paper
urea
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義史 吉田
俊之 長谷川
治男 田中
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Priority to AU81764/91A priority patent/AU632430B2/en
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、優れた印刷適性、印刷効果を有する塗工紙
を提供する紙用塗工組成物に関するものである。
〈従来の技術〉 顔料と水性バインダーを主体とした紙用塗工組成物を
紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要な工程を
施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果などの特
長から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用いられて
いるが、品質要求の高度化、印刷の高速化などに伴っ
て、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられている。
とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷において
は、しめし水の影響下でのインキ受理性、ウエットピッ
クやウエットラブなどの耐水性、輪転印刷での耐ブリス
ター性の改良、向上が業界の重要な課題である。
従来よりこうした課題に対し、メラミン−ホルムアル
デヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂あるいは、例
えば特公昭44−11667号公報や特公昭59−32597号公報に
示されるようなポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド
樹脂の如き、耐水化剤ないしは印刷適性向上剤等を添加
し、課題解決をはかろうとする試みがなされている。
しかし、これらの耐水化剤、印刷適性向上剤等は、い
ずれも有効な特性を有する反面、重大な欠点や効果の不
十分さがあるため、実用上必ずしも満足しうるものでは
なかった。
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹脂は、作業
時や塗工紙からのホルムアルデヒドの発生が多いのみな
らず、インキ受理性や耐ブリスター性の改良効果がほと
んど得られず、また塗工組成物のpHが高くなると耐水化
効果も著しく得にくくなるなどの問題がある。
ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂は、耐水
性の付与と同時にインキ受理性および耐ブリスター性の
向上に有効ではあるが、その向上度合は、近年の塗工紙
品質の高度化要求に対しては不充分であった。そこで本
発明者らは、特開昭62−125093号公報等において、さら
に改良された紙用塗工組成物を開示してきたが、その後
の塗工紙品質の要求の高度化に伴い、さらなる高性能化
が求められるようになってきている。
〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、高度な耐水性、インキ受理性等とと
もに、特に従来の技術では得られなかった高い耐ブリス
ター性を塗工紙に付与する紙用塗工組成物を提供するこ
とにある。
本発明者らは、特定の水溶性樹脂を含有する組成物
が、かかる目的に対して有効であることを見出し、本発
明を完成した。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち本発明は、次の三成分を含有する紙用塗工組
成物を提供するものである。
顔料(I)、 水性バインダー(II)ならびに、 アルキレンジアミンもしくはポリアルキレンポリアミ
ンと尿素類との縮合反応物(a)に、さらにアルデヒド
類(b)またはエピハロヒドリン類もしくはα,γ−ジ
ハロ−β−ヒドリン類(c)を反応させて得られる水溶
性樹脂(III)、ただし、アルデヒド類(b)を用いた
場合は、この反応が、pH7以下で行われるか、またはま
ずpH8〜12で行われた後、pH7以下で行われたものであ
る。
本発明の内容について、さらに詳述する。
本発明で使用される水溶性樹脂(III)の製造に用い
るアルキレンジアミンもしくはポリアルキレンポリアミ
ンとしては、具体的にはエチレンジアミン、プロピレン
ジアミン等の脂肪族ジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−
ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10ジアミン等のポリ
アルキレンポリアミンが挙げられる。これらのなかで
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが
工業的に有利である。これらのアルキレンジアミンもし
くはポリアルキレンポリアミンは、一種のみならず二種
以上の混合物としても用いることができる。
また尿素類としては、尿素、チオ尿素、グアニル尿
素、メチル尿素、ジメチル尿素等を挙げることができる
が、工業的見地からは尿素が好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒドやプロピルアルデヒド等のアルキルアルデヒ
ド、グリオキザール、プロパンジアールやブタンジアー
ル等のアルキルジアルデヒドなどを用いることができる
が、工業的にはホルムアルデヒドまたはグリオキザール
が好ましい。アルデヒド類は、一種のみならず二種以上
の混合物としても用いることができる。
エピハロヒドリン類は、一般式 〔式中、Xはハロゲン原子を、wは1、2または3を示
す〕 で表される。好ましい例としては、エピクロロヒドリ
ン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。これらは、一
種のみならず二種以上の混合物としても用いることがで
きる。
α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類は、一般式 〔式中、XおよびZはそれぞれハロゲン原子を、Yは水
酸基を示す〕 で表され、例えば1,3−ジクロロ−2−プロパノール等
が挙げられる。
水溶性樹脂(III)は、アルキレンジアミンもしくは
ポリアルキレンポリアミンと尿素類との縮合反応物
(a)に、さらにアルデヒド類(b)か、またはエピハ
ロヒドリン類もしくはα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類
(C)を架橋反応させることにより得られる。
アルキレンジアミンもしくはポリアルキレンポリアミ
ンと尿素類との縮合反応は、通常100〜180℃、好ましく
は110〜160℃で、発生するアンモニアを系外に除去しな
がら1〜6時間行われる。尿素類の使用量は、アルキレ
ンジアミンもしくはポリアルキレンポリアミンの1級お
よび2級アミノ基1.0モルに対して、0.5〜1.0モルが好
ましい。尿素類の一部をアルキレンジアミンもしくはポ
リアルキレンポリアミンと120〜180℃、好ましくは140
〜160℃で脱アンモニア反応させた後、残りの尿素を加
え、さらに100〜180℃、好ましくは110〜160℃で脱アン
モニア反応を行うというように、2段階で反応を行うこ
ともできる。
このようにして得られた縮合反応物(a)を、さらに
アルデヒド類(b)と架橋反応させるか、またはエピハ
ロヒドリン類もしくはα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類
(c)と架橋反応させて、水溶性樹脂(III)が得られ
る。アルデヒド類(b)とエピハロヒドリン類もしくは
α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(c)とを同時に用い
ることもできる。
縮合反応物(a)とアルデヒド類(b)および/また
はエピハロヒドリン類もしくはα,γ−ジハロ−β−ヒ
ドリン類(c)との反応は、好ましくは濃度20〜80重量
%、さらに好ましくは30〜70重量%の水溶液中で行われ
る。
縮合反応物(a)とアルデヒド類(b)とを反応させ
る場合は、最終的にはpH7以下、好ましくはpH3〜6の酸
性側で反応が行われる。このようにアルデヒド類(b)
を酸性側で反応させることにより、縮合反応物(a)を
架橋させることができる。例えば、塩酸、硫酸、リン
酸、ギ酸、酢酸等の酸により、予めpHを7以下、好まし
くはpH3〜6に調整した後、40〜80℃で1〜10時間反応
を行うことができる。また、まずpH8〜12のアルカル性
下で反応を行い、その後pHを7以下、好ましくはpH3〜
6の酸性に調整して架橋反応を行うのも好ましい。この
場合、アルカリ性下での反応は40〜80℃で0.5〜5時
間、酸性下での反応は40〜80℃で1〜10時間行われる。
アルデヒド類(b)の使用量は、縮合反応物(a)1モ
ルに対しアルデヒド基0.1〜3モルが好ましく、さらに
好ましくは0.3〜1.5モルである。上述の反応終了後、必
要なら苛性ソーダ、苛性カリ等を用いて、pH6〜10に調
整することにより、本発明で用いる水溶性樹脂(III)
の水溶液が得られる。
縮合反応物(a)とエピハロヒドリン類もしくはα,
γ−ジハロ−β−ヒドリン類(c)とを反応させる場合
には、好ましくはpH5以上、さらに好ましくはpH6〜9の
条件下、温度30〜90℃、好ましくは40〜80℃で1〜10時
間反応を行う。エピハロヒドリン類もしくはα,γ−ジ
ハロ−β−ヒドリン類(c)の使用量は、縮合反応物
(a)1モルに対し0.1〜3モルが好ましく、さらに好
ましくは0.3〜2.0モルである。
本発明の水溶性樹脂(III)は水溶液の状態で得ら
れ、好ましくは60%水溶液の25℃における粘度が100〜1
000cpsであり、かつpHが6〜10である。
本発明はさらに、顔料(I)、水性バインダー(I
I)、水溶性樹脂(III)ならびに、ポリアルキレンポリ
アミンおよび/またはポリアルキレンポリアミンと4級
化剤との反応生成物(IV)を含有する組成物も提供す
る。
また、顔料(I)、水性バインダー(II)および、水
溶性樹脂(III)にさらにポリアルキレンポリアミンと
4級化剤との反応生成物を反応させて得られる生成物
(V)を含有する組成物も提供する。
ここでポリアルキレンポリアミンとは、分子中に二個
の1級アミノ基および少なくとも一個の2級アミノ基を
有する化合物であり、具体的には例えばジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン
−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン
等が挙げられる。
4級化剤としては、以下に示すような各種のものが使
用できる。
一般式 R1−X 〔式中、R1は低級アルキル基、アルケニル基、ベンジル
基またはフェノキシエチル基を、Xはハロゲン原子を示
す〕 で表されるハロゲン含有化合物。好ましい例としては塩
化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化アリル、塩
化ベンジル、塩化フェノキシエチルならびに、これら塩
化物に対応する臭化物および沃化物が挙げられる。
一般式 (R2O)2SOV 〔式中、R2は低級アルキル基を、vは1または2を示
す〕 で表されるジアルキルサルファイトおよびジアルキルサ
ルフェート。好ましい例としてはジメチルサルフェー
ト、ジエチルサルフェート、ジメチルサルファイト、ジ
エチルサルファイト等が挙げられる。
一般式 〔式中、R3は水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシア
ルキル基またはフェニル基を示す〕 で表されるエチレンオキサイド類。好ましい例としては
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド、スチレンオキサイド、グリシドール等が挙
げられる。
一般式 〔式中、Xはハロゲン原子を、wは1、2または3を示
す〕 で表されるエピハロヒドリン類。好ましい例としてはエ
ピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられ
る。
一般式 HOCH2(CH2WX 〔式中、Xおよびwは上記に同じ〕 で表されるモノハロヒドリン類。好ましい例としてはエ
チレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン等が挙
げられる。
一般式 〔式中、Xは上記に同じであり、YおよびZの一方はハ
ロゲン原子を、他方は水酸基を示す〕 で表されるジハロヒドリン類。好ましい例としては1,3
−ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−
プロパノール等が挙げられる。
上記中、特に好ましい4級化剤としてはエピクロロヒ
ドリンが挙げられる。以上のような4級化剤として使用
される化合物は、一種単独でまたは二種以上混合して使
用することができる。
本発明における顔料(I)としては、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウム(重質、軽質)、水酸化アルミニウ
ム、サチンホワイト、酸化チタンなどの白色無機顔料お
よび、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの白色有機合成顔
料を、それぞれ単独でまたは二種以上混合して用いるこ
とができる。あるはさらに有色の無機もしくは有機顔料
を併用することもできる。
本発明における水性バインダー(II)としては、酸化
でんぷん、リン酸エステル化でんぷん、ポリビニルアル
コール、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロ
ースなどの水溶性バインダーや、スチレン−ブタジエン
系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、
メチルメタクリレート樹脂などの水乳化系のバインダー
を、それぞれ単独でまたは二種以上混合して用いること
ができる。
本発明の紙用塗工組成物の好ましい組成割合は、顔料
(I)100重量部に対して、水性バインダー(II)が5
〜200重量部、より好ましくは10〜50重量部であり、ま
た水溶性樹脂(III)が0.05〜5重量部、より好ましく
は0.1〜2重量部である。塗工組成物の固形分濃度は、
コーターの種類や紙もしくは組成物の用途によって変化
するが、一般的には20〜72重量部程度が好ましい。
一般に本発明に用いる水溶性樹脂(III)は、紙用塗
工組成物の調製の際に添加混合されるが、あらかじめ顔
料スラリーまたは水性バインダーに添加混合しても本発
明の効果を得ることができる。
本発明の紙用塗工組成物は、その他の成分として、分
散剤、粘度・流動性調整剤、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、
保水剤や、染料・有色顔料等の着色剤などを必要に応じ
て配合することができる。
本発明の紙用塗工組成物は、従来より公知の方法、す
なわちブレードコーター、エアーナイフコーター、バー
コーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコータ
ー、キャストコーターなど通常用いられている方法で紙
基体上に塗布される。その後必要な乾燥を行い、さらに
必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施
すことにより、塗工紙を製造することができる。
〈発明の効果〉 このようにして本発明の紙用塗工組成物を用いて得た
塗工紙は、インキ受理性、耐水性に優れ、また特に耐ブ
リスター性に優れ、ホルムアルデヒド臭の発生がないな
ど種々の優れた有効な特性を有するものである。
なお、本発明における紙用塗工組成物の「紙」とは広
義の意味であり、狭義の意味の紙および板紙を包含す
る。
〈実施例〉 以下、参照例および実施例により本発明をさらに詳し
く説明する。文中の%はいずれも重量%を表す。また粘
度は25℃における値である。
参考例1 温度計、還流冷却器および撹拌棒を備えた四ツ口フラ
スコにトリエチレンテトラミン146.2g(1.0モル)と尿
素180.2g(3.0モル)を仕込み、内温120〜140℃にて2
時間加熱し、脱アンモニア反応を行った。その後水150.
4gを加えて樹脂水溶液とした。さらに37%ホルマリン5
6.8g(0.7モル)を加え、70℃で4時間反応させた後、7
0%硫酸で系のpHを4.0に調整し、70℃で4時間反応させ
た。その後苛性ソーダ水溶液でpHを7.0に調整し、濃度6
0%、粘度350cpsの水溶性樹脂の水溶液を得た。
参考例2 参考例1と同様の装置にトリエチレンテトラミン146.
2g(1.0モル)と尿素60.1g(1.0モル)を仕込み、内温1
40〜160℃にて3時間加熱し、脱アンモニア反応を行っ
た。120℃まで冷却後さらに尿素120.1g(2.0モル)を仕
込み、内温120〜130℃にて2時間加熱し、脱アンモニア
反応を行った。その後水134.9gを加えて樹脂水溶液とし
た。さらに37%ホルマリン81.2g(1.0モル)を加え、70
℃で4時間反応させた後、70%硫酸で系のpHを4.0に調
整し、70℃で4時間反応させた。その後苛性ソーダ水溶
液でpHを7.0に調整し、濃度60%、粘度230cpsの水溶性
樹脂の水溶液を得た。
参考例3 参考例1と同様の装置にジエチレントリアミン103.2g
(1.0モル)と尿素120.1g(2.0モル)を仕込み、内温12
0〜140℃にて2時間脱アンモニア反応を行った。その後
水33.6gを加えて樹脂水溶液とした。さらに37%ホルマ
リン81.2g(1.0モル)を加え、70℃で4時間反応させた
後、70%硫酸で系のpHを4.0に調整し、70℃で4時間反
応させた。その後苛性ソーダ水溶液でpHを7.0に調整
し、濃度60%、粘度540cpsの水溶性樹脂の水溶液を得
た。
参考例4 参考例1と同様に脱アンモニア反応を行った後、水21
5.4gを加え、さらにエピクロロヒドリン64.8g(0.7モ
ル)を加えて、70℃で4時間反応させた。濃度60%、粘
度300cps、pH6.2の水溶性樹脂の水溶液を得た。
参考例5 参考例1と同様にして得られた水溶性樹脂の水溶液46
5.5gに、さらにトリエチレンテトラミン14.6g(0.1モ
ル)と水9.1gを加え、濃度60%、粘度340cps、pH8.0の
水溶性樹脂の水溶液を得た。
参考例6 参考例1と同様の装置にトリエチレンテトラミン43.9
g(0.3モル)と水140.3gを仕込み、さらにエピクロロヒ
ドリン166.6g(1.8モル)を、内温50℃以下に保ったま
ま滴下した。さらに、参考例1と同様にして得られた樹
脂水溶液465.5gを加え、50℃で1時間反応させて、濃度
60%、粘度300cps、pH6.5の水溶性樹脂の水溶液を得
た。
比較参考例1 温度計、還流冷却器および撹拌棒を備えた四ツ口フラ
スコにトリエチレンテトラミン146.2g(1.0モル)と尿
素30.0g(0.5モル)を仕込み、内温140〜160℃にて3.5
時間加熱し、脱アンモニア反応を行った。その後アジピ
ン酸73.1g(0.5モル)を仕込み、内温を150〜160℃に保
って5時間脱水アミド化反応を行った。その後内温を13
0℃に冷却し、尿素120.1g(2.0モル)を仕込み、120〜1
30℃で2時間脱アンモニア反応を行った。その後水284.
5gを加えて樹脂水溶液とした。さらに37%ホルマリン6
0.9g(0.75モル)を仕込み、70%硫酸で系のpHを4〜5
に調整し、内温70℃で4時間反応させた。その後、苛性
ソーダ水溶液でpHを6.5に調整し、濃度50%、粘度140cp
sの樹脂水溶液を得た。
比較参考例2 尿素の仕込量を90.1g(1.5モル)、水の仕込量を101.
7gとした以外は、参考例1と同様に反応を行い、粘度20
0cps、pH7.0の60%樹脂水溶液を得た。
比較参考例3 尿素の仕込量を300.3g(5モル)、水の仕込量を230.
5gとした以外は、参考例1と同様に反応を行い、粘度15
0cps、pH7.0の60%樹脂水溶液を得た。
比較参考例4 硫酸添加以後の反応を行わない以外は、参考例1と同
様に反応を行い、粘度60cps、pH8.5の60%樹脂水溶液を
得た。
比較参考例5 37%ホルマリンの仕込量を73.0g(0.9モル)、水の仕
込量を144.2gとした以外は、参考例1と同様に反応を行
い、粘度1600cps、pH7.0の60%樹脂水溶液を得た。
比較参考例6 参考例1と同様に反応を行い、さらに70%硫酸でpH4.
0に調整し、粘度350cpsの60%樹脂水溶液を得た。
比較参考例7 参考例1と同様の反応を行い、苛性ソーダ水溶液でpH
11に調整しようとしたが、多量の沈澱物が生成し、良好
な樹脂水溶液は得られなかった。
実施例 参考例1〜6および比較参考例1〜6で得た水溶性樹
脂の水溶液を用いて、第一表に示した配合による紙用塗
工組成物を調製した。ただし、比較参考例2、5、6に
ついては、塗工組成物の粘度が高く、塗工試験が行えな
かった。
調製した紙用塗工組成物は、総固形物が60%、pHが約
9.0となるように、各々水と10%苛性ソーダ水溶液にて
調整した後、ワイヤーロッドを用いて米坪量80g/m2の上
質紙上に、塗工量が14g/m2となるように片面または両面
に塗布した。塗布後直ちに120℃にて30秒間熱風乾燥せ
しめ、次いで20℃、65%RHにて16時間調湿した後、温度
60℃、線圧60kg/cmの条件にて2回スーパーカレンダー
処理をして、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を、耐
水性、インキ受理性、耐ブリスター性の試験に供した。
試験結果を第二表に示した。
なお試験方法は以下のとおりである。
耐水性 (イ) ウェットラブ法 コート面上にイオン交換水を約0.1ml滴下し、指先で
7回摩擦し、溶出分を黒紙に移行させて溶出量を肉眼で
判定した。
判定基準は次のように行った。
耐水性(劣)1〜5(優) (ロ) ウェットピック法 RI試験機を使用し、コート面を給水ロールで湿潤させ
た後印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して、耐水性
(劣)1〜5(優)の判定を行った。
インキ受理性 (イ) A法 RI試験機(明製作所)を使用して塗工面を給水ロール
にて湿潤させた後に印刷し、インキの受理性を肉眼で観
察した。
インキ受理性(劣)1〜5(優)とする。
(ロ) B法 RI試験機を使用して、インキに水を練り込みながら印
刷し、インキ受理性を肉眼で観察した。
インキ受理性(劣)1〜5(優)とする。
耐ブリスター性 RI試験機を用いてオフセット輪転印刷用インキを使用
し、両面塗工紙に両面印刷を行い、湿潤後、加熱したシ
リコンオイル浴中に浸し、ブリスターの発生量を肉眼で
判定した。
耐ブリスター性(劣)1〜5(優)とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 19/62 C09D 161/24 C09D 163/00 C09D 179/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料(I)、水性バインダー(II)ならび
    に、アルキレンジアミンもしくはポリアルキレンポリア
    ミンと尿素類との縮合反応物(a)に、さらにアルデヒ
    ド類(b)またはエピハロヒドリン類もしくはα,γ−
    ジハロ−β−ヒロリン類(c)を反応させて得られ、こ
    こでアルデヒド類(b)を用いた場合は、該反応が、pH
    7以下で行われるか、またはまずpH8〜12で行われた後、
    pH7以下で行われたものである水溶性樹脂(III)を含有
    することを特徴とする紙用塗工組成物。
  2. 【請求項2】アルキレンジアミンもしくはポリアルキレ
    ンポリアミンが、ジエチレントリアミンまたはトリエチ
    レンテトラミンである請求項1記載の紙用塗工組成物。
  3. 【請求項3】尿素類の使用量が、アルキレンジアミンも
    しくはポリアルキレンポリアミンの1級および2級アミ
    ノ基0.1モルに対して、0.5〜1.0モルである請求項1ま
    たは2記載の紙用塗工組成物。
  4. 【請求項4】水溶性樹脂(III)が、縮合反応物(a)
    にアルデヒド類(b)を反応させて得られるものであっ
    て、該反応が、まずpH8〜12で行われた後、pH7以下で行
    われる請求項1〜3のいずれかに記載の紙用塗工組成
    物。
  5. 【請求項5】アルデヒド類(b)が、ホルムアルデヒド
    またはグリオキザールである請求項1〜4のいずれかに
    記載の紙用塗工組成物。
  6. 【請求項6】水溶性樹脂(III)の60%水溶性の25℃に
    おける粘度が100〜1000cpsで、pHが6〜10である請求項
    1〜5のいずれかに記載の紙用塗工組成物。
  7. 【請求項7】顔料(I)、水性バインダー(II)、アル
    キレンジアミンもしくはポリアルキレンポリアミンと尿
    素類との縮合反応物(a)に、さらにアルデヒド類
    (b)またはエピハロヒドリン類もしくはα,γ−ジハ
    ロ−β−ヒロリン類(c)を反応させて得られ、ここで
    アルデヒド類(b)を用いた場合は、該反応が、pH7以
    下で行われるか、またはまずpH8〜12で行われた後、pH7
    以下で行われたものである水溶性樹脂(III)ならび
    に、ポリアルキレンポリアミンおよびポリアルキレンポ
    リアミンと4級化剤との反応生成物から選ばれる一員
    (IV)を含有することを特徴とする紙用塗工組成物。
  8. 【請求項8】顔料(I)、水性バインダー(II)ならび
    に、アルキレンジアミンもしくはポリアルキレンポリア
    ミンと尿素類との縮合反応物(a)に、アルデヒド類
    (b)またはエピハロヒドリン類もしくはα,γ−ジハ
    ロ−β−ヒロリン類(c)を反応させて得られ、ここで
    アルデヒド類(b)を用いた場合は、該反応が、pH7以
    下で行われるか、またはまずpH8〜12で行われた後、pH7
    以下で行われたものである水溶性樹脂(III)に、ポリ
    アルキレンポリアミンと4級化剤との反応生成物をさら
    に反応させて得られる生成物(V)を含有することを特
    徴とする紙用塗工組成物。
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