JP2973916B2 - 種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法 - Google Patents
種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法Info
- Publication number
- JP2973916B2 JP2973916B2 JP8058861A JP5886196A JP2973916B2 JP 2973916 B2 JP2973916 B2 JP 2973916B2 JP 8058861 A JP8058861 A JP 8058861A JP 5886196 A JP5886196 A JP 5886196A JP 2973916 B2 JP2973916 B2 JP 2973916B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seed crystal
- neck
- single crystal
- holder
- pulling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種結晶保持具及び
該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法に関し、
より詳細には、チョクラルスキー法(以下、CZ法と記
す)に代表される引き上げ法により、シリコン等からな
る単結晶を引き上げる際に使用される、種結晶保持具及
び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法に関す
る。
該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法に関し、
より詳細には、チョクラルスキー法(以下、CZ法と記
す)に代表される引き上げ法により、シリコン等からな
る単結晶を引き上げる際に使用される、種結晶保持具及
び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、LSI(大規模集積回路)等の回
路素子形成用基板として使用されているシリコン単結晶
の大部分は、CZ法により引き上げられたシリコン単結
晶が用いられている。図3、はこのCZ法に用いられ
る、従来の単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図
であり、図中21は、坩堝を示している。
路素子形成用基板として使用されているシリコン単結晶
の大部分は、CZ法により引き上げられたシリコン単結
晶が用いられている。図3、はこのCZ法に用いられ
る、従来の単結晶引き上げ装置を模式的に示した断面図
であり、図中21は、坩堝を示している。
【0003】この坩堝21は、有底円筒形状の石英製坩
堝21aと、この石英製坩堝21aの外側に嵌合され
た、同じく有底円筒形状の黒鉛製坩堝21bとから構成
されており、坩堝21は、図中の矢印方向に所定の速度
で回転する、支持軸28に支持されている。この坩堝2
1の外側には、抵抗加熱式のヒータ22、ヒータ22の
外側には、保温筒27が同心円状に配置されており、坩
堝21内にはこのヒータ22により溶融させた結晶用原
料の溶融液23が充填されている。また、坩堝21の中
心軸上には、引き上げ棒あるいはワイヤー等からなる、
引き上げ軸24が吊設されており、この引き上げ軸24
の先に、保持具34を介して、種結晶35が取り付けら
れるようになっている。また、これら部材は、圧力の制
御が可能な水冷式のチャンバ29内に納められている。
堝21aと、この石英製坩堝21aの外側に嵌合され
た、同じく有底円筒形状の黒鉛製坩堝21bとから構成
されており、坩堝21は、図中の矢印方向に所定の速度
で回転する、支持軸28に支持されている。この坩堝2
1の外側には、抵抗加熱式のヒータ22、ヒータ22の
外側には、保温筒27が同心円状に配置されており、坩
堝21内にはこのヒータ22により溶融させた結晶用原
料の溶融液23が充填されている。また、坩堝21の中
心軸上には、引き上げ棒あるいはワイヤー等からなる、
引き上げ軸24が吊設されており、この引き上げ軸24
の先に、保持具34を介して、種結晶35が取り付けら
れるようになっている。また、これら部材は、圧力の制
御が可能な水冷式のチャンバ29内に納められている。
【0004】上記した単結晶引き上げ装置を用いて単結
晶36を引き上げる方法を、図3及び図4に基づいて説
明する。図4(a)〜(d)は、単結晶を引き上げる各
工程における種結晶の近傍を、模式的に示した部分拡大
正面図である。
晶36を引き上げる方法を、図3及び図4に基づいて説
明する。図4(a)〜(d)は、単結晶を引き上げる各
工程における種結晶の近傍を、模式的に示した部分拡大
正面図である。
【0005】図4には示していないが、まずヒータ22
により結晶用原料を溶融させ、チャンバ29内を減圧に
した後、しばらく放置して溶融液23中のガスを十分に
放出させ、その後、不活性ガスを導入して減圧の不活性
ガス雰囲気とする。
により結晶用原料を溶融させ、チャンバ29内を減圧に
した後、しばらく放置して溶融液23中のガスを十分に
放出させ、その後、不活性ガスを導入して減圧の不活性
ガス雰囲気とする。
【0006】次に、支持軸28と同一軸心で逆方向に所
定の速度で引き上げ軸24を回転させながら、保持具3
4に取り付けられた種結晶35を降下させて溶融液23
に着液させ、種結晶35を溶融液23に馴染ませた後、
単結晶36の引き上げを開始する(以下、この工程をシ
ーディング工程と記す)(図4(a))。 次に、種結
晶35の先端に結晶を成長させてゆくが、このとき、後
述するメインボディ36cの形成速度よりも早い速度で
引き上げ軸24を引き上げ、所定径になるまで結晶を細
く絞り、ネック36aを形成する(以下、この工程をネ
ッキング工程と記す)(図4(b))。
定の速度で引き上げ軸24を回転させながら、保持具3
4に取り付けられた種結晶35を降下させて溶融液23
に着液させ、種結晶35を溶融液23に馴染ませた後、
単結晶36の引き上げを開始する(以下、この工程をシ
ーディング工程と記す)(図4(a))。 次に、種結
晶35の先端に結晶を成長させてゆくが、このとき、後
述するメインボディ36cの形成速度よりも早い速度で
引き上げ軸24を引き上げ、所定径になるまで結晶を細
く絞り、ネック36aを形成する(以下、この工程をネ
ッキング工程と記す)(図4(b))。
【0007】次に、引き上げ軸24の引き上げ速度(以
下、単に引き上げ速度とも記す)を落してネック36a
を所定の径まで成長させ、ショルダー36bを形成する
(以下、この工程をショルダー形成工程と記す)(図4
(c))。
下、単に引き上げ速度とも記す)を落してネック36a
を所定の径まで成長させ、ショルダー36bを形成する
(以下、この工程をショルダー形成工程と記す)(図4
(c))。
【0008】次に、一定の速度で引き上げ軸24を引き
上げることにより、一定の径、所定長さのメインボディ
36cを形成する(以下、この工程をメインボディ形成
工程と記す)(図4(d))。
上げることにより、一定の径、所定長さのメインボディ
36cを形成する(以下、この工程をメインボディ形成
工程と記す)(図4(d))。
【0009】さらに、図4には示していないが、最後に
急激な温度変化により単結晶36に高密度の転位が導入
されないよう、単結晶36の直径を徐々に絞って、単結
晶36全体の温度を徐々に降下させ、終端コーンを形成
した後、単結晶36を溶融液23から切り離す。その後
冷却して、単結晶36の引き上げを完了する。
急激な温度変化により単結晶36に高密度の転位が導入
されないよう、単結晶36の直径を徐々に絞って、単結
晶36全体の温度を徐々に降下させ、終端コーンを形成
した後、単結晶36を溶融液23から切り離す。その後
冷却して、単結晶36の引き上げを完了する。
【0010】上記単結晶36の引き上げにおける重要な
工程として、上記ネッキング工程(図4(b))があ
る。上記ネッキング工程を行う目的について以下に説明
する。まず上記シーディング工程(図4(a))を行う
にあたって、種結晶35の下端部35aは、ある程度予
熱された後に溶融液23に着液されるが、この予熱の温
度(約1300℃程度以下)と種結晶35の融点(約1
410℃)との間には、通常100℃以上の差がある。
従って、溶融液23への浸漬時に、種結晶35は急激に
温度が上昇するため、種結晶35の下端部35aには、
熱応力による転位が導入される。該転位は、単結晶化を
阻害するものであるため、前記転位を排除してから単結
晶36を成長させる必要がある。一般に、前記転位は、
単結晶36の成長界面に対して垂直方向に成長する傾向
があることから、上記ネッキング工程により前記成長界
面(ネック36aの先端面)の形状を下に凸形状とし、
前記転位を排除する。
工程として、上記ネッキング工程(図4(b))があ
る。上記ネッキング工程を行う目的について以下に説明
する。まず上記シーディング工程(図4(a))を行う
にあたって、種結晶35の下端部35aは、ある程度予
熱された後に溶融液23に着液されるが、この予熱の温
度(約1300℃程度以下)と種結晶35の融点(約1
410℃)との間には、通常100℃以上の差がある。
従って、溶融液23への浸漬時に、種結晶35は急激に
温度が上昇するため、種結晶35の下端部35aには、
熱応力による転位が導入される。該転位は、単結晶化を
阻害するものであるため、前記転位を排除してから単結
晶36を成長させる必要がある。一般に、前記転位は、
単結晶36の成長界面に対して垂直方向に成長する傾向
があることから、上記ネッキング工程により前記成長界
面(ネック36aの先端面)の形状を下に凸形状とし、
前記転位を排除する。
【0011】また、上記ネッキング工程においては、引
き上げ速度を高速にするほど、ネック36aの径を細く
することができ、前記成長界面の形状をより下に凸とし
て、前記転位の伝播を抑制することができ、前記転位を
効率良く排除することができる。
き上げ速度を高速にするほど、ネック36aの径を細く
することができ、前記成長界面の形状をより下に凸とし
て、前記転位の伝播を抑制することができ、前記転位を
効率良く排除することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の単結晶
引き上げ方法においては、直径が約6インチ、重量が8
0kg程度の単結晶36を引き上げるために、直径約1
2mmの種結晶35を用いるのが一般的であった。その
際、単結晶36を安全に支持するためには、ネック36
aの径が大きい方がよく、他方、転位を効率的に排除す
るためには、ネック36aの径はできるだけ小さい方が
よい。これら両者の要求を満たすネック36aの直径と
して、3mm程度が選択されていた。しかしながら、近
年の半導体デバイスの高集積化、低コスト化及び生産性
の効率化に対応して、ウエハも大口径化が要求されてき
ており、最近では、例えば直径約12インチ(300m
m)、重量が300kg程度の、単結晶36の製造が望
まれている。この場合、従来のネック36aの直径(通
常3mm程度)では、ネック36aが引き上げられる単
結晶36の重さに耐えられずに破損し、単結晶36が落
下してしまうという課題があった。
引き上げ方法においては、直径が約6インチ、重量が8
0kg程度の単結晶36を引き上げるために、直径約1
2mmの種結晶35を用いるのが一般的であった。その
際、単結晶36を安全に支持するためには、ネック36
aの径が大きい方がよく、他方、転位を効率的に排除す
るためには、ネック36aの径はできるだけ小さい方が
よい。これら両者の要求を満たすネック36aの直径と
して、3mm程度が選択されていた。しかしながら、近
年の半導体デバイスの高集積化、低コスト化及び生産性
の効率化に対応して、ウエハも大口径化が要求されてき
ており、最近では、例えば直径約12インチ(300m
m)、重量が300kg程度の、単結晶36の製造が望
まれている。この場合、従来のネック36aの直径(通
常3mm程度)では、ネック36aが引き上げられる単
結晶36の重さに耐えられずに破損し、単結晶36が落
下してしまうという課題があった。
【0013】上記した大重量の単結晶36を育成するに
あたり、単結晶36の落下等の事故の発生を防ぎ、安全
に引き上げを行うためには、シリコン強度(約16kg
f/mm2 )から算出してネック36aの直径を、約6
mm以上とする必要がある。しかしながら、ネック36
aの直径を6mm以上にすると、種結晶35の溶融液2
3への浸漬時に導入された転位を、十分に排除すること
ができない。
あたり、単結晶36の落下等の事故の発生を防ぎ、安全
に引き上げを行うためには、シリコン強度(約16kg
f/mm2 )から算出してネック36aの直径を、約6
mm以上とする必要がある。しかしながら、ネック36
aの直径を6mm以上にすると、種結晶35の溶融液2
3への浸漬時に導入された転位を、十分に排除すること
ができない。
【0014】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、種結晶を溶融液に着液した際に導入される転位の
伝播を阻止するために、ネックを形成した場合において
も、引き上げられる大重量の単結晶を十分に支持するこ
とができ、安全に単結晶の引き上げを行うことができ
る、種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の
引き上げ方法を提供することを目的としている。
あり、種結晶を溶融液に着液した際に導入される転位の
伝播を阻止するために、ネックを形成した場合において
も、引き上げられる大重量の単結晶を十分に支持するこ
とができ、安全に単結晶の引き上げを行うことができ
る、種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の
引き上げ方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成するために、本発明に係る種結晶保持具(1)は、
溶融液に濡れにくい材料よりなり、種結晶保持部、ネッ
ク形成部、及びネックに続き一旦その径を拡大させた後
縮小させる、くびれ形成部を含んで構成されていること
を特徴としている。
達成するために、本発明に係る種結晶保持具(1)は、
溶融液に濡れにくい材料よりなり、種結晶保持部、ネッ
ク形成部、及びネックに続き一旦その径を拡大させた後
縮小させる、くびれ形成部を含んで構成されていること
を特徴としている。
【0016】上記構成の種結晶保持具(1)によれば、
該種結晶保持具が溶融液に濡れにくい材料よりなるの
で、単結晶の成長に妨害となる、種結晶保持具表面から
の多結晶の成長を防止することができる。そして、種結
晶が保持された前記種結晶保持具を用い、ネック形成部
の内部空洞にネックを形成することにより、種結晶の着
液時に導入される転位の伝播を、阻止することができ
る。また、ネックに続いてくびれ形成部の空洞にくびれ
を形成し、この周囲に存在する種結晶保持具で保持する
ことにより、ネックの破損を防止することができる。ま
た、前記くびれの下方に形成する単結晶を、その最小径
がネックよりも太い、前記くびれで支持するので、従来
よりも重い重量の単結晶を引き上げる場合においても、
十分に単結晶を支持することができ、安全に前記単結晶
の引き上げを行うことができる。
該種結晶保持具が溶融液に濡れにくい材料よりなるの
で、単結晶の成長に妨害となる、種結晶保持具表面から
の多結晶の成長を防止することができる。そして、種結
晶が保持された前記種結晶保持具を用い、ネック形成部
の内部空洞にネックを形成することにより、種結晶の着
液時に導入される転位の伝播を、阻止することができ
る。また、ネックに続いてくびれ形成部の空洞にくびれ
を形成し、この周囲に存在する種結晶保持具で保持する
ことにより、ネックの破損を防止することができる。ま
た、前記くびれの下方に形成する単結晶を、その最小径
がネックよりも太い、前記くびれで支持するので、従来
よりも重い重量の単結晶を引き上げる場合においても、
十分に単結晶を支持することができ、安全に前記単結晶
の引き上げを行うことができる。
【0017】また、本発明に係る種結晶保持具(2)
は、上記種結晶保持具(1)において、その上部から下
部に至る複数の溝が形成されていることを特徴としてい
る。
は、上記種結晶保持具(1)において、その上部から下
部に至る複数の溝が形成されていることを特徴としてい
る。
【0018】上記構成の種結晶保持具(2)によれば、
上記種結晶保持具(1)による効果の他、前記種結晶保
持具を溶融液に浸漬した後において、前記溝により種結
晶保持具の内部空洞と外部(チャンバ内)との通気を図
ることができ、単結晶の多結晶化を防止してより容易に
単結晶の育成を行うことができる。
上記種結晶保持具(1)による効果の他、前記種結晶保
持具を溶融液に浸漬した後において、前記溝により種結
晶保持具の内部空洞と外部(チャンバ内)との通気を図
ることができ、単結晶の多結晶化を防止してより容易に
単結晶の育成を行うことができる。
【0019】また、本発明に係る種結晶保持具(3)
は、上記種結晶保持具(2)において、溝と溝との境界
部が水平断面視鋭角形状に構成されていることを特徴と
している。
は、上記種結晶保持具(2)において、溝と溝との境界
部が水平断面視鋭角形状に構成されていることを特徴と
している。
【0020】上記構成の種結晶保持具(3)によれば、
上記種結晶保持具(2)による効果の他、溝と溝との境
界部が水平断面視鋭角形状に構成されているので、溝の
内部に結晶が成長することはなく、溝と溝との境界部の
頂点と線接触するように結晶を成長させることができ、
単結晶の育成がさらに容易となる。
上記種結晶保持具(2)による効果の他、溝と溝との境
界部が水平断面視鋭角形状に構成されているので、溝の
内部に結晶が成長することはなく、溝と溝との境界部の
頂点と線接触するように結晶を成長させることができ、
単結晶の育成がさらに容易となる。
【0021】また、本発明に係る種結晶保持具(4)
は、上記種結晶保持具(1)〜(3)のいずれかにおい
て、補強部材が配設されていることを特徴としている。
は、上記種結晶保持具(1)〜(3)のいずれかにおい
て、補強部材が配設されていることを特徴としている。
【0022】上記種結晶保持具(4)によれば、上記種
結晶保持具(1)〜(3)のいずれかの効果の他、前記
種結晶保持具により、より確実に前記くびれを保持する
ことができ、該くびれの破損を防止することができる。
結晶保持具(1)〜(3)のいずれかの効果の他、前記
種結晶保持具により、より確実に前記くびれを保持する
ことができ、該くびれの破損を防止することができる。
【0023】また、本発明に係る単結晶の引き上げ方法
は、坩堝内の溶融液に種結晶を浸漬した後、該種結晶を
引き上げることにより単結晶を成長させる単結晶の引き
上げ方法において、上記種結晶保持具(1)〜(4)の
いずれかの内部において、ネックの形成、及び該ネック
に続き一旦その径を拡大させた後縮小させるくびれの形
成を行うことを特徴としている。
は、坩堝内の溶融液に種結晶を浸漬した後、該種結晶を
引き上げることにより単結晶を成長させる単結晶の引き
上げ方法において、上記種結晶保持具(1)〜(4)の
いずれかの内部において、ネックの形成、及び該ネック
に続き一旦その径を拡大させた後縮小させるくびれの形
成を行うことを特徴としている。
【0024】上記単結晶引き上げ方法によれば、種結晶
保持具の内部壁より多結晶が成長するのを防止しつつ、
ネック形成部の内部空洞にネックを形成することによ
り、種結晶の着液時に導入される転位の伝播を阻止する
ことができる。また、その周囲に存在する種結晶保持具
により形成された前記くびれを保持するので、前記ネッ
クの破損を防止することができる。また、前記くびれの
下方に形成する単結晶を、その最小径がネックよりも太
い前記くびれで支持するので、従来よりも重い重量の単
結晶を引き上げる場合においても、十分に単結晶を支持
することができ、安全に前記単結晶の引き上げを行うこ
とができる。
保持具の内部壁より多結晶が成長するのを防止しつつ、
ネック形成部の内部空洞にネックを形成することによ
り、種結晶の着液時に導入される転位の伝播を阻止する
ことができる。また、その周囲に存在する種結晶保持具
により形成された前記くびれを保持するので、前記ネッ
クの破損を防止することができる。また、前記くびれの
下方に形成する単結晶を、その最小径がネックよりも太
い前記くびれで支持するので、従来よりも重い重量の単
結晶を引き上げる場合においても、十分に単結晶を支持
することができ、安全に前記単結晶の引き上げを行うこ
とができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る種結晶保持具
及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法の実
施の形態を、図面に基づいて説明する。
及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法の実
施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0026】本実施の形態に係る単結晶引き上げ方法
は、12インチ以上の大口径、大重量の単結晶の引き上
げを前提としている。
は、12インチ以上の大口径、大重量の単結晶の引き上
げを前提としている。
【0027】図1(a)は、実施の形態に係る種結晶保
持具を模式的に示した縦断面図であり、(b)は、図1
(a)に示した種結晶保持具のB−B線断面図である。
持具を模式的に示した縦断面図であり、(b)は、図1
(a)に示した種結晶保持具のB−B線断面図である。
【0028】この種結晶保持具11は、種結晶保持部1
4、ネック形成部15、及びくびれ形成部16を含んで
構成されている。
4、ネック形成部15、及びくびれ形成部16を含んで
構成されている。
【0029】この種結晶保持部14の上部には、ネジ溝
(図示せず)が形成されており、このねじ溝に引き上げ
軸24の先端を螺着することにより、引き上げ軸24と
種結晶保持具11とが連結されるようになっている。ま
た、種結晶保持部14には、円柱形状の種結晶25を挿
入するための、空洞14aが形成されている。ネック形
成部15には、種結晶保持部14の空洞14aに続い
て、ネック形状に空洞15aが形成されており、さらに
くびれ形成部16には、ネック形成部15の空洞15a
に続いて、一旦その径を拡大させた後縮小させる形状
(くびれ形状)に、空洞16aが形成されている。ま
た、これら空洞14a、15a、16aの周囲には、ね
じ溝が形成されている部分を除いて、種結晶保持具11
の上部から下部に至る複数の溝12が形成されており、
溝12と溝12との境界部12aは、図1(b)の断面
図で示したように、鋭角形状に構成されている。
(図示せず)が形成されており、このねじ溝に引き上げ
軸24の先端を螺着することにより、引き上げ軸24と
種結晶保持具11とが連結されるようになっている。ま
た、種結晶保持部14には、円柱形状の種結晶25を挿
入するための、空洞14aが形成されている。ネック形
成部15には、種結晶保持部14の空洞14aに続い
て、ネック形状に空洞15aが形成されており、さらに
くびれ形成部16には、ネック形成部15の空洞15a
に続いて、一旦その径を拡大させた後縮小させる形状
(くびれ形状)に、空洞16aが形成されている。ま
た、これら空洞14a、15a、16aの周囲には、ね
じ溝が形成されている部分を除いて、種結晶保持具11
の上部から下部に至る複数の溝12が形成されており、
溝12と溝12との境界部12aは、図1(b)の断面
図で示したように、鋭角形状に構成されている。
【0030】種結晶保持具11は、溶融液23に濡れに
くい材料により構成されており、溶融液23に浸漬して
も化学的に変化せず(耐熱性に優れ)、しかも、溶融液
23中に不純物等が溶け出さないもので構成されてい
る。また、後述するように、育成する大重量の単結晶
を、この種結晶保持具11により保持するため、その機
械的強度も大きい材料で構成されている。このような特
性を有する材料としては、例えば窒化ホウ素(BN)、
炭化珪素(SiC)等の非酸化物系セラミックスが挙げ
られるが、その中でも、BNは溶融液23に極めて濡れ
にくい性質を有しているため好ましい。従って、種結晶
保持具11は、通常BNの焼結体により構成されるが、
より強度が必要な場合には、図1に示したように、補強
部材13が溝12の周囲全体に、溝12にほぼ平行に埋
設されていてもよい。補強部材13としては、高融点金
属であるモリブデン(Mo)、タングステン(W)等が
挙げられる。図1には、水平断面視円形状を有する金属
の補強部材13が埋設された例を示したが、別の実施の
形態においては、SiC等のウィスカーが補強部材とし
て種結晶保持具11の全体に混入されたものであっても
よく、また、多数の炭素繊維等が溝12にほぼ平行にな
るように、種結晶保持具11に混入されたものであって
もよい。
くい材料により構成されており、溶融液23に浸漬して
も化学的に変化せず(耐熱性に優れ)、しかも、溶融液
23中に不純物等が溶け出さないもので構成されてい
る。また、後述するように、育成する大重量の単結晶
を、この種結晶保持具11により保持するため、その機
械的強度も大きい材料で構成されている。このような特
性を有する材料としては、例えば窒化ホウ素(BN)、
炭化珪素(SiC)等の非酸化物系セラミックスが挙げ
られるが、その中でも、BNは溶融液23に極めて濡れ
にくい性質を有しているため好ましい。従って、種結晶
保持具11は、通常BNの焼結体により構成されるが、
より強度が必要な場合には、図1に示したように、補強
部材13が溝12の周囲全体に、溝12にほぼ平行に埋
設されていてもよい。補強部材13としては、高融点金
属であるモリブデン(Mo)、タングステン(W)等が
挙げられる。図1には、水平断面視円形状を有する金属
の補強部材13が埋設された例を示したが、別の実施の
形態においては、SiC等のウィスカーが補強部材とし
て種結晶保持具11の全体に混入されたものであっても
よく、また、多数の炭素繊維等が溝12にほぼ平行にな
るように、種結晶保持具11に混入されたものであって
もよい。
【0031】ネック形成部15の空洞15aの最小直径
(d1 )は、3〜6mm、くびれ形成部16の空洞16
aの最大直径(d2 )は、17〜50mm、空洞16a
の最下部の直径(d3 )は、12〜45mmが好まし
い。
(d1 )は、3〜6mm、くびれ形成部16の空洞16
aの最大直径(d2 )は、17〜50mm、空洞16a
の最下部の直径(d3 )は、12〜45mmが好まし
い。
【0032】ネック形成部15の空洞15aの最小直径
(d1 )を3mm以上にすれば、十分に種結晶25に導
入された転位の伝播を阻止することができるので、それ
よりも小さい径にする必要はなく、他方、空洞15aの
最小径部分の直径(d1 )が6mmを超えると、種結晶
25に導入された転位の伝播を阻止するのが難しくな
る。くびれ形成部16の空洞16aの最大直径(d2 )
が17mm未満であると、くびれ26bを形成して単結
晶26を支持するのが難しくなり、他方空洞16aの最
大直径(d2 )が50mmを超えても、単結晶26を支
持する効果は変わらず、経済的に不利である。空洞16
aの最下部の直径(d3 )が12mm未満であると、単
結晶26を支持するのが難しくなり、他方空洞16aの
最下部の直径(d3 )が45mmを超えても、単結晶2
6を支持する効果は変わらず、経済的に不利である。
(d1 )を3mm以上にすれば、十分に種結晶25に導
入された転位の伝播を阻止することができるので、それ
よりも小さい径にする必要はなく、他方、空洞15aの
最小径部分の直径(d1 )が6mmを超えると、種結晶
25に導入された転位の伝播を阻止するのが難しくな
る。くびれ形成部16の空洞16aの最大直径(d2 )
が17mm未満であると、くびれ26bを形成して単結
晶26を支持するのが難しくなり、他方空洞16aの最
大直径(d2 )が50mmを超えても、単結晶26を支
持する効果は変わらず、経済的に不利である。空洞16
aの最下部の直径(d3 )が12mm未満であると、単
結晶26を支持するのが難しくなり、他方空洞16aの
最下部の直径(d3 )が45mmを超えても、単結晶2
6を支持する効果は変わらず、経済的に不利である。
【0033】次に、この種結晶保持具11を用いた、単
結晶26の引き上げ方法を説明する。図2(a)〜
(c)は、種結晶保持具11を用いた単結晶26の引き
上げ工程における、種結晶保持具11の近傍を示した部
分拡大断面図である。
結晶26の引き上げ方法を説明する。図2(a)〜
(c)は、種結晶保持具11を用いた単結晶26の引き
上げ工程における、種結晶保持具11の近傍を示した部
分拡大断面図である。
【0034】図2には示していないが、まず、この種結
晶保持具11の中に種結晶25を挿入し、種結晶保持具
11の上部を引き上げ軸24に螺着することにより、種
結晶保持具11を引き上げ軸24に連結し、次に、「従
来の技術」の項で説明した方法と同様に結晶用原料を溶
融させ、チャンバ29内の雰囲気を調整する等の操作を
行う。
晶保持具11の中に種結晶25を挿入し、種結晶保持具
11の上部を引き上げ軸24に螺着することにより、種
結晶保持具11を引き上げ軸24に連結し、次に、「従
来の技術」の項で説明した方法と同様に結晶用原料を溶
融させ、チャンバ29内の雰囲気を調整する等の操作を
行う。
【0035】次に、種結晶25を予熱するため、支持軸
28と同一軸心で逆方向に所定の速度で引き上げ軸24
を回転させながら、種結晶保持具11に保持された種結
晶25が溶融液23の直上の位置に来るように、種結晶
保持具11を降下させ、種結晶保持具11の一部を溶融
液23に浸漬する。(図2(a))。
28と同一軸心で逆方向に所定の速度で引き上げ軸24
を回転させながら、種結晶保持具11に保持された種結
晶25が溶融液23の直上の位置に来るように、種結晶
保持具11を降下させ、種結晶保持具11の一部を溶融
液23に浸漬する。(図2(a))。
【0036】種結晶保持具11の上部には、空気抜きの
孔(図示せず)が形成されているため、種結晶保持具1
1を溶融液23に浸漬すると、空洞15a、16aの空
気の一部は孔より外部に抜け、ネック形成部15の空洞
15a内に溶融液23が侵入する。チャンバ29内は、
Arガスが流通しているが、種結晶25は種結晶保持具
11の内部に保持されているために、Arガスにより冷
却されにくく、短時間で予熱することができ、また、前
記予熱により、種結晶25の温度を溶融液23の温度近
くまで上昇させることができる。
孔(図示せず)が形成されているため、種結晶保持具1
1を溶融液23に浸漬すると、空洞15a、16aの空
気の一部は孔より外部に抜け、ネック形成部15の空洞
15a内に溶融液23が侵入する。チャンバ29内は、
Arガスが流通しているが、種結晶25は種結晶保持具
11の内部に保持されているために、Arガスにより冷
却されにくく、短時間で予熱することができ、また、前
記予熱により、種結晶25の温度を溶融液23の温度近
くまで上昇させることができる。
【0037】次に、種結晶保持具11をさらに降下さ
せ、種結晶25の下端部25aを溶融液23に着液させ
る(図2(b))。
せ、種結晶25の下端部25aを溶融液23に着液させ
る(図2(b))。
【0038】この種結晶25の着液時において、種結晶
25の下端部25aは溶融液23との温度差が小さいの
で、温度差に起因する熱応力が種結晶25に作用しにく
く、そのため転位が導入されにくい。従って、ネック2
6aの径は、従来と比較して太くてもよい。
25の下端部25aは溶融液23との温度差が小さいの
で、温度差に起因する熱応力が種結晶25に作用しにく
く、そのため転位が導入されにくい。従って、ネック2
6aの径は、従来と比較して太くてもよい。
【0039】次に、引き上げ軸24を2〜5mm/分の
速度で引き上げ、種結晶25の下端部25aより結晶を
成長させ、空洞15a内に種結晶25の径より小さく、
その径を絞ったネック26aを形成する。次に0.1〜
1.0mm/分の速度で引き上げ軸24を引き上げ、く
びれ26bを形成し、次に、従来の場合と同様に、0.
1〜1.0mm/分の速度で引き上げて、ショルダー2
6cを形成する(図2(c))。
速度で引き上げ、種結晶25の下端部25aより結晶を
成長させ、空洞15a内に種結晶25の径より小さく、
その径を絞ったネック26aを形成する。次に0.1〜
1.0mm/分の速度で引き上げ軸24を引き上げ、く
びれ26bを形成し、次に、従来の場合と同様に、0.
1〜1.0mm/分の速度で引き上げて、ショルダー2
6cを形成する(図2(c))。
【0040】上記ネック26a形成工程及びくびれ26
b形成工程において、種結晶保持具11が通常の材質に
より構成されていると、空洞15a、15bの壁の部分
より種々の方向に結晶が成長し易く、多結晶化する確率
が高い。しかし、本実施の形態においては、種結晶11
が溶融液23と極めて濡れにくいBN焼結体により構成
されており、溝12と溝12との境界部12aは、鋭角
形状に構成されているため、溝12の内部に結晶は成長
せず、種結晶25の下端部25aのみから結晶が成長
し、図1(b)に示したように境界部12aの頂点と点
(線)接触するように、水平断面視円形状に結晶が成長
していく。従って、種結晶25の下方にネック26aを
形成して、種結晶25からの転位の伝播を阻止すること
ができ、くびれ26bを含めこれより下の部分で単結晶
26を育成することができる。くびれ26bからショル
ダー26cに移る部分(くびれの最下部)の直径(d
3 )は12〜45mmであるので、大重量の単結晶を引
き上げる場合においても、くびれ26bにより単結晶2
6を十分に支持することができる。この場合、くびれ2
6bより上の部分は、種結晶保持具11により保持す
る。
b形成工程において、種結晶保持具11が通常の材質に
より構成されていると、空洞15a、15bの壁の部分
より種々の方向に結晶が成長し易く、多結晶化する確率
が高い。しかし、本実施の形態においては、種結晶11
が溶融液23と極めて濡れにくいBN焼結体により構成
されており、溝12と溝12との境界部12aは、鋭角
形状に構成されているため、溝12の内部に結晶は成長
せず、種結晶25の下端部25aのみから結晶が成長
し、図1(b)に示したように境界部12aの頂点と点
(線)接触するように、水平断面視円形状に結晶が成長
していく。従って、種結晶25の下方にネック26aを
形成して、種結晶25からの転位の伝播を阻止すること
ができ、くびれ26bを含めこれより下の部分で単結晶
26を育成することができる。くびれ26bからショル
ダー26cに移る部分(くびれの最下部)の直径(d
3 )は12〜45mmであるので、大重量の単結晶を引
き上げる場合においても、くびれ26bにより単結晶2
6を十分に支持することができる。この場合、くびれ2
6bより上の部分は、種結晶保持具11により保持す
る。
【0041】その後は、「従来の技術」の項で説明した
方法と同様にメインボディ(図示せず)を形成した後、
その径を絞り、溶融液23から切り離すことにより、単
結晶26の引き上げを完了する。
方法と同様にメインボディ(図示せず)を形成した後、
その径を絞り、溶融液23から切り離すことにより、単
結晶26の引き上げを完了する。
【0042】上記実施の形態においては、空洞14a、
15a、16aの周囲に、境界部12aが鋭角形状に構
成された溝12が形成されているが、別の実施の形態に
おいては、必ずしも前記形状の溝12が形成されている
必要はなく、別の形状の溝が形成されていてもよい。
15a、16aの周囲に、境界部12aが鋭角形状に構
成された溝12が形成されているが、別の実施の形態に
おいては、必ずしも前記形状の溝12が形成されている
必要はなく、別の形状の溝が形成されていてもよい。
【0043】さらに、別の実施の形態においては、溝1
2自体が形成されていなくてもよく、水平断面視円形状
に空洞が形成されていてもよい。この場合には、種結晶
保持具を溶融液23に浸漬した際に、内部の空洞と外部
との通気を図るため、種結晶に通気用の溝を形成してお
くことが望ましい。
2自体が形成されていなくてもよく、水平断面視円形状
に空洞が形成されていてもよい。この場合には、種結晶
保持具を溶融液23に浸漬した際に、内部の空洞と外部
との通気を図るため、種結晶に通気用の溝を形成してお
くことが望ましい。
【0044】
【実施例及び比較例】以下、実施例に係る種結晶保持具
及び該種結晶保持具を用いた、単結晶の引き上げ方法を
説明する。また、比較例として、従来のCZ法による単
結晶引き上げ装置(図3)を用い、従来の方法で単結晶
の引き上げを行った場合についても説明する。下記の表
1〜表6にその条件を記載する。
及び該種結晶保持具を用いた、単結晶の引き上げ方法を
説明する。また、比較例として、従来のCZ法による単
結晶引き上げ装置(図3)を用い、従来の方法で単結晶
の引き上げを行った場合についても説明する。下記の表
1〜表6にその条件を記載する。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】<引き上げた単結晶のDF(Dislocation
Free) 率の調査方法>引き上げた単結晶26、36を成
長方向(長さ方向)に平行にスライスし、得られた単結
晶26、36のX線トポグラフを測定し、その結果より
判断した。すなわち、X線トポグラフより、少しでも転
位が認められた単結晶26、36は、転位ありと判断し
た。前記測定により、引き上げた単結晶30本のうち、
転位のない(DF)ものの割合を調べた。
Free) 率の調査方法>引き上げた単結晶26、36を成
長方向(長さ方向)に平行にスライスし、得られた単結
晶26、36のX線トポグラフを測定し、その結果より
判断した。すなわち、X線トポグラフより、少しでも転
位が認められた単結晶26、36は、転位ありと判断し
た。前記測定により、引き上げた単結晶30本のうち、
転位のない(DF)ものの割合を調べた。
【0052】<実施例1、2、及び比較例1、2の結果
>上記実施例1、2及び比較例1、2の場合の、単結晶
26、36のDF率及び落下数を下記の表7に示す。
>上記実施例1、2及び比較例1、2の場合の、単結晶
26、36のDF率及び落下数を下記の表7に示す。
【0053】
【表7】
【0054】上記表7に示した結果より明らかなよう
に、実施例1、2の場合には、ネック26aを形成して
いるので、種結晶25からの転位の伝播を阻止すること
ができ、引き上げた単結晶26のDF率が、93%(2
8/30)、97%(29/30)と、殆ど転位が導入
されていない。また、くびれ26bの最下部の直径(d
3 )が12mm、15mmと十分に太いので、落下数は
0/30であった。
に、実施例1、2の場合には、ネック26aを形成して
いるので、種結晶25からの転位の伝播を阻止すること
ができ、引き上げた単結晶26のDF率が、93%(2
8/30)、97%(29/30)と、殆ど転位が導入
されていない。また、くびれ26bの最下部の直径(d
3 )が12mm、15mmと十分に太いので、落下数は
0/30であった。
【0055】これに対し、比較例1の場合には、ネック
36aの直径が4mmになるまでその径を絞ったので、
DF率は90%(27/30)と良好であったが、単結
晶36を十分に支持することができず、落下数が24/
30と、殆どのものが落下してしまった。また、比較例
2の場合には、ネック36aの直径を10mmと太くし
たため、落下数は0/30であったが、種結晶35に導
入された転位を排除することができず、DF率が0%
(0/30)と全ての単結晶36に転位が導入されてし
まった。
36aの直径が4mmになるまでその径を絞ったので、
DF率は90%(27/30)と良好であったが、単結
晶36を十分に支持することができず、落下数が24/
30と、殆どのものが落下してしまった。また、比較例
2の場合には、ネック36aの直径を10mmと太くし
たため、落下数は0/30であったが、種結晶35に導
入された転位を排除することができず、DF率が0%
(0/30)と全ての単結晶36に転位が導入されてし
まった。
【図1】(a)は、本発明の実施の形態に係る種結晶保
持具を、模式的に示した縦断面図であり、(b)は、そ
の水平断面図である。
持具を、模式的に示した縦断面図であり、(b)は、そ
の水平断面図である。
【図2】(a)〜(c)は、実施の形態に係る単結晶引
き上げ方法における、種結晶保持具の近傍を、模式的に
示した部分拡大断面図である。
き上げ方法における、種結晶保持具の近傍を、模式的に
示した部分拡大断面図である。
【図3】CZ法において使用される、従来の単結晶引き
上げ装置を模式的に示した断面図である。
上げ装置を模式的に示した断面図である。
【図4】(a)〜(d)は、従来の単結晶引き上げ方法
における、種結晶の近傍を、模式的に示した部分拡大正
面図である。
における、種結晶の近傍を、模式的に示した部分拡大正
面図である。
11 種結晶保持具 12 溝 12a 境界部 13 補強部材 14 種結晶保持部 14a、15a、16a 空洞 15 ネック形成部 16 くびれ形成部 21 坩堝 23 溶融液 25 種結晶 26 単結晶
Claims (5)
- 【請求項1】 溶融液に濡れにくい材料よりなり、種結
晶保持部、ネック形成部、及びネックに続き一旦その径
を拡大させた後縮小させるくびれ形成部を含んで構成さ
れていることを特徴とする種結晶保持具。 - 【請求項2】 上部から下部に至る複数の溝が形成され
ていることを特徴とする請求項1記載の種結晶保持具。 - 【請求項3】 溝と溝との境界部が水平断面視鋭角形状
に構成されていることを特徴とする請求項2記載の種結
晶保持具。 - 【請求項4】 補強部材により補強されていることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の種結晶保
持具。 - 【請求項5】 坩堝内の溶融液に種結晶を浸漬した後、
該種結晶を引き上げることにより単結晶を成長させる単
結晶の引き上げ方法において、請求項1〜4のいずれか
の項に記載の種結晶保持具の内部において、ネックの形
成、及び該ネックに続き一旦その径を拡大させた後縮小
させるくびれの形成を行うことを特徴とする単結晶引き
上げ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8058861A JP2973916B2 (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8058861A JP2973916B2 (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09249489A JPH09249489A (ja) | 1997-09-22 |
JP2973916B2 true JP2973916B2 (ja) | 1999-11-08 |
Family
ID=13096505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8058861A Expired - Lifetime JP2973916B2 (ja) | 1996-03-15 | 1996-03-15 | 種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2973916B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW541365B (en) * | 1996-08-30 | 2003-07-11 | Sumitomo Sitix Corp | Single crystal pulling method and single crystal pulling device |
DE19781966T1 (de) * | 1996-09-03 | 1999-07-15 | Sumitomo Sitix Corp | Vorrichtung zum Ziehen von Einkristallen |
JP4684396B2 (ja) * | 2000-07-21 | 2011-05-18 | Sumco Techxiv株式会社 | 単結晶引上げ装置 |
DE102005040229B4 (de) * | 2005-08-25 | 2011-12-22 | Siltronic Ag | Unterstützungsvorrichtung zur Unterstützung eines wachsenden Einkristalls aus Halbleitermaterial und Verfahren zur Herstellung eines Einkristalls |
-
1996
- 1996-03-15 JP JP8058861A patent/JP2973916B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09249489A (ja) | 1997-09-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100987470B1 (ko) | 실리콘 단결정의 제조방법 및 실리콘 단결정과 실리콘웨이퍼 | |
EP0229322A2 (en) | Method and apparatus for Czochralski single crystal growing | |
JP2937115B2 (ja) | 単結晶引き上げ方法 | |
JP2973917B2 (ja) | 単結晶引き上げ方法 | |
US5932002A (en) | Seed crystals for pulling a single crystal and methods using the same | |
JP3267225B2 (ja) | 単結晶引き上げ方法、及び単結晶引き上げ装置 | |
JP3050120B2 (ja) | 単結晶引き上げ用種結晶及び該種結晶を用いた単結晶引き上げ方法 | |
JP2973916B2 (ja) | 種結晶保持具及び該種結晶保持具を用いた単結晶の引き上げ方法 | |
JP3016126B2 (ja) | 単結晶の引き上げ方法 | |
US6755910B2 (en) | Method for pulling single crystal | |
JP2937120B2 (ja) | 単結晶引き上げ用種結晶保持具 | |
JP4224906B2 (ja) | シリコン単結晶の引上げ方法 | |
US6090198A (en) | Method for reducing thermal shock in a seed crystal during growth of a crystalline ingot | |
JPS63222091A (ja) | シリコン単結晶引上げ用ルツボ | |
US6652824B2 (en) | Method of growing large-diameter dislocation-free <110> crystalline ingots | |
JP3534138B2 (ja) | シリコン単結晶の育成方法 | |
JPH07330482A (ja) | 単結晶成長方法及び単結晶成長装置 | |
JPS5950627B2 (ja) | 単結晶シリコン引上装置 | |
JP4341379B2 (ja) | 単結晶の製造方法 | |
JP2982053B2 (ja) | 単結晶引き上げ方法 | |
JP3235450B2 (ja) | 単結晶引き上げ用シリコン種結晶及び該シリコン種結晶を用いた単結晶引き上げ方法 | |
JPH05294784A (ja) | 単結晶成長装置 | |
JP2942986B2 (ja) | 単結晶引き上げ用種結晶 | |
JP2000247780A (ja) | 単結晶引き上げ装置 | |
JP3721977B2 (ja) | 単結晶引き上げ方法 |