JP2961451B2 - 平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置 - Google Patents
平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走査型トンネル顕微鏡
の原理を用いた超高密度メモリに関するものである。
の原理を用いた超高密度メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年メモリ材料の用途は、コンピュータ
及びその関連機器、ビデオディスク、デジタルオーディ
オディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなすもの
であり、その材料開発も極めて活発に進んでいる。メモ
リ材料に要求される性能は用途により異なるが、一般的
には 1)高密度で記録容量が大きい 2)記録再生の応答速度が速い 3)消費電力が少ない 4)生産性が高く価格が安い 等が挙げられる。
及びその関連機器、ビデオディスク、デジタルオーディ
オディスク等のエレクトロニクス産業の中核をなすもの
であり、その材料開発も極めて活発に進んでいる。メモ
リ材料に要求される性能は用途により異なるが、一般的
には 1)高密度で記録容量が大きい 2)記録再生の応答速度が速い 3)消費電力が少ない 4)生産性が高く価格が安い 等が挙げられる。
【0003】一方、導体の表面原子の電子構造を直接観
察できる走査型トンネル顕微鏡(STM)が開発され
(G.Binnig et al.Phys.Rev.
Lett.49,57(1982))、単結晶、非晶質
を問わず実空間像の高い分解能の測定ができるようにな
り、しかも媒体に電流による損傷を与えずに低電力で観
察できる利点をも有し、さらに大気中でも動作し、種々
の材料に対して用いることができるため広範囲な応用が
期待されている。
察できる走査型トンネル顕微鏡(STM)が開発され
(G.Binnig et al.Phys.Rev.
Lett.49,57(1982))、単結晶、非晶質
を問わず実空間像の高い分解能の測定ができるようにな
り、しかも媒体に電流による損傷を与えずに低電力で観
察できる利点をも有し、さらに大気中でも動作し、種々
の材料に対して用いることができるため広範囲な応用が
期待されている。
【0004】STMは金属の探針(プローブ電極)と導
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより実空間
の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電
子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。こ
の際面内方向の分解能は0.1nm程度である。従っ
て、STMの原理を応用すれば十分に原子オーダー(数
Å)で高密度記録再生を行なうことが可能である。この
際の記録再生方法としては、粒子線(電子線、イオン
線)或いはX線等の高エネルギー電磁波及び可視・紫外
光等のエネルギー線を用いて適当な記録層の表面状態を
変化させて記録を行ない、STMで再生する方法や、記
録層として電圧電流のスイッチング特性に対してメモリ
効果をもつ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲ
ン化物類の薄膜層を用いて記録・再生をSTMを用いて
行なう方法等が提案されている。
電性物質の間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づ
けるとトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の距離変化に非常に敏感であり、トンネル電
流を一定に保つように探針を走査することにより実空間
の表面構造を描くことができると同時に表面原子の全電
子雲に関する種々の情報をも読みとることができる。こ
の際面内方向の分解能は0.1nm程度である。従っ
て、STMの原理を応用すれば十分に原子オーダー(数
Å)で高密度記録再生を行なうことが可能である。この
際の記録再生方法としては、粒子線(電子線、イオン
線)或いはX線等の高エネルギー電磁波及び可視・紫外
光等のエネルギー線を用いて適当な記録層の表面状態を
変化させて記録を行ない、STMで再生する方法や、記
録層として電圧電流のスイッチング特性に対してメモリ
効果をもつ材料、例えばπ電子系有機化合物やカルコゲ
ン化物類の薄膜層を用いて記録・再生をSTMを用いて
行なう方法等が提案されている。
【0005】図6にSTMを応用した情報処理装置の構
成図を示す。以下図面に従って説明する。101は基
板、102は電極層、103は記録層である。201は
XYステージ、202はプローブ電極、203はプロー
ブ電極の支持体、204はプローブ電極をZ方向に駆動
するZ軸リニアアクチュエータ、205,206はXY
ステージをそれぞれX,Y方向に駆動するリニアアクチ
ュエータである。
成図を示す。以下図面に従って説明する。101は基
板、102は電極層、103は記録層である。201は
XYステージ、202はプローブ電極、203はプロー
ブ電極の支持体、204はプローブ電極をZ方向に駆動
するZ軸リニアアクチュエータ、205,206はXY
ステージをそれぞれX,Y方向に駆動するリニアアクチ
ュエータである。
【0006】301はプローブ電極202から記録層1
03を介して電極層102へ流れるトンネル電流を検出
する増幅器である。302はトンネル電流の変化をプロ
ーブ電極202と記録層103の間隔距離に比例する価
に変換するための対数圧縮器、303は記録層103の
表面凹凸成分を抽出するための低域通過フィルタであ
る。304は基準電圧VREFと低域通過フィルタ303
の出力との誤差を検出する誤差増幅器、305はアクチ
ュエータ204を駆動するドライバーである。306は
XYステージ201の位置制御を行う駆動回路である。
307はデータ成分を分離する高域通過フィルタであ
る。308はプローブ電極202と電極層102との間
に情報処理用のパルス電圧を印加する電源である。パル
ス電圧を印加するとプローブ電流が急激に変化するた
め、サーボ回路309を用いてプローブ電極202のZ
方向への急激な変位を制御できるようになっている。
03を介して電極層102へ流れるトンネル電流を検出
する増幅器である。302はトンネル電流の変化をプロ
ーブ電極202と記録層103の間隔距離に比例する価
に変換するための対数圧縮器、303は記録層103の
表面凹凸成分を抽出するための低域通過フィルタであ
る。304は基準電圧VREFと低域通過フィルタ303
の出力との誤差を検出する誤差増幅器、305はアクチ
ュエータ204を駆動するドライバーである。306は
XYステージ201の位置制御を行う駆動回路である。
307はデータ成分を分離する高域通過フィルタであ
る。308はプローブ電極202と電極層102との間
に情報処理用のパルス電圧を印加する電源である。パル
ス電圧を印加するとプローブ電流が急激に変化するた
め、サーボ回路309を用いてプローブ電極202のZ
方向への急激な変位を制御できるようになっている。
【0007】図7に電極基板を用いた記録媒体の断面と
プローブ電極202の先端を示す。101は基板、10
2は電極層、103は記録層、104はトラックであ
る。202はプローブ電極である。また、401は記録
層103に記録されたデータビット、402は基板10
1上に電極層102を形成したときにできた結晶粒であ
る。この結晶粒402の大きさは電極層102の製法と
して通常の真空蒸着法、スパッタ法などを用いると30
〜50nm程度である。
プローブ電極202の先端を示す。101は基板、10
2は電極層、103は記録層、104はトラックであ
る。202はプローブ電極である。また、401は記録
層103に記録されたデータビット、402は基板10
1上に電極層102を形成したときにできた結晶粒であ
る。この結晶粒402の大きさは電極層102の製法と
して通常の真空蒸着法、スパッタ法などを用いると30
〜50nm程度である。
【0008】プローブ電極202と記録層103との間
隔は図6に示された回路構成により一定に保つことがで
きる。即ち、プローブ電極202と記録層103の間に
流れるトンネル電流を検出し、対数圧縮器302、低域
通過フィルタ303を介した後、この価を基準電圧と比
較し、この比較値が零に近づくようにプローブ電極20
2を支持するZ軸リニアアクチュエータ204を制御す
ることにより、プローブ電極202と記録層103の間
隔を一定にすることができる。
隔は図6に示された回路構成により一定に保つことがで
きる。即ち、プローブ電極202と記録層103の間に
流れるトンネル電流を検出し、対数圧縮器302、低域
通過フィルタ303を介した後、この価を基準電圧と比
較し、この比較値が零に近づくようにプローブ電極20
2を支持するZ軸リニアアクチュエータ204を制御す
ることにより、プローブ電極202と記録層103の間
隔を一定にすることができる。
【0009】さらに、XYステージ201を駆動するこ
とにより記録媒体の表面をプローブ電極202がなぞ
り、a点の信号の高域周波数成分を分離することにより
記録層103のデータを検出できる。この時のa点の信
号の周波数に対する信号強度スペクトラムを図8に示
す。
とにより記録媒体の表面をプローブ電極202がなぞ
り、a点の信号の高域周波数成分を分離することにより
記録層103のデータを検出できる。この時のa点の信
号の周波数に対する信号強度スペクトラムを図8に示
す。
【0010】f0以下の周波数成分の信号は基板101
の反り、歪等による媒体の緩やかな起伏によるものであ
る。f1を中心とした信号は電極層102の表面の凹凸
によるもので、主として電極材料形成時に生じる結晶粒
402によるものである。f2は記録データの搬送波成
分で、403はデータの信号帯域を示すデータ信号帯域
である。f3は記録層103の原子、分子配列から生じ
る信号成分である。また、fTはトラッキング信号であ
る。図6の再生装置においては図示されていないが、こ
のトラッキング信号fTはデータ列をプローブ電極20
2が追跡できるようにするための信号で、媒体上に段差
を形成するか、トラック104から外れると検出できる
信号を記録層103又は電極層102に書き込むことに
より実現している。
の反り、歪等による媒体の緩やかな起伏によるものであ
る。f1を中心とした信号は電極層102の表面の凹凸
によるもので、主として電極材料形成時に生じる結晶粒
402によるものである。f2は記録データの搬送波成
分で、403はデータの信号帯域を示すデータ信号帯域
である。f3は記録層103の原子、分子配列から生じ
る信号成分である。また、fTはトラッキング信号であ
る。図6の再生装置においては図示されていないが、こ
のトラッキング信号fTはデータ列をプローブ電極20
2が追跡できるようにするための信号で、媒体上に段差
を形成するか、トラック104から外れると検出できる
信号を記録層103又は電極層102に書き込むことに
より実現している。
【0011】また、実際に装置としてメモリ媒体への記
録再生を行うためには、いわゆるトラッキングという位
置決め及びデータ列への追跡を行う必要がある。この種
の高密度メモリのトラッキング方法として、記録媒体上
の基準マーカ、結晶の原子配列、溝などを用いる方法が
ある。
録再生を行うためには、いわゆるトラッキングという位
置決め及びデータ列への追跡を行う必要がある。この種
の高密度メモリのトラッキング方法として、記録媒体上
の基準マーカ、結晶の原子配列、溝などを用いる方法が
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記した電極基板によ
る記録媒体を使用した場合、以下のような問題点が有っ
た。 (1)STMの特徴である高分解能を生かし、高密度記
録を行うにはデータ信号帯域403をf1とf3の間に置
かなければならない。この場合、データ成分を分離する
ため遮断周波数fcの高域通過フィルタ307を用い
る。しかしながら、f1の信号成分の裾野がデータ信号
帯域403と重なっている。これはf1の信号成分が電
極層102の結晶粒402に起因しているためであり、
結晶粒402の30〜50nmに対しデータの記録サイ
ズ及びビット間隔が1〜10nmと接近していることに
よる。このため、データ再生のS/Nが低下し、読み取
りデータの誤り率を著しく大きくしている。 (2)データ追跡時に媒体上の段差によってトラッキン
グを行う際に、係る段差が大きすぎるために、トラッキ
ング信号を読み取るプローブ電極が段差に衝突し、プロ
ーブ電極が損傷したり、データの読み取りが困難になる
ことがある。
る記録媒体を使用した場合、以下のような問題点が有っ
た。 (1)STMの特徴である高分解能を生かし、高密度記
録を行うにはデータ信号帯域403をf1とf3の間に置
かなければならない。この場合、データ成分を分離する
ため遮断周波数fcの高域通過フィルタ307を用い
る。しかしながら、f1の信号成分の裾野がデータ信号
帯域403と重なっている。これはf1の信号成分が電
極層102の結晶粒402に起因しているためであり、
結晶粒402の30〜50nmに対しデータの記録サイ
ズ及びビット間隔が1〜10nmと接近していることに
よる。このため、データ再生のS/Nが低下し、読み取
りデータの誤り率を著しく大きくしている。 (2)データ追跡時に媒体上の段差によってトラッキン
グを行う際に、係る段差が大きすぎるために、トラッキ
ング信号を読み取るプローブ電極が段差に衝突し、プロ
ーブ電極が損傷したり、データの読み取りが困難になる
ことがある。
【0013】さらにトラッキングにおいては次のような
問題が有った。
問題が有った。
【0014】基準マーカを用いる方法ではマーカを検出
するために記録媒体表面をくまなく2次元走査しなけれ
ばならず、基準マーカを見いだすためにかなりの時間を
必要とする。原子配列を用いる方法では高密度記録を行
うための記録面の面積、例えば、1cm2の面積にわた
って格子配列の乱れや欠陥のない結晶基板を得ることは
難しい。また、溝を用いる場合、そのエッジ断面は不規
則な乱れを有し、距離変化に非常に敏感なトンネル電流
を用いるトラッキング方法においてトラッキング位置の
検出精度が低下する。
するために記録媒体表面をくまなく2次元走査しなけれ
ばならず、基準マーカを見いだすためにかなりの時間を
必要とする。原子配列を用いる方法では高密度記録を行
うための記録面の面積、例えば、1cm2の面積にわた
って格子配列の乱れや欠陥のない結晶基板を得ることは
難しい。また、溝を用いる場合、そのエッジ断面は不規
則な乱れを有し、距離変化に非常に敏感なトンネル電流
を用いるトラッキング方法においてトラッキング位置の
検出精度が低下する。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、記録
媒体に用いる高いS/N比、高速読み出しが可能となる
平滑電極基板及びその製造方法を提供するものである。
より詳しくは、表面凹凸の最高値と最低値の差が少なく
とも1μm□の範囲にわたって1nm以下であり、該表
面に高さ又は深さが3nm以上30nm以下の矩形の凸
部又は凹部を有することを特徴とする平滑電極基板、及
び、該平滑電極基板の製造方法であって、前記矩形の凸
部又は凹部をイオンビーム技術によって形成することを
特徴とする平滑電極基板の製造方法を提供するものであ
る。
媒体に用いる高いS/N比、高速読み出しが可能となる
平滑電極基板及びその製造方法を提供するものである。
より詳しくは、表面凹凸の最高値と最低値の差が少なく
とも1μm□の範囲にわたって1nm以下であり、該表
面に高さ又は深さが3nm以上30nm以下の矩形の凸
部又は凹部を有することを特徴とする平滑電極基板、及
び、該平滑電極基板の製造方法であって、前記矩形の凸
部又は凹部をイオンビーム技術によって形成することを
特徴とする平滑電極基板の製造方法を提供するものであ
る。
【0016】 また本発明は、低価格で生産性が高く且
つ高速アクセスが可能な記録媒体を提供するものであ
る。即ち、本発明は、表面凹凸の最高値と最低値の差が
少なくとも1μm□の範囲にわたって1nm以下であ
り、該表面に深さが3nm以上30nm以下の矩形の凹
部からなるトラックを形成した平滑電極基板と、該平滑
電極基板上に形成された記録層とからなることを特徴と
する記録媒体、及び、該記録媒体の製造方法であって、
Si基板の表面を異方性エッチングすることによって凹
部からなるトラックを形成し、該Si基板上に金属薄膜
からなる電極層を形成して前記平滑電極基板を形成する
ことを特徴とする記録媒体の製造方法を提供するもので
ある。
つ高速アクセスが可能な記録媒体を提供するものであ
る。即ち、本発明は、表面凹凸の最高値と最低値の差が
少なくとも1μm□の範囲にわたって1nm以下であ
り、該表面に深さが3nm以上30nm以下の矩形の凹
部からなるトラックを形成した平滑電極基板と、該平滑
電極基板上に形成された記録層とからなることを特徴と
する記録媒体、及び、該記録媒体の製造方法であって、
Si基板の表面を異方性エッチングすることによって凹
部からなるトラックを形成し、該Si基板上に金属薄膜
からなる電極層を形成して前記平滑電極基板を形成する
ことを特徴とする記録媒体の製造方法を提供するもので
ある。
【0017】 さらに本発明は、上記本発明の記録媒体
と、該記録媒体に対向して配置されたプローブ電極とを
有し、該プローブ電極で記録媒体上を走査しながらプロ
ーブ電極と記録媒体との間に電圧を印加することによ
り、記録、再生、消去を行うことを特徴とする情報処理
装置を提供するものである。
と、該記録媒体に対向して配置されたプローブ電極とを
有し、該プローブ電極で記録媒体上を走査しながらプロ
ーブ電極と記録媒体との間に電圧を印加することによ
り、記録、再生、消去を行うことを特徴とする情報処理
装置を提供するものである。
【0018】図1は本発明における平滑電極基板を用い
た記録媒体の断面図を示す。101は基板、102は平
滑面を有する電極層、103は記録層、104はトラッ
クである。
た記録媒体の断面図を示す。101は基板、102は平
滑面を有する電極層、103は記録層、104はトラッ
クである。
【0019】図3は本発明における記録媒体の断面図を
示したものである。
示したものである。
【0020】図3ではまず平滑基板101を用意する。
この平滑基板は表面凹凸の最大値と最小値が1nm以下
の平滑面を少くとも1μm□以上有するものを必要とす
る。それと同時に係る平滑基板は金属がエピタキシャル
成長するのに適していなければならない。これらの条件
を満たす平滑基板として、結晶のへき開面を用いること
ができる。結晶材料としては、マイカ、MgO、Ti
C、Si、グラファイト等が挙げられる。
この平滑基板は表面凹凸の最大値と最小値が1nm以下
の平滑面を少くとも1μm□以上有するものを必要とす
る。それと同時に係る平滑基板は金属がエピタキシャル
成長するのに適していなければならない。これらの条件
を満たす平滑基板として、結晶のへき開面を用いること
ができる。結晶材料としては、マイカ、MgO、Ti
C、Si、グラファイト等が挙げられる。
【0021】次に、平滑基板上に電極層として金属をエ
ピタキシャル成長させる。係る金属としては、Au、A
g、Pdなどが挙げられる他、Au−Ag、Au−Pd
など合金を用いても良い。
ピタキシャル成長させる。係る金属としては、Au、A
g、Pdなどが挙げられる他、Au−Ag、Au−Pd
など合金を用いても良い。
【0022】続いて、係る平滑基板上にイオンビーム技
術を用いて、所望のトラックパターンを形成する。トラ
ックパターンの形成には従来公知の種々のリソグラフィ
ー技術を用いることも可能であるが、プロセスの簡略
化、段差の制御性、ビーム径の大きさなどから、本発明
においてはFIBやイオンビームエッチングなどのイオ
ンビーム技術を用いるのが好ましい。また、記録される
データの凹凸と区別でき、且つデータ追跡時のプローブ
電極の損傷を防ぐために、トラックの段差は3nm〜3
0nmである。尚、平滑基板上にパターニングした後、
金属をエピタキシャル成長させて電極基板としてもよい
(図4(a))。その他、グラファイトのように平滑基
板自体が導電性を有している場合は、平滑基板上に金属
をエピタキシャル成長させずに、直接パターニングを行
っても良い(図4(b))。
術を用いて、所望のトラックパターンを形成する。トラ
ックパターンの形成には従来公知の種々のリソグラフィ
ー技術を用いることも可能であるが、プロセスの簡略
化、段差の制御性、ビーム径の大きさなどから、本発明
においてはFIBやイオンビームエッチングなどのイオ
ンビーム技術を用いるのが好ましい。また、記録される
データの凹凸と区別でき、且つデータ追跡時のプローブ
電極の損傷を防ぐために、トラックの段差は3nm〜3
0nmである。尚、平滑基板上にパターニングした後、
金属をエピタキシャル成長させて電極基板としてもよい
(図4(a))。その他、グラファイトのように平滑基
板自体が導電性を有している場合は、平滑基板上に金属
をエピタキシャル成長させずに、直接パターニングを行
っても良い(図4(b))。
【0023】以上の工程から得られた電極層の表面形状
をSTMを用いて測定したところ、その表面凹凸は10
μm□の領域において最大値と最小値の差が1nm〜3
nmであり、充分な平滑性を有していることを確認し
た。
をSTMを用いて測定したところ、その表面凹凸は10
μm□の領域において最大値と最小値の差が1nm〜3
nmであり、充分な平滑性を有していることを確認し
た。
【0024】その後、係る電極層の上に有機化合物から
なる記録層を形成する。係る記録層の形成方法として
は、従来公知の真空蒸着法やクラスターイオンビーム
法、塗布吸着法などが挙げられるが、最も簡便に均一な
膜厚を得るにはラングミュアーブロジェット(LB)法
が好ましい。LB法によれば、有機化合物の単分子膜又
は該単分子膜を累積した累積膜を容易に形成することが
可能である。
なる記録層を形成する。係る記録層の形成方法として
は、従来公知の真空蒸着法やクラスターイオンビーム
法、塗布吸着法などが挙げられるが、最も簡便に均一な
膜厚を得るにはラングミュアーブロジェット(LB)法
が好ましい。LB法によれば、有機化合物の単分子膜又
は該単分子膜を累積した累積膜を容易に形成することが
可能である。
【0025】さらに、本発明で用いる記録層は、電流−
電圧特性においてメモリースイッチング現象(電気メモ
リー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ群
とσ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に
積層した有機単分子膜或いはその累積膜を用いることが
可能となる。尚電気メモリー効果は前記の有機単分子
膜、その累積膜等の薄膜を一対の電極間に配置させた状
態でそれぞれ異なる2つ以上の導電率を示す状態(図2
1 ON状態、OFF状態)へ遷移させることが可能な
閾値を越えた電圧を印加することにより可逆的に低抵抗
状態(ON状態)および高抵抗状態(OFF状態)へ遷
移(スイッチング)させることができる。またそれぞれ
の状態は電圧を印加しなくとも保持(メモリー)してお
くことができる。
電圧特性においてメモリースイッチング現象(電気メモ
リー効果)を有する材料、例えば、π電子準位をもつ群
とσ電子準位のみを有する群を併有する分子を電極上に
積層した有機単分子膜或いはその累積膜を用いることが
可能となる。尚電気メモリー効果は前記の有機単分子
膜、その累積膜等の薄膜を一対の電極間に配置させた状
態でそれぞれ異なる2つ以上の導電率を示す状態(図2
1 ON状態、OFF状態)へ遷移させることが可能な
閾値を越えた電圧を印加することにより可逆的に低抵抗
状態(ON状態)および高抵抗状態(OFF状態)へ遷
移(スイッチング)させることができる。またそれぞれ
の状態は電圧を印加しなくとも保持(メモリー)してお
くことができる。
【0026】一般に有機材料のほとんどは、絶縁性もし
くは半絶縁性を示すことから係る本発明において、適用
可能なπ電子準位を持つ群を有する有機材料は著しく多
岐にわたる。本発明に好適なπ電子系を有する色素の構
造として例えば、フタロシアニン、テトラフェニルポル
フィリン等のポルフィリン骨格を有する色素、スクアリ
リウム基及びクロコニックメチン基を結合鎖として持つ
アズレン系色素及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベン
ゾオキサゾール等の2個の含窒素複素環をスクアリリウ
ム基及びクロコニックメチン基により結合したシアニン
系類似の色素、又はシアニン色素、アントラセン及びピ
レン等の縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化合物
が重合した鎖状化合物及びジアセチレン基の重合体、さ
らにはテトラシアノキノジメタンまたはテトラチアフル
バレンの誘導体及びその類似体及びその電荷移動錯体、
またさらにはフェロセン、トリスビピリジンルテニウム
錯体等の金属錯体化合物が挙げられる。
くは半絶縁性を示すことから係る本発明において、適用
可能なπ電子準位を持つ群を有する有機材料は著しく多
岐にわたる。本発明に好適なπ電子系を有する色素の構
造として例えば、フタロシアニン、テトラフェニルポル
フィリン等のポルフィリン骨格を有する色素、スクアリ
リウム基及びクロコニックメチン基を結合鎖として持つ
アズレン系色素及びキノリン、ベンゾチアゾール、ベン
ゾオキサゾール等の2個の含窒素複素環をスクアリリウ
ム基及びクロコニックメチン基により結合したシアニン
系類似の色素、又はシアニン色素、アントラセン及びピ
レン等の縮合多環芳香族、及び芳香環及び複素環化合物
が重合した鎖状化合物及びジアセチレン基の重合体、さ
らにはテトラシアノキノジメタンまたはテトラチアフル
バレンの誘導体及びその類似体及びその電荷移動錯体、
またさらにはフェロセン、トリスビピリジンルテニウム
錯体等の金属錯体化合物が挙げられる。
【0027】本発明に好適な高分子材料としては、例え
ばポリイミド、ポリアミド等の縮合重合体、バクテリオ
ロドプシン等の生体高分子が挙げられる。
ばポリイミド、ポリアミド等の縮合重合体、バクテリオ
ロドプシン等の生体高分子が挙げられる。
【0028】これらのπ電子準位を有する化合物の電気
メモリー効果は数10μm以下の膜厚のもので観測され
ているが、前述した記録・再生方法を用いるため、プロ
ーブ電極と対向電極間にトンネル電流が流れるように両
者間の距離を近づけなければならないので、本発明の記
録層の膜厚は、0.3nm以上10nm以下、好ましく
は、0.3nm以上3nm以下であることが好ましい。
メモリー効果は数10μm以下の膜厚のもので観測され
ているが、前述した記録・再生方法を用いるため、プロ
ーブ電極と対向電極間にトンネル電流が流れるように両
者間の距離を近づけなければならないので、本発明の記
録層の膜厚は、0.3nm以上10nm以下、好ましく
は、0.3nm以上3nm以下であることが好ましい。
【0029】また、プローブ電極の材料は、導電性を示
すものであれば何を用いてもよく、例えばPt,Pt−
Ir,W,Au,Ag等が挙げられる。プローブ電極の
先端は、記録・再生・消去の分解能を上げるためできる
だけ尖らせる必要がある。本発明では、針状の導電性材
料を電界研磨法を用い先端形状を制御して、プローブ電
極を作製しているが、プローブ電極の作製方法及び形状
は何らこれに限定するものではない。更にはプローブ電
極の本数も一本に限る必要もなく、位置検出用と記録・
再生用とを分ける等、複数のプローブ電極を用いても良
い。
すものであれば何を用いてもよく、例えばPt,Pt−
Ir,W,Au,Ag等が挙げられる。プローブ電極の
先端は、記録・再生・消去の分解能を上げるためできる
だけ尖らせる必要がある。本発明では、針状の導電性材
料を電界研磨法を用い先端形状を制御して、プローブ電
極を作製しているが、プローブ電極の作製方法及び形状
は何らこれに限定するものではない。更にはプローブ電
極の本数も一本に限る必要もなく、位置検出用と記録・
再生用とを分ける等、複数のプローブ電極を用いても良
い。
【0030】本発明による記録媒体を図5の情報処理装
置に用いた場合のa点の信号の周波数スペクトラムを図
2に示す。f0以下の周波数成分の信号は基板101の
反り、歪などによる媒体の緩やかな起伏によるものであ
る。f2は記録データの搬送波成分で、403はデータ
信号帯域を示す。f3は記録層103の原子、分子配列
から生じる信号成分である。また、fTはトラッキング
信号である。f1を中心とした信号は電極層表面の僅か
な凹凸によるもので、この凹凸はデータの記録信号と同
等もしくは記録信号より小さく作成される。この凹凸の
変化は、STMを応用した記録再生では1nm以下であ
る。
置に用いた場合のa点の信号の周波数スペクトラムを図
2に示す。f0以下の周波数成分の信号は基板101の
反り、歪などによる媒体の緩やかな起伏によるものであ
る。f2は記録データの搬送波成分で、403はデータ
信号帯域を示す。f3は記録層103の原子、分子配列
から生じる信号成分である。また、fTはトラッキング
信号である。f1を中心とした信号は電極層表面の僅か
な凹凸によるもので、この凹凸はデータの記録信号と同
等もしくは記録信号より小さく作成される。この凹凸の
変化は、STMを応用した記録再生では1nm以下であ
る。
【0031】次に本発明のもう一つの記録媒体を図12
に示す。
に示す。
【0032】 本発明において図に示すようにトラック
の側壁と記録面のなすエッジ部620の角度が88°〜
92°であれば好ましく、平面形状は矩形である。ま
た、プローブ電極202を記録媒体上のトラックに引き
込むためのガイド部を併設してもよい。
の側壁と記録面のなすエッジ部620の角度が88°〜
92°であれば好ましく、平面形状は矩形である。ま
た、プローブ電極202を記録媒体上のトラックに引き
込むためのガイド部を併設してもよい。
【0033】本発明の記録媒体はプローブ電極と対向配
置した電極層を形成し、該電極層上に電気メモリー効果
を有する記録層を形成している。前記記録層は有機化合
物の単分子膜又は該単分子膜を累積した累積膜が好まし
く、係る単分子膜又はその累積膜はLB法によって成膜
することができ、前記有機化合物としては分子中に共役
π電子準位を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有するも
のが好ましい。
置した電極層を形成し、該電極層上に電気メモリー効果
を有する記録層を形成している。前記記録層は有機化合
物の単分子膜又は該単分子膜を累積した累積膜が好まし
く、係る単分子膜又はその累積膜はLB法によって成膜
することができ、前記有機化合物としては分子中に共役
π電子準位を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有するも
のが好ましい。
【0034】また、本発明での記録媒体を用いた記録・
再生及びそのためのトラッキング方法は、プローブ電極
と導電性物質との間に電圧を印加しつつ、両者の距離を
10nm以下にするとトンネル電流が流れることを利用
している。また、本発明においてプローブ電極は最初の
エッジ部を検出し、そのエッジ部に沿ってプローブ電極
を2次元走査しデータを読み出すため、高速にデータの
書き込みエリアをアクセスできる。
再生及びそのためのトラッキング方法は、プローブ電極
と導電性物質との間に電圧を印加しつつ、両者の距離を
10nm以下にするとトンネル電流が流れることを利用
している。また、本発明においてプローブ電極は最初の
エッジ部を検出し、そのエッジ部に沿ってプローブ電極
を2次元走査しデータを読み出すため、高速にデータの
書き込みエリアをアクセスできる。
【0035】続いて、図面を用いさらに詳細に説明す
る。図13に上記記録媒体及びこれを用いた情報処理装
置の主要構成を示す。101は記録媒体の基板、102
は下部電極、121は記録再生領域、620はエッジ部
である。
る。図13に上記記録媒体及びこれを用いた情報処理装
置の主要構成を示す。101は記録媒体の基板、102
は下部電極、121は記録再生領域、620はエッジ部
である。
【0036】201は記録媒体を支持するステージで、
このステージ201はリニアアクチュエータ206によ
りY軸方向に駆動される。203は支持体で、プローブ
電極202を支持し、それぞれX又はZ軸方向に駆動す
るアクチュエータ205、204により位置制御され
る。
このステージ201はリニアアクチュエータ206によ
りY軸方向に駆動される。203は支持体で、プローブ
電極202を支持し、それぞれX又はZ軸方向に駆動す
るアクチュエータ205、204により位置制御され
る。
【0037】記録媒体表面とプローブ電極202との間
の距離は記録媒体の表面とプローブ電極202との間に
流れるトンネル電流により制御する。これはバイアス電
圧VBにより記録媒体プローブ電極間に流れるトンネル
電流を負荷抵抗RLにより検出し増幅器301により増
幅され、プローブ高さ検出回路702により適正プロー
ブ高を決定しZ軸駆動制御回路705によりプローブ高
さが調整される。
の距離は記録媒体の表面とプローブ電極202との間に
流れるトンネル電流により制御する。これはバイアス電
圧VBにより記録媒体プローブ電極間に流れるトンネル
電流を負荷抵抗RLにより検出し増幅器301により増
幅され、プローブ高さ検出回路702により適正プロー
ブ高を決定しZ軸駆動制御回路705によりプローブ高
さが調整される。
【0038】記録再生領域721はエッジ部620を基
準として決められる。即ち、X軸駆動制御回路706及
びアクチュエータ205によりプローブ電極202はX
軸方向に走査する。このとき、プローブ電極202がエ
ッジ部620に接近するとプローブ電極202とエッジ
部620の電極の間でトンネル電流が急激に変化する。
この急激に変化するトンネル電流をエッジ検出回路70
3で検出する。この検出信号によりX軸駆動制御回路7
06はプローブ電極202の走査方向を反転する。そし
て、ある一定の時間を経過後再びプローブ電極202の
走査方向を反転しエッジ部620に向かう方向に走査す
る。この時、Y軸駆動制御回路707に対し駆動信号を
送り、Y軸方向に1ステップ分ステージ201を移動さ
せる。
準として決められる。即ち、X軸駆動制御回路706及
びアクチュエータ205によりプローブ電極202はX
軸方向に走査する。このとき、プローブ電極202がエ
ッジ部620に接近するとプローブ電極202とエッジ
部620の電極の間でトンネル電流が急激に変化する。
この急激に変化するトンネル電流をエッジ検出回路70
3で検出する。この検出信号によりX軸駆動制御回路7
06はプローブ電極202の走査方向を反転する。そし
て、ある一定の時間を経過後再びプローブ電極202の
走査方向を反転しエッジ部620に向かう方向に走査す
る。この時、Y軸駆動制御回路707に対し駆動信号を
送り、Y軸方向に1ステップ分ステージ201を移動さ
せる。
【0039】以上の動作を繰り返すことによりプローブ
電極202は常にエッジ部620に沿って且つエッジ部
620に対してある角度をもって記録再生領域121を
走査することができる。
電極202は常にエッジ部620に沿って且つエッジ部
620に対してある角度をもって記録再生領域121を
走査することができる。
【0040】記録媒体に対し記録を行う場合は、プロー
ブ電極202がエッジ部620を検出しX軸方向に反転
走査を行う時点を基準としデータ変調回路708よりS
Wを通じてプローブ電極202より書き込み電圧を印加
する。このときプローブ電極202がX軸方向に一定時
間走査し再びエッジ部方向に反転走査を開始するまでの
間、一連のデータパルス列を記録する。
ブ電極202がエッジ部620を検出しX軸方向に反転
走査を行う時点を基準としデータ変調回路708よりS
Wを通じてプローブ電極202より書き込み電圧を印加
する。このときプローブ電極202がX軸方向に一定時
間走査し再びエッジ部方向に反転走査を開始するまでの
間、一連のデータパルス列を記録する。
【0041】この記録動作をプローブ電極202がエッ
ジ部620を検出する毎に行うことによりエッジ部に対
しある角度をもったデータ列が書き込まれさらにY軸の
ステージ201がこれに同期して順次送られ2次元的に
データ記録された領域721が形成される。
ジ部620を検出する毎に行うことによりエッジ部に対
しある角度をもったデータ列が書き込まれさらにY軸の
ステージ201がこれに同期して順次送られ2次元的に
データ記録された領域721が形成される。
【0042】再生時は記録時と同時にエッジ部620を
基準としてプローブ電極202を走査する。このときプ
ローブ電極202のX軸走査方向と記録されているデー
タ列との方位調整は、特公昭54−15727号公報に
開示されているようないわゆるウォブリング法によって
もよいし、2次元的に領域走査を行いパターンマッチン
グ等の手法によってデータを復調する際に補正してもよ
い。図3に記録媒体表面におけるデータ記録の様子を示
す。401はデータビット、641はプローブ電極20
2がエッジ部620から遠ざかる方向に走査したときの
プローブ先端の軌跡a、642はプローブ電極202が
エッジ部120に向かうときのプローブ先端の軌跡bで
ある。
基準としてプローブ電極202を走査する。このときプ
ローブ電極202のX軸走査方向と記録されているデー
タ列との方位調整は、特公昭54−15727号公報に
開示されているようないわゆるウォブリング法によって
もよいし、2次元的に領域走査を行いパターンマッチン
グ等の手法によってデータを復調する際に補正してもよ
い。図3に記録媒体表面におけるデータ記録の様子を示
す。401はデータビット、641はプローブ電極20
2がエッジ部620から遠ざかる方向に走査したときの
プローブ先端の軌跡a、642はプローブ電極202が
エッジ部120に向かうときのプローブ先端の軌跡bで
ある。
【0043】また、このエッジ部620にそって2次元
走査が行われるという特徴からこのエッジ部620を用
いてプローブ電極202を任意のデータ記録領域に導く
ことができる。例えば、記録媒体を最初に記録再生装置
に設置した場合、プローブ電極202と記録媒体の記録
領域との位置関係は取付の機械精度により誤差が生じて
いる。この誤差は通常10〜100μm程度である。こ
れはデータ記録領域に比べ非常に大きい。しかしこのエ
ッジ検出走査を用いることにより容易にデータ領域を見
いだしトラッキングすることができる。
走査が行われるという特徴からこのエッジ部620を用
いてプローブ電極202を任意のデータ記録領域に導く
ことができる。例えば、記録媒体を最初に記録再生装置
に設置した場合、プローブ電極202と記録媒体の記録
領域との位置関係は取付の機械精度により誤差が生じて
いる。この誤差は通常10〜100μm程度である。こ
れはデータ記録領域に比べ非常に大きい。しかしこのエ
ッジ検出走査を用いることにより容易にデータ領域を見
いだしトラッキングすることができる。
【0044】本発明の記録媒体形成方法としては、例え
ば、以下に述べるような方法が考えられる。
ば、以下に述べるような方法が考えられる。
【0045】トラック形成方法としては従来公知のリソ
グラフィー技術を用いることも可能であるが、エッジ角
度を直角に形成するためにはSiの異方性エッチングを
用いる。係る方法によればマスクの断面形状に関わりな
くトラック側壁と記録面のなす角度が、Si(110)
の切り出し精度によって88°〜92°のトラック断面
を得ることができる。即ち、基板としてSiO2が0.
1μm〜1μm積層されたSi(110)を用意し、係
る基板のSiO2をマスクとしてSiの異方性エッチン
グを行うことにより、所望のトラックパターンを得るこ
とができる。
グラフィー技術を用いることも可能であるが、エッジ角
度を直角に形成するためにはSiの異方性エッチングを
用いる。係る方法によればマスクの断面形状に関わりな
くトラック側壁と記録面のなす角度が、Si(110)
の切り出し精度によって88°〜92°のトラック断面
を得ることができる。即ち、基板としてSiO2が0.
1μm〜1μm積層されたSi(110)を用意し、係
る基板のSiO2をマスクとしてSiの異方性エッチン
グを行うことにより、所望のトラックパターンを得るこ
とができる。
【0046】次に係る基板上に電極層となる導電性材料
を形成し、続いて記録層を全面に均一に積層する。具体
的には、導電性材料は高い導電性を有する物であればよ
く、例えばAu,Pt,Ag,Pd,Al,In,S
n,Pb,W等の金属やこれらの合金、さらにはグラフ
ァイトやシリサイド、またITOなどの導電性酸化物を
始めとして数多くの材料が挙げられる。係る材料を用い
た電極形成法としても従来公知の薄膜技術で充分であ
る。但し、基板上に直接形成される電極材料は表面が絶
縁性の酸化物をつくらない導電材料、例えば貴金属やI
TOなどの酸化物導電体を用いることが望ましく、なお
かつ何れの材料を用いるにしてもその表面が平滑である
ことが好ましい。
を形成し、続いて記録層を全面に均一に積層する。具体
的には、導電性材料は高い導電性を有する物であればよ
く、例えばAu,Pt,Ag,Pd,Al,In,S
n,Pb,W等の金属やこれらの合金、さらにはグラフ
ァイトやシリサイド、またITOなどの導電性酸化物を
始めとして数多くの材料が挙げられる。係る材料を用い
た電極形成法としても従来公知の薄膜技術で充分であ
る。但し、基板上に直接形成される電極材料は表面が絶
縁性の酸化物をつくらない導電材料、例えば貴金属やI
TOなどの酸化物導電体を用いることが望ましく、なお
かつ何れの材料を用いるにしてもその表面が平滑である
ことが好ましい。
【0047】さらに記録層の製造法、また上記記録媒体
を用いた情報処理装置のプローブ電極の材料、製造方法
等他の条件は前記した本発明第1の記録媒体の記録層と
同じである。
を用いた情報処理装置のプローブ電極の材料、製造方法
等他の条件は前記した本発明第1の記録媒体の記録層と
同じである。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明する。
【0049】実施例1 図4(c)に示す電極基板を作製した。
【0050】先ず大気中でマイカ板をへき開し、平滑基
板101とする。
板101とする。
【0051】次に、平滑基板上にAuを真空蒸着法を用
いてエピタキシャル成長させた。この条件は、蒸着速度
5Å/sec、到達圧力2×10-6Torr、基板温度
400℃、膜厚5000Åであった。
いてエピタキシャル成長させた。この条件は、蒸着速度
5Å/sec、到達圧力2×10-6Torr、基板温度
400℃、膜厚5000Åであった。
【0052】続いて、集束イオンビームにより、幅0.
1μm、ピッチ1.0μm、深さ5nmのトラックを平
滑電極基板上に形成した。集束イオンビームはAu++イ
オンを用い、加速電圧40kV、イオン電流14pA、
ドーズ量1×1016/cm2の条件であった。
1μm、ピッチ1.0μm、深さ5nmのトラックを平
滑電極基板上に形成した。集束イオンビームはAu++イ
オンを用い、加速電圧40kV、イオン電流14pA、
ドーズ量1×1016/cm2の条件であった。
【0053】上述した方法により作成した平滑電極基板
の表面をSTMで観察したところ、10μm□において
トラックの深さは5nmに形成されており、記録面表面
凹凸は1nm以下でありトラックが明確に判別できた。
の表面をSTMで観察したところ、10μm□において
トラックの深さは5nmに形成されており、記録面表面
凹凸は1nm以下でありトラックが明確に判別できた。
【0054】実施例2 図3に示した製造方法により記録媒体を作製した。
【0055】まず実施例1と同様に平滑電極基板を作成
した(c)。その後、スクアリリウムービス−6−オク
チルアズレン(SOAZ)の2層LB膜(厚さ30Å)
を用いた記録層を形成した(d)。以下、SOAZLB
膜の形成方法を述べる。20℃の純水上にSOAZのク
ロロホルム溶液(濃度0.2×10-3M)を水面上に展
開し、溶媒蒸発除去後、表面圧を20mN/mまで高め
て水面上にSOAZの単分子膜を形成した。次に、表面
圧を一定に保ったまま、前記平滑電極基板を水面上SO
AZ単分子膜を垂直に横切る方向に速度3mm/min
で静かに浸漬・引き上げを行い、SOAZの2層LB膜
を形成し、記録媒体とする。
した(c)。その後、スクアリリウムービス−6−オク
チルアズレン(SOAZ)の2層LB膜(厚さ30Å)
を用いた記録層を形成した(d)。以下、SOAZLB
膜の形成方法を述べる。20℃の純水上にSOAZのク
ロロホルム溶液(濃度0.2×10-3M)を水面上に展
開し、溶媒蒸発除去後、表面圧を20mN/mまで高め
て水面上にSOAZの単分子膜を形成した。次に、表面
圧を一定に保ったまま、前記平滑電極基板を水面上SO
AZ単分子膜を垂直に横切る方向に速度3mm/min
で静かに浸漬・引き上げを行い、SOAZの2層LB膜
を形成し、記録媒体とする。
【0056】実施例1と同様に上述した方法により作成
した記録媒体の表面をSTMで観察したところ、10μ
m□においてトラックの深さは5nmに形成されてお
り、記録面の表面凹凸は最高値と最低値の差が1nm以
下でありトラックが明確に判別できた。
した記録媒体の表面をSTMで観察したところ、10μ
m□においてトラックの深さは5nmに形成されてお
り、記録面の表面凹凸は最高値と最低値の差が1nm以
下でありトラックが明確に判別できた。
【0057】以上のようにして作成した記録媒体を図6
に示す情報処理装置を用いて、情報の記録・再生・消去
を行った。以下、記録・再生方法について述べる。プロ
ーブ電極202を記録媒体上トラックパターンに対して
走査した。図9は記録媒体の一部の平面図である。この
際平滑電極基板に対してプローブ電極(Pt−Rh合
金)202に−0.5Vのバイアス電圧を印加し、トン
ネル電流が0.1nAとなるようにドライバー305及
びアクチュエータ204を用いてプローブ電極202と
電極層102との距離Zを一定に保ちながら走査し、ト
ラック104の位置を検出し、係る検出されたトラック
104の位置をもとに501の如き走査パターンに従っ
てプローブ電極202を走査させた。係るトラック位置
の検出はプローブ電極202とトラック104の間でト
ラック電流が急激に変化することを利用している。係る
走査パターンの一部、即ちトラック104の段差より5
0nmに位置から記録を10nmピッチで行った。記録
は記録層103の電気メモリ効果を利用して行った。即
ち情報に従って図10に示した波形を持つ三角波パルス
電圧をパルス電源308を用いて記録層103に印加
し、印加部に低抵抗状態を生じさせた。この時、トンネ
ル電流は2nAとなった。なお図10において、プロー
ブ電極202側が+極、電極層102側が−極としてあ
る。記録後再び最初の走査パターン501に従って記録
情報の再生を行った。再生用バイアス電圧は新たな情報
の記録、或いは記録された情報の消去が生じない様、
0.5Vとし、トンネル電流の変化を測定し、情報再生
を行なった。以上の再生実験においてデータ転送速度を
1Mbpsとした時のビットエラーレートは1×10-5
であった。引き続き情報記録部に図11に示すパルス電
圧を印加した後に再び再生してみると初期の高抵抗状態
(トンネル電流=0.1nA)に戻っており、記録情報
の消去が行われたことを確認できた。
に示す情報処理装置を用いて、情報の記録・再生・消去
を行った。以下、記録・再生方法について述べる。プロ
ーブ電極202を記録媒体上トラックパターンに対して
走査した。図9は記録媒体の一部の平面図である。この
際平滑電極基板に対してプローブ電極(Pt−Rh合
金)202に−0.5Vのバイアス電圧を印加し、トン
ネル電流が0.1nAとなるようにドライバー305及
びアクチュエータ204を用いてプローブ電極202と
電極層102との距離Zを一定に保ちながら走査し、ト
ラック104の位置を検出し、係る検出されたトラック
104の位置をもとに501の如き走査パターンに従っ
てプローブ電極202を走査させた。係るトラック位置
の検出はプローブ電極202とトラック104の間でト
ラック電流が急激に変化することを利用している。係る
走査パターンの一部、即ちトラック104の段差より5
0nmに位置から記録を10nmピッチで行った。記録
は記録層103の電気メモリ効果を利用して行った。即
ち情報に従って図10に示した波形を持つ三角波パルス
電圧をパルス電源308を用いて記録層103に印加
し、印加部に低抵抗状態を生じさせた。この時、トンネ
ル電流は2nAとなった。なお図10において、プロー
ブ電極202側が+極、電極層102側が−極としてあ
る。記録後再び最初の走査パターン501に従って記録
情報の再生を行った。再生用バイアス電圧は新たな情報
の記録、或いは記録された情報の消去が生じない様、
0.5Vとし、トンネル電流の変化を測定し、情報再生
を行なった。以上の再生実験においてデータ転送速度を
1Mbpsとした時のビットエラーレートは1×10-5
であった。引き続き情報記録部に図11に示すパルス電
圧を印加した後に再び再生してみると初期の高抵抗状態
(トンネル電流=0.1nA)に戻っており、記録情報
の消去が行われたことを確認できた。
【0058】実施例3 実施例1と同様にして、平滑電極基板を形成したのち、
実施例2と同様にポリイミドLB膜の記録層を形成し、
記録媒体とした。
実施例2と同様にポリイミドLB膜の記録層を形成し、
記録媒体とした。
【0059】係る記録媒体を用い実施例2と同様にして
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
2×10-6であり、消去も可能であった。
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
2×10-6であり、消去も可能であった。
【0060】実施例4 大気中でマイカ板をへき開し、係るへき開面に集束イオ
ンビームを用いて、幅0.1μm、ピッチ1.0μm、
深さ5nmのトラックを平滑基板上に形成した。該集束
イオンビームは実施例1と同様の条件でおこなった。
ンビームを用いて、幅0.1μm、ピッチ1.0μm、
深さ5nmのトラックを平滑基板上に形成した。該集束
イオンビームは実施例1と同様の条件でおこなった。
【0061】続いて、実施例1と同様にエピタキシャル
成長させたAuからなる電極層を形成し、平滑電極基板
とした。
成長させたAuからなる電極層を形成し、平滑電極基板
とした。
【0062】係る平滑電極基板上に、実施例2と同様に
SOAZ2層からなる記録層を形成し、記録媒体とした
(図4(a))。
SOAZ2層からなる記録層を形成し、記録媒体とした
(図4(a))。
【0063】係る記録媒体を用い実施例2と同様にして
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
3×10-5であり、消去も可能であった。
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
3×10-5であり、消去も可能であった。
【0064】実施例5 大気中で、HOPG(Highly−Oriented
−Pyrolithic−Graphite)をへき開
したのち、実施例1と全く同様にして集束イオンビーム
を用いて幅0.1μm、ピッチ1.0μm、深さ5nm
のトラックを形成した。
−Pyrolithic−Graphite)をへき開
したのち、実施例1と全く同様にして集束イオンビーム
を用いて幅0.1μm、ピッチ1.0μm、深さ5nm
のトラックを形成した。
【0065】その後、係る平滑基板上に記録層として、
ポリイミドLB膜を4層累積した(図4(b))。な
お、ポリイミドLB膜の形成方法は以下の通りである。
ポリイミドLB膜を4層累積した(図4(b))。な
お、ポリイミドLB膜の形成方法は以下の通りである。
【0066】ポリアミック酸(分子量約20万)を濃度
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、別途調整したN,N−ジメチルオクタデシル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液を1:2(v/
v)に混合し、ポリアミド酸オクタデシルアミン塩溶液
を調整した。係る溶液を水温20℃の純水からなる水相
上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子
膜の表面圧を25mN/mまで高め、さらにこれを一定
に保ちながら、前記基板を水面に横切るように5mm/
分で移動させて浸漬、引き上げを行ない、Y型単分子膜
の累積を行なった。係るポリアミック酸単分子累積膜を
300℃で10分間加熱を行なうことによりポリイミド
にした。
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、別途調整したN,N−ジメチルオクタデシル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液を1:2(v/
v)に混合し、ポリアミド酸オクタデシルアミン塩溶液
を調整した。係る溶液を水温20℃の純水からなる水相
上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子
膜の表面圧を25mN/mまで高め、さらにこれを一定
に保ちながら、前記基板を水面に横切るように5mm/
分で移動させて浸漬、引き上げを行ない、Y型単分子膜
の累積を行なった。係るポリアミック酸単分子累積膜を
300℃で10分間加熱を行なうことによりポリイミド
にした。
【0067】なお、ポリイミド1層あたりの厚さは、エ
リプソメトリー法により約0.4nmと求められた。
リプソメトリー法により約0.4nmと求められた。
【0068】係る記録媒体を用い実施例2と同様にして
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
2×10-5であり、消去も可能であった。
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
2×10-5であり、消去も可能であった。
【0069】実施例6 図5に示すように大気中でマイカ板をへき開し、平滑基
板101とする。
板101とする。
【0070】次に、係る平滑基板上にAuを真空蒸着法
を用いて、エピタキシャル成長させ、電極層とした。こ
の条件は、蒸着速度0.5/sec、到達圧力2×10
-6Torr、基板温度400℃、膜厚500nmであっ
た。
を用いて、エピタキシャル成長させ、電極層とした。こ
の条件は、蒸着速度0.5/sec、到達圧力2×10
-6Torr、基板温度400℃、膜厚500nmであっ
た。
【0071】その後、係る平滑電極基板上に、EBレジ
スト(PMMA:商標名OEBR−1000 東京応化
製)を塗布し、露光、現像を経て、所望のレジストパタ
ーンを形成した。EB描画条件は、加速電圧20kV、
ドーズ量50μC/cm2であった。(幅0.1μm、
ピッチ1μm)続いて、係るレジストパターンをイオン
エッチング法により、電極層であるAuをエッチング
し、レジスト剥離後トラックパターンとした。この時
の、イオンエッチング条件は、エッチングガスAr、イ
オンエネルギー500eV、電流値0.5mVであっ
た。また剥離液には、メチルエチルケトンを用いた。
スト(PMMA:商標名OEBR−1000 東京応化
製)を塗布し、露光、現像を経て、所望のレジストパタ
ーンを形成した。EB描画条件は、加速電圧20kV、
ドーズ量50μC/cm2であった。(幅0.1μm、
ピッチ1μm)続いて、係るレジストパターンをイオン
エッチング法により、電極層であるAuをエッチング
し、レジスト剥離後トラックパターンとした。この時
の、イオンエッチング条件は、エッチングガスAr、イ
オンエネルギー500eV、電流値0.5mVであっ
た。また剥離液には、メチルエチルケトンを用いた。
【0072】係る平滑電極基板上に、実施例2と同様に
ポリイミドLB膜の記録層を形成し、記録媒体とした。
ポリイミドLB膜の記録層を形成し、記録媒体とした。
【0073】上記のように作製した記録媒体を用いて、
実施例2と同様の記録再生実験をおこなったところ、ビ
ットエラーレートは2×10-6であり、消去も可能であ
った。
実施例2と同様の記録再生実験をおこなったところ、ビ
ットエラーレートは2×10-6であり、消去も可能であ
った。
【0074】比較例 実施例1と同様にして、平滑電極基板を作製した。ただ
し、トラックの深さは50nmとした。
し、トラックの深さは50nmとした。
【0075】係る平滑電極基板の表面を実施例1と同様
にSTMで観察したところ、トラック以外の表面凹凸は
1nm以下であったが、トラックの段差部の形状を明確
に判別することが困難であった。また、係る平滑電極基
板を観察したプローブ電極の先端部を光学顕微鏡を用い
て観察したところ損傷が認められた。
にSTMで観察したところ、トラック以外の表面凹凸は
1nm以下であったが、トラックの段差部の形状を明確
に判別することが困難であった。また、係る平滑電極基
板を観察したプローブ電極の先端部を光学顕微鏡を用い
て観察したところ損傷が認められた。
【0076】実施例7 先ず基板として、SiO2が1μm積層されているSi
(110)ウエハを用意し、洗浄した。係るSiO2上
にEBレジストであるポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を塗布し、EB露光、現像を行い所望のトラックパ
ターンを形成する。この時のEB描画条件は、加速電圧
20kV、ドーズ量50μC/cm2であった。続い
て、係るレジストをマスクとしてSiO2を深さ0.1
μmになるようにエッチングした。エッチングにはCF
4ガスを用い、ガス圧5Pa、エッチングパワー150
Wの条件で行った。その後、メチルエチルケトンにより
レジストを剥離した。
(110)ウエハを用意し、洗浄した。係るSiO2上
にEBレジストであるポリメタクリル酸メチル(PMM
A)を塗布し、EB露光、現像を行い所望のトラックパ
ターンを形成する。この時のEB描画条件は、加速電圧
20kV、ドーズ量50μC/cm2であった。続い
て、係るレジストをマスクとしてSiO2を深さ0.1
μmになるようにエッチングした。エッチングにはCF
4ガスを用い、ガス圧5Pa、エッチングパワー150
Wの条件で行った。その後、メチルエチルケトンにより
レジストを剥離した。
【0077】次に、40%KOH水溶液を用い、SiO
2をマスクとして室温でSiの異方性エッチングを行っ
た。エッチング深さは30nmであった。
2をマスクとして室温でSiの異方性エッチングを行っ
た。エッチング深さは30nmであった。
【0078】上記のようにして作成した基板上に電極層
としてAuを膜厚が50nmになるように真空蒸着法を
用いて形成した。この時下引き層として膜厚5nmのC
rを形成した。
としてAuを膜厚が50nmになるように真空蒸着法を
用いて形成した。この時下引き層として膜厚5nmのC
rを形成した。
【0079】その後、記録層として、スクアリリウム−
ビス−6−オクチルアズレン(SOAZ)を濃度0.2
mg/mlで溶かしたクロロホルム溶液を水温20℃の
純水からなる水相上に展開し、水面上に単分子膜を形成
した。溶媒の蒸発を待ち、係る単分子膜の表面圧を20
mN/mまで高め、さらにこれを一定に保ちながら前記
基板を水面を横切るように速度5mm/minで静かに
浸漬し、さらに引き上げて、2層のY型単分子膜の累積
を行った。
ビス−6−オクチルアズレン(SOAZ)を濃度0.2
mg/mlで溶かしたクロロホルム溶液を水温20℃の
純水からなる水相上に展開し、水面上に単分子膜を形成
した。溶媒の蒸発を待ち、係る単分子膜の表面圧を20
mN/mまで高め、さらにこれを一定に保ちながら前記
基板を水面を横切るように速度5mm/minで静かに
浸漬し、さらに引き上げて、2層のY型単分子膜の累積
を行った。
【0080】以上の様な方法により作成した記録媒体
に、図15に示した情報処理装置を用いて記録・再生・
消去の実験を行った。以下図面に従って説明する。
に、図15に示した情報処理装置を用いて記録・再生・
消去の実験を行った。以下図面に従って説明する。
【0081】101は記録媒体の基板、201はステー
ジで記録媒体上の任意の記録領域にプローブ電極202
を引き込むために、X、Y及びZ各方向に10mmの範
囲で移動できる。801は円筒型のPZT(ジルコン酸
チタン酸鉛)アクチュエータで、プローブ電極(Pt−
Rh合金)202を記録媒体上のデータ列に沿って走査
するためのもので、X、Y、及びZ方向にそれぞれ2μ
mまで移動できる。
ジで記録媒体上の任意の記録領域にプローブ電極202
を引き込むために、X、Y及びZ各方向に10mmの範
囲で移動できる。801は円筒型のPZT(ジルコン酸
チタン酸鉛)アクチュエータで、プローブ電極(Pt−
Rh合金)202を記録媒体上のデータ列に沿って走査
するためのもので、X、Y、及びZ方向にそれぞれ2μ
mまで移動できる。
【0082】プローブ電極202は電流アンプ810に
接続される。電流アンプ810の出力は対数圧縮回路8
11を経由してサンプルホールド回路812に入され
る。サンプルホールド回路812の出力信号(a)はコ
ンパレータ813、ピークホールド回路814、及び高
域通過型フィルタ307にそれぞれ入力される。
接続される。電流アンプ810の出力は対数圧縮回路8
11を経由してサンプルホールド回路812に入され
る。サンプルホールド回路812の出力信号(a)はコ
ンパレータ813、ピークホールド回路814、及び高
域通過型フィルタ307にそれぞれ入力される。
【0083】ピークホールド回路814の出力(b)は
誤差増幅器304と低域通過型フィルタ303に接続さ
れる。誤差増幅器304の出力は円筒型PZT801の
ΔZ駆動電極に接続される。一方、低域通過型フィルタ
303の出力は減衰器VR3を通じてコンパレータ81
7に入力される。高域通過型フィルタ307の出力
(d)はコンパレータ817のもう一方の入力に接続さ
れる。さらに、コンパレータ817の出力はデータ変復
調部823のデータ復調器に入力される。
誤差増幅器304と低域通過型フィルタ303に接続さ
れる。誤差増幅器304の出力は円筒型PZT801の
ΔZ駆動電極に接続される。一方、低域通過型フィルタ
303の出力は減衰器VR3を通じてコンパレータ81
7に入力される。高域通過型フィルタ307の出力
(d)はコンパレータ817のもう一方の入力に接続さ
れる。さらに、コンパレータ817の出力はデータ変復
調部823のデータ復調器に入力される。
【0084】データ変復調部823のデータ変調出力は
パルス発生器821に接続され、DSバイアス電圧VB1
と合成して記録媒体電極に接続される。
パルス発生器821に接続され、DSバイアス電圧VB1
と合成して記録媒体電極に接続される。
【0085】トラッキング制御部822はアップダウン
カウンタ819及び、D/Aコンバータ820を介して
円筒型PZTアクチュエータ801を駆動する。アップ
ダウンカウンタ819のアップ入力(g)にはエッジ検
出用のコンパレータ813の出力とトラッキング制御部
822からのアップ制御信号とのORを接続する。一方
アップダウンカウンタ819のダウン入力(f)にはト
ラッキング制御部822のダウン制御信号を接続する。
アツプダウンカウンタ819のカウント出力はD/A変
換器820によりアナログ電圧に変換され円筒型PZT
801をΔX駆動する。
カウンタ819及び、D/Aコンバータ820を介して
円筒型PZTアクチュエータ801を駆動する。アップ
ダウンカウンタ819のアップ入力(g)にはエッジ検
出用のコンパレータ813の出力とトラッキング制御部
822からのアップ制御信号とのORを接続する。一方
アップダウンカウンタ819のダウン入力(f)にはト
ラッキング制御部822のダウン制御信号を接続する。
アツプダウンカウンタ819のカウント出力はD/A変
換器820によりアナログ電圧に変換され円筒型PZT
801をΔX駆動する。
【0086】データの再生動作を想定すると、プローブ
電極202の記録媒体上での軌跡は図14となる。ステ
ージ201により初期設定されたプローブ位置より円筒
型PZT801がデータ走査を始めると642で表され
る軌跡を通ってエッジ部620を検出するとプローブ電
極202の走査は反転し641の軌跡となる。さらに一
定距離を走査後、再び反転しエッジ部620に向かう方
向に進む。
電極202の記録媒体上での軌跡は図14となる。ステ
ージ201により初期設定されたプローブ位置より円筒
型PZT801がデータ走査を始めると642で表され
る軌跡を通ってエッジ部620を検出するとプローブ電
極202の走査は反転し641の軌跡となる。さらに一
定距離を走査後、再び反転しエッジ部620に向かう方
向に進む。
【0087】上記の動作を繰り返し、プローブ電極20
2がデータビット列401を検出すると、このデータ列
に走査方位を調整しつつ順次走査していく。
2がデータビット列401を検出すると、このデータ列
に走査方位を調整しつつ順次走査していく。
【0088】プローブ電極202の走査方位は走査方位
制御信号(l)により可変抵抗R2を変化させ、円筒型
PZTアクチュエータ801のΔX/ΔYの駆動比を変
えて行う。また適正走査方位の検出は、図15には図示
していないがウォブリング電圧(k)をΔY駆動し、こ
の時のトンネル電圧のピークホールドされたエンベロー
ブ信号(c)をモニターして判断される。
制御信号(l)により可変抵抗R2を変化させ、円筒型
PZTアクチュエータ801のΔX/ΔYの駆動比を変
えて行う。また適正走査方位の検出は、図15には図示
していないがウォブリング電圧(k)をΔY駆動し、こ
の時のトンネル電圧のピークホールドされたエンベロー
ブ信号(c)をモニターして判断される。
【0089】次に、再生時における動作を各信号の状態
を表す図16のタイミングチャートを用いて説明する。
を表す図16のタイミングチャートを用いて説明する。
【0090】プローブ電極202により検出されたトン
ネル電流は図15の電流アンプ810により増幅された
後、811により対数圧縮し、812でサンプルホール
ドされる。このサンプルホールド回路812は再生時に
はスルー状態となり対数圧縮器811の出力がそのまま
出力される。
ネル電流は図15の電流アンプ810により増幅された
後、811により対数圧縮し、812でサンプルホール
ドされる。このサンプルホールド回路812は再生時に
はスルー状態となり対数圧縮器811の出力がそのまま
出力される。
【0091】サンプルホールド出力(a)はエッジ検出
用コンパレータ813によりスレッシュホールド電圧V
B2と比較しプローブ電極202がエッジに接近するのを
検出する。但し、VB2はデータ列による出力電圧より大
きく設定する。
用コンパレータ813によりスレッシュホールド電圧V
B2と比較しプローブ電極202がエッジに接近するのを
検出する。但し、VB2はデータ列による出力電圧より大
きく設定する。
【0092】エッジ検出した信号はアップダウンカウン
タ819を強制的にアップカウント動作に切り換えるさ
らに一定のカウント値をアップカウントした後、再びダ
ウンカウントに切り換える。この時のアップダウンカウ
ンタ819のアップ及びダウン制御信号を図16にそれ
ぞれ示す。またΔX駆動出力を図16(h)に示す。
タ819を強制的にアップカウント動作に切り換えるさ
らに一定のカウント値をアップカウントした後、再びダ
ウンカウントに切り換える。この時のアップダウンカウ
ンタ819のアップ及びダウン制御信号を図16にそれ
ぞれ示す。またΔX駆動出力を図16(h)に示す。
【0093】この動作によりプローブ電極202は記録
媒体のエッジ部620に衝突することなく走査すること
ができる。サンプルホールド出力(a)は高域通過型フ
ィルタ307により高域周波数成分即ちデータ情報成分
を抽出し、コンパレータ817によりデータ列のエンベ
ローブ信号(c)を適当に減衰した電圧と比較し2値化
データ(e)を得る。この時のコンパレータ817のそ
れぞれの入力信号を図16(c)、(d)に示す。ま
た、2値化された信号を図16(e)に示す。尚、エン
ベローブ信号(c)はピークホールド出力(b)を低域
通過型フィルタ303で積分したものである。
媒体のエッジ部620に衝突することなく走査すること
ができる。サンプルホールド出力(a)は高域通過型フ
ィルタ307により高域周波数成分即ちデータ情報成分
を抽出し、コンパレータ817によりデータ列のエンベ
ローブ信号(c)を適当に減衰した電圧と比較し2値化
データ(e)を得る。この時のコンパレータ817のそ
れぞれの入力信号を図16(c)、(d)に示す。ま
た、2値化された信号を図16(e)に示す。尚、エン
ベローブ信号(c)はピークホールド出力(b)を低域
通過型フィルタ303で積分したものである。
【0094】次に、記録時における動作を各信号の状態
を表す図17のタイミングチャートを用いて説明する。
を表す図17のタイミングチャートを用いて説明する。
【0095】サンプルホールド回路812の出力信号
(a)をコンパレータ813によりVB2と比較し、エッ
ジ部接近を検出すると、まずVB3を所定のレベルに設定
し書き込み動作に入る。プローブ電極202と記録媒体
との間隔の制御が安定する時間を待ってサンプルホール
ド制御信号(i)をデータ書き込みクロックに同期して
ホールド状態とし、パルス発生器821により書き込み
パルス(j)を発生する。このデータパルスの書き込み
はプロープ電極202が反転走査するまで書き込まれ、
プローブ電極202が反転走査すると直ちに読みだし走
査に戻り次のエッジ部120を検出するまでのデータ書
き込み動作は待機状態となる。
(a)をコンパレータ813によりVB2と比較し、エッ
ジ部接近を検出すると、まずVB3を所定のレベルに設定
し書き込み動作に入る。プローブ電極202と記録媒体
との間隔の制御が安定する時間を待ってサンプルホール
ド制御信号(i)をデータ書き込みクロックに同期して
ホールド状態とし、パルス発生器821により書き込み
パルス(j)を発生する。このデータパルスの書き込み
はプロープ電極202が反転走査するまで書き込まれ、
プローブ電極202が反転走査すると直ちに読みだし走
査に戻り次のエッジ部120を検出するまでのデータ書
き込み動作は待機状態となる。
【0096】引き続き、記録再生方法を説明する。基板
に対してプローブ電極202に−0.5Vのバイアス電
圧を印加し、トンネル電流が0.1nAとなるようにプ
ローブ電極202と記録媒体の距離Zを一定に保ちなが
らプローブ電極202を走査し、トラック104が形成
されていることを確認したのち、前述した方法によりト
ラッキングを行い、任意のトラック上をこれから外れる
ことなくプローブ電極202を走査させることが可能で
あることがわかった。
に対してプローブ電極202に−0.5Vのバイアス電
圧を印加し、トンネル電流が0.1nAとなるようにプ
ローブ電極202と記録媒体の距離Zを一定に保ちなが
らプローブ電極202を走査し、トラック104が形成
されていることを確認したのち、前述した方法によりト
ラッキングを行い、任意のトラック上をこれから外れる
ことなくプローブ電極202を走査させることが可能で
あることがわかった。
【0097】次に、プローブ電極202をトラック上で
走査させながら、50nmピツチで情報の記録を行っ
た。係る情報の記録は、プローブ電極202を+側、電
極層を−側にして、電気メモリー材料が低抵抗状態(O
N状態)に変化する様に、図18に示す三角波パルス電
圧を印加した。その後、プローブ電極202を記録開始
点に戻し、再びトラック104上を走査させた。その結
果、データビット401においては0.7mA程度のプ
ローブ電流が流れ、ON状態となっていることが示され
た。以上の再生実験において、ビットエラーレートは3
×10-6であった。
走査させながら、50nmピツチで情報の記録を行っ
た。係る情報の記録は、プローブ電極202を+側、電
極層を−側にして、電気メモリー材料が低抵抗状態(O
N状態)に変化する様に、図18に示す三角波パルス電
圧を印加した。その後、プローブ電極202を記録開始
点に戻し、再びトラック104上を走査させた。その結
果、データビット401においては0.7mA程度のプ
ローブ電流が流れ、ON状態となっていることが示され
た。以上の再生実験において、ビットエラーレートは3
×10-6であった。
【0098】尚、プローブ電極202を電気メモリー材
料がON状態からOFF状態に変化するように図19に
示すパルス電圧を印加したのちに、再び記録位置をトレ
ースした結果、全ての記録状態が消去されOFF状態に
遷移したことも確認した。
料がON状態からOFF状態に変化するように図19に
示すパルス電圧を印加したのちに、再び記録位置をトレ
ースした結果、全ての記録状態が消去されOFF状態に
遷移したことも確認した。
【0099】尚、SOAZ1層あたりの厚さは、小角X
線回折法により求めたところ、約1.5nmであった。
線回折法により求めたところ、約1.5nmであった。
【0100】実施例8 実施例7と同様に、トラックパターン及び電極層を形成
した。その後、ポリイミドLB膜を2層累積し記録層を
形成した。尚、ポリイミドLB膜の形成方法は以下の通
りである。
した。その後、ポリイミドLB膜を2層累積し記録層を
形成した。尚、ポリイミドLB膜の形成方法は以下の通
りである。
【0101】ポリアミック酸(分子量約20万)を濃度
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、別途調整したN,N−ジメチルオクタデシル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液を1:2(v/
v)に混合し、ポリアミド酸オンタデシルアミン塩溶液
を調整した。係る溶液を水温20℃の純水からなる水相
上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子
膜の表面圧を25mN/mまで高め、さらにこれを一定
に保ちながら、前記基板を水面に横切るように5mm/
分で移動させて浸漬、引き上げを行ない、Y型単分子膜
の累積を行なった。係る累積膜を300℃で10分間加
熱を行なうことによりポリイミドにした。尚、ポリイミ
ド1層あたりの厚さは、エリプソメトリー用により約
0.4nmと求められた。
1×10-3%(g/g)で溶かしたジメチルアセトアミ
ド溶液を、別途調整したN,N−ジメチルオクタデシル
アミンの同溶媒による1×10-3M溶液を1:2(v/
v)に混合し、ポリアミド酸オンタデシルアミン塩溶液
を調整した。係る溶液を水温20℃の純水からなる水相
上に展開し、水面上に単分子膜を形成した。この単分子
膜の表面圧を25mN/mまで高め、さらにこれを一定
に保ちながら、前記基板を水面に横切るように5mm/
分で移動させて浸漬、引き上げを行ない、Y型単分子膜
の累積を行なった。係る累積膜を300℃で10分間加
熱を行なうことによりポリイミドにした。尚、ポリイミ
ド1層あたりの厚さは、エリプソメトリー用により約
0.4nmと求められた。
【0102】係る記録媒体を用い実施例7と同様にして
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
1×10-5であり、消去も可能であった。
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
1×10-5であり、消去も可能であった。
【0103】 実施例9 実施例7と同様に記録媒体を作成した。但しトラックパ
ターンを作成する際にプローブ電極をトラックに引き込
むためのガイド部901も形成した(図20)。
ターンを作成する際にプローブ電極をトラックに引き込
むためのガイド部901も形成した(図20)。
【0104】係る記録媒体を用い実施例7と同様にして
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
1×10-6であり、消去も可能であった。
記録・再生実験を行ったところ、ビットエラーレートは
1×10-6であり、消去も可能であった。
【0105】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば以下
のような効果が得られる。
のような効果が得られる。
【0106】1)トラック以外の表面凹凸の最高値と最
低値の差が1nm以下である平滑な電極の形成が可能な
ので、トラックが明確に判別でき、且つS/N比の高い
データ再生が可能になった。
低値の差が1nm以下である平滑な電極の形成が可能な
ので、トラックが明確に判別でき、且つS/N比の高い
データ再生が可能になった。
【0107】2)トラック以外の表面凹凸最高値と最低
値の差が1nm以下である平滑な電極の形成が可能なの
で、トラッキング周波数を高くとれるようになり、トラ
ッキングの追跡精度を充分に確保できるようになった。
値の差が1nm以下である平滑な電極の形成が可能なの
で、トラッキング周波数を高くとれるようになり、トラ
ッキングの追跡精度を充分に確保できるようになった。
【0108】3)イオンビーム技術を用いてトラックを
形成するので、幅の狭いトラックを形成することが可能
になった。そのために記録密度を犠牲にすることなくト
ラッキングを行うことができるようになった。
形成するので、幅の狭いトラックを形成することが可能
になった。そのために記録密度を犠牲にすることなくト
ラッキングを行うことができるようになった。
【0109】4)イオンビーム技術を用いてトラックを
形成するので、段差の小さなトラックを形成することが
できるようになった。そのために、プローブ電極の掃引
時にプローブ電極を損傷することがなくなり、データの
誤り率を小さくすることができるようになった。
形成するので、段差の小さなトラックを形成することが
できるようになった。そのために、プローブ電極の掃引
時にプローブ電極を損傷することがなくなり、データの
誤り率を小さくすることができるようになった。
【0110】5)トラック側壁と記録面のなすエッジ部
の角度が直角なのでエッジ検出信号のS/N比が極めて
高くなるため、プローブ電極の位置精度が向上する。
の角度が直角なのでエッジ検出信号のS/N比が極めて
高くなるため、プローブ電極の位置精度が向上する。
【0111】6)エッジ部の形成方法に従来公知のリソ
グラフィー技術を用いることができるのでプローブ電極
の引き込み部を同時に形成することが可能になるので記
録媒体の互換性が向上する。
グラフィー技術を用いることができるのでプローブ電極
の引き込み部を同時に形成することが可能になるので記
録媒体の互換性が向上する。
【0112】7)エッジを基準としたトラッキング動作
は2次元のデータ領域に対して行われるので、トラッキ
ング動作のための処理時間はデータ1ビットに対して極
めて小さく、高速なデータの読みだし書き込みが可能に
なる。
は2次元のデータ領域に対して行われるので、トラッキ
ング動作のための処理時間はデータ1ビットに対して極
めて小さく、高速なデータの読みだし書き込みが可能に
なる。
【0113】8)記録媒体のエッジ部を基準としてデー
タ列を書き込むので、読みだし時にプローブ電極がデー
タビット列上を走査する際、データビットが記録されて
いるタイミングを正確に予測することができるので、ウ
ォブリング等によるデータ列への走査方位決定が確実な
ものとなる。
タ列を書き込むので、読みだし時にプローブ電極がデー
タビット列上を走査する際、データビットが記録されて
いるタイミングを正確に予測することができるので、ウ
ォブリング等によるデータ列への走査方位決定が確実な
ものとなる。
【図1】本発明による記録媒体の模式断面図である。
【図2】本発明による記録媒体の再生信号の周波数スペ
クトラムのダイアグラムである。
クトラムのダイアグラムである。
【図3】本発明における記録媒体の各製造工程における
断面図の一例である。
断面図の一例である。
【図4】本発明における記録媒体及び電極基板の断面図
の一例である。
の一例である。
【図5】本発明における記録媒体の各製造工程における
断面図の一例である。
断面図の一例である。
【図6】STMを応用した再生装置の構成図である。
【図7】従来の記録媒体の模式断面図である。
【図8】従来の再生信号の周波数スペクトラムのダイア
グラムである。
グラムである。
【図9】本発明による記録媒体表面上のプローブ電極走
査パターンとトラック及び記録ビットとの位置関係の一
形態を示した模式図である。
査パターンとトラック及び記録ビットとの位置関係の一
形態を示した模式図である。
【図10】本発明の記録媒体の記録層を高抵抗状態から
低抵抗状態へ遷移させるのに必要な電気パルスの波形を
示す図である。
低抵抗状態へ遷移させるのに必要な電気パルスの波形を
示す図である。
【図11】本発明による記録媒体の記録層上の低抵抗状
態部位を再び高抵抗状態に戻すのに必要な電気パルスの
波形を示す図である。
態部位を再び高抵抗状態に戻すのに必要な電気パルスの
波形を示す図である。
【図12】本発明の記録媒体の断面図である。
【図13】本発明の情報処理装置の構成ブロック図であ
る。
る。
【図14】本発明における情報処理装置のプローブ電極
の記録媒体面上の軌跡を表す図である。
の記録媒体面上の軌跡を表す図である。
【図15】本発明の情報処理装置の一実施例を示す図で
ある。
ある。
【図16】本発明の情報処理装置の再生時の各部の信号
波形を示す図である。
波形を示す図である。
【図17】本発明の情報処理装置の記録時の各部の信号
波形を示す図である。
波形を示す図である。
【図18】本発明の記録媒体に記録を行う際に加えるパ
ルス信号波形を示す図である。
ルス信号波形を示す図である。
【図19】本発明の記録媒体の消去を行う際に加えるパ
ルス信号波形を示す図である。
ルス信号波形を示す図である。
【図20】本発明に用いた記録媒体の一実施例の平面図
である。
である。
【図21】電気メモリー効果の説明図である。
101 基板 102 電極層 103 記録層 104 トラック 105 EBレジスト 201 XYステージ 202 プローブ電極 203 支持体 204 Z軸リニアアクチュエータ 205 X軸リニアアクチュエータ 206 Y軸リニアアクチュエータ 301 増幅器 302 対数圧縮器 303 低域通過フィルタ 304 誤差増幅器 305 ドライバー 306 ステージ駆動回路 307 高域通過フィルタ 308 パルス電源 309 サーボ回路 401 データビット 402 結晶粒 403 データ信号帯域 501 走査パターン 502 データビット 620 エッジ 641 軌跡a 642 軌跡b 702 プローブ高さ検出回路 703 エッジ 705 Z軸駆動制御回路 706 X軸駆動制御回路 707 Y軸駆動制御回路 708 データ変調回路 721 記録再生領域 801 PZTアクチュエータ 810 電流アンプ 811 対数圧縮回路 812 サンプルホールド回路 813 コンパレータ 814 ピークホールド回路 817 コンパレータ 819 アップダウンカウンタ 820 D/Aコンバータ 821 パルス発生器 822 トラッキング制御部 823 データ変復調部 824 ステージ制御部 901 ガイド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳沢 芳浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−1951(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 9/00 G11B 9/04
Claims (13)
- 【請求項1】 表面凹凸の最高値と最低値の差が少なく
とも1μm□の範囲にわたって1nm以下であり、該表
面に高さ又は深さが3nm以上30nm以下の矩形の凸
部又は凹部を有することを特徴とする平滑電極基板。 - 【請求項2】 前記表面が結晶のへき開面上にエピタキ
シャル成長させた金属薄膜であることを特徴とする請求
項1記載の平滑電極基板。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の平滑電極基板の製
造方法であって、前記矩形の凸部又は凹部をイオンビー
ム技術によって形成することを特徴とする平滑電極基板
の製造方法。 - 【請求項4】 表面凹凸の最高値と最低値の差が少なく
とも1μm□の範囲にわたって1nm以下であり、該表
面に深さが3nm以上30nm以下の矩形の凹部からな
るトラックを形成した平滑電極基板と、該平滑電極基板
上に形成された記録層とからなることを特徴とする記録
媒体。 - 【請求項5】 前記記録層が電気メモリ効果を有する有
機化合物の単分子膜もしくは該単分子膜を累積した単分
子累積膜からなることを特徴とする請求項4記載の記録
媒体。 - 【請求項6】 前記単分子膜又は単分子累積膜の膜厚
が、0.3nm〜10nmの範囲であることを特徴とす
る請求項5記載の記録媒体。 - 【請求項7】 前記有機化合物が、分子中にπ電子準位
を持つ群とσ電子準位を持つ群とを有することを特徴と
する請求項5又は6記載の記録媒体。 - 【請求項8】 請求項5〜7記載の記録媒体の製造方法
であって、前記単分子膜又は単分子累積膜を、LB法に
よって形成することを特徴とする記録媒体の製造方法。 - 【請求項9】 請求項4〜7記載の記録媒体の製造方法
であって、Si基板の表面を異方性エッチングすること
によって矩形の凹部からなるトラックを形成し、該Si
基板上に金属薄膜からなる電極層を形成して前記平滑電
極基板を形成することを特徴とする記録媒体の製造方
法。 - 【請求項10】 前記トラックの側壁と記録面のなすエ
ッジ部の角度を88°〜92°に形成することを特徴と
する請求項9記載の記録媒体の製造方法。 - 【請求項11】 前記記録層は、記録媒体に対向して配
置されたプローブ電極によって記録、再生、消去が行わ
れるものであり、前記トラックに該プローブ電極をトラ
ックに引き込むためのガイド部を形成することを特徴と
する請求項9又は10記載の記録媒体の製造方法。 - 【請求項12】 請求項4〜7記載の記録媒体と、該記
録媒体に対向して配置されたプローブ電極とを有し、該
プローブ電極で記録媒体上を走査しながらプローブ電極
と記録媒体との間に電圧を印加することにより、記録、
再生、消去を行うことを特徴とする情報処理装置。 - 【請求項13】 前記記録媒体のトラックのエッジ部を
検出する手段と、エッジ部の検出信号に基づいて前記プ
ローブ電極をエッジ部と角度をなす第1の方向と、エッ
ジ部に沿う第2の方向に移動させる手段とを有すること
を特徴とする請求項12記載の情報処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14932491A JP2961451B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14932491A JP2961451B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04349243A JPH04349243A (ja) | 1992-12-03 |
JP2961451B2 true JP2961451B2 (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=15472627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14932491A Expired - Fee Related JP2961451B2 (ja) | 1991-05-27 | 1991-05-27 | 平滑電極基板及びその製造方法、記録媒体及びその製造方法、及び情報処理装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2961451B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100438833B1 (ko) * | 2001-12-06 | 2004-07-05 | 삼성전자주식회사 | 전하를 이용한 정보저장장치 |
CN104931641B (zh) * | 2015-06-15 | 2017-01-11 | 中国石油天然气股份有限公司广西石化分公司 | 一种石油沥青质组分的分析方法 |
-
1991
- 1991-05-27 JP JP14932491A patent/JP2961451B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04349243A (ja) | 1992-12-03 |
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