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JP2955686B2 - 表面欠陥検査装置 - Google Patents

表面欠陥検査装置

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Publication number
JP2955686B2
JP2955686B2 JP2339567A JP33956790A JP2955686B2 JP 2955686 B2 JP2955686 B2 JP 2955686B2 JP 2339567 A JP2339567 A JP 2339567A JP 33956790 A JP33956790 A JP 33956790A JP 2955686 B2 JP2955686 B2 JP 2955686B2
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JP2339567A
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一基 田中
毅 杉原
辰己 槙前
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Matsuda KK
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Matsuda KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車のボディー等の曲面形状を有する平
滑板の塗装表面等に存在する表面欠陥の位置を検出する
表面欠陥検査装置に関し、詳しくは被検査面に光を照射
し、この光の被検査面からの反射光が有する情報に基づ
いて表面欠陥の有無を検査する装置に関するものであ
る。
(従来の技術) 自動車等の車両の製造ラインにおいては、一般に、車
体の塗装は製造ライン中に設けた塗装ステーションにお
いて行なわれる。
このようなステーションにおいて、車体の塗装がなさ
れた後この塗装によって生じた欠陥の検査は、従来か
ら、人間の目視検査によって行なわれていた。このよう
な検査では、検査者は塗膜面から微小な欠陥部を発見し
なければならないため、検査者の神経的負担が大きくま
た肉体的にもきびしい作業が強いられることとなる。
塗装欠陥の検査におけるこのような事情に鑑みて、物
体の被検査面に光を照射し、その反射光をスクリーン上
に投影させ、その投影像の鮮映度から被検査面の表面欠
陥を自動的に検出するようにした表面検査装置が提案さ
れている(たとえば、特開昭62−233710号公報参照)。
この表面検査装置を車体の塗装欠陥の検出に応用すれ
ば、上記した塗装欠陥の自動検出が可能になり、従来の
目視による検査作業から検査者を解放することができ
る。
ところで、上記の光照射による表面検査技術を車体塗
装の自動検査に応用する場合、第8図に示すように、塗
膜面1の鏡面反射性を利用し、この塗膜面1に光源2か
ら線状(あるいはスポット状)の光を照射して、塗膜面
1に次に述べるビデオカメラ3のカメラ視野Fよりも十
分に小さい光照射領域に作り、この光照射領域からの反
射光をビデオカメラ3により受光する装置が考えられ
る。
この装置では、ビデオカメラ3で作成される受光画像
は第9図のように、塗膜面1の光照射領域から反射した
光がカメラ視野F内に入り、カメラ視野F(第8図参
照)をカバーする全体として暗い受光画像5の中に、塗
膜面1の光照射領域が明るい線画像6となってとらえら
れる。そして、この光照射領域中に塗装の欠陥部7(第
8図参照)があった場合、この塗装の欠陥部7において
光の正反射方向が変化し、上記欠陥部7がなければ正常
に反射して上記カメラ視野Fに入るべきはずの光がカメ
ラ視野Fに入らなくなる。このため、上記の明るい線画
像6の中に黒く欠陥部7(第9図参照)が写ることにな
る。
したがって、この黒く写る欠陥部7を画像処理技術に
より識別することによって欠陥部7を検出することがで
きる。また、この装置によれば、塗膜面1を線状に狭く
照射するので、照射光量が少なく、光照射領域に入射す
る光の欠陥部7における正反射方向が変化して、ビデオ
カメラ3に入る光量が欠陥部7とそうでない部分とで明
瞭に差ができ、微小な欠陥をも検出することができるこ
とになる。
しかし、上記装置のように、狭い光照射によれば、カ
メラ視野Fに対して光照射領域が小さすぎ、一方、ビデ
オカメラ3がとらえることができる欠陥部7は光照射領
域(すなわち、受光画像5中の線画像6)の内部か、近
辺でしかないので、常にカメラ視野Fの一部のみを使用
した表面検査しかできず、検査能率に欠けるという問題
があった。
また、被検査面が自動車等の車両の車体であるときに
は、第8図の光源2ならびにビデオカメラ3をロボット
装置(図示せず)で車体表面に沿って移動させながら検
査を行なうことになる。
しかし、この場合には、車体は多くの曲面からなるの
で、これらの曲面部に検査箇所が移動すると、光源2に
よって車体表面にできている線状の照射形状が歪む。こ
のため、ビデオカメラ3の受光画像5中の線画像6も第
10図のように歪み、甚だしい場合にはカメラ視野Fから
逸脱することになる。
このため、自動車等の車両の車体では、塗膜面1の正
常な検査が困難で、常にカメラ視野F内に線画像6が収
まるようにするためには、ロボット装置の制御が複雑に
なるという問題があった。
以上のような難点を解消するために、第11図に示すよ
うに、塗膜面1を光源2′によってカメラ視野Fと同等
もしくはそれ以上の範囲で広く照射するようにし、この
広い光照射領域をビデオカメラ3によってとらえること
が考えられる。
しかし、このように広く塗膜面1を照射すると照射光
量が大幅に増加するので、欠陥部7での光のハレーショ
ンを生じてビデオカメラ3が微小な欠陥部7を明確にと
らえることができなくなる。
たとえば光源2′からの光L1,L2は塗膜面1で反射
し、その反射光がビデオカメラ3の受光面に入るが、光
照射領域に欠陥部7がないとすると、受光面に入る光量
はどの部分でも同じであるから、受光画像は一面明るい
画像となっている。
これに対して、光照射領域に欠陥部7があると、この
欠陥部7で上記光照射領域に入射する光の正反射方向が
変化し、欠陥部7に対応する受光面部分の入射光量が減
って黒い点として受光画像中に写るはずである。
しかし、光源2′は、上記のように、広く塗膜面1の
照射しているので、光源2′の他の部分からの光L3,L4
が欠陥部7,7で反射して、光量が減少するはずの受光面
部分に入る。
したがって、受光画像中の明るさが大きくは低下せ
ず、このため、欠陥部7,7が微小であったときには、欠
陥部7,7とそうでない部分との明るさに差が生じにくく
なり、画像処理しても欠陥部7,7を識別することが困難
となる。
このような問題を解決する装置としては第1図
(a),(b)に示すような光射出面13aに沿う所定の
一方向に大から小に光度mが漸時変化する(光度の大き
さを線mの長さで表わす)光を射出し得る光照射手段13
を用い、この光照射手段13から射出され被検査面11によ
って反射された反射光を受光手段14によって受光し、次
にこの受光された画像をビデオ信号に変換した後このビ
デオ信号を微分し、この微分信号のレベルが所定値以上
であるときに表面欠陥であると認識するようにする技術
が考えられる。
このような技術によれば、被検査面11には射出面13a
の一つの方向に関して光度が変化する光照射手段13によ
り光が照射されるので、被検査面11に欠陥12が存在する
ときにはこの欠陥部分によって反射光の強さの変化に乱
れが生じ、これをビデオ信号発生手段から出力するビデ
オ信号を微分した値から検出することにより、簡単かつ
正確に、表面欠陥の有無を判定することができる。
(発明が解決しようとする課題) 上記技術によれば、被検査面11の表面欠陥12が凸部で
ある場合、第1図(a)および第2図(a)に示すよう
にこの凸部の一方の側12aではその近傍に比べて照度が
大となり、他方の側12bではその近傍に比べて照度が小
となるため、ビデオ信号のレベルはこの凸部の外形部の
みならずこの凸部内の領域で大きく変化する。表面欠陥
12が凹部である場合にも第1図(b)および第2図
(b)に示すように同様の現象が生じる。したがってこ
れらのビデオ信号を微分して絶対値をとると表面欠陥12
の外形部以外に、その中間部分にもピークを生じ誤検査
の原因となったり表面欠陥の判定処理が複雑となる等の
問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、被検
査面の表面欠陥に対応する微分ビデオ信号のレベルに基
づいて表面欠陥の有無を判定する装置において、欠陥部
の外形部領域のみを正確に識別して欠陥検出の精度の向
上および欠陥判定処理の簡易化を図り得る表面欠陥検査
装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の表面欠陥検査装置は、被検査面の表面欠陥に
対応する微分ビデオ信号のレベルが所定レベルの第1の
しきい値より大きく、この第1のしきい値より大きく設
定されてなる所定レベルの第2のしきい値より小さい所
定範囲に含まれているか否かを判別し、この判別結果に
基づいて表面欠陥の位置を検出することを特徴とするも
のである。すなわちこの装置は、光度が光射出面に沿う
所定の一方向に大から小に漸時変化する光を被検査面上
に照射する光照射手段と、上記被検査面の光照射領域か
らの反射光を受光する受光面を有し、この受光面に受光
された該光照射領域からの受光画像をビデオ信号に変換
するビデオ信号変換手段と、このビデオ信号変換手段か
ら出力されたビデオ信号を微分する信号微分手段と、こ
の信号微分手段から出力された微分ビデオ信号の信号レ
ベルが、前記被検査面の欠陥がない領域における撮像光
度の変化レベルより大きい第1のしきい値と、前記被検
査面の欠陥部における撮像光度の変化レベルより小さく
この第1のしきい値より大きい第2のしきい値との間の
範囲に含まれているか否かを判別する信号レベル判別手
段と、この信号レベル判別手段による判別結果に基づき
上記被検査面に存在する欠陥部の位置を検出する欠陥部
位置検出手段とを備えてなることを特徴とするものであ
る。なお、上記2つのしきい値のうち一方はビデオ信号
のレベル変化の極めて小さい部分を排除するためのもの
であり、他方はビデオ信号のレベル変化が極めて大きい
部分を排除するためのものであり、表面欠陥の両端部に
おけるレベル変化のみが、これら両しきい値間のレベル
範囲に含まれるように設定される。
また、上記ビデオ信号を微分した後絶対値をとって上
記判別を行なう場合には上記第1のしきい値によりレベ
ル変化の小さい部分が排除され、上記第2のしきい値に
よりレベル変化の極端に大きい部分が排除されることと
なる。
なお、上記「漸時変化」には段階的に変化するものも
含まれるものとする。
(作用) 上記構成によれば、ビデオ信号のレベル変化の大きさ
を判別する際に2つのしきい値を設定し、一方のしきい
値によりレベル変化の小さい部分を、他方のしきい値に
よりレベル変化の極めて大きい部分をそれぞれ排除する
ようにしている。表面欠陥があるとその外形部と表面欠
陥の中央領域のレベル変化が大きくなり、それ以外の部
分はレベル変化が小さく上記一方のしきい値により排除
される。また、表面欠陥の中央領域に生じるビデオ信号
のレベル変化は表面欠陥の外形部におけるレベル変化に
比べてかなり大きいものとなる。したがってこの表面欠
陥中央領域のレベル変化部分は第2のしきい値により排
除される。これにより両しきい値間の範囲に含まれる部
分は欠陥部の外形部におけるレベル変化部分のみであ
り、微分ビデオ信号においてこのしきい値間に存在する
ピークを検出することにより表面欠陥の外形部を正確に
識別することができる。
(実 施 例) 以下、添付の図面の参照して本発明の実施例を説明す
る。
まず、本発明の原理を、第1図(a)および第1図
(b)により説明する。
第1図(a)は被検査面11に凸状の欠陥部12を有する
場合を示し、第1図(b)は被検査面11に凹状の欠陥部
12を有する場合を示す。
第1図(a)および第1図(b)において、光照射手
段としての光源13は、光の射出面13aから射出する光の
光度(線mの長さで表されている)がこの射出面の矢印
A1で示す一つの方向に強から弱に変化する。そして、上
記光源13は、射出面13aから射出される光によって被検
査面11の光照射領域Sを照射する。
上記したように、光源13の光の射出面13aから射出さ
れる光には、矢印A1で示すように、この射出面13aの一
つの方向に関して光度変化が付けられている。このた
め、被検査面11には上記光度変化に対応した、上記矢印
A1に対応する方向に、照度の変化を有する光照射領域S
が生じる。そして、この光照射領域Sがそれに含まれる
カメラ視野Fを有するビデオ信号発生手段としてのビデ
オカメラ14の上記カメラ視野Fにとらえられる。
よって、第2図(a)および第2図(b)に示すよう
に、このような光照射領域Sの反射光をとらえるビデオ
カメラ14の受光画像15において、光源13の光の射出面13
aから射出される光の光度が強から弱に変化する矢印A1
で示す方向に対応して矢印A2で示す方向に明るさが強か
ら弱に変化する。
このような状態において、被検査面11に欠陥部12が生
じていると、この欠陥部12で光源13からの光の正反射方
向が変化する。この光の正反射方向の変化により、ビデ
オカメラ14の受光画像15は、照度が矢印A2で示す方向に
変化する状態で、上記欠陥部12の明るさの変化状態がほ
かの部分とは異なる。
そして上記欠陥部12が、第1図(a)に示すように、
凸状のものである場合には、光源13の上記射出面13aの
光度の大きい位置16からの光が主として上記射出面13a
と対向する欠陥部12の面12aに当たって正反射方向が変
化し、その一部がビデオカメラ14に入射する。しかし、
射出面13aに関する上記欠陥部12の背後側の面12bには、
射出面13aの光度が比較的小さい位置17からの光しか入
射せず、ビデオカメラ14には、欠陥部12の上記背後側の
面12bからの反射光は殆ど入射しない。
したがって、ビデオカメラ14の受光画像15は、第2図
(a)に示すように、欠陥部12が凸状のものでは、ビデ
オカメラ14の受光画像15の明るいとこから暗いところに
向かう矢印A2で示す方向で、欠陥部12がはじめに他の部
分よりも明るくなり、この明るい部分を過ぎると他の部
分よりも暗くなる。
上記欠陥部12が凹状のものである場合には、光源13の
上記射出面13aの光度の大きい位置16からの光が主とし
て上記欠陥部12の射出面13aと対向する側の面12cに当た
って正反射方向が変化し、その一部がビデオカメラ14に
入射する。しかし、欠陥部12の上記面12cと反対側の面1
2dには、上記射出面13aの光度が比較的小さい位置から
の光しか入射せず、ビデオカメラ14には、欠陥部12の上
記反対側の面12dからは光が殆ど入射しない。
したがって、ビデオカメラ14の受光画像15は、第2図
(b)に示すように、欠陥部12が凹状のものでは、ビデ
オカメラ14の受光画像15の明るいところから暗いところ
に向かう矢印A2で示す方向で、欠陥部12がはじめに他の
部分よりも暗くなり、この暗い部分を過ぎると他の部分
よりも明かるくなる。
ビデオカメラ14はその上記受光画像15の明るさの変化
に応じて変化するビデオ信号を出力する。
この後、ビデオカメラ14から出力されたビデオ信号判
定部18に入力される。この判定部18に入力されたビデオ
信号の、欠陥部12の付近における一走査線上の信号レベ
ルは、この欠陥部12が凸状である場合は第3図(a)に
示すように、一方この欠陥部12が凹状である場合は第3
図(b)に示すような形状をなす。
ビデオ信号はこの判定部18において微分処理され、こ
の後絶対値がとられる。
したがって上記第3図(a),(b)に示すような信
号レベルを有するビデオ信号はいずれも第4図に示すよ
うな3つのピークを有する信号に変換される。この3つ
のピークのうち、ピークAおよびピークCは欠陥部12の
外形部分を表わすものであり、これに対してピークBは
欠陥部12の領域中において信号レベルが大きく変化する
部分を示している。
表面欠陥の有無およびその位置の判定を行なう際に上
記ピークAおよび上記ピークCは有効な情報を提供する
ものであるが、ピークBはこのような有効な情報をほと
んど提供しないばかりか、表面欠陥位置の誤判定の原因
となったり判定のための信号処理を複雑にする。
そこで本発明においては第4図に示すように、微分ビ
デオ信号に対して第1のしきい値および第2のしきい値
を設定し、この2つのしきい値の間のレベルのときのみ
判定部18から検出信号を出力するようにして欠陥部12の
外形部に相当する信号のみ出力するようにしている。す
なわち、第1のしきい値によって欠陥部12以外の部分等
がレベル変化小として排除され、第2のしきい値によっ
て欠陥部12の領域内におけるレベル変化が大となる部分
がレベル変化過大として排除される。
本装置はこのようにして判定部18から出力された検出
信号に基づいて表面欠陥の有無およびその位置を検出す
るようにしているので、判定精度の向上および信号処理
の簡易化を図ることができる。
次に上述の原理を用いた実施例構成を第5図,第6図
および第7図を用いて説明する。
車体の塗装検査ステーション20には、第5図に示すよ
うに、台座Bに乗ったロボット装置21が装備される。
上記ロボット装置21には、その先端アーム22に上記光
源13(第1図(a)および第1図(b)参照)に対応す
る光照射手段23と、上記ビデオカメラ14(第1図(a)
および第1図(b)参照)に対応するCCDカメラ24とが
支持金具25を介して取り付けられる。ロボット装置21の
これら光照射手段23とCCDカメラ24とは、塗装検査ステ
ーション20に搬入された車体26の塗膜面27(第1図
(a)および第1図(b)の被検査面11に相当)をトレ
ースし、その際、光照射手段23によって照射された光
が、車体26の表面の塗膜面27で反射してCCDカメラ24に
入射する。
また、このような光照射手段23とCCDカメラ24による
塗装欠陥検査においては、ホストコンピュータ31によっ
て与えられる指令によって、ロボットコントローラ32が
駆動される。そして、それによるロボットコントローラ
32の信号がロボット装置21に送られる。
上記ロボット装置21は、内蔵されている図示しないア
クチュエータが作動し、これにより、ロボット装置21は
光照射手段23およびCCDカメラ24が車体26の表面をなぞ
るように、これら光照射手段23およびCCDカメラ24を移
動させるとともに、CCDカメラ24によって得られるビデ
オ信号を画像処理プロセッサ33に出力する。
上記画像処理プロセッサ33では、既に述べたように、
ビデオ信号を増幅した後に微分して絶対値をとり、その
微分信号が、予め設定した2つのしきい値の間の範囲と
なるビデオ信号の走査線とこの走査線上でのタイミング
の検出を行い、そのデータをホストコンピュータ31に伝
送して解析させる。これにより、欠陥部12の位置の座標
および欠陥部12が凸状であるか凹状であるかを検出す
る。
なお、微分ビデオ信号と上述した2つのしきい値との
比較はCCDカメラ24により受光された画像の全ての走査
線について行なわれる。第6図はその操作のシーケンス
を示すフローチャートである。すなわち、まず画面処理
プロセッサ33に1画面の画像情報が取り込まれ(S1)、
そのうち1走査線分のデータが横スキャンにより取り出
され(S2)、この取り出されたスキャンデータに微分処
理(S3)および絶対値処理(S4)が施され、次にこの微
分データが第1のしきい値(S5)および第2のしきい値
(S6)と比較される。この微分データが第1のしきい値
と第2のしきい値との間の値となるピークを有している
ときは、この部分について欠陥外形部処理が施され(S
7)て表面欠陥検出信号が出力される。この欠陥外形部
処理が終了したとき、および上記微分データが2つのし
きい値の間の値以外となるときは次の微分データについ
て上記操作が繰り返し行なわれる。(S8)。走査線のす
べての微分データについて上記走査が終了すると後続す
る走査線について同様の操作が繰り返し行なわれる(S
9)。このようにして1画面の画像情報全てについて、
上記操作が終了するとCCDカメラ24に受光された次の画
面の画像情報について同様の操作が行なわれる。
このような操作により得られた検出結果により、車体
26の塗装面に存在する塗装の欠陥部12の凹凸に応じた補
修が行なわれ、次に述べるように、欠陥部12が凸状であ
るときは、その突出部分は小さく削り取られ、上記欠陥
部12が凹状であるときは、欠陥部12を含んで比較的広い
範囲で塗膜が削り取られる。
この補修は、人手により行なうこともできるが、上記
ロボット装置21もしくはそれとは別に設けた図示しない
補修用のロボット装置により、自動的に行なわれる。
上記光照射手段23は、第7図に示すように、ボックス
41の内部に複数本の蛍光灯42(特に蛍光灯42に限られる
ものではない)が装置されている。これら蛍光灯42の前
面には、光フィルタ43が設置され、さらにこの光フィル
タ43の全面を覆うように拡散スクリーン44が取り付けら
れている。
上記光フィルタ43は、蛍光灯42から出る光の光度分布
を、上記拡散スクリーン44が形成する光の射出面13aの
一方向に対して、一様に変化させるためのもので、上記
光の射出面13a上にたとえば第7図に示すように設定し
たxy座標の同一のx座標値を有する点での光の透過度は
等しく、異なるy座標値を有する点での光の透過度は異
なるようになっている。これによって、第5図に示す車
体26の表面の塗膜面27に一方向に照度の変化がある光照
射領域S(第1図(a)および第1図(b)参照)が形
成される。
一方、上記拡散スクリーン44は、光フィルタ43から透
過してくる光を拡散させ、蛍光灯42を間隔をおいて配置
することにより照度の低い領域が塗膜面27に生じないよ
うにするものである。
なお、光照射手段23に付ける光度の変化(勾配)は、
第5図に点線で示すように、光照射手段コントローラ34
を設け、ポストコンピュータ31からの指令により、各蛍
光灯42の印加電圧を、この光照射手段コントローラ34に
より変えることによっても作り出すこともできる。この
場合、上記光フィルタ43は省略することができる。
以上の塗装欠陥検査装置では、塗装検査ステーション
20に塗装済の車体26が搬入されるに伴い、塗装欠陥検査
作業が開始される。すなわち、ロボット装置21がロボッ
トコントローラ32に制御されて、光照射手段23とCCDカ
メラ24とを一体の関係を保って、かつ、車体26の表面に
これら光照射手段23とCCDカメラ24とが適切な距離を置
く状態で車体26の表面形状に沿ってなぞらせる。
このときに、光照射手段23により、第1図(a)およ
び第1図(b)において説明したように、カメラ視野F
をカバーするとともに光度分布が一方向に一様に変化す
る光が車体26の塗膜面27に照射される。
このため、塗膜面27には、一つの方向に対して照度分
布が一様に変化する、第1図(a)および第1図(b)
に示す光照射領域Sが形成される。また、この光照射領
域Sからの反射光が入射するCCDカメラ24では、上記光
照射手段23の光度分布に対応して一方向に明るさが一様
に変化する受光画像15が作成されることになる。
したがって、被検査面11に欠陥部12が生じていると、
その部分で光源13からの光の正反射方向が変化し、第1
図(a)および第1図(b)、第2図(a)および第2
図(b)の原理説明で述べたように、たとえば上記欠陥
部12が凸状のものである場合は、ビデオカメラ14の受光
画像15は、第2図(a)に示すように、ビデオカメラ14
の受光画像15の明るいところから暗いところに向かう矢
印A2で示す方向で、欠陥部12がはじめに他の部分よりも
明るくなり、この明るい部分を過ぎると他の部分よりも
暗くなる。
また、上記欠陥部12が凹状のものである場合は、第2
図(b)に示すように、ビデオカメラ14の受光画像15の
明るいところから暗いところに向かう矢印A2で示す方向
で、欠陥部12がはじめに他の部分よりも暗くなり、この
暗い部分を過ぎると他の部分よりも明るくなる。
ビデオカメラ14はその上記受光画像15の明るさの変化
に応じて変化するビデオ信号を出力する。
画像処理プロセッサ33にこのビデオ信号が入力する
と、画像処理プロセッサ33は欠陥部12の存在によるCCD
カメラ24から出力するビデオ信号の微分信号が予め設定
した2つのしきい値の間のピークを有するビデオ信号の
走査線、この走査線上で微分信号が上記ピークとなるタ
イミング、およびこのタイミング近傍での上記微分信号
の符号の変化を検出する。これにより、受光画像15内で
の欠陥部12の位置および欠陥部12の凹凸形状を検出す
る。この検出データとロボット装置21の先端アーム22の
位置をメモリに記憶する。そして、欠陥部12の補修時に
は、このメモリの記憶内容を取り出し、既に述べたよう
にして、欠陥部12の補修が行なわれる。
上記から、被検査面11を面的に照射しても、光のハレ
ーションをなくして、欠陥部12を周囲とは明るさに差が
ある明瞭な画像としてとらえることができる。
また、上記のようにこのビデオ信号の微分信号が予め
設定した2つのしきい値の間の値となるピークを有する
ビデオ信号の走査線、この走査線上で微分信号の上記ピ
ークのタイミング、およびこのタイミング近傍での上記
微分信号の符号の変化を検出することにより、受光画像
15内での欠陥部12の位置および欠陥部12の凹凸形状を検
出することができ、欠陥部12が微小であっても、確実に
欠陥部12としてとらえることができる。
なお、上述した実施例ではビデオ信号を微分処理した
後その絶対値をとるようにしているが、正負の各々につ
いて2つのしきい値を設定するようにすれば絶対値をと
ることは必ずしも必要でない。
なお、上述した画像処理による塗膜検査においては、
検知した欠陥を高速でその大きさによりグルーピングす
る必要がある。従来、欠陥部が存在する画素数をカウン
トすることによりその面積を求める方法等が知られてい
るがこのような方法では処理スピードに限界がありグル
ーピング処理の高速化が図れない。
そこで上述した実施例装置においては、CCDカメラ24
により撮像した画像を平均化処理によって縮約し、この
縮約画像において欠陥探知処理を行なうようにしてい
る。すなわち、このような縮約画像中で検出された欠陥
は平均化処理後も所定の大きさで残存していることとな
るから平均化処理に耐え得る大きさを有していることと
なる。したがって平均化幅を複数設けておき、各平均化
幅の縮約画像中で各々欠陥探知処理を行なうようにする
ことでリアルタイムで表面欠陥のグルーピングを行なう
ことを可能としている。
(発明の効果) 本発明の表面欠陥検査装置によれば、ビデオ信号を微
分した信号を予め定めた2つのしきい値と比較し、この
信号がこの2つのしきい値の間においてピークを有する
ときは表面欠陥ありと判断している。このように2つの
しきい値によりビデオ信号のレベル変化が小さい部分お
よび極めて大きい部分を排除するようにしているので、
表面欠陥以外の部分のみならず表面欠陥内のレベル変化
の大きい部分を欠陥情報中から排除でき、これにより欠
陥誤検出のおそれをなくし、欠陥位置の検出処理を容易
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)および第1図(b)はそれぞれ本発明にか
かる表面欠陥検査装置の原理説明図、 第2図(a)および第2図(b)はそれぞれ被検査面に
凸状および凹状の欠陥があるときのカメラの画像の説明
図、 第3図(a)および第3図(b)はそれぞれ被検査面に
凸状および凹状の欠陥があるときのビデオ信号の信号レ
ベルを示すグラフ、 第4図は第3図(a)および第3図(b)に示すビデオ
信号に微分処理および絶対値処理を施した後の信号波形
を示すグラフ、 第5図は本発明に係る表面欠陥検査装置を自動車の車体
の塗装欠陥検査装置に適用した実施例の説明図、 第6図は第5図に示す実施例装置における画像データの
処理操作を示すフローチャート、 第7図は光照射手段の分解斜視図、 第8図は従来の表面欠陥検査装置の説明図、 第9図は第8図の表面欠陥検査装置のカメラにより得ら
れる画像の説明図、 第10図は被検査面が曲面のときにカメラにより得られる
画像の説明図、 第11図は第8図の装置とは異なる従来の表面欠陥検査装
置の説明図である。 11……被検査面、12……欠陥部 13……光源、14……ビデオカメラ 15……受光画像、16……光度の大きい位置 17……光度の小さい位置、18……判定部 21……ロボット装置、23……光照射手段 24……CCDカメラ、25……支持金具 26……車体、27……塗膜面 31……ホストコンピュータ 32……ロボットコントローラ 33……画像処理プロセッサ 41……ボックス、42……蛍光灯 43……光フィルタ、44……拡散スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−80744(JP,A) 実開 昭63−31360(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/88 G01B 11/30 G06T 1/00 H04N 7/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光度が光射出面に沿って大から小に漸時変
    化する光を被検査面上に照射する光照射手段と、 前記被検査面の光照射領域からの反射光を受光する受光
    面を有し、この受光面に受光された該光照射領域からの
    受光画像をビデオ信号に変換するビデオ信号変換手段
    と、 このビデオ信号変換手段から出力されたビデオ信号を微
    分する信号微分手段と、 この信号微分手段から出力された微分ビデオ信号の信号
    レベルが、前記被検査面の欠陥がない領域における撮像
    光度の変化レベルより大きい第1のしきい値と、前記被
    検査面の欠陥部における撮像光度の変化レベルより小さ
    くこの第1のしきい値より大きい第2のしきい値との間
    の範囲に含まれているか否かを判別する信号レベル判別
    手段と、 この信号レベル判別手段による判別結果に基づき前記被
    検査面に存在する欠陥部の位置を検出する欠陥部位置検
    出手段とを備えてなることを特徴とする表面欠陥検査装
    置。
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