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JP2948255B2 - 自動車の車体前部構造及び車体組立方法 - Google Patents

自動車の車体前部構造及び車体組立方法

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Publication number
JP2948255B2
JP2948255B2 JP2061878A JP6187890A JP2948255B2 JP 2948255 B2 JP2948255 B2 JP 2948255B2 JP 2061878 A JP2061878 A JP 2061878A JP 6187890 A JP6187890 A JP 6187890A JP 2948255 B2 JP2948255 B2 JP 2948255B2
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Japan
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vehicle body
cowl
unit
instrument panel
vehicle
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JP2061878A
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隆司 梅田
徳彦 金光
幸介 村上
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Matsuda KK
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Matsuda KK
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュ
パネル付近をユニット化する自動車の車体前部構造及び
車体組立方法に関するものである。
(従来の技術) 近年、自動車の製造において組立ラインでの組立作業
の容易化、作業ステーション数の減少を図るために、自
動車の各部をユニット化することが試みられている。
例えばヨーロッパ特許公開第81656号明細書に記載さ
れるように、インストルメントパネル、空調装置、ステ
アリング装置、ダッシュパネルの一部、ブレーキペダ
ル、ブレーキ倍力装置等を一体的にユニット化し、その
ユニットを車体側部のドア開口部を通じて車室内に挿入
し、車室内側からダッシュパネルに対して組付けること
が提案されている。
さらに、特開昭59−206267号公報に記載されるよう
に、カウルパネル、ダッシュパネルをも含めて一体的に
ユニット化し、そのユニットを車体本体前部のフロント
ウインド開口部を通じて上側から車体本体に組付けるも
のも提案されている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、前者の場合には、カウルパネルが車体本体
側に残されているので、カウルパネルに取付けられるワ
イパー装置等をユニット化することができず、組付け作
業性が十分に改善されない。また、ステアリング装置の
ステアリングシャフトとブレーキ倍力装置とはダッシュ
パネルの開口部を通じてエンジンルーム側に位置させる
ようにしているが、ステアリング装置のステアリングシ
ャフトの位置は本来的に定まってくるため、ステアリン
グシャフトの上側に位置するブレーキ倍力装置の位置も
ステアリングシャフトに干渉しない位置に必然的に決め
られる。そして、このように決定されたブレーキ倍力装
置の位置が、カウルパネルに対し、車体前後方向におい
て重なる場合、それらをダッシュパネルの開口部を通じ
て挿入する際、カウルパネルにブレーキ倍力装置が干渉
しないように、ユニット本体を上下動させることが必要
となり、組付け作業が複雑化する場合が生じるおそれが
ある。また、このようなケースを避けるためには、車体
設計上、カウル位置とブレーキ倍力装置位置との関係に
制限が生じてしまうおそれがある。
一方、後者の場合には、ユニットを車体本体上側から
フロントウインド開口部を通じて挿入して組付けるよう
になっているので、インストルメントパネルの側部が、
フロントウインド開口部の左右側縁を構成するフロント
ピラーによる制約を受けて、通常の場合に比して、カッ
トされた形状となり、その側部と車体本体との接続部の
構造が複雑なものとなる。また、上記ユニット側に、車
体横方向の剛性を確保するためのカウル部材が含まれて
おり、ユニットが車体に取付けられても、従来のよう
に、カウル部材が車体に対し、溶接にて結合されていな
いため、正面衝突時に、従来のユニット化されていない
構造に比して衝突力を支える力が弱く、ユニット全体が
後方の車室内に移動するというおそれもある。
そこで、本出願人は、先に、インストルメントパネル
の側部形状や耐衝突性能を損なうことなく、組立作業性
を向上させ得るものを提案している(特願平1−333138
号)。この提案のものは、基本的には、車体本体の作用
のフロントピラー間を連結する車幅方向に延びる閉断面
構造の車体側部材(従来のカウルボックス構造の一部)
を車体本体側に残し、この車体側部材の前側に、カウル
部材に少なくともブレーキ倍力装置、ブレーキペダルブ
ラケット及びブレーキペダルを組付けてなるカウルユニ
ットを上側から挿入して配置するとともに、インストル
メントパネル、ステアリング装置及び空調ユニットを有
するインパネユニットを、車体本体のドア開口から車室
内に挿入し、上記閉断面構造の車体側部材の後側に配置
するようにするものである。
このような構造の場合、ユニット化による効果を高め
るために、各ユニット自体の車体本体への組付けを容易
にかつ確実に行い得るようにする必要がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、特に、カウルユニットの車体本体
への組付けを容易にかつ確実に行い得る自動車の車体前
部構造及び車体組立方法を提供せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するため、請求項(1)記載の発明で
は、自動車の車体前部構造として、車体本体の左右のフ
ロントピラー間に車幅方向に延びる閉断面構造の車体側
部材が配設されており、該車体側部材の前側に、車幅方
向に延びるカウル部材に少なくともブレーキ倍力装置及
びワイパーユニットのいずれか一方を組付けてなるカウ
ルユニットが配置される一方、車体側部材の後側に、イ
ンストルメントパネル及びステアリング装置を組付けて
なるインパネユニットが配置されている。
そして、車体本体に、上記カウル部材のサイド部と係
合してその前後方向の位置決めをする位置決め部が上方
に向いて末広がり状に形成し、該位置決め部に接着剤を
介して上記カウル部材のサイド部が固着する構成とす
る。
また、請求項(2)記載の発明は、上記のように、車
体本体の左右のフロントピラー間に車幅方向に延びる閉
断面構造の車体側部材が配設されており、該車体側部材
の前側に、車幅方向に延びるカウル部材に少なくともブ
レーキ倍力装置及びワイパーユニットのいずれか一方を
組み付けてなるカウルユニットが配置される一方、上記
車体側部材の後側に、インストルメントパネル及びステ
アリング装置を組付けてなりかつ車体本体のドア開口部
から挿入されるインパネユニットが配置された自動車の
車体組立方法が対象である。
そして、車体本体に、上記カウル部材のサイド部と係
合してその前後方向の位置決めをする位置決め部を上方
に向いて末広がり状に形成し、該位置決め部に接着剤を
塗布した後、位置決め部の上方からカウル部材のサイド
部を挿入し、挿入完了時点で該サイド部が位置決め部に
対して位置決めされかつ接着剤を介して固着されるよう
にする構成とする。
(作用) 上記の構成により、請求項(1)及び(2)記載の発
明では、車体本体の左右フロントピラー間に配設されて
いる車体側部材の前側にカウルユニットが、また後側に
インパネユニットがそれぞれ配置されて取り付けられる
構造であるので、その閉断面構造の車体側部材を車体本
体側の構成部材とでき、その車体側部材と左右フロント
ピラー間との一体接合等によって車体本体の強度を高め
ることができる。
しかも、車体側部材が車体本体に設けられているの
で、その車体本体への溶接を通常の製造ラインの工程を
変更することなく行うことができる。
また、カウルユニットを上側から挿入して車体側部材
の前側に、またインパネユニットは車体本体のドア開口
部から挿入して車体側部材の後側にそれぞれ配置するこ
とが可能となり、車体組立を容易に行うことができる。
特に、車体側部材の後側に配置されるインパネユニット
については、フロントピラーとの間で干渉が生じず、両
者間に干渉防止に伴う隙間を生じることはない。
そして、上記カウルユニットの車体本体への組付けの
ときには、該ユニットの本体たるカウル部材のサイド部
が車体本体側の位置決め部により前後方向に位置決めさ
れるので、カウルユニットの組付けを容易にかつ確実に
行うことができる。
しかも、上記位置決め部は、上方に向いて末広がり状
に形成されていて、カウル部材を上方から挿入する際に
はその挿入完了時点で該サイド部が位置決め部に対して
位置決めされるので、位置決め部に塗布された接着剤が
カウル部材の挿入途中に該カウル部材のサイド部と触れ
て下方に押しやられることはなく、カウル部材のサイド
部は、位置決めされた状態では位置決め部に対して均一
な接着剤により強固に接着される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図ないし第10図は本発明の一実施例に係る自動車
の車体前部構造を示す。
第1図において、1は車体本体であって、エンジンル
ーム2と車室3とを仕切るダッシュパネル4の上部に、
車幅方向に延びる車体側カウル部材5が配設されてい
る。該車体側カウル部材5の両端部は車体本体1の左右
のフロントピラー6,6に固着され、それらを連結してい
る。尚、ダッシュパネル4はその一部が切除されて開口
部4aとなっている。7,7は左右のフロントフェンダであ
る。
上記車体側カウル部材5の前側にはカウルユニットU1
が上側から挿入して配置されるとともに、後側にはイン
パネユニットU2が車体本体1のドア開口部1aから車室3
内に挿入して配置され、これらのユニットU1,U2は、い
ずれも車体本体1に対してボルト止め及び/又は接着剤
により固定されるようになっている。
上記車体側カウル部材5は、第2図に示すように、ア
ッパパネル8とロアパネル9とが接合された閉断面構造
となっている。上記アッパパネル8は、略上下方向に延
びる縦壁部8aと、該縦壁部8aの上縁から後方上向き斜め
に延びフロントウインドガラス10の下縁部付近を支持す
るガラス支持部8bと、該支持部8bの後縁から後方に延び
る上壁部8cとからなる。一方、ロアパネル9は、前後方
向に延び上記アッパパネル8の縦壁部8aの下縁と接合さ
れる底壁部9aと、該底壁部9aの後縁から立ち上がって上
方に延びる縦壁部9bと、該縦壁部9bの上縁から後方に延
びアッパパネル8の上壁部8cの後縁に接合されるフラン
ジ部9cとをからなる。尚、ロアパネル9は、ダッシュパ
ネル4と一体に形成するか、あるいはダッシュパネル4
と別体に形成し、かつ底壁部9aの前縁にてダッシュパネ
ル4の上縁と接続する構成のいずれにしてもよい。
上記カウルユニットU1は、車幅方向に延びるユニット
側カウル部材11と、該カウル部材11の車体右側部分に装
設されたワイパーユニット12と、ブレーキペダルブラケ
ット13(第2図参照)、ブレーキペダル14及びブレーキ
倍力装置15が取付けられたダッシュ部材16とを有する。
上記カウル部材11は、第2図に示すように、ダッシュ
パネル4と略同じ位置で上下方向に延びる前壁部11a
と、該前壁部11aの下縁から後方に延びる底壁部11bと、
該底壁部11bの後縁から上方に延びアッパパネル8の縦
壁部8aの前側に重合される後壁部11cと、該後壁部11cの
上縁から後方に延び上記アッパパネル8のガラス支持部
8bの上側に重合される後側フランジ部11dとを有する。
しかして、取付状態において、ユニット側カウル部材11
が車体側カウル部材5の前側に位置し、該両カウル部材
11,5によって従来の構造のカウルボックスを構成するこ
とになる。
また、上記ダッシュ部材16は、上記ユニット側カウル
部材11の底壁部11bの下面でダッシュパネル4の開口部4
aに対応した位置に固着され、カウルユニットU1が車体
本体1に取付けられた状態において、ダッシュパネル4
の開口部4aを閉塞してダッシュパネル4の一部を構成
し、開口部4aの周縁部に対してはウレタン接着剤17を介
して接着されるようになっている。
また、ダッシュ部材16は前側に突出する凸部16aを有
し、該凸部16aには、ブレーキ倍力装置15がエンジンル
ーム2に臨んで取付けられているとともに、車室3側に
ブレーキペダルブラケット13を介してブレーキペダル14
が支持されている。上記ブレーキペダルブラケット13の
前壁部13aは、ダッシュ部材16の凸部16aに対して、円管
よりなるスペーサ部材19,19により所定の間隔を隔てて
対向し、かつプレーキ倍力装置15から上記各スペーサ部
材19内を通して車室側に突出するスタッドボルト18にナ
ット20を螺合することにより固定されている。また、プ
レーキペダルブラケット13の上壁部13bも、カウル部材1
1の底壁部11bから下方に突設されたねじ部材21に、スペ
ーサ部材22を介してナット23を螺合することにより連結
固定され、プレーキペダル14の支持剛性を確保するよう
になっている。プレーキペダルブラケット13にはプレー
キペダル14の上端が支軸24を介して回動可能に支持され
ているとともに、該プレーキペダル14にはプレーキ倍力
装置15の操作ロッド15aが連結されていて、プレーキペ
ダル14の踏込み操作(回動)によりプレーキ倍力装置15
が作動するようになっている。
上記ユニット側カウル部材11のサイド部が結合される
車体本体1側の構造は第3図ないし第7図に詳示する。
第3図ないし第7図において、26はエンジンルーム2の
側壁を構成するホイールエプロン、27は該ホイールエプ
ロン26の下部で車体前後方向に延びるフロントサイドフ
レーム、28はホイールエプロン26の上部で車体前後方向
に延びるレインフォースメントであって、該レインフォ
ースメント28は、断面がハット形状でホイールエプロン
26と協働して閉断面を構成している。
また、29及び30は上記レインフォースメント28の閉断
面をフロントピラー6に接続するように設けられたカウ
ルサイドインナ及びカウルサイドアウタであって、該カ
ウルサイドインナ29の側壁部にはカウルサイドアウタ30
側に凹んだ段部29aが形成されており、該段部29aは、側
方(エンジンルーム2側)から見ると下辺が上辺に比し
て短い台形状に形成されている。一方、カウルサイドイ
ンナ29の前端部と接合されるレインフォースメント28の
後端部は、上記段部29aの前縁側にまで延設されて該段
部29aとの間に溝31aを形成しており、また、カウルサイ
ドインナ29の後端部と接合されるアッパパネル8の側端
部は、上記段部29aの後縁側にまで延設されて該段部29a
との間に溝31bを形成している。上記前後二つの溝31a,3
1bにより、ユニット側カウル部材11のサイド部(後述の
側端フランジ部11e,11g)と係合してその前後方向の位
置決めをする上方に向いて末広がり形状の位置決め部31
が形成されている。
また、上記カウルサイドインナ29の下端部と接合され
るダッシュパネル4の側縁部は、カウルサイドインナ29
との接合部が他の部位よりも一段低く形成されており、
該ダッシュパネル4の側縁部とダッシュパネル4の段部
29aの下縁部とにより前後方向に延びる溝部32が形成さ
れている。
一方、上記ユニット側カウル部材11のサイド部は、第
8図に詳示するように、上記カウルサイドインナ29の段
部29aの形状に対応して前壁部11a及び後壁部11cが上向
きに開脚した形状に形成されているとともに、該サイド
部には、前壁部11a、底壁部11b及び後壁部11cの各側端
をそれぞれ外方に折り曲げてなる側端フランジ部11e,11
f,11gが形成されている。また、カウル部材11のサイド
部にはその側端開口を閉塞して補強するカウルユニット
サイド33が設けられている。
そして、上記カウル部材11は、第5図及び第7図に仮
想線で示すように、その側端フランジ部11e,11gを上記
車体本体1側の位置決め部31の各溝31a,31bに、側端フ
ランジ部11fを車体本体1側の溝部32にそれぞれウレタ
ン接着剤34を介して固着されている。尚、カウル部材11
の底壁部11bには車幅方向に延びるレインレール部34が
形成され、カウルユニットサイド33及びカウルサイドイ
ンナ29には、該レインレール部34に対応してそれぞれ開
口部35,36が形成されている。
一方、インパネユニットU2は、インストルメントパネ
ル41、ステアリング装置42及び空調ユニット43を有する
(第1図参照)。上記インストルメントパネル41の前側
には車幅方向に延びる円管よりなるインパネメンバ44が
配設され、第9図及び第10図に示すように、該インパネ
メンバ44の両端部には取付ブラケット45が固設されてい
る。一方、車体本体1側は、ドア開口部1aにおいて、フ
ロントピラー6の下側にサイドフレームアウタ46とヒン
ジピラーインナ47との接合により車体上下方向に延びる
閉断面構造が構成され、該ヒンジピラーインナ47に、車
室内に突出する中空状のインパネブラケット48が固設さ
れている。インパネブラケット48の内面にはナット49が
固着されており、該インパネブラケット48のナット49に
上記インパネメンバ44の取付ブラケット45が、ボルト50
により締結固定されるようになっている。尚、第9図
中、51はインパネユニットU2を車体本体1に締結固定さ
れた後該インパネユニットU2の側部に取付けられるイン
パネサイド、52はサイドデミスタである。
また、上記ステアリング装置42の上部シャフト(ステ
アリングシャフト)61は、第2図に示すように、支持部
材62を介してインパネメンバ44に支持されているととも
に、上部シャフト61の下端部には中空形状の取付ブラケ
ット63が取付けられている。また、エンジンルーム側の
前輪操舵装置(図示せず)に連係された下部シャフト64
(ステアリングシャフト)の上端部にも中空形状の取付
ブラケット65が取付けられており、該取付ブラケット65
が上記取付ブラケット63と共にダッシュパネル4にボル
ト66とナット67とにより締結固定されるようになってい
る。これによって、ステアリングシャフト(上部シャフ
ト61及び下部シャフト64)の支持剛性が確保される。上
記両取付ブラケット63,65の内部で、上部シャフト61の
連結部61aと下部シャフト64の連結部64aとの連結が行わ
れる。
尚、第2図において、68,69はハーネス類、70はダッ
シュパネル4の車室側に装設されたインシュレータであ
る。また、フロントウインドガラス10は、少なくともカ
ウルユニットU1が車室本体1に取付けられた後、ウレタ
ン接着剤71を用いて車体本体1のウインド開口部に対し
て取付けるようになっている。ウレタン接着剤71は、少
なくとも車体側カウル部材5のアッパパネル8の支持部
8b及びユニット側カウル部材11の後側フランジ部11dに
対して塗布され、カウル部材11と車体本体1との接合部
におけるシールをも図るようになっている。
次に、自動車の車体組立方法、特に、上記カウルユニ
ットU1の車体本体1への組付方法について説明する。
予め、組付けるべきカウルユニットU1を用意する。該
カウルユニットU1は、カウル部材11に対して、ワイパー
ユニット12を取付けるとともに、ダッシュ部材16を介し
てプレーキペダルブラケット13、プレーキペダル14及び
プレーキ倍力装置15を組付けることにより構成する。
一方、車体本体1においては、カウルユニットU1の組
付けに先立って、カウルサイド側に形成された位置決め
部31の各溝31a,31b内及び溝部32内にそれぞれウレタン
接着剤34を塗布する。
そして、先ず、カウルユニットU1を車体本体1の上側
から略真直ぐに下して車体側カウル部材5の前側に挿入
し、該ユニット側カウル部材11の後壁部11cを車体側カ
ウル部材5(アッパパネル8)の縦壁部8aに、カウル部
材11の後側フランジ部11dをカウル部材5のガラス支持
部8bにそれぞれ重合させて配置する。
この際、カウルユニットU1の本体たるカウル部材11
は、そのサイド部が車体本体1のカウルサイドと対応し
て挿入配置され、側縁フランジ部11e,11gがカウルサイ
ド側の位置決め部31の各溝31a,31bにより係合して前後
方向に位置決めされるので、カウルユニットU1の組付け
を所定状態に容易にかつ確実に行うことができる。
しかも、上記位置決め部31は、上方に向いて末広がり
状に形成されていて、カウル部材11の挿入に際してはそ
の挿入完了時点で該カウル部材11の側縁フランジ部11e,
11gが位置決め部31の各溝31a,31bに係合して位置決めさ
れるので、各溝31a,31b内に塗布された接着剤34がカウ
ル部材11の挿入途中に該カウル部材11の側縁フランジ部
11e,11gと触れて下方に押しやられることはない。この
結果、カウル部材11の側縁フランジ部11e,11gは、位置
決めされた状態で位置決め部31に対して長手方向(略上
下方向)に均一な接着剤34により強固に接着されること
になり、カウル部材11の接合強度を高めることができ
る。尚、カウル部材11の挿入完了時には、そのサイド部
の残りの側縁フランジ部11fもカウルサイド側の溝部32
に接着剤34により固着され、カウル部材11の接合強度が
より高められる。
しかる後、上記カウル部材11つまりカウルユニットU1
を車体本体1に対してボルト(図示せず)により締結し
て固定する。以上によって、カウルユニットU1の車体本
体1への組付けが終了する。
尚、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、
その他種々の変形例を包含するものである。例えば、上
記実施例では、車体側カウル部材5の前側に配置される
カウルユニットU1と、車体側カウル部材5の後側に配置
されるインパネユニットU2とを有する自動車の車体前部
構造について述べたが、本発明は、車体側カウル部材5
の前側に配置されるカウルユニットU1のみを有する自動
車の車体前部構造にも適用することができるのは勿論で
ある。
(発明の効果) 以上の如く、本発明における自動車の車体前部構造及
び車体組立方法によれば、車体本体の左右フロントピラ
ー間に閉断面構造の車体側部材が設けられ、この車体側
部材の前側にカウル部材を有するカウルユニットが、ま
た後側にインストルメントパネルを有するインパネユニ
ットがそれぞれ配置される構造に対しカウルユニットを
上方から挿入して車体側部材の後側に配置する際、挿入
完了時点でのみカウル部材のサイド部が車体本体側に上
向き末広がり形状の位置決め部に係合し、接着剤を介し
て固着されるので、カウルユニットの組付けを容易にか
つ確実に行うことができるとともに、位置決め部の長手
方向に亘り接着剤の均一接合を確保してカウルパネルの
接合強度を高めることができる。また、車体側部材のフ
ロントピラー間への配置によって車体強度を大に確保
し、かつ車体側部材の溶接を通常の製造ラインの工程を
変更することなく行うことができ、さらにはインパネユ
ニットとフロントピラーとの間の隙間防止を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示すもので、第1図は車体本体
とカウルユニット及びインパネユニットの関係を示す分
解斜視図、第2図はユニットを車体本体に取付けた状態
の断面図、第3図は車体本体のカウルサイド部付近の斜
視図、第4図は同分解斜視図、第5図、第6図及び第7
図はそれぞれ第3図のV−V線、VI−VI線及びVII−VII
線における断面図、第8図はユニット側カウル部材のサ
イド部の斜視図、第9図はインパネユニットの車体本体
への取付構造を示す分解斜視図、第10図は第9図のA−
A線における断面図である。 U1……カウルユニット 1……車体本体 5……車体側カウル部材(車体側部材) 6……フロントピラー 11……ユニット側カウル部材 11e,11g……側端フランジ部(サイド部) 12……ワイパーユニット 15……プレーキ倍力装置 31……位置決め部 34……ウレタン接着剤
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−206267(JP,A) 特開 昭60−206787(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 25/00 - 25/08 B62D 25/14 - 25/22 B62D 65/00 B60K 37/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体本体の左右のフロントピラー間に車幅
    方向に延びる閉断面構造の車体側部材が配設されてお
    り、 該車体側部材の前側に、車幅方向に延びるカウル部材に
    少なくともブレーキ倍力装置及びワイパーユニットのい
    ずれか一方を組付けてなるカウルユニットが配置される
    一方、 上記車体側部材の後側に、インストルメントパネル及び
    ステアリング装置を組付けてなるインパネユニットが配
    置され、 車体本体には、上記カウル部材のサイド部と係合してそ
    の前後方向の位置決めをする位置決め部が上方に向いて
    末広がり状に形成され、 該位置決め部に接着剤を介して上記カウル部材のサイド
    部が固着されていることを特徴とする自動車の車体前部
    構造。
  2. 【請求項2】車体本体の左右のフロントピラー間に車幅
    方向に延びる閉断面構造の車体側部材が配設されてお
    り、 該車体側部材の前側に、車幅方向に延びるカウル部材に
    少なくともブレーキ倍力装置及びワイパーユニットのい
    ずれか一方を組付けてなるカウルユニットが配置される
    一方、上記車体側部材の後側に、インストルメントパネ
    ル及びステアリング装置を組付けてなりかつ車体本体の
    ドア開口部から挿入されるインパネユニットが配置され
    た自動車の車体組立方法であって、 車体本体に、上記カウル部材のサイド部と係合してその
    前後方向の位置決めをする位置決め部を上方に向いて末
    広がり状に形成し、 該位置決め部に接着剤を塗布した後、位置決め部の上方
    からカウル部材のサイド部を挿入し、 挿入完了時点で該サイド部が位置決め部に対して位置決
    めされかつ接着剤を介して固着されるようにしたことを
    特徴とする自動車の車体組立方法。
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