JP2824751B2 - 金属酸化膜形成用塗布液 - Google Patents
金属酸化膜形成用塗布液Info
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布、焼成により金属
酸化物の膜を形成する金属酸化膜形成用塗布液に関し、
更に詳しくいえば、例えば、(1)液晶表示素子等のガ
ラスやセラミックス等の基板へのパッシベーションを目
的とする金属酸化物被膜、(2)液晶表示素子の透明導
電性被膜、(3)半導体素子の電極上に設ける絶縁性被
膜、あるいは(4)セラミックス、プラスチック、金属
等の耐候性、耐腐蝕性、耐薬品性、光学特性、表面強度
等の向上を目的とした被膜の形成に際して、浸漬法、ス
ピンコート法、スプレー法、ロールコート法または印刷
法等のいずれの塗布手段によっても、被膜均一性の高い
金属酸化物被膜が形成でき、特に高粘度で遅乾燥性が要
求されるロールコート法または印刷法の塗布液として有
効であり、しかも、保存安定性の高い金属酸化膜形成用
塗布液に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の技術 金属酸化膜は近年その用途が多種多様に広がっており、
例えば、液晶表示素子の絶縁膜または配向制御膜、セラ
ミックスや金属に対する保護膜、半導体素子の絶縁被膜
等に使用されている。特に液晶表示素子は、ガラス等の
絶縁基板上にパターン化された透明導電膜を形成し、そ
の上に金属酸化膜を形成して電極基板を構成し、この金
属酸化膜が形成された電極基板一対の周辺部にスペーサ
ーを介してセルを形成し、その内部に液晶が封入されて
いる。このような金属酸化膜に要求される特性として
は、絶縁基板や透明導電膜との密着性が高く、その金属
酸化膜自体にピンホール等の欠陥が無く均一であること
である。また、近年、金属酸化膜が多種多様に使用され
ていることからも、上記した金属酸化膜自体の特性が使
用目的を満足しなければならないことは当然のことであ
るが、その膜形成における量産性に優れていることも重
要な点である。現在知られている金属酸化膜の形成方法
として、蒸着法、CVD法、スパッタリング法等があ
る。しかし、これらの方法は、全て量産性の点で問題を
有しており適当な方法とは言えない。例えば、蒸着法で
は真空装置を使用するため、特に大型基板に金属酸化膜
を形成しようとした場合バラツキが大きく均一な被膜が
得られず、また装置も大型で高価であるため製造コスト
が高く、量産性に欠ける。CVD法では、金属酸化膜の
形成時に基板を加熱しなければならず、均一な被膜を形
成することが難しく、またその装置も高価であるため量
産性に問題を有している。そして、スパッタリング法も
蒸着法とほぼ同様な欠点を有している。 【0003】上記方法の問題点を改善した方法として、
塗布法が提案されている。この塗布法は、金属酸化膜形
成用塗布液を基板上に塗布した後、加熱して基板上に金
属酸化膜を形成させる方法で、基板の大きさに関係無く
被膜を形成することが出来、しかも、被膜形成のプロセ
スが簡単なため量産性も極めて高いという効果を有して
いる。従来、塗布法で使用される金属酸化膜形成用塗布
液としては、β−ジケトンの金属錯体と溶剤としてβ−
ジケトンを含む、メタノール、エタノール、プロパノー
ルなどの低粘度アルコール類、アセトンなどのケトン
類、またはエステル類などの有機溶剤または無機溶剤と
から成る溶液にポリエチレングリコールまたはニトロセ
ルロースを添加するもの(特開昭55−149920号
公報)が知られている。この塗布液は種々の基板上に容
易に被膜を形成することが出来る。しかしながら、この
塗布液により形成される被膜はポーラス性が高いので、
塗布後の加熱処理時に塗布液中のポリエチレングリコー
ルやニトロセルロースの未分解物や炭化物が被膜中の細
孔に残存し、均一な金属酸化膜形成の妨害となる。ま
た、この塗布液は、保存安定性が悪く、塗布液を長期間
放置すると塗布液中に析出物が生じる。 【0004】また、従来、浸漬塗布法、スピンコート
法、ロールコート法、転写印刷法等いずれの塗布法にも
適応する塗布液を得ることは困難であった。比較的高粘
度の塗布液を必要とする塗布方法によって形成された金
属酸化膜は、均一性に劣ったり、絶縁基板や透明導電膜
との密着性が低下したりする。一方、厚い金属酸化膜を
得るためには、高粘度の塗布液を用いてロールコート
法、転写印刷法等の塗布法によるのが有効であるが、高
粘度塗布液を調製するには、通常有機ポリマーなどの増
粘剤を添加しなければならない。ところが、増粘剤を含
有する塗布液は、保存安定性が悪く経時変化が発生し、
ゲル化したり、析出物が生じ、さらには形成した金属酸
化膜の基板表面に対する密着性が低下し、剥離や白濁が
生じるという問題点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする問題点】そこで、本発明者ら
は従来の金属酸化膜形成用塗布液の欠点を改善し、被膜
の均一性、密着性、被膜強度がともに良好で、ピンホー
ルやハジキの発生がなく、しかも保存安定性に優れた塗
布液の提供を目的として鋭意研究を重ねた結果、(イ)
β−ジケトンと錯体を形成する元素、その元素の塩およ
びアルコキシドの加水分解物の中から選ばれる少なくと
も1種、(ロ)β−ジケトン、および(ハ)特定の非プ
ロトン性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布
液、およびβ−ジケトンの金属錯体と特定の非プロトン
性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布液が、
被膜特性のみならず塗布液の保存安定性に優れているこ
とを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。 【0006】 【問題点を解決するための手段】本発明の要旨は、β
−ジケトンの金属錯体と、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシド、N,N,N’,N’−テト
ラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−
エチルピロール、N−メチル−△3 −ピロリン、N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメ
チルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル
−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノンから選ばれる少なくとも1種の非プ
ロトン性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布
液にある。以下、本発明をさらに詳しく説明する。 【0007】(β−ジケトンと錯体を形成する元素)銅
などの周期律表第Ib族元素、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期
律表第IIa族元素、亜鉛、カドミウムなどの周期律表
第IIb族元素、ランタン、セリウム、スカンジウム、
イットリウムなどの周期律表第IIIa族元素、アルミ
ニウム、ガリウム、インジウム、タリウムなどの周期律
表第IIIb族元素、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ムなどの周期律表第IVa族元素、シリコン、ゲルマニ
ウム、スズ、鉛などの周期律表第IVb族元素、バナジ
ウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第Va族元素、
アンチモン、ビスマスなどの周期律表第Vb族元素、ク
ロム、モリブデン、タングステンなどの周期律表第VI
a族元素、セレン、テルルなどの周期律表第VIb族元
素、マンガン、レニウムなどの周期律表第VIIa族元
素、鉄、コバルト、ニッケルなどの周期律表第VIII
族元素を挙げることができ、またこれらの元素の塩およ
びアルコキシドの加水分解物も使用できる。 【0008】(元素の塩)これらの元素の塩としては、
塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩類、および酢酸
塩、オクチル酸塩などの有機塩類、アセチルアセトン錯
塩などのβ−ジケトン錯塩類、ビスシクロペンタジエニ
ル錯塩類などが挙げられる。 【0009】(アルコキシドの加水分解物)これらの元
素のアルコキシドの加水分解物としては、周期律表第I
b族、第IIa族、第IIb族、第IIIa族、第II
Ib族、第IVa族、第IVb族、第Va族、第Vb
族、第VIa族、第VIb族、第VIIa族、第VII
I族元素のいずれかに属する少なくとも1種の元素のア
ルコキシド化合物の加水分解物を挙げることができ、例
えば、ケイ素のアルコキシドを例として示すと、テトラ
アルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラ
ン、モノアリールトリアルコキシシランなどの加水分解
物であり、具体例としては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノ
メチルトリエトキシシラン、モノメチルトリプロポキシ
シラン、モノメチルトリブトキシシラン、モノエチルト
リメトキシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モ
ノフェニルトリメトキシシラン、モノフェニルトリエト
キシシランなどの加水分解物を挙げることができる。そ
して、これらのアルコキシドを加水分解するには無機
酸、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など、または有機
酸、例えばモノクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、有機ス
ルホン酸などを触媒として加水分解したものを使用すれ
ばよく、簡便に使用するには、金属のアルコキシドとβ
−ジケトンと前記の非プロトン性極性溶剤に前記触媒を
添加した溶液を用いて加水分解した溶液を塗布液とすれ
ばよい。これらアルコキシドの加水分解物は単独でも、
また2種以上混合しても用いることができる。上記した
元素、その塩およびアルコキシドの加水分解物は単独で
も、また2種以上混合しても用いることができる。 【0010】(β−ジケトン)本発明で使用するβ−ジ
ケトンとしては、アセチルアセトン、トリフルオロアセ
チルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベン
ゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジ
ベンゾイルメタン、アセト酢酸メチルエステル、アセト
酢酸エチルエステル、アセト酢酸ブチルエステルなどが
挙げられる。上記したβ−ジケトンは単独でも、また2
種以上混合しても用いることができる。 【0011】(β−ジケトンの金属錯体)本発明で使用
するβ−ジケトンの金属錯体は、前記元素と前記β−ジ
ケトンとからなる金属錯体である。前記元素、その元素
の塩(β−ジケトンの金属錯体は除く)またはアルコキ
シドの加水分解物とβ−ジケトンとを反応させて得るこ
とができる。 【0012】(非プロトン性極性溶剤)本発明で使用さ
れる非プロトン性極性溶剤としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N´,N´
−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、
N−エチルピロール、N−メチル−Δ3 −ピロリン、N
−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−
ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メ
チル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2
(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができ、これ
らは単独で用いてもまた2種以上混合して用いてもよ
い。 【0013】(塗布液の調製方法)本発明の塗布液は、 (1)、(イ)β−ジケトンと錯体を形成する元素、そ
の元素の塩およびアルコキシドの加水分解物の中から選
ばれる少なくとも1種を、(ロ)β−ジケトンと(ハ)
前記の非プロトン性極性溶剤から成る混合溶液に溶解す
る方法、 (2)、β−ジケトンの金属錯体をβ−ジケトンと前記
の非プロトン性極性溶剤との混合溶液に溶解する方法、
または (3)、β−ジケトンの金属錯体を前記の非プロトン性
極性溶剤に溶解する方法などで調製される。 【0014】(配合割合)本発明の塗布液における
(イ)、(ロ)および(ハ)成分のそれぞれの配合割合
としては、前記(1)の方法では(イ)成分は1重量%
〜60重量%、(ロ)成分は1重量%〜60重量%、
(ハ)成分は10重量%〜80重量%であり、好ましく
は、(イ)成分は1重量%〜50重量%、(ロ)成分は
1重量%〜50重量%、(ハ)成分は10重量%〜70
重量%である。また、(イ)、(ロ)成分の代わりにβ
−ジケトンの金属錯体を用いる前記(2)および(3)
の方法の場合には、このβ−ジケトンの金属錯体は1重
量%〜60重量%、(ハ)成分は40重量%〜99重量
%が好ましい。 【0015】(有機溶剤)本発明の塗布液には、塗膜性
を向上させるために有機溶剤を添加してもよい。有機溶
剤としては、下記一般式 R−OH、 HO−R−OH、 HO−R−O−R、 HO−R−O−R−OH、 HO−R−O−R−O−R、 R−O−R−O−R−O−R (式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、アルキレン
基、アリール基、アリーレン基またはベンジル基を示
す。)で表わされる有機溶剤が好ましく用いられ、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、プチレングリコール、ヘキシレングリコール、オク
チレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ジヘキシレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルジエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレ
ングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコール
ジフェニルエーテル、エチレングリコールジベンジルエ
ーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコ
ールジブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカ
ルビトール、ブチルカルビトール、フェニルカルビトー
ル、ベンジルカルビトール、ジメチルカルビトール、ジ
エチルカルビトール、ジブチルカルビトール、ジフェニ
ルカルビトール、ジベンジルカルビトール、メチルエチ
ルカルビトール、ジプロピレングリコールジメチルエー
テル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジブチルエーテルなどを挙げること
ができる。これらの有機溶剤は単独でも、また2種以上
混合してもよい。この場合の有機溶剤の添加量は、
(イ)、(ロ)および(ハ)成分またはβ−ジケトンの
金属錯体と前記の非プロトン性極性溶剤の混合溶液に対
して、80重量%以下であることが好ましく、特に30
〜70重量%の範囲であることが好ましい。この範囲よ
り多くなると、塗布膜の密着性の低下、膜強度の低下、
塗膜性の低下等につながるので、好ましくない。 【0016】(塗布法および金属酸化膜形成法)本発明
の塗布液は、プラスチック、ガラス、セラミックス、金
属ナイトライドや金属カーボネート等の粉末を焼結した
基板、金属、半導体用基板等に塗布され、加熱すること
で、基板上に密着性および均一性の優れた金属酸化被膜
を形成することが出来る。この場合の塗布手段として
は、浸漬引き上げ法、スプレー法、スピンコート法、刷
毛塗り法、ロールコート法、印刷法いずれの方法でも用
いることが出来る。また加熱手段としては、ホットプレ
ート加熱、熱風加熱、バーナー加熱、赤外線加熱、レー
ザー加熱、高周波加熱等を挙げることが出来る。加熱温
度は100℃以上、好ましくは300℃以上の温度で行
うことが化学的に安定な被膜を形成する上で好ましい
が、基板の材質等により制限を受けるので基板が耐えら
れる温度範囲内で適宜選択することが必要である。 【0017】実施例 以下実施例を用いて本発明を説明する。以下において部
は重量部を表わす。 〔実施例1〕1.1mm厚のソーダガラス基板を洗浄
後、次の成分から成る塗布液に浸漬し、10cm/mi
nの等速引き上げによりコーティングを行った。 エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 15部 アセチルアセトン 3部 N−メチル−2−ピロリドン 25部 続いて熱風循環乾燥器中に入れて140℃、15分間乾
燥後、電気炉に移し500℃、60分間焼成して、80
nm厚のAl2 O3 被膜を得た。被膜は透明で、明らか
なピンホールは認められず、均一性が高く、密着性、被
膜強度ともに良好なものであった。また塗布液は室温で
12ヵ月保存後も成分の変化は無く、均質なものであっ
た。さらにこの12ヵ月経過した塗布液を用いて前記同
様に塗布試験を行ったが、形成された被膜は12ヵ月前
の評価と大きな差異は認められなかった。 【0018】〔実施例2〕1.0mm厚の金属アルミニ
ウム基板を洗浄後、次の成分から成る塗布液を用いて、
ロールコートによりコーティングした。 鉄(III)アセチルアセトナート 25部 ヘキサメチルリン酸トリアミド 20部 エチルアルコール 5部 乾燥は、ロールコート後、直ちに熱風循環乾燥器内にて
140℃、15分間行い、電気炉に移して300℃、6
0分間焼成を行って、56nm厚のFe2 O3被膜を形
成した。被膜は、明らかなピンホールやハジキは認めら
れず、密着性、被膜強度も良好であった。また塗布液は
室温で12ヵ月保存後も成分の変化は無く、均質なもの
であった。さらにこの12ヵ月経過した塗布液を用いて
前記同様の塗布試験を行ったが、形成された被膜は12
ヵ月前の評価と大きな差異は認められなかった。 【0019】〔実施例3〕1.0mm厚のセラミック基
板を洗浄した後、次の成分から成る塗布液を用い、10
00rpmでスピンコートを行った。 ジブチル錫ジアセテート 5部 アセト酢酸エチルエステル 1.9部 錫(II)トリフルオロアセチルアセトナート 12部 ジメチルスルホキシド 60部 プロピレングリコール 40部 エチルアルコール 20部 スピンコート後、熱風循環乾燥器中で100℃、10分
間乾燥を行い、続いて30Wの低圧水銀灯で紫外線を3
0分間照射した後、電気炉中に移し700℃、60分間
焼成を行って、68nm厚のSnO被膜を形成した。被
膜は8.3kΩ/□のシート抵抗値を有し、明らかなピ
ンホールやハジキ等は認められず、密着性、被膜強度も
良好であった。また塗布液は室温で12ヵ月保存後も成
分の変化は無く、均質なものであった。さらにこの12
ヵ月経過した塗布液を用いて前記同様の塗布試験を行っ
たが、形成された被膜は12ヵ月前の評価と大きな差異
は認められなかった。 【0020】〔比較例1〕5インチのシリコンウエハー
に、次の成分に、純水7部および触媒としてリン酸0.
1部を加えたものから成る塗布液を用い、3000rp
mでスピンコートを行った。 テトラエトキシシラン 40部 N−メチル−2−ピロリドン 30部 エチレングリコールモノエチルエーテル 60部 続いてホットプレート上で200℃、10分間乾燥後、
電気炉中に移し800℃、30分間焼成して、135n
m厚のPSG被膜を形成した。被膜は均一性が良く、密
着性、被膜強度ともに良好であった。しかし、室温で1
週間保存後に塗布液は乳白色のゲル状物を呈し、塗布液
としての用をなさなかった。 【0021】〔比較例2〕1.1mm厚のソーダガラス
基板を洗浄後、次の成分から成る塗布液に浸漬し、10
cm/minで等速引き上げを行ってコーティングを行
った。 トリイソプロポキシアルミニウム 10部 イソプロピルアルコール 60部 ジメチルホルムアミド 20部 ソーダガラス基板を引き上げてのち、熱風循環乾燥器中
で100℃、10分間乾燥を行ったところ、塗布膜は白
濁して、全面にくもりが認められた。またこの塗布液
は、室温放置下2週間程で、白色沈澱物の析出が認めら
れた。 【0022】発明の効果 本発明の金属酸化膜形成用塗布液は、保存安定性に優れ
ており、しかも被膜の均一性、密着性、被膜強度がとも
に良好で、ピンホールやハジキの発生がない優れた特性
の金属酸化膜を与えることができる。そして、本発明に
よれば、被膜を形成した基板等を量産性よく提供するこ
とができ、産業上大きな利点を発揮する。
酸化物の膜を形成する金属酸化膜形成用塗布液に関し、
更に詳しくいえば、例えば、(1)液晶表示素子等のガ
ラスやセラミックス等の基板へのパッシベーションを目
的とする金属酸化物被膜、(2)液晶表示素子の透明導
電性被膜、(3)半導体素子の電極上に設ける絶縁性被
膜、あるいは(4)セラミックス、プラスチック、金属
等の耐候性、耐腐蝕性、耐薬品性、光学特性、表面強度
等の向上を目的とした被膜の形成に際して、浸漬法、ス
ピンコート法、スプレー法、ロールコート法または印刷
法等のいずれの塗布手段によっても、被膜均一性の高い
金属酸化物被膜が形成でき、特に高粘度で遅乾燥性が要
求されるロールコート法または印刷法の塗布液として有
効であり、しかも、保存安定性の高い金属酸化膜形成用
塗布液に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の技術 金属酸化膜は近年その用途が多種多様に広がっており、
例えば、液晶表示素子の絶縁膜または配向制御膜、セラ
ミックスや金属に対する保護膜、半導体素子の絶縁被膜
等に使用されている。特に液晶表示素子は、ガラス等の
絶縁基板上にパターン化された透明導電膜を形成し、そ
の上に金属酸化膜を形成して電極基板を構成し、この金
属酸化膜が形成された電極基板一対の周辺部にスペーサ
ーを介してセルを形成し、その内部に液晶が封入されて
いる。このような金属酸化膜に要求される特性として
は、絶縁基板や透明導電膜との密着性が高く、その金属
酸化膜自体にピンホール等の欠陥が無く均一であること
である。また、近年、金属酸化膜が多種多様に使用され
ていることからも、上記した金属酸化膜自体の特性が使
用目的を満足しなければならないことは当然のことであ
るが、その膜形成における量産性に優れていることも重
要な点である。現在知られている金属酸化膜の形成方法
として、蒸着法、CVD法、スパッタリング法等があ
る。しかし、これらの方法は、全て量産性の点で問題を
有しており適当な方法とは言えない。例えば、蒸着法で
は真空装置を使用するため、特に大型基板に金属酸化膜
を形成しようとした場合バラツキが大きく均一な被膜が
得られず、また装置も大型で高価であるため製造コスト
が高く、量産性に欠ける。CVD法では、金属酸化膜の
形成時に基板を加熱しなければならず、均一な被膜を形
成することが難しく、またその装置も高価であるため量
産性に問題を有している。そして、スパッタリング法も
蒸着法とほぼ同様な欠点を有している。 【0003】上記方法の問題点を改善した方法として、
塗布法が提案されている。この塗布法は、金属酸化膜形
成用塗布液を基板上に塗布した後、加熱して基板上に金
属酸化膜を形成させる方法で、基板の大きさに関係無く
被膜を形成することが出来、しかも、被膜形成のプロセ
スが簡単なため量産性も極めて高いという効果を有して
いる。従来、塗布法で使用される金属酸化膜形成用塗布
液としては、β−ジケトンの金属錯体と溶剤としてβ−
ジケトンを含む、メタノール、エタノール、プロパノー
ルなどの低粘度アルコール類、アセトンなどのケトン
類、またはエステル類などの有機溶剤または無機溶剤と
から成る溶液にポリエチレングリコールまたはニトロセ
ルロースを添加するもの(特開昭55−149920号
公報)が知られている。この塗布液は種々の基板上に容
易に被膜を形成することが出来る。しかしながら、この
塗布液により形成される被膜はポーラス性が高いので、
塗布後の加熱処理時に塗布液中のポリエチレングリコー
ルやニトロセルロースの未分解物や炭化物が被膜中の細
孔に残存し、均一な金属酸化膜形成の妨害となる。ま
た、この塗布液は、保存安定性が悪く、塗布液を長期間
放置すると塗布液中に析出物が生じる。 【0004】また、従来、浸漬塗布法、スピンコート
法、ロールコート法、転写印刷法等いずれの塗布法にも
適応する塗布液を得ることは困難であった。比較的高粘
度の塗布液を必要とする塗布方法によって形成された金
属酸化膜は、均一性に劣ったり、絶縁基板や透明導電膜
との密着性が低下したりする。一方、厚い金属酸化膜を
得るためには、高粘度の塗布液を用いてロールコート
法、転写印刷法等の塗布法によるのが有効であるが、高
粘度塗布液を調製するには、通常有機ポリマーなどの増
粘剤を添加しなければならない。ところが、増粘剤を含
有する塗布液は、保存安定性が悪く経時変化が発生し、
ゲル化したり、析出物が生じ、さらには形成した金属酸
化膜の基板表面に対する密着性が低下し、剥離や白濁が
生じるという問題点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする問題点】そこで、本発明者ら
は従来の金属酸化膜形成用塗布液の欠点を改善し、被膜
の均一性、密着性、被膜強度がともに良好で、ピンホー
ルやハジキの発生がなく、しかも保存安定性に優れた塗
布液の提供を目的として鋭意研究を重ねた結果、(イ)
β−ジケトンと錯体を形成する元素、その元素の塩およ
びアルコキシドの加水分解物の中から選ばれる少なくと
も1種、(ロ)β−ジケトン、および(ハ)特定の非プ
ロトン性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布
液、およびβ−ジケトンの金属錯体と特定の非プロトン
性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布液が、
被膜特性のみならず塗布液の保存安定性に優れているこ
とを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。 【0006】 【問題点を解決するための手段】本発明の要旨は、β
−ジケトンの金属錯体と、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトニトリ
ル、ジメチルスルホキシド、N,N,N’,N’−テト
ラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミ
ド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−
エチルピロール、N−メチル−△3 −ピロリン、N−メ
チルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメ
チルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル
−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1
H)−ピリミジノンから選ばれる少なくとも1種の非プ
ロトン性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用塗布
液にある。以下、本発明をさらに詳しく説明する。 【0007】(β−ジケトンと錯体を形成する元素)銅
などの周期律表第Ib族元素、ベリリウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどの周期
律表第IIa族元素、亜鉛、カドミウムなどの周期律表
第IIb族元素、ランタン、セリウム、スカンジウム、
イットリウムなどの周期律表第IIIa族元素、アルミ
ニウム、ガリウム、インジウム、タリウムなどの周期律
表第IIIb族元素、チタン、ジルコニウム、ハフニウ
ムなどの周期律表第IVa族元素、シリコン、ゲルマニ
ウム、スズ、鉛などの周期律表第IVb族元素、バナジ
ウム、ニオブ、タンタルなどの周期律表第Va族元素、
アンチモン、ビスマスなどの周期律表第Vb族元素、ク
ロム、モリブデン、タングステンなどの周期律表第VI
a族元素、セレン、テルルなどの周期律表第VIb族元
素、マンガン、レニウムなどの周期律表第VIIa族元
素、鉄、コバルト、ニッケルなどの周期律表第VIII
族元素を挙げることができ、またこれらの元素の塩およ
びアルコキシドの加水分解物も使用できる。 【0008】(元素の塩)これらの元素の塩としては、
塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩類、および酢酸
塩、オクチル酸塩などの有機塩類、アセチルアセトン錯
塩などのβ−ジケトン錯塩類、ビスシクロペンタジエニ
ル錯塩類などが挙げられる。 【0009】(アルコキシドの加水分解物)これらの元
素のアルコキシドの加水分解物としては、周期律表第I
b族、第IIa族、第IIb族、第IIIa族、第II
Ib族、第IVa族、第IVb族、第Va族、第Vb
族、第VIa族、第VIb族、第VIIa族、第VII
I族元素のいずれかに属する少なくとも1種の元素のア
ルコキシド化合物の加水分解物を挙げることができ、例
えば、ケイ素のアルコキシドを例として示すと、テトラ
アルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラ
ン、モノアリールトリアルコキシシランなどの加水分解
物であり、具体例としては、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、モノメチルトリメトキシシラン、モノ
メチルトリエトキシシラン、モノメチルトリプロポキシ
シラン、モノメチルトリブトキシシラン、モノエチルト
リメトキシシラン、モノエチルトリエトキシシラン、モ
ノフェニルトリメトキシシラン、モノフェニルトリエト
キシシランなどの加水分解物を挙げることができる。そ
して、これらのアルコキシドを加水分解するには無機
酸、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リン酸など、または有機
酸、例えばモノクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、有機ス
ルホン酸などを触媒として加水分解したものを使用すれ
ばよく、簡便に使用するには、金属のアルコキシドとβ
−ジケトンと前記の非プロトン性極性溶剤に前記触媒を
添加した溶液を用いて加水分解した溶液を塗布液とすれ
ばよい。これらアルコキシドの加水分解物は単独でも、
また2種以上混合しても用いることができる。上記した
元素、その塩およびアルコキシドの加水分解物は単独で
も、また2種以上混合しても用いることができる。 【0010】(β−ジケトン)本発明で使用するβ−ジ
ケトンとしては、アセチルアセトン、トリフルオロアセ
チルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、ベン
ゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ジ
ベンゾイルメタン、アセト酢酸メチルエステル、アセト
酢酸エチルエステル、アセト酢酸ブチルエステルなどが
挙げられる。上記したβ−ジケトンは単独でも、また2
種以上混合しても用いることができる。 【0011】(β−ジケトンの金属錯体)本発明で使用
するβ−ジケトンの金属錯体は、前記元素と前記β−ジ
ケトンとからなる金属錯体である。前記元素、その元素
の塩(β−ジケトンの金属錯体は除く)またはアルコキ
シドの加水分解物とβ−ジケトンとを反応させて得るこ
とができる。 【0012】(非プロトン性極性溶剤)本発明で使用さ
れる非プロトン性極性溶剤としては、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N´,N´
−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、
N−エチルピロール、N−メチル−Δ3 −ピロリン、N
−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−
ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メ
チル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2
(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができ、これ
らは単独で用いてもまた2種以上混合して用いてもよ
い。 【0013】(塗布液の調製方法)本発明の塗布液は、 (1)、(イ)β−ジケトンと錯体を形成する元素、そ
の元素の塩およびアルコキシドの加水分解物の中から選
ばれる少なくとも1種を、(ロ)β−ジケトンと(ハ)
前記の非プロトン性極性溶剤から成る混合溶液に溶解す
る方法、 (2)、β−ジケトンの金属錯体をβ−ジケトンと前記
の非プロトン性極性溶剤との混合溶液に溶解する方法、
または (3)、β−ジケトンの金属錯体を前記の非プロトン性
極性溶剤に溶解する方法などで調製される。 【0014】(配合割合)本発明の塗布液における
(イ)、(ロ)および(ハ)成分のそれぞれの配合割合
としては、前記(1)の方法では(イ)成分は1重量%
〜60重量%、(ロ)成分は1重量%〜60重量%、
(ハ)成分は10重量%〜80重量%であり、好ましく
は、(イ)成分は1重量%〜50重量%、(ロ)成分は
1重量%〜50重量%、(ハ)成分は10重量%〜70
重量%である。また、(イ)、(ロ)成分の代わりにβ
−ジケトンの金属錯体を用いる前記(2)および(3)
の方法の場合には、このβ−ジケトンの金属錯体は1重
量%〜60重量%、(ハ)成分は40重量%〜99重量
%が好ましい。 【0015】(有機溶剤)本発明の塗布液には、塗膜性
を向上させるために有機溶剤を添加してもよい。有機溶
剤としては、下記一般式 R−OH、 HO−R−OH、 HO−R−O−R、 HO−R−O−R−OH、 HO−R−O−R−O−R、 R−O−R−O−R−O−R (式中、Rはそれぞれ独立してアルキル基、アルキレン
基、アリール基、アリーレン基またはベンジル基を示
す。)で表わされる有機溶剤が好ましく用いられ、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、プチレングリコール、ヘキシレングリコール、オク
チレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ジヘキシレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレ
ングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコー
ルモノベンジルエーテル、プロピレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルジエ
ーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレ
ングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコール
ジフェニルエーテル、エチレングリコールジベンジルエ
ーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロ
ピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコ
ールジブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカ
ルビトール、ブチルカルビトール、フェニルカルビトー
ル、ベンジルカルビトール、ジメチルカルビトール、ジ
エチルカルビトール、ジブチルカルビトール、ジフェニ
ルカルビトール、ジベンジルカルビトール、メチルエチ
ルカルビトール、ジプロピレングリコールジメチルエー
テル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジブチルエーテルなどを挙げること
ができる。これらの有機溶剤は単独でも、また2種以上
混合してもよい。この場合の有機溶剤の添加量は、
(イ)、(ロ)および(ハ)成分またはβ−ジケトンの
金属錯体と前記の非プロトン性極性溶剤の混合溶液に対
して、80重量%以下であることが好ましく、特に30
〜70重量%の範囲であることが好ましい。この範囲よ
り多くなると、塗布膜の密着性の低下、膜強度の低下、
塗膜性の低下等につながるので、好ましくない。 【0016】(塗布法および金属酸化膜形成法)本発明
の塗布液は、プラスチック、ガラス、セラミックス、金
属ナイトライドや金属カーボネート等の粉末を焼結した
基板、金属、半導体用基板等に塗布され、加熱すること
で、基板上に密着性および均一性の優れた金属酸化被膜
を形成することが出来る。この場合の塗布手段として
は、浸漬引き上げ法、スプレー法、スピンコート法、刷
毛塗り法、ロールコート法、印刷法いずれの方法でも用
いることが出来る。また加熱手段としては、ホットプレ
ート加熱、熱風加熱、バーナー加熱、赤外線加熱、レー
ザー加熱、高周波加熱等を挙げることが出来る。加熱温
度は100℃以上、好ましくは300℃以上の温度で行
うことが化学的に安定な被膜を形成する上で好ましい
が、基板の材質等により制限を受けるので基板が耐えら
れる温度範囲内で適宜選択することが必要である。 【0017】実施例 以下実施例を用いて本発明を説明する。以下において部
は重量部を表わす。 〔実施例1〕1.1mm厚のソーダガラス基板を洗浄
後、次の成分から成る塗布液に浸漬し、10cm/mi
nの等速引き上げによりコーティングを行った。 エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 15部 アセチルアセトン 3部 N−メチル−2−ピロリドン 25部 続いて熱風循環乾燥器中に入れて140℃、15分間乾
燥後、電気炉に移し500℃、60分間焼成して、80
nm厚のAl2 O3 被膜を得た。被膜は透明で、明らか
なピンホールは認められず、均一性が高く、密着性、被
膜強度ともに良好なものであった。また塗布液は室温で
12ヵ月保存後も成分の変化は無く、均質なものであっ
た。さらにこの12ヵ月経過した塗布液を用いて前記同
様に塗布試験を行ったが、形成された被膜は12ヵ月前
の評価と大きな差異は認められなかった。 【0018】〔実施例2〕1.0mm厚の金属アルミニ
ウム基板を洗浄後、次の成分から成る塗布液を用いて、
ロールコートによりコーティングした。 鉄(III)アセチルアセトナート 25部 ヘキサメチルリン酸トリアミド 20部 エチルアルコール 5部 乾燥は、ロールコート後、直ちに熱風循環乾燥器内にて
140℃、15分間行い、電気炉に移して300℃、6
0分間焼成を行って、56nm厚のFe2 O3被膜を形
成した。被膜は、明らかなピンホールやハジキは認めら
れず、密着性、被膜強度も良好であった。また塗布液は
室温で12ヵ月保存後も成分の変化は無く、均質なもの
であった。さらにこの12ヵ月経過した塗布液を用いて
前記同様の塗布試験を行ったが、形成された被膜は12
ヵ月前の評価と大きな差異は認められなかった。 【0019】〔実施例3〕1.0mm厚のセラミック基
板を洗浄した後、次の成分から成る塗布液を用い、10
00rpmでスピンコートを行った。 ジブチル錫ジアセテート 5部 アセト酢酸エチルエステル 1.9部 錫(II)トリフルオロアセチルアセトナート 12部 ジメチルスルホキシド 60部 プロピレングリコール 40部 エチルアルコール 20部 スピンコート後、熱風循環乾燥器中で100℃、10分
間乾燥を行い、続いて30Wの低圧水銀灯で紫外線を3
0分間照射した後、電気炉中に移し700℃、60分間
焼成を行って、68nm厚のSnO被膜を形成した。被
膜は8.3kΩ/□のシート抵抗値を有し、明らかなピ
ンホールやハジキ等は認められず、密着性、被膜強度も
良好であった。また塗布液は室温で12ヵ月保存後も成
分の変化は無く、均質なものであった。さらにこの12
ヵ月経過した塗布液を用いて前記同様の塗布試験を行っ
たが、形成された被膜は12ヵ月前の評価と大きな差異
は認められなかった。 【0020】〔比較例1〕5インチのシリコンウエハー
に、次の成分に、純水7部および触媒としてリン酸0.
1部を加えたものから成る塗布液を用い、3000rp
mでスピンコートを行った。 テトラエトキシシラン 40部 N−メチル−2−ピロリドン 30部 エチレングリコールモノエチルエーテル 60部 続いてホットプレート上で200℃、10分間乾燥後、
電気炉中に移し800℃、30分間焼成して、135n
m厚のPSG被膜を形成した。被膜は均一性が良く、密
着性、被膜強度ともに良好であった。しかし、室温で1
週間保存後に塗布液は乳白色のゲル状物を呈し、塗布液
としての用をなさなかった。 【0021】〔比較例2〕1.1mm厚のソーダガラス
基板を洗浄後、次の成分から成る塗布液に浸漬し、10
cm/minで等速引き上げを行ってコーティングを行
った。 トリイソプロポキシアルミニウム 10部 イソプロピルアルコール 60部 ジメチルホルムアミド 20部 ソーダガラス基板を引き上げてのち、熱風循環乾燥器中
で100℃、10分間乾燥を行ったところ、塗布膜は白
濁して、全面にくもりが認められた。またこの塗布液
は、室温放置下2週間程で、白色沈澱物の析出が認めら
れた。 【0022】発明の効果 本発明の金属酸化膜形成用塗布液は、保存安定性に優れ
ており、しかも被膜の均一性、密着性、被膜強度がとも
に良好で、ピンホールやハジキの発生がない優れた特性
の金属酸化膜を与えることができる。そして、本発明に
よれば、被膜を形成した基板等を量産性よく提供するこ
とができ、産業上大きな利点を発揮する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭55−149920(JP,A)
特開 昭60−49509(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
C09D 185/00
C09D 1/00
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.β−ジケトンの金属錯体と、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アセト
ニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N’,N’
−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、
N−エチルピロール、N−メチル−△3 −ピロリン、N
−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−
ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メ
チル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2
(1H)−ピリミジノンから選ばれる少なくとも1種の
非プロトン性極性溶剤を含有して成る金属酸化膜形成用
塗布液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7329455A JP2824751B2 (ja) | 1995-11-27 | 1995-11-27 | 金属酸化膜形成用塗布液 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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---|---|---|---|
JP62000556A Division JP2729373B2 (ja) | 1987-01-07 | 1987-01-07 | 金属酸化膜形成用塗布液 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JPS6049509A (ja) * | 1983-08-27 | 1985-03-18 | アルプス電気株式会社 | 透明導電性被膜形成液 |
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1995
- 1995-11-27 JP JP7329455A patent/JP2824751B2/ja not_active Expired - Lifetime
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