JP2820634B2 - 杭の破損調査法 - Google Patents
杭の破損調査法Info
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- JP2820634B2 JP2820634B2 JP7065830A JP6583095A JP2820634B2 JP 2820634 B2 JP2820634 B2 JP 2820634B2 JP 7065830 A JP7065830 A JP 7065830A JP 6583095 A JP6583095 A JP 6583095A JP 2820634 B2 JP2820634 B2 JP 2820634B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は杭の破損調査法、特にコ
ンクリート杭の荷重を積極的に増減させてAE波を強制
的に発生させ、該AE波を解析することによりコンクリ
ート杭の破損箇所の位置や破損度を調査する方法に関す
るものである。
ンクリート杭の荷重を積極的に増減させてAE波を強制
的に発生させ、該AE波を解析することによりコンクリ
ート杭の破損箇所の位置や破損度を調査する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、地面より上方に架設された構
造物に関しては、地震等に遭遇した場合の被害状況が把
握し易い。よって、2度目以降の地震あるいは余震に備
えた調査については行き届いているのが一般的である。
造物に関しては、地震等に遭遇した場合の被害状況が把
握し易い。よって、2度目以降の地震あるいは余震に備
えた調査については行き届いているのが一般的である。
【0003】ところが、この構造物を支えている杭のよ
うに地面から下方に設置され、地中に埋設されている部
分に関しては、構造物に比較して調査が困難であり、且
つ調査費用も高くつく場合が多い。このため、構造物の
傾斜や沈下が明らかに認められる場合や、その構造物の
使用者、居住者の感覚により構造物が傾斜している可能
性がある場合に限り、杭の破損状況が調査されるだけで
あり、一般には杭の調査は直接には行われない場合が多
い。
うに地面から下方に設置され、地中に埋設されている部
分に関しては、構造物に比較して調査が困難であり、且
つ調査費用も高くつく場合が多い。このため、構造物の
傾斜や沈下が明らかに認められる場合や、その構造物の
使用者、居住者の感覚により構造物が傾斜している可能
性がある場合に限り、杭の破損状況が調査されるだけで
あり、一般には杭の調査は直接には行われない場合が多
い。
【0004】しかし、構造物を支える杭が大きな被害を
被っていれば、被害を受けていない杭と異なり、鉛直方
向と水平方向の地震力に対する抵抗度が低下しているこ
とは否めないことである。従って、このような抵抗度が
低下している杭に支えられた構造物も、2度目以降の地
震あるいは余震の際には、転倒する危険が極めて大きい
ものである。
被っていれば、被害を受けていない杭と異なり、鉛直方
向と水平方向の地震力に対する抵抗度が低下しているこ
とは否めないことである。従って、このような抵抗度が
低下している杭に支えられた構造物も、2度目以降の地
震あるいは余震の際には、転倒する危険が極めて大きい
ものである。
【0005】しかして、従来、杭の破損調査法として
は、第1番目の方法として、杭の周辺を掘削することに
より直接に目視観察を行う目視観察法、また第2番目の
方法としては、杭頭を打撃することにより生じる反射波
を分析する杭頭打撃法があった。
は、第1番目の方法として、杭の周辺を掘削することに
より直接に目視観察を行う目視観察法、また第2番目の
方法としては、杭頭を打撃することにより生じる反射波
を分析する杭頭打撃法があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の上記2
つの方法には、次のような課題があった。
つの方法には、次のような課題があった。
【0007】(1)第1の直接目視観察法の課題。 この方法は、上述したように、杭の外側の周辺を掘削す
るものであるから、外側のしかも上端部分のみの杭だけ
調査されるに過ぎない。特に、中央部の杭を調査するに
は、大がかりなアンダーピニングが必要である。そし
て、この方法では、前記のように杭の浅い所しか調査で
きない。
るものであるから、外側のしかも上端部分のみの杭だけ
調査されるに過ぎない。特に、中央部の杭を調査するに
は、大がかりなアンダーピニングが必要である。そし
て、この方法では、前記のように杭の浅い所しか調査で
きない。
【0008】(2)第2の杭頭打撃法の課題。 この方法は、上述したように、杭頭を打撃するものであ
るから、杭の最上部の破損面しか調査できず、また、深
い所の調査は困難である。更に、杭とその基礎とを構造
的に分離しなければならないので、実現性に乏しく、使
用条件によっては調査が困難な場合がある。
るから、杭の最上部の破損面しか調査できず、また、深
い所の調査は困難である。更に、杭とその基礎とを構造
的に分離しなければならないので、実現性に乏しく、使
用条件によっては調査が困難な場合がある。
【0009】しかして、本発明は、杭の破損調査におい
て、杭の荷重が地震あるいは余震により増減することを
利用し、もって強制的に発生したAE波を利用し、該A
E波を解析することにより杭の破損箇所の位置や破損度
を迅速、正確、簡単に調査でき、また、複数個の破損箇
所と深い所の迅速、正確、簡単な調査をも可能であり、
また中央部の杭の正確、簡単な調査も可能である杭の破
損調査法を提供することを目的とするものである。
て、杭の荷重が地震あるいは余震により増減することを
利用し、もって強制的に発生したAE波を利用し、該A
E波を解析することにより杭の破損箇所の位置や破損度
を迅速、正確、簡単に調査でき、また、複数個の破損箇
所と深い所の迅速、正確、簡単な調査をも可能であり、
また中央部の杭の正確、簡単な調査も可能である杭の破
損調査法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、構造物10
を支える杭20の周辺に、AEセンサー102を複数個
取り付けた取付棒を設置するステップP2と、上記杭2
0に加わる荷重の増減により、杭20の破損箇所40か
ら発生したAE波50を上記AEセンサー102により
計測するステップP3と、上記計測したAE波50に基
づいて、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定す
るステップP4と、から成ることを特徴とする構成によ
り、また、構造物10を支える杭20の上端部分が露出
するように周辺部分を掘削して孔30を削孔するステッ
プP1と、上記孔30内において、杭20にAEセンサ
ー102を複数個設置するステップP2と、上記杭20
に加わる荷重の増減により、杭20の破損箇所40から
発生したAE波50を上記AEセンサー102により計
測するステップP3と、上記計測したAE波50に基づ
いて、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定する
ステップP4と、から成ることを特徴とする構成によ
り、また、上記ステップP3において、対外的加振を利
用することにより、杭に対して振動的な杭軸力や水平力
を付加することを特徴とする構成により、また、対外的
加振として自然現象による対外的加振を利用することを
特徴とする構成により、また、自然現象による対外的加
振として地震動を利用することを特徴とする構成により
解決されるものである。
を支える杭20の周辺に、AEセンサー102を複数個
取り付けた取付棒を設置するステップP2と、上記杭2
0に加わる荷重の増減により、杭20の破損箇所40か
ら発生したAE波50を上記AEセンサー102により
計測するステップP3と、上記計測したAE波50に基
づいて、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定す
るステップP4と、から成ることを特徴とする構成によ
り、また、構造物10を支える杭20の上端部分が露出
するように周辺部分を掘削して孔30を削孔するステッ
プP1と、上記孔30内において、杭20にAEセンサ
ー102を複数個設置するステップP2と、上記杭20
に加わる荷重の増減により、杭20の破損箇所40から
発生したAE波50を上記AEセンサー102により計
測するステップP3と、上記計測したAE波50に基づ
いて、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定する
ステップP4と、から成ることを特徴とする構成によ
り、また、上記ステップP3において、対外的加振を利
用することにより、杭に対して振動的な杭軸力や水平力
を付加することを特徴とする構成により、また、対外的
加振として自然現象による対外的加振を利用することを
特徴とする構成により、また、自然現象による対外的加
振として地震動を利用することを特徴とする構成により
解決されるものである。
【0011】
【作用】上記本発明の構成によれば、杭の荷重が地震等
自然現象による外力によって増減することにより、杭の
破損箇所からのAE波を発生させ、杭等に設置したAE
センサーによって計測したAE波を分析し、杭の破損箇
所の位置と破損度が判明する。
自然現象による外力によって増減することにより、杭の
破損箇所からのAE波を発生させ、杭等に設置したAE
センサーによって計測したAE波を分析し、杭の破損箇
所の位置と破損度が判明する。
【0012】即ち、本発明は、AE波が地震等の自然現
象により破損箇所から発生することを利用し、従来の杭
破損調査法では使用されていなかったこのAE波を発生
させ、破損箇所の位置と破損度をより正確に調査するよ
うに作用し、もって次回以降に実際に起こるであろう被
害を未然に防止しようとするものである。
象により破損箇所から発生することを利用し、従来の杭
破損調査法では使用されていなかったこのAE波を発生
させ、破損箇所の位置と破損度をより正確に調査するよ
うに作用し、もって次回以降に実際に起こるであろう被
害を未然に防止しようとするものである。
【0013】
【実施例】以下、本発明を、実施例により添付した各図
を参照して説明する。図1は、本発明に係る杭の破損調
査法の実施例を示すフローチャートである。以下、本発
明を、ステップ順に詳述する。
を参照して説明する。図1は、本発明に係る杭の破損調
査法の実施例を示すフローチャートである。以下、本発
明を、ステップ順に詳述する。
【0014】先ず、構造物10を支える杭20の周辺部
分に、孔30を削孔する(図1 ステップP1)。ここ
で、この掘削すべき孔30は、杭20の上端部分が露出
するように削孔するものとする。
分に、孔30を削孔する(図1 ステップP1)。ここ
で、この掘削すべき孔30は、杭20の上端部分が露出
するように削孔するものとする。
【0015】即ち、図2に示すように、構造物10の下
部に配置された杭20につき調査したい場合は、構造物
10の下部に配置された杭20の上端部分が露出する様
孔30を削孔するのである。
部に配置された杭20につき調査したい場合は、構造物
10の下部に配置された杭20の上端部分が露出する様
孔30を削孔するのである。
【0016】これに対して、構造物10の下部に配置さ
れた杭20につき、その杭30の上端部分の露出が不可
能な場合、例えば図3に示すように、構造物10の下部
に配置された杭20のうち、その中央部に配置された杭
20等について調査したい場合等には、その周辺に、地
面60に対して斜めに、例えば、2つの孔30を削孔す
ること等が考えられる。
れた杭20につき、その杭30の上端部分の露出が不可
能な場合、例えば図3に示すように、構造物10の下部
に配置された杭20のうち、その中央部に配置された杭
20等について調査したい場合等には、その周辺に、地
面60に対して斜めに、例えば、2つの孔30を削孔す
ること等が考えられる。
【0017】更に、図4に示すように、外側部と中央部
に配置された杭20の両方を同時に調査したい場合等構
造物10の下部に配置された杭20につき、その杭30
の上端部分の露出が不可能あるいは困難な場合には、地
面60に対して垂直に、例えば、3つの孔30を削孔す
ると共に、地面60に対して斜めに、例えば、2つの孔
30を削孔することが考えられる。
に配置された杭20の両方を同時に調査したい場合等構
造物10の下部に配置された杭20につき、その杭30
の上端部分の露出が不可能あるいは困難な場合には、地
面60に対して垂直に、例えば、3つの孔30を削孔す
ると共に、地面60に対して斜めに、例えば、2つの孔
30を削孔することが考えられる。
【0018】次に、上記孔30内において杭20にある
いはその周辺にAEセンサー102を複数個設置する
(ステップP2)。ここで、上記説明したステップP1
のように、孔30を削孔して、例えば構造物10を支え
る杭20が地表面から露出させ、杭20の露出部分にA
Eセンサー102を設置しても構わないし、また構造物
10を支える杭20の周辺、例えば周辺の地表面上にA
Eセンサー102を設置しても構わないものである。
いはその周辺にAEセンサー102を複数個設置する
(ステップP2)。ここで、上記説明したステップP1
のように、孔30を削孔して、例えば構造物10を支え
る杭20が地表面から露出させ、杭20の露出部分にA
Eセンサー102を設置しても構わないし、また構造物
10を支える杭20の周辺、例えば周辺の地表面上にA
Eセンサー102を設置しても構わないものである。
【0019】ただ、地表面上にAEセンサー102を設
置する場合には、該AEセンサー102の検出度合いが
低下するため、検出するAE音は微少音となる。よっ
て、該AE音を増幅することが必要となる。しかして、
上記のように地表面に露出している杭20の部分や、杭
20周辺の地表面にAEセンサー102を設置する場合
には上記ステップP1は必要とされないことになる。
置する場合には、該AEセンサー102の検出度合いが
低下するため、検出するAE音は微少音となる。よっ
て、該AE音を増幅することが必要となる。しかして、
上記のように地表面に露出している杭20の部分や、杭
20周辺の地表面にAEセンサー102を設置する場合
には上記ステップP1は必要とされないことになる。
【0020】ここで、孔30内にAEセンサー102を
複数個設置する場合、AEセンサー102をどのように
設置するか、またその数をいくつにするかについては、
以下の場合分けが判断材料になると考えられる。
複数個設置する場合、AEセンサー102をどのように
設置するか、またその数をいくつにするかについては、
以下の場合分けが判断材料になると考えられる。
【0021】(1)AE波の伝播減衰が小さい場合、又
は測定範囲が狭い場合(図1に示すステップP2のYE
S)。この場合は、図5(A)等に示すように、AEセ
ンサー102を杭20周辺の孔30内に直接に設置す
る。また設置するAEセンサー102の数は、後述する
ように、破損箇所の位置と破損度の特定の仕方により、
例えば、4個等の複数となる。尚、杭20に直接設置し
てもよい。
は測定範囲が狭い場合(図1に示すステップP2のYE
S)。この場合は、図5(A)等に示すように、AEセ
ンサー102を杭20周辺の孔30内に直接に設置す
る。また設置するAEセンサー102の数は、後述する
ように、破損箇所の位置と破損度の特定の仕方により、
例えば、4個等の複数となる。尚、杭20に直接設置し
てもよい。
【0022】(2)AE波の伝播減衰が大きい場合、又
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP2のN
O)。この場合は、図6(A)に示すように、AEセン
サー102を導波棒A等の両端部に取り付け、この導波
棒A等を孔30内に挿入する。あるいは杭20自体にA
Eセンサー102を取り付けても構わない。尚、挿入す
る導波棒A等の数は、後述するように、破損箇所の位置
と破損度の特定の仕方(図6(B))により、例えば、
3本とすることが考えられる。
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP2のN
O)。この場合は、図6(A)に示すように、AEセン
サー102を導波棒A等の両端部に取り付け、この導波
棒A等を孔30内に挿入する。あるいは杭20自体にA
Eセンサー102を取り付けても構わない。尚、挿入す
る導波棒A等の数は、後述するように、破損箇所の位置
と破損度の特定の仕方(図6(B))により、例えば、
3本とすることが考えられる。
【0023】さらに、AEセンサー102の設置に際し
ては、前述のように、杭30の周辺に孔30を削孔し、
その中にAEセンサー102を設置することなく、また
導波棒A等を埋設することなく、図8に示すように杭3
0の周辺に中空パイプあるいは中実パイプを埋め込み、
該中空パイプ、中実パイプにAEセンサー102を取り
付けて設置しても構わないものである。
ては、前述のように、杭30の周辺に孔30を削孔し、
その中にAEセンサー102を設置することなく、また
導波棒A等を埋設することなく、図8に示すように杭3
0の周辺に中空パイプあるいは中実パイプを埋め込み、
該中空パイプ、中実パイプにAEセンサー102を取り
付けて設置しても構わないものである。
【0024】さらに、該AEセンサー102は縦方向に
取り付けても横方向に取り付けても構わないものであ
る。
取り付けても横方向に取り付けても構わないものであ
る。
【0025】次いで、上記杭20に加わる荷重が地震等
の自然現象による対外的加振により増減することとな
り、この増減により破損箇所40から発生したAE波5
0を上記AEセンサー102により計測する(ステップ
P3)。
の自然現象による対外的加振により増減することとな
り、この増減により破損箇所40から発生したAE波5
0を上記AEセンサー102により計測する(ステップ
P3)。
【0026】この場合、杭20に荷重を加えるものとし
て、前述したように自然現象による対外的加振が用いら
れるものであり、該自然現象による対外的加振として
は、地震、余震等がある。この様に、外部からの対外的
加振により、杭に対して杭軸力や水平力を付加できる。
て、前述したように自然現象による対外的加振が用いら
れるものであり、該自然現象による対外的加振として
は、地震、余震等がある。この様に、外部からの対外的
加振により、杭に対して杭軸力や水平力を付加できる。
【0027】ここでまた、計測するAEセンサー102
は、次のように、場合によって異なる。 (1)AE波の伝播減衰が小さい場合、又は測定範囲が
狭い場合(図1に示すステップP3のYES)。この場
合は、孔30に直接設置したAEセンサー102(図5
(A))や杭20に直接設置したAEセンサー102に
よる計測でも構わない。
は、次のように、場合によって異なる。 (1)AE波の伝播減衰が小さい場合、又は測定範囲が
狭い場合(図1に示すステップP3のYES)。この場
合は、孔30に直接設置したAEセンサー102(図5
(A))や杭20に直接設置したAEセンサー102に
よる計測でも構わない。
【0028】(2)AE波の伝播減衰が大きい場合、又
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP3のN
O)。この場合は、導波棒に取り付けたAEセンサー1
02(図6(A))を用いるか、直接杭20の上端部に
AEセンサー102を取り付けて計測しても構わない。
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP3のN
O)。この場合は、導波棒に取り付けたAEセンサー1
02(図6(A))を用いるか、直接杭20の上端部に
AEセンサー102を取り付けて計測しても構わない。
【0029】最後に、上記計測したAE波50に基づい
て、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定する
(ステップP4)。この場合、杭20の破損箇所40の
位置と破損度を特定する方法は、次の場合により異な
る。
て、杭20の破損箇所40の位置と破損度を特定する
(ステップP4)。この場合、杭20の破損箇所40の
位置と破損度を特定する方法は、次の場合により異な
る。
【0030】(1)AE波の伝播減衰が小さい場合、又
は測定範囲が狭い場合(図1に示すステップP4のYE
S)。この場合は、例えば、AE波50の複数個のAE
センサー102に対する到達時間差により破損箇所の3
次元位置と破損度を特定する。即ち、図5(B)に示す
ように、破損箇所40であるAE音源(3次元座標で
(x、y、z))に対して、複数個のAEセンサー10
21・・・102i (3次元座標で(a1、b1、c1)・
・・(ai 、bi 、ci ))が設けられ、両者の距離を
D1・・・Di 、AE波50の到達時間をT1・・・Ti
、AE波50の伝播速度をvとする。
は測定範囲が狭い場合(図1に示すステップP4のYE
S)。この場合は、例えば、AE波50の複数個のAE
センサー102に対する到達時間差により破損箇所の3
次元位置と破損度を特定する。即ち、図5(B)に示す
ように、破損箇所40であるAE音源(3次元座標で
(x、y、z))に対して、複数個のAEセンサー10
21・・・102i (3次元座標で(a1、b1、c1)・
・・(ai 、bi 、ci ))が設けられ、両者の距離を
D1・・・Di 、AE波50の到達時間をT1・・・Ti
、AE波50の伝播速度をvとする。
【0031】この場合、AEセンサー102iに関し
て、一般には、次式が成立する。 Di =vTi =√{(x−ai )2 +(y−bi )2+(z−ci )2} ・・・(1) 従って、AE波50がAEセンサー102i に到達する
までの時間差を、AEセンサー1021を基準として、
ti とすれば、上記(1)式より、次式が成立する。 v(T1+ti )=√{(x−ai )2+(y−bi )2+(z−ci )2} ・・・(2)
て、一般には、次式が成立する。 Di =vTi =√{(x−ai )2 +(y−bi )2+(z−ci )2} ・・・(1) 従って、AE波50がAEセンサー102i に到達する
までの時間差を、AEセンサー1021を基準として、
ti とすれば、上記(1)式より、次式が成立する。 v(T1+ti )=√{(x−ai )2+(y−bi )2+(z−ci )2} ・・・(2)
【0032】今、この(2)式において、x、y、z、
T1が未知であるとすると、4個以上のAEセンサー1
02を設置することにより、破損箇所40の位置(x、
y、z)が特定される。また、AE波50の大きさや頻
度から、破損度が特定される。
T1が未知であるとすると、4個以上のAEセンサー1
02を設置することにより、破損箇所40の位置(x、
y、z)が特定される。また、AE波50の大きさや頻
度から、破損度が特定される。
【0033】(2)AE波の伝播減衰が大きい場合、又
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP4のN
O)。この場合は、例えば、各導波棒A、B、CのAE
源領域の交点として破損箇所の3次元位置と破損度を特
定する。即ち、図6(B)に示すように、導波棒AのA
E源領域をa、導波棒BのAE源領域をb、導波棒Cの
AE源領域をcとすれば、これらの交点として、AE
源、即ち、破損箇所40が特定される。
は測定範囲が広い場合(図1に示すステップP4のN
O)。この場合は、例えば、各導波棒A、B、CのAE
源領域の交点として破損箇所の3次元位置と破損度を特
定する。即ち、図6(B)に示すように、導波棒AのA
E源領域をa、導波棒BのAE源領域をb、導波棒Cの
AE源領域をcとすれば、これらの交点として、AE
源、即ち、破損箇所40が特定される。
【0034】また、この場合、孔30内に挿入される導
波棒の数は、3本以上である。更に、AE波の大きさや
頻度から、破損度が特定される。
波棒の数は、3本以上である。更に、AE波の大きさや
頻度から、破損度が特定される。
【0035】図7は、本発明で使用される装置の実施例
を示す図である。同図において、参照符号100は杭荷
重増減AE波発生手段、102はAEセンサー、104
はアンプ、106は破損位置解析手段、108は破損度
解析手段、110は表示手段である。
を示す図である。同図において、参照符号100は杭荷
重増減AE波発生手段、102はAEセンサー、104
はアンプ、106は破損位置解析手段、108は破損度
解析手段、110は表示手段である。
【0036】上記杭荷重増減AE波発生手段100は、
対外的加振により構造物10を支える杭20の荷重が増
減し、杭20の破損箇所40からAE波50を発生させ
る手段を示すものであり、例えば、自然現象により対外
的加振である地震、余震等が該当する。
対外的加振により構造物10を支える杭20の荷重が増
減し、杭20の破損箇所40からAE波50を発生させ
る手段を示すものであり、例えば、自然現象により対外
的加振である地震、余震等が該当する。
【0037】上記AEセンサー102は、埋設された杭
20の上端を掘削し、露出した杭20に直接に、あるい
は杭20の周辺部分に設置され、かつ上記杭荷重増減A
E波発生手段10により杭20に発生したAE波50を
検知し、AE信号に変換する装置であって、複数個設け
られている。
20の上端を掘削し、露出した杭20に直接に、あるい
は杭20の周辺部分に設置され、かつ上記杭荷重増減A
E波発生手段10により杭20に発生したAE波50を
検知し、AE信号に変換する装置であって、複数個設け
られている。
【0038】上記破損位置解析手段106は、AE信号
を入力し、杭20の破損箇所40の位置を解析する手段
である。
を入力し、杭20の破損箇所40の位置を解析する手段
である。
【0039】上記破損度解析手段108は、AE信号を
入力し、杭20の破損度を解析する手段である。
入力し、杭20の破損度を解析する手段である。
【0040】上記表示手段110は、解析された杭20
の破損箇所40の位置及び破損度を表示する手段であっ
て、例えば、CRTで形成されている。
の破損箇所40の位置及び破損度を表示する手段であっ
て、例えば、CRTで形成されている。
【0041】上記杭荷重増減AE波発生手段100によ
り、杭20の破損箇所40からAE波50が発生する
と、AE波50は、AEセンサー102により検知され
て電気信号であるAE信号S1に変換される。
り、杭20の破損箇所40からAE波50が発生する
と、AE波50は、AEセンサー102により検知され
て電気信号であるAE信号S1に変換される。
【0042】上記AE信号S1は、アンプ104に入力
して所定の増幅率により増幅され、増幅AE信号S2が
出力される。この増幅AE信号S2は、破損位置解析手
段106に入力すると共に、破損度解析手段108に入
力し、AE波50の解析がなされ、解析結果はビデオ信
号S3として表示手段110に入力する。
して所定の増幅率により増幅され、増幅AE信号S2が
出力される。この増幅AE信号S2は、破損位置解析手
段106に入力すると共に、破損度解析手段108に入
力し、AE波50の解析がなされ、解析結果はビデオ信
号S3として表示手段110に入力する。
【0043】表示手段110においては、その画面に破
損箇所の位置と破損度が表示される。例えば、図示する
ように、画面に表示された円Cの位置が、破損箇所40
の位置を表し、またその円Cの大きさが破損度を表して
いる。
損箇所の位置と破損度が表示される。例えば、図示する
ように、画面に表示された円Cの位置が、破損箇所40
の位置を表し、またその円Cの大きさが破損度を表して
いる。
【0044】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば、対外的
加振、特に自然現象による対外的加振を利用して杭の荷
重を増減させ、もって杭の破損箇所からAE波を強制的
に発生させ、杭あるいはその周辺に設置したAEセンサ
ーによって計測したAE波を分析し、杭の破損箇所の位
置と破損度が判明するように構成したので、破損箇所の
位置と破損度をより正確に、迅速に調査でき、杭の破損
調査において、複数個の破損箇所と深い所でのさらに正
確、迅速な調査が可能であり、また中央部の杭の正確な
調査も可能であるという優れた技術的効果を奏する。
加振、特に自然現象による対外的加振を利用して杭の荷
重を増減させ、もって杭の破損箇所からAE波を強制的
に発生させ、杭あるいはその周辺に設置したAEセンサ
ーによって計測したAE波を分析し、杭の破損箇所の位
置と破損度が判明するように構成したので、破損箇所の
位置と破損度をより正確に、迅速に調査でき、杭の破損
調査において、複数個の破損箇所と深い所でのさらに正
確、迅速な調査が可能であり、また中央部の杭の正確な
調査も可能であるという優れた技術的効果を奏する。
【0045】
【図1】本発明の実施例を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例を説明する説明図(その1)で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施例を説明する説明図(その2)で
ある。
ある。
【図4】本発明の実施例を説明する説明図(その3)で
ある。
ある。
【図5】本発明においてAE波の伝播減衰が小さい場
合、又は測定範囲が狭い場合の一実施例を示す説明図で
ある。
合、又は測定範囲が狭い場合の一実施例を示す説明図で
ある。
【図6】本発明においてAE波の伝播減衰が大きい場
合、又は測定範囲が広い場合の一実施例を示す説明図で
ある。
合、又は測定範囲が広い場合の一実施例を示す説明図で
ある。
【図7】本発明にかかる装置の一構成例を示す説明図で
ある。
ある。
【図8】本発明の実施例を説明する説明図(その4)で
ある。
ある。
10 構造物 20 杭 30 孔 40 破損箇所 50 AE波 60 地面 102 AEセンサー
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 29/00 - 29/28 E02D 33/00 G01N 3/00 - 3/62 G01M 19/00
Claims (5)
- 【請求項1】 構造物(10)を支える杭(20)の周
辺に、AEセンサー(102)を複数個取り付けた取付
棒を設置するステップ(P2)と、 上記杭(20)に加わる荷重の増減により、杭(20)
の破損箇所(40)から発生したAE波(50)を上記
AEセンサー(102)により計測するステップ(P
3)と、 上記計測したAE波(50)に基づいて、杭(20)の
破損箇所(40)の位置と破損度を特定するステップ
(P4)と、 から成ることを特徴とする杭の破損調査法。 - 【請求項2】 構造物(10)を支える杭(20)の上
端部分が露出するように周辺部分を掘削して孔(30)
を削孔するステップ(P1)と、 上記孔(30)内において、杭(20)にAEセンサー
(102)を複数個設置するステップ(P2)と、 上記杭(20)に加わる荷重の増減により、杭(20)
の破損箇所(40)から発生したAE波(50)を上記
AEセンサー(102)により計測するステップ(P
3)と、 上記計測したAE波(50)に基づいて、杭(20)の
破損箇所(40)の位置と破損度を特定するステップ
(P4)と、 から成ることを特徴とする杭の破損調査法。 - 【請求項3】 上記ステップ(P3)において、対外的
加振を利用することにより、杭に対して振動的な杭軸力
や水平力を付加することを特徴とした請求項1または請
求項2記載の杭の破損調査法。 - 【請求項4】 対外的加振として自然現象による対外的
加振を利用することを特徴とする請求項3記載の破損調
査法。 - 【請求項5】 自然現象による対外的加振として地震動
を利用することを特徴とする請求項4記載の杭の破損調
査法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7065830A JP2820634B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 杭の破損調査法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7065830A JP2820634B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 杭の破損調査法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08261994A JPH08261994A (ja) | 1996-10-11 |
JP2820634B2 true JP2820634B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=13298340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7065830A Expired - Fee Related JP2820634B2 (ja) | 1995-03-24 | 1995-03-24 | 杭の破損調査法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2820634B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110067268A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-07-30 | 中山大学 | 一种基于声发射的预制桩贯入过程中地层非正常不连续变化深度量测装置 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101892679B (zh) * | 2010-07-14 | 2012-02-29 | 同济大学 | 一种模拟水下桩基础冲刷与承载耦合特性的试验装置 |
JP5953203B2 (ja) * | 2012-10-22 | 2016-07-20 | 大成建設株式会社 | 杭状態検出システム |
CN110886329B (zh) * | 2019-10-23 | 2023-05-26 | 上海建工四建集团有限公司 | 用于检测桩基垂直度的装置及其应用方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6283654A (ja) * | 1985-10-09 | 1987-04-17 | Tokyu Constr Co Ltd | コンクリ−ト構造物におけるaeの計測方法 |
JPH0438439A (ja) * | 1990-06-04 | 1992-02-07 | Fujita Corp | 地震時における構造物の崩壊予知方法 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP7065830A patent/JP2820634B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110067268A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-07-30 | 中山大学 | 一种基于声发射的预制桩贯入过程中地层非正常不连续变化深度量测装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08261994A (ja) | 1996-10-11 |
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