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JP2801283B2 - インクジェット記録装置および該装置に取付けられるインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録装置および該装置に取付けられるインクジェット記録ヘッド

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JP2801283B2
JP2801283B2 JP1241083A JP24108389A JP2801283B2 JP 2801283 B2 JP2801283 B2 JP 2801283B2 JP 1241083 A JP1241083 A JP 1241083A JP 24108389 A JP24108389 A JP 24108389A JP 2801283 B2 JP2801283 B2 JP 2801283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクジェット記録装置および該装置に取
付けられるインクジェット記録ヘッドに関する。
[従来の技術] インクジェット記録装置の中には、インクタンクとイ
ンクを吐出するための記録ヘッドエレメントとが一体と
なったインクジェット記録ヘッド(以下、単に記録ヘッ
ドという)を使用するものが知られている。
このような記録ヘッドを記録装置側のキャリアに搭載
するにあたっては、インクを紙等の被記録媒体の適切な
位置に正確に付着させ記録を行なうことと、記録信号を
伝達するための接続端子を適切に接続させなければなら
ないことから、記録ヘッドを適切な位置に固定して装着
する必要があった。
記録ヘッドの装着方法を大別すると、キャリアの上方
や後方から記録ヘッドを平行または回転させて装着する
方法や、キャリアに所定の方向から記録ヘッドを入れた
後固定用のレバーなどを操作して適切な位置へ記録ヘッ
ドを圧接し固定する方法があった。
このような装着方法の1つを用いた構成として、例え
ば、本願人による特願平1−8076号に示されるものが提
案されている。
上記に示される構成は、装着にかかる位置決め用突起
等を記録ヘッド全延長のさらに外側に設けたり、また、
キャリアにおいても装着用レバー機構を記録ヘッドを搭
載した際に後ろ側となる部位に設けた構成である。
[発明が解決しようとする課題] そころで、近年のインクジェット記録装置、とりわけ
記録ヘッドにあっては、その製造が半導体の成膜構成や
マイクロ加工技術によって行なわれるようになり、小型
でかつ廉価な記録ヘッドが実現されつつある。これによ
り、上述してきたようにインクタンクを一体とした使い
捨てタイプの記録ヘッドも提案されてきた。
これに伴ない、装置自体も小型かつ廉価なものとし、
ユーザーにとってより手軽に用いることのできるインク
ジェット記録装置が望まれている。
かかる要請において、上述した従来例をはじめとして
記録ヘッドをキャリアに着脱自在に搭載するための構成
には、さらに改良のなされるべき余地がある。
例えば、上で示した従来構成では、ガイド部材や位置
決め用突起が記録ヘッドの全長を大きくし、また、キャ
リアにおける装着用レバー機構も記録ヘッドの後ろ側に
設けられることでその移動に伴ない無用で多大なデット
スペースを形成していることになる。
また、着脱における記録ヘッドの可動範囲も、装置の
他の部材と干渉せず、小さなものであることが望まし
い。
さらに、インクタンクのインク収容能力の観点から見
れば、収容できるインク量はできる限り多いことが望ま
しく、従って記録ヘッドおよびキャリアのために許容さ
れるスペースの中でインクタンクはできる限り大きくす
るための構成が必要となる。
さらに加えて、記録ヘッドを着脱するに際して、記録
信号等の電気信号を伝達するための接続端子の接続につ
いても着脱のための構成に付随する重要な問題である。
本発明は、上述の各観点においてなされたものであ
り、限定されるスペース内で搭載される記録ヘッドに一
体のインクタンク等を大きくするためキャリア前面に配
される突き当て部材を薄くし、この薄くしたことにより
強度を補強する意味でリブを設け、さらにこのリブによ
って吐出面を保護するようにしたキャリアおよびこのキ
ャリアを具えたインクジェット記録装置を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] そのために本発明では、インク吐出口面からインクを
吐出するインクジェット記録ヘッドを用いて前記インク
吐出口面に対面する位置に配される記録媒体に記録を行
うインクジェット記録装置において、前記インクジェッ
ト記録ヘッド(9,9a,9b)を取り付け自在に載置する載
置面を備え、前記記録媒体に沿った所定の経路を移動す
るキャリア(6)と、前記キャリアに配され、前記載置
面に前記インクジェット記録ヘッドを取り付ける際に当
該インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体との間に介
在し、前記インクジェット記録ヘッドと当接する突き当
て部材と、前記載置面に前記インクジェット記録ヘッド
が載置された際に、前記インク吐出口面より前記記録媒
体方向に前記突き当て部材から突出するとともに、前記
キャリアの移動方向に沿って延在して配されたリブ(60
8)と、を有することを特徴とする。
[作 用] 以上の構成によれば、インクジェット記録ヘッドが当
接する突き当て部材においてこの部材から記録媒体へ向
う方向で、上記インクジェット記録ヘッドの吐出口面よ
り前方に突出するリブを設け、しかもこのリブをキャリ
アの移動方向に沿って延在させるので、キャリアが移動
する際にこの移動経路に記録媒体等が突出しても、上記
リブがこの記録媒体等に当接して記録媒体等が直接吐出
口面に触れることを防止でき、また、記録媒体等がリブ
に当接してもこのことがキャリアの移動の抵抗となった
りあるいはキャリアの移動によって記録媒体等に変形等
を生じさせることはない。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例に関するインクジェット記
録装置の外観斜視図、第2図は、第1図に示した装置の
ケース等を除いた装置主要部の斜視図、第3図(A)お
よび(B)は同様に第1図に示した装置の主に排紙系を
示す図である。
第1図において、100はインクジェット記録装置を示
し、この装置100は、同図に示すように載置されて使用
される場合と、後述されるように垂直に載置されて、使
用される場合等があり、比較的小型なものである。
101は装置ケース、102は外蓋、103は内蓋であり、非
使用時等ちは内蓋103の上に外蓋102が重畳されて装置10
0はコンパクトなものとなる。これにより、例えば記録
装置を専用の収容バックに入れ、ユーザーが持ち運びす
ることもできる。
また、外蓋102は、同図に示すように記録紙40の給紙
ガイドとして兼用することができ、この場合、図中106
が給紙口となる。さらに、外蓋102は、後述されるよう
に排紙トレイとしても兼用することもできる。
上記いずれの場合にも、図中107が排紙口となる。
105は上蓋102の位置固定フック、また、104は操作キ
ー,表示部等である。
次に、第2図を参照して装置要部の構成を説明する。
図において、1はシャーシであり、紙等の記録媒体の
ガイドを兼ねた左側板1a,右側板1bが奥側に立設されて
いる。また、シャーシ1には後述するキャリアモータを
回動可能に支持するためのモータ取付穴が設けられてい
るが、図示は省略する。
1hは後述するリードスクリューを、軸方向および径方
向で支持するリードアームであり、軸受部(図示省略)
に軸支されている。
2はリードスクリューであり、リード溝2aが記録範囲
に相対して所定のピッチで形成されている。また、リー
ドスクリュー2のキャリアホームポジション側には、キ
ャップおよび吐出回復を行う位置を設定するためのポジ
ション溝3bがスクリュー軸に垂直な断面の周りに沿って
形成されている。さらに、リード溝2aとポジション溝3b
とは導入溝3cより滑らかに連続している。
リードスクリュー2の右端には軸2gが設けられるとと
もに左端側にも軸が設けられ、それぞれ、前側板1cおよ
びリードアーム1bに設けられた軸受部に嵌入され、それ
らに対して回転自在に支持される。3は上記溝3b,3cを
含み、リードスクリュー2の軸に設けられたリードプー
リであり、その端部にプーリ3aが設けられている。そし
て、そのプーリ3aにモータ11よりタイミングベルト13を
介して駆動力が伝達される。
また、リードスクリュー2の右端側の軸2gは、シャー
シ右側板1bとシャーシ1とに接続するガイド板1cの構溝
と摺動可能に係合し、板ばね10の押え部10aによりスラ
スト方向に押圧されると共に、さらに軸2gはガイド板1c
に設けられた軸に回動自在に軸支されたカム溝板50aの
カム溝と係合している。カム溝板50aの周囲には、かみ
合い歯が形成され、これと板ばね10のラチェット部10c
とがかみ合うことによりカム溝板50aを所望の回転位置
で掛止することができる。この結果、カム溝に係合する
軸2gは、ガイド板1cの構溝における位置が定められ、従
って、リードスクリュー2の装置右端での位置が定めら
れる。この構成は、後述の記録ヘッドとプラテンとのギ
ャップ調整に用いられる。
4はクラッチギヤであり、リードプーリ3に対して軸
方向に摺動自在に支持され、回転方向には第11図にて後
述されるリードプーリ3に設けられたキー部によって係
合しリードスクリュー2の回動力が伝達されるようにな
っている。5はクラッチばねであり、クラッチギヤ4を
リード溝方向に付勢する圧縮スプリングとしている。な
お、クラッチギヤ4が軸方向に所定の範囲内しか移動し
ないようにする規制部材がクラッチギヤ4とリードプー
リ3との間に形成されている。
6はキャリアであり、リードスクリュー2に摺動自在
に取り付けられる。6aはクラッチギヤ4の端面を押圧す
るための押圧部であり、キャリアの左側に一体に形成さ
れている。7はリードピンであり、リードスクリュー2
のリード溝2aに係合しており、キャリア6のガイド穴
(図示せず)にてその押圧方向が案内されている。8は
リードピンばねであり、キャリア6にその一端が取り付
けられており、他端でリードピン7を押圧している。
9はキャリア6に搭載される記録ヘッドであり、本例
ではインク吐出を行うためのヘッドエレメント9aとイン
ク供給源をなすインクタンク9bとを一体化してキャリア
6に着脱可能としたカートリッジの形態を有し、インク
が消費されたとき等に交換可能な使い捨て型のものとし
てある。なお、ヘッドエレメント9aに配設されてインク
に吐出エネルギを作用させる吐出エネルギ発生素子とし
ては、電気熱変換素子や電気機械変換素子が用いられる
が、インク吐出口等の高密度実装化が可能でありこと,
製造工程が簡略であること等の理由により、前者が好ま
しく用いらる。
6cはフックであり、キャリア6の一部に固定され、後
述されるようにキャリア6の移動において記録ヘッド9
のキャップ位置等で安定して停止するため用いられる機
構である。
51はキャリアガイド軸てあり、キャリア6の後端部に
設けられたガイドピン6bと摺動可能に係合する。ガイド
軸51は、第4図にて後述されるように偏心した軸51aを
有し、これら軸51aはシャーシ1の端部に設けられる側
板51b,51cによって回動自在に軸支される。さらに、側
板51cによって軸支される軸51aの端部は、位置決めノブ
51dに固定され、ノブ51dに設けられた突起と側板51cに
設けられた穴51eとが係合することにより軸51の回転位
置が定められる。
第4図(A)および(B)に示すように、上述した構
成は、記録紙40の種類に応じて、記録紙40の記録面とヘ
ッドエレメント9aの吐出口との間隔を適切なものとする
ためのものである。すなわち、ノブ51dを手動で回転さ
せることにより、軸51を第4図(A)に示すように軸51
aとピン6bとの距離が最小の位置、また、第4図(B)
に示すように同距離が最大の位置に固定することができ
る。これに応じて、記録ヘッド9は、リードスクリュー
2を回動軸として回動し、記録紙40が比較的薄い普通紙
に対応した位置(第4図(A))、または、封筒等の比
較的厚い記録紙に対応した、間隔を大きくとった位置
(第4図(B))に固定される。
再び、第2図を参照すると、11は、例えば、パルスモ
ータよりなるキャリアモータであり、この前面および後
面の下部に回動ピン11aがアライメントをとった状態で
設けられており、それら回動ピン11a(後面側のものは
図示せず)がシャーシ1上を移動可能な回復系スペース
50に設けたモータ取付穴に回動自在に取り付けられてい
る。もちろん、回動ピンが回復系ベース50に設けられ取
付け穴がモータ側に取り付けられていてもよい。そし
て、キャリアモータ11は、回動ピン11aを中心にして回
動可能に取り付けられている。11bはばね受けであり、
キャリアモータ11に一体に形成され、後述するモータば
ね14を受けるべくモータ軸と平行に立設されている。そ
してそのばね受け部には円柱状の突起が形成され、コイ
ル状のモータばね14の端部が固定されている。
12はモータプーリであり、キャリアモータ11のモータ
軸に固着している。13はタイミングベルトであり、モー
タプーリ12とリードスクリュー2の軸に設けたプーリ3a
との間に張架されている。モータばね14は、本例の構成
において圧縮ばねであり、リードアーム1hの一端と、キ
ャリアモータ11のばね受け11bとの間に取り付けられて
おり、これによってキャリアモータ11を図中A方向に付
勢し、タイミングベルト13に張力が与えられる。
15はセット軸であり、ベース50に固定される不図示の
側板に立設されて吐出口形成面を良好にするための手段
や、キャップおよび吐出回復に係るいわゆる回復系機構
が取り付けられる。
次、第2図および第5図(A)〜(C)を参照して回
復系機構の1つである吐出口形成面を良好にするための
手段を説明する。
16はブレードレバーであり(第5図(A)参照)、ボ
ス部16aがセット軸15に回動自在に取り付けられる。16b
はアーム部、16cはフック部である。17は吐出口形成面
をぬぐうためのブレードであり、シリコンゴムやクロロ
プレン(CR)ゴム等の弾性部材で形成することができ
る。18はブレード軸であり、ブレード17を回転軸と平行
に中心部でクランプしており、ブレードレバー16に回動
自在に取り付けられている。また、18aは回動片であ
り、ブレード軸18と一体に形成されている。19はインク
キャリアであり、親水性の多孔質材料(プラスチック焼
結体,ウレタンフォーム等)で形成されており、ブレー
ドレバー16に固定されている。なお、ブレード17および
インクキャリア19は、後述するキャップと重畳する位置
に配置されている。
20はセットレバーであり、セット軸15に回動自在に取
り付けられる。20a,20bはセットレバー20に設けられた
停止歯,20cは同じくスタート歯,20dは同じく回動歯であ
り、スタート歯20cの歯厚は他の約半分としてある。20e
はアーム部であり、その一部を板厚方向に切欠くことに
より、セット面20fおよびセット面20gが形成されてお
り、ブレードレバー16に取り付けられたブレード軸18の
回動片18aが嵌合されてこれを駆動するように組合わさ
れる。
21はタイミングギヤであり、不図示の支持部材によっ
てベース50に回動自在に取り付けられている。
タイミングギヤ21は、第5図(B)に示すように外周
の一部に上述したセットレバー20の停止歯20a,20bと係
合するための停止カム21aが形成されている。また、一
部を欠歯にした3種類の駆動歯21b,21b2,21b3が形成さ
れ、さらに後述するキャップレバーを揺動させるための
キャップカム21cが所定の位置に形成されている。加え
て、後述するポンプのピストンを押圧するためのピスト
ンセットカム21fがフェースカムとして形成され、また
ピストンセットカム21fに対応し所定の間隔においてピ
ストンリットカム21gが一体に形成されている。
22はインク吸収体ばねであり、ベース50の所定の位置
に固定され、第5図(C)に示すように、吸収体保持部
22aと、後述するポンプを回動するためのばね部22bとを
有している。23はインク吸収体であり、前述したインク
キャリア19と同様に親水性の多孔質材料で形成されてい
る。このインク吸収体23には前述したブレード17が当接
する清拭部23aが形成されており、さらに下部には前述
したインクキャリア19が当接してインクの受け渡しを行
う吸収面23bが形成されている。なお、インク吸収体ば
ね22の吸収体保持部は上方に若干の弾性力をって付勢さ
れており、図示しないストッパにより所定の位置に係止
されている。そのため、前述したインクキャリア19が当
接したときには、インク吸収体23はインク吸収体ばね22
をたわませて下方に変位し、当接状態が確保されるよう
になっている。
さて、再び第2図を参照するに、36は紙等の記録媒体
を搬送するための紙送りローラであり、例えばアルミニ
ウムの引抜き管に表面に弾性塗料(ウレタン樹脂,アク
リル樹脂等)を塗布して形成することができる。また、
このローラ36はその外表面において記録媒体の被記録面
を規制するプラテとして機能するとともに、その内部を
廃インクの貯留部としている。37はローラ36の内部に設
けた廃インク吸収部であり、塩化ビニル等のプラスチッ
クで薄く形成した管にポリエステル綿等の吸収材料を充
填し、軸方向にインクの吸収が良い構成としてある。な
お、廃インク吸収部37内にはシリンダ24の廃インク管24
gが挿入されるが、ベース50の動きに伴なって回復系機
構が動いても、その動きを妨げない程度に吸収部37内で
支持される。また、吸収材料の繊維自体は樹脂や金属等
の非吸液材料であることが好ましいが、わずかに吸液性
でもよい。
38はフッソ樹脂、カーボン繊維混入材等よりなる紙押
え板であり、第3図にて詳述されるように4つの部分に
分けられて、シャーシ1に取り付けられる。また、紙押
え板38の押圧力を解除するための軸38Aの一端にはギア3
8Bが固定され、他端は軸38Aを軸支する軸受け38Cと係合
する。軸受38cはシャーシ1に固定される。なお、ギア3
8Bにはリリースレバーのギア部が噛合しているがここで
は図示されない。39は紙送りモータであり、紙送りロー
ラ36と所定比の減速機構を介して連結している。
40は紙,フィルム等の記録紙である。
次に、以上の構成についてその動作を説明する。
まず、通常の記録動作時には、キャリアモータ11の軸
の回転によりタイミングベルト13を介しリードスクリュ
ー2が回転するので、リード溝2aに係合したリードピン
7によりキャリア6が印字桁方向に記録紙40に沿って走
査される。ここで、キャリアモータ11はモータばね14に
より付勢されているので、タイミングベルト13は常に張
られており、良好な伝動がなされる。
キャリア6の移動の際、起動時および停止時に慣性力
が働くが、キャリアモータ11の重さがこの慣性力を吸収
するのでモータばね14にかかる荷重は少なくてすみ、モ
ータの回転にかかる負荷も少なくてすむ。また、このば
ねに関連してエアダンパあるいは油圧タンパ等を設けれ
ば、キャリア6の起動・停止時にモータ11のロータの振
動による騒音が低減できる。このモータの重量,キャリ
ア部分の重量およびモータばねダンパの係数を適切に選
定すればロータのオーバーシュートを少なくすることが
でき、低騒音化が可能となる。
次に、第3図(A)および(B)を参照して、本実施
例装置の記録から排紙に到る記録紙搬送機構について説
明する。
これら図において38は上述したようにフッソ樹脂,カ
ーボン繊維混入材等よりなる紙押え板であり、給紙され
る記録紙に押圧力を作用させることによって記録ヘッド
9の吐出口面と記録紙とが所定間隔を有するようにす
る。この紙押え板38の押圧力は、ばね板38Dの弾性力に
よっている。この機構の詳細を第6図(A)および
(B)に示す。
第6図(A)は、紙押え板38が紙送りローラに押圧力
を作用している状態の図である。この場合、円周の一部
を直線的に切欠いたD字形状を有し、紙押え板38と回転
方向に摺動可能な軸38Aの切欠き部がばね板38Dの端部38
Fと当面する位置にあり、このとき、紙押え板の端部38E
は、ばね38Dにより図中上方へ付勢力を受ける。これに
より、紙押え板38は軸38Aを中心に時計方向へ回転しよ
うとし紙送りローラ36へ押圧力を作用させる。
一方、第6図(B)は、紙押え板38による押圧力の作
用を解除した状態を示す。この場合、軸38Aが回転し、
軸38Aの円弧部が端部38Fを押圧する。このとき、ばね板
38Dは全体的に図中下方へ押下げられている。この結
果、端部38Eはばね板38Dから付勢力を受けない。
この付勢力が解除された状態では、軸38Aと紙押え板3
8とはある程度の摩擦力を有して係合しているため紙押
え板38が大きくその回転位置を変化させることはない。
これにより、紙押え板38の押圧力を解除する必要が生じ
たときにも、紙押え板によって記録ヘッドの移動等を妨
げることがない。
また、上記した紙押え機構は、限られたスペースの中
で紙送りローラ36による記録紙の搬送を適切に行うのを
妨げない程度の押圧力を与えることが可能な機構であ
る。
すなわち、紙押え板そのものには弾性部材を用いず
に、押圧力を通常デッドスペースとなる装置底部シャー
シ1上に沿って配した板ばねによって発生させるため、
板ばねの長さの調整による押圧力設定の自由度が増し、
かつ紙押え部材を小型なものとすることができる。
なお、板ばね38Dは不図示の固定部材によってシャー
シ1に取付けられている。
第3図(A)および(B)は再び参照すると、60は記
録された記録紙を排紙するための排紙ローラ、61は排紙
ローラ60によって搬送される記録紙に押圧力を与え記録
紙の排紙方向を規制しかつ搬送力を生じさせるための拍
車である。
62は、排紙ローラ60と紙送りローラ36との中間部に配
され、紙送りローラ36の回転を排紙ローラ60に伝達する
ための伝達ローラである。これらの回転の伝達は、相互
が当接することによる摩擦力によって行われ。排紙ロー
ラ60は、その形状が両端部と中間部とでは半径の異なる
円筒形であり、伝達ローラ62は排紙ローラ60の径の小さ
な方の中間部と当接する。従って、記録紙の搬送を行う
径の大きな方の両端部は、紙送りローラ36の周速よりや
や大きな周速で回転する。この結果、排紙の際には記録
紙を引っ張りぎみに搬送することになり、記録面を良好
に形成することができる。
なお、伝達ローラ62および拍車61の回転軸には、それ
ぞれ適切な弾性係数を有するコイルばねを用いる。その
機構の詳細を拍車61の場合を例にとり第7図を参照して
説明する。
第7図において、61Aはコイルばねよりなり拍車61の
中心を通ってその両側に延在する軸であり、拍車61とは
互いに回動自在に係合する。103Bは回転軸61Aの両端を
軸支する軸支部材であり、第1図に示した内蓋103の一
部として形成される。軸支部材103Bは式61Aをその軸方
向に摺動可能に軸支する。103Cは拍車61の回転軸方向お
よびこれと垂直な方向への動きを規制するための規制部
材であり、拍車61の両側に設けられる。規制部材103Cも
軸支部材103Bと同様に内蓋103の一部として形成され
る。
上記構成とすることにより、軸61Aは拍車61を軸支す
ると共に、その曲げ弾性力によって拍車61の排紙ローラ
60への押圧力を得る。
内蓋103は、第3図(A)に示すようにその後端部に
ばね部材103Aを有し、ケース101との反作用によって排
紙ローラ方向への押圧力を受ける。この押圧力と回転軸
61Aの弾性力との相互作用によって拍車61は適切な押圧
力を排紙ローラ60に作用させる。
また、内蓋103が上記押圧力を受けることにより、第
3図(A)に示すように内蓋103の固定部材103Dと排紙
ローラ60の回転軸60Cとの係合が確実になる。この結
果、拍車61と排紙ローラ60との位置関係は常に一定に保
たれる。もしくは、回転軸60Cを掛止する部材などに突
きあてて固定することにより内蓋の精度にかかわらず精
度のよい関係を保てる。
伝達ローラ62においても、コイルばねよりなる回転軸
62Aの機能は同様であり、軸62Aの弾性力によって、紙送
りローラ36および排紙ローラ60への当接力を得ている。
排紙ローラ60は、前述したように、その中間部の径が
両端部より小さな形状である。この構成の詳細を第8図
に示す。
第8図において、60Aは、ゴム材よりなるカバー部材
であり、60Dは中間部を両端部より径を小とした円筒形
状の芯部材である。芯部材60Dに、パイプ形状のカバー
部材60Aを被覆することによって、排紙ローラ60を形成
する。
この結果、このような形状をゴム部材等によって一体
に成形せずに済み、比較的容易かつ廉価に排紙ローラを
得ることができる。
なお、排紙ローラ60の一端に連続して設けられる溝部
60Bは、排紙ローラ60によって記録紙が排紙される際
に、その終端部を掛止することができ、記録紙の位置が
ずれたときなど、その排紙を確実なものとすることがで
きる。
なお、芯部材60Dの形状は上記に限られず、例えば溝
部60Bの形状をそのまま延長した形状で、中間部を小さ
くしたものであってもゴム材の被覆によって円筒形状を
得ることもできる。
次に、本例インクジェット記録装置を立てて用いる場
合について第9図および第10図を参照して説明する。
装置を立てて用いる場合としては、これら図に示され
るようにオートフィーダ200と共に用いる場合や、封筒
等の厚紙を装置裏側の給紙口から給紙する場合がある。
オートフィーダを用いるような通常の記録紙の場合、
上蓋102を排紙された記録紙のスタッカとして用いるこ
とができる。この際、第1図に示したように上蓋102を
給紙の紙ガイドとして用いる場合とは異なる角度で固定
する。
上蓋102をスタッカとして用いる場合の条件は以下の
ようになる。
すなわち、排紙された記録紙が自身のこしの強さであ
る程度空中を搬送され最初に上蓋102ないしは既に積層
された記録紙に接する位置を上蓋102の上端部102A近傍
となるようにする。これにより、排紙される記録紙が既
に積層された記録紙等上を摺動するのが記録紙先端部に
限られ、摺動を極力避けることができ、未定着インクに
よる記録紙の汚れを防止できる。
このための構成としては、排紙方向、すなわち本例の
場合、紙送りローラ36と排紙ローラ60の共通接線の近傍
に上端部102Aが位置し、下端部102Bが下がっていること
が要件となる。
さらに、上端部102A上で停止した記録紙の後端が完全
に排紙されたとき、その位置で下降し摺動なく積層され
るようにする。
このための構成としては、上蓋102の排紙方向の長さ
(上端102Aから下端102Bまでの長さ)が要件となり、通
常よく用いられる記録紙を用い、本例のようにほぼ水平
に排紙される場合、その長さは記録紙の長さの60%〜90
%、より好ましくは70%〜80%となる。
なお、記録装置の構成、あるいは使用条件が異なり排
紙方向が上記と異なる場合には、上記第1の要件を考慮
しつつスタッカの長さを定めるようにすればよい。
また、第9図および第10図に示される108は、巻込み
防止片であり、積層される記録紙が給紙口106へ入り込
むのを防止できる。
次に、上述した記録ヘッド9およびキャリア6の詳細
について第11図〜第16図を参照して説明する。
第11図は、吐出エレメント9aとインクタンク3bとを一
体とした記録ヘッド9の外観斜視図を示し、図におい
て、906eは、記録ヘッド9を装着する際にキャリア6に
設けられたフックによって掛止されるつめである。図か
ら明らかなようにつめ906eは記録ヘッド全延長の内側に
配設される。また、記録ヘッド9の前方吐出エレメント
9の近傍には、この図には示されないが位置決め用突き
当て部が設けられている。906fは、キャリアに立設され
フレキシブル基板およびゴムパッドを支持するための支
持板が挿入されるヘッド開口部である。
第12図(A)および(B)は、第11図に示したインク
ジェット記録ヘッドの分解斜視図を示し、上述のように
インク供給源たるインク収容部を一体としたディスポー
サブルタイプのものとしてある。
同図(A)において、110はSi基板上に電気熱変換素
子(吐出ヒータ)と、これに電力を供給するAu等の配線
とが成膜技術により形成されて成るヒータボードであ
る。210はヒータボード110に対する配線基板であり、対
応する配線は例えばワイヤボンデイングにより接続され
る。
400はインク流路を限界するための障壁や共通液室等
を設けた天板であり、本例においてはオリフィスプレー
ト部を一体に有した樹脂材料で成る。
300は例えば金属製の支持体、500は押えばねであり、
両者間にヒータボード110および天板400を挟み込んだ状
態で両者を係合させることにより、押えばね500の付勢
力によってヒータボード100と天板400とを圧着固定す
る。なお、支持体300は、配線基板210も貼着等により設
けられるとともに、ヘッドの走査を行うキャリア6への
位置決め基準を有するものとすることができる。また、
支持体300は駆動に伴って生じるヒータボード110の熱を
放熱冷却する部材としても機能する。
600は供給タンクであり、インク供給源をなすインク
貯留部9bからインク供給を受け、ヒータボード110と天
板400との接合により形成される共通液室にインクを導
くサブタンクとして機能する。700は共通液室へのイン
ク供給口付近の供給タンク600内の部位に配置されるフ
ィルタ、800は供給タンク600の蓋部材である。
900はインクを含浸させるための吸収体であり、イン
クタンク本体9b内に配置される。1200は上記各吹110〜8
00からなる吐出ユニット9aに対してインクを供給するた
めの供給口であり、当該ユニットをインクタンク本体9b
の部分1010に配置する前の工程で供給口1200よりインク
を注入することにより吸収体900のインク含浸を行わせ
ることができる。
1100はカートリッジ本体の蓋部材、1400はカートリッ
ジ内部を大気に連通するために蓋部材を設けた大気連通
口である。1300は大気連通口1400の内方に配置される撥
液状であり、これにより大気連通口1400からのインク漏
洩が防止される。
供給口1200を介してのインクタンク9bへのインク充填
が終了すると、各部110〜800よりなる吐出ユニット9aを
部分1010に位置付けて配設する。このときの位置決めな
いし固定は、例えばインクタンク本体9bに設けた突起10
12と、これに対応して支持体300に設けた穴312とを嵌合
させることにより行うことができ、これによって第12図
(B)に示すカートリッジ形態の記録ヘッド9が完成す
る。
そして、インクはカートリッジ内部より供給口1200、
支持体300に設けた320および供給タンク600の第12図
(A)中裏面側に設けた導入口を介して供給タンク600
内に供給され、その内部を通った後、導出口より適宜の
供給管および天板400のインク導入口420を介して共通液
室内へと流入する。以上におけるインク連通用の接続部
には、例えばシリコンゴムやブチルゴム等のパッキンが
配設され、これによって封止が行われてインク供給路が
確保される。
第13図(A)〜(C)は、それぞれキャリア6の詳細
を示す図、左側面図および右側面図である。
これら図において、606はキャリア6の底部に立設さ
れる支持体であり、可撓性のフレキシブル基板604、お
よび基板604に形成される端子パッドに対応して設けら
れる突起部605Aを有するゴムパッド605を支持する。
607は、キャリア6の前方において同様に底部に立設
される突き当て部材である。突き当て部材607は、記録
ヘッドおよびキャリアの限定された配設スペースの範囲
内で可能な限りインクタンクのスペースが大きとるため
に、その肉厚を薄く形成される。このため、部材607に
は、強度を確保するための3本のリブ608が形成され
る。このリブ608が延在する方向は、記録ヘッド着脱時
における旋回方向の動きに対応した強度を有するようキ
ャリア6の移動方向とする。また、リブ608は、記録ヘ
ッド9が装着されたときにその吐出面より0.1mm程度前
方へでるように形成される。これにより、記録紙が何ら
かの作用によって記録ヘッドの移動経路に突出した場合
でも、記録紙が吐出面を擦り損傷等を与えることを防止
できる。
602は記録ヘッドの着脱操作を行うためのコンタクト
レバーであり、キャリア6本体に設けられた軸601dによ
り回動自在に軸支される。603は、コンタクトレバー602
の一部と係合した動きにより、その一部を係合させた記
録ヘッド9の着脱動作が行うためのコンタクトフックで
ある。フック603は、これに形成さる長穴603cがキャリ
ア6本体に設けられるガイド軸601cに案内されることに
より上記着脱にかかる動作を行う。
コンタクトレバー602およびコンタクトフック603等か
らなる着脱操作機構は、キャリア6の側方、すなわち、
キャリア6の移動方向側に設けられるため、キャリアの
移動によって着脱操作機構が大きなデッドスペースを形
成することは無い。
次に、記録ヘッド装着の際の位置決めのための突き当
て部について説明する。
601aは左右方向の位置決のための突き当て部であり、
突き当て部材607の側部に2ケ所設けられる。なお、左
右方向の位置決めは、突き当て部601aの外に、支持板60
6に設けられる突き当て部601fが利用される。
601bは前後方向位置決めのための突き当て部であり、
突き当て部材607の側方下部に形成される。
601cは上下方向位置決めのための突き当て部であり、
突き当て部材607の側方下部および支持板側方下部の2
ケ所に形成される。
第14図(A)および(B)は、それぞれキャリア6に
記録ヘッド9が装着されたときの状態を示す上面図およ
び左側面図であり。
これらの図において、906aは記録ヘッド装着時にキャ
リア6の突き当て部に当接可能なように記録ヘッド9に
設けられる当接部であり、906bおよび906cは、それぞれ
同様に突き当て部601bおよび601cに対応した当接部であ
る。
以下、第14図(A)を参照して記録ヘッドが装着され
た際の各部の係合関係を説明する。
記録ヘッド9の当接部906aは、キャリア6の突き当て
部601aと当接しており、同時に記録ヘッド9のつめ906
とは、これに掛止されたフック603を介したコイルばね6
07の付勢力によって図中左方へ力を受ける。これによ
り、記録ヘッド9は上記当接部を中心とするモーメント
力を受ける。このとき、記録ヘッドに設けられた基板90
6dは突き当て部601fに当接し、その結果、記録ヘッド9
の左右方向の位置決めがなされ、その位置が保持され
る。
このとき、ゴムパッド605の突起部605Aは、基板906d
との当接によって、圧縮変形される。この変形により、
フレキシブル基板604の端子パッドと基板906dの端子と
を圧接する力が生じる。この場合、突き当て部601fに基
板906dが当接しているため、突起部605Aの変形量は一定
となり安定した上記圧接力を得られる。
なお、上図においては、突起部605Aの圧縮変形した状
態は示されていない。
また、後述するように、記録ヘッド9の前後および上
下方向の位置決めは装着の過程において既になされてい
る。
第15図は、記録ヘッド装着前のキャリアを示す上面図
であり、この図ではコンタクトレバー602は省略されて
いる。
同図に示される状態はコンタクトレバー602を後方に
引いた状態(第13図(B)参照)であり、このときコン
タクトフックの位置は第15図に示すようになり、この位
置で記録ヘッドが充填されるのを待機する。
第16図(A)〜(C)は、記録ヘッドが装着される過
程を順を追って示す上面図である。
記録ヘッド9は、その開口部906fにキャリア6の支持
板606を挿入するようキャリア上方から充填される。こ
のとき、第16図(A)に示すように、突き当て部材60
7、支持板606、およびコンタクトフック603の位置関係
と、記録ヘッド9の全延長および開口部906fとの関係か
ら、記録ヘッド9は、斜めの状態でキャリア6に収ま
る。
次に、コンタクトレバー602を反時計方向(第13図
(B)参照)に回転させると、コンタクトフック603は
軸601cを回転中心として反時計方向に回転し、その後図
中水平状態になると左方に移動し第16図(B)に示す状
態となる。
このコンタクトフック603の動きに伴って、記録ヘッ
ド9は、図中左斜め上方にコンタクトフック603との当
接によって押しやられる。これにより 記録ヘッドの当
接部906aは、キャリアの突き当て部601aに乗り上げてい
き、当接部906bは突き当て部601bに当接する。このと
き、基板906dとフレキシブル基板604とは接触していな
い。
さらに、コンタクトレバー602を反時計回りに回転さ
せて行くと、コンタクトフック603は、さらに左方に移
動する。この際、つめ906cを掛止しながら移動するた
め、記録ヘッド9は当接部906aおよび906bを回転の中心
として時計回りに回転し第16図(C)に示す状態とな
り、記録ヘッド9のキャリア6上における位置が確定す
る。
なお、前後および上下方向の位置は上述した装着過程
の一連の動きの中で定められる。
第16図(C)に示す状態のとき、上述したように、コ
ンタクトレバー602はその回転軸内部に設けられたコイ
ルばね607によって左方に付勢されており、この付勢力
はコンタクトフック603を介して記録ヘッド9をキャリ
ア6に固定する。
上述のことから明らかなうに 本例による記録ヘッド
装着は、記録ヘッドの直線運動および回転運動を合成し
たものであり、回転の偏位角は約5度である。
すなわち、このようにわずかな回転角度をもって装着
されるため、記録ヘッド装着のためのスペースを特別に
必要としなくて済む。
次に、コンタクトレバーとコンタクトフックとの関係
を、第13図(A)および第14図(A)を参照して説明す
る。
これら図に示すように、コンタクトレバー602は、2
つの平面図602a,602bおよび1つの斜面(カム面)602c
を具えており、記録ヘッド固定時(第16図(C)参照)
には、平面602aがコンタクトフック603の部分603aと係
合してフック603に付勢力を伝達している。
さらに、レバー602とフック603との関係を、記録ヘッ
ド脱着の過程を説明する。第14図(A)に示す状態から
コンタクトレバー602を装着の過程とは反対方向に回転
させると、コンタクトレバーのカム面602cはコンタクト
フックのカム面603bに当接しながら回転する。これに伴
いコンタクトフック603は、その長穴603cの左端がキャ
リアの軸601cに突き当るまで右方に移動し、その後軸60
1cを中心に、時計回りに回転しコンタクトレバー602の
当接面が平面602bとなったとき、コンタクトフックのカ
ム面603bの端部に突き当り第13図(A)に示す状態とな
る。
なお、第14図(A)から第13図(A)の状態に到る過
程において記録ヘッド9は、コンタクトフックの部分60
3dによって押し出される。
(その他) なお、本発明は、特にインクジェット記録方式の中で
もキヤノン株式会社が提唱するバブルジェット方式の記
録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもの
である。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化
が達成できるからであり、記録パターンによって一層定
着の迅速が生じることが予測されるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書,同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式は所謂オンデマンド型,コンティニュアス型のいず
れにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合
には、液体(インク)が保持されているシートや液路に
対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用
面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対
一対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有
効である。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介
して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴
を形成する。この駆動信号パルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れ
た液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。こ
のパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359
号明細書,同第4345262号明細書に記載されているよう
なものが適しいる。なお、上記熱作用面の温度上昇率に
関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口,液路,電気熱変換体の組合せ構
成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が
屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許
第4558333号明細書,米国特許第4459600号明細書を用い
た構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の
電気熱交換体に対して、共通するストリットを電気熱変
換体の吐出部を開示する特開昭59−123670号公報や熱エ
ネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基いた構成とし
ても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッド
の形態がどのようなものであっても、記録を確実に効率
よく行いうるからである。
加えて、上例のようなシリアルタイプのものであって
装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接
続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在
のチップタイプの記録ヘッド、あるいは上例のように記
録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプ
の記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数につい
ても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けら
れたものの他、記録色や濃度を殊いする複数のインクに
対応して複数個数設けられるものであってもよい。
さらに加えて、本発明インクジェット記録装置の形態
としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端
末として用いられるものの他、リーダ等と組合せた複写
装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の
形態を採るものであってもよい。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によればイン
クジェット記録ヘッドが当接する突き当て部材において
この部材から記録媒体へ向う方向で、上記インクジェッ
ト記録ヘッドの吐出口面より前方に突出するリブを設
け、しかもこのリブをキャリアの移動方向に沿って延在
させるので、キャリアが移動する際にこの移動経路に記
録媒体等が突出しても、上記リブがこの記録媒体等に当
接して記録媒体等が直接吐出口面に触れることを防止で
き、また、記録媒体等がリブに当接してもこのことがキ
ャリアの移動の抵抗となったりあるいはキャリアの移動
によって記録媒体等に変形等を生じさせることはない。
この結果、キャリアの移動経路に記録媒体等が突出し
てもこれによる吐出口面の損傷を防止でき、また、上記
吐出した記録媒体がキャリアの移動の妨害となること等
も防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係るインクジェット記録装置の一実
施例を示す外観斜視図、 第2図は、第1図に示した装置の主要部を示し、カバー
をはずした状態の斜視図、 第3図(A)は、第1図に示した装置の主に排紙系を示
す斜視図、 第3図(B)は、第3図(A)に示した図の側面図、 第4図(A)および(B)は、それぞれ記録紙に対応す
る記録ヘッドの一実施例を示す側面図、 第5図(A)〜(C)は記録ヘッドに対するブレードお
よびインクキャリア部の一実施例を示す部分斜視図、 第6図(A)および(B)は、紙押え板の押圧動作機構
の一実施例を示す側面図、 第7図は、排紙系における拍車の支持状態の一実施例を
示す斜視図、 第8図は排紙ローラの一実施例を示す正面図、 第9図は、本例装置の使用状態の他の例を示す斜視図、 第10図は、第9図に示した状態と側断面図、 第11図は、本例にかかる記録ヘッドの外観斜視図、 第12図(A)および(B)は、本例にかかる記録ヘッド
のそれぞれ分解斜視図および外観斜視図、 第13図(A)〜(C)は、本例にかかるキャリアのそれ
ぞれ上面図、左側面図および右側面図、 第14図(A)および(B)は、第13図に示したキャリア
に記録ヘッドを装着した状態を示すそれぞれ上面図およ
び右側面図、 第15図は、本例にかかるキャリアの記録ヘッド装着前の
状態を示す上面図、 第16図(A)〜(C)は、記録ヘッドの装着過程を順を
追って示すそれぞれ上面図である。 1……シャーシ、 2……リードスクリュー、 2a……リード溝、 3a……リードプーリ、 3b……ポジション溝、 3c……導入溝、 4……クラッチギヤ、 5……クラッチばね、 6……キャリア、 6c……フック、 7……リードピン、 9……記録ヘッド、 9a……ヘッドチップ(吐出エレメント)、 9b……インクタンク部、 9c……吐出口、 9d……吐出口形成面、 11……キャリアモータ、 13……タイミングベルト、 15……セット軸、 16……ブレードレバー、 17……ブレード、 19……インクキャリア、 20……セットレバー、 21……タイミングギヤ、 22……インク吸収体ばね、 23……インク吸収体、 60……排紙ローラ、 61……拍車、 62……伝達ローラ、 100……インクジェット記録装置、 102……上蓋、 103……内蓋、 601a,601b,601c,601f……突き当て部、 602……コンタクトレバー、 603……コンタクトフック 604……フレキシブル基板、 605……ゴムパッド、 606……支持板、 607……突き当て部材、 608……リブ、 906a,906b,906c……当接部、 906d……基板、 906e……つめ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長島 正澄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 柳浦 敬司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉谷 博志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 服部 能史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 池田 雅実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 朝雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 益田 和雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 斎藤 昭男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 折笠 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−204343(JP,A) 特開 昭60−262651(JP,A) 特開 昭63−283606(JP,A) 実開 昭61−164742(JP,U) 実開 昭63−37714(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/005

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク吐出口面からインクを吐出するイン
    クジェット記録ヘッドを用いて前記インク吐出口面に対
    面する位置に配される記録媒体に記録を行うインクジェ
    ット記録装置において、 前記インクジェット記録ヘッドを取り付け自在に載置す
    る載置面を備え、前記記録媒体に沿った所定の経路を移
    動するキャリアと、 前記キャリアに配され、前記載置面に前記インクジェッ
    ト記録ヘッドを取り付ける際に当該インクジェット記録
    ヘッドと前記記録媒体との間に介在し、前記インクジェ
    ット記録ヘッドと当接する突き当て部材と、 前記載置面に前記インクジェット記録ヘッドが載置され
    た際に、前記インク吐出口面より前記記録媒体方向に前
    記突き当て部材から突出するとともに、前記キャリアの
    移動方向に沿って延在して配されたリブと、 を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記記載面は、前記インクジェット記録ヘ
    ッドを前記キャリアの移動方向を含む面に沿って旋回さ
    せて取り付けるものであることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のキャリアに取り付
    けられるインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のインクジェット記録ヘッ
    ドは、前記インク吐出口から吐出されるインクを貯留す
    るインクタンクと一体の筐体に配されていることを特徴
    と擦るインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】請求項3又は4に記載のインクジェット記
    録ヘッドは、電気熱変換素子が発生する熱を利用してイ
    ンク液滴を前記インク吐出口から吐出することを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
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