JP2899531B2 - 格納システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車を格納するフォ
ーク式の立体駐車場等に使用するにの好適な格納システ
ムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、フォーク式の立体駐車場の格
納塔においては、自動車を格納するための複数段の格納
室が設けられるとともに、格納塔に対して自動車を出し
入れする際の出入口となる入出庫室が設けられている。
各格納室及び入出庫室の側方には鉛直方向に延びる昇降
空間が設けられ、その昇降空間によって各格納室と入出
庫室とが連通している。又、昇降空間内には櫛歯状のフ
ォークを備えた昇降リフトが昇降可能に設けられてい
る。そして、昇降リフトのフォークに自動車を載せ、そ
の昇降リフトを昇降させることによって自動車が格納室
に対して出し入れされるようになっている。

【０００３】又、入出庫室内には、その入出庫室と昇降
空間との間を横行移動する横行台車が設けられ、横行台
車の移動方向両側には自動車を載置するための櫛歯状の
フォークが横行台車のフォークと互い違いに突出するよ
うに設けられている。そして、横行台車の上まで自走し
て来た自動車をそのフォークの上で停止させ、横行台車
を昇降空間側に移動させる。その後、昇降リフトを横行
台車の下方から上昇させると、横行台車に載置された自
動車は昇降リフトのフォークによってすくい取られて昇
降リフトへ渡される。

【０００４】又、昇降リフトから横行台車へ自動車を受
け渡すには、自動車が載置された昇降リフトを横行台車
より上方に移動させ、その後に横行台車を昇降空間側に
移動させる。この状態で、昇降リフトを下降させると、
昇降リフトに載置された自動車は、横行台車のフォーク
によってすくい取られて横行台車へ渡される。その後、
横行台車が入出庫室側に移動され、自動車は自走して横
行台車から乗り出される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、横行台車の
フォーク間には比較的大きな隙間が形成されている。そ
のため、自動車を横行台車上まで走行させる時、自動車
のタイヤがフォーク間の隙間に落ち込んでタイヤが上下
に振動する。このタイヤの振動により自動車全体に振動
が発生し、自動車を横行台車上の適正な位置に停止させ
にくくなるという問題があった。

【０００６】又、横行台車の移動方向の幅が自動車の幅
とほぼ等しい場合、横行台車上に運転者が自動車に乗り
降りするための足場がないため、運転者が自動車に乗り
降りしにくくなるという問題があった。

【０００７】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、第１の目的は、第１の挿入部材によ
り横行台車のフォーク間の隙間を埋めてそのフォーク上
を移動する格納物に振動が発生するのを防止すること、
及び、第１の挿入部材を昇降させることによって、横行
台車を第１の挿入部材にぶつかることなく横行移動させ
ることにある。

【０００８】第２の目的は、横行台車上において運転者
が車両に乗り降りし易くすることにある。第３の目的
は、第２の昇降部材を第１の昇降部材と同期して昇降さ
せ、横行台車を横行移動させ易くすることにある。

【０００９】第４の目的は、第２の昇降部材のフォーク
に車両のタイヤを支持する回転体を設けることによっ
て、横行台車を横行移動させ易くすることにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項１記載の発明では、格納室を備えた格納塔に
格納物を出し入れする際の出入口となる入出庫室と、前
記格納室及び入出庫室の側方に設けられ、格納室と入出
庫室とを連通する昇降空間と、前記昇降空間内を昇降し
て格納室と入出庫室との間で格納物を搬送する昇降リフ
トと、前記入出庫室に設けられ、格納物を載置する櫛歯
状のフォークを備えるとともに、入出庫室と昇降空間と
の間を横行移動して昇降リフトに対し格納物の受渡しを
行う横行台車と、前記横行台車の隙間を埋めるように、
かつ昇降可能に設けられた第１の挿入部材と、前記第１
の挿入部材を昇降させる昇降手段とを備えた。

【００１１】請求項２記載の発明では、前記格納物は車
両であって、横行台車における車両のタイヤに対応する
位置にフォークを形成し、前記第１の挿入部材を横行台
車のフォークと互い違いに突出する櫛歯状のフォークを
備えた昇降床とした。

【００１２】請求項３記載の発明では、前記横行台車の
フォークは当該横行台車の移動方向両側に形成され、昇
降床は横行台車と昇降空間との間に設けられ、前記横行
台車の昇降床と反対側には横行台車のフォークと互い違
いに突出する櫛歯状のフォークを備えるとともに、前記
昇降床と同期して昇降する第２の挿入部材を設けた。

【００１３】請求項４記載の発明では、前記横行台車の
フォークは当該横行台車の移動方向両側に形成され、昇
降床は横行台車と昇降空間との間に設けられ、前記横行
台車の昇降床と反対側には横行台車のフォークと互い違
いに突出する櫛歯状のフォークを備えた第２の挿入部材
を設け、前記フォークには車両のタイヤを支持するとと
もに、横行台車の移動方向へ自由に回転する回転体を設
けた。

【００１４】

【作用】即ち、請求項１記載の発明では、横行台車のフ
ォーク上で格納物を移動させる時、格納物は第１の挿入
部材によって横行台車のフォーク間の隙間に落ち込むこ
となく滑らかに移動される。又、横行台車の昇降空間側
に設けられた第１の挿入部材を昇降手段によって下降さ
せ、その後に横行台車を昇降空間側に移動させる。この
状態で昇降リフトを昇降させると、昇降リフトに対して
格納物が受け渡しされる。そして、昇降リフトに対する
格納物の受け渡しが終了してから横行台車が入出庫室側
に移動され、その後に第１の挿入部材が元の位置まで上
昇される。

【００１５】請求項２記載の発明では、請求項１記載の
発明の作用に加え、運転者は昇降床を足場にして、横行
台車上に載せられた車両に対して乗り降りする。請求項
３記載の発明では、請求項２記載の発明の作用に加え、
昇降床を昇降させると、横行台車の昇降床と反対側に設
けられた第２の挿入部材が昇降床と同期して昇降され
る。そして、横行台車が横行移動する時、車両のタイヤ
が第２の挿入部材のフォークに接触することが防止され
る。

【００１６】請求項４記載の発明では、請求項２記載の
発明の作用に加え、車両が載置された横行台車が横行移
動する時、車両のタイヤは第２の挿入部材のフォークに
設けられた回転体に接触して同回転体が回転される。

【００１７】

【実施例】以下、本発明をフォーク式の立体駐車場に具
体化した一実施例を図１〜図６に従って説明する。

【００１８】図１に示すように、立体駐車場１は地下式
となっており、立体駐車場１を構成する格納塔としての
格納フレーム２Ａ〜２Ｅは縦方向（図１の左右方向）に
隣接している。そして、格納フレーム２Ａの上側には、
各格納フレーム２Ａ〜２Ｅに対して格納物としての自動
車４の出入口となる入出庫室５が設けられている。尚、
格納フレーム２Ａ〜２Ｅは同一構成となっているため、
以下格納フレーム２Ａについてのみ説明し、格納フレー
ム２Ｂ〜２Ｅについては格納フレーム２Ａと同一番号を
付して詳細な説明を省略する。

【００１９】図２に示すように、格納フレーム２Ａの中
央には鉛直方向に延びる昇降空間３が形成されている。
そして、格納フレーム２Ａの上側において、昇降空間３
を挟んだ横方向（図２の左右方向）両側にはそれぞれ前
記入出庫室５が設けられている。又、入出庫室５の上側
で昇降空間３に対応する位置にはウインチ６が設けられ
ている。

【００２０】入出庫室５には横方向に向かって昇降空間
３へ延びるガイドレール７が設けられ、ガイドレール７
には複数のローラ８が回転可能に支持されている。そし
て、各ローラ８によって横行台車９が支持され、各ロー
ラ８を正逆方向に積極回転させることにより、横行台車
９が入出庫室５と昇降空間３との間を横行移動するよう
になっている。又、横行台車９上には自動車４を載置可
能となっている。

【００２１】図３に示すように、横行台車９の移動方向
両側には櫛歯状のフォーク１０が形成され、このフォー
ク１０には自動車４のタイヤ４ａが当接するようになっ
ている。又、横行台車９の移動空間３と反対側には第２
の挿入部材としてのフォークフレーム１１が設けられ、
フォークフレーム１１には、横行台車９のフォーク１０
と互い違いに突出する櫛歯状のフォーク１２が形成され
ている。そして、フォーク１２の上面は、フォーク１０
の上面と同じ高さ位置に位置している。

【００２２】更に、横行台車９の昇降空間３側には第１
の挿入部材としての昇降床１３が設けられ、昇降床１３
には横行台車９のフォーク１０と互い違いに突出するフ
ォーク１４が形成されている。そして、フォーク１４の
上面は、フォーク１０の上面と同じ高さ位置に位置して
いる。又、横行台車９上の自動車４を運転する運転者
は、昇降床１３を足場にして自動車４に乗り降りできる
ようになっている。

【００２３】図４に示すように、昇降床１３の縦方向両
側の下面にはそれぞれ鉛直方向に延びる断面コ字状の案
内レール１５が設けられ、案内レール１５内には図示し
ない支持フレームに回転可能に支持されたローラ１６が
挿入されている。又、案内レール１５の下端には断面Ｌ
字状の吊支具１７が固着され、吊支具１７は前記支持フ
レームに取付固定された昇降手段としての電動モータ１
８から延びるチェーン１９が連結されている。そして、
電動モータ１８が駆動されるとチェーン１９が巻き取り
又は繰り出しされ、昇降床１３が昇降するようになって
いる。

【００２４】図３に示すように、前記昇降空間３内には
昇降リフト２０が昇降可能に設けられている。昇降リフ
ト２０は縦方向に延びる一対のリフトフレーム２１と、
両リフトフレーム２１に対向するように突出形成された
櫛歯状のフォーク２２とから構成されている。このフォ
ーク２２はフォークフレーム１１及び昇降床１３のフォ
ーク１２，１４と同様の櫛歯状に形成され、前記横行台
車９のフォーク１０と互い違いになるように突出してい
る。又、両リフトフレーム２１の端部は、昇降空間３の
四隅において鉛直方向に延びる四つの昇降フレーム２１
ａにそれぞれ係合されている。更に、両リフトフレーム
２１の端部には前記ウインチ６から延びるワイヤ６ａが
それぞれ連結されている。

【００２５】そして、ウインチ６の駆動によりワイヤ６
ａの巻き取り又は繰り出しが行われ、昇降リフト２０が
昇降移動するようになっている。又、横行台車９を昇降
空間３側に移動させた状態で昇降リフト２０を昇降させ
ると、昇降リフト２０のフォーク２２が横行台車９のフ
ォーク１０とすれ違うようになっている。

【００２６】図２に示すように、格納フレーム２Ａにお
いて昇降空間３の横方向両側には、自動車４を格納する
格納室２３がそれぞれ複数段設けられている。各格納室
２３には横方向に昇降空間３へ延びるガイドレール２４
が設けられ、ガイドレール２４には複数のローラ２５が
回転可能に支持されている。そして、各ローラ２５によ
って横行トレー２６が支持され、各ローラ２５を正逆方
向に積極回転させることにより、横行トレー２６が格納
室２３と昇降空間３との間で横行移動するようになって
いる。又、横行トレー２６には図示しないフォークが形
成され、このフォークは前記横行台車９のフォーク１０
と同形の櫛歯状となっている。

【００２７】昇降空間３の下端部には縦方向に延びる走
行空間２７が形成され、この走行空間２７によって格納
フレーム２Ａと当該フレーム２Ａと同様に構成された格
納フレーム２Ｂ〜２Ｅが連通している。走行空間２７に
は縦方向に延びる一対の走行レール２８が敷設され、走
行レール２８上には当該レール２８に沿って走行可能な
走行台車２９が設けられている。そして、走行台車２９
には図示しないフォークが形成され、このフォークは前
記横行台車９のフォーク１０と同形の櫛歯状となってい
る。

【００２８】次に、上記のように構成された立体駐車場
１の作用を説明する。立体駐車場１に自動車４を格納す
る場合、運転者は自動車４を一方の入出庫室５内の横行
台車９上まで走行させる。自動車４が横行台車９上を走
行する時、自動車４のタイヤ４ａはフォーク１０，１
２，１４上を滑らかに転動する。そして、自動車４は、
図５に示すように入出庫室５内の横行台車９上で停止さ
れる。この時、自動車４のタイヤ４ａは、横行台車９，
フォークフレーム１１及び昇降床１３の各フォーク１
０，１２，１４によって支持される。そして、運転者は
自動車４を停止させた後、昇降床１３を足場にして自動
車４から降車する。

【００２９】次いで、電動モータ１８を駆動してチェー
ン１９を繰り出すと、図６に示すように昇降床１３が横
行台車９より下側に位置するまで下降され、その後に自
動車４を載置した横行台車９が昇降空間３側に移動され
る。そして、横行台車９の下方から上方に向かって昇降
リフト２０を上昇させると、自動車４がフォーク２２に
よって横行台車９からすくい取られて昇降リフト２０に
乗り移る。又、自動車４を昇降リフト２０に受け渡した
横行台車９は入出庫室５側に移動して元の位置に戻る。
その後、電動モータ１８を駆動してチェーン１９を巻き
取り、フォーク１４の上面がフォーク１０の上面と同じ
高さ位置となるまで、昇降床１３を上昇させる。

【００３０】次いで、格納フレーム２Ａにおいて、所定
段の格納室２３内に配置された横行トレー２６を昇降空
間３側に移動させ、昇降リフト２０を前記横行トレー２
６の上方から下方へ向かって下降させる。すると、自動
車４が横行トレー２６のフォークによって昇降リフト２
０からすくい取られて横行トレー２６に乗り移る。そし
て、自動車４を載置した横行トレー２６を格納室２３側
に移動させることによって、格納室２３内に自動車４が
格納される。

【００３１】格納フレーム２Ａの格納室２３に格納され
た自動車４を立体駐車場１から出すには、格納室２３の
自動車４が載置された横行台トレー２６を昇降空間３側
に移動させる。そして、その横行台トレー２６の下方か
ら上方へ向かって昇降リフト２０を上昇させると、自動
車４はフォーク２２によって横行トレー２６からすくい
取られて昇降リフト２０に乗り移る。その後、昇降リフ
ト２０は、横行台車９より上方まで上昇される。

【００３２】次いで、電動モータ１８を駆動してチェー
ン１９を繰り出すと、前記と同様に昇降床１３が下降さ
れ、横行台車９が昇降空間３側に移動される。そして、
横行台車９の上方から下方へ向かって昇降リフト２０を
下降させると、自動車４がフォーク１０によってすくい
取られて横行台車９に乗り移る。その後、自動車４を載
置した横行台車９を入出庫室５側に移動させ、前記と同
様の昇降床１３を上昇させると、自動車４のタイヤ４ａ
が横行台車９，フォークフレーム１１及び昇降床１３の
各フォーク１０，１２，１４によって支持される。そし
て、運転者は昇降床１３を足場にして自動車４に乗車
し、その自動車４を入出庫室５の外へ走行させる。

【００３３】尚、自動車４を格納フレーム２Ｂ〜２Ｅの
格納室２３に格納する場合、昇降リフト２０に載置され
た自動車４を走行台車２９に受け渡し、その走行台車２
９を走行レール２８に沿って格納フレーム２Ｂ〜２Ｅま
で走行させる。そして、その格納フレーム２Ｂ〜２Ｅの
昇降リフト２０に走行台車２９から自動車４を乗り移ら
せ、その自動車４を前記と同様にして格納室２３に格納
させる。

【００３４】又、格納フレーム２Ｂ〜２Ｅの格納室２３
に格納された自動車４を立体駐車場１から出すには、そ
の格納フレーム２Ｂ〜２Ｅの昇降リフト２０に格納室２
３の自動車４を受け渡す。そして、昇降リフト２０に載
置された自動車４を走行台車２９に受け渡し、その走行
台車２９を格納フレーム２Ａまで走行させる。その後、
格納フレーム２Ａの昇降リフト２０に走行台車２９の自
動車４を乗り移らせ、その自動車４を前記と同様にして
入出庫室５へ搬送する。

【００３５】以上詳述したように本実施例では、横行台
車９のフォーク１０間の隙間にはフォークフレーム１１
及び昇降床１３のフォーク１２及び１４が挿入され、フ
ォーク１２，１４の上面はフォーク１０の上面と同じ高
さ位置となる。従って、横行台車９のフォーク１０上を
自動車４が走行する時、自動車４のタイヤ４ａは、同じ
高さ位置にあるフォーク１０，１２，１４上を滑らかに
転動する。そのため、自動車４のタイヤ４ａがフォーク
１０間の隙間に落ち込んで上下に振動することがなく、
そのタイヤ４ａの振動によって自動車４全体が振動する
のを防止することができる。その結果、自動車４を横行
台車９において適正な位置に停止させ易くなる。

【００３６】更に、横行台車９と昇降空間３との間に設
けられた昇降床１３を昇降させることができるため、横
行台車９を昇降床１３にぶつかることなく入出庫室５と
昇降空間３との間で横行移動させることができる。

【００３７】又、昇降床１３は、横行台車９に載置され
た自動車４に運転者が乗り降りする時の足場となるた
め、運転者は容易に自動車４に乗り降りすることができ
る。更に、本実施例では、横行台車９に自動車４を載置
しておけば、横行台車９が横行移動して自動車４を昇降
リフト２０に受け渡すため、運転者が自動車４を走行さ
せて昇降リフト２０に載せなくてもよくなる。従って、
運転者は昇降リフト２０に自動車４を載せるために昇降
リフト２０が来るまで自動車４に乗って待機していなく
てもよく、自動車４を昇降リフト２０に載せる際の手間
を省くことができる。

【００３８】又、入出庫室５は昇降空間３の横方向両側
にそれぞれ設けられているため、両方の入出庫室５に自
動車４を待機させておけば、効率よく自動車４を格納室
２３に格納することができる。

【００３９】尚、本発明は、例えば以下のように変更し
て具体化することもできる。 （１）本実施例では立体駐車場１に本発明を具体化した
が、段ボール箱等の荷物の格納を行う格納庫に本発明を
具体化してもよい。

【００４０】（２）本実施例では、入出庫室５を昇降空
間３の横方向両側にそれぞれ設けたが、いずれか一方の
みに設けてもよい。この場合、立体駐車場１の形成が容
易になる。

【００４１】（３）本実施例では、第１の挿入部材とし
てフォーク１４が形成された昇降床１３を例示したが、
図７に示すように横行台車９のフォーク１０の下側に第
１の挿入部材としての板材３２を昇降可能に設ける。そ
して、板材３２のフォーク１０間の隙間に対応する位置
に複数の突部３３を形成してもよい。この場合、板材３
２を上昇させると突部３３がフォーク１０間に挿入され
るとともに、突部３３の上面がフォーク１０の上面と同
じ高さ位置に位置し、フォーク１０間の隙間が小さくな
る。

【００４２】（４）本実施例において、フォークフレー
ム１１を昇降可能に設けるととともに、図８に示すよう
に、横行台車９の下側にフォークフレーム１１と昇降床
１３とを連結する連結棒３５を設け、フォークフレーム
１１と昇降床１３を同期して昇降させてもよい。この場
合、自動車４を昇降リフト２０に受け渡すために横行台
車９を昇降空間３側に移動させる時、フォークフレーム
１１が横行台車９より下側に位置する。そのため、自動
車４のタイヤ４ａとフォークフレーム１１のフォーク１
２との間に両者の接触による摩擦力が働くことがなく、
横行台車９を容易に移動させることができる。

【００４３】又、昇降リフト２０から自動車４が受け渡
された横行台車９を入出庫室５側に移動させる時も、フ
ォークフレーム１１が横行台車９より下側に位置する。
そのため、タイヤ４ａとフォーク１２との間に両者の接
触による摩擦力が働くことがなく、横行台車９を容易に
移動させることができる。

【００４４】更に、このように構成すれば、昇降空間３
の縦方向両側に入出庫室５を設けても、横行台車９をフ
ォークフレーム１１及び昇降床１３にぶつかることなく
昇降空間３と入出庫室５との間で横行移動させることが
できる。

【００４５】（５）本実施例において、図９に示すよう
に、フォークフレーム１１に形成されたフォーク１２の
上部に、複数の回転体としてのローラ３７をフォーク１
２の延びる方向に対して回転可能に支持してもよい。こ
の場合、入出庫室５側に位置する横行台車９に自動車４
を載置した時、自動車４のタイヤ４ａが前記ローラ３７
に接触し、その横行台車９を昇降空間３側に移動させる
とタイヤ４ａに接触するローラ３７が回転する。又、自
動車４が載置された横行台車９を昇降空間３側から入出
庫室５側に移動させる時、図１０の二点鎖線で示すよう
にタイヤ４ａがローラ３７に接触し、ローラ３７が回転
する。従って、自動車４が載置された横行台車９を横行
移動させる時、タイヤ４ａとフォーク１２との間に大き
な摩擦力が働くことが防止され、横行台車９を容易に横
行移動させることができる。

【００４６】又、回転体３７を設ける代わりに、フォー
クフレーム１１に形成されたフォーク１２の基端側と先
端側にそれぞれスプロケットを設け、両スプロケットに
回転体としてのローラチェーンを掛装してもよい。

【００４７】（６）本実施例では、格納フレーム２Ａの
みに入出庫室５を設けたが、他の格納フレーム２Ｂ〜２
Ｅにも入出庫室５を設け、複数の格納フレーム２Ａ〜２
Ｅから自動車４を出し入れさせてもよい。例えば、図１
１（ａ）に示すように、格納フレーム２Ａ，２Ｄに入出
庫室５を設けてもよい。この場合、格納フレーム２Ａ〜
２Ｄに対する自動車４の出し入れを効率よく行うことが
できる。

【００４８】（７）本実施例では、地下式の立体駐車場
１に本発明を具体化したが、図１１（ｂ）に示すように
地上式の立体駐車場１に本発明を具体化してもよい。こ
の場合、格納フレーム２Ａ〜２Ｄの最下段に入出庫室５
を設ければよい。

【００４９】（８）本実施例では、格納フレーム２Ａの
上側に入出庫室５を設けたが、図１１（ｃ）に示すよう
に、格納フレーム２Ａ〜２Ｃの中程に設けてもよい。 （９）本実施例では、縦方向に複数の格納フレーム２Ａ
〜２Ｅを隣接させたが、格納フレーム２Ａ〜２Ｅの個数
を適宜変更してもよい。例えば図１１（ｄ）に示すよう
に、立体駐車場１に１つの格納フレーム２Ａだけ設けて
もよい。

【００５０】（１０）本実施例では、昇降手段として電
動モータ１８を例示したが、これに代えて昇降手段とし
てのシリンダによって昇降床１３を昇降させてもよい。
次に、以上の実施例から把握することができる請求項以
外の技術的思想をその効果とともに以下に記載する。

【００５１】請求項１〜４のいずれかに記載の格納シス
テムにおいて、横行台車を昇降空間を挟んだ両側に設け
た格納システム。この場合、効率よく格納物を格納室に
格納することができる。

【００５２】尚、本明細書において格納物とは、格納塔
に格納されるもののことであり、自動車等の車両のみな
らず、荷物等のその他の格納物を含むと定義する。

【００５３】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、横行台車
のフォーク間の隙間を埋める第１の挿入部材を設けたた
め、そのフォーク上を移動する格納物に振動が発生する
のを防止することができる。又、第１の挿入部材を昇降
させることによって、横行台車を第１の挿入部材にぶつ
かることなく横行移動させることができる。

【００５４】請求項２記載の発明によれば、請求項１記
載の発明の効果に加え、昇降床を設けたことにより、横
行台車上において運転者は容易に車両に乗り降りするこ
とができる。

【００５５】請求項３記載の発明によれば、請求項２記
載の発明の効果に加え、第２の昇降部材を第１の昇降部
材と同期して昇降させたため、横行台車を横行移動させ
易くすることができる。

【００５６】請求項４記載の発明によれば、請求項２記
載の発明の効果に加え、第２の昇降部材のフォークに車
両のタイヤを支持する回転体を設けたため、横行台車を
横行移動させ易くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の立体駐車場１を示す縦断面図。

【図２】立体駐車場を示す横断面図。

【図３】昇降空間及び入出庫室を示す平面図。

【図４】横行台車及び昇降床を示す斜視図。

【図５】昇降床の昇降状態を示す断面図。

【図６】昇降床の昇降状態を示す断面図。

【図７】別例の板材を示す斜視図。

【図８】別例の連結棒を示す平面図。

【図９】別例のフォークフレームのフォークを示す平面
図。

【図１０】別例のフォークフレームのフォークを示す側
面図。

【図１１】（ａ）〜（ｄ）は別例の立体駐車場を示す縦
断面図。

【符号の説明】

２Ａ〜２Ｅ…格納塔としての格納フレーム、３…昇降空
間、４…格納物としての自動車、４ａ…タイヤ、５…入
出庫室、９…横行台車、１０…フォーク、１１…第２の
挿入部材としてのフォークフレーム、１２…フォーク、
１３…第１の挿入部材としての昇降床、１４…フォー
ク、１８…昇降手段としての電動モータ、２０…昇降リ
フト、２３…格納室、３２…第１の挿入部材としての板
材、３７…回転体としてのローラ。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 格納室（２３）を備えた格納塔（２Ａ〜
   ２Ｅ）に格納物（４）を出し入れする際の出入口となる
   入出庫室（５）と、 前記格納室（２３）及び入出庫室（５）の側方に設けら
   れ、格納室（２３）と入出庫室（５）とを連通する昇降
   空間（３）と、 前記昇降空間（３）内を昇降して格納室（２３）と入出
   庫室（５）との間で格納物（４）を搬送する昇降リフト
   （２０）と、 前記入出庫室（５）に設けられ、格納物（２３）を載置
   する櫛歯状のフォーク（１０）を備えるとともに、入出
   庫室（５）と昇降空間（３）との間を横行移動して昇降
   リフト（２０）に対し格納物（４）の受渡しを行う横行
   台車（９）と、 前記横行台車（９）の各フォーク（１０）間の隙間を埋
   めるように、かつ昇降可能に設けられた第１の挿入部材
   （１３，３２）と、 前記第１の挿入部材（１３，３２）を昇降させる昇降手
   段（１８）とを備えた格納システム。
2. 【請求項２】 前記格納物は車両（４）であって、横行
   台車（９）における車両（４）のタイヤ（４ａ）に対応
   する位置にフォーク（１０）を形成し、前記第１の挿入
   部材は横行台車（９）のフォーク（１０）と互い違いに
   突出する櫛歯状のフォーク（１４）を備えた昇降床（１
   ３）である請求項１記載の格納システム。
3. 【請求項３】 前記横行台車（９）のフォーク（１０）
   は当該横行台車（９）の移動方向両側に形成され、昇降
   床（１３）は横行台車（９）と昇降空間（３）との間に
   設けられ、前記横行台車（９）の昇降床（１３）と反対
   側には横行台車（９）のフォーク（１０）と互い違いに
   突出する櫛歯状のフォーク（１２）を備えるとともに、
   前記昇降床（１３）と同期して昇降する第２の挿入部材
   （１１）を設けた請求項２記載の格納システム。
4. 【請求項４】 前記横行台車（９）のフォーク（１０）
   は当該横行台車（９）の移動方向両側に形成され、昇降
   床（１３）は横行台車（９）と昇降空間（３）との間に
   設けられ、前記横行台車（９）の昇降床（１３）と反対
   側には横行台車（９）のフォーク（１０）と互い違いに
   突出する櫛歯状のフォーク（１２）を備えた第２の挿入
   部材（１１）を設け、前記フォーク（１２）には車両
   （４）のタイヤ（４ａ）を支持するとともに、横行台車
   （９）の移動方向へ自由に回転する回転体（３７）を設
   けた請求項２記載の格納システム。