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JP2896648B2 - フッ素含有基置換液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

フッ素含有基置換液晶性化合物、液晶組成物および液晶表示素子

Info

Publication number
JP2896648B2
JP2896648B2 JP7319517A JP31951795A JP2896648B2 JP 2896648 B2 JP2896648 B2 JP 2896648B2 JP 7319517 A JP7319517 A JP 7319517A JP 31951795 A JP31951795 A JP 31951795A JP 2896648 B2 JP2896648 B2 JP 2896648B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
ethyl
compound
group
fluoro
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7319517A
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English (en)
Other versions
JPH09137164A (ja
Inventor
和利 宮沢
秋一 松井
智之 近藤
孝 加藤
靖子 関口
悦男 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP7319517A priority Critical patent/JP2896648B2/ja
Priority to TW85107358A priority patent/TW426723B/zh
Publication of JPH09137164A publication Critical patent/JPH09137164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2896648B2 publication Critical patent/JP2896648B2/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性化合物およ
び液晶組成物に関し、さらに詳しくは新規なフッ素含有
基置換液晶性化合物、これを含有する液晶組成物および
該液晶組成物を用いて構成した液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓、各種測定
機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、プリンタ
−、コンピュ−タ−、テレビ等に広く用いられている。
これらの液晶表示素子は、液晶性化合物が有する光学異
方性(△n)や誘電率異方性(△ε)を利用するもので
あり、その表示方法として、動的散乱型(DS型)、ゲ
スト・ホスト型(GH型)、ねじれネマチック型(TN
型)、超ねじれネマチック型(STN型)、薄膜トラン
ジスター型(TFT型)および強誘電性液晶(FLC)
等が知られている。またその駆動方式として、スタティ
ック駆動方式、時分割駆動方式、アクティブマトリック
ス駆動方式および2周波駆動方式等が知られているが、
中でも表示性能が最も高いという利点から、TFT方式
が特に注目されている。
【0003】TFT方式用の液晶材料には種々の特性が
要求されているが、 1)液晶組成物に添加した場合、ネマチック相温度範囲
の縮小をもたらさない程度にネマチック相の温度範囲が
広いこと、 2)粘性が低温域を含め低いこと、 3)大きな△εを持つこと、 の3点が共通した特性として必要とされている。上記特
性のうち、1)にはネマチック相上限温度が高いことお
よび融点が低く低温領域においても結晶の析出等による
相分離を生じにくいといったことが含まれる。また、
2)は液晶パネル中で配向した液晶分子の電場に対する
応答速度を向上させるに際し極めて重要な要素であり
(Phys.Lett.,39A,69(197
2))、該応答速度を向上させることは液晶組成物の表
示品位を高めうえで現在最も求められているところであ
る。その際、特に低温においても該表示品位の低下をも
たらさないという観点から、上記応答速度の温度依存性
すなわち材料粘度の温度依存性が小さく、特に低温にお
いても低粘性を維持し得ることが重要とされる。
【0004】また、3)が望まれる理由は以下の通りで
ある。すなわち、消費電力の低減化や大画面化を実現す
るためには駆動電圧を下げることが必要である。駆動電
圧、特にしきい値電圧(Vth)は次式で示されるように
△εの関数であり、
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数、Kは弾性定数を示
す。) この式からも明かな通り、消費電力の低減化には正に大
きな△εを示す化合物が必要である。なお、このVth
関しても、液晶組成物の表示品位を高くかつ広い温度範
囲で維持するためには、その温度依存性は特に低温下で
も小さいことが望まれている。
【0007】このような要請に応えるため、従来より正
に大きな△εを持つ化合物の探索が行われており、それ
らの内特に大きな△εを持つ化合物の例として、式
(a)に示すトリフルオロメチルフェニル誘導体(特開
昭59−78129号)や式(b)に示すトリフルオロ
メトキシフェニル誘導体(特表平2−501311号)
が知られている。
【0008】
【化8】
【0009】これらの化合物は、分子末端にCF3また
はOCF3を持つ3環構造のものであるが、該3つの環
を直線状に結ぶ結合基は全て共有結合に限られており、
このこともあって△ε以外の諸特性についてはこれを十
分に満たすものとは必ずしも言えない。なお、分子末端
にCF3またはΟCF3を有する化合物は上記の外、Li
q.Cryst.,18(4),665(1995)、
特表昭63−503226号、特表平のそれぞれ3−5
03771号、4−500214号、4−500217
号、4−500682号、4−501575号、4−5
01576号、4−507104号、5−502676
号および6−504032号、DEのそれぞれ4004
650A1号、4013083号、4106345号、
4108705A1号および4113053A1号、E
P0439089A1号並びにEP0449288号に
その一部分が示されているが、物性値については充分な
開示がない。
【0010】TFT用液晶組成物に用いられる液晶性化
合物は、さらに水分、空気、熱および光等の外的環境因
子に対しも安定でなければならない。また、それらは個
々の表示素子に要求される特性を発現するため、一般に
数種ないし二十数種のものが混合して用いられる。その
ため他の液晶化合物との相溶性が良好であること、特に
最近では使用環境が広範囲にわたっていることから、低
温相溶性も良好であることが要求されている。つまり、
TFT用の液晶組成物には広い温度範囲下での使用を可
能にするため、特に低温でネマチック相を有しかつ結晶
の析出またはスメクチック相の発現のないものが望まれ
ている。そのため、これに用いる液晶性化合物には、他
の液晶化合物に対し低温での相溶性に優れたものが特に
望まれている。
【0011】TFTは、個々の画像点をスイッチングす
るための集積非線形素子を含有しており、テレビやコン
ピュ−タ用および自動車や航空機内用等の高度情報ディ
スプレイに適するとされるアクティブマトリックス液晶
ディスプレイの一種で、このような用途向けに設計され
る液晶組成物は、上述した大きな正の△εに加えさらに
極めて高い比抵抗値(高い電圧保持率)と良好なUV安
定性を持たねばならない。すなわち、かかる特性を持た
ない液晶組成物を使用した場合には、液晶パネル内の電
気抵抗性が低下するにつれコントラストが低下して「残
像消去」の問題が生じる上、特に低電圧駆動時に液晶組
成物の利用寿命を損ねる傾向が強いからである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の欠点を解消し、広いネマチック相温度範
囲、より低い粘性、大きな正の△ε、高い化学的安定
性、低温下他の液晶化合物に対する高い相溶性、粘性と
△εについての小さな温度依存性、極めて高い比抵抗値
(高い電圧保持率)および良好なUV安定性といった諸
特性を同時に満たすTFT用液晶性化合物およびこれら
を含有する液晶組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決する為の手段】本発明者らは、従来知られ
ている末端置換基例のトリフルオロメチルフェニル基ま
たはトリフルオロメトキシフェニル基を分子中に持つ
が、同時にある特定の主骨格を特徴的に合わせ持たせる
ことにより、上記の諸特性を備えた液晶性化合物が得ら
れることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0014】上記目的を達成するため、本発明は以下の
各項に示す構成を特徴とする。 (1)一般式(1)
【0015】
【化9】
【0016】(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル
基、環Aは1,4−フェニレンン、、X、X
よびXはそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、
はCFまたはOCFを示し、m、nおよびpは
それぞれ独立に1または0であるが、m+p=1であ
り、またn=1かつp=0である場合にはX とX
小なくとも何れかがHでかつX とX は小なくとも何
れかがFであり、n=1かつX とX が共にFである
場合にはX はHである。)で表される液晶性化合物。 (2)nが0、mが1、Xがフッ素原子、Xが水素
原子である(1)に記載の液晶性化合物。 (4)nが1、mが1、pが0、X、XおよびX
が共に水素原子、Xがフッ素原子である(1)に記載
の液晶性化合物。 (5)nが1、mが0、pが1、Xがフッ素原子、X
が水素原子である(1)に記載の液晶性化合物。 (6)(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶性化合物
を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成
物。 (7)第一成分として、(1)〜(5)のいずれかに記
載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分
として、一般式(2)、(3)および(4)
【0017】
【化10】
【0018】(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル
基を示し、Y2はフッ素原子、塩素原子、OCF3、OC
2H、CF3、CF2HまたはCFH2を示し、L1
2、L3およびL4は相互に独立して水素原子またはフ
ッ素原子を示し、Z1およびZ2は相互に独立して−(C
22−、−CH=CH−または共有結合を示し、aは
1または2である。)からなる群から選択される化合物
を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成
物。 (8)第一成分として、(1)〜(5)のいずれかに記
載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二成分
として、一般式(5)、(6)、(7)、(8)および
(9)
【0019】
【化11】
【0020】(式中、R3はフッ素原子、炭素数1〜1
0のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を
示す。該アルキル基またはアルケニル基中の任意のメチ
レン基は酸素原子によって置換されていてもよいが、2
つ以上のメチレン基が連続して酸素原子に置換されるこ
とはない。環Bは1,4−シクロヘキシレン、1,4−
フェニレンまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
を示し、環Cは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フ
ェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、環
Dは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレ
ンを示し、Z3は−(CH22−、−COO−または共
有結合を示し、L5およびL6は相互に独立して水素原子
またはフッ素原子を示し、bおよびcは相互に独立して
0または1である。)
【0021】
【化12】
【0022】(式中、R4は炭素数1〜10のアルキル
基を示し、L7は水素原子またはフッ素原子を示し、d
は0または1である。)
【0023】
【化13】
【0024】(式中、R5は炭素数1〜10のアルキル
基を示し、環Eおよび環Fは相互に独立して1,4−シ
クロヘキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、
4およびZ5は相互に独立して−COO−または共有結
合を示し、Z6は−COO−または−C≡C−を示し、
8およびL9は相互に独立して水素原子またはフッ素原
子を示し、Y3はフッ素原子、OCF3、OCF2H、C
3、CF2HまたはCFH2を示すが、Y3がOCF3
OCF2H、CF3、CF2HまたはCFH2を示す場合は
8およびL9は共に水素原子を示す。e、fおよびgは
相互に独立して0または1である。)
【0025】
【化14】
【0026】(式中、R6およびR7は相互に独立して炭
素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアル
ケニル基を示す。いずれにおいてもそのうちの任意のメ
チレン基は酸素原子によって置換されていてもよいが、
2つ以上のメチレン基が連続して酸素原子に置換される
ことはない。環Hは1,4−シクロヘキシレン、1,4
−フェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示
し、環Iは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フ
ェニレンを示し、Z6は−C≡C−、−COO−、−
(CH22−、−CH=CH−C≡C−または共有結合
を示し、Z7は−COO−または共有結合を示す。)
【0027】
【化15】
【0028】(式中、R8およびR9は相互に独立して炭
素数1〜10のアルキル基または炭素数2〜10のアル
ケニル基を示す。いずれにおいてもそのうちの任意のメ
チレン基は酸素原子によって置換されていてもよいが、
2つ以上のメチレン基が連続して酸素原子に置換される
ことはない。環Jは1,4−シクロヘキシレン、1,4
−フェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示
し、環Kは1,4−シクロヘキシレン、環上の1つ以上
の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい1,4
−フェニレンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示
し、環Lは1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フ
ェニレンを示し、Z8およびZ10は相互に独立して−C
OO−、−(CH22−または共有結合を示し、Z9
−CH=CH−、−C≡C−、−COO−または共有結
合を示し、hは0または1である。)からなる群から選
択される化合物を少なくとも1種類含有することを特徴
とする液晶組成物。(9)第一成分として、(1)〜
(5)のいずれかに記載の液晶性化合物を少なくとも1
種類含有し、第二成分の一部分として、一般式(2)、
(3)および(4)からなる群から選択される化合物を
少なくとも1種類含有し、第二成分の他の部分として、
一般式(5)、(6)、(7)、(8)および(9)か
らなる群から選択される化合物を少なくとも1種類含有
することを特徴とする液晶組成物。(10)(6)〜
(9)のいずれかに記載の液晶組成物を用いて構成した
液晶表示素子。
【0029】本発明の一般式(1)で示される化合物
は、末端のフェニレン基上に公知のトリフルオロメチル
基またはトリフルオロメトキシ基を持つが、同時に中央
結合基として1個の1,2−エチレンを含む2環また
は3環からなる特定な骨格を合わせ持つことを特徴とす
る。これらの化合物は、式(1−1)または(1−3)
に示す2環化合物(第1群)、中央環が1,4−フェニ
レンでかつこれと末端フェニレンを結ぶ結合基が共有結
合である式(1−8)〜(1−9)に示す3環化合物
(第3群)および中央環が1,4−フェニレンでかつこ
れと末端フェニレンを結ぶ結合基が1,2−エチレン基
である式(1−10)〜(1−15)に示す3環化合物
(第4群)に大別される。
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】 (各式中、R1は前記と同一の意味を示す。)
【0032】これらの本発明化合物は、何れも広いネマ
チック相温度範囲、低い粘性、大きな正の△ε、高い化
学的安定性、低温下他の液晶化合物に対する高い相溶
性、極めて高い比抵抗(高い電圧保持率)およびUVや
加熱に対する良好な安定性を同時に示し、また△εと粘
性の温度依存性は極めて小さいのでTFT用液晶組成物
の成分として有用である。なお、屈折率異方性値(△
n)については、本発明の一般式(1)で示す化合物に
おいて、式中のR1、環A、X1、X2、X3、X4、m、
nおよびpを適宜選択することにより任意に調節するこ
とができる。例えば、大きな△nを望む場合には環Aと
して1,4−フェニレンを、逆に小さな△nを望む場合
には環Aとして1,4−シクロヘキシレンをそれぞれよ
り多く含む化合物を選択すればよい。
【0033】本発明化合物のうち、前記第1群に含まれ
る化合物は特に正に大きな△ε、低い粘性および高い透
明点を示し、液晶組成物の構成成分として優れている。
また、第2群の化合物は特に極めて優れたネマチック性
を示し、これを成分の一つとして用いた液晶組成物には
低温でスメクチック相の出現が見られず、好ましい特性
を示す。また、第3群の化合物は特に高い透明点と低い
粘性を示し、△εが正に大きく、粘度の温度依存性が小
さいことから特に低温での粘性上昇が少ない上、他の液
晶化合物に対する相溶性も優れており、液晶組成物の構
成成分として優れている。 さらに、第4群の化合物は
特に高い透明点と低い粘性を示し、△εと△nが大き
く、粘度の温度依存性が小さいことから特に低温での粘
性上昇が少ない上、他の液晶化合物に対する相溶性も優
れており、液晶組成物の構成成分として好適である。本
発明の化合物はTFT用液晶組成物の成分として用いる
ことが最も好ましいが、上記したような優れた特性を有
するので、これに限らず他の用途、例えばTN、ST
N、ゲストホストモ−ド、ポリマ−分散型液晶表示素子
および動的散乱モ−ド用の液晶化合物としても好適に使
用し得る。
【0034】本発明により提供される液晶組成物は、一
般式(1)で示される液晶性化合物を少なくと1種類含
む第一成分のみでもよいが、これに加え、第二成分とし
て既述参照の一般式(2)、(3)および(4)からな
る群から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物(以下
第二A成分と称する)および/または一般式(5)、
(6)、(7)、(8)および(9)からなる群から選
ばれる少なくとも1種類の化合物(以下第二B成分と称
する)を混合したものが好ましく、さらに、しきい値電
圧、液晶相温度範囲、△n、△εおよび粘度等を調整す
る目的で、公知の化合物を第三成分として混合すること
もできる。
【0035】上記第二A成分のうち、一般式(2)、
(3)および(4)に含まれる化合物の好適例として、
それぞれ(2−1)〜(2−15)、(3−1)〜(3
−48)および(4−1)〜(4−53)を挙げること
ができる。
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】
【化24】
【0043】
【化25】
【0044】
【化26】 (各式中、R2は前記と同一の意味を示す。)
【0045】これらの一般式(2)〜(4)で示される
化合物は、△εが正で、熱的安定性や化学的安定性が非
常に優れており、特に電圧保持率(VHR)が高いかあ
るいは比抵抗値が大きいといった高信頼性の要求される
TFT用の液晶組成物を調製する場合に不可欠な化合物
であるが、STN表示方式や通常のTN表示方式用の液
晶組成物を調製する場合に使用することもできる。該化
合物の使用量は、TFT用の液晶組成物を調製する場合
には、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範
囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ま
しくは40〜95重量%である。
【0046】次に、前記第二B成分のうち、一般式
(5)、(6)および(7)に含まれる化合物の好適例
として、それぞれ(5−1)〜(5−24)、(6−
1)〜(6−3)および(7−1)〜(7−17)を挙
げることができる。
【0047】
【化27】
【0048】
【化28】
【0049】
【化29】
【0050】
【化30】
【0051】
【化31】 (各式中、R3、R4およびR5はそれぞれ前記と同一の
意味を示す)
【0052】これらの一般式(5)〜(7)で示される
化合物は、△εが正でその値が大きく、組成物成分とし
て特にVthを小さくする目的で使用される。また、粘度
の調整、△nの調整および透明点を高くしネマチックレ
ンジを広げる等の目的や、Vthの急峻性を改良する目的
にも使用される。
【0053】また第二B成分のうち、一般式(8)およ
び(9)に含まれる化合物の好適例として、それぞれ
(8−1)〜(8−8)〜(9−1)〜(9−12)を
挙げることができる。
【0054】
【化32】
【0055】
【化33】 (各式中、R6、R7、R8およびR9はそれぞれ前記と同
一の意味を示す)
【0056】これらの一般式(8)および(9)で示さ
れる化合物は△εが負かまたは若干正を示し、そのうち
一般式(8)で示される化合物は組成物成分として主に
粘度低下や△nの調整の目的に、また一般式(9)で示
される化合物は、透明点を高くしネマチックレンジを広
げる目的および/または△nの調整を目的に使用され
る。
【0057】上記の一般式(5)〜(9)で示される化
合物は、特にSTN表示方式や通常のTN表示方式用の
液晶組成物を調製する場合に不可欠な化合物であるが、
前記したTFT用の液晶組成物を調製する場合にも使用
することができる。該化合物の使用量は、通常のTN表
示方式やSTN表示方式用の液晶組成物を調製する場合
には、液晶組成物の全重量に対して1〜99重量%の範
囲が適するが、好ましくは10〜97重量%、より好ま
しくは40〜95重量%の範囲である。
【0058】このようにして調製される本発明の液晶組
成物は、これをTFT液晶表示素子に用いることによっ
てVthの急峻性や視野角を改善することができる。ま
た、一般式(1)に示す本発明の化合物は低粘性でもあ
るので、これを用いることにより液晶表示素子の応答速
度を改善することができる。上記の本発明組成物は、一
般式(1)で示される本発明液晶性化合物の少なくとも
一種類を0.1〜99重量%の割合で含有することが、
優良な特性を発現せしめるために好ましい。
【0059】本発明の液晶組成物はそれ自体慣用な方
法、例えば各成分を高温度下で互いに溶解させるか、ま
たは各成分を有機溶媒に溶かして混合した後減圧下溶媒
を留去する方法等により一般に調製される。また、必要
により適当な添加物を加えることによって、意図する用
途に応じた改良がなされ最適化される。このような添加
物は当業者によく知られており、文献等に詳細に記載さ
れている。通常、液晶のらせん構造を誘起して必要なね
じれ角を調整し逆ねじれ(reverse twist)を防ぐ、と
いった効果を有するキラルド−プ剤(chiral dopant)
などが添加される。
【0060】また、メロシアニン系、スチリル系、アゾ
系、アゾメチン系、アゾキシ系、キノフタロン系、アン
トラキノン系およびテトラジン系等の二色性色素を添加
すれば、ゲストホスト(GH)モ−ド用の液晶組成物と
して使用することもできる。本発明に係る組成物は、ネ
マチック液晶をマイクロカプセル化して作成したNCA
Pや液晶中に三次元網目状高分子を形成して作製したポ
リマ−ネットワ−ク液晶表示素子(PNLCD)に代表
されるポリマ−分散型液晶表示素子(PDLCD)用を
始め、複屈折制御(ECB)モ−ドや動的散乱(DS)
モ−ド用の液晶組成物としても使用できる。
【0061】このようにして本発明の液晶組成物は調製
されるが、その例として以下の組成例1〜21を示すこ
とができる。なお、各組成例中において、化合物の表示
は下記表1に示す取り決めに従い、左末端基については
r−、rO−、rOs−、Vr−、rVs−およびrV
sVk−(r、sおよびkは1以上の整数)により、結
合基については2、E、T、VおよびCF2Oにより、
環構造についてはB、B(F)、B(F,F)、H、P
y、DおよびChにより、右末端基については−F、−
CL、−C、−CF3、−OCF3、−OCF2H、−
w、−Owおよび−EMe(wは1以上の整数)により
それぞれ示した。また、本発明化合物に付した化合物N
o.は後述の実施例中に示されるそれと同一である。
【0062】
【表1】
【0063】組成例1 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 5.0% 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 5.0% 7−HB(F)−F 4.0% 2−HHB(F)−F 13.4% 3−HHB(F)−F 13.3% 5−HHB(F)−F 13.3% 2−H2HB(F)−F 6.4% 3−H2HB(F)−F 3.2% 5−H2HB(F)−F 6.4% 2−HBB(F)−F 7.5% 3−HBB(F)−F 7.5% 5−HBB(F)−F 15.0%
【0064】組成例2 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 10.0% 3−H2H2B(F,F)−CF3 (No.29) 10.0% 3−H2H2B(F,F)−OCF3(No.34) 10.0% 5−H2HB(F,F)−F 3.0% 3−HHB(F,F)−F 10.0% 4−HHB(F,F)−F 6.0% 3−HH2B(F,F)−F 3.0% 5−HH2B(F,F)−F 3.0% 3−HBB(F,F)−F 12.0% 5−HBB(F,F)−F 12.0% 3−H2BB(F,F)−F 4.0% 3−HBEB(F,F)−F 3.0% 3−HHEB(F,F)−F 6.0% 4−HHEB(F,F)−F 2.0% 5−HHEB(F,F)−F 2.0% 3−HHHB(F,F)−F 2.0% 3−HH2BB(F,F)−F 2.0%
【0065】組成例3 3−HB(F)2B(F)−OCF3 (No.60) 5.0% 3−HB(F)2B(F,F)−OCF3(No.70) 5.0% 7−HB(F,F)−F 4.0% 7−HB(F)−F 7.0% 2−HHB(F)−F 13.4% 3−HHB(F)−F 13.3% 5−HHB(F)−F 13.3% 2−H2HB(F)−F 4.0% 3−H2HB(F)−F 2.0% 5−H2HB(F)−F 4.0% 3−H2HB(F,F)−F 3.0% 5−H2HB(F,F)−F 3.0% 3−HHB(F,F)−F 8.0% 3−HH2B(F,F)−F 8.0% 5−HH2B(F,F)−F 7.0%
【0066】組成例4 3−H2BB(F)−CF3 (No.39) 6.0% 3−H2BB(F)−OCF3 (No.44) 5.0% 3−HB(F)2B(F,F)−OCF3(No.70)11.0% 3−HB−CL 7.0% 7−HB(F,F)−F 10.0% 2−HBB(F)−F 5.0% 3−HBB(F)−F 5.0% 5−HBB(F)−F 10.0% 2−HHB−CL 5.0% 4−HHB−CL 10.0% 5−HHB−CL 5.0% 5−HBB(F,F)−F 11.0% 3−HB(F)VB−2 5.0% 3−HB(F)VB−3 5.0%
【0067】組成例5 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 5.0% 3−H4B(F)−CF3 (No.13) 5.0% 3−HB(F)2B(F)−OCF3 (No.60) 11.0% 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 5.0% 7−HB(F)−F 5.0% 7−HB(F,F)−F 3.0% 5−H2B(F)−F 3.0% 2−HHB(F)−F 3.0% 3−HHB(F)−F 3.0% 5−HHB(F)−F 3.0% 2−HBB(F)−F 7.0% 3−HBB(F)−F 7.0% 5−HBB(F)−F 14.0% 3−HHB−F 2.0% 2−HBB−F 3.0% 3−HBB−F 3.0% 3−HB(F)TB−2 6.0% 3−HB(F)TB−3 6.0% 3−HB(F)TB−4 6.0%
【0068】組成例6 3−H2BB(F)−CF3 (No.39) 8.0% 3−H2H2B(F,F)−CF3 (No.29) 7.0% 5−HEB−F 2.5% 7−HEB−F 2.5% 2−HHB(F)−F 8.0% 3−HHB(F)−F 8.0% 5−HHB(F)−F 8.0% 2−HBB(F)−F 2.5% 3−HBB(F)−F 5.0% 5−HBB(F)−F 2.5% 4−H2BB(F)−F 5.0% 5−H2BB(F)−F 6.0% 3−H2HB(F,F)−F 10.0% 3−HHB(F,F)−F 10.0% 3−HH2B(F,F)−F 5.0% 5−HH2B(F,F)−F 8.0% 5−HHEBB−F 2.0%
【0069】組成例7 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 10.0% 3−H2BB(F)−CF3 (No.39) 4.0% V2−HB−C 9.0% 1V2−HB−C 9.0% 3−HB−C 4.0% 1O1−HB−C 8.0% 2O1−HB−C 4.0% 2−HHB−C 3.0% 3−HHB−C 3.0% 3−HH−4 10.0% 1O1−HH−5 8.0% 2−BTB−O1 11.0% 3−HHB−1 8.0% 3−HHB−3 9.0% この組成物の物性値は、N−I点:62.8℃、粘度
(20℃):18.3mPa・s、△n(25℃):
0.112、△ε(25℃):7.4、Vth(20
℃):1.68Vであった。
【0070】組成例8 3−HB(F)2B(F)−OCF3 (No.60) 3.0% 3−H2H2B(F,F)−OCF3 (No.34) 3.0% V2−HB−C 12.0% 1V2−HB−C 11.0% 1V2−BEB(F,F)−C 5.0% 2−BTB−1 8.0% 4−BTB−O2 8.0% 5−BTB−O1 6.0% 3−HH−4 3.0% 3−HH−EMe 3.0% 3−H2BTB−2 4.0% 3−H2BTB−3 4.0% 3−H2BTB−4 4.0% 2−H2BTB−3 4.0% 2−H2BTB−2 4.0% 3−HB(F)TB−2 6.0% 3−HB(F)TB−3 6.0% 3−HB(F)TB−4 6.0%
【0071】組成例9 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 3.0% 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 3.0% 3−H4B(F)−CF3 (No.13) 3.0% 2O1−BEB(F)−C 4.0% 3O1−BEB(F)−C 3.0% 5O1−BEB(F)−C 4.0% 1V2−BEB(F,F)−C 15.0% 3−HHEB−F 5.0% 5−HHEB−F 5.0% 3−HBEB−F 6.0% 3−HHB−F 3.0% 3−HB−O2 10.0% 3−HH−4 5.0% 3−HHB−1 8.0% 3−HHB−3 6.0% 3−HHB−O1 4.0% 3−H2BTB−2 4.0% 3−H2BTB−3 4.0% 3−HB(F)TB−2 5.0%
【0072】組成例10 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 6.0% 3−H2BB(F)−OCF3 (No.44) 3.0% 2−HB(F)−C 14.0% 3−HB(F)−C 13.0% 5−HB(F)−C 9.0% 2−BB−C 13.0% 2−BEB−C 12.0% 3−BEB−C 4.0% 2−HHB(F)−C 6.0% 3−HHB(F)−C 6.0% 2−HHB−C 3.0% 3−HHB−C 3.0% 3−PyBB−F 8.0%
【0073】組成例11 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 3.0% 3−HB(F)2B(F,F)−OCF3 (No.60) 3.0% 2−BB−C 8.0% 4−BB−C 6.0% 2−HB−C 10.0% 3−HB−C 10.0% 3−HHB−F 4.0% 2−HHB−C 3.0% 3−HHB−C 3.0% 3−HBEBB−C 2.0% 5−PyB−F 6.0% 3−PyBB−F 6.0% 2−BTB−O1 2.0% 2−HHB−1 6.0% 3−HHB−1 8.0% 3−HHB−3 15.0% 3−HHB−O1 5.0%
【0074】組成例12 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 5.0% 3−DB−C 5.0% 4−DB−C 12.0% 5−DB−C 8.0% 2−BEB−C 10.0% 5−PyB(F)−F 7.0% 2−PyB−2 1.4% 3−PyB−2 1.3% 4−PyB−2 1.3% 6−PyB−O5 1.5% 6−PyB−O6 1.5% 3−HEB−O4 5.0% 4−HEB−O2 3.7% 3−HEB−O2 3.1% 1O−BEB−2 2.5% 5−HEB−1 3.7% 4−HEB−4 5.0% 3−HHB−3 13.0% 3−HHB−O1 4.0% 2−PyBH−3 4.0% 3−PyBB−2 2.0%
【0075】組成例13 3−H2BB(F)−CF3 (No.39) 6.0% 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 7.0% 5−HB−F 9.0% 6−HB−F 7.0% 7−HB−F 7.0% 5−HB−3 5.0% 3−HB−O1 5.0% 2−HHB−OCF3 5.0% 3−HHB−OCF3 5.0% 4−HHB−OCF3 5.0% 5−HHB−OCF3 7.0% 3−HH2B−OCF3 2.0% 5−HH2B−OCF3 3.0% 3−HH2B−F 3.0% 5−HH2B−F 3.0% 5−HBB(F)−F 5.0% 5−HH2B(F)−F 9.0% 3−HB(F)BH−3 3.0% 5−HB(F)BH−3 2.0% 5−HB(F)BH−5 2.0%
【0076】組成例14 3−H2H2B(F,F)−CF3 (No.29) 6.0% 3−HB(F)2B(F,F)−OCF3 (No.70) 8.0% 5−HB−F 4.0% 7−HB−F 7.0% 3−HHB−OCF3 12.0% 5−HHB−OCF3 8.0% 3−H2HB−OCF3 5.0% 5−H2HB−OCF3 5.0% 2−HHB(F)−F 6.6% 3−HHB(F)−F 6.7% 5−HHB(F)−F 6.7% 4−H2HB(F,F)−F 5.0% 5−H2HB(F,F)−F 5.0% 3−HH2B(F,F)−F 8.0% 4−HH2B(F,F)−F 7.0%
【0077】組成例15 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 6.0% 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 4.0% 2O1−BEB(F)−C 6.0% 3O1−BEB(F)−C 5.0% 5O1−BEB(F)−C 3.0% V−HB−C 10.0% 1V−HB−C 10.0% 3−HB−C 11.0% 2−HHB−C 4.0% 3−HHB−C 5.0% 4−HHB−C 4.0% 5−HHB−C 4.0% 3−HB−O2 7.0% V−HHB−1 7.0% V−HBB−2 4.0% 3−H2BTB−2 4.0% 3−H2BTB−3 3.0% 3−H2BTB−4 3.0%
【0078】組成例16 3−HB(F)2B(F)−OCF3 (No.60)10.0% 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 5.0% 2−HB(F)−C 10.0% 3−HB(F)−C 10.0% 3−HB−O2 10.0% V−HH−5 5.0% V2−HH−3 5.0% 2−BTB−O1 10.0% V−HHB−1 10.0% V−HBB−2 5.0% 1V2−HBB−2 5.0% 3−HHB−O1 5.0% 3−H2BTB−2 5.0% 3−H2BTB−3 5.0%
【0079】組成例17 3−HB(F)2B(F)−OCF3 (No.60) 3.0% 3−H2H2B(F,F)−CF3 (No.29) 3.0% V2−HB−C 12.0% 1V2−HB−C 11.0% 1V2−BEB(F,F)−C 5.0% 2−BTB−1 8.0% 4−BTB−O2 8.0% 5−BTB−O1 6.0% 3−HH−4 3.0% 3−HH−EMe 3.0% 3−H2BTB−2 4.0% 3−H2BTB−3 4.0% 3−H2BTB−4 4.0% 2−H2BTB−2 4.0% 2−H2BTB−3 4.0% 3−HB(F)TB−2 6.0% 3−HB(F)TB−3 6.0% 3−HB(F)VB−4 6.0% この組成物の物性値は、N−I点:91.4℃、粘度
(20℃):25.0mPa・s、△n(25℃):
0.198、△ε(25℃):7.4、Vth(20
℃):1.68Vであった。
【0080】組成例18 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 4.0% 5−H2B(F)−CF3 (No.3) 4.0% 2O1−BEB(F)−C 4.0% 3O1−BEB(F)−C 4.0% 5O1−BEB(F)−C 4.0% 1V2−BEB(F,F)−C 14.0% 3−HBEB−F 6.0% 3−HHEB−F 5.0% 5−HHEB−F 5.0% 3−HHB−F 3.0% 3−HB−O2 10.0% 3−HH−4 6.0% 3−HHB−1 8.0% 3−HHB−3 6.0% 3−HHB−O1 4.0% 3−H2BTB−2 4.0% 3−H2BTB−3 4.0% 3−HB(F)TB−2 5.0% この組成物の物性値は、N−I点:88.0℃、粘度
(20℃):27.0mPa・s、△n(25℃):
0.122、△ε(25℃):18.1、Vth(20
℃):1.24Vであった。
【0081】組成例19 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 4.0% 3−HB(F)2B(F,F)−OCF3 (No.70) 2.0% 2−BB−C 8.0% 4−BB−C 6.0% 2−HB−C 10.0% 3−HB−C 10.0% 3−HHB−F 4.0% 2−HHB−C 3.0% 3−HHB−C 3.0% 3−HBEBB−C 2.0% 5−PyB−F 6.0% 3−PyBB−F 6.0% 2−BTB−O1 2.0% 2−HHB−1 6.0% 3−HHB−1 8.0% 3−HHB−3 15.0% 3−HHB−O1 5.0% この組成物の物性値は、N−I点:90.9℃、粘度
(20℃):21.9mPa・s、△n(25℃):
0.140、△ε(25℃):9.2、Vth(20
℃):1.79Vであった。
【0082】組成例20 3−H2H2B(F)−OCF3 (No.24) 2.0% 3−H2BB(F)−OCF3 (No.44) 4.0% 2−HB(F)−C 14.0% 3−HB(F)−C 12.0% 5−HB(F)−C 10.0% 2−BB−C 12.0% 4−BEB−C 12.0% 3−BEB−C 4.0% 2−HHB(F)−C 6.0% 3−HHB(F)−C 6.0% 2−HHB−C 2.0% 3−HHB−C 4.0% 3−PyBB−F 8.0% 3−HB(F)EB(F)−C 4.0% この組成物の物性値は、N−I点:56.8℃、粘度
(20℃):51.6mPa・s、△n(25℃):
0.143、△ε(25℃):18.0、Vth(20
℃):0.91Vであった。
【0083】組成例21 3−H2B(F)−CF3 (No.1) 5.0% 3−DB−C 5.0% 4−DB−C 12.0% 5−DB−C 8.0% 2−BEB−C 10.0% 5−PyB(F)−F 7.0% 2−PyB−2 1.4% 3−PyB−2 1.3% 4−PyB−2 1.3% 6−PyB−O4 2.0% 6−PyB−O5 1.0% 3−HEB−O4 5.0% 4−HEB−O2 3.8% 3−HEB−O2 3.0% 1O−BEB−2 2.4% 5−HEB−1 3.8% 4−HEB−4 5.0% 3−HHB−3 13.0% 3−HHB−O1 4.0% 2−PyBH−3 4.0% 3−PyBB−2 2.0% この組成物の物性値は、N−I点:53.6℃、粘度
(20℃):29.6mPa・s、△n(25℃):
0.109、△ε(25℃):9.3、Vth(20
℃):1.23Vであった。
【0084】本発明の一般式(1)で示される化合物
は、通常の有機合成化学的手法、例えばオ−ガニック・
シンセシス、オ−ガニック・リアクションズおよび実験
化学講座等に記載のある手法を適当に組み合わせること
によって容易に製造することができる。以下にそれらの
合成例を示すが、該例中において、R1、Y1、X3およ
びX4は前記と同一の意味を示し、qは1または0であ
り、また次の左欄に示した略号はそれぞれ同右欄に記載
した化合物名を表す。 DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム PTS :p−トルエンスルホン酸1水和物 Pd−C :パラジウム炭素 R−Ni :ラネーニッケル LAH :水素化リチウムアルミニウム FSDF :フルオロスルホニルジフルオロ酢酸メチルエステル DPAE :ジエチルホスフィノ酢酸エチル クロラニル:テトラクロロ−p−ベンゾキノン
【0085】第1群の本発明化合物((1)式に示す化
合物において、nが0のもの)の製造:以下により好適
に製造することができる。
【0086】
【化34】
【0087】すなわち、EP315050号記載の方法
に準じて製造されるカルボン酸を常法によりエステル化
するこよによりエステル(12)を得、これをDIBA
Lで還元してアルデヒド(13)を得る。このものに3
−フルオロー4ー置換フェニルマグネシウムブロミド
(14)を作用させ、次いでPTSや硫酸等の酸性触媒
の存在下での脱水反応およびPd−CやR−Ni等の触
媒を用いた水素添加反応を順次行い、前記第1群の本発
明化合物例(1)を製造することができる。なお、該化
合物例(1)はその置換基Y1が特にトリフルオロメチ
ル基である場合には、次の経路によっても製造すること
ができる。
【0088】
【化35】
【0089】すなわち、上記EP315050号に記載
のある方法に準じて製造されるカルボン酸にCan.
J.Chem.,46,466(1968)記載の方法
を適用して酸クロリド(15)を得、これにTetra
hedron Lett.,25,4805(198
4)記載の方法に従い3−フルオロフェニルマグネシウ
ムブロミド(16)を作用させてケトン(17)を製造
する。これをLAHを用いた還元反応、酸性条件下での
脱水反応および水素添加に順次付して化合物(18)と
した後、Org.Synth.,I,323(194
1)記載の方法に従ってヨウ素化しヨウ素化物(19)
を得る。このものにTetrahedron,48、6
555(1992)記載の方法に準じFSDF(20)
を作用させてトリフルオロメチル化し、Y1がトリフル
オロメチル基である前記第1群の本発明化合物を製造す
ることができる。
【0090】第2群の本発明化合物((1)式に示す化
合物において、nが1、環Aが1,4−シクロヘキシレ
ン、mおよびpが共に1、X3がフッ素原子である化合
物)の製造:以下により好適に製造することができる。
【0091】
【化36】
【0092】すなわち、Chem.Ber.,121
219(1988)記載の方法に準じて製造されるシク
ロヘキサノン誘導体(21)にOrg.Synth.,
V,547(1973)記載の方法に準じてDPAEを
作用させた後、水素添加反応とDIBALによる還元反
応に順次付しアルデヒド(22)を製造する。これに3
−フルオロー4ー置換フェニルマグネシウムブロミドま
たは3,4−ジフルオロー4ー置換フェニルマグネシウ
ムブロミド(23)を作用させた後前記と同様にして酸
性条件下での脱水反応と水素添加反応を行い、前記第2
群の本発明化合物(1)を製造することができる。
【0093】第3群の本発明化合物((1)式に示す化
合物において、nが1、環Aが1,4−フェニレン、m
が1、pが0、X1、X2、X4が水素原子、X3がフッ素
原子である化合物)の製造:以下により好適に製造する
ことができる。
【0094】
【化37】
【0095】すなわち、WO9014405号記載の方
法に従って製造されるヨウ素化物(24)に、例えば
J.Org.Chem.,42,1821(1977)
の方法に準じてグリニヤ−ル試薬(14)を加えてクロ
スカップリング反応を行い、前記第3群の本発明化合物
(1)を製造することができる。なお、該化合物のう
ち、Y1が特にトリフルオロメチル基であるのものは下
記の方法によっても好適に製造することができる。
【0096】
【化38】
【0097】すなわち、既述したシクロヘキサノン誘導
体(21)に3−フルオロフェニルマグネシウムブロミ
ドを加えた後、酸性条件下での脱水反応、クロラニルを
用いた脱水素化反応およびヨウ素化反応を順次施してヨ
ウ素化物(25)を製造し、次いでこれに第1群化合物
の製造時と同様にしてFSDF(20)を作用させるこ
とにより第3群の本発明化合物(1)を得ることができ
る。
【0098】第4群の本発明化合物((1)式に示す化
合物において、nが1、環Aが1,4−フェニレン、m
が0、pが1、X1がフッ素原子、X2が水素原子である
化合物)の製造:以下により好適に製造することができ
る。
【0099】
【化39】
【0100】すなわち、Mol.Cryst.Liq.
Cryst.,82、331(1982)記載の方法に
従って製造されるシアノ化物を、加水分解次いでエステ
ル化することにより化合物(26)を得る。これを既述
参照のLAH還元反応に付した後臭化水素酸で処理して
(Org.Synth.,I,25(1941))臭素
化物とし、さらにJ.Am.Chem.Soc.,
,195(1971)記載の方法でシアノ化反応に付
した後グリニヤール試薬(27)を作用させてケトン
(28)を得る。これをLAHによる還元反応、酸性条
件下での脱水反応および水素添加反応に順次付して第4
群の本発明化合物(1)を製造することができる。
【0101】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、各実施例中において、Cは結晶を、Nは
ネマチック相を、Sはスメクチック相を、Iは等方性液
体を示し、相転移温度の単位は全て℃である。
【0102】実施例1 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−
(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)ベンゼン(式
(1)において、R1=プロピル基、m=1、n=p=
0、X1=X2=X4=水素原子、X3=フッ素原子、Y1
=トリフルオロメチル基である化合物(No.1))の
製造
【0103】4−プロピルシクロヘキシル酢酸(100
mmol)と塩化チオニル(150mmol)の混合物
を3時間加熱還流した後、アスピレータ減圧下で過剰の
塩化チオニルを除去して粗製の酸塩化生成物(100m
mol)を得た。この酸塩化生成物(100mmol)
に鉄アセチルアセトン(5mmol)と乾燥トルエン3
00mlを加えた混合物に、3ーフルオロブロモベンゼ
ン(110mmol)、マグネシウム(110mmo
l)およびテトラヒドロフラン(以下THFと略す)1
00mlから調製したグリニヤール試薬を−50℃以下
で滴下し、同温度で1時間攪拌した。得られた反応物を
6M塩酸200mlに加えた後トルエン(100ml×
2)で抽出した。抽出液は無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後溶媒を留去し、得られた残査をエタノール50m
lから再結晶することにより2−フルオロ−4−(1−
オキソ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)
ベンゼン(75mmol)を得た。このもの(75mm
ol)とエタノール200mlの混合物に10℃以下を
保ちながら水素化ホウ素ナトリウム(75mmol)を
加え、室温で3時間攪拌した。得られた反応物に6M塩
酸50mlと水200mlを加えた後、酢酸エチル(1
00ml×4)で抽出した。抽出液から減圧下に溶媒を
留去し、残査として2−フルオロ−4−(1−ヒドロキ
シ−2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)ベン
ゼン(70mmol)を得た。
【0104】このもの(70mmol)にトルエン10
0mlとp−トルエンスルホン酸1水和物1.5gを加
え、生成した水を除去しながら4時間加熱還流した。放
冷後、反応物を分液ロートに移し水(100ml×3)
で洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥した後溶
媒を減圧下留去して粗製の2−フルオロ−4−(2−
(4−プロピルシクロヘキシル)エテニル)ベンゼン
(66mmol)を得た。このもの(66mmol)に
エタノール70ml、酢酸エチル60mlおよび触媒と
して5%パラジウム炭素3gを加えて混合物を得、これ
を水素雰囲気下に4時間攪拌した後触媒の濾別、次いで
溶媒の留去を行った。得られる残査をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン)に付し、次い
で再結晶(エタノール25ml×2)により精製して2
−フルオロ−4−(2−(4−プロピルシクロヘキシ
ル)エチル)ベンゼン(34mmol)を得た。このも
の(34mmol)にヨウ素(34mmol)、ヨウ素
酸(18mmol)、酢酸100ml、水20mlおよ
び四塩化炭素20mlを加えて混合物を得、これを12
時間加熱還流した。放冷後、反応物に水500mlを加
え、トルエン(200ml)で抽出した。抽出液を無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下溶媒を留去して
黄色油状物を得た。
【0105】この黄色油状物にチオ尿素(264mmo
l)とエタノール(600ml)を加えた混合物を加熱
し、得られた均一溶液を室温で一晩放置した。析出した
針状結晶を濾取し、90℃の水で分解し、ヘプタン10
0mlで抽出した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
減圧下に溶媒を留去し、得られる残査をエタノール20
mlで再結晶して1−ヨード−2−フルオロ−4−(2
−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)ベンゼン
(10mmol)を得た。このもの(10mmol)に
フルオロスルホニルジフルオロ酢酸メチルエステル(1
00mmol)、ヨウ化銅(10mmol)およびジメ
チルホルムアミド20mlを加えて混合物を得、これを
90℃で2時間攪拌した。得られる反応物に水100m
lを加え、トルエン100mlで抽出した後水(50m
l×3)で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後減圧下に溶媒を留去し、残査をシリカゲルゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン)に付した後再
結晶(エタノール10ml×2)を行って精製し、表題
化合物5.5mmol(収率55%)を得た。このもの
の各種スペクトルデータはよくその構造を支持した。ま
た、相転移点はC−I点:11.7℃であった。
【0106】実施例1の方法に準じ、次の第I群の化合
物(No.2〜18)を製造した。 No. 2 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−(4−ブチルシク ロヘキシル)エチル)ベンゼン 3 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−(4−ペンチルシ クロヘキシル)エチル)ベンゼン C−I点:21.4℃ 4 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−(4−ヘキシルシ クロヘキシル)エチル)ベンゼン 5 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−(4−ヘプチルシ クロヘキシル)エチル)ベンゼン 6 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(2−(4−オクチルシ クロヘキシル)エチル)ベンゼン 7 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−プロピルシ クロヘキシル)ブチル)ベンゼン 8 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−ブチルシク ロヘキシル)ブチル)ベンゼン 9 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−ペンチルシ クロヘキシル)ブチル)ベンゼン 10 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−ヘキシルシ クロヘキシル)ブチル)ベンゼン 11 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−ヘプチルシ クロヘキシル)ブチル)ベンゼン 12 1ートリフルオロメチルー2−フルオロ−4−(4−(4−オクチルシ クロヘキシル)ブチル)ベンゼン 13 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−プロピル シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 14 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−ブチルシ クロヘキシル)エチル)ベンゼン 15 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−ペンチル シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 16 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−ヘキシル シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 17 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−ヘプチル シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 18 1ートリフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−オクチル シクロヘキシル)エチル)ベンゼン
【0107】実施例2 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−
(4−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)
シクロヘキシル)エチル)ベンゼン(式(1)におい
て、R1=プロピル基、m=n=p=1、環Aは1,4
−シクロヘキシレン、X1=X2=X4=水素原子、X3
フッ素原子、Y1=トリフルオロメトキシ基である化合
物(No.19)の製造
【0108】本発明化合物(第2群)の原料となるアル
デヒド(22)の既述製造例に準じて製造した4−(2
−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキ
シルアセトアルデヒド(50mmol)とTHF50m
lの混合物に、3ーフルオロー4ートリフルオロメトキ
シブロモベンゼン(55mmol)、マグネシウム(5
5mmol)およびTHF80mlから調製したグリニ
ヤール試薬を0℃以下で滴下し、室温で3時間攪拌した
後反応物に6M塩酸200mlを加え、酢酸エチル(1
00ml×2)で抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、次いで溶媒を留去した。得られた残査に
トルエン100mlとp−トルエンスルホン酸1水和物
1gを加え、生成水を除去しながら4時間加熱還流し
た。放冷後、反応物を分液ロートに移し、水(100m
l×3)で洗浄した後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
次いで溶媒を減圧下に留去させて粗製の1−トリフルオ
ロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−
(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシ
ル)エテニル)ベンゼン(43mmol)を得た。
【0109】このもの(43mmol)にエタノール5
0ml、酢酸エチル50mlおよび触媒として5%パラ
ジウム炭素2gを加えた混合物を、水素雰囲気下に3時
間攪拌した。触媒を濾別した後溶媒を留去し、かくして
得られる残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液:ヘプタン)に付した後再結晶(エタノール1
0ml×2)により精製して、表題化合物16.5mm
ol、収率33%)を得た。このものの各種スペクトル
データはよくその構造を支持した。また、相転移点はC
−N点:50.3℃、N−I点:101.7℃であっ
た。
【0110】実施例2の方法に準じ、次の第2群の化合
物(No.20〜38)を製造した。 No. 20 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4 −プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 21 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4 −ブチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 22 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4 −ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 23 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4 −ヘキシルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 24 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4 −ヘプチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 25 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2− (4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼ ン C−N点:50.3℃、N−I点:101.7℃ 25 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2− (4−ブチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼン 26 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2− (4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼ ン 27 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2− (4−ヘキシルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼ ン 28 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2− (4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼ ン 29 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2 −(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベン ゼン C−I点:88.9℃、N−I点:81.9℃ 30 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2 −(4−ブチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベンゼ ン 31 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2 −(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベン ゼン 32 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2 −(4−ヘキシルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベン ゼン 33 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2 −(4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベン ゼン 34 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4− (2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル) ベンゼン 35 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4− (2−(4−ブチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル)ベ ンゼン 36 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4− (2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル) ベンゼン 37 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4− (2−(4−ヘキシルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル) ベンゼン 38 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4− (2−(4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)エチル) ベンゼン
【0111】実施例3 4’−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)
−3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシビフェニル
(式(1)において、R1=プロピル基、m=n=1、
p=0、環Aは1,4−フェニレン、X1=X2=X4
水素原子、X3=フッ素原子、Y1=トリフルオロメトキ
シ基である化合物(No.39)の製造
【0112】既述したWO9014405号の方法に従
い第3群化合物の原料用に製造した1−ヨード−4−
(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)ベンゼ
ン(50mmol)とTHF100mlおよび塩化パラ
ジウム(1mmol)を含む混合物を加熱還流し、ここ
へ3ーフルオロー4ートリフルオロメトキシブロモベン
ゼン(55mmol)、マグネシウム(55mmol)
およびTHF80mlから調製したグリニヤール試薬を
1時間で滴下し、さらに1時間還流した。放冷後、反応
物に6M塩酸200mlを加えた後トルエン(100m
l×2)で抽出した。 抽出液を無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、次いで溶媒を留去した。得られた残査をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン)
に付した後再結晶(エタノール10ml×2)により精
製して、表題化合物39mmol(収率78%)を得
た。このものの各種スペクトルデータはよくその構造を
支持した。 また、相転移点はC−N点:64.9℃、
N−I点:87.9℃であった。
【0113】実施例3の方法に準じ、次の第3群の化合
物(No.40〜48)を製造した。No. 40 4’−(2−(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメチルビフェニル C−I点:88.5℃ 41 4’−(2−(4−ブチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ− 4−トリフルオロメチルビフェニル 42 4’−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメチルビフェニル 43 4’−(2−(4−ヘキシルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメチルビフェニル 44 4’−(2−(4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメチルビフェニル 45 4’−(2−(4−ブチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ− 4−トリフルオロメトキシビフェニル 46 4’−(2−(4−ペンチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメトキシビフェニル 47 4’−(2−(4−ヘキシルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメトキシビフェニル 48 4’−(2−(4−ヘプチルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ −4−トリフルオロメトキシビフェニル
【0114】実施例4 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−
(2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)
フェニル)エチル)ベンゼン(式(1)において、R1
=プロピル基、m=0、n=p=1、環Aは1,4−フ
ェニレン、X1=X3=フッ素原子、X2=X4=水素原
子、Y1=トリフルオロメトキシ基である化合物(N
o.49))の製造
【0115】2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロ
ヘキシル)フェニル酢酸(100mmol)と塩化チオ
ニル(150mmol)の混合物を3時間加熱還流した
後、アスピレータ減圧下に過剰の塩化チオニルを除去し
て粗製の酸塩化生成物(100mmol)を得た。この
酸塩化生成物(100mmol)と鉄アセチルアセトン
(5mmol)および乾燥トルエン300mlの混合物
に、3ーフルオロー4ートリフルオロメトキシブロモベ
ンゼン(110mmol)、マグネシウム(110mm
ol)およびTHF100mlから調製したグリニヤー
ル試薬を−50℃以下で滴下し、さらに同温度で1時間
攪拌した。得られた反応物を6M塩酸200mlに加え
た後トルエン(100ml×2)で抽出した。抽出液を
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで溶媒を留去し
た。得られた残査をエタノール50mlから再結晶して
1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(1−
オキソ−2−(2−フルオロ−4−(4−プロピルシク
ロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン(70mmo
l)を得た。
【0116】このもの(70mmol)とエタノール2
00mlの混合物に、10℃以下を保ちながら水素化ホ
ウ素ナトリウム(70mmol)を加え、さらに室温で
3時間攪拌した。得られた反応物に6M塩酸50mlと
水200mlを加え、酢酸エチル(100ml×4)で
抽出した。減圧下に溶媒を留去し、残査として1−トリ
フルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(1−ヒドロキ
シ−2−(2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロヘ
キシル)フェニル)エチル)ベンゼン(65mmol)
を得た。このもの(65mmol)にトルエン100m
lとp−トルエンスルホン酸1水和物1.5gを加え、
生成水を除去しながら4時間加熱還流した。放冷後、反
応物を分液ロートに移し、水(100ml×3)で洗浄
した後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下に溶媒
を留去して粗製の1−トリフルオロメトキシ−2−フル
オロ−4−(1−ヒドロキシ−2−(2−フルオロ−4
−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エテニ
ル)ベンゼン(59mmol)を得た。
【0117】このもの(59mmol)とエタノール7
0ml、酢酸エチル60mlおよび触媒として5%パラ
ジウム炭素3gの混合物を水素雰囲気下に4時間攪拌し
た。触媒を濾別した後溶媒を留去し、得られる残査をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶出液:ヘプタン)に付
し、次いで再結晶(エタノール25ml×2)によりで
精製して表題化合物28mmol(収率48%)を得
た。このものの各種スペクトルデータはよくその構造を
支持した。また、相転移点はC−I点:43.8℃であ
った。
【0118】実施例4の方法に準じ、次の第4群の化合
物(No.50〜78)を製造した。No. 50 1−トリフルオロメチル−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−プロ ピルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 51 1−トリフルオロメチル−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ブチ ルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 52 1−トリフルオロメチル−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ペン チルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 53 1−トリフルオロメチル−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ヘキ シルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 54 1−トリフルオロメチル−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ヘプ チルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 55 1−トリフルオロメトキシ−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−プ ロピルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 56 1−トリフルオロメトキシ−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ブ チルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 57 1−トリフルオロメトキシ−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ペ ンチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 58 1−トリフルオロメトキシ−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ヘ キシルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 59 1−トリフルオロメトキシ−4−(2−(2−フルオロ−4−(4−ヘ プチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン
【0119】 60 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ− 4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 61 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ− 4−(4−ブチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 62 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ− 4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 63 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ− 4−(4−ヘキシルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 64 1−トリフルオロメチル−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ− 4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン C−I点:43.8℃ 65 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ −4−(4−ブチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 66 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ −4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 67 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ −4−(4−ヘキシルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 68 1−トリフルオロメトキシ−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ −4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 69 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フル オロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン
【0120】 70 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フル オロ−4−(4−ブチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 71 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フル オロ−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 72 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フル オロ−4−(4−ヘキシルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 73 1−トリフルオロメチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フル オロ−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 74 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フ ルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 75 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フ ルオロ−4−(4−ブチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 76 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フ ルオロ−4−(4−ペンチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 77 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フ ルオロ−4−(4−ヘキシルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン 78 1−トリフルオロメトキシ−2,6−ジフルオロ−4−(2−(2−フ ルオロ−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)フェニル)エチル)ベンゼン
【0121】 実施例5(使用例1) 4−(4−プロピルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 24重量% 4−(4−ペンチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 36重量% 4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)ベンゾニトリル 25重量% 4ー(4ープロピルフェニル)ベンゾニトリル 15重量% からなる液晶組成物Aを調製した。このものの透明点は
72.4℃、△εは11.0、△nは0.137、20
℃における粘度は27.0mPa・s、セル厚9μmで
のVthは1.78Vであった。この液晶組成物A(85
重量%)に、実施例1で得られた本発明の化合物1ート
リフルオロメトキシー2−フルオロ−4−(2−(4−
プロピルシクロヘキシル)エチル)ベンゼン(No.
1)を15重量%混合して液晶組成物A1‐1を調製し
たところ、その透明点は49.3℃、△εは10.5
(外挿値7.7)、△nは0.117(外挿値0.00
4)、20℃における粘度は24.8mPa・s(外挿
値12.3mPa・s)、セル厚8.7μmでのVth
1.35Vであり、VHRは100℃において99.8
%であった。また、この組成物A1‐1を−20℃のフ
リ−ザ−に60日間放置したが結晶の析出は認められな
かった。
【0122】実施例6(使用例2) No.1の化合物に替えNo.3の1−トリフルオロメ
チル−2−フルオロ−4−(2−(4−ペンチルシクロ
ヘキシル)エチル)ベンゼンを用いる以外は実施例5と
同様にして液晶組成物A1‐2を得た。このものの物性
値は、△ε:10.6、△n:0.120、粘度:2
5.2mPa・s(外挿値19.6mPa・s)であっ
た。
【0123】実施例7(使用例3) No.1の化合物に替えNo.19の1−トリフルオロ
メトキシ−2−フルオロ−4−(2−(4−(2−(4
−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシル)
エチル)ベンゼンを用いる以外は実施例5と同様にして
液晶組成物A2‐1を得た。このものの物性値は、△
ε:10.4、△n:0.128、粘度:25.9mP
a・s、Vth:1.74Vであった。
【0124】実施例8(使用例4) No.1の化合物に替えNo.29の1−トリフルオロ
メチル−2,6−ジフルオロ−4−(2−(4−(2−
(4−プロピルシクロヘキシル)エチル)シクロヘキシ
ル)エチル)ベンゼンを用いる以外は実施例5と同様に
して液晶組成物A2‐2を得た。このものの物性値は、
△ε:11.6、△n:0.127、粘度:35.0m
Pa・s、Vth:1.70Vであった。
【0125】実施例9(使用例5) No.1の化合物に替えNo.40の4’−(2−(4
−プロピルシクロヘキシル)エチル)−3−フルオロ−
4−トリフルオロメチルビフェニルを用いる以外は実施
例5と同様にして液晶組成物A3‐1を得た。このもの
の物性値は、△ε:11.3、△n:0.137、粘
度:29.6mPa・s(外挿値48.6mPa・
s)、Vth:1.74Vであった。
【0126】実施例10(使用例6) No.1の化合物に替えNo.49の1−トリフルオロ
メトキシ−2−フルオロ−4−(2−(2−フルオロ−
4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェニル)エチ
ル)ベンゼンを用いる以外は実施例5と同様にして液晶
組成物A4‐1を得た。このものの物性値は、△ε:1
1.1、△n:0.139、粘度(外挿値):37.4
mPa・sであった。
【0127】比較例1 第1群に含まれる本発明化合物(No.3)に構造が近
似する比較化合物例として、前記特表昭63−5032
26号に記載の(c)式で示す化合物(比較化合物
1)、特開平2−111734号に記載の(d)式で示
す化合物(比較化合物2)および特開昭61−2073
47号に記載の(e)式で示す化合物(比較化合物3)
を選び、それらの物性値(透明点(C−I点)、下記に
より調製される液晶組成物から外挿される粘度)とそれ
らを含む液晶組成物の△εを求めた。
【0128】
【化40】
【0129】なお、液晶組成物の調製は上記の各比較化
合物をNo.3の化合物に替えて用いる以外は実施例6
と同様にして行い、それぞれ比較液晶組成物B1‐1、
B1‐2およびB1‐3を得た。結果は以下の通りであ
った(No.3の化合物および液晶組成物A1‐2(実
施例6)の結果も合わせ示した)。
【0130】 透明点 外挿粘度 △ε (℃) (mPa・s) 本発明化合物(No.3) 21.4 19.6 A1‐1 10.6 比較化合物1 10 20.8 B1‐1 8.3 比較化合物2 −30 −8.2 B1‐2 10.9 比較化合物3 0 −12.2 B1‐3 10.9
【0131】この結果から以下のことがわかる。すなわ
ち、本発明No.3の化合物は、比較化合物1に比べ側
方にフッ素原子を置換基として有するにも関わらず分子
中央の結合基に1,2−エチレン基が導入されているこ
とに起因し、透明点の低下や外挿粘度の上昇が見られな
い上、極めて大きな△εを示している。1,2−エチレ
ン基の導入によるこのような効果は、従来の技術常識、
例えば1,2−エチレン基を導入した上記比較化合物2
の方がさにあらざる比較化合物3より透明点が低い上外
挿粘度も上昇するという知見とは異なっており、全く驚
くべきことである。
【0132】比較例2 第2群に含まれる本発明化合物(No.19)に構造が
近似する比較化合物として前記特表平2−501311
号に記載の(b)式に於てn=3であり式(f)で示さ
れる3環直結形化合物(比較化合物4)を選んだ。その
相転移温度はC 39 SB 68 N 148.6 Iであ
る。
【0133】
【化41】
【0134】この比較化合物4は明らかに強いスメクチ
ック性を示し、これを成分として用いた場合、得られる
液晶組成物には低温でスメクチック相が出現し好ましく
ない。 これに対し、中央結合基に2つの1,2−エチ
レン基を導入した本発明化合物(No.19)はスメク
チック相を示さずネマチック相のみであり(実施例2参
照)、上記した如き欠点はない。
【0135】比較例3 フッ素原子の置換位置が末端のフェニレン上から中央の
フェニレン上に代わる以外は第3群に含まれる本発明化
合物(No.40)と同様構造の比較化合物として、L
iq.Cryst.,18(4)、665(1995)
に開示されており式(g)で示される化合物(比較化合
物5)を選んだ。このものの物性値とこれを含む液晶組
成物(B3‐1)の△εおよび△nを比較例1と同様に
して求めた。結果は以下の通りであった。透明点:8
0.4℃、外挿粘度:52.0mPa・s、△ε:1
1.0、△n:0.138
【0136】
【化42】
【0137】本発明化合物(No.40)は、比較化合
物5より透明点が約8℃も高い上低粘性であることが知
られ、また、別途の検討から△ε、△nおよび粘度の各
温度依存性が小さいこと、特に低温での粘性上昇が少な
いこと並びに他の液晶化合物に対する相溶性に優れるこ
とが明かになった。
【0138】比較例4 フッ素原子の置換位置が末端のフェニレン上から中央の
フェニレン上に代わる以外は第4群に含まれる本発明化
合物(No.49)と同様構造の比較化合物として、前
記Liq.Cryst.,18(4)、665(199
5)に開示されており式(k)で示される化合物(比較
化合物6)を選んだ。このものの物性値とこれを含む液
晶組成物(B4‐1)の△εおよび△nを比較例1と同
様にして求めた。結果は以下の通りであった。透明点:
43℃、外挿粘度:52.0mPa・s、△ε:11.
0、△n:0.138
【0139】
【化43】
【0140】本発明化合物(No.49)は比較化合物
6に比べ透明点、△εおよび△nが共に同程度以上と高
い上、特に低粘性であることが知られる。また、別途の
検討から△ε、△nおよび粘度の各温度依存性が小さい
こと並びに他の液晶化合物に対する相溶性に優れること
が明らかになった。
【0141】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の化合物はい
ずれも広いネマチック相温度範囲、より低い粘性、大き
な正の△ε、高い化学的安定性、低温下他の液晶化合物
に対する高い相溶性、粘性と△εについての小さな温度
依存性、極めて高い比抵抗値(高い電圧保持率)および
良好なUV安定性といった諸特性を同時に満たし、特に
TFT用液晶性化合物として適するものである。従っ
て、本発明の化合物を液晶組成物の成分として用いた場
合、他の液晶材料との溶解性に優れているという特徴に
加え、分子構成要素の六員環、置換基および/または結
合基を適当に選択することにより、所望の物性を有する
新たな液晶組成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 19/42 C09K 19/42 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 中川 悦男 千葉県市原市五井8890番地 (56)参考文献 特開 平7−179374(JP,A) 特開 平7−165639(JP,A) 特開 平7−138567(JP,A) 特開 平7−62348(JP,A) 特表 平5−500204(JP,A) 特表 平4−500682(JP,A) 特表 平4−500214(JP,A) 特表 平4−501576(JP,A) 特表 平4−500217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/30 C07C 13/18 C07C 25/18 C07C 43/21 C07C 43/225 C09K 19/42 G02F 1/13 CA(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、環Aは
    1,4−フェニレンン、、X、XおよびX
    それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子、YはCF
    またはOCFを示し、m、nおよびpはそれぞれ独
    立に1または0であるが、m+p=1であり、またn=
    1かつp=0である場合にはX とX は小なくとも何
    れかがHでかつX とX は小なくとも何れかがFであ
    り、n=1かつX とX が共にFである場合にはX
    はHである。)で表される液晶性化合物。
  2. 【請求項2】nが0、mが1、Xがフッ素原子、X
    が水素原子である請求項1に記載の液晶性化合物。
  3. 【請求項3】nが1、mが1、pが0、X、Xおよ
    びXが共に水素原子、Xがフッ素原子である請求項
    1に記載の液晶性化合物。
  4. 【請求項4】nが1、mが0、pが1、Xがフッ素原
    子、Xが水素原子である請求項1に記載の液晶性化合
    物。
  5. 【請求項5】請求項1〜のいずれかに記載の液晶性化
    合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶
    組成物。
  6. 【請求項6】第一成分として、請求項1〜のいずれか
    に記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二
    成分として、一般式(2)、(3)および(4) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、Y
    はフッ素原子、塩素原子、OCF、OCFH、C
    、CFHまたはCFHを示し、L、L、L
    およびLは相互に独立して水素原子またはフッ素原
    子を示し、ZおよびZは相互に独立して−(C
    −、−CH=CH−または共有結合を示し、a
    は1または2である。)からなる群から選択される化合
    物を少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組
    成物。
  7. 【請求項7】第一成分として、請求項1〜1のいずれ
    かに記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第
    二成分として、一般式(5)、(6)、(7)、(8)
    および(9) 【化3】 (式中、Rはフッ素原子、炭素数1〜10のアルキル
    基または炭素数2〜10のアルケニル基を示す。該アル
    キル基またはアルケニル基中の任意のメチレン基は酸素
    原子によって置換されていてもよいが、2つ以上のメチ
    レン基が連続して酸素原子に置換されることはない。環
    Bは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンま
    たは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルを示し、環C
    は1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニレンまた
    はピリミジン−2,5−ジイルを示し、環Dは1,4−
    シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを示し、Z
    は−(CH−、−COO−または共有結合を示
    し、LおよびLは相互に独立して水素原子またはフ
    ッ素原子を示し、bおよびcは相互に独立して0または
    1である。) 【化4】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、L
    は水素原子またはフッ素原子を示し、dは0または1
    である。) 【化5】 (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、環
    Eおよび環Fは相互に独立して1,4−シクロヘキシレ
    ンまたは1,4−フェニレンを示し、ZおよびZ
    相互に独立して−COO−または共有結合を示し、Z
    は−COO−または−C≡C−を示し、LおよびL
    は相互に独立して水素原子またはフッ素原子を示し、Y
    はフッ素原子、OCF、OCFH、CF、CF
    HまたはCFHを示すが、YがOCF、OCF
    H、CF、CFHまたはCFHを示す場合はL
    およびLは共に水素原子を示す。e、fおよびgは
    相互に独立して0または1である。) 【化6】 (式中、RおよびRは相互に独立して炭素数1〜1
    0のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を
    示す。いずれにおいてもそのうちの任意のメチレン基は
    酸素原子によって置換されていてもよいが、2つ以上の
    メチレン基が連続して酸素原子に置換されることはな
    い。環Hは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニ
    レンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、環Iは
    1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを
    示し、Zは−C≡C−、−COO−、−(CH
    −、−CH=CH−C≡C−または共有結合を示し、Z
    は−COO−または共有結合を示す。) 【化7】 (式中、RおよびRは相互に独立して炭素数1〜1
    0のアルキル基または炭素数2〜10のアルケニル基を
    示す。いずれにおいてもそのうちの任意のメチレン基は
    酸素原子によって置換されていてもよいが、2つ以上の
    メチレン基が連続して酸素原子に置換されることはな
    い。環Jは1,4−シクロヘキシレン、1,4−フェニ
    レンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、環Kは
    1,4−シクロヘキシレン、環上の1つ以上の水素原子
    がフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレ
    ンまたはピリミジン−2,5−ジイルを示し、環Lは
    1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニレンを
    示し、ZおよびZ10は相互に独立して−COO−、
    −(CH−または共有結合を示し、Zは−CH
    =CH−、−C≡C−、−COO−または共有結合を示
    し、hは0または1である。)からなる群から選択され
    る化合物を少なくとも1種類含有することを特徴とする
    液晶組成物。
  8. 【請求項8】第一成分として、請求項1〜のいずれか
    に記載の液晶性化合物を少なくとも1種類含有し、第二
    成分の一部分として、請求項に記載の一般式(2)、
    (3)および(4)からなる群から選択される化合物を
    少なくとも1種類含有し、第二成分の他の部分として、
    請求項に記載の一般式(5)、(6)、(7)、
    (8)および(9)からなる群から選択される化合物を
    少なくとも1種類含有することを特徴とする液晶組成
    物。
  9. 【請求項9】請求項5〜8のいずれかに記載の液晶組成
    物を用いて構成した液晶表示素子。
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