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JP2890648B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリカーボネート樹脂組成物

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JP2890648B2
JP2890648B2 JP9405490A JP9405490A JP2890648B2 JP 2890648 B2 JP2890648 B2 JP 2890648B2 JP 9405490 A JP9405490 A JP 9405490A JP 9405490 A JP9405490 A JP 9405490A JP 2890648 B2 JP2890648 B2 JP 2890648B2
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polycarbonate resin
structural formula
bis
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structural
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一彦 石井
俊明 朝生
悟郎 島岡
誠 水谷
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的性質、特に低温下での耐衝撃性に優
れ、良好な外観および良好な成形加工性を示す難燃性の
改良されたポリカーボネート樹脂組成物であり、透明性
にも優れているので種々の用途にも好適に使用可能なも
のである。
〔従来の技術および課題〕
芳香族ポリカーボネート樹脂は耐熱性、耐衝撃性、電
気特性、寸法安定性などに優れ、かつ、透明であること
から有用なエンジニアリングプラスチックとして種々の
用途に利用されている。
しかし、難燃性が必ずしも充分ではない。この改良法
として、従来、芳香族ポリカーボネート樹脂の難燃性を
改良する目的で、Brを含有するポリカーボネート共重合
体としたり、Brを含有するポリカーボネートオリゴマー
を配合する方法が、機械的特性、耐熱性などの物性バラ
ンスの点から用いられているが、ポリカーボネート樹脂
の優れた耐衝撃性が劣ってくるものであった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、芳香族ポリカーボネート樹脂にポリシ
ロキサン鎖を有するコ−ポリカーボネート樹脂を配合す
ることにより、難燃性が改良されることを見出し、本発
明に到達した。
すなわち、本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂95
〜50重量%と下記構造式(A)及び(B)で表される構
造単位を有するコ−ポリカーボネート樹脂5〜50重量%
とを配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物で
ある。
構造式(A); 構造式(B); (構造式(A)のnは1〜200の正数を示し、Rは炭素
数2〜6のアルキレン基を示す。また、構造式(B)の
Bは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或いは環状のアルキリ
デン基、アリール置換アルキレン基、アリール基又は−
O−,−S−,−CO−,−SO2−を示し、R1、R2、R3
びR4は水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を
示す。) 又、本発明において、該コ−ポリカーボネート樹脂の
構造式(A)で表される構成単位が0.2〜50重量%であ
ること、更に、構造式(A)中のRが、−CHR5−CH2
(式中のR5はベンゼン環側の炭素原子に結合したもので
あり、水素またはメチル基を表す。)であることからな
る難燃性ポリカーボネート樹脂組成物である。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂とは、二価フェ
ノール系化合物とホスゲン、炭酸エステル、或いはクロ
ロホーメートとを反応させる従来の芳香族ポリカーボネ
ート樹脂の製法により製造されるものである。
また、本発明のコ−ポリカーボネート樹脂は、構成単
位としてシリコーン鎖、脂肪鎖を有するビスフェノール
からなる前記構造式(A)の構成単位を有することを特
徴とするものであり、従来の芳香族ポリカーボネート樹
脂の製法において、下記した一般式(1)のシリコーン
鎖、脂肪鎖を持った二価フェノールを一部に使用するこ
とを除き従来の界面重合法と同様の製造方法が好適に適
用されるものである。
一般式(1); 式中のn、Rは構造式(A)と同じである。
本発明で用いるコ−ポリカーボネート樹脂中の構造式
(A)で表される構成単位は、特に限定されないが、好
ましくは0.2〜50重量%の範囲、特に0.5〜25重量%の範
囲が好適であり、構造式(A)中のシロキサン単位の繰
り返し数(n)は1〜200の範囲、好ましくは5〜100の
範囲である。又、該構造式(A)中のRとしては、エチ
レン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、ペンチ
レン、ヘキシレンなどが例示されるが、特に−CHR5−CH
2−(式中のR5はベンゼン環側の炭素原子に結合したも
のであり、水素またはメチル基を表す。)が好適であ
る。この構造式(A)の構成単位は、前記一般式(1)
で表されるフェノール性水酸基を両末端に有する二価フ
ェノールを通常のビスフェノールと同様に用いることに
より導入されるものである。この一般式(1)で表され
る化合物は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有
するフェノール類、好適にはビニルフェノールやイソプ
ロペニルフェノールを所定の重合度(n)を有するポリ
シロキサン鎖の末端に、ハイドロシラネーション反応さ
せることにより容易に製造されるものである。
ここに、上記した芳香族ポリカーボネート樹脂を製造
するため、又はコ−ポリカーボネート樹脂のコ−モノマ
ーとして用いることが可能な二価フェノール系化合物と
しては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ク
ロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンが例示され
る。これらの中で2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンが熱安定性の面から好ましい。また、末
端停止剤或いは分子量調節剤を通常使用するものであ
り、これらとしては一価のフェノール性水酸基を有する
化合物が挙げられ、通常のフェノール、p−第三ブチル
フェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖ア
ルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪
族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、
ヒドロキシ・フェニル酸アルキルエステル、アルキルエ
ーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用い
る全ての二価フェノール系化合物100モルに対して、100
〜0.5モル、好ましくは50〜2モルの範囲であり、二種
以上の化合物を併用することも当然に可能である。更に
分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物に対して、0.
01〜3モル%、特に0.1〜1.0モル%の範囲で併用して分
岐化ポリカーボネートと出来、分岐化剤としては、フロ
ログリシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,4,6−
トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、1,3,5
−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1
−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス
(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチル
フェノール、α,α′,α″−トリ(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼンなどで例
示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3−ビス(4−
ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビ
スフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロル
イサチン、5−ブロムイサチンなどが例示される。
本発明の上記成分からなる難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物における芳香族ポリカーボネートとコ−ポリカ
ーボネート樹脂との配合比率は、特に制限はないもので
あるが、通常、芳香族ポリカーボネート/コ−ポリカー
ボネート樹脂=95/5〜50/50の範囲から選択される。本
発明のコ−ポリカーボネート樹脂の配合量が少なすぎる
と難燃性の改良が不十分であり、一般に好ましくなく、
また、配合量が多くとも難燃性の点からは好ましいもの
であるが、価格、その他の点から副成分とする方が好ま
しい。
以上の如くである本発明の難燃性ポリカーボネート樹
脂組成物には所望に応じて、従来、ポリカーボネート樹
脂に公知の種々の添加剤類が配合可能なものであり、こ
れらとしては補強剤、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料などが挙げられ
る。例えば、安定剤としては特に亜リン酸、又はホスフ
ァイトが好適である。又、離型剤としては飽和脂肪酸の
モノ−或いは多価アルコールのエステルが挙げられ、ス
テアリルステアレート、ベヘニルベヘネート、ペンタエ
リスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリト
ールヘキサオクトエートなどが好適なものとして例示さ
れる。ガラス粉、ガラスビーズ、合成雲母或いはフッ素
化雲母、酸化亜鉛、炭素繊維、特に繊維径が2μm以下
のものも含むガラス繊維、酸化亜鉛ウィスカー、ステン
レス繊維、ケブラー繊維などの有機或いは無機の充填剤
や補強剤など、さらにビスフェノールAからのポリカー
ボネートオリゴマー、ポリエステルカーボネート、ポリ
アリレートなどの樹脂類も当然に目的に応じて適宜好適
に用いることができるものである。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例によって本発明を具体的に
説明する。
参考例 1 水酸化ナトリウム3.7kgを水42に溶解し、20℃に保
ちながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(以下「BPA」と記す)6,735g、第6頁に示した一
般式(1)でn=50のもの(以下「165B」と記す。)35
6g、ハイドロサルファイト15gを溶解した。
これにメチレンクロライド(以下「MC」と記す)30
を加えて撹拌しつつ、p−t−ブチルフェノール(以下
「PTBP」と記す)148gを加え、ついでホスゲン3.5kgを6
0分で吹き込んだ。
ホスゲン吹き込み終了後、激しく撹拌して反応液を乳
化させ、乳化後、8mlのトリエチルアミンを加え約1時
間撹拌を続け重合させた。
重合液を、水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で
中和した後、洗液のPHが中性となるまで水洗を繰り返し
た後、イソプロパノールを35加えて、重合物を沈澱さ
せた。沈澱物を濾過し、その後乾燥する事により、白色
粉末状のコ−ポリカーボネート樹脂(以下「C−PC05」
と記す)を得た。
参考例 2 参考例1において、BPA 6,690g、165B 1,186gとする
他は同様にして、白色粉末状のコ−ポリカーボネート樹
脂(以下「C−PC15」と記す)を得た。
実施例1〜3および比較例1〜2 下記第1表に記載の如く、参考例1、2に示した製造
法によって製造したコ−ポリカーボネートと芳香族ポリ
カーボネート樹脂(三菱瓦斯化学(株)製、ユーピロン
S2000、分子量25,000)とを用い、それぞれ単独或い
は第1表に記載の量比で配合してシリンダー温度250〜2
70℃の押出機を用いて溶融混練してペレットとした。
このペレットを熱風乾燥機中で120℃にて5時間以上
乾燥した後、シリンダー温度270℃にて、物性測定用試
験片を製造し、試験した。又、比較の為、テトラブロモ
ビスフェノールAをBrが7重量%となるように用いた共
重合ポリカーボネート樹脂(分子量25,000、「Br−CP
C」と記す)についても試験した。結果を第1表に示し
た。
なお、物性の測定は下記によった。
・燃焼性:UL−94による。試験片厚み1.6mm. ・I.Z. :アイゾット衝撃値.単位kg cm/cm. ・H.D.T.:熱変形温度.荷重 18.6kg/cm2. ・全光線透過率:スガ試験機械(株)製、直読ヘーズコ
ンピューター、厚み3mm. 〔発明の作用および効果〕 本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は難燃性
が改良されるばかりでなく、耐衝撃性、特にその厚み依
存性と低温での耐衝撃性に極めて優れたものである。従
って、一般の成形品は無論のこと、精密成形品、低温用
途の成形品としても好適な成形材料として有用なもので
あることが理解されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 誠 神奈川県平塚市東八幡5丁目6番2号 三菱瓦斯化学株式会社プラスチックセン ター内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 国際公開91/885(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 64/08 C08L 69/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリカーボネート樹脂95〜50重量%
    と下記構造式(A)及び(B)で表される構造単位を有
    するコ−ポリカーボネート樹脂5〜50重量%とを配合し
    てなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。 構造式(A); 構造式(B); (構造式(A)のnは1〜200の整数を示し、Rは炭素
    数2〜6のアルキレン基を示す。また、構造式(B)の
    Bは炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖或いは環状のアルキリ
    デン基、アリール置換アルキレン基、アリール基又は−
    O−,−S−,−CO−,−SO2−を示し、R1、R2、R3
    びR4は水素、ハロゲン又は炭素数1〜4のアルキル基を
    示す。)
  2. 【請求項2】該コ−ポリカーボネート樹脂の構造式
    (A)で表される構造単位が0.2〜50重量%である請求
    項1記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該コ−ポリカーボネート樹脂の構造式
    (A)中のRが、−CHR5−CH2−(式中のR5はベンゼン
    環側の炭素原子に結合したものであり、水素またはメチ
    ル基を表す。)である請求項1記載の難燃性ポリカーボ
    ネート樹脂組成物。
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