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JP2883960B2 - 水性中塗り塗料 - Google Patents

水性中塗り塗料

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JP2883960B2
JP2883960B2 JP21132390A JP21132390A JP2883960B2 JP 2883960 B2 JP2883960 B2 JP 2883960B2 JP 21132390 A JP21132390 A JP 21132390A JP 21132390 A JP21132390 A JP 21132390A JP 2883960 B2 JP2883960 B2 JP 2883960B2
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裕 井上
一郎 田渕
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、有機溶剤型中塗り塗料と同等もしくはすぐ
れた塗装作業性(ワキ抵抗性、タレ抵抗性)を有し、か
つ平滑性ならびに上塗鮮映性にすぐれた塗膜に仕上げる
ことに有用な新規水性中塗り塗料に関する。
従来の技術及びその課題 中塗り塗料は、プライマー塗料、中塗り塗料および上
塗り塗料を順次塗装する塗装系に用いられるものであ
り、該塗装系で得られる塗膜の平滑性、鮮映性および仕
上がり外観などを向上させる点から重要である。
従来、中塗り塗料としては、有機溶剤型のものが主流
であったが、防災上の安全性、無公害化、省資源化など
の観点から、水性塗料へ変換することが強く要望されて
いる。
水性塗料としては、例えば多価カルボン酸樹脂、アミ
ノ樹脂およびベンゾインを主成分とする熱硬化性水性塗
料(特公平2−390号)などが知られているが、これら
を中塗り塗料として用いる場合には種々の問題点があ
る。
即ち、上記水性塗料を中塗り塗料として用いると、該
塗料自体の塗膜の平滑性や鮮映性が十分でなく、しかも
従来の有機溶剤型中塗り塗料に比べて、塗膜硬化中に揮
発成分(例えば水)が突沸して、いわゆる「ワキ」が発
生しやすく、この現象は30〜40μmの膜厚においても認
められ、仕上がり外観低下の原因となっている。この場
合、ワキによる塗膜欠陥を避けるため、あらかじめ低温
度(約60℃)で予備加熱を行ない、未硬化塗膜中の水を
ほとんど揮散させた後、昇温して加熱硬化すると、水分
が十分揮散する前に未硬化塗膜の温度が上昇し、従って
塗膜粘度が低下して垂直部でタレを生じる。また、この
タレを防止するため、レオロジーコントロール剤や体質
顔料等を配合して構造粘性を大きくすると、塗着した塗
液の流展性が低下し、加熱硬化後の中塗り塗膜の平滑性
が悪くなる。更に、ワキ対策のため、ガラス転移温度の
低い脂肪酸変性ポリエステル樹脂を基体樹脂として用い
ると、タレ易くなり、塗膜の硬度も低下して、上塗り塗
装した後の上塗鮮映性が不足する。
課題を解決するための手段 本発明者は、前記従来技術の課題を解決するべく鋭意
研究した結果、特定のポリエステル樹脂、水性アミノ樹
脂、特定の低分子量ポリエステルジオール及びアルキル
エーテル化ベンゾインを主成分とする水性塗料により目
的を達成できることを見出した。即ち、該塗料は、水の
揮散のための予備加熱をすることなく、塗装後直ちに硬
化するための温度(通常140〜160℃程度)に加熱し、か
つその硬化膜厚が例えば60μm以上であってもワキが発
生せず、又タレが発生しにくく、しかも前記塗装系にお
ける中塗り塗料とすることにより、塗膜の平滑性及び上
塗鮮映性が良好で、耐チッピング性、耐湿性、層間密着
性などのすぐれた複合塗膜を形成できることを見出し
た。
本発明は、かかる新たな諸知見に基づき、完成された
ものである。
すなわち、本発明は、 (A)酸価が10〜100、水酸基価が20〜300で、且つ数平
均分子量が800〜10,000のポリエステル樹脂、 (B)水性アミノ樹脂、 (C)シクロヘキサンジメタノールと脂肪族飽和二塩基
酸とからなり両末端に1級水酸基を含有する数平均分子
量が300〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオー
ル、及び (D)アルキルエーテル化ベンゾイン を主成分とすることを特徴とする水性中塗り塗料に係
る。
本発明の水性中塗り塗料(以下、「本塗料」と略称す
ることがある)の特徴は、上記(A)および(B)成分
に(C)および(D)成分の両者を併用したところにあ
る。すなわち、これらの成分のうちいずれかが欠けてな
る塗料塗膜を水揮散のための予備加熱することなく、直
ちに加熱硬化すると、例えば、(A)、(B)および
(C)成分からなる系では加熱硬化時にワキが発生しや
すく、(A)、(B)および(D)成分からなる系では
ワキが発生しやすく、しかも平滑性および鮮映性も十分
でない。
それに対して、(A)、(B)、(C)および(D)
成分のすべてを含む本塗料は、このような欠陥はすべて
解消され、上記した技術的効果を有する塗膜を形成す
る。
本塗料の主成分を構成する(A)〜(D)成分につい
て具体的に説明する。
(A)成分:酸価が10〜100、水酸基価が20〜300で且つ
数平均分子量が800〜10,000のポリエステル樹脂であ
る。
当該ポリエステル樹脂としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、2,2−ジメチルプロ
パンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールなどの多価アルコールおよび必要
に応じて併用する一価アルコールまたは分子中に1個の
グリシジル基を有するモノエポキシ化合物(たとえば、
「カージュラE」(商品名、シェル化学(株)製))を
アルコール成分とし、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
トラフドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
無水マレイン酸、無水コハク酸、アジン酸、セバチン
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの多
塩基酸、および必要に応じて併用する安息香酸やt−ブ
チル安息香酸などの一塩基酸を酸成分として、上記アル
コール成分と上記酸成分とを縮合してなるオイルフリー
ポリエステル樹脂、または上記アルコール成分および上
記酸成分に加えてヒマシ油、脱水ヒマシ油、桐油、サフ
ワラー油、大豆油、アマニ油、トール油、ヤシ油など、
およびそれらの脂肪酸のうちの1種または2種以上の混
合物である油成分を、上記酸成分およびアルコール成分
に加えて、三者を反応させて得られる油変性ポリエステ
ル樹脂などがあげられる。また、アクリル樹脂やビニル
樹脂をグラフト化したポリエステル樹脂も(A)成分と
して使用できる。
また、(A)成分としては、ウレタン変性ポリエステ
ル樹脂を用いると、貯蔵安定性、耐ワキ性、鮮映性およ
び耐チッピング性などがすぐれているので好ましい。
該樹脂は、上記で例示したアルコール成分と酸成分と
を反応させてなるポリエステル樹脂(オイルフリーが好
ましい)に、ポリイソシアネート化合物(ジイソシアネ
ートが好ましい)を水酸基過剰にして反応させて得られ
る。ポリイソシアネート化合物としては、例えばトリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート等の芳香族ポリイソシアネート化合物、キシ
リレンジイソシアネート、メタまたはパラテトラメチル
キシリレンジイソシアネートのような芳香脂肪族ポリイ
ソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、及びこれらのビュレ
ット化物やイソシアヌレート化物、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシ
アネート、水素添加4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネートや脂環族ポリ
イソシアネート等が挙げられる。このうち、本塗料の貯
蔵安定性向上のためにはトリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシア
ネートが好ましい。ポリイソイアネート化合物の使用量
は、ポリエステル樹脂に対して1〜40重量%、特に4〜
30重量%が好ましい。
かかる(A)成分は、酸価が10〜100、好ましくは15
〜50、水酸基価が20〜300、好ましくは50〜230である。
酸価が10より小さくなると水性化が不十分となり、水酸
基価が20より小さくなると塗膜の硬化性が不十分であ
り、また酸価が100、水酸基価が300を越えると塗膜の耐
水性、耐薬品性が低下するのでいずれも好ましくない。
さらに(A)成分の数平均分子量は800〜10,000、特
に1000〜8000が適している。数平均分子量が800より小
さくなると塗膜の硬度や耐水性が低下し、又10,000より
大きくなると噴霧塗装時の微粒化が困難で、塗膜の平滑
性、肉持感が低下するので、いずれも好ましくない。
これらの(A)成分に塩基性物質を添加してカルボキ
シル基の50%以上を中和して水性とする。ここで用いら
れる塩基性物質としては、例えばアンモニア、メチルア
ミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンなどがあり、このうち、ジエタノールアミン、ジ
メチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが
好適である。
(B)成分:水性アミノ樹脂である。
これは、(A)成分の架橋剤であって、たとえばジ
−、トリ−、テトラ−、ペンター、ヘキサ−メチロール
メラミンおよびそれらのメチルエーテル化物、尿素−ホ
ルムアルデヒド縮合物、尿素−メラミン共縮合物などを
あげることができる。
(B)成分は、水に溶解するか又は水中に層分離や沈
降することなく安定に分散する程度に親水性である。
(B)成分としては上記のうちメラミンが好ましい。
該メラミンの官能基と本塗料の性能との関連は次の通り
である。
(i)メチロール化メラミンの完全エーテル化物を用い
ると、ワキ抵抗性は高くなるが、架橋反応温度が高く、
140〜150℃程度で該塗膜を硬化させるのに、酸触媒を使
用しないと架橋反応が不足となる傾向がある。
(ii)メチロール基(−CH2OH)とアルキルエーテル基
(−CR2OR)とが混在するメラミンでは、初期硬化が速
く、酸触媒は不要であるが、塗着塗膜から水や溶剤が十
分に揮散しないうちに塗膜表面で硬化が始まりワキ発生
の原因となることがある。
(iii)イミノ基(NH)とアルキルエーテル基(−CH2
OR)とが混在するメラミンでは、酸触媒なしで140〜150
℃程度で(A)成分と良く架橋反応する。またこの架橋
反応は比較的遅くかつ自己硬化性もメチロース基ほど速
くないので、有機溶剤および水などが揮散し塗膜が溶融
流動してから架橋硬化がはじまるので平滑性良好でワキ
のないかつ硬化性のよい塗膜が得られる。
本発明において、(B)成分としては、かかる意味
で、(iii)イミノ基含有水溶性アミノ樹脂が最も適し
ている。
(C)成分:シクロヘキサンジメタノールと脂肪族飽和
二塩基酸とからなり、両末端に1級水酸基を含有する数
平均分子量が300〜800未満の線状低分子量ポリエステル
ジオールである。
該ポリエステルジオールの構造式は、例えば で示され、ここで、n=1または2、m=2〜4であっ
て、二塩基酸対シクロヘキサンジメタノールはモル比で
1:1.7〜2.3の比率であることが好ましい。脂肪族飽和二
塩基酸としてはコハク酸、グルタン酸、アジピン酸およ
びこれらの無水物などが挙げられる。
(C)成分の数平均分子量が300より小さくなると塗
膜の硬度や耐水性が低下し、又800以上になると塗膜の
流展性が低下し、ワキ限界膜厚が小さくなるので、いず
れも好ましくない。
この(C)成分を配合することによって、塗装時の不
揮発分含有率が上がり、スプレー塗装などによる霧化が
良好となり特に、塗着した塗料が流展しやすいためにワ
キ限界膜厚が向上するなどの好結果が得られる。
(D)成分:アルキルエーテル化ベンゾインである。
これは、ベンゾインのアルキル(炭素数1〜4が好ま
しい)エーテル化物で、具体的には、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインn−
プロピルエーテル、ベンゾインiso−プロピルエーテ
ル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインsio−
ブチルエーテルなどが挙げられる。
これらは単独もしくは2種以上組合せて使用すること
ができる。
(D)成分の添加方法としては、(1)顔料分散時に
添加する、(2)(A)成分の水溶液に常温もしくは加
温下で添加して撹拌混合する、(3)(A)成分の合成
時に添加する等の方法があり、いずれの添加方法を用い
てもワキ改良効果に影響はないが、一般には塗料中の顔
料含有量及び(D)成分の融点等を考慮して決定され
る。このうち、(2)の成分が好ましい。
(D)成分を配合することによってワキ発生が抑制さ
れワキ発生膜厚を大きくするのに有効である。
本塗料は上記(A)、(B)、(C)および(D)成
分を必須としており、これらの構成比率は目的に応じて
任意に選択できるが、(A)、(B)および(C)成分
の合計重量に基いて、(A)成分が30〜85重量%、特に
50〜80重量%、(B)成分は10〜40重量%、特に15〜30
重量%および(C)成分は5〜30重量%、特に5〜20重
量%がそれぞれ適している。また、(D)成分は、
(A)、(B)および(C)成分の合計量に対して、0.
1〜10重量%、特に1〜5重量%が好ましい。
本塗料で用いる(B)、(C)、(D)各成分は、そ
れぞれ単独でもワキ抵抗性改良効果はあるが、その程度
はワキ限界膜厚で40μm程度(乾燥膜厚で)にすぎず、
昨今の中塗り厚膜指向(例えば45μm以上)の場合では
不十分である。なぜなら、スプレー塗装などにおいて約
45μmの膜厚に塗装しても、若干タレやタマリなどが生
じてその部分の膜厚が60μmまたはそれ以上になること
があるので、60μm以上でもワキなどが発生しないこと
が強く望まれており、本塗料により、(A)成分に
(B)、(C)および(D)成分のすべてを配合するこ
とによって、ワキ限界膜厚を60μm以上にすることが可
能になった。なお、これらの膜厚は予備加熱せず、塗装
後、架橋硬化のために直ちに加熱した系についてであ
る。
本塗料は、上記(A)、(B)、(C)および(D)
成分を必須成分とするが、さらにハジキ防止剤、消泡
剤、レベリング剤、たれ防止剤および硬化促進剤(酸触
媒)などの各種の変性剤、助剤を必要に応じて添加する
ことができる。また、アルコール系、エーテルアルコー
ル系、エステル系、ケトン系などの水と自由に混和し得
る有機溶剤を配合することもでき、その配合量は、樹脂
固形分(重量)に対し20重量%以下の範囲が適してい
る。
また、中塗り塗膜の膜厚保持性、塗装作業性及び塗膜
の物理強度向上等のため、酸化チタン、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、クレー等の無機顔料や、これに加えて
着彩のための各種顔料を上記(A)、(B)、(C)お
よび(D)成分の合計樹脂固形分100重量部に対して、
1〜200重量部配合することが好ましい。
本塗料は水で塗装適正粘度に調整し、スプレー塗装、
静電塗装によって塗装される。塗装膜厚は平坦部で硬化
塗膜にもとづいて30〜50μmが適している。該塗膜は通
常140℃以上の加熱によって架橋反応して硬化塗膜を形
成する。また、本塗料を用いる前記塗装系における電着
塗料(アニオン型、カチオン型)等の下塗り塗料および
上塗り塗料は特に制限されることなくすでに一般に使用
されているものでよい。
発明の効果 本発明の水性中塗り塗料は、予備加熱せずに直ちに架
橋硬化反応のために加熱しても、ワキ限界膜厚は60μm
以上であって高いワキ抵抗性を示し、且つ塗面の平滑性
がよい。
従来の水性中塗り塗料がワキ対策のため必要とした予
備加熱は、タレ抵抗性を低下させ、そのタレ抵抗性対策
のため必要とした塗料への構造粘性付与の技術は、中塗
り塗面の平滑性を低下させるといった悪循環は、本発明
塗料により一掃され、ワキやタレなどの発生が抑制さ
れ、かつ平滑性のすぐれたバランスの良いものとなっ
た。また、上塗鮮映性、層間付着性、耐ピッチング性等
においても、汎用の有機溶剤型中塗り塗料と比べ全く遜
色のないものである。
実 施 例 以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。各例中、部および%は原則と
して重量に基づく。
I(A)成分の製造例 エチレングリコール19.6部、トリメチロールプロパ
ン18.5部および無水フタル酸46.7部を160〜230℃で7時
間反応させてなるポリエステル樹脂にトリレンジイソシ
アネート15.7部を120℃で反応させたのち、さらに無水
トリメリット酸5.2部を加えて180℃で1時間反応させて
数平均分子量が2000、酸価が40および水酸基価が112の
ウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。これを、ジメチ
ルエタノールアミンで当量中和して、ウレタン変性ポリ
エステル樹脂とした。尚、ポリイソシアネートの使用
量はポリエステル樹脂に対して17重量%である。
エチレングリコール19.3部、トリメチロールプロパ
ン18.2部および無水フタル酸46.2部を160〜230℃で7時
間反応させてなるポリエステル樹脂にキシリレンジイソ
シアネート16.8部を120℃で反応させたのち、さらに無
水トリメリット酸5.1部を加えて180℃で1時間反応させ
て数平均分子量が2100、酸価が40および水酸基価が110
のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。これを、ジエ
タノールアミンで当量中和して、ウレタン変性ポリエス
テル樹脂とした。尚、ポリイソシアネートの使用量は
ポリエステル樹脂に対して18重量%である。
エチレングリコール27.7部、グリセリン10.3部およ
び無水フタル酸50.0部を160〜230℃で7時間反応させて
なるポリエステル樹脂にトリレンジイソシアネート9.7
部を120℃で反応させたのち、さらに無水フタル酸8.3部
を加えて160℃で3時間反応させて数平均分子量が150
0、酸価が50および水酸基価が220のウレタン変性ポリエ
ステル樹脂を得た。これを、トリエタノールアミンで当
量中和して、ウレタン変性ポリエステル樹脂とした。
尚、ポリイソシアネートの使用量はポリエステル樹脂に
対して10重量%である。
II実施例1〜3および比較例1〜3 第1表に示した組成により、水性中塗り塗料を得た。
顔料としては、(A)、(B)及び(C)成分の合計
固形分100部あたり、酸化チタン白80部、硫酸バリウム2
0部およびカーボンブラック0.3部を配合した。
これら顔料は、(A)成分の一部及び脱イオン水、消
泡剤と一緒に容器に仕込み、ガラスビースを分散メジア
として1時間かけて、ツブゲージで測定した粒子(ツ
ブ)が5μm以下になるよう分散した。
(*1)(A)成分名称。
、およびは前記製造例で得たもの。
(*2)(B)成分名称。
(B−1):「サイメル703」(三井サイアナミド
(株)製品、イミノ基含有メラミン樹脂) (B−2):「サイメル370」(三井サイアナミド
(株)製品、一部エーテル化メチロールメラミン樹脂、
イミノ基含まず) (*3)(C)成分名称 (C−1):シクロヘキサンジメタノールとコハク酸、
グルタル酸、アジピン酸の二塩基酸ジエステル混合物と
を用いてなり、両末端に1級水酸基を有するポリエステ
ルジオールで、数平均分子量が435、水酸基価が230。
(C−2):シクロヘキサンジメタノールとアジピン酸
とを用いてなり、両末端に1級水酸基を有するポリエス
テルジオールで、数平均分子量が440、水酸基価が235。
(*4)(D)成分名称 (D−1):ベンゾインエチルエーテル、 (*5)有機溶剤:ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル。これの配合量は、(A)成分、(B)成分およ
び(C)成分の合計固形分100重量部あたりである。
III性能試験結果 下記第2表に示す。
試験方法は、次の通りである。
(*7)ワキ限界膜厚 約10cm×45cmの鋼板に、水性中塗り塗料を、薄膜部で
約30μm、厚膜部で約70μmになるようスプレー塗装で
膜厚傾斜塗装し、塗装ブース(20〜25℃の温度で、70〜
75%RHに調湿)にて塗板を10分間、水平に保持した後、
150℃の乾燥機で焼付硬化させる。このときに、ワキの
塗装欠陥のない、最大膜厚をもってワキ限界膜厚とす
る。
(*8)タレ限界膜厚 (*7)と同サイズの鋼板に、長辺にそって直径10mm
の穴を、4cm間隔で空けたものを用いる。塗装は、(*
7)と同様に行う。塗装直後より、セッティング時及び
焼付け時共に、塗板は垂直に保持する(穴が横に並ぶ様
に)。このときの穴の周辺のタレ欠陥のない最大膜厚を
もってタレ限界膜厚とする。
(*9)中塗り塗膜硬度 20℃の恒温室で、American Chain & Cable Company
製のTUKON microhardness testerにて測定した。数値が
大きくなるに従って硬質になる。
(*10)オーバーベイク付着性 表面処理鋼板に電着塗装し、次いで中塗り塗料を塗装
し(膜厚45μm)、150℃で30分間焼付硬化した後、さ
らに中塗り塗膜を160℃で1時間、空焼きし、冷却後直
ちにその上に上塗り塗料(関西ペイント(株)製「アラ
ミック」黒エナメル)を塗装し、140℃で30分間、焼付
硬化させた。この塗膜をクロスカット−粘着セロハンテ
ープ試験で塗膜のハガレの程度を調べた。○ははがれな
しを、△は少しはがれたことを示す。
(*11)上塗り塗装系 (*10)と同じ工程で水性中塗り塗料を40±5μm塗
装し、150℃で30分間焼付硬化した中塗り塗膜の上に
(研磨等無しで)、上塗り塗料(関西ペイント(株)製
「アラミック」黒エナメル)を30〜40μm塗装し、140
℃で30分間焼付硬化させた塗膜に基いて試験した。
(*12)鮮映性 写像性測定器〔IMAGE CLARITY METER:スガ試験機
(株)製〕で測定。表中の数字はICM値で0〜100%の範
囲の値をとり、数値の大きい方が鮮映性(写像性)がよ
く、ICM値が85以上であれば鮮映性がすぐれていること
を示す。
(*13)耐チッピング性 飛石試験機(スガ試験機(株)、JA−400型)を使
用。同試験機の試料ホルダーに塗装試験板を垂直にとり
つけ50gの7号砕石を、同試験機の圧力計で4kg/cm2の空
気圧で噴射し、砕石を試験板に対し直角に衝突させる。
その時のハガレ傷の程度を良好(○)〜劣る(×)の5
段階で判定した。
(*14)付着性 ゴバン目(1×1mm100個)セロハン粘着テープテスト
によった。○は、はがれなしを示す。
(*15)耐湿性 温度50℃、相対湿度98〜100%RHのブリスターボック
スに、5日間放置後とり出し、フクレの有無を調べた。
○は、フクレなしを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)酸価が10〜100、水酸基価が20〜300
    で、且つ数平均分子量が800〜10,000のポリエステル樹
    脂、 (B)水性アミノ樹脂、 (C)シクロヘキサンジメタノールと脂肪族飽和二塩基
    酸とからなり両末端に1級水酸基を含有する数平均分子
    量が300〜800未満の線状低分子量ポリエステルジオー
    ル、及び (D)アルキルエーテル化ベンゾイン を主成分とすることを特徴とする水性中塗り塗料。
JP21132390A 1990-08-08 1990-08-08 水性中塗り塗料 Expired - Lifetime JP2883960B2 (ja)

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