JP2876868B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents
車両用自動変速機の変速制御装置Info
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- JP2876868B2 JP2876868B2 JP4032353A JP3235392A JP2876868B2 JP 2876868 B2 JP2876868 B2 JP 2876868B2 JP 4032353 A JP4032353 A JP 4032353A JP 3235392 A JP3235392 A JP 3235392A JP 2876868 B2 JP2876868 B2 JP 2876868B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の変
速制御装置に関し、特に、雪道等の低μ路における変速
制御装置に関する。
速制御装置に関し、特に、雪道等の低μ路における変速
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその解決すべき課題】従来の車両用
自動変速機は、スロットル開度(エンジン負荷)と車速
とに応じて予めシフトパターンを設定しておき、このシ
フトパターンを使用して検出したスロットル開度と車速
とに応じて変速段を設定し、変速シフトを自動的に実行
している。従来の自動変速制御方法は、市街走行のよう
な平坦路での変速シフトには特に大きな問題はなく、変
速もスムーズで違和感がない。しかし、山間での走行に
は、直線の登坂路もあれば頻繁に屈曲する登坂路もあ
り、強いエンジンブレーキを必要とする下り坂もあれ
ば、緩やかな長い下り坂もある。そして、下り坂で急加
速をし、コーナ突入直前で強いブレーキング操作を行な
う運転者もいる。このような山間走行時において、車両
運転状態、運転者の運転意図、道路状態等に最適な変速
段を選択することはなかなか難しく、山間走行時におい
ても運転操作が簡単で、車両の運動性能がよく、より好
ましい運転フィーリングを得ることが要請されている。
自動変速機は、スロットル開度(エンジン負荷)と車速
とに応じて予めシフトパターンを設定しておき、このシ
フトパターンを使用して検出したスロットル開度と車速
とに応じて変速段を設定し、変速シフトを自動的に実行
している。従来の自動変速制御方法は、市街走行のよう
な平坦路での変速シフトには特に大きな問題はなく、変
速もスムーズで違和感がない。しかし、山間での走行に
は、直線の登坂路もあれば頻繁に屈曲する登坂路もあ
り、強いエンジンブレーキを必要とする下り坂もあれ
ば、緩やかな長い下り坂もある。そして、下り坂で急加
速をし、コーナ突入直前で強いブレーキング操作を行な
う運転者もいる。このような山間走行時において、車両
運転状態、運転者の運転意図、道路状態等に最適な変速
段を選択することはなかなか難しく、山間走行時におい
ても運転操作が簡単で、車両の運動性能がよく、より好
ましい運転フィーリングを得ることが要請されている。
【0003】このような要請に対して、所謂「ファジィ
制御」を行なって、上述の車両運転状態等に応じた最適
の変速段を選択する変速制御方法が、例えば、特開平63
-246546 号公報、特開平02-3738 号公報等により知られ
ている。これらの従来の変速制御方法は、市街走行およ
び山間走行の全てのシフト位置をファジィ推論で推定し
て最適な変速段を決定しようとするものである。このた
め、従来の「ファジィ制御」による変速制御方法は、ル
ール数が多く、メンバシップ関数の形状が複雑になる等
の欠点を備えており、実用に供するには大容量のコンピ
ュータを必要とする。そして、ルール数が多く、メンバ
シップ関数の形状が複雑であるために、チューニングが
難しく、従って、多機種への展開も難しいという問題が
ある。
制御」を行なって、上述の車両運転状態等に応じた最適
の変速段を選択する変速制御方法が、例えば、特開平63
-246546 号公報、特開平02-3738 号公報等により知られ
ている。これらの従来の変速制御方法は、市街走行およ
び山間走行の全てのシフト位置をファジィ推論で推定し
て最適な変速段を決定しようとするものである。このた
め、従来の「ファジィ制御」による変速制御方法は、ル
ール数が多く、メンバシップ関数の形状が複雑になる等
の欠点を備えており、実用に供するには大容量のコンピ
ュータを必要とする。そして、ルール数が多く、メンバ
シップ関数の形状が複雑であるために、チューニングが
難しく、従って、多機種への展開も難しいという問題が
ある。
【0004】また、「ファジィ制御」による変速制御方
法を新たに採用すると、従来の自動変速制御方法により
市街走行等の通常の平坦路の走行に慣れ親しんでいる運
転者に、従来変速シフトが起こらないような状況の下
で、小突起を乗り越したり、少しのアクセルの踏込み等
の、小さい運転状態の変化により変速シフトが実行され
て違和感を与えるという問題が生じる。
法を新たに採用すると、従来の自動変速制御方法により
市街走行等の通常の平坦路の走行に慣れ親しんでいる運
転者に、従来変速シフトが起こらないような状況の下
で、小突起を乗り越したり、少しのアクセルの踏込み等
の、小さい運転状態の変化により変速シフトが実行され
て違和感を与えるという問題が生じる。
【0005】一方、特開平2-212655号公報では、車両の
走行状態を表す各種パラメータを検出し、この検出信号
と予め設定されたメンバシップ関数とに基づいてファジ
ィ推論を行って走行抵抗の大きさの度合いを評価し、走
行抵抗値が所定値より大きい場合に、通常走行用変速マ
ップに代えて高負荷走行用変速マップを選択し、この高
負荷走行用変速マップにより変速段を決定する変速制御
方法が提案されている。しかしがら、この提案の変速制
御方法では、直線登坂路も頻繁に屈曲する登坂路も同じ
変速マップを使用することになり、上述した山間の種々
の道路状況や運転意図等に対して木目の細かい変速制御
が充分にできないという問題がある。
走行状態を表す各種パラメータを検出し、この検出信号
と予め設定されたメンバシップ関数とに基づいてファジ
ィ推論を行って走行抵抗の大きさの度合いを評価し、走
行抵抗値が所定値より大きい場合に、通常走行用変速マ
ップに代えて高負荷走行用変速マップを選択し、この高
負荷走行用変速マップにより変速段を決定する変速制御
方法が提案されている。しかしがら、この提案の変速制
御方法では、直線登坂路も頻繁に屈曲する登坂路も同じ
変速マップを使用することになり、上述した山間の種々
の道路状況や運転意図等に対して木目の細かい変速制御
が充分にできないという問題がある。
【0006】更に、摩擦抵抗係数μの小さい雪道等にお
いては、車両の挙動が、小突起乗り越し等の少しの外乱
や駆動力変化、ブレーキ操作等により変化し易い。従っ
て、雪道等の低μ路においては、出来る限り駆動力変化
の小さい変速段を選択してスリップを防止し、安定した
走行が出来ることが要請される。本発明は、このような
問題点を鑑みてなされたもので、雪道等の摩擦抵抗係数
μの低い道路において、車両を容易に発進させ、スリッ
プの防止を図った車両用自動変速機の変速制御装置を提
供することである。
いては、車両の挙動が、小突起乗り越し等の少しの外乱
や駆動力変化、ブレーキ操作等により変化し易い。従っ
て、雪道等の低μ路においては、出来る限り駆動力変化
の小さい変速段を選択してスリップを防止し、安定した
走行が出来ることが要請される。本発明は、このような
問題点を鑑みてなされたもので、雪道等の摩擦抵抗係数
μの低い道路において、車両を容易に発進させ、スリッ
プの防止を図った車両用自動変速機の変速制御装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明によれば、最低速段を含む複数の変速段
を有する車両用自動変速機の変速制御装置において、路
面の摩擦抵抗に関連するパラメータ値を所定周期ごとに
検出する摩擦抵抗検出手段と、摩擦抵抗が小さいことを
示す低摩擦領域に位置する上記パラメータ値の所定時間
における発生割合を検出し、この発生割合が所定値以上
のときに低摩擦路面であると判定する低摩擦路面判定手
段と、低摩擦路面と判定されたときに、上記最低速段へ
の変速シフトを禁止する変速禁止手段とを有することを
特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置が提供され
る。
ために、本発明によれば、最低速段を含む複数の変速段
を有する車両用自動変速機の変速制御装置において、路
面の摩擦抵抗に関連するパラメータ値を所定周期ごとに
検出する摩擦抵抗検出手段と、摩擦抵抗が小さいことを
示す低摩擦領域に位置する上記パラメータ値の所定時間
における発生割合を検出し、この発生割合が所定値以上
のときに低摩擦路面であると判定する低摩擦路面判定手
段と、低摩擦路面と判定されたときに、上記最低速段へ
の変速シフトを禁止する変速禁止手段とを有することを
特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置が提供され
る。
【0008】本発明は、車両の発進時に好適に適用する
ことができ、低摩擦路面と判定されたとき、車両の発進
時に、前記少なくとも最低速段での発進を禁止するのが
よい。そして、好ましくは、低摩擦路面判定手段の判定
結果を記憶する不揮発性の記憶装置を有し、変速禁止手
段が、上記記憶装置に低摩擦路面であると記憶されてい
る場合には最低速段への変速シフトを禁止することが望
ましい。
ことができ、低摩擦路面と判定されたとき、車両の発進
時に、前記少なくとも最低速段での発進を禁止するのが
よい。そして、好ましくは、低摩擦路面判定手段の判定
結果を記憶する不揮発性の記憶装置を有し、変速禁止手
段が、上記記憶装置に低摩擦路面であると記憶されてい
る場合には最低速段への変速シフトを禁止することが望
ましい。
【0009】好ましくは、車両の走行時に検出される、
摩擦抵抗に関連するパラメータ値を記憶し、低μ路に対
応する第1の所定値以下のパラメータ値が検出された頻
度の和が第2の所定値以上であるとき、路面の摩擦抵抗
を小であると判定するのがよい。また、前記頻度の和が
前記第2の所定値以下の値に低下したとき、頻度の和が
前記第2の所定値を横切って低下した時点から第1の所
定時間が経過するまで、路面の摩擦抵抗が小であると判
定するようにしてもよい。
摩擦抵抗に関連するパラメータ値を記憶し、低μ路に対
応する第1の所定値以下のパラメータ値が検出された頻
度の和が第2の所定値以上であるとき、路面の摩擦抵抗
を小であると判定するのがよい。また、前記頻度の和が
前記第2の所定値以下の値に低下したとき、頻度の和が
前記第2の所定値を横切って低下した時点から第1の所
定時間が経過するまで、路面の摩擦抵抗が小であると判
定するようにしてもよい。
【0010】更に好ましくは、車両の走行時の所定期間
に路面の摩擦抵抗が小であると判定される時間割合が所
定値以上であるとき、車両の再発進時に少なくとも最低
速段での発進を禁止するのがよい。更に好ましくは、ハ
ンドル角、車速、およびハンドル操作時に車両に作用す
るコーナリングフォースに比例する油圧を発生させ、該
油圧によって操舵力を補助する操舵装置の油圧を検出
し、これらの検出値から前記路面の摩擦抵抗値を検出す
るようにしてもよい。
に路面の摩擦抵抗が小であると判定される時間割合が所
定値以上であるとき、車両の再発進時に少なくとも最低
速段での発進を禁止するのがよい。更に好ましくは、ハ
ンドル角、車速、およびハンドル操作時に車両に作用す
るコーナリングフォースに比例する油圧を発生させ、該
油圧によって操舵力を補助する操舵装置の油圧を検出
し、これらの検出値から前記路面の摩擦抵抗値を検出す
るようにしてもよい。
【0011】
【作用】路面の摩擦抵抗が小であると判定されるような
路面状態における走行時、或いは発進時に、ギア比の大
きい低速段を選択すると、僅かなアクセル開度の変化で
駆動力が大きく変化し、タイヤがスリップし易くなる。
そこで、路面の摩擦抵抗が小であると判定された場合に
は、少なくとも最低速段へのシフト操作を禁止して、こ
のような不都合を回避する。
路面状態における走行時、或いは発進時に、ギア比の大
きい低速段を選択すると、僅かなアクセル開度の変化で
駆動力が大きく変化し、タイヤがスリップし易くなる。
そこで、路面の摩擦抵抗が小であると判定された場合に
は、少なくとも最低速段へのシフト操作を禁止して、こ
のような不都合を回避する。
【0012】
【実施例】本発明の基本概念 実施例の説明に先立ち、本発明の基本的な概念を図1を
参照して説明すると、変速制御モードを、例えば5つの
モードに分け、市街地等の平坦走行路用に使用するノー
マルモード(MODE0)、山間の頻繁に屈曲する上り
坂で使用する登坂コーナモード(MODE1)、緩い下
り坂で弱いエンジンブレーキを必要とする走行路で使用
する降坂弱エンジンブレーキモード(MODE2)、急
な下り坂、或いは屈曲度の大きい下り坂で強いエンジン
ブレーキを必要する走行路で使用する降坂強エンジンブ
レーキモード(MODE3)、長い直線の上り坂で使用
する直線登坂路モード(MODE4)の各制御モードが
準備されている。
参照して説明すると、変速制御モードを、例えば5つの
モードに分け、市街地等の平坦走行路用に使用するノー
マルモード(MODE0)、山間の頻繁に屈曲する上り
坂で使用する登坂コーナモード(MODE1)、緩い下
り坂で弱いエンジンブレーキを必要とする走行路で使用
する降坂弱エンジンブレーキモード(MODE2)、急
な下り坂、或いは屈曲度の大きい下り坂で強いエンジン
ブレーキを必要する走行路で使用する降坂強エンジンブ
レーキモード(MODE3)、長い直線の上り坂で使用
する直線登坂路モード(MODE4)の各制御モードが
準備されている。
【0013】ノーマルモード0では、市街地等の平坦路
走行用のシフトパターンが予め準備されおり、この平坦
路走行用のシフトパターンを使用し、アクセル開度(エ
ンジン負荷)と車速とに応じて最適な変速段を設定する
方法は、従来の変速制御方法と何ら変わるところがな
い。そして、このモード0が選択されると、別途準備さ
れている変速制御プログラムにより変速段が設定され
る。
走行用のシフトパターンが予め準備されおり、この平坦
路走行用のシフトパターンを使用し、アクセル開度(エ
ンジン負荷)と車速とに応じて最適な変速段を設定する
方法は、従来の変速制御方法と何ら変わるところがな
い。そして、このモード0が選択されると、別途準備さ
れている変速制御プログラムにより変速段が設定され
る。
【0014】登坂コーナモード1では、登坂屈曲路走行
用に、平坦路走行用シフトパターンとは別のシフトパタ
ーンが準備されており(詳細は後述する)、コーナ突入
時にアクセル開度を戻しても、シフトアップの変速シフ
トが起こり難いようなシフトパターンに設定され、シフ
トハンチングが防止される。降坂弱エンジンブレーキモ
ード2および降坂強エンジンブレーキモード3では、強
制的に3速段、2速段がそれぞれ設定され、適度なエン
ジンブレーキを自動で効かし、下り坂のコーナ部でのオ
ーバースピード進入を防止すると共に、ブレーキ操作を
減少させる。
用に、平坦路走行用シフトパターンとは別のシフトパタ
ーンが準備されており(詳細は後述する)、コーナ突入
時にアクセル開度を戻しても、シフトアップの変速シフ
トが起こり難いようなシフトパターンに設定され、シフ
トハンチングが防止される。降坂弱エンジンブレーキモ
ード2および降坂強エンジンブレーキモード3では、強
制的に3速段、2速段がそれぞれ設定され、適度なエン
ジンブレーキを自動で効かし、下り坂のコーナ部でのオ
ーバースピード進入を防止すると共に、ブレーキ操作を
減少させる。
【0015】直線登坂路モード4では、現在のシフト位
置から1段低い変速段に設定され、必要な駆動力が確保
される。この直線登坂路モード4では、自動的にシフト
ダウン操作が行なわれるので、必要な駆動力が確保さ
れ、シフトハンチングが防止される。このモード4によ
る変速制御は、特に小排気量の車両で有効である。本発
明の変速制御方法では、これらの制御モードは、車両運
転状態、運転者の運転意図、および道路状態を表す各種
ファジィ入力変数と、メンバシップ関数(クリプス集合
とする)とに基づいてファジィ推論を行って選択され、
選択された制御モードに基づいてファジィシフト位置が
設定される。従って、市街走行および山間走行の全ての
シフト位置を直接ファジィ推論で推定して変速段を設定
するものでないから、制御モードを選択するためのルー
ル数も少なくて済み、メンバシップ関数も簡単になる。
置から1段低い変速段に設定され、必要な駆動力が確保
される。この直線登坂路モード4では、自動的にシフト
ダウン操作が行なわれるので、必要な駆動力が確保さ
れ、シフトハンチングが防止される。このモード4によ
る変速制御は、特に小排気量の車両で有効である。本発
明の変速制御方法では、これらの制御モードは、車両運
転状態、運転者の運転意図、および道路状態を表す各種
ファジィ入力変数と、メンバシップ関数(クリプス集合
とする)とに基づいてファジィ推論を行って選択され、
選択された制御モードに基づいてファジィシフト位置が
設定される。従って、市街走行および山間走行の全ての
シフト位置を直接ファジィ推論で推定して変速段を設定
するものでないから、制御モードを選択するためのルー
ル数も少なくて済み、メンバシップ関数も簡単になる。
【0016】なお、図1に示す、制御モード間の矢印
は、詳細は後述するが、現在の制御モードから切り換え
られることができる制御モードの方向を示している。例
えば、現在のモードが登坂コーナモード(MODE1)
であるとすると、このモード1からノーマルモード0に
戻ることが出来ると共に、降坂弱エンジンブレーキモー
ド2に直接切り換えることができるが、直線登坂路モー
ド4には直接切り換えることはできない。ノーマルモー
ド0からモード3の降坂強エンジンブレーキモードには
直接切り換えることが出来ず、必ずモード2を経由して
切り換えなければならない。
は、詳細は後述するが、現在の制御モードから切り換え
られることができる制御モードの方向を示している。例
えば、現在のモードが登坂コーナモード(MODE1)
であるとすると、このモード1からノーマルモード0に
戻ることが出来ると共に、降坂弱エンジンブレーキモー
ド2に直接切り換えることができるが、直線登坂路モー
ド4には直接切り換えることはできない。ノーマルモー
ド0からモード3の降坂強エンジンブレーキモードには
直接切り換えることが出来ず、必ずモード2を経由して
切り換えなければならない。
【0017】自動変速機の変速制御装置のハード構成 図2は、本発明方法が適用される自動変速機の変速制御
装置の概略を示し、車両に搭載される内燃エンジン(E
/G)1の出力側には、トルクコンバータ2を介して歯
車変速機(T/M)3が接続されている。この変速機3
は、例えば、前進4段後進1段の変速段を有し、図示し
ないブレーキやクラッチを係合または係合解除すること
により所望の変速段を確立することができる。変速制御
装置には作動油圧制御装置4を備えており、後述する電
子制御装置(ECU)5からの制御信号に応答して前述
したブレーキやクラッチに供給される作動油圧を制御す
る。なお、本発明方法が適用される変速機や作動油圧制
御装置は、その形式や変速シフトのための油圧制御等は
種々のものが考えられ、特に限定されるものではない。
装置の概略を示し、車両に搭載される内燃エンジン(E
/G)1の出力側には、トルクコンバータ2を介して歯
車変速機(T/M)3が接続されている。この変速機3
は、例えば、前進4段後進1段の変速段を有し、図示し
ないブレーキやクラッチを係合または係合解除すること
により所望の変速段を確立することができる。変速制御
装置には作動油圧制御装置4を備えており、後述する電
子制御装置(ECU)5からの制御信号に応答して前述
したブレーキやクラッチに供給される作動油圧を制御す
る。なお、本発明方法が適用される変速機や作動油圧制
御装置は、その形式や変速シフトのための油圧制御等は
種々のものが考えられ、特に限定されるものではない。
【0018】電子制御装置5は、車両運転状態等に最適
の変速段を設定し、前述した作動油圧制御装置4に設定
した変速段に対応する制御信号を出力するものである。
電子制御装置5の出力側には作動油圧制御装置4が接続
され、入力側には図示しない種々のセンサが接続されて
いる。これらのセンサは、電子制御装置5に運転者の運
転意図、エンジン1を含む車両の作動状態、および道路
状態に関連する検出信号を供給する。
の変速段を設定し、前述した作動油圧制御装置4に設定
した変速段に対応する制御信号を出力するものである。
電子制御装置5の出力側には作動油圧制御装置4が接続
され、入力側には図示しない種々のセンサが接続されて
いる。これらのセンサは、電子制御装置5に運転者の運
転意図、エンジン1を含む車両の作動状態、および道路
状態に関連する検出信号を供給する。
【0019】これらの入力信号(入力変数)としては、
アクセルポジションセンサ10が検出する、運転者のア
クセルペタル踏込量、すなわち、アクセルポジション
(開度)APS、シフトポジションセンサ12が検出す
る、シフトレバーのシフトポジションSPOS、4速段
を選択するODスイッチ14のオンオフ信号OD、運転
者のブレーキペタルの踏込みによりオンオフするブレー
キスィッチ16のオンオフ信号BRK、車輪速センサ1
8により検出され、車速V0 や車両に作用する前後加速
度Gx を演算するための車輪速度信号、エンジン回転数
センサ20により検出される、エンジン1のエンジン回
転数信号Ne、吸気量センサ22が検出する単位時間当
たりの空気流量とエンジン回転数Neとから演算され
る、エンジン1の1吸気行程当たりの吸気量信号A/
N、タービン回転数センサ24が検出する、トルクコン
バータ2のタービン回転数と、エンジン回転数Neとか
ら演算されるトルコン速度比(スリップ率)e、電子制
御装置5から作動油圧制御装置4に出力されている指令
変速段信号SHIF0、モード0のシフトパターンから
判別されるマップ上の演算変速段信号SHIF1、ハン
ドル角センサ28により検出され、運転者のハンドル操
作量を示すハンドル角信号θw、パワーステアリング圧
センサ28により検出され、前輪操舵アクチュエータの
左右の圧力室(図示せず)の圧力差として求められるパ
ワーステアリング圧信号PST等が含まれる。
アクセルポジションセンサ10が検出する、運転者のア
クセルペタル踏込量、すなわち、アクセルポジション
(開度)APS、シフトポジションセンサ12が検出す
る、シフトレバーのシフトポジションSPOS、4速段
を選択するODスイッチ14のオンオフ信号OD、運転
者のブレーキペタルの踏込みによりオンオフするブレー
キスィッチ16のオンオフ信号BRK、車輪速センサ1
8により検出され、車速V0 や車両に作用する前後加速
度Gx を演算するための車輪速度信号、エンジン回転数
センサ20により検出される、エンジン1のエンジン回
転数信号Ne、吸気量センサ22が検出する単位時間当
たりの空気流量とエンジン回転数Neとから演算され
る、エンジン1の1吸気行程当たりの吸気量信号A/
N、タービン回転数センサ24が検出する、トルクコン
バータ2のタービン回転数と、エンジン回転数Neとか
ら演算されるトルコン速度比(スリップ率)e、電子制
御装置5から作動油圧制御装置4に出力されている指令
変速段信号SHIF0、モード0のシフトパターンから
判別されるマップ上の演算変速段信号SHIF1、ハン
ドル角センサ28により検出され、運転者のハンドル操
作量を示すハンドル角信号θw、パワーステアリング圧
センサ28により検出され、前輪操舵アクチュエータの
左右の圧力室(図示せず)の圧力差として求められるパ
ワーステアリング圧信号PST等が含まれる。
【0020】上述の種々のセンサからの情報は、変速制
御のために特別に設けたセンサにより検出するようにし
てもよいが、そのようにしなくても、それらの多くの情
報は、エンジン1に所要量の燃料を噴射供給する燃料供
給制御、制動時のアンチロックブレーキング制御(AB
S制御)、エンジン1の出力を制御するトラクションコ
ントロール等でも必要であるので、それらの制御装置か
ら必要な情報を得るようにしてもよい。
御のために特別に設けたセンサにより検出するようにし
てもよいが、そのようにしなくても、それらの多くの情
報は、エンジン1に所要量の燃料を噴射供給する燃料供
給制御、制動時のアンチロックブレーキング制御(AB
S制御)、エンジン1の出力を制御するトラクションコ
ントロール等でも必要であるので、それらの制御装置か
ら必要な情報を得るようにしてもよい。
【0021】電子制御装置5は、入出力装置5A,5
B、記憶装置5C、中央演算処理装置(CPU)5D、
カウンタ装置5E等から構成され、入力装置5Aは、上
述した種々のセンサからの検出信号を取り込み、フィル
タリング、増幅、A/D変換等を行なう一方、出力装置
5Bは、中央演算処理装置5Dで演算した結果に基づい
て、前述の制御信号を作動油圧制御装置4に出力する。
記憶装置5Cは、通常のRAMやROMの他に、バッテ
リーでバックアップされ、キースイッチ(図示せず)を
オフにしても記憶内容が保持される不揮発性のRAMに
より構成される。中央演算処理装置5Dは、記憶装置5
Cに記憶されている変速制御プログラムに従って、車両
運転状態、運転者の運転意図、道路状態等を判断して制
御モードを決定し、決定した制御モードに基づいて確立
すべき変速段を演算するもので、その詳細は後述する。
B、記憶装置5C、中央演算処理装置(CPU)5D、
カウンタ装置5E等から構成され、入力装置5Aは、上
述した種々のセンサからの検出信号を取り込み、フィル
タリング、増幅、A/D変換等を行なう一方、出力装置
5Bは、中央演算処理装置5Dで演算した結果に基づい
て、前述の制御信号を作動油圧制御装置4に出力する。
記憶装置5Cは、通常のRAMやROMの他に、バッテ
リーでバックアップされ、キースイッチ(図示せず)を
オフにしても記憶内容が保持される不揮発性のRAMに
より構成される。中央演算処理装置5Dは、記憶装置5
Cに記憶されている変速制御プログラムに従って、車両
運転状態、運転者の運転意図、道路状態等を判断して制
御モードを決定し、決定した制御モードに基づいて確立
すべき変速段を演算するもので、その詳細は後述する。
【0022】変速制御プログラム 次に、上述した変速制御装置においてファジィ変速位置
を演算し、その演算結果に基づいてファジィ変速制御を
行なう手順を、図3以下に示すフローチャートを参照し
て説明する。なお、ファジィ変速制御によりノーマルモ
ード0が選択された場合には、このノーマルモード0に
よる変速制御は、別途準備されているノーマルモード用
変速制御プログラムにより実行される。
を演算し、その演算結果に基づいてファジィ変速制御を
行なう手順を、図3以下に示すフローチャートを参照し
て説明する。なお、ファジィ変速制御によりノーマルモ
ード0が選択された場合には、このノーマルモード0に
よる変速制御は、別途準備されているノーマルモード用
変速制御プログラムにより実行される。
【0023】メインルーチン 先ず、図3に示すファジィ変速制御プログラムのメイン
ルーチン(ゼネラルフロー)から説明する。このプログ
ラムは、制御変数値や種々の記憶値が初期値に設定され
るイニシャル処理ルーチン、各種センサ等から入力変数
の入力および演算を行なうルーチン、入力または演算し
た入力変数からファジィ入力変数を演算するルーチン、
入力変数から種々のファジィ入力スイッチの値を設定す
るルーチン、ファジィルールが成立したか否かを判別す
るルーチン、現在実行されている制御モードに応じて準
備され、成立したファジィルールに基づきファジィシフ
ト位置を設定するためのルーチン、設定されたファジィ
シフト位置等に基づき、シフト位置を出力するルーチン
から構成される。
ルーチン(ゼネラルフロー)から説明する。このプログ
ラムは、制御変数値や種々の記憶値が初期値に設定され
るイニシャル処理ルーチン、各種センサ等から入力変数
の入力および演算を行なうルーチン、入力または演算し
た入力変数からファジィ入力変数を演算するルーチン、
入力変数から種々のファジィ入力スイッチの値を設定す
るルーチン、ファジィルールが成立したか否かを判別す
るルーチン、現在実行されている制御モードに応じて準
備され、成立したファジィルールに基づきファジィシフ
ト位置を設定するためのルーチン、設定されたファジィ
シフト位置等に基づき、シフト位置を出力するルーチン
から構成される。
【0024】イニシャル処理ルーチンは、このメインプ
ログラムが実行される最初の1回だけ、例えば、イグニ
ッションキースイッチ(図示せず)がオンにされた直後
に1回だけ実行される。そして、このイニシャル処理ル
ーチンの実行が終了すると、以後、後続の各ルーチンが
所定の周期(例えば、50msec)で繰り返し実行されるこ
とになる。
ログラムが実行される最初の1回だけ、例えば、イグニ
ッションキースイッチ(図示せず)がオンにされた直後
に1回だけ実行される。そして、このイニシャル処理ル
ーチンの実行が終了すると、以後、後続の各ルーチンが
所定の周期(例えば、50msec)で繰り返し実行されるこ
とになる。
【0025】入力変数の入力・演算ルーチン このルーチンは、前述した各種センサ、あるいは燃料制
御装置等から変速制御に必要な入力変数を入力する。入
力変数には、センサから直接入力した検出信号をフィル
タリングやA/D変換するだけで良いものもあるが、入
力した別の入力変数から演算により求めるものもある。
また、必要に応じ入力変数値に上下限値を設け、上下限
値の範囲を超えるものには、それらの上下限値に制限し
ている。変速制御に必要な入力変数は、表1に示され
る。
御装置等から変速制御に必要な入力変数を入力する。入
力変数には、センサから直接入力した検出信号をフィル
タリングやA/D変換するだけで良いものもあるが、入
力した別の入力変数から演算により求めるものもある。
また、必要に応じ入力変数値に上下限値を設け、上下限
値の範囲を超えるものには、それらの上下限値に制限し
ている。変速制御に必要な入力変数は、表1に示され
る。
【0026】
【表1】 表1に示される入力変数の内の2,3のものについて以
下に説明すと、車速V0 は、車輪速センサ18が検出す
る車輪速から演算される。変速制御の場合、各車輪のス
リップ量を殆ど考慮する必要がないので、車速V0 は、
各輪の車輪速の平均値から演算してもよいし、各輪の車
輪速の内の一つの値から演算してもよい。また、車輪速
から求めるのでなく、変速機の出力軸の回転数から演算
するようにしてもよい。前後加速度Gx は、車速V0 の
時間変化から演算して求められる。この前後加速度Gx
の検出精度は、後述する重量・勾配抵抗値の演算精度に
大きく影響するので、充分なフィルタ処理をしてノイズ
を除去する必要がある。
下に説明すと、車速V0 は、車輪速センサ18が検出す
る車輪速から演算される。変速制御の場合、各車輪のス
リップ量を殆ど考慮する必要がないので、車速V0 は、
各輪の車輪速の平均値から演算してもよいし、各輪の車
輪速の内の一つの値から演算してもよい。また、車輪速
から求めるのでなく、変速機の出力軸の回転数から演算
するようにしてもよい。前後加速度Gx は、車速V0 の
時間変化から演算して求められる。この前後加速度Gx
の検出精度は、後述する重量・勾配抵抗値の演算精度に
大きく影響するので、充分なフィルタ処理をしてノイズ
を除去する必要がある。
【0027】ハンドル角θwは、その絶対値が所定上限
値(例えば、360°)を超える場合には、その上限値
に、下限値(例えば、10°)以下の場合には、0°に
設定される。横加速度Gy は、車速V0 が所定値(例え
ば、10km/hr)以下の場合には、値0に、所定上限値を
超える場合には、その上限値に規制される。横加速度G
y は、次式(A1)に基づき演算される。 Gy =(θw/ρ)/{Lw ・(A+1/V0 2 )}×C1 …(A1) ここに、ρはハンドル等価ギア比、Lw はホィールベー
ス(m)、Aはスタビリティファクタ、C1は定数であ
る。なお、横加速度Gy は、本実施例では上式(A1)によ
り車速V0 とハンドル角θwに基づき演算されるが、加
速度センサを車体に取り付けてこのセンサにより直接検
出するようにしてもよい。
値(例えば、360°)を超える場合には、その上限値
に、下限値(例えば、10°)以下の場合には、0°に
設定される。横加速度Gy は、車速V0 が所定値(例え
ば、10km/hr)以下の場合には、値0に、所定上限値を
超える場合には、その上限値に規制される。横加速度G
y は、次式(A1)に基づき演算される。 Gy =(θw/ρ)/{Lw ・(A+1/V0 2 )}×C1 …(A1) ここに、ρはハンドル等価ギア比、Lw はホィールベー
ス(m)、Aはスタビリティファクタ、C1は定数であ
る。なお、横加速度Gy は、本実施例では上式(A1)によ
り車速V0 とハンドル角θwに基づき演算されるが、加
速度センサを車体に取り付けてこのセンサにより直接検
出するようにしてもよい。
【0028】エンジントルクETRQは、エンジン回転
数Neと吸気量A/Nとに応じて予め設定されているト
ルクマップから、例えば、公知の補間法を用いて読み出
される。このとき、トルクマップから同一エンジン回転
数Neに対し、吸気量A/Nを変化させて得られる最大
発生トルクMXETRQも同時に求めて記録しておく。
数Neと吸気量A/Nとに応じて予め設定されているト
ルクマップから、例えば、公知の補間法を用いて読み出
される。このとき、トルクマップから同一エンジン回転
数Neに対し、吸気量A/Nを変化させて得られる最大
発生トルクMXETRQも同時に求めて記録しておく。
【0029】ファジィ入力変数の演算 次に、表2に示す、ファジィ推論に必要な11個のファ
ジィ入力変数FV(0)〜FV(10)を演算する。こ
れらのファジィ入力変数FV(0)〜FV(10)は、
表2に示すように、運転者の運転意図情報、車両の作動
状態情報、および道路情報に分類される。なお、道路情
報のハンドル角情報は運転者の運転意図情報でもある
が、ハンドル角情報から道路の屈曲度が判定され、道路
情報として扱われる。また、道路情報の横加速度情報は
車両作動情報でもあるが、この情報からも道路の屈曲度
を判定することができ、道路情報として扱われる。
ジィ入力変数FV(0)〜FV(10)を演算する。こ
れらのファジィ入力変数FV(0)〜FV(10)は、
表2に示すように、運転者の運転意図情報、車両の作動
状態情報、および道路情報に分類される。なお、道路情
報のハンドル角情報は運転者の運転意図情報でもある
が、ハンドル角情報から道路の屈曲度が判定され、道路
情報として扱われる。また、道路情報の横加速度情報は
車両作動情報でもあるが、この情報からも道路の屈曲度
を判定することができ、道路情報として扱われる。
【0030】
【表2】 表2に示すファジィ入力変数の内、ハンドル操作量FV
(2)は、ハンドル角と横加速度Gy の積の実効値であ
り、この実効値の演算を所定時間毎(例えば、1秒毎)
に行ない、過去所定期間(例えば、20秒間)の実効値
の平均値をもってハンドル操作の忙しさを示すパラメー
タとする。このハンドル操作量の演算手順を図4を参照
して説明する。
(2)は、ハンドル角と横加速度Gy の積の実効値であ
り、この実効値の演算を所定時間毎(例えば、1秒毎)
に行ない、過去所定期間(例えば、20秒間)の実効値
の平均値をもってハンドル操作の忙しさを示すパラメー
タとする。このハンドル操作量の演算手順を図4を参照
して説明する。
【0031】先ず、プログラム制御変数N1を値1だけ
インクリメントする(ステップS10)。そして、この
変数値N1が所定時間(例えば、1秒)に対応する所定
値(20)に到達したか否かを判別し(ステップS1
2)、所定値に到達するまでステップS10およびステ
ップS12を繰り返し実行する。変数値N1が所定値に
到達したら変数値N1の値0に戻して(ステップS1
4)、ステップS16を実行する。すなわち、ステップ
S16は所定時間(1秒)毎に実行されることになる。
インクリメントする(ステップS10)。そして、この
変数値N1が所定時間(例えば、1秒)に対応する所定
値(20)に到達したか否かを判別し(ステップS1
2)、所定値に到達するまでステップS10およびステ
ップS12を繰り返し実行する。変数値N1が所定値に
到達したら変数値N1の値0に戻して(ステップS1
4)、ステップS16を実行する。すなわち、ステップ
S16は所定時間(1秒)毎に実行されることになる。
【0032】ステップS16では、次式(A2),(A3) によ
りハンドル操作量FV(2)の演算が行なわれる。
りハンドル操作量FV(2)の演算が行なわれる。
【0033】
【数1】 上式(A2),(A3) の演算は、実際には、所定時間(1秒)
毎に検出されるハンドル角θwと横加速度Gy の各自乗
値の積を、20個のデータが入るリングバッファに順次
格納すると共に、順次消去していき、格納されたデータ
の平均値を求めてその平方根を演算すると、容易にハン
ドル角と横加速度Gy の積の実効値が求まる。
毎に検出されるハンドル角θwと横加速度Gy の各自乗
値の積を、20個のデータが入るリングバッファに順次
格納すると共に、順次消去していき、格納されたデータ
の平均値を求めてその平方根を演算すると、容易にハン
ドル角と横加速度Gy の積の実効値が求まる。
【0034】このハンドル操作量FV(2)は、ハンド
ル角と横加速度のファクタが両方とも考慮されるため、
同一のコーナを旋回する場合では車速が高い方が大きな
値となり、同一車速ではコーナR径が小さい方が大きな
値となる。また、ハンドル角が同じ場合では、車速が高
い方が横加速度が大となり、ハンドル操作量FV(2)
は大きな値となる。このように、ハンドル操作量FV
(2)は、ハンドル操作の頻繁さやドライバの緊張度を
含む指数と見做せることができる。
ル角と横加速度のファクタが両方とも考慮されるため、
同一のコーナを旋回する場合では車速が高い方が大きな
値となり、同一車速ではコーナR径が小さい方が大きな
値となる。また、ハンドル角が同じ場合では、車速が高
い方が横加速度が大となり、ハンドル操作量FV(2)
は大きな値となる。このように、ハンドル操作量FV
(2)は、ハンドル操作の頻繁さやドライバの緊張度を
含む指数と見做せることができる。
【0035】1秒毎の20個のサンプルから求められる
ハンドル操作量FV(2)につき、標準的な市街地走
行、中速屈曲路走行、およびつづら折りの屈曲路走行時
に得られる値を比較すると、市街地走行時における平均
値は3.0 (g・deg)、中速屈曲路走行時には10〜30(g
・deg)、つづら折りの屈曲路走行時には40(g・deg)以
上であり、これらの道路走行時におけるハンドル操作量
FV(2)に顕著な差が見られるので、これらの道路で
の走行を判別することができる。
ハンドル操作量FV(2)につき、標準的な市街地走
行、中速屈曲路走行、およびつづら折りの屈曲路走行時
に得られる値を比較すると、市街地走行時における平均
値は3.0 (g・deg)、中速屈曲路走行時には10〜30(g
・deg)、つづら折りの屈曲路走行時には40(g・deg)以
上であり、これらの道路走行時におけるハンドル操作量
FV(2)に顕著な差が見られるので、これらの道路で
の走行を判別することができる。
【0036】例えば、市街地において、例えば、車両が
突起を乗り越し、別のファジィ入力変数により、登坂路
や降坂路を判別するルールが成立しても、このハンドル
操作量FV(2)が上述の値3.0 (g・deg)以下であれ
ば、市街地走行であると確実に判断することができる。
表2の4番目のファジィ入力変数であるブレーキ減速幅
FV(3)は、1回のブレーキ操作で車速V0 を何km/
hr落としたかを表すものである。なお、ブレーキスイッ
チオフ直後には、ブレーキ装置のブレーキシューとキャ
リパとの摩擦係合解除に時間が係る等の理由で正確にブ
レーキ減速幅FV(3)の演算が出来ない虞がある。従
って、ブレーキング終了直後には、ブレーキ減速幅FV
(3)の演算は、所定時間(例えば、0.3 秒)に亘って
禁止される。図5のフローチャートは、ブレーキ減速幅
を演算すると共に、ブレーキスイッチオフ後にはその演
算を禁止する手順を示すものである。
突起を乗り越し、別のファジィ入力変数により、登坂路
や降坂路を判別するルールが成立しても、このハンドル
操作量FV(2)が上述の値3.0 (g・deg)以下であれ
ば、市街地走行であると確実に判断することができる。
表2の4番目のファジィ入力変数であるブレーキ減速幅
FV(3)は、1回のブレーキ操作で車速V0 を何km/
hr落としたかを表すものである。なお、ブレーキスイッ
チオフ直後には、ブレーキ装置のブレーキシューとキャ
リパとの摩擦係合解除に時間が係る等の理由で正確にブ
レーキ減速幅FV(3)の演算が出来ない虞がある。従
って、ブレーキング終了直後には、ブレーキ減速幅FV
(3)の演算は、所定時間(例えば、0.3 秒)に亘って
禁止される。図5のフローチャートは、ブレーキ減速幅
を演算すると共に、ブレーキスイッチオフ後にはその演
算を禁止する手順を示すものである。
【0037】先ず、電子制御装置5はブレーキスイッチ
BRKが値1であるか否かを判別する(ステップS2
0)。運転者がブレーキペタルを踏込んでブレーキング
操作を行うとBRK値は1であり、ブレーキペタルから
足を離すとBRK値は0である。運転者が何らブレーキ
ング操作を行わなければステップS20の判別結果は否
定(No)であり、この場合には後述するステップS2
2の判別を行なった後、ステップS24に進み、今回検
出した車速V0 を変数値VSTとして記憶する。変数値
VSTは、ブレーキング操作が行なわれなければ毎回更
新されることになり、ブレーキング直前の車速をこの変
数VSTによって記憶することになる。
BRKが値1であるか否かを判別する(ステップS2
0)。運転者がブレーキペタルを踏込んでブレーキング
操作を行うとBRK値は1であり、ブレーキペタルから
足を離すとBRK値は0である。運転者が何らブレーキ
ング操作を行わなければステップS20の判別結果は否
定(No)であり、この場合には後述するステップS2
2の判別を行なった後、ステップS24に進み、今回検
出した車速V0 を変数値VSTとして記憶する。変数値
VSTは、ブレーキング操作が行なわれなければ毎回更
新されることになり、ブレーキング直前の車速をこの変
数VSTによって記憶することになる。
【0038】運転者がブレーキペタルを踏込むと、ステ
ップS20の判別結果が肯定(Yes)となり、ステッ
プS26に進んでタイマフラグBFLGに所定値XB
(例えば、0.3 秒に対応する値)がセットされると共
に、ブレーキ減速幅FV(3)を次式(A4)により演算す
る。なお、タイマフラグBFLGは、ブレーキスイッチ
オフ後から所定時間を計時するためのタイマである。
ップS20の判別結果が肯定(Yes)となり、ステッ
プS26に進んでタイマフラグBFLGに所定値XB
(例えば、0.3 秒に対応する値)がセットされると共
に、ブレーキ減速幅FV(3)を次式(A4)により演算す
る。なお、タイマフラグBFLGは、ブレーキスイッチ
オフ後から所定時間を計時するためのタイマである。
【0039】 FV(3)=VST−FV(0) …(A4) ここに、VSTはブレーキング操作開始直前に記憶した
車速であり、FV(0)は、今回演算された車速のファ
ジィ入力変数値である。従って、ブレーキング操作が継
続する限り、ステップS26が繰り返し実行され、ブレ
ーキング操作で減速されたブレーキ減速幅FV(3)が
更新されていくことになる。なお、ステップS26での
演算において、VST<FV(0)の場合には、ブレー
キ減速幅FV(3)には値0がセットされる。
車速であり、FV(0)は、今回演算された車速のファ
ジィ入力変数値である。従って、ブレーキング操作が継
続する限り、ステップS26が繰り返し実行され、ブレ
ーキング操作で減速されたブレーキ減速幅FV(3)が
更新されていくことになる。なお、ステップS26での
演算において、VST<FV(0)の場合には、ブレー
キ減速幅FV(3)には値0がセットされる。
【0040】運転者がブレーキペタルから足を離すと、
再びステップS20の判別結果は否定となり、ステップ
S22においてタイマフラグBFLGが0より大である
か否か判別される。運転者がブレーキペタルから足を離
した直後では、BFLG値が所定値XBに設定されてい
るから、ステップS22の判別は肯定であり、ステップ
S28に進んで、フラグ値BFLGを値1だけデクリメ
ントすると共に、ブレーキ減速幅FV(3)を値0にリ
セットする。そして、このフラグ値BFLGが値1宛減
算されて値0になるまで、すなわち、所定時間(0.3秒)
が経過するまで、ステップS28が繰り返し実行され、
この間、ブレーキ減速幅FV(3)は、値0が設定され
ることによってその演算が禁止されることになる。
再びステップS20の判別結果は否定となり、ステップ
S22においてタイマフラグBFLGが0より大である
か否か判別される。運転者がブレーキペタルから足を離
した直後では、BFLG値が所定値XBに設定されてい
るから、ステップS22の判別は肯定であり、ステップ
S28に進んで、フラグ値BFLGを値1だけデクリメ
ントすると共に、ブレーキ減速幅FV(3)を値0にリ
セットする。そして、このフラグ値BFLGが値1宛減
算されて値0になるまで、すなわち、所定時間(0.3秒)
が経過するまで、ステップS28が繰り返し実行され、
この間、ブレーキ減速幅FV(3)は、値0が設定され
ることによってその演算が禁止されることになる。
【0041】所定時間(0.3秒)が経過すると、ステップ
S22の判別結果は否定となり、前述したステップS2
4が実行されて変数値VSTの更新が繰り返されること
になる。アクセル踏込速度FV(5)は、所定時間(例
えば、0.25秒)毎に検出されるアクセル開度FV(4)
の差分を、1秒間に対する差分に換算して求める。実施
例では0.25秒毎に求めた差分を4倍することにより、ア
クセル踏込速度FV(5)を求めている。図6に示すフ
ローチャートはこのアクセル踏込速度FV(5)を求め
手順を示しており、電子制御装置5は、先ず、ステップ
S30においてプログラム変数N2を値1だけインクリ
メントする。このプログラム変数N2は、アップカウン
タとして使用され、インクリメントした後、その変数値
N2が判別され(ステップS32)、変数値N2が所定
値XN2(0.25秒に対応する値)に到達する毎に、ステ
ップS34およびステップS36が実行される。
S22の判別結果は否定となり、前述したステップS2
4が実行されて変数値VSTの更新が繰り返されること
になる。アクセル踏込速度FV(5)は、所定時間(例
えば、0.25秒)毎に検出されるアクセル開度FV(4)
の差分を、1秒間に対する差分に換算して求める。実施
例では0.25秒毎に求めた差分を4倍することにより、ア
クセル踏込速度FV(5)を求めている。図6に示すフ
ローチャートはこのアクセル踏込速度FV(5)を求め
手順を示しており、電子制御装置5は、先ず、ステップ
S30においてプログラム変数N2を値1だけインクリ
メントする。このプログラム変数N2は、アップカウン
タとして使用され、インクリメントした後、その変数値
N2が判別され(ステップS32)、変数値N2が所定
値XN2(0.25秒に対応する値)に到達する毎に、ステ
ップS34およびステップS36が実行される。
【0042】ステップS34では、プログラム変数値N
2は値0にリセットされ、ステップS36では、上述し
た方法によりアクセル踏込速度FV(5)が演算され
る。すなわち、先ず、次式(A5)により0.25秒間に変化し
たアクセル開度の変化量が演算される。 FV(5)=FV(4)−APSO …(A5) ここで、FV(4)は、今回検出されたアクセル開度A
PSを用いて、その値をそのまま設定したものである。
変数APSOは、後述する通り、0.25秒前に検出したア
クセル開度である。次に、上述のようにして求めた、0.
25秒間に変化したアクセル開度の変化量を4倍して、1
秒間の変化量に換算し、これをアクセル踏込速度FV
(5)として設定し直す。
2は値0にリセットされ、ステップS36では、上述し
た方法によりアクセル踏込速度FV(5)が演算され
る。すなわち、先ず、次式(A5)により0.25秒間に変化し
たアクセル開度の変化量が演算される。 FV(5)=FV(4)−APSO …(A5) ここで、FV(4)は、今回検出されたアクセル開度A
PSを用いて、その値をそのまま設定したものである。
変数APSOは、後述する通り、0.25秒前に検出したア
クセル開度である。次に、上述のようにして求めた、0.
25秒間に変化したアクセル開度の変化量を4倍して、1
秒間の変化量に換算し、これをアクセル踏込速度FV
(5)として設定し直す。
【0043】 FV(5)=FV(5)×4 …(A6) 次いで、今回設定されたファジィ入力変数であるアクセ
ル開度FV(4)を変数値APSOとして更新記憶す
る。 APSO=FV(4) …(A7) この記憶値APSOは、0.25秒後にアクセル開度の変化
量の演算に使用される。
ル開度FV(4)を変数値APSOとして更新記憶す
る。 APSO=FV(4) …(A7) この記憶値APSOは、0.25秒後にアクセル開度の変化
量の演算に使用される。
【0044】次に、表2に示すファジィ入力変数である
重量・勾配抵抗FV(6)の演算方法を、図7を参照し
て説明する。先ず、電子制御装置5は、車速FV(0)
が所定値CFV0(例えば、10km/hr)以下であるか否
かを判別し(ステップS40)、車速FV(0)が所定
値CFV0以下の場合には重量・勾配抵抗FV(6)を
値0に設定すべく、重量・勾配抵抗の今回演算値XRに
値0.0 を設定し(ステップS41)、後述するステップ
S46に進む。
重量・勾配抵抗FV(6)の演算方法を、図7を参照し
て説明する。先ず、電子制御装置5は、車速FV(0)
が所定値CFV0(例えば、10km/hr)以下であるか否
かを判別し(ステップS40)、車速FV(0)が所定
値CFV0以下の場合には重量・勾配抵抗FV(6)を
値0に設定すべく、重量・勾配抵抗の今回演算値XRに
値0.0 を設定し(ステップS41)、後述するステップ
S46に進む。
【0045】ステップS40において、車速FV(0)
が所定値CFV0より大であると判別されると、ステッ
プS42に進み、ブレーキング中およびその終了時点か
ら所定時間(0.3秒)が経過したか否かを判別する。この
判別は、前述したブレーキ減速幅FV(3)の演算ルー
チンで使用したタイマフラグBFLGがこのルーチンで
も使用しされ、タイマフラグBFLGが0より大か否か
により判別される。タイマフラグBFLGは、前述した
通り、ブレーキング中には常に初期値XB(0.3秒に対応
する値)にリセットされ、ブレーキング終了時点から値
0になるまで(所定時間が経過するまで)値1宛デクリ
メントされていくものである。ステップS42の判別結
果が肯定の場合、すなわち、ブレーキング中或いはブレ
ーキング終了時点から所定時間(0.3秒)が未だ経過して
いない場合には、重量・勾配抵抗FV(6)の演算が出
来ないので、この場合には、今回演算値XRとして前回
値をそのまま保持して、その値を使用する(ステップS
43)。一方、ブレーキング中でもなく、かつ、ブレー
キング後所定時間が経過した場合には、ステップS44
に進み、重量・勾配抵抗FV(6)の今回演算値XRを
以下のようにして演算する。
が所定値CFV0より大であると判別されると、ステッ
プS42に進み、ブレーキング中およびその終了時点か
ら所定時間(0.3秒)が経過したか否かを判別する。この
判別は、前述したブレーキ減速幅FV(3)の演算ルー
チンで使用したタイマフラグBFLGがこのルーチンで
も使用しされ、タイマフラグBFLGが0より大か否か
により判別される。タイマフラグBFLGは、前述した
通り、ブレーキング中には常に初期値XB(0.3秒に対応
する値)にリセットされ、ブレーキング終了時点から値
0になるまで(所定時間が経過するまで)値1宛デクリ
メントされていくものである。ステップS42の判別結
果が肯定の場合、すなわち、ブレーキング中或いはブレ
ーキング終了時点から所定時間(0.3秒)が未だ経過して
いない場合には、重量・勾配抵抗FV(6)の演算が出
来ないので、この場合には、今回演算値XRとして前回
値をそのまま保持して、その値を使用する(ステップS
43)。一方、ブレーキング中でもなく、かつ、ブレー
キング後所定時間が経過した場合には、ステップS44
に進み、重量・勾配抵抗FV(6)の今回演算値XRを
以下のようにして演算する。
【0046】重量・勾配抵抗は、エンジン駆動力から空
力抵抗、転がり抵抗および加速抵抗を減算することによ
り求められ、次式(A8)で表される。 XR=エンジン駆動力−空力抵抗−転がり抵抗−加速抵抗 …(A8) 重量・勾配抵抗は、上述した通り、ブレーキング中等に
はこれを求めることは出来ないが、車両旋回中において
は、転がり抵抗に、コーナリングフォースによる抵抗を
含めることにより正確に演算することができる。上式(A
8)におけるエンジン駆動力は次式(A9)により演算され
る。 エンジン駆動力=TE ( ηE ) ・t(e)・η・iT ・iF /r …(A9) ここに、TE ( ηE ) は、排気損失を差し引いた後のエ
ンジントルク(kg・m)であり、t(e)は、トルクコン
バータ2のトルク比であり、トルコン速度比eの関数と
して、予め記憶さているトルク比テーブルから読み出さ
れる。ηは、変速機3の伝達効率、iF は、ディファレ
ンシャルのギア比であり、これらの値は定数として与え
られる。iT は変速機3のギア比であり、入力変数であ
る指令変速段SHIF0に対応する所定ギア比が使用さ
れる。rは、タイヤの動半径(m)であり、所定値が用
いられる。
力抵抗、転がり抵抗および加速抵抗を減算することによ
り求められ、次式(A8)で表される。 XR=エンジン駆動力−空力抵抗−転がり抵抗−加速抵抗 …(A8) 重量・勾配抵抗は、上述した通り、ブレーキング中等に
はこれを求めることは出来ないが、車両旋回中において
は、転がり抵抗に、コーナリングフォースによる抵抗を
含めることにより正確に演算することができる。上式(A
8)におけるエンジン駆動力は次式(A9)により演算され
る。 エンジン駆動力=TE ( ηE ) ・t(e)・η・iT ・iF /r …(A9) ここに、TE ( ηE ) は、排気損失を差し引いた後のエ
ンジントルク(kg・m)であり、t(e)は、トルクコン
バータ2のトルク比であり、トルコン速度比eの関数と
して、予め記憶さているトルク比テーブルから読み出さ
れる。ηは、変速機3の伝達効率、iF は、ディファレ
ンシャルのギア比であり、これらの値は定数として与え
られる。iT は変速機3のギア比であり、入力変数であ
る指令変速段SHIF0に対応する所定ギア比が使用さ
れる。rは、タイヤの動半径(m)であり、所定値が用
いられる。
【0047】式(A8)における空力抵抗は次式(A10) によ
り演算される。 空力抵抗=ρa・S・Cd・V0 2 /2 =C2・V0 2 …(A10) ここに、ρaは空気密度であり、外気温度が一定とする
と定数で与えられる。Sは車両前面投影面積、Cdは抗
力係数であり、これらの値も定数である。従って、空力
抵抗は、式(A10) のように、C2を定数とすると、車速
V0 のみの関数として演算することができる。
り演算される。 空力抵抗=ρa・S・Cd・V0 2 /2 =C2・V0 2 …(A10) ここに、ρaは空気密度であり、外気温度が一定とする
と定数で与えられる。Sは車両前面投影面積、Cdは抗
力係数であり、これらの値も定数である。従って、空力
抵抗は、式(A10) のように、C2を定数とすると、車速
V0 のみの関数として演算することができる。
【0048】式(A8)における転がり抵抗は次式(A11) に
より演算される。 転がり抵抗=R0 +(CF2 /CP) …(A11) ここに、R0 は自由転動時の転がり抵抗であり、CFは
コーナリングフォース、CPはコーナリングパワーであ
る。上式の右辺第2項は横滑り角が小である場合のコー
ナリング抵抗による寄与項である。自由転動時の転がり
抵抗R0 は、次式(A12) で演算される。
より演算される。 転がり抵抗=R0 +(CF2 /CP) …(A11) ここに、R0 は自由転動時の転がり抵抗であり、CFは
コーナリングフォース、CPはコーナリングパワーであ
る。上式の右辺第2項は横滑り角が小である場合のコー
ナリング抵抗による寄与項である。自由転動時の転がり
抵抗R0 は、次式(A12) で演算される。
【0049】 R0 =μr ・W …(A12) ここに、μr は転がり抵抗係数であり、Wは車両重量で
ある。前後輪の荷重分担比を一定(例えば、前後比で0.
6 :0.4)であり、前後輪のコーナリングパワーをそれぞ
れCPf 、CPr(一定値) と仮定し、2輪モデルで考え
ると、式(A11) のコーナリング抵抗は、次式(A13) によ
り演算することができる。
ある。前後輪の荷重分担比を一定(例えば、前後比で0.
6 :0.4)であり、前後輪のコーナリングパワーをそれぞ
れCPf 、CPr(一定値) と仮定し、2輪モデルで考え
ると、式(A11) のコーナリング抵抗は、次式(A13) によ
り演算することができる。
【0050】
【数2】 ここに、C3は定数である。このように、転がり抵抗
に、コーナリング抵抗を含ませるようにしたので、ハン
ドルを大きく切った時の重量・勾配抵抗を正確に演算す
ることができる。すなわち、コーナリング抵抗を含ませ
ない場合には、下り屈曲路ではコーナリング中の勾配が
実際より小さく演算され、平坦路でも旋回時に登坂と推
定されてしまうことがあり、コーナリング抵抗を含ませ
ることにより、これらが解消される。
に、コーナリング抵抗を含ませるようにしたので、ハン
ドルを大きく切った時の重量・勾配抵抗を正確に演算す
ることができる。すなわち、コーナリング抵抗を含ませ
ない場合には、下り屈曲路ではコーナリング中の勾配が
実際より小さく演算され、平坦路でも旋回時に登坂と推
定されてしまうことがあり、コーナリング抵抗を含ませ
ることにより、これらが解消される。
【0051】式(A8)における加速抵抗は次式(A14) によ
り演算される。 加速抵抗=(W+ΔW)・Gx …(A14) ここに、Wは上述の車両重量、ΔWは回転部分相当重量
である。そして、回転部分相当重量ΔWは次式(A15) に
より演算される。 ΔW=W0 ×{Ec +Fc (iT ・iF )2 } …(A15) ここに、W0 は空車重量、Ec はタイヤ回転部分相当重
量比率、Fc はエンジン回転部分相当重量比率であり、
iT およびiF は前述した変速機3のギア比およびディ
ファレンシャルのギア比である。
り演算される。 加速抵抗=(W+ΔW)・Gx …(A14) ここに、Wは上述の車両重量、ΔWは回転部分相当重量
である。そして、回転部分相当重量ΔWは次式(A15) に
より演算される。 ΔW=W0 ×{Ec +Fc (iT ・iF )2 } …(A15) ここに、W0 は空車重量、Ec はタイヤ回転部分相当重
量比率、Fc はエンジン回転部分相当重量比率であり、
iT およびiF は前述した変速機3のギア比およびディ
ファレンシャルのギア比である。
【0052】上述のようにして今回演算値XRの演算が
終了すると、求めた演算値XRにデジタルフィルタ処理
をしてノイズの除去を行い(ステップS46)、これを
ファジィ入力変数FV(6)として記憶する(ステップ
S48)。表2に示すファジィ入力変数であるエンジン
トルク余裕FV(7)は、次式(A16) に基づき演算され
る。
終了すると、求めた演算値XRにデジタルフィルタ処理
をしてノイズの除去を行い(ステップS46)、これを
ファジィ入力変数FV(6)として記憶する(ステップ
S48)。表2に示すファジィ入力変数であるエンジン
トルク余裕FV(7)は、次式(A16) に基づき演算され
る。
【0053】 FV(7)=MXETRQ−ETRQ …(A16) ここに、MXETRQおよびETRQは、入力変数の入
力・演算ルーチンにおいて、トルクマップから読み出さ
れたエンジントルクおよび最大エンジントルクである。
次に、表2に示すファジィ入力変数である車速の2秒差
分FV(8)の演算方法を、図8を参照して説明する。
制御周期(50msec)で車速が検出される毎に、検出し
た車速データをリングバッファに収め、車速を検出する
毎に、車速の2秒差分FV(8)を演算することが好ま
しいが、リングバッファの容量に制限がある場合には、
例えば、0.25秒毎に差分を求めるようにしてもよく、図
8に示すフローチャートは、0.25秒毎に車速の2秒差分
FV(8)を求めるようにしたものである。
力・演算ルーチンにおいて、トルクマップから読み出さ
れたエンジントルクおよび最大エンジントルクである。
次に、表2に示すファジィ入力変数である車速の2秒差
分FV(8)の演算方法を、図8を参照して説明する。
制御周期(50msec)で車速が検出される毎に、検出し
た車速データをリングバッファに収め、車速を検出する
毎に、車速の2秒差分FV(8)を演算することが好ま
しいが、リングバッファの容量に制限がある場合には、
例えば、0.25秒毎に差分を求めるようにしてもよく、図
8に示すフローチャートは、0.25秒毎に車速の2秒差分
FV(8)を求めるようにしたものである。
【0054】電子制御装置5は、先ず、ステップS50
においてプログラム制御変数K1を値1だけインクリメ
ントしてこの変数値K1が所定値XK1(例えば、0.25
秒に対応する値)に到達したか否かを判別する(ステッ
プS52)。プログラム制御変数K1は所定時間(この
実施例では0.25秒に亘る期間)を計時するためのアップ
カウンタであり、所定値XK1に達するまではステップ
S50およびステップS52が繰り返し実行され、所定
時間(0.25秒) の経過を待つ。
においてプログラム制御変数K1を値1だけインクリメ
ントしてこの変数値K1が所定値XK1(例えば、0.25
秒に対応する値)に到達したか否かを判別する(ステッ
プS52)。プログラム制御変数K1は所定時間(この
実施例では0.25秒に亘る期間)を計時するためのアップ
カウンタであり、所定値XK1に達するまではステップ
S50およびステップS52が繰り返し実行され、所定
時間(0.25秒) の経過を待つ。
【0055】変数値K1が所定値XK1に到達するとス
テップS54を実行し、変数値K1を0にリセットす
る。そして、ステップS56において今回検出された車
速V0をリングバッファ(図示せず)に格納した後、リ
ングバッファから最新の車速データと2秒前の車速デー
タを取り出して車速の2秒差分FV(8)を求める(ス
テップS58)。
テップS54を実行し、変数値K1を0にリセットす
る。そして、ステップS56において今回検出された車
速V0をリングバッファ(図示せず)に格納した後、リ
ングバッファから最新の車速データと2秒前の車速デー
タを取り出して車速の2秒差分FV(8)を求める(ス
テップS58)。
【0056】 FV(8)=V0 n −V0 n-7 …(A17) ここに、V0 n およびV0 n-7 はそれぞれ今回および2
秒前に検出された車速である。従って、車速の2秒差分
FV(8)は、所定時間(0.25秒間)に亘り同じ値が保
持されることになる。ファジィ入力スイッチの演算 ファジィ入力スイッチSW(0)〜SW(10)は、ファ
ジィルールを判断する際に、ファジィ入力変数のメンバ
シップ関数と同様に適合度が計算されるものであるが、
デジタル値で表すので、スイッチ入力としてファジィ入
力変数と分離したものである。表3はこれらファジィ入
力スイッチを示す。
秒前に検出された車速である。従って、車速の2秒差分
FV(8)は、所定時間(0.25秒間)に亘り同じ値が保
持されることになる。ファジィ入力スイッチの演算 ファジィ入力スイッチSW(0)〜SW(10)は、ファ
ジィルールを判断する際に、ファジィ入力変数のメンバ
シップ関数と同様に適合度が計算されるものであるが、
デジタル値で表すので、スイッチ入力としてファジィ入
力変数と分離したものである。表3はこれらファジィ入
力スイッチを示す。
【0057】
【表3】 ファジィ入力スイッチSW(0)は、選択された制御モ
ードを表すものであり、後述する各モード処理でその値
が設定される。
ードを表すものであり、後述する各モード処理でその値
が設定される。
【0058】ファジィ入力スイッチSW(1)は、重量
・勾配抵抗が第1の所定期間(4秒ないし10秒の間の
適宜値、例えば、5秒間)に所定値CFV61以上であ
る状態が第2の所定時間(2秒ないし5秒の間の適宜
値、例えば、2.5 秒) に亘り連続した場合に、車両が登
り勾配を登坂していると判定し、スイッチSW(1)に
値1を設定して勾配抵抗大状態を記憶するものである。
上述の第1および第2の所定期間は、車両毎に実験的に
適宜値に設定される。
・勾配抵抗が第1の所定期間(4秒ないし10秒の間の
適宜値、例えば、5秒間)に所定値CFV61以上であ
る状態が第2の所定時間(2秒ないし5秒の間の適宜
値、例えば、2.5 秒) に亘り連続した場合に、車両が登
り勾配を登坂していると判定し、スイッチSW(1)に
値1を設定して勾配抵抗大状態を記憶するものである。
上述の第1および第2の所定期間は、車両毎に実験的に
適宜値に設定される。
【0059】次に、このファジィ入力スイッチ値SW
(1)の設定手順を、図9を参照して説明する。電子制
御装置5は、先ず、ステップS60において重量・勾配
抵抗値FV(6)が、道路の所定の勾配度合に対応する
所定値CFV61より小であるか否かを判別する。ステ
ップS60の判別結果が肯定の場合、すなわち道路の勾
配が小さい場合には2.5 秒カウンタCNTSW1を値0
にリセットし(ステップS61)、ステップS64に進
む。勾配の小さい道路を継続して走行している場合に
は、このステップS64で、後述する5 秒カウンタCN
T5Sが値0以下であることを確認した後、ステップS
65に進み、ファジィ入力スイッチSW(1)に値0を
セットして当該ルーチンを終了する。
(1)の設定手順を、図9を参照して説明する。電子制
御装置5は、先ず、ステップS60において重量・勾配
抵抗値FV(6)が、道路の所定の勾配度合に対応する
所定値CFV61より小であるか否かを判別する。ステ
ップS60の判別結果が肯定の場合、すなわち道路の勾
配が小さい場合には2.5 秒カウンタCNTSW1を値0
にリセットし(ステップS61)、ステップS64に進
む。勾配の小さい道路を継続して走行している場合に
は、このステップS64で、後述する5 秒カウンタCN
T5Sが値0以下であることを確認した後、ステップS
65に進み、ファジィ入力スイッチSW(1)に値0を
セットして当該ルーチンを終了する。
【0060】重量・勾配抵抗値FV(6)が所定値CF
V61以上で、勾配が大きい登坂路を走行していると判
別した場合、ステップS62において2.5 秒カウンタC
NTSW1を値1だけインクリメントした後、このカウ
ンタ値CNTSW1が所定値XCN1(2.5秒に対応する
値) 以上に到達したか否かを判別する(ステップS6
3)。カウンタ値CNTSW1が所定値XCN1より
小、すなわち所定時間(2.5秒) が経過していなければ、
ステップS64において5秒カウンタCNT5Sが0よ
り大であるか否かを判別する。この5秒カウンタCNT
5Sは、所定期間(例えば、5秒)の経過を計時するダ
ウンカンウタであり、ステップS64の判別が肯定、す
なわち、所定期間(5秒)が経過していなければ、ステ
ップS66において、5秒カウンタCNT5Sを値1だ
けデクリメントして当該ルーチンを終了する。所定期間
(5秒)内に重量・勾配抵抗値FV(6)が連続して所
定値CFV61以上であれば、2.5 秒カウンタCNTS
W1は順次インクリメントされていくが、所定時間(2.5
秒) に亘って重量・勾配抵抗値FV(6)が連続して所
定値CFV61以上でなく、途中で所定値CFV61よ
り小になると、2.5 秒カウンタCNTSW1はリセット
されるが(ステップS61)、5秒カウンタCNT5S
は引続きデクリメントされていく(ステップS66)。
V61以上で、勾配が大きい登坂路を走行していると判
別した場合、ステップS62において2.5 秒カウンタC
NTSW1を値1だけインクリメントした後、このカウ
ンタ値CNTSW1が所定値XCN1(2.5秒に対応する
値) 以上に到達したか否かを判別する(ステップS6
3)。カウンタ値CNTSW1が所定値XCN1より
小、すなわち所定時間(2.5秒) が経過していなければ、
ステップS64において5秒カウンタCNT5Sが0よ
り大であるか否かを判別する。この5秒カウンタCNT
5Sは、所定期間(例えば、5秒)の経過を計時するダ
ウンカンウタであり、ステップS64の判別が肯定、す
なわち、所定期間(5秒)が経過していなければ、ステ
ップS66において、5秒カウンタCNT5Sを値1だ
けデクリメントして当該ルーチンを終了する。所定期間
(5秒)内に重量・勾配抵抗値FV(6)が連続して所
定値CFV61以上であれば、2.5 秒カウンタCNTS
W1は順次インクリメントされていくが、所定時間(2.5
秒) に亘って重量・勾配抵抗値FV(6)が連続して所
定値CFV61以上でなく、途中で所定値CFV61よ
り小になると、2.5 秒カウンタCNTSW1はリセット
されるが(ステップS61)、5秒カウンタCNT5S
は引続きデクリメントされていく(ステップS66)。
【0061】所定期間(5秒)内に重量・勾配抵抗値F
V(6)が連続して所定値CFV61以上である状態が
所定時間(2.5秒) に亘って継続すると、ステップS63
における判別結果が肯定となり、ステップS67が実行
される。このステップでは、2.5 秒カウンタCNTSW
1が初期値0に、5秒カウンタCNT5Sが初期値XC
N2(5秒に対応する値)にそれぞれリセットされると
共に、ファジィ入力スイッチSW(1)に値1をセット
して当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチS
W(1)に値1をセットすることにより、車両が勾配抵
抗大の登坂路を登っている状態を記憶するのである。こ
のように、第1の所定期間(5秒)中に、第2の所定期
間(2.5秒)に亘って勾配抵抗大状態が連続したことを判
別することにより、車両が単に登り勾配を走行中である
ことを検出できるばかりではなく、例えば、平坦路から
ヘアピンカーブを曲がり、その直後に急勾配を登坂する
ような場合にも、車両登坂状態を正確に判定することが
できる。
V(6)が連続して所定値CFV61以上である状態が
所定時間(2.5秒) に亘って継続すると、ステップS63
における判別結果が肯定となり、ステップS67が実行
される。このステップでは、2.5 秒カウンタCNTSW
1が初期値0に、5秒カウンタCNT5Sが初期値XC
N2(5秒に対応する値)にそれぞれリセットされると
共に、ファジィ入力スイッチSW(1)に値1をセット
して当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチS
W(1)に値1をセットすることにより、車両が勾配抵
抗大の登坂路を登っている状態を記憶するのである。こ
のように、第1の所定期間(5秒)中に、第2の所定期
間(2.5秒)に亘って勾配抵抗大状態が連続したことを判
別することにより、車両が単に登り勾配を走行中である
ことを検出できるばかりではなく、例えば、平坦路から
ヘアピンカーブを曲がり、その直後に急勾配を登坂する
ような場合にも、車両登坂状態を正確に判定することが
できる。
【0062】ファジィ入力スイッチSW(2)は、重量
・勾配抵抗が負の所定値(−CFV62)より大である
状態が所定時間(例えば、2.5 秒) に亘り連続した場合
に、車両が下り勾配の走行状態から復帰したと判定し、
スイッチSW(2)に値1を設定して勾配抵抗非負状態
を記憶するものである。このファジィ入力スイッチ値S
W(2)の設定手順を図10を参照して説明する。
・勾配抵抗が負の所定値(−CFV62)より大である
状態が所定時間(例えば、2.5 秒) に亘り連続した場合
に、車両が下り勾配の走行状態から復帰したと判定し、
スイッチSW(2)に値1を設定して勾配抵抗非負状態
を記憶するものである。このファジィ入力スイッチ値S
W(2)の設定手順を図10を参照して説明する。
【0063】電子制御装置5は、先ず、ステップS70
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する負の所定値(−CFV62)より小
であるか否かを判別する。ステップS70の判別結果が
肯定の場合、すなわち道路の勾配がいまだ負の場合には
ステップS72に進み、2.5 秒カウンタCNTSW2を
値0にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(2)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する負の所定値(−CFV62)より小
であるか否かを判別する。ステップS70の判別結果が
肯定の場合、すなわち道路の勾配がいまだ負の場合には
ステップS72に進み、2.5 秒カウンタCNTSW2を
値0にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(2)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
【0064】一方、重量・勾配抵抗値FV(6)が負の
所定値(−CFV62)以上で、勾配が負でない(非
負)と判別した場合、ステップS74において2.5 秒カ
ウンタCNTSW2を値1だけインクリメントした後、
このカウンタ値CNTSW2が所定値XCN3(2.5秒に
対応する値) 以上に到達したか否かを判別する(ステッ
プS76)。カウンタ値CNTSW2が所定値XCN3
より小、すなわち所定時間(2.5秒) が経過していなけれ
ば、なにもせずに当該ルーチンを終了する。 ステップ
S70において、重量・勾配抵抗値FV(6)が負の所
定値(−CFV62)以上で、勾配が非負状態であると
判別され、かつ、ステップS76においてカウンタ値C
NTSW2が所定値XCN3に到達したと判別された場
合、ステップS78が実行され、2.5 秒カウンタCNT
SW2が初期値0にリセットされると共に、ファジィ入
力スイッチSW(2)に値1をセットして当該ルーチン
を終了する。ファジィ入力スイッチSW(2)に値1を
セットすることにより、車両が勾配抵抗非負状態の走行
路に復帰したことを記憶するのである。
所定値(−CFV62)以上で、勾配が負でない(非
負)と判別した場合、ステップS74において2.5 秒カ
ウンタCNTSW2を値1だけインクリメントした後、
このカウンタ値CNTSW2が所定値XCN3(2.5秒に
対応する値) 以上に到達したか否かを判別する(ステッ
プS76)。カウンタ値CNTSW2が所定値XCN3
より小、すなわち所定時間(2.5秒) が経過していなけれ
ば、なにもせずに当該ルーチンを終了する。 ステップ
S70において、重量・勾配抵抗値FV(6)が負の所
定値(−CFV62)以上で、勾配が非負状態であると
判別され、かつ、ステップS76においてカウンタ値C
NTSW2が所定値XCN3に到達したと判別された場
合、ステップS78が実行され、2.5 秒カウンタCNT
SW2が初期値0にリセットされると共に、ファジィ入
力スイッチSW(2)に値1をセットして当該ルーチン
を終了する。ファジィ入力スイッチSW(2)に値1を
セットすることにより、車両が勾配抵抗非負状態の走行
路に復帰したことを記憶するのである。
【0065】ファジィ入力スイッチSW(3)は、重量
・勾配抵抗が所定値(CFV63)以下の状態が所定時
間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、車両が登り
勾配の走行状態から脱したと判定し、スイッチSW
(3)に値1を設定して勾配抵抗非大状態を記憶するも
のである。以下に、このファジィ入力スイッチ値SW
(3)の設定手順を図11を参照して説明する。
・勾配抵抗が所定値(CFV63)以下の状態が所定時
間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、車両が登り
勾配の走行状態から脱したと判定し、スイッチSW
(3)に値1を設定して勾配抵抗非大状態を記憶するも
のである。以下に、このファジィ入力スイッチ値SW
(3)の設定手順を図11を参照して説明する。
【0066】電子制御装置5は、先ず、ステップS80
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する所定値(CFV63)より大である
か否かを判別する。ステップS80の判別結果が肯定の
場合、すなわち道路の勾配がいまだ大である場合にはス
テップS82に進み、5秒カウンタCNTSW3を値0
にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(3)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
において重量・勾配抵抗値FV(6)が、道路の所定の
勾配度合に対応する所定値(CFV63)より大である
か否かを判別する。ステップS80の判別結果が肯定の
場合、すなわち道路の勾配がいまだ大である場合にはス
テップS82に進み、5秒カウンタCNTSW3を値0
にリセットすると共に、ファジィ入力スイッチSW
(3)に値0をセットして当該ルーチンを終了する。
【0067】一方、重量・勾配抵抗値FV(6)が所定
値(CFV63)以下で、勾配が大である状態を脱した
と判別した場合、すなわち非大状態と判別した場合、ス
テップS84において5秒カウンタCNTSW3を値1
だけインクリメントした後、このカウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4(5秒に対応する値) 以上に到達し
たか否かを判別する(ステップS86)。カウンタ値C
NTSW3が所定値XCN4より小、すなわち所定時間
(5秒) が経過していなければ、なにもせずに当該ルー
チンを終了する。
値(CFV63)以下で、勾配が大である状態を脱した
と判別した場合、すなわち非大状態と判別した場合、ス
テップS84において5秒カウンタCNTSW3を値1
だけインクリメントした後、このカウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4(5秒に対応する値) 以上に到達し
たか否かを判別する(ステップS86)。カウンタ値C
NTSW3が所定値XCN4より小、すなわち所定時間
(5秒) が経過していなければ、なにもせずに当該ルー
チンを終了する。
【0068】ステップS80において、重量・勾配抵抗
値FV(6)が所定値(CFV63)以下で、勾配が非
大状態であると判別され、かつ、カウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4に到達したと判別された場合、ステ
ップS88が実行され、5秒カウンタCNTSW3が初
期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッチ
SW(3)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(3)に値1をセットす
ることにより、車両が勾配抵抗非大状態の走行路に復帰
したこと(登り勾配の終了)を記憶するのである。
値FV(6)が所定値(CFV63)以下で、勾配が非
大状態であると判別され、かつ、カウンタ値CNTSW
3が所定値XCN4に到達したと判別された場合、ステ
ップS88が実行され、5秒カウンタCNTSW3が初
期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッチ
SW(3)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(3)に値1をセットす
ることにより、車両が勾配抵抗非大状態の走行路に復帰
したこと(登り勾配の終了)を記憶するのである。
【0069】ファジィ入力スイッチSW(4)は、ハン
ドル操作量FV(2)が所定値(CFV21)以上の状
態が所定時間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、
車両がつづら折り道路を走行していると判定し、スイッ
チSW(4)に値1を設定してこの状態を記憶するもの
である。なお、車両がつづら折り道路から脱したことを
判別する場合には、上述の所定値(CFV21)より小
さい所定値(CFV22)を用いてハンドル操作量FV
(2)が小になったことを判別するようにしている。す
なわち、つづら折り道路であるか否かの判別にヒステリ
シス特性を持たせている。以下に、このファジィ入力ス
イッチ値SW(4)の設定手順を図12および図13を
参照して説明する。
ドル操作量FV(2)が所定値(CFV21)以上の状
態が所定時間(例えば、5秒) に亘り連続した場合に、
車両がつづら折り道路を走行していると判定し、スイッ
チSW(4)に値1を設定してこの状態を記憶するもの
である。なお、車両がつづら折り道路から脱したことを
判別する場合には、上述の所定値(CFV21)より小
さい所定値(CFV22)を用いてハンドル操作量FV
(2)が小になったことを判別するようにしている。す
なわち、つづら折り道路であるか否かの判別にヒステリ
シス特性を持たせている。以下に、このファジィ入力ス
イッチ値SW(4)の設定手順を図12および図13を
参照して説明する。
【0070】電子制御装置5は、先ず、ステップS90
においてファジィ入力スイッチSW(4)が値0である
か否かを判別する。このファジィ入力スイッチSW
(4)に値0が設定されている場合にはステップS91
へ、値1が設定されている場合には図13のステップS
96へ進む。ファジィ入力スイッチ値SW(4)が0
で、ステップS90の判別結果が肯定の場合には、電子
制御装置5は、ステップS91を実行し、ハンドル操作
量FV(2)が、ハンドル操作量が大であることを表す
所定値(CFV21)より小であるか否かを判別する。
ステップS91の判別結果が肯定の場合、すなわちハン
ドル操作量が大でない場合にはステップS92に進み、
5秒カウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ル
ーチンを終了する。
においてファジィ入力スイッチSW(4)が値0である
か否かを判別する。このファジィ入力スイッチSW
(4)に値0が設定されている場合にはステップS91
へ、値1が設定されている場合には図13のステップS
96へ進む。ファジィ入力スイッチ値SW(4)が0
で、ステップS90の判別結果が肯定の場合には、電子
制御装置5は、ステップS91を実行し、ハンドル操作
量FV(2)が、ハンドル操作量が大であることを表す
所定値(CFV21)より小であるか否かを判別する。
ステップS91の判別結果が肯定の場合、すなわちハン
ドル操作量が大でない場合にはステップS92に進み、
5秒カウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ル
ーチンを終了する。
【0071】一方、ハンドル操作量FV(2)が所定値
(CFV21)以上でハンドル操作量が大であると判別
した場合、ステップS93において5秒カウンタCNT
SW4を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS94)。カウ
ンタ値CNTSW4が所定値XCN5より小、すなわち
所定時間(5秒) が経過していなければ、なにもせずに
当該ルーチンを終了する。
(CFV21)以上でハンドル操作量が大であると判別
した場合、ステップS93において5秒カウンタCNT
SW4を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS94)。カウ
ンタ値CNTSW4が所定値XCN5より小、すなわち
所定時間(5秒) が経過していなければ、なにもせずに
当該ルーチンを終了する。
【0072】ステップS91において、ハンドル操作量
FV(2)が所定値(CFV21)以上で、ハンドル操
作量が大であると判別され、かつ、カウンタ値CNTS
W4が所定値XCN5に到達したと判別された場合、ス
テップS95が実行され、5秒カウンタCNTSW4が
初期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッ
チSW(4)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(4)に値1をセットす
ることにより、車両がつづら折り道路を走行しているこ
とを記憶するのである。
FV(2)が所定値(CFV21)以上で、ハンドル操
作量が大であると判別され、かつ、カウンタ値CNTS
W4が所定値XCN5に到達したと判別された場合、ス
テップS95が実行され、5秒カウンタCNTSW4が
初期値0にリセットされると共に、ファジィ入力スイッ
チSW(4)に値1をセットして当該ルーチンを終了す
る。ファジィ入力スイッチSW(4)に値1をセットす
ることにより、車両がつづら折り道路を走行しているこ
とを記憶するのである。
【0073】ファジィ入力スイッチSW(4)が値1に
設定されると、ステップS90の判別結果は否定にな
り、この場合には電子制御装置5は、図13のステップ
S96を実行する。ステップS96では、ハンドル操作
量FV(2)が、前述の所定値(CFV21)より小さ
い値に設定されている所定値(CFV22)より大であ
るか否かを判別する。ステップS96の判別結果が肯定
の場合、すなわち車両はいまだつづら折り道路を走行中
であると判定してステップS97に進み、前述の5秒カ
ウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ルーチン
を終了する。
設定されると、ステップS90の判別結果は否定にな
り、この場合には電子制御装置5は、図13のステップ
S96を実行する。ステップS96では、ハンドル操作
量FV(2)が、前述の所定値(CFV21)より小さ
い値に設定されている所定値(CFV22)より大であ
るか否かを判別する。ステップS96の判別結果が肯定
の場合、すなわち車両はいまだつづら折り道路を走行中
であると判定してステップS97に進み、前述の5秒カ
ウンタCNTSW4を値0にリセットして当該ルーチン
を終了する。
【0074】一方、ハンドル操作量FV(2)が所定値
(CFV22)より小になり、ハンドル操作量が小であ
ると判別した場合、ステップS98において5秒カウン
タCNTSW4を値1だけインクリメントした後、この
カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応
する値) に到達したか否かを判別する(ステップS9
9)。カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5より
小、すなわち所定時間(5秒) が経過していなければ、
なにもせずに当該ルーチンを終了する。
(CFV22)より小になり、ハンドル操作量が小であ
ると判別した場合、ステップS98において5秒カウン
タCNTSW4を値1だけインクリメントした後、この
カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5(5秒に対応
する値) に到達したか否かを判別する(ステップS9
9)。カウンタ値CNTSW4が所定値XCN5より
小、すなわち所定時間(5秒) が経過していなければ、
なにもせずに当該ルーチンを終了する。
【0075】ステップS96において、ハンドル操作量
FV(2)が所定値(CFV21)より小で、ハンドル
操作量が小であると判別され、かつ、ステップS99に
おいてカウンタ値CNTSW4が所定値XCN5に到達
したと判別された場合、ステップS100が実行され、
5秒カウンタCNTSW4が初期値0にリセットされる
と共に、ファジィ入力スイッチSW(4)に値0をセッ
トして当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチ
SW(4)に値0をセットすることにより、車両がつづ
ら折り道路を脱したことを記憶する。
FV(2)が所定値(CFV21)より小で、ハンドル
操作量が小であると判別され、かつ、ステップS99に
おいてカウンタ値CNTSW4が所定値XCN5に到達
したと判別された場合、ステップS100が実行され、
5秒カウンタCNTSW4が初期値0にリセットされる
と共に、ファジィ入力スイッチSW(4)に値0をセッ
トして当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチ
SW(4)に値0をセットすることにより、車両がつづ
ら折り道路を脱したことを記憶する。
【0076】ファジィ入力スイッチSW(5)は、アク
セル開度FV(4)が所定値CFV41(例えば、25
%)より大の状態が所定時間(例えば、0.6 秒) に亘り
連続した場合に、アクセル開度が大の状態と判定し、ス
イッチSW(5)に値1を設定してアクセル開度大状態
を記憶するものである。以下に、このファジィ入力スイ
ッチ値SW(5)の設定手順を図14を参照して説明す
る。
セル開度FV(4)が所定値CFV41(例えば、25
%)より大の状態が所定時間(例えば、0.6 秒) に亘り
連続した場合に、アクセル開度が大の状態と判定し、ス
イッチSW(5)に値1を設定してアクセル開度大状態
を記憶するものである。以下に、このファジィ入力スイ
ッチ値SW(5)の設定手順を図14を参照して説明す
る。
【0077】電子制御装置5は、先ず、ステップS10
1においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
1)より小であるか否かを判別する。ステップS101
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV41)より小である場合にはステップS10
2に進み、カウンタCNTSW5を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(5)およびファジ
ィ入力スイッチSW(7)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(7)は、3速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(5)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が所定開度CFV43(例え
ば、40%)以上のときに値1に設定され(図26のル
ーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有している
ことを記憶する。
1においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
1)より小であるか否かを判別する。ステップS101
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV41)より小である場合にはステップS10
2に進み、カウンタCNTSW5を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(5)およびファジ
ィ入力スイッチSW(7)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(7)は、3速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(5)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が所定開度CFV43(例え
ば、40%)以上のときに値1に設定され(図26のル
ーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有している
ことを記憶する。
【0078】一方、ステップS101においてアクセル
開度FV(4)が所定値(CFV41)以上であると判
別した場合、ステップS104においてカウンタCNT
SW5を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW5が所定値XCN6(0.6秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS106)。カ
ウンタ値CNTSW5が所定値XCN6より小、すなわ
ち所定時間(0.6秒) が経過していなければ、なにもせず
に当該ルーチンを終了する。
開度FV(4)が所定値(CFV41)以上であると判
別した場合、ステップS104においてカウンタCNT
SW5を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW5が所定値XCN6(0.6秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS106)。カ
ウンタ値CNTSW5が所定値XCN6より小、すなわ
ち所定時間(0.6秒) が経過していなければ、なにもせず
に当該ルーチンを終了する。
【0079】ステップS101において、アクセル開度
FV(4)が所定値(CFV41)以上で、かつ、カウ
ンタ値CNTSW5が所定値XCN6に到達したと判別
された場合、ステップS108が実行され、カウンタC
NTSW5が初期値0にリセットされると共に、ファジ
ィ入力スイッチSW(5)に値1をセットして当該ルー
チンを終了する。ファジィ入力スイッチSW(5)に値
1をセットすることにより、アクセル開度大状態を記憶
するのである。
FV(4)が所定値(CFV41)以上で、かつ、カウ
ンタ値CNTSW5が所定値XCN6に到達したと判別
された場合、ステップS108が実行され、カウンタC
NTSW5が初期値0にリセットされると共に、ファジ
ィ入力スイッチSW(5)に値1をセットして当該ルー
チンを終了する。ファジィ入力スイッチSW(5)に値
1をセットすることにより、アクセル開度大状態を記憶
するのである。
【0080】ファジィ入力スイッチSW(6)は、アク
セル開度FV(4)が、前述した所定値CFV41(2
5%)より小さい値に設定されている所定値CFV42
(例えば、15%)より大の状態が所定時間(例えば、
0.6 秒) に亘り連続した場合に、アクセル開度が中の状
態と判定し、スイッチSW(6)に値1を設定してアク
セル開度中状態を記憶するものである。以下に、このフ
ァジィ入力スイッチ値SW(6)の設定手順を図15を
参照して説明する。
セル開度FV(4)が、前述した所定値CFV41(2
5%)より小さい値に設定されている所定値CFV42
(例えば、15%)より大の状態が所定時間(例えば、
0.6 秒) に亘り連続した場合に、アクセル開度が中の状
態と判定し、スイッチSW(6)に値1を設定してアク
セル開度中状態を記憶するものである。以下に、このフ
ァジィ入力スイッチ値SW(6)の設定手順を図15を
参照して説明する。
【0081】電子制御装置5は、先ず、ステップS11
0においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
2)より小であるか否かを判別する。ステップS110
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV42)より小である場合にはステップS11
2に進み、カウンタCNTSW6を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(6)およびファジ
ィ入力スイッチSW(8)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、2速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(6)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が前述の所定開度CFV43
(例えば、40%)以上のときに値1に設定され(図3
3のルーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有し
ていることを記憶する。
0においてアクセル開度FV(4)が所定値(CFV4
2)より小であるか否かを判別する。ステップS110
の判別結果が肯定の場合、すなわちアクセル開度が所定
値(CFV42)より小である場合にはステップS11
2に進み、カウンタCNTSW6を値0にリセットする
と共に、ファジィ入力スイッチSW(6)およびファジ
ィ入力スイッチSW(8)にそれぞれ値0をセットして
当該ルーチンを終了する。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、2速エンジンブレーキ時アクセル強フラグで
あり、詳細は後述するように、ファジィ入力スイッチS
W(6)がこのルーチンで値1にセットされた直後に、
アクセル開度FV(4)が前述の所定開度CFV43
(例えば、40%)以上のときに値1に設定され(図3
3のルーチン)、運転者が下り坂で強加速の意図を有し
ていることを記憶する。
【0082】一方、ステップS110においてアクセル
開度FV(4)が所定値(CFV42)以上であると判
別した場合、ステップS114においてカウンタCNT
SW6を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW6が所定値XCN7(0.6秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS116)。カ
ウンタ値CNTSW6が所定値XCN7より小、すなわ
ち所定時間(0.6秒) が経過していなければ、なにもせず
に当該ルーチンを終了する。
開度FV(4)が所定値(CFV42)以上であると判
別した場合、ステップS114においてカウンタCNT
SW6を値1だけインクリメントした後、このカウンタ
値CNTSW6が所定値XCN7(0.6秒に対応する値)
に到達したか否かを判別する(ステップS116)。カ
ウンタ値CNTSW6が所定値XCN7より小、すなわ
ち所定時間(0.6秒) が経過していなければ、なにもせず
に当該ルーチンを終了する。
【0083】ステップS110において、アクセル開度
FV(4)が所定値(CFV42)以上で、かつ、ステ
ップS116においてカウンタ値CNTSW6が所定値
XCN7に到達したと判別された場合、ステップS11
8が実行され、カウンタCNTSW6が初期値0にリセ
ットされると共に、ファジィ入力スイッチSW(6)に
値1をセットして当該ルーチンを終了する。ファジィ入
力スイッチSW(6)に値1をセットすることにより、
アクセル開度中状態を記憶するのである。
FV(4)が所定値(CFV42)以上で、かつ、ステ
ップS116においてカウンタ値CNTSW6が所定値
XCN7に到達したと判別された場合、ステップS11
8が実行され、カウンタCNTSW6が初期値0にリセ
ットされると共に、ファジィ入力スイッチSW(6)に
値1をセットして当該ルーチンを終了する。ファジィ入
力スイッチSW(6)に値1をセットすることにより、
アクセル開度中状態を記憶するのである。
【0084】ファジィ入力スイッチSW(9)およびS
W(10)は、いずれも走行路面の摩擦係数μが低いと
判定された場合に値1に設定されるもので、スイッチS
W(9)は、路面状態の短期的予測結果を、スイッチS
W(10)は長期的予測結果をそれぞれ記憶するもので
ある。以下に、このファジィ入力スイッチ値SW(9)
およびSW(10)の設定手順を図16および図17の
フローチャートを参照して説明する。
W(10)は、いずれも走行路面の摩擦係数μが低いと
判定された場合に値1に設定されるもので、スイッチS
W(9)は、路面状態の短期的予測結果を、スイッチS
W(10)は長期的予測結果をそれぞれ記憶するもので
ある。以下に、このファジィ入力スイッチ値SW(9)
およびSW(10)の設定手順を図16および図17の
フローチャートを参照して説明する。
【0085】電子制御装置5は、先ず、ステップS25
0において路面μ値を演算する。この路面μの演算方法
としては、種々の方法が提案されている。例えば、特開
昭60-148769 号(対応米国特許 USP No.4,964,481)が開
示する路面μの演算方法は、予め、前輪の操舵角と横加
速度との関係を、路面摩擦係数をパラメータとして実験
的に求めておき、実際に検出される操舵角と横加速度か
ら路面μを予測するものである。
0において路面μ値を演算する。この路面μの演算方法
としては、種々の方法が提案されている。例えば、特開
昭60-148769 号(対応米国特許 USP No.4,964,481)が開
示する路面μの演算方法は、予め、前輪の操舵角と横加
速度との関係を、路面摩擦係数をパラメータとして実験
的に求めておき、実際に検出される操舵角と横加速度か
ら路面μを予測するものである。
【0086】また、路面μを求める別の方法も提案され
ている。この別の方法は、パワーステアリング圧信号P
ST、車速V0 、およびハンドル角θw に基づいて路面
μを演算するものであり、その路面μ算出の原理につい
て、図18および図19を参照して以下に説明する。前
輪FWが操舵されたとき、図18に例示した右前輪FW
R の進行方向に対し、右前輪FWR の傾き角、即ち、横
滑り角をβf とすれば、右前輪FWR のコーナリングフ
ォースCF は、次式で表すことができる。
ている。この別の方法は、パワーステアリング圧信号P
ST、車速V0 、およびハンドル角θw に基づいて路面
μを演算するものであり、その路面μ算出の原理につい
て、図18および図19を参照して以下に説明する。前
輪FWが操舵されたとき、図18に例示した右前輪FW
R の進行方向に対し、右前輪FWR の傾き角、即ち、横
滑り角をβf とすれば、右前輪FWR のコーナリングフ
ォースCF は、次式で表すことができる。
【0087】CF ∝βf ・μ ここで、上式から明らかなように、コーナリングフォー
スCF は、横滑り角βf と路面μとの積に比例すること
から、路面μが異なると、つまり、路面の状況が異なる
と、同一の横滑り角βfであっても、車輪のコーナリン
グフォースCFは、大きく異なる。具体的には、図19
から明らかなように、横滑り角βfが大きな領域では、
路面μが高ければ高い程、車輪のコーナリングフォース
CF は、大きな値となる。なお、図18中参照符号30
は、フロント操舵アクチュエータ、3はタイロッドであ
る。また、参照符号Lは、車体の軸線方向に沿うライン
を示しており、参照符号δf は、右前輪FWR 、即ち、
前輪FWの操舵角を示している。
スCF は、横滑り角βf と路面μとの積に比例すること
から、路面μが異なると、つまり、路面の状況が異なる
と、同一の横滑り角βfであっても、車輪のコーナリン
グフォースCFは、大きく異なる。具体的には、図19
から明らかなように、横滑り角βfが大きな領域では、
路面μが高ければ高い程、車輪のコーナリングフォース
CF は、大きな値となる。なお、図18中参照符号30
は、フロント操舵アクチュエータ、3はタイロッドであ
る。また、参照符号Lは、車体の軸線方向に沿うライン
を示しており、参照符号δf は、右前輪FWR 、即ち、
前輪FWの操舵角を示している。
【0088】コーナリングフォースCF とパワーステア
リング圧PSTとは、図18から明らかなように、力学
的な平衡条件を考慮すれば、ほぼ比例関係にあることが
分かる。従って、コーナリングフォースCF の代わりに
パワーステアリング圧PSTを使用して、上式を書き直
せば、次式が得られる。 PST=C1 ・βf ・μ …(M1) ここで、C1 は定数である。
リング圧PSTとは、図18から明らかなように、力学
的な平衡条件を考慮すれば、ほぼ比例関係にあることが
分かる。従って、コーナリングフォースCF の代わりに
パワーステアリング圧PSTを使用して、上式を書き直
せば、次式が得られる。 PST=C1 ・βf ・μ …(M1) ここで、C1 は定数である。
【0089】一方、横滑り角βf は、車速V0 、ハンド
ル角θw 及び路面μを使用して、次式により表すことが
できる。 βf =C3 ・V02・θw /(μ+C2 ・V02) …(M2) ここで、C2 ,C3 は夫々定数である。(M1)式及び(M2)
式から、パワーステアリング圧PSTとハンドル角θw
との比、即ち、PST/θw は、次式で表すことができ
る。
ル角θw 及び路面μを使用して、次式により表すことが
できる。 βf =C3 ・V02・θw /(μ+C2 ・V02) …(M2) ここで、C2 ,C3 は夫々定数である。(M1)式及び(M2)
式から、パワーステアリング圧PSTとハンドル角θw
との比、即ち、PST/θw は、次式で表すことができ
る。
【0090】 PST/θw =μ・C1 ・C3 ・V02/(μ+C2 ・V02) …(M3) 従って、電子制御装置5は、供給されたパワーステアリ
ング圧信号値PST、ハンドル角信号値θw 及び車速信
号値V0 を上記の(M3)式に代入することにより、路面μ
を算出することができる。次に、図16のステップS2
52に進み、上述したような方法により、制御周期(5
0msec)毎に検出される路面μ値の、例えば100個の
データから、図20に示すようなヒストグラムを作成
し、所定値XML(例えば、0.3)より小さい路面μ値の
検出頻度の和PBMを演算する。そして、その検出頻度
の和PBMが所定値XMU(例えば、50%)以上であ
るか否かを判別する(ステップS254)。そして、こ
の判別結果が肯定の場合には、路面の摩擦係数μが低い
と見做してファジィ入力スイッチSW(9)に値1を設
定すると共に、短期カウンタCNTMUSの値を0にリ
セットする(ステップS256)。短期カウンタCNT
MUSは、検出頻度の和PBMが所定値XMUより小に
なり、ステップS254の判別条件が成立しなくなって
も、暫くの間(例えば、20秒間)はファジィ入力スイ
ッチSW(9)を値1に保持するためのものである。
ング圧信号値PST、ハンドル角信号値θw 及び車速信
号値V0 を上記の(M3)式に代入することにより、路面μ
を算出することができる。次に、図16のステップS2
52に進み、上述したような方法により、制御周期(5
0msec)毎に検出される路面μ値の、例えば100個の
データから、図20に示すようなヒストグラムを作成
し、所定値XML(例えば、0.3)より小さい路面μ値の
検出頻度の和PBMを演算する。そして、その検出頻度
の和PBMが所定値XMU(例えば、50%)以上であ
るか否かを判別する(ステップS254)。そして、こ
の判別結果が肯定の場合には、路面の摩擦係数μが低い
と見做してファジィ入力スイッチSW(9)に値1を設
定すると共に、短期カウンタCNTMUSの値を0にリ
セットする(ステップS256)。短期カウンタCNT
MUSは、検出頻度の和PBMが所定値XMUより小に
なり、ステップS254の判別条件が成立しなくなって
も、暫くの間(例えば、20秒間)はファジィ入力スイ
ッチSW(9)を値1に保持するためのものである。
【0091】従って、検出頻度の和PBMが所定値XM
Uより小であり、ステップS254の判別結果が否定の
場合には、先ず、ステップS258において、短期カウ
ンタ値CNTMUSが所定値XCMS(20秒に対応す
る値)以上であるか否かを判別し、所定時間が経過しな
い間は、ステップS260をスキップしてファジィ入力
スイッチSW(9)を値1に保持し、ステップS262
に進む。ステップS262では、短期カウンタCNTM
USの値を1宛インクリメントする。ステップS258
の判別結果が肯定の場合にはステップS260に進み、
ファジィ入力スイッチSW(9)を値0にリセットす
る。検出頻度の和PBMが所定値XMUより小になった
時点から所定時間(20秒)の経過を待ってファジィ入
力スイッチSW(9)を値0にリセットすることにな
る。
Uより小であり、ステップS254の判別結果が否定の
場合には、先ず、ステップS258において、短期カウ
ンタ値CNTMUSが所定値XCMS(20秒に対応す
る値)以上であるか否かを判別し、所定時間が経過しな
い間は、ステップS260をスキップしてファジィ入力
スイッチSW(9)を値1に保持し、ステップS262
に進む。ステップS262では、短期カウンタCNTM
USの値を1宛インクリメントする。ステップS258
の判別結果が肯定の場合にはステップS260に進み、
ファジィ入力スイッチSW(9)を値0にリセットす
る。検出頻度の和PBMが所定値XMUより小になった
時点から所定時間(20秒)の経過を待ってファジィ入
力スイッチSW(9)を値0にリセットすることにな
る。
【0092】このファジィ入力スイッチSW(9)が値
1に設定されると、摩擦係数μが小である路面を走行し
ていることを意味する。このスイッチSW(9)は、詳
細は後述するように、下り坂での走行時にはエンジンブ
レーキを早めに効かし、屈曲路のコーナを曲がる際には
シフトチェンジを禁止する等の変速制御に使用される。
1に設定されると、摩擦係数μが小である路面を走行し
ていることを意味する。このスイッチSW(9)は、詳
細は後述するように、下り坂での走行時にはエンジンブ
レーキを早めに効かし、屈曲路のコーナを曲がる際には
シフトチェンジを禁止する等の変速制御に使用される。
【0093】次に、図17のステップS264に進み、
過去TMU期間の間に、ファジィ入力スイッチSW
(9)が値1である状態が所定%(例えば、50%)以
上であったか否かを判別する。TMU期間は、前述の短
期カウンタ値CNTMUSが計時する所定時間(20
秒)より大きい値、例えば20分間に設定される。ステ
ップS264の判別結果が肯定の場合には、ステップS
266において長期低μ路判定フラグであるファジィ入
力スイッチSW(10)を値1に設定する一方、否定の
場合にはステップS268において値0にリセットす
る。ファジィ入力スイッチSW(10)の値は、キース
イッチを切ってエンジン1を停止させた場合でも、記憶
が消去されない不揮発性の記憶装置に記憶され、エンジ
ンの再スタート時にその値が読み出される。
過去TMU期間の間に、ファジィ入力スイッチSW
(9)が値1である状態が所定%(例えば、50%)以
上であったか否かを判別する。TMU期間は、前述の短
期カウンタ値CNTMUSが計時する所定時間(20
秒)より大きい値、例えば20分間に設定される。ステ
ップS264の判別結果が肯定の場合には、ステップS
266において長期低μ路判定フラグであるファジィ入
力スイッチSW(10)を値1に設定する一方、否定の
場合にはステップS268において値0にリセットす
る。ファジィ入力スイッチSW(10)の値は、キース
イッチを切ってエンジン1を停止させた場合でも、記憶
が消去されない不揮発性の記憶装置に記憶され、エンジ
ンの再スタート時にその値が読み出される。
【0094】ファジィ入力スイッチSW(10)に値1
が設定された場合には、外気温が低く、路面が全面的に
凍結している様な場合が想定され、このような場合に
は、詳細は後述するように、発進時に車輪がスリップし
ないように、所謂スノーモードで変速制御が自動的に実
行され、2速段発進が行なわれる。次いで、ステップS
270に進み、ファジィ入力スイッチSW(9)が値1
に設定されているか否か、すなわち、路面が低μ状態に
あると判定されたか否かを判別する。この判別が否定の
場合、すなわち、通常の路面状態にある場合には、ステ
ップS272に進み、エンジンブレーキタイミングマッ
プから第1のα値、例えばα=0.5 に対応する各閾値P6
1U,P62U,P63U、P82L,P82U を読み出し、これらの値に書
き換える。一方、ステップS270の判別結果が肯定の
場合、すなわち、路面が低μ状態にあると判定された場
合には、ステップS274に進み、エンジンブレーキタ
イミングマップから、第1のα値より小さい第2のα
値、例えばα=0.1 に対応する各閾値P61U,P62U,P63U、
P82L,P82U を読み出し、これらの値に書き換える。
が設定された場合には、外気温が低く、路面が全面的に
凍結している様な場合が想定され、このような場合に
は、詳細は後述するように、発進時に車輪がスリップし
ないように、所謂スノーモードで変速制御が自動的に実
行され、2速段発進が行なわれる。次いで、ステップS
270に進み、ファジィ入力スイッチSW(9)が値1
に設定されているか否か、すなわち、路面が低μ状態に
あると判定されたか否かを判別する。この判別が否定の
場合、すなわち、通常の路面状態にある場合には、ステ
ップS272に進み、エンジンブレーキタイミングマッ
プから第1のα値、例えばα=0.5 に対応する各閾値P6
1U,P62U,P63U、P82L,P82U を読み出し、これらの値に書
き換える。一方、ステップS270の判別結果が肯定の
場合、すなわち、路面が低μ状態にあると判定された場
合には、ステップS274に進み、エンジンブレーキタ
イミングマップから、第1のα値より小さい第2のα
値、例えばα=0.1 に対応する各閾値P61U,P62U,P63U、
P82L,P82U を読み出し、これらの値に書き換える。
【0095】図21(A),(B)は、エンジンブレー
キタイミングマップの一例を示し、後述するファジィル
ール2,3,4,6,7,8で使用する閾値P61U,P62U,
P63U、P82L,P82U (表5および表7参照)と変数αとの
関係を規定するメンバシップ関数を示す。これらの閾値
の全部は同じ変数αによって一義的に設定され、α値を
変化させると、図21に示すマップおよびこれに類似す
るマップからα値に対応する各閾値P61U,P62U,P63U、P8
2L,P82U をそれぞれ設定する。従って、路面μ値に対応
してα値を設定すれば、路面μに対応した全ての閾値を
設定することができる。これにより、詳細は後述するよ
うに、ファジィルールの各メンバシップ関数値を路面μ
に応じて書き換えることができ、従って、下り坂におけ
るエンジンブレーキを効かせるタイミングを、路面μに
応じて変更させることができる。
キタイミングマップの一例を示し、後述するファジィル
ール2,3,4,6,7,8で使用する閾値P61U,P62U,
P63U、P82L,P82U (表5および表7参照)と変数αとの
関係を規定するメンバシップ関数を示す。これらの閾値
の全部は同じ変数αによって一義的に設定され、α値を
変化させると、図21に示すマップおよびこれに類似す
るマップからα値に対応する各閾値P61U,P62U,P63U、P8
2L,P82U をそれぞれ設定する。従って、路面μ値に対応
してα値を設定すれば、路面μに対応した全ての閾値を
設定することができる。これにより、詳細は後述するよ
うに、ファジィルールの各メンバシップ関数値を路面μ
に応じて書き換えることができ、従って、下り坂におけ
るエンジンブレーキを効かせるタイミングを、路面μに
応じて変更させることができる。
【0096】ルール成立の判別 本発明の変速制御方法では、以下に示す各ファジィルー
ルの成立を判別し、成立したルールに対応する制御モー
ドを選択する。各ファジィルールが成立しているか否か
は以下の条件が全て満足していることが必要である。 (1) 当該ルールに関与するファジィ入力スイッチが全て
成立値と等しいこと。
ルの成立を判別し、成立したルールに対応する制御モー
ドを選択する。各ファジィルールが成立しているか否か
は以下の条件が全て満足していることが必要である。 (1) 当該ルールに関与するファジィ入力スイッチが全て
成立値と等しいこと。
【0097】(2) 当該ルールに関与するファジィ入力変
数が全て指定したメンバシップ関数の範囲内に含まれる
こと。 (3) ルールの適合回数が連続して所定回数以上であるこ
と。 表4は各ファジィルールに関与するファジィ入力スイッ
チとその成立値を示す。また、表5は各ファジィルール
に関与するファジィ入力変数と各ルールの概要を示す。
メンバシップ関数は、この実施例ではクリスプ集合と
し、ファジィ入力変数値が各メンバシップ関数の所定範
囲値内にあるか否かによって、ファジィ推論を行なう。
そして、各ファジィルールの成立が確認された場合に選
択される制御モードを表6に示す。
数が全て指定したメンバシップ関数の範囲内に含まれる
こと。 (3) ルールの適合回数が連続して所定回数以上であるこ
と。 表4は各ファジィルールに関与するファジィ入力スイッ
チとその成立値を示す。また、表5は各ファジィルール
に関与するファジィ入力変数と各ルールの概要を示す。
メンバシップ関数は、この実施例ではクリスプ集合と
し、ファジィ入力変数値が各メンバシップ関数の所定範
囲値内にあるか否かによって、ファジィ推論を行なう。
そして、各ファジィルールの成立が確認された場合に選
択される制御モードを表6に示す。
【0098】
【表4】
【0099】
【表5】
【0100】
【表6】 図22は、上述したファジィルールの成立を判別する手
順を示し、先ず、ルール適合判別ルーチンにおいて、各
ルールのそれぞれについて各ルールが適合するか否かを
判別し、その後、適合したルールのチェックルーチンに
おいて、適合したルールの適合回数が連続して所定回数
以上であることを確かめる。
順を示し、先ず、ルール適合判別ルーチンにおいて、各
ルールのそれぞれについて各ルールが適合するか否かを
判別し、その後、適合したルールのチェックルーチンに
おいて、適合したルールの適合回数が連続して所定回数
以上であることを確かめる。
【0101】図23は、ルール適合判別のより具体的な
手順を示し、このルーチンが実行されると電子制御装置
5は、先ず、ステップS120においてプログラム制御
変数nを値0にリセットする。次いで、ルールnのファ
ジィ入力スイッチの全てが適合しているか否かを判別す
る(ステップS121)。例えば、ルール0では、表4
からファジィ入力スイッチSW(1)が成立値1と等し
いか否かを判別することになる。例えば、ルール8で
は、ファジィ入力スイッチSW(0)およびファジィ入
力スイッチSW(4)がそれぞれ成立値2および1と等
しいか否かを判別し、これらが全て成立しているか否か
を判別することになる。
手順を示し、このルーチンが実行されると電子制御装置
5は、先ず、ステップS120においてプログラム制御
変数nを値0にリセットする。次いで、ルールnのファ
ジィ入力スイッチの全てが適合しているか否かを判別す
る(ステップS121)。例えば、ルール0では、表4
からファジィ入力スイッチSW(1)が成立値1と等し
いか否かを判別することになる。例えば、ルール8で
は、ファジィ入力スイッチSW(0)およびファジィ入
力スイッチSW(4)がそれぞれ成立値2および1と等
しいか否かを判別し、これらが全て成立しているか否か
を判別することになる。
【0102】ステップS121において、ルールnに関
与する全てのファジィ入力スイッチの一つでも適合して
いなければ、ステップS123に進み、制御変数TEK
I(n)に値0をセットする。一方、ステップS121
において、ルールnに関与する全てのファジィ入力スイ
ッチが適合していると、ステップS122に進み、今度
は、ルールnに関与する全てのファジィ入力変数が適合
するか、すなわち、ファジィ入力変数が指定したメンバ
シップ関数の所定範囲内に含まれるかを判別する。
与する全てのファジィ入力スイッチの一つでも適合して
いなければ、ステップS123に進み、制御変数TEK
I(n)に値0をセットする。一方、ステップS121
において、ルールnに関与する全てのファジィ入力スイ
ッチが適合していると、ステップS122に進み、今度
は、ルールnに関与する全てのファジィ入力変数が適合
するか、すなわち、ファジィ入力変数が指定したメンバ
シップ関数の所定範囲内に含まれるかを判別する。
【0103】例えば、表5に示されるように、ルール0
では5個のファジィ入力変数の適合が判別され、ルール
4では4個のファジィ入力変数の適合が判別される。フ
ァジィ入力変数FV(0)が小、すなわち、車速が小で
あるか否かの命題は、このファジィ入力変数に対応して
準備される第0メンバシップ関数から、ファジィ入力変
数FV(0)が所定上下限値範囲内(例えば、10km/h
r 以上、かつ、55km/hr 以下の範囲内)の値であるか
否かによって推論される。同様に、ファジィ入力変数F
V(0)が中、すなわち、車速が中であるか否かの命題
は、このファジィ入力変数に対応して準備される第1メ
ンバシップ関数から、ファジィ入力変数FV(0)が所
定上下限値範囲内(例えば、30km/hr 以上、かつ、1
00km/hr 以下の範囲内)の値であるか否かによって推
論される。このような命題とメンバシップ関数との関係
を表7に示す。
では5個のファジィ入力変数の適合が判別され、ルール
4では4個のファジィ入力変数の適合が判別される。フ
ァジィ入力変数FV(0)が小、すなわち、車速が小で
あるか否かの命題は、このファジィ入力変数に対応して
準備される第0メンバシップ関数から、ファジィ入力変
数FV(0)が所定上下限値範囲内(例えば、10km/h
r 以上、かつ、55km/hr 以下の範囲内)の値であるか
否かによって推論される。同様に、ファジィ入力変数F
V(0)が中、すなわち、車速が中であるか否かの命題
は、このファジィ入力変数に対応して準備される第1メ
ンバシップ関数から、ファジィ入力変数FV(0)が所
定上下限値範囲内(例えば、30km/hr 以上、かつ、1
00km/hr 以下の範囲内)の値であるか否かによって推
論される。このような命題とメンバシップ関数との関係
を表7に示す。
【0104】
【表7】 ステップS122の判別結果が否定である場合には、前
述のステップS123に進み、制御変数TEKI(n)
に値0をセットする一方、肯定の場合、すなわち、ルー
ルnのファジィ入力スイッチの全てが適合し、かつ、ル
ールnのファジィ入力変数の全てが適合する場合、制御
変数TEKI(n)に値1をセットし、当該ルールnが
適合したことを記憶する。
述のステップS123に進み、制御変数TEKI(n)
に値0をセットする一方、肯定の場合、すなわち、ルー
ルnのファジィ入力スイッチの全てが適合し、かつ、ル
ールnのファジィ入力変数の全てが適合する場合、制御
変数TEKI(n)に値1をセットし、当該ルールnが
適合したことを記憶する。
【0105】一つのルールの適合判別が終了すると、ス
テップS126においてプログラム制御変数nを値1だ
けインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
て、変数値nが所定値CRULになるまで、上述のステ
ップS121以下のステップを繰り返し実行し、全ての
ルールの適合を判別する。全てのルールの適合判別が終
了し、ステップS128における判別結果が肯定になる
と、当該ルーチンは終了する。
テップS126においてプログラム制御変数nを値1だ
けインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
て、変数値nが所定値CRULになるまで、上述のステ
ップS121以下のステップを繰り返し実行し、全ての
ルールの適合を判別する。全てのルールの適合判別が終
了し、ステップS128における判別結果が肯定になる
と、当該ルーチンは終了する。
【0106】ここで、ルール2〜4の適合は、降坂弱エ
ンジンブレーキモード2に進入するための条件である。
そして、モード2への進入は、変速段を強制的に3速段
に設定してエンジンブレーキを効かせることを意味す
る。表5および表7を参照すると、ルール2の適合に
は、重量勾配抵抗FV(6) が負で、かつ、車速2秒差分FV
(8) が大である必要があることを示している。ルール3
の適合は、重量勾配抵抗FV(6) が負であること、ルール
4の適合は、重量勾配抵抗FV(6) が負で大、かつ、車速
2秒差分FV(8) が大である必要があることを示してい
る。
ンジンブレーキモード2に進入するための条件である。
そして、モード2への進入は、変速段を強制的に3速段
に設定してエンジンブレーキを効かせることを意味す
る。表5および表7を参照すると、ルール2の適合に
は、重量勾配抵抗FV(6) が負で、かつ、車速2秒差分FV
(8) が大である必要があることを示している。ルール3
の適合は、重量勾配抵抗FV(6) が負であること、ルール
4の適合は、重量勾配抵抗FV(6) が負で大、かつ、車速
2秒差分FV(8) が大である必要があることを示してい
る。
【0107】また、ルール6〜8の適合は、降坂強エン
ジンブレーキモード3に進入するための条件である。そ
して、モード3への進入は、変速段を強制的に2速段に
設定して強いエンジンブレーキを効かせることを意味す
る。ルール6の適合には、重量勾配抵抗FV(6) が負で特
大、かつ、車速2秒差分FV(8) が大である必要があるこ
とを示している。ルール7の適合は、重量勾配抵抗FV
(6) が負で特大であること、ルール8の適合は、重量勾
配抵抗FV(6) が負である必要があることを示している。
ジンブレーキモード3に進入するための条件である。そ
して、モード3への進入は、変速段を強制的に2速段に
設定して強いエンジンブレーキを効かせることを意味す
る。ルール6の適合には、重量勾配抵抗FV(6) が負で特
大、かつ、車速2秒差分FV(8) が大である必要があるこ
とを示している。ルール7の適合は、重量勾配抵抗FV
(6) が負で特大であること、ルール8の適合は、重量勾
配抵抗FV(6) が負である必要があることを示している。
【0108】命題「重量勾配抵抗FV(6) が負である
か」、命題「車速2秒差分(加速度)FV(8) が大である
か」等の成立は、前述した通り、それぞれのファジィ入
力変数が、対応するメンバシップ関数の、閾値で規定さ
れる所定範囲内に含まれるか否かを判別して判定され
る。そして、この閾値が、図16,17に示すルーチン
において、路面μに応じて設定されているため、路面μ
が低いと判定された場合には、これらのルールが適合し
易く、エンジンブレーキを効かせるタイミングが早めに
設定されることになる。
か」、命題「車速2秒差分(加速度)FV(8) が大である
か」等の成立は、前述した通り、それぞれのファジィ入
力変数が、対応するメンバシップ関数の、閾値で規定さ
れる所定範囲内に含まれるか否かを判別して判定され
る。そして、この閾値が、図16,17に示すルーチン
において、路面μに応じて設定されているため、路面μ
が低いと判定された場合には、これらのルールが適合し
易く、エンジンブレーキを効かせるタイミングが早めに
設定されることになる。
【0109】図24は、適合したルールが所定回数に亘
って連続して適合したと判別されたか否かをチェックす
るためのルーチンであり、電子制御装置5は、先ず、ス
テップS130においてプログラム制御変数nを値0に
リセットする。次いで、ステップS131において、ス
テップS130で指定されたルールnに対応する制御変
数TEKI(n)が値0であるか否かを判別する。ステ
ップS131において、当該制御変数TEKI(n)が
値0であれば、そのルールnは適合していないことにな
り、ステップS132に進み、ルールn用のカウンタC
NT(n)を値0にリセットすると共に、ルールnの成
立を記憶する制御変数SRT(n)に値0をセットして
後述するステップS136に進む。
って連続して適合したと判別されたか否かをチェックす
るためのルーチンであり、電子制御装置5は、先ず、ス
テップS130においてプログラム制御変数nを値0に
リセットする。次いで、ステップS131において、ス
テップS130で指定されたルールnに対応する制御変
数TEKI(n)が値0であるか否かを判別する。ステ
ップS131において、当該制御変数TEKI(n)が
値0であれば、そのルールnは適合していないことにな
り、ステップS132に進み、ルールn用のカウンタC
NT(n)を値0にリセットすると共に、ルールnの成
立を記憶する制御変数SRT(n)に値0をセットして
後述するステップS136に進む。
【0110】一方、ステップS131の判別結果が否定
で、ルールnに対応する制御変数TEKI(n)が値0
でなければ、ステップS133に進み、カウンタ値CN
T(n)を値1だけインクリメントした後、このカウン
タ値CNT(n)が当該ルールnに対応して設定されて
いる所定値XCMAX(n)に到達したか否かを判別す
る(ステップS134)。カウンタ値CNT(n)が所
定値XCMAX(n)に到達していなければ、変数値S
RT(n)に変更を加えずにステップS136に進む。
所定値XCMAX(n)は、制御モード実行の緊急度や
ノイズ等によるルール成立判別の影響度等を考慮して適
宜値に設定される。
で、ルールnに対応する制御変数TEKI(n)が値0
でなければ、ステップS133に進み、カウンタ値CN
T(n)を値1だけインクリメントした後、このカウン
タ値CNT(n)が当該ルールnに対応して設定されて
いる所定値XCMAX(n)に到達したか否かを判別す
る(ステップS134)。カウンタ値CNT(n)が所
定値XCMAX(n)に到達していなければ、変数値S
RT(n)に変更を加えずにステップS136に進む。
所定値XCMAX(n)は、制御モード実行の緊急度や
ノイズ等によるルール成立判別の影響度等を考慮して適
宜値に設定される。
【0111】一つの適合ルールチェックが終了すると、
ステップS136においてプログラム制御変数nを値1
だけインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
(ステップS138)、変数値nが所定値CRULにな
るまで、上述のステップS131以下のステップを繰り
返し実行して、全てのルールの適合ルールチェックを行
なう。全てのルールの適合ルールチェックが終了し、ス
テップS138における判別結果が肯定になると、当該
ルーチンを終了する。
ステップS136においてプログラム制御変数nを値1
だけインクリメントした後、変数値nが所定値CRUL
(ルールの数に対応する値)に等しいか否かを判別し
(ステップS138)、変数値nが所定値CRULにな
るまで、上述のステップS131以下のステップを繰り
返し実行して、全てのルールの適合ルールチェックを行
なう。全てのルールの適合ルールチェックが終了し、ス
テップS138における判別結果が肯定になると、当該
ルーチンを終了する。
【0112】このように、当該ルーチンが繰り返されて
特定のルールnに対応する制御変数TEKI(n)が連
続して値1に設定されていると、カウンタ値CNT
(n)は当該ルーチンが実行される毎にインイクリメン
トされ、遂には所定値XCMAX(n)に到達すること
になる。ステップS134の判別結果が肯定になると、
ステップS135が実行され、カウンタCNT(n)を
値0にリセットすると共に、ルールnの成立を記憶する
制御変数SRT(n)に値1をセットすることになる。
特定のルールnに対応する制御変数TEKI(n)が連
続して値1に設定されていると、カウンタ値CNT
(n)は当該ルーチンが実行される毎にインイクリメン
トされ、遂には所定値XCMAX(n)に到達すること
になる。ステップS134の判別結果が肯定になると、
ステップS135が実行され、カウンタCNT(n)を
値0にリセットすると共に、ルールnの成立を記憶する
制御変数SRT(n)に値1をセットすることになる。
【0113】各モード処理 上述のようにして成立したルールを判別すると、次に、
電子制御装置5は、図25に示す手順により各モード処
理を行なう。より具体的には、先ず、ステップS140
においてプログラム変数Xに、ファジィ入力スイッチS
W(0)の値を設定する。すなわち、現在の制御モード
を特定するのである。そして、現在の制御モードXに対
応する処理ルーチンを実行する(ステップS142)。
電子制御装置5は、図25に示す手順により各モード処
理を行なう。より具体的には、先ず、ステップS140
においてプログラム変数Xに、ファジィ入力スイッチS
W(0)の値を設定する。すなわち、現在の制御モード
を特定するのである。そして、現在の制御モードXに対
応する処理ルーチンを実行する(ステップS142)。
【0114】現在モード0処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード0(ノーマルモード0)で
行われている場合、図26および図27のフローチャー
トに従って、ファジィシフト位置SHIFFが設定され
る。なお、制御モード0は、前述した通り、通常の平坦
路走行用のシフトパターンを使用して変速段を設定する
ものであり、この制御モードからは、図1に示す通り、
モード1,モード2,およびモード4への移行が可能で
ある。
行われている場合、図26および図27のフローチャー
トに従って、ファジィシフト位置SHIFFが設定され
る。なお、制御モード0は、前述した通り、通常の平坦
路走行用のシフトパターンを使用して変速段を設定する
ものであり、この制御モードからは、図1に示す通り、
モード1,モード2,およびモード4への移行が可能で
ある。
【0115】電子制御装置5は、先ず、ステップS15
0において、ルールの成立を記憶する制御変数SRT
(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが値1で
あるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれルー
ル2,3,4の成立を記憶するもので、表6に示すよう
にこれらのルールの何れか一つが成立すると、モード2
に進入すべきことを示している。従って、ステップS1
50の判別結果が肯定の場合には、ステップS151に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値2に設定す
ると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値3を
セットして当該ルーチンを終了する。モード2は、前述
した通り、降坂を強制的に3速段でエンジンブレーキを
効かせながら下らせるモードである。
0において、ルールの成立を記憶する制御変数SRT
(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが値1で
あるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれルー
ル2,3,4の成立を記憶するもので、表6に示すよう
にこれらのルールの何れか一つが成立すると、モード2
に進入すべきことを示している。従って、ステップS1
50の判別結果が肯定の場合には、ステップS151に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値2に設定す
ると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値3を
セットして当該ルーチンを終了する。モード2は、前述
した通り、降坂を強制的に3速段でエンジンブレーキを
効かせながら下らせるモードである。
【0116】制御変数SRT(2),SRT(3),S
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS150の
判別結果が否定の場合、ステップS152を実行し、変
数SRT(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1
であるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれル
ール0,1の成立を記憶するもので、表6に示すように
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1に
進入すべきことを示している。従って、ステップS15
2の判別結果が肯定の場合には、図27のステップS1
54に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値1に
設定する。そして、ステップS155に進み、前述した
モード0において使用するシフトパターンにより決定さ
れるシフト位置(モード0の演算変速段)を表す変数S
HIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別す
る。この判別の答が肯定であれば、強制的に変速段を3
速段にシフトダウンをさせるために、ファジィシフト位
置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチンを終
了する。一方、ステップS155での判別結果が否定で
あれば、ステップS156に進み、ファジィシフト位置
変数SHIFFに変数値SHIF1をセットして当該ル
ーチンを終了する。なお、モード1は、図1に示すよう
に登坂コーナモードであり、後述する2,3速段で運転
される領域が広がったシフトパターンを使用して変速段
が決定される。モード0からモード1の移行時には、4
速段で運転されている場合には強制的に3速段にシフト
ダウンを指令し、このシフトダウンの変速操作時にノー
マルモードのシフトパターンから登坂コーナモード用の
シフトパターンに切り換えられる。4速段以外の変速段
で運転されている場合には、その変速段を維持した状態
でシフトパターンの切り換えが行なわれる。
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS150の
判別結果が否定の場合、ステップS152を実行し、変
数SRT(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1
であるか否かを判別する。これらの変数は、それぞれル
ール0,1の成立を記憶するもので、表6に示すように
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1に
進入すべきことを示している。従って、ステップS15
2の判別結果が肯定の場合には、図27のステップS1
54に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値1に
設定する。そして、ステップS155に進み、前述した
モード0において使用するシフトパターンにより決定さ
れるシフト位置(モード0の演算変速段)を表す変数S
HIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別す
る。この判別の答が肯定であれば、強制的に変速段を3
速段にシフトダウンをさせるために、ファジィシフト位
置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチンを終
了する。一方、ステップS155での判別結果が否定で
あれば、ステップS156に進み、ファジィシフト位置
変数SHIFFに変数値SHIF1をセットして当該ル
ーチンを終了する。なお、モード1は、図1に示すよう
に登坂コーナモードであり、後述する2,3速段で運転
される領域が広がったシフトパターンを使用して変速段
が決定される。モード0からモード1の移行時には、4
速段で運転されている場合には強制的に3速段にシフト
ダウンを指令し、このシフトダウンの変速操作時にノー
マルモードのシフトパターンから登坂コーナモード用の
シフトパターンに切り換えられる。4速段以外の変速段
で運転されている場合には、その変速段を維持した状態
でシフトパターンの切り換えが行なわれる。
【0117】制御変数SRT(0)およびSRT(1)
の何れもが値1でなく、ステップS152の判別結果が
否定の場合、ステップS160に進み、制御変数SRT
(5)が値1であるか否かを判別する。この変数は、ル
ール5の成立を記憶するもので、表6に示すようにこの
ルールが成立すると、モード4に進入すべきことを示し
ている。従って、ステップS160の判別結果が肯定の
場合には、ステップS162に進み、モード0において
使用するシフトパターンにより決定されるシフト位置変
数SHIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別
する。この判別の答が肯定であれば、ファジィ入力スイ
ッチSW(0)を値4に設定すると共に、現在の変速段
により強制的に1段だけシフトダウンさせるために、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当
該ルーチンを終了する。
の何れもが値1でなく、ステップS152の判別結果が
否定の場合、ステップS160に進み、制御変数SRT
(5)が値1であるか否かを判別する。この変数は、ル
ール5の成立を記憶するもので、表6に示すようにこの
ルールが成立すると、モード4に進入すべきことを示し
ている。従って、ステップS160の判別結果が肯定の
場合には、ステップS162に進み、モード0において
使用するシフトパターンにより決定されるシフト位置変
数SHIF1が、4速段を示す値4であるか否かを判別
する。この判別の答が肯定であれば、ファジィ入力スイ
ッチSW(0)を値4に設定すると共に、現在の変速段
により強制的に1段だけシフトダウンさせるために、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当
該ルーチンを終了する。
【0118】一方、ステップS162での判別結果が否
定であれば、ステップS165に進み、シフト位置変数
(モード0演算変速段)SHIF1が、3速段を示す値
3であるか否かを判別する。この判別の答が肯定であれ
ば、ファジィ入力スイッチSW(0)を値4に設定する
と共に、強制的に変速段を2速段にシフトダウンをさせ
るために、ファジィシフト位置変数SHIFFに値2を
セットして当該ルーチンを終了する。このように、直線
登坂モードであるモード4では、ノーマルモード0で使
用するシフトパターンにより設定される変速段が4速段
であるなら3速段に、3速段であるなら2速段に強制的
にシフトダウンさせるものである。
定であれば、ステップS165に進み、シフト位置変数
(モード0演算変速段)SHIF1が、3速段を示す値
3であるか否かを判別する。この判別の答が肯定であれ
ば、ファジィ入力スイッチSW(0)を値4に設定する
と共に、強制的に変速段を2速段にシフトダウンをさせ
るために、ファジィシフト位置変数SHIFFに値2を
セットして当該ルーチンを終了する。このように、直線
登坂モードであるモード4では、ノーマルモード0で使
用するシフトパターンにより設定される変速段が4速段
であるなら3速段に、3速段であるなら2速段に強制的
にシフトダウンさせるものである。
【0119】一方、シフト位置変数SHIF1が、4速
段でも3速段でもない場合には、ステップS168に進
み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0のままに保
持すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値
5を設定して当該ルーチンを終了する。ファジィシフト
位置変数SHIFFが値5に設定されることは、変速段
を5速段に変速させることを意味するが、実際には変速
機3に5速段は存在しないので、ファジィシフト位置変
数SHIFFによる変速指令は無視されて、ノーマルモ
ード0による変速制御が実行されることになる。
段でも3速段でもない場合には、ステップS168に進
み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0のままに保
持すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値
5を設定して当該ルーチンを終了する。ファジィシフト
位置変数SHIFFが値5に設定されることは、変速段
を5速段に変速させることを意味するが、実際には変速
機3に5速段は存在しないので、ファジィシフト位置変
数SHIFFによる変速指令は無視されて、ノーマルモ
ード0による変速制御が実行されることになる。
【0120】制御変数SRT(5)が値1でなく、ステ
ップS160における判別結果が否定の場合、前述のス
テップS168に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0のままに保持すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0
を引き続き実行する。現在モード1処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード1で行われている場合、図
28および図29のフローチャートに従って、変速段が
設定される。なお、制御モード1は、前述した通り、登
坂コーナモード用のシフトパターンを使用して変速段を
設定するものであり、この制御モードからは、図1に示
す通り、モード0およびモード2への移行が可能であ
る。
ップS160における判別結果が否定の場合、前述のス
テップS168に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0のままに保持すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0
を引き続き実行する。現在モード1処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード1で行われている場合、図
28および図29のフローチャートに従って、変速段が
設定される。なお、制御モード1は、前述した通り、登
坂コーナモード用のシフトパターンを使用して変速段を
設定するものであり、この制御モードからは、図1に示
す通り、モード0およびモード2への移行が可能であ
る。
【0121】電子制御装置5は、先ず、ステップS17
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(例え
ば、10km/hr)より小であるか否かを判別する。この判
別結果が肯定の場合、ステップS171に進み、ファジ
ィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定してノー
マルモード0に移行させる。車速が低い場合には無条件
でノーマルモード0を実行してもなんら差し支えない。
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(例え
ば、10km/hr)より小であるか否かを判別する。この判
別結果が肯定の場合、ステップS171に進み、ファジ
ィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定してノー
マルモード0に移行させる。車速が低い場合には無条件
でノーマルモード0を実行してもなんら差し支えない。
【0122】車速FV(0)が所定値CFV0より大
で、ステップS170の判別結果が否定の場合には、ス
テップS172に進み、登坂コーナモードのシフトパタ
ーンを使用して、検出した車速V0 およびアクセル開度
(スロットル開度)APSとにより現在のシフト位置N
を演算する。図30は、2速から3速段へ、および3速
から4速段へのシフトアップ用のシフトパターンを示
し、ノーマルモード0から登坂コーナモード1に制御モ
ードが移行する場合には、アップシフト線が図中矢印で
示すように変更され、2速段または3速段での運転領域
が広げられている。より詳細に説明すれば、ノーマルモ
ード0の2速から3速段へのアップシフト線(実線で示
す)は車速V230 一定の線で2つの変速領域を区画して
いるが、この車速一定線が登坂コーナモード1のアップ
シフト線(破線で示す)では、前記車速V230 より大き
い車速V231 一定線に移行し、2速段領域が拡大されて
いる。同様に、ノーマルモード0の3速から4速段への
アップシフト線(実線で示す)は車速V340 一定の線で
2つの変速領域を区画しているが、この車速一定線が登
坂コーナモード1のアップシフト線(破線で示す)では
前記車速V340 より大きい車速V341 一定線に移行し、
3速段領域が拡大されている。ステップS172におけ
るシフト位置Nの演算は、図30において破線のアップ
シフト線で示すシフトパターンを用いて行なわれる。ま
た、ノーマルモードから登坂コーナモードに移行するこ
とにより、2速または3速段領域が拡大する様子は、図
31の斜線領域Aで示されている。
で、ステップS170の判別結果が否定の場合には、ス
テップS172に進み、登坂コーナモードのシフトパタ
ーンを使用して、検出した車速V0 およびアクセル開度
(スロットル開度)APSとにより現在のシフト位置N
を演算する。図30は、2速から3速段へ、および3速
から4速段へのシフトアップ用のシフトパターンを示
し、ノーマルモード0から登坂コーナモード1に制御モ
ードが移行する場合には、アップシフト線が図中矢印で
示すように変更され、2速段または3速段での運転領域
が広げられている。より詳細に説明すれば、ノーマルモ
ード0の2速から3速段へのアップシフト線(実線で示
す)は車速V230 一定の線で2つの変速領域を区画して
いるが、この車速一定線が登坂コーナモード1のアップ
シフト線(破線で示す)では、前記車速V230 より大き
い車速V231 一定線に移行し、2速段領域が拡大されて
いる。同様に、ノーマルモード0の3速から4速段への
アップシフト線(実線で示す)は車速V340 一定の線で
2つの変速領域を区画しているが、この車速一定線が登
坂コーナモード1のアップシフト線(破線で示す)では
前記車速V340 より大きい車速V341 一定線に移行し、
3速段領域が拡大されている。ステップS172におけ
るシフト位置Nの演算は、図30において破線のアップ
シフト線で示すシフトパターンを用いて行なわれる。ま
た、ノーマルモードから登坂コーナモードに移行するこ
とにより、2速または3速段領域が拡大する様子は、図
31の斜線領域Aで示されている。
【0123】次に、電子制御装置5は、図30に実線で
示す、ノーマルモード0の通常シフトパターンを使用
し、検出した車速V0 およびアクセル開度(スロットル
開度)APSよりシフト位置を演算したとき、2速から
3速段へ、または3速から4速段へのシフトアップが生
じるか否かを判別し、シフトアップが生じる場合には変
数FLGYNに値1を設定しておく(ステップS17
3)。モード1による変速制御では、前述した通り、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)に値1が設定されると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFを用いて、3速
段またはそれ以下の変速段に強制的に変速指令してい
る。変数FLGYNに値1を設定することは、変数SH
IFFによる指令がなければシフトアップが実行される
ようなシフト位置の変化があったことを示す。これを図
31により説明すると、シフト位置の変化により、新た
なシフト位置がノーマルモード0のアップシフト線(実
線)とモード1のアップシフト線(破線)で囲まれる領
域(斜線で示すA領域)に突入したことを意味する。こ
のシフト位置の移行は、図31において矢印TR1で示
すように、運転者がアクセルペタルから足を離し、アク
セル開度APSが小となって領域Aに突入する場合もあ
るし、矢印TR2で示すように、車速V0 が増加して領
域Aに突入する場合もある。
示す、ノーマルモード0の通常シフトパターンを使用
し、検出した車速V0 およびアクセル開度(スロットル
開度)APSよりシフト位置を演算したとき、2速から
3速段へ、または3速から4速段へのシフトアップが生
じるか否かを判別し、シフトアップが生じる場合には変
数FLGYNに値1を設定しておく(ステップS17
3)。モード1による変速制御では、前述した通り、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)に値1が設定されると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFを用いて、3速
段またはそれ以下の変速段に強制的に変速指令してい
る。変数FLGYNに値1を設定することは、変数SH
IFFによる指令がなければシフトアップが実行される
ようなシフト位置の変化があったことを示す。これを図
31により説明すると、シフト位置の変化により、新た
なシフト位置がノーマルモード0のアップシフト線(実
線)とモード1のアップシフト線(破線)で囲まれる領
域(斜線で示すA領域)に突入したことを意味する。こ
のシフト位置の移行は、図31において矢印TR1で示
すように、運転者がアクセルペタルから足を離し、アク
セル開度APSが小となって領域Aに突入する場合もあ
るし、矢印TR2で示すように、車速V0 が増加して領
域Aに突入する場合もある。
【0124】このように、ステップS172においてシ
フト位置Nを演算したり、ステップS173において変
数FLGYNによりシフトアップが生じたか否かを記憶
するのは、制御モード1から他のモードに移行させるタ
イミングとして、アップシフト線を横切ったときを選ん
で行なうようにするためであり、このようなタイミング
で制御モードを変更することにより、運転者に違和感を
与えることを防止する。
フト位置Nを演算したり、ステップS173において変
数FLGYNによりシフトアップが生じたか否かを記憶
するのは、制御モード1から他のモードに移行させるタ
イミングとして、アップシフト線を横切ったときを選ん
で行なうようにするためであり、このようなタイミング
で制御モードを変更することにより、運転者に違和感を
与えることを防止する。
【0125】次に、電子制御装置5は、ファジィ入力ス
イッチSW(3)が値1であり、かつ、ハンドル角FV
(9)が所定値CFV9(例えば、50°)より小であ
り、かつ、横加速度FV(10)が所定CFV10より
小であるか否かを判別する(ステップS174)。つま
り、登り勾配が終了し、かつ、道路が屈曲していない状
態であるか否かを判別するのである。この判別が否定の
場合には、後述する図29のステップS180に進む。
一方、ステップS174の判別結果が肯定の場合には、
ステップS175に進み、登坂コーナモード1のシフト
パターンで求めたシフト位置Nがファジィシフト位置変
数値SHIFFより大であるか、または、アップシフト
が生じたことを示すフラグFLGYNが値1であるか否
かを判別する。これらの判別のいずれもが否定であれ
ば、後述するステップS180に進み、何れか一方が成
立するとステップS176に進む。
イッチSW(3)が値1であり、かつ、ハンドル角FV
(9)が所定値CFV9(例えば、50°)より小であ
り、かつ、横加速度FV(10)が所定CFV10より
小であるか否かを判別する(ステップS174)。つま
り、登り勾配が終了し、かつ、道路が屈曲していない状
態であるか否かを判別するのである。この判別が否定の
場合には、後述する図29のステップS180に進む。
一方、ステップS174の判別結果が肯定の場合には、
ステップS175に進み、登坂コーナモード1のシフト
パターンで求めたシフト位置Nがファジィシフト位置変
数値SHIFFより大であるか、または、アップシフト
が生じたことを示すフラグFLGYNが値1であるか否
かを判別する。これらの判別のいずれもが否定であれ
ば、後述するステップS180に進み、何れか一方が成
立するとステップS176に進む。
【0126】ステップS176では、ルールの成立を記
憶する制御変数SRT(2),SRT(3),SRT
(4)の何れかが値1であるか否かを判別する。これら
の変数は、前述した通り、それぞれルール2,3,4の
成立を記憶するもので、表6に示すようにこれらのルー
ルの何れか一つが成立すると、モード2に進入すべきこ
とを示している。従って、ステップS176の判別結果
が肯定の場合には、ステップS177に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当該
ルーチンを終了する。モード2は、前述した通り、降坂
を強制的に3速段で下らせるモードである。
憶する制御変数SRT(2),SRT(3),SRT
(4)の何れかが値1であるか否かを判別する。これら
の変数は、前述した通り、それぞれルール2,3,4の
成立を記憶するもので、表6に示すようにこれらのルー
ルの何れか一つが成立すると、モード2に進入すべきこ
とを示している。従って、ステップS176の判別結果
が肯定の場合には、ステップS177に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値3をセットして当該
ルーチンを終了する。モード2は、前述した通り、降坂
を強制的に3速段で下らせるモードである。
【0127】制御変数SRT(2),SRT(3),S
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS176の
判別結果が否定の場合、ステップS178を実行し、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定し
て当該ルーチンを終了する。この場合、制御モードを登
坂コーナモード1からノーマルモード0に移行させるの
である。
RT(4)の何れもが値1でなく、ステップS176の
判別結果が否定の場合、ステップS178を実行し、フ
ァジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定すると共
に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5を設定し
て当該ルーチンを終了する。この場合、制御モードを登
坂コーナモード1からノーマルモード0に移行させるの
である。
【0128】ステップS174およびステップS175
のいずれかでその判別結果が否定の場合に実行される、
図29のステップS180においては、先ず、前述のス
テップS172において演算されたシフト位置Nが3以
上であるか否かを判別する。この判別が否定の場合に
は、後述するステップS184に、肯定の場合にはステ
ップS181に進む。ステップS181では、制御変数
SRT(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが
値1であるか否かを判別する。これらの変数は、前述し
た通り、それぞれルール2,3,4の成立を記憶するも
ので、これらのルールの何れか一つが成立すると、モー
ド2に進入すべきことを示している。従って、ステップ
S180およびステップS181の判別結果が共に肯定
の場合には、ステップS182に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチ
ンを終了する。これにより制御モード2が実行されるの
である。
のいずれかでその判別結果が否定の場合に実行される、
図29のステップS180においては、先ず、前述のス
テップS172において演算されたシフト位置Nが3以
上であるか否かを判別する。この判別が否定の場合に
は、後述するステップS184に、肯定の場合にはステ
ップS181に進む。ステップS181では、制御変数
SRT(2),SRT(3),SRT(4)の何れかが
値1であるか否かを判別する。これらの変数は、前述し
た通り、それぞれルール2,3,4の成立を記憶するも
ので、これらのルールの何れか一つが成立すると、モー
ド2に進入すべきことを示している。従って、ステップ
S180およびステップS181の判別結果が共に肯定
の場合には、ステップS182に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値2に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値3をセットして当該ルーチ
ンを終了する。これにより制御モード2が実行されるの
である。
【0129】ステップS180およびステップS181
のいずれかの判別結果が否定の場合、登坂コーナモード
1を継続させることを意味するが、この場合、ステップ
S184およびステップS185において、前述のシフ
ト位置Nが4に等しく、かつ、変数SRT(0)および
SRT(1)の何れか一方が値1であるか否かを判別す
る。変数SRT(0)およびSRT(1)は、前述した
通り、それぞれルール0,1の成立を記憶するもので、
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1を
実行すべきことを示す。登坂コーナモード1用のシフト
パターンにより演算されるシフト位置が4速段でなく、
あるいは、変数SRT(0)およびSRT(1)のいず
れもが値1でない場合、すなわち、ステップS184お
よびステップS185のいずれか一方の判別結果が否定
である場合には、ステップS186に進み、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値Nを設定して当該ルーチン
を終了する。
のいずれかの判別結果が否定の場合、登坂コーナモード
1を継続させることを意味するが、この場合、ステップ
S184およびステップS185において、前述のシフ
ト位置Nが4に等しく、かつ、変数SRT(0)および
SRT(1)の何れか一方が値1であるか否かを判別す
る。変数SRT(0)およびSRT(1)は、前述した
通り、それぞれルール0,1の成立を記憶するもので、
これらのルールの何れか一つが成立すると、モード1を
実行すべきことを示す。登坂コーナモード1用のシフト
パターンにより演算されるシフト位置が4速段でなく、
あるいは、変数SRT(0)およびSRT(1)のいず
れもが値1でない場合、すなわち、ステップS184お
よびステップS185のいずれか一方の判別結果が否定
である場合には、ステップS186に進み、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値Nを設定して当該ルーチン
を終了する。
【0130】シフト位置Nが4であり、かつ、変数SR
T(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1である
場合には、同一モード1内で改めて登坂コーナモードの
変速制御を実行して、ファジィシフト位置変数SHIF
Fに値3を設定し、4速段から3速段にダウンシフトさ
せる。登坂コーナモードの変速制御が実行されると、登
坂路のコーナ部に突入する際に、たとえアクセル開度を
戻しても、シフトアップ操作が実行され難いようにアッ
プシフト線が移行する。これを図31を参照して説明す
ると、モード0からモード1に変速制御が移行すると、
斜線Aで示す変速領域が拡大される。頻繁に屈曲する登
坂路では、運転者のアクセルペタル操作と車速とで示さ
れる作動線は、サークルを描き、このサークルは図31
に示される斜線A領域で生じることが多い。この結果、
登坂屈曲路が連続する場合であっても、アップシフトの
実行回数が低減し、シフトハンチングが生じ難くなるの
である。
T(0)およびSRT(1)の何れか一方が値1である
場合には、同一モード1内で改めて登坂コーナモードの
変速制御を実行して、ファジィシフト位置変数SHIF
Fに値3を設定し、4速段から3速段にダウンシフトさ
せる。登坂コーナモードの変速制御が実行されると、登
坂路のコーナ部に突入する際に、たとえアクセル開度を
戻しても、シフトアップ操作が実行され難いようにアッ
プシフト線が移行する。これを図31を参照して説明す
ると、モード0からモード1に変速制御が移行すると、
斜線Aで示す変速領域が拡大される。頻繁に屈曲する登
坂路では、運転者のアクセルペタル操作と車速とで示さ
れる作動線は、サークルを描き、このサークルは図31
に示される斜線A領域で生じることが多い。この結果、
登坂屈曲路が連続する場合であっても、アップシフトの
実行回数が低減し、シフトハンチングが生じ難くなるの
である。
【0131】現在モード2処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード2で行われている場合、図
32のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード2は、前述した通り、下り坂を3速段
をホールドして下っていく降坂弱エンジンブレーキモー
ドであるが、アクセルペタルの踏込加減によっては、1
〜4速段にシフトされることがある。この制御モード2
からは、図1に示す通り、モード0およびモード3への
移行が可能である。
32のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード2は、前述した通り、下り坂を3速段
をホールドして下っていく降坂弱エンジンブレーキモー
ドであるが、アクセルペタルの踏込加減によっては、1
〜4速段にシフトされることがある。この制御モード2
からは、図1に示す通り、モード0およびモード3への
移行が可能である。
【0132】電子制御装置5は、先ず、ステップS19
0において、制御変数SRT(9)が値1であること、
ファジィ入力スイッチSW(5)が値1であること、お
よび車速FV(0)が所定値CFV0(例えば、10km
/hr)より小であることのいずれかが成立するか否かを判
別する。制御変数SRT(9)は、ルール9の成立を記
憶するものであり、表6に示すように、このルール9が
成立したらモード0に移行すべきことを示している。フ
ァジィ入力スイッチSW(5)は、アクセル開度が大状
態であることを記憶するものである。ステップS190
の判別条件が一つでも成立すれば、ステップS191を
実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定
すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5
を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、制御モ
ードを降坂弱エンジンブレーキモード2からノーマルモ
ード0に移行させるのである。
0において、制御変数SRT(9)が値1であること、
ファジィ入力スイッチSW(5)が値1であること、お
よび車速FV(0)が所定値CFV0(例えば、10km
/hr)より小であることのいずれかが成立するか否かを判
別する。制御変数SRT(9)は、ルール9の成立を記
憶するものであり、表6に示すように、このルール9が
成立したらモード0に移行すべきことを示している。フ
ァジィ入力スイッチSW(5)は、アクセル開度が大状
態であることを記憶するものである。ステップS190
の判別条件が一つでも成立すれば、ステップS191を
実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に設定
すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFFに値5
を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、制御モ
ードを降坂弱エンジンブレーキモード2からノーマルモ
ード0に移行させるのである。
【0133】ステップS190の判別結果が否定の場
合、ステップS192に進み、ファジィ入力スイッチS
W(5)が値1であること、アクセル開度FV(4)が
所定値CFV43(例えば、40%)より小であるこ
と、およびファジィ入力スイッチSW(7)が値0であ
ることの各条件が全て成立するか否かを判別する。ファ
ジィ入力スイッチSW(5)は上述した通り、アクセル
開度が大状態であることを記憶するものである。また、
ファジィ入力スイッチSW(7)は、3速段エンジンブ
レーキ時にアクセルを強く踏み込んだ場合に、値1に設
定してその状態を記憶するものである。従って、ファジ
ィ入力スイッチSW(7)が0あることは、アクセルの
強い踏込みがなかったことを意味する。すなわち、ステ
ップS192では運転者の中程度の加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、前述のス
テップS191に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト位置変
数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0に移行
させる。この場合、移行させたノーマルモードのシフト
マップを使用して変速段が決定されることになるので、
アクセル開度および車速に応じて3速段に保持される
か、4段速にシフトアップされる。4速段にシフトアッ
プされると、アクセルの踏込み量が少なくて済み、下り
坂における運転者の加速意思に適合した加速感が得られ
ることになる。
合、ステップS192に進み、ファジィ入力スイッチS
W(5)が値1であること、アクセル開度FV(4)が
所定値CFV43(例えば、40%)より小であるこ
と、およびファジィ入力スイッチSW(7)が値0であ
ることの各条件が全て成立するか否かを判別する。ファ
ジィ入力スイッチSW(5)は上述した通り、アクセル
開度が大状態であることを記憶するものである。また、
ファジィ入力スイッチSW(7)は、3速段エンジンブ
レーキ時にアクセルを強く踏み込んだ場合に、値1に設
定してその状態を記憶するものである。従って、ファジ
ィ入力スイッチSW(7)が0あることは、アクセルの
強い踏込みがなかったことを意味する。すなわち、ステ
ップS192では運転者の中程度の加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、前述のス
テップS191に進み、ファジィ入力スイッチSW
(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト位置変
数SHIFFに値5を設定してノーマルモード0に移行
させる。この場合、移行させたノーマルモードのシフト
マップを使用して変速段が決定されることになるので、
アクセル開度および車速に応じて3速段に保持される
か、4段速にシフトアップされる。4速段にシフトアッ
プされると、アクセルの踏込み量が少なくて済み、下り
坂における運転者の加速意思に適合した加速感が得られ
ることになる。
【0134】ステップS192の判別結果が否定の場合
にはステップS193に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(5)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が前述の所定値CFV43(40%)より大で
あるか否かを判別する。運転者の強加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、ステップ
S194を実行してファジィ入力スイッチSW(7)に
値1を設定して当該ルーチンを終了する。この場合に
は、3速段が維持され、モード2の変速制御が継続さ
れ、下り坂における強加速が行なわれる。また、モード
2は、緩い坂道を弱いエンジンブレーキを効かせながら
下る場合の変速制御モードである。このような運転時に
運転者が車両を強加速した場合、その後にコーナに突入
する場合には強い制動を必要とすることが予測される。
ファジィ入力スイッチSW(7)は、強加速後に来る強
制動時に強エンジンブレーキを指令するためのフラグと
して使用される。すなわち、このファジィ入力スイッチ
SW(7)に値1を設定することにより、ファジィ入力
スイッチSW(5)によりアクセル開度が大状態であ
り、かつ、アクセル開度が所定値CFV43(40%)
より小である場合であっても、前述のステップS192
の判別結果が否定となって、ステップS191のノーマ
ルモード0による変速制御が実行されることがなく、後
述するように、現在制御モードの降坂弱エンジンブレー
キモード2または降坂強エンジンブレーキモード3が実
行さることになり、ブレーキ操作の回数を減らすことが
できる。
にはステップS193に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(5)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が前述の所定値CFV43(40%)より大で
あるか否かを判別する。運転者の強加速意思を判別する
ものである。この判別結果が肯定の場合には、ステップ
S194を実行してファジィ入力スイッチSW(7)に
値1を設定して当該ルーチンを終了する。この場合に
は、3速段が維持され、モード2の変速制御が継続さ
れ、下り坂における強加速が行なわれる。また、モード
2は、緩い坂道を弱いエンジンブレーキを効かせながら
下る場合の変速制御モードである。このような運転時に
運転者が車両を強加速した場合、その後にコーナに突入
する場合には強い制動を必要とすることが予測される。
ファジィ入力スイッチSW(7)は、強加速後に来る強
制動時に強エンジンブレーキを指令するためのフラグと
して使用される。すなわち、このファジィ入力スイッチ
SW(7)に値1を設定することにより、ファジィ入力
スイッチSW(5)によりアクセル開度が大状態であ
り、かつ、アクセル開度が所定値CFV43(40%)
より小である場合であっても、前述のステップS192
の判別結果が否定となって、ステップS191のノーマ
ルモード0による変速制御が実行されることがなく、後
述するように、現在制御モードの降坂弱エンジンブレー
キモード2または降坂強エンジンブレーキモード3が実
行さることになり、ブレーキ操作の回数を減らすことが
できる。
【0135】ステップS193の判別結果が否定の場
合、ステップS196を実行してルールの成立を記憶す
る制御変数SRT(6),SRT(7),SRT(8)
の何れかが値1であるか否かを判別する。これらの変数
は、前述した通り、それぞれルール6,7,8の成立を
記憶するもので、表6に示すようにこれらのルールの何
れか一つが成立すると、モード3に進入すべきことを示
している。従って、ステップS196の判別結果が肯定
の場合には、ステップS198に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値3に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値2をセットして当該ルーチ
ンを終了する。モード3は、前述した通り、降坂を強制
的に2速段で下らせるモードである。
合、ステップS196を実行してルールの成立を記憶す
る制御変数SRT(6),SRT(7),SRT(8)
の何れかが値1であるか否かを判別する。これらの変数
は、前述した通り、それぞれルール6,7,8の成立を
記憶するもので、表6に示すようにこれらのルールの何
れか一つが成立すると、モード3に進入すべきことを示
している。従って、ステップS196の判別結果が肯定
の場合には、ステップS198に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(0)を値3に設定すると共に、ファジィシ
フト位置変数SHIFFに値2をセットして当該ルーチ
ンを終了する。モード3は、前述した通り、降坂を強制
的に2速段で下らせるモードである。
【0136】制御変数SRT(6),SRT(7),S
RT(8)の何れもが値1でなく、ステップS196の
判別結果が否定の場合、なにもせずに当該ルーチンを終
了する。すなわち、現在制御モード2の変速制御が継続
して実行され、無駄なシフトチェンジを防止することが
できる。現在モード3処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード3で行われている場合、図
33のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード3は、前述した通り、下り坂を2速段
をホールドして下っていく降坂強エンジンブレーキモー
ドである。この制御モード3からは、図1に示す通り、
モード0およびモード2への移行が可能である。
RT(8)の何れもが値1でなく、ステップS196の
判別結果が否定の場合、なにもせずに当該ルーチンを終
了する。すなわち、現在制御モード2の変速制御が継続
して実行され、無駄なシフトチェンジを防止することが
できる。現在モード3処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード3で行われている場合、図
33のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード3は、前述した通り、下り坂を2速段
をホールドして下っていく降坂強エンジンブレーキモー
ドである。この制御モード3からは、図1に示す通り、
モード0およびモード2への移行が可能である。
【0137】電子制御装置5は、先ず、ステップS20
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(10km
/hr)より小であるか否かを判別する。車速FV(0)が
所定値CFV0より小であれば、無条件にステップS2
01を実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0
に設定すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFF
に値5を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、
制御モードを降坂強エンジンブレーキモード3からノー
マルモード0に直接移行させるのである。
0において、車速FV(0)が所定値CFV0(10km
/hr)より小であるか否かを判別する。車速FV(0)が
所定値CFV0より小であれば、無条件にステップS2
01を実行し、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0
に設定すると共に、ファジィシフト位置変数SHIFF
に値5を設定して当該ルーチンを終了する。この場合、
制御モードを降坂強エンジンブレーキモード3からノー
マルモード0に直接移行させるのである。
【0138】ステップS200の判別結果が否定の場
合、ステップS202に進み、ファジィ入力スイッチS
W(2)が値1であり、かつ、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV44(例えば、3%)以上であか否かを
判別する。ファジィ入力スイッチSW(2)は前述した
通り、重量・勾配抵抗が非負状態であることを記憶する
ものである。すなわち、ステップS202では、下り勾
配から復帰し僅かにアクセルペタルが踏み込まれている
状態であるか否かを判別するものであり、この判別の答
が肯定の場合には、ステップS205に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)に値2を、ファジィ入力スイッ
チSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、ファジ
ィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂弱エ
ンジンブレーキモード2に移行させる。
合、ステップS202に進み、ファジィ入力スイッチS
W(2)が値1であり、かつ、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV44(例えば、3%)以上であか否かを
判別する。ファジィ入力スイッチSW(2)は前述した
通り、重量・勾配抵抗が非負状態であることを記憶する
ものである。すなわち、ステップS202では、下り勾
配から復帰し僅かにアクセルペタルが踏み込まれている
状態であるか否かを判別するものであり、この判別の答
が肯定の場合には、ステップS205に進み、ファジィ
入力スイッチSW(0)に値2を、ファジィ入力スイッ
チSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、ファジ
ィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂弱エ
ンジンブレーキモード2に移行させる。
【0139】ステップS202の判別結果が否定の場合
にはステップS204に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(6)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が所定値CFV45(例えば、40%)より小
であり、かつ、ファジィ入力スイッチSW(8)が値0
であるか否かを判別する。ファジィ入力スイッチSW
(6)は前述した通り、アクセル開度が中状態を記憶す
るものであり、ファジィ入力スイッチSW(8)は、後
述するように2速エンジンブレーキ時のアクセル強踏込
を記憶するものである。従って、この判別は、運転者の
中程度の加速意思を判別するものであり、判別結果が肯
定の場合には、前述したステップS205に進み、ファ
ジィ入力スイッチSW(0)を値2に、ファジィ入力ス
イッチSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂
弱エンジンブレーキモード2に移行させる。すなわち、
変速段が2速段から3速段にシフトアップされ、アクセ
ル踏込み量が2速段の場合より軽減され、下り坂におけ
る運転者の加速意図に適合した加速感が得られる。
にはステップS204に進み、今度は、ファジィ入力ス
イッチSW(6)が値1であり、かつ、アクセル開度F
V(4)が所定値CFV45(例えば、40%)より小
であり、かつ、ファジィ入力スイッチSW(8)が値0
であるか否かを判別する。ファジィ入力スイッチSW
(6)は前述した通り、アクセル開度が中状態を記憶す
るものであり、ファジィ入力スイッチSW(8)は、後
述するように2速エンジンブレーキ時のアクセル強踏込
を記憶するものである。従って、この判別は、運転者の
中程度の加速意思を判別するものであり、判別結果が肯
定の場合には、前述したステップS205に進み、ファ
ジィ入力スイッチSW(0)を値2に、ファジィ入力ス
イッチSW(5)に値0をそれぞれ設定すると共に、フ
ァジィシフト位置変数SHIFFに値3を設定して降坂
弱エンジンブレーキモード2に移行させる。すなわち、
変速段が2速段から3速段にシフトアップされ、アクセ
ル踏込み量が2速段の場合より軽減され、下り坂におけ
る運転者の加速意図に適合した加速感が得られる。
【0140】ステップS204の判別結果が否定の場合
には、ファジィ入力スイッチSW(6)が値1であり、
かつ、アクセル開度FV(4)が前述の所定値CFV4
5(40%)より大であるか否かを判別する。このステ
ップは、運転者の強加速意思を判別するものである。こ
の判別結果が肯定の場合には、ステップS208を実行
してファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定して
当該ルーチンを終了する。この場合には、2速段が維持
され、モード3の変速制御が継続される。これにより、
下り坂における運転者の強加速意思に応じた高出力が得
られる。また、モード3は、急な坂道を強いエンジンブ
レーキを効かせながら下る場合の変速制御モードであ
る。このような運転時に運転者が車両を強加速した場
合、その後にコーナに突入する場合には強い制動を必要
とすることが予測される。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、強加速後に来る強制動時に強エンジンブレー
キを指令するためのフラグとして使用される。すなわ
ち、このファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定
することにより、アクセル開度が所定値CFV45(4
0%)より小の中状態である場合であっても、前述のス
テップS204の判別結果は否定となって、必ず現在の
制御モードである降坂強エンジンブレーキモード3が継
続さることになり、2速段による強エンジンブレーキが
効くことになる。
には、ファジィ入力スイッチSW(6)が値1であり、
かつ、アクセル開度FV(4)が前述の所定値CFV4
5(40%)より大であるか否かを判別する。このステ
ップは、運転者の強加速意思を判別するものである。こ
の判別結果が肯定の場合には、ステップS208を実行
してファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定して
当該ルーチンを終了する。この場合には、2速段が維持
され、モード3の変速制御が継続される。これにより、
下り坂における運転者の強加速意思に応じた高出力が得
られる。また、モード3は、急な坂道を強いエンジンブ
レーキを効かせながら下る場合の変速制御モードであ
る。このような運転時に運転者が車両を強加速した場
合、その後にコーナに突入する場合には強い制動を必要
とすることが予測される。ファジィ入力スイッチSW
(8)は、強加速後に来る強制動時に強エンジンブレー
キを指令するためのフラグとして使用される。すなわ
ち、このファジィ入力スイッチSW(8)に値1を設定
することにより、アクセル開度が所定値CFV45(4
0%)より小の中状態である場合であっても、前述のス
テップS204の判別結果は否定となって、必ず現在の
制御モードである降坂強エンジンブレーキモード3が継
続さることになり、2速段による強エンジンブレーキが
効くことになる。
【0141】前述のステップS206の判別結果が否定
の場合には、ファジィ入力スイッチSW(8)に値1を
設定することなく、当該ルーチンを終了する。この場合
には、2速段が維持され、モード3の変速制御が継続さ
れて無駄なシフトチェンジを防止することができる。現在モード4処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード4で行われている場合、図
34のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード4は、前述した通り、直線登坂路モー
ドであり、ノーマルモード0のシフトパターンで設定さ
れたシフト位置が4速段であれば3速段に、3速段であ
れば2速段にそれぞれダウンシフトして所要の駆動力を
得るものである。この制御モード4からは、図1に示す
通り、モード0への移行のみが可能である。
の場合には、ファジィ入力スイッチSW(8)に値1を
設定することなく、当該ルーチンを終了する。この場合
には、2速段が維持され、モード3の変速制御が継続さ
れて無駄なシフトチェンジを防止することができる。現在モード4処理ルーチン 現在の変速制御が制御モード4で行われている場合、図
34のフローチャートに従って、変速段が設定される。
なお、制御モード4は、前述した通り、直線登坂路モー
ドであり、ノーマルモード0のシフトパターンで設定さ
れたシフト位置が4速段であれば3速段に、3速段であ
れば2速段にそれぞれダウンシフトして所要の駆動力を
得るものである。この制御モード4からは、図1に示す
通り、モード0への移行のみが可能である。
【0142】電子制御装置5は、先ず、ステップS21
0において、アクセル開度FV(4)が所定値CFV4
5(例えば、10%)より小であるか否かを判別する。
アクセル開度FV(4)が所定値CFV45より小であ
れば、ステップS212を実行し、ファジィ入力スイッ
チSW(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定して当該ルーチンを終
了する。この場合、制御モードを直線登坂路モード4か
らノーマルモード0に移行させるのである。
0において、アクセル開度FV(4)が所定値CFV4
5(例えば、10%)より小であるか否かを判別する。
アクセル開度FV(4)が所定値CFV45より小であ
れば、ステップS212を実行し、ファジィ入力スイッ
チSW(0)を値0に設定すると共に、ファジィシフト
位置変数SHIFFに値5を設定して当該ルーチンを終
了する。この場合、制御モードを直線登坂路モード4か
らノーマルモード0に移行させるのである。
【0143】ステップS210の判別結果が否定の場
合、ステップS214に進み、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV46(例えば、25%)より小であり、
かつ、アクセル踏込速度FV(5)が負の所定値(−C
FV5)より小であるか否かを判別する。何れの条件も
同時に満足するのであれば、前述のステップS212に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値5をそれぞれ設定し
てノーマルモード0に移行させる。
合、ステップS214に進み、アクセル開度FV(4)
が所定値CFV46(例えば、25%)より小であり、
かつ、アクセル踏込速度FV(5)が負の所定値(−C
FV5)より小であるか否かを判別する。何れの条件も
同時に満足するのであれば、前述のステップS212に
進み、ファジィ入力スイッチSW(0)を値0に、ファ
ジィシフト位置変数SHIFFに値5をそれぞれ設定し
てノーマルモード0に移行させる。
【0144】ステップS214の判別結果が否定の場合
には、何もせずに当該ルーチンを終了する。この場合に
は、現在の制御モード4がそのまま維持される。シフト位置出力処理 上述のように、各モード処理が終了すると、今度は設定
されたシフト位置に基づいて制御信号を作動油圧制御装
置4に出力することになる。図35および図36のフロ
ーチャートはシフト位置制御信号を出力する手順を示
す。このフローチャートによるシフト位置制御信号の出
力手順の概略は、上述のようにしてファジィ判断されて
現在のシフト位置を変化させる必要が生じたときにのみ
制御信号を出力することにし、しかも、実際にシフト操
作を行なう条件として、更に、前回のシフト変化から所
定時間(例えば、0.5 秒) が経過していること、ハンド
ル角の絶対値が所定値以下であること、横加速度の絶対
値が所定値以下であることが必要であり、これらの条件
の一つでも満足しなければシフト位置の変更を行わない
ようにしている。
には、何もせずに当該ルーチンを終了する。この場合に
は、現在の制御モード4がそのまま維持される。シフト位置出力処理 上述のように、各モード処理が終了すると、今度は設定
されたシフト位置に基づいて制御信号を作動油圧制御装
置4に出力することになる。図35および図36のフロ
ーチャートはシフト位置制御信号を出力する手順を示
す。このフローチャートによるシフト位置制御信号の出
力手順の概略は、上述のようにしてファジィ判断されて
現在のシフト位置を変化させる必要が生じたときにのみ
制御信号を出力することにし、しかも、実際にシフト操
作を行なう条件として、更に、前回のシフト変化から所
定時間(例えば、0.5 秒) が経過していること、ハンド
ル角の絶対値が所定値以下であること、横加速度の絶対
値が所定値以下であることが必要であり、これらの条件
の一つでも満足しなければシフト位置の変更を行わない
ようにしている。
【0145】これをより具体的に説明すると、電子制御
装置5は、先ず、ステップS220において、0.5 秒カ
ウンタ値SFLGが0より大であるか否かを判別する。
0.5秒カウンタSFLGは、前回シフト操作された時点
から所定時間(0.5秒)が経過したか否かを判別するため
のダウンカウンタであり、シフト操作された時点に初期
値にリセットされる。従って、ステップS220におけ
る判別結果が肯定の場合には、前回のシフト操作から未
だ所定時間(0.5秒)が経過しておらず、このような場合
には、ステップS221においてカウンタ値SFLGを
値1だけデクリメントして当該ルーチンを終了する。カ
ウンタ値SFLGが0にカウントダウンされない間に新
たなシフト位置が設定されてもそのシフト位置へのシフ
ト操作は実行されないことになる。
装置5は、先ず、ステップS220において、0.5 秒カ
ウンタ値SFLGが0より大であるか否かを判別する。
0.5秒カウンタSFLGは、前回シフト操作された時点
から所定時間(0.5秒)が経過したか否かを判別するため
のダウンカウンタであり、シフト操作された時点に初期
値にリセットされる。従って、ステップS220におけ
る判別結果が肯定の場合には、前回のシフト操作から未
だ所定時間(0.5秒)が経過しておらず、このような場合
には、ステップS221においてカウンタ値SFLGを
値1だけデクリメントして当該ルーチンを終了する。カ
ウンタ値SFLGが0にカウントダウンされない間に新
たなシフト位置が設定されてもそのシフト位置へのシフ
ト操作は実行されないことになる。
【0146】前回シフト操作から所定時間が経過してス
テップS220の判別結果が否定の場合、ステップS2
22に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)が値0以
外の値であるか否かを判別する。スイッチSW(0)が
値0以外の値でなく、値0であれば、モード0による変
速制御を意味し、この場合、なにもせずに当該ルーチン
を終了する。ノーマルモード0の場合、通常の変速制御
であるから、ファジィ判断による割り込みシフト制御を
行なう必要がなく、前述したように別に準備されている
通常の変速制御用のプログラムによってシフト位置制御
信号が作動油圧制御装置4に出力される。
テップS220の判別結果が否定の場合、ステップS2
22に進み、ファジィ入力スイッチSW(0)が値0以
外の値であるか否かを判別する。スイッチSW(0)が
値0以外の値でなく、値0であれば、モード0による変
速制御を意味し、この場合、なにもせずに当該ルーチン
を終了する。ノーマルモード0の場合、通常の変速制御
であるから、ファジィ判断による割り込みシフト制御を
行なう必要がなく、前述したように別に準備されている
通常の変速制御用のプログラムによってシフト位置制御
信号が作動油圧制御装置4に出力される。
【0147】ファジィ入力スイッチSW(0)が値0以
外の値であると判断され、ステップS222の判別結果
が肯定の場合、ステップS224に進み、ファジィシフ
ト位置SHIFFと、ノーマルモード0のシフトパター
ンから設定される変速段SHIF1の小さい方を選択
し、これをシフト位置指令値として変数Nに設定する。
ファジィ制御中においても、ノーマルモード0において
使用するシフトパターンで決定される変速段SHIF1
の方が小の場合には、その変速段が優先して選択され
る。すなわち、ファジィシフト位置SHIFFがノーマ
ルモード0のシフトパターンから設定される変速段SH
IF1より低速段である場合にのみ、ファジィシフト位
置SHIFFが選択されることになる。次いで、選択し
たシフト位置指令変数Nの値が現在指令されている変速
段SHIF0と等しいか否かを判別する(ステップS2
26)。等しい場合にはシフト操作を行なう必要がな
く、当該ルーチンを終了する。
外の値であると判断され、ステップS222の判別結果
が肯定の場合、ステップS224に進み、ファジィシフ
ト位置SHIFFと、ノーマルモード0のシフトパター
ンから設定される変速段SHIF1の小さい方を選択
し、これをシフト位置指令値として変数Nに設定する。
ファジィ制御中においても、ノーマルモード0において
使用するシフトパターンで決定される変速段SHIF1
の方が小の場合には、その変速段が優先して選択され
る。すなわち、ファジィシフト位置SHIFFがノーマ
ルモード0のシフトパターンから設定される変速段SH
IF1より低速段である場合にのみ、ファジィシフト位
置SHIFFが選択されることになる。次いで、選択し
たシフト位置指令変数Nの値が現在指令されている変速
段SHIF0と等しいか否かを判別する(ステップS2
26)。等しい場合にはシフト操作を行なう必要がな
く、当該ルーチンを終了する。
【0148】一方、ステップS226の判別結果が否定
の場合には、シフト位置指令変数Nが現在の指令変速段
SHIF0より大、すなわちシフトアップ時に、ハンド
ル角絶対値FV(9)が所定値CFV9より大である
か、および、横加速度絶対値FV(10)が所定値CF
V10より大であるか、の何れかの条件が成立している
か否かを判別する(ステップS228)。何れかの条件
が成立しているとステップS228の判別結果が肯定と
なり、この場合にはシフト位置の変更、すなわち変速を
行なうことなく当該ルーチンを終了する。すなわちシフ
ト位置指令変数Nによりシフトアップ指令が行なわれる
ことになる場合、ハンドル角が所定値より大であるか、
或いは、横加速度絶対値が所定値より大であるときに
は、シフト操作が禁止される。
の場合には、シフト位置指令変数Nが現在の指令変速段
SHIF0より大、すなわちシフトアップ時に、ハンド
ル角絶対値FV(9)が所定値CFV9より大である
か、および、横加速度絶対値FV(10)が所定値CF
V10より大であるか、の何れかの条件が成立している
か否かを判別する(ステップS228)。何れかの条件
が成立しているとステップS228の判別結果が肯定と
なり、この場合にはシフト位置の変更、すなわち変速を
行なうことなく当該ルーチンを終了する。すなわちシフ
ト位置指令変数Nによりシフトアップ指令が行なわれる
ことになる場合、ハンドル角が所定値より大であるか、
或いは、横加速度絶対値が所定値より大であるときに
は、シフト操作が禁止される。
【0149】ステップS228の何れの条件も成立せ
ず、判別結果が否定の場合には、ステップS229に進
み、ファジィ入力スイッチSW(9)が値1である場合
に、ハンドル角絶対値FV(9)が所定値CFV9より
大であるか、および、横加速度絶対値FV(10)が所
定値CFV10より大であるか、の何れかの条件が成立
しているか否かを判別する。ファジィ入力スイッチSW
(9)は、前述した通り、路面の凍結等により、その摩
擦係数μが低いと判別したときに値1に設定されるもの
である。そして、ハンドル角絶対値FV(9)が所定値
CFV9より大であるか、および、横加速度絶対値FV
(10)が所定値CFV10より大であるか、の何れか
の条件が成立することは、車両がコーナを曲がっている
ことを意味する。ステップS229の判別結果が肯定の
場合には、当該ルーチンを終了してファジィ変速制御に
よる変速操作を実行しない。すなわち、低μ路において
は、コーナを曲がるとき、変速シフトが禁止されること
になる。
ず、判別結果が否定の場合には、ステップS229に進
み、ファジィ入力スイッチSW(9)が値1である場合
に、ハンドル角絶対値FV(9)が所定値CFV9より
大であるか、および、横加速度絶対値FV(10)が所
定値CFV10より大であるか、の何れかの条件が成立
しているか否かを判別する。ファジィ入力スイッチSW
(9)は、前述した通り、路面の凍結等により、その摩
擦係数μが低いと判別したときに値1に設定されるもの
である。そして、ハンドル角絶対値FV(9)が所定値
CFV9より大であるか、および、横加速度絶対値FV
(10)が所定値CFV10より大であるか、の何れか
の条件が成立することは、車両がコーナを曲がっている
ことを意味する。ステップS229の判別結果が肯定の
場合には、当該ルーチンを終了してファジィ変速制御に
よる変速操作を実行しない。すなわち、低μ路において
は、コーナを曲がるとき、変速シフトが禁止されること
になる。
【0150】ステップS229の何れの条件も成立せ
ず、判別結果が否定の場合には、図36のステップS2
30が実行される。ステップS230では、シフト位置
指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段高い
値より大きいか、すなわち今回のシフト位置指令変数N
により一度に2速以上シフトアップされることになるの
か否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nにより
一度に2速以上シフトアップされることになるのであれ
ば、ステップS232において、今回のシフトアップ操
作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ高い変
速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHIF0
+1)に設定し直した後、後述するステップS237に
進む。
ず、判別結果が否定の場合には、図36のステップS2
30が実行される。ステップS230では、シフト位置
指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段高い
値より大きいか、すなわち今回のシフト位置指令変数N
により一度に2速以上シフトアップされることになるの
か否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nにより
一度に2速以上シフトアップされることになるのであれ
ば、ステップS232において、今回のシフトアップ操
作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ高い変
速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHIF0
+1)に設定し直した後、後述するステップS237に
進む。
【0151】一方、ステップS230の判別結果が否定
の場合には、ステップS234に進み、今度は、シフト
位置指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段
低い値より小さいか、すなわち今回のシフト位置指令変
数Nにより一度に2速以上シフトダウンされることにな
るのか否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nに
より一度に2速以上シフトダウンされることになるので
あれば、ステップS236において、今回のシフトアッ
プ操作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ低
い変速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHI
F0−1)に設定し直した後、後述するステップS23
7に進む。ステップS234の判別結果が否定であれ
ば、シフト位置指令変数Nの値をそのまま保持してステ
ップS237に進む。
の場合には、ステップS234に進み、今度は、シフト
位置指令変数Nが現在の指令変速段SHIF0より1段
低い値より小さいか、すなわち今回のシフト位置指令変
数Nにより一度に2速以上シフトダウンされることにな
るのか否かを判別する。今回のシフト位置指令変数Nに
より一度に2速以上シフトダウンされることになるので
あれば、ステップS236において、今回のシフトアッ
プ操作を、現在の指令変速段SHIF0より1段だけ低
い変速段に制限するために、指令変数値Nを値(SHI
F0−1)に設定し直した後、後述するステップS23
7に進む。ステップS234の判別結果が否定であれ
ば、シフト位置指令変数Nの値をそのまま保持してステ
ップS237に進む。
【0152】ステップS237では、長期低μ路判定フ
ラグであるファジィ入力スイッチ(10)が値1に設定
されているか否かを判別する。このファジィ入力スイッ
チ(10)の値は、前述した不揮発性のバッテリバック
アップRAMに記憶されており、その値が1の時には、
路面の積雪や凍結等により摩擦係数μが低い状態である
ことを意味する。従って、ステップS237の判別結果
が否定の場合には直接後述のステップS240に進む
が、肯定の場合にはステップS238に進み、指令変数
Nが値1に等しいか否かを判別する。そして、指令変数
値Nが値1に等しい場合、すなわち、これから出力しよ
うとするシフト位置が1速段である場合には、当該ルー
チンを終了し、1速段へのシフトダウンを禁止する。ス
テップS238の判別結果が否定であり、指令変数値N
が値1に等しくなければ、特に問題はなくステップS2
40に進む。
ラグであるファジィ入力スイッチ(10)が値1に設定
されているか否かを判別する。このファジィ入力スイッ
チ(10)の値は、前述した不揮発性のバッテリバック
アップRAMに記憶されており、その値が1の時には、
路面の積雪や凍結等により摩擦係数μが低い状態である
ことを意味する。従って、ステップS237の判別結果
が否定の場合には直接後述のステップS240に進む
が、肯定の場合にはステップS238に進み、指令変数
Nが値1に等しいか否かを判別する。そして、指令変数
値Nが値1に等しい場合、すなわち、これから出力しよ
うとするシフト位置が1速段である場合には、当該ルー
チンを終了し、1速段へのシフトダウンを禁止する。ス
テップS238の判別結果が否定であり、指令変数値N
が値1に等しくなければ、特に問題はなくステップS2
40に進む。
【0153】ここで、上述のステップS226において
指令変速段Nが現在変速段SHIF0と比較され、この
比較結果が否定のときにのみ、後続のステップS238
が実行される。従って、ステップS238において、指
令変速段N値が1に等しい事象は、現在変速段SHIF
0が2速段である以外に生じ得ない。このため、雪道に
おいて(SW(10)=1の条件が成立する場合におい
て)、例えば、車速が低下してノーマルモード0のシフ
トパターンから1速段が選択されても、ステップS23
8の判別によりステップS242が実行されない結果、
現在変速段SHIF0、すなわち2速段が保持されるこ
とになり、低μ路走行時において1速段へのシフトダウ
ンが確実に禁止される。
指令変速段Nが現在変速段SHIF0と比較され、この
比較結果が否定のときにのみ、後続のステップS238
が実行される。従って、ステップS238において、指
令変速段N値が1に等しい事象は、現在変速段SHIF
0が2速段である以外に生じ得ない。このため、雪道に
おいて(SW(10)=1の条件が成立する場合におい
て)、例えば、車速が低下してノーマルモード0のシフ
トパターンから1速段が選択されても、ステップS23
8の判別によりステップS242が実行されない結果、
現在変速段SHIF0、すなわち2速段が保持されるこ
とになり、低μ路走行時において1速段へのシフトダウ
ンが確実に禁止される。
【0154】ステップS240では、0.5 秒カウンタS
FLGの値を所定値XT1(0.5秒に対応する値)にリセ
ットした後、ステップS242を実行して、シフト位置
指令変数Nに応じたシフト位置制御信号を作動油圧制御
装置4に出力して当該ルーチンを終了する。ステップS
240で出力されるシフト位置制御信号は、ファジィ制
御に基づくものであり、この信号はノーマルモード0に
基づき出力されるシフト位置制御信号より優先順位が高
く、ノーマルモード0に基づくシフト位置制御信号に対
して割り込み実行される。
FLGの値を所定値XT1(0.5秒に対応する値)にリセ
ットした後、ステップS242を実行して、シフト位置
指令変数Nに応じたシフト位置制御信号を作動油圧制御
装置4に出力して当該ルーチンを終了する。ステップS
240で出力されるシフト位置制御信号は、ファジィ制
御に基づくものであり、この信号はノーマルモード0に
基づき出力されるシフト位置制御信号より優先順位が高
く、ノーマルモード0に基づくシフト位置制御信号に対
して割り込み実行される。
【0155】ノーマルモード変速制御 次に、ノーマルモード0による変速制御手順について、
図37〜図39に示すノーマルモード変速制御ルーチン
のフローチャートを参照して説明する。ノーマルモード
変速制御ルーチンは、シフトポジションセンサ12が検
出するシフトレバーの切換位置が、ドライブ(D)位置
に切り換えられているときに、所定の制御周期で実行さ
れる。電子制御装置5は、先ず、ステップS280にお
いて、0.5 秒カウンタ値SFLGが0より大であるか否
かを判別する。0.5 秒カウンタSFLGは、ファジィ制
御におけるシフト位置出力ルーチンにおいて使用したカ
ウンタと同じものが使用され、前述した通り、前回シフ
ト操作された時点から所定時間(0.5秒)が経過しない
間、シフト操作を禁止するためのものである。従って、
ステップS280における判別結果が肯定の場合には、
前回のシフト操作から未だ所定時間(0.5秒)が経過して
おらず、このような場合には、直ちに当該ルーチンを終
了する。なお、このカウンタ値SFLGは、前述のシフ
ト位置出力ルーチンにおいて値1宛デクリメントされ
る。
図37〜図39に示すノーマルモード変速制御ルーチン
のフローチャートを参照して説明する。ノーマルモード
変速制御ルーチンは、シフトポジションセンサ12が検
出するシフトレバーの切換位置が、ドライブ(D)位置
に切り換えられているときに、所定の制御周期で実行さ
れる。電子制御装置5は、先ず、ステップS280にお
いて、0.5 秒カウンタ値SFLGが0より大であるか否
かを判別する。0.5 秒カウンタSFLGは、ファジィ制
御におけるシフト位置出力ルーチンにおいて使用したカ
ウンタと同じものが使用され、前述した通り、前回シフ
ト操作された時点から所定時間(0.5秒)が経過しない
間、シフト操作を禁止するためのものである。従って、
ステップS280における判別結果が肯定の場合には、
前回のシフト操作から未だ所定時間(0.5秒)が経過して
おらず、このような場合には、直ちに当該ルーチンを終
了する。なお、このカウンタ値SFLGは、前述のシフ
ト位置出力ルーチンにおいて値1宛デクリメントされ
る。
【0156】前回シフト操作から所定時間が経過してス
テップS280の判別結果が否定の場合、ステップS2
81に進み、車速FV(0)およびアクセル開度FV
(4)を読み込み、読み込んだ車速FV(0)が0で、
且つ、アクセル開度FV(4)が値0であるか否かを判
別する(ステップS282)。この判別は、車両が停車
しており、且つ、運転者によるアクセルペタルの踏込み
がないか否かを判別するものである。この判別結果が肯
定の場合には、ステップS284に進み、指令変速段と
してSHIF1値を強制的に値2、すなわち2速段に設
定して、ステップS285に進む。このように、シフト
レバーがDレンジに切り換えられており、しかも車両が
停止している場合に、2速段にシフトさせることによ
り、このような停車時に生じるクリープ現象が防止され
る。
テップS280の判別結果が否定の場合、ステップS2
81に進み、車速FV(0)およびアクセル開度FV
(4)を読み込み、読み込んだ車速FV(0)が0で、
且つ、アクセル開度FV(4)が値0であるか否かを判
別する(ステップS282)。この判別は、車両が停車
しており、且つ、運転者によるアクセルペタルの踏込み
がないか否かを判別するものである。この判別結果が肯
定の場合には、ステップS284に進み、指令変速段と
してSHIF1値を強制的に値2、すなわち2速段に設
定して、ステップS285に進む。このように、シフト
レバーがDレンジに切り換えられており、しかも車両が
停止している場合に、2速段にシフトさせることによ
り、このような停車時に生じるクリープ現象が防止され
る。
【0157】ステップS282における判別結果が否定
の場合、すなわち、発進のためにアクセルペタルが踏み
込まれたり、走行中である場合には、ステップS283
に進み、記憶装置5Cに記憶されているノーマルモード
0のシフトパターンから、車速FV(0)およびアクセ
ル開度FV(4)に応じたモード0演算変速段SHIF
1を読み出す。ノーマルモード0のシフトパターンは、
車両が市街地等、平坦路を走行する場合に最適な変速段
領域を車速とアクセル開度とにより規定している。
の場合、すなわち、発進のためにアクセルペタルが踏み
込まれたり、走行中である場合には、ステップS283
に進み、記憶装置5Cに記憶されているノーマルモード
0のシフトパターンから、車速FV(0)およびアクセ
ル開度FV(4)に応じたモード0演算変速段SHIF
1を読み出す。ノーマルモード0のシフトパターンは、
車両が市街地等、平坦路を走行する場合に最適な変速段
領域を車速とアクセル開度とにより規定している。
【0158】変速段SHIF1を演算すると、次いで、
図38のステップS285に進み、ファジィ入力スイッ
チSW(0)が値0であるか否かを判別する。スイッチ
SW(0)が値0以外の値であれば、モード0以外のモ
ードによるファジィ変速制御を意味し、この場合、なに
もせずに当該ルーチンを終了する。一方、ステップS2
85の判別結果が肯定で、ノーマルモード0の場合、演
算した変速段SHIF1が現在指令されている変速段S
HIF0と等しいか否かを判別する(ステップS28
6)。等しい場合にはシフト操作を行なう必要がなく、
当該ルーチンを終了する。
図38のステップS285に進み、ファジィ入力スイッ
チSW(0)が値0であるか否かを判別する。スイッチ
SW(0)が値0以外の値であれば、モード0以外のモ
ードによるファジィ変速制御を意味し、この場合、なに
もせずに当該ルーチンを終了する。一方、ステップS2
85の判別結果が肯定で、ノーマルモード0の場合、演
算した変速段SHIF1が現在指令されている変速段S
HIF0と等しいか否かを判別する(ステップS28
6)。等しい場合にはシフト操作を行なう必要がなく、
当該ルーチンを終了する。
【0159】一方、ステップS286の判別結果が否定
の場合には、ステップS288に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(9)が値1である場合に、ハンドル角絶対
値FV(9)が所定値CFV9より大であるか、およ
び、横加速度絶対値FV(10)が所定値CFV10よ
り大であるか、の何れかの条件が成立しているか否かを
判別する。ファジィ入力スイッチSW(9)は、前述し
た通り、路面の凍結等により、その摩擦係数μが低いこ
とを記憶するためのスイッチであり、図35に示すシフ
ト位置出力ルーチンの場合と同様に、ステップS288
の判別結果が肯定の場合には、当該ルーチンを終了して
ファジィ変速制御による変速操作を実行しない。すなわ
ち、低μ路においては、コーナを曲がるとき、変速シフ
トが禁止されることになる。
の場合には、ステップS288に進み、ファジィ入力ス
イッチSW(9)が値1である場合に、ハンドル角絶対
値FV(9)が所定値CFV9より大であるか、およ
び、横加速度絶対値FV(10)が所定値CFV10よ
り大であるか、の何れかの条件が成立しているか否かを
判別する。ファジィ入力スイッチSW(9)は、前述し
た通り、路面の凍結等により、その摩擦係数μが低いこ
とを記憶するためのスイッチであり、図35に示すシフ
ト位置出力ルーチンの場合と同様に、ステップS288
の判別結果が肯定の場合には、当該ルーチンを終了して
ファジィ変速制御による変速操作を実行しない。すなわ
ち、低μ路においては、コーナを曲がるとき、変速シフ
トが禁止されることになる。
【0160】ステップS288の判別結果が否定の場合
には、図39のステップS290が実行される。ステッ
プS290では、モード0演算変速段SHIF1が現在
の指令変速段SHIF0より1段高い値より大きいか、
すなわち今回の演算変速段SHIF1により一度に2速
以上シフトアップされることになるのか否かを判別す
る。今回の演算変速段SHIF1により一度に2速以上
シフトアップされることになるのであれば、ステップS
292において、今回のシフトアップ操作を、現在の指
令変速段SHIF0より1段だけ高い変速段に制限する
ために、演算変速段SHIF1を値(SHIF0+1)
に設定し直した後、後述するステップS298に進む。
には、図39のステップS290が実行される。ステッ
プS290では、モード0演算変速段SHIF1が現在
の指令変速段SHIF0より1段高い値より大きいか、
すなわち今回の演算変速段SHIF1により一度に2速
以上シフトアップされることになるのか否かを判別す
る。今回の演算変速段SHIF1により一度に2速以上
シフトアップされることになるのであれば、ステップS
292において、今回のシフトアップ操作を、現在の指
令変速段SHIF0より1段だけ高い変速段に制限する
ために、演算変速段SHIF1を値(SHIF0+1)
に設定し直した後、後述するステップS298に進む。
【0161】一方、ステップS290の判別結果が否定
の場合には、ステップS294に進み、今度は、モード
0演算変速段SHIF1が現在の指令変速段SHIF0
より1段低い値より小さいか、すなわち今回の演算変速
段SHIF1により一度に2速以上シフトダウンされる
ことになるのか否かを判別する。今回の演算変速段SH
IF1により一度に2速以上シフトダウンされることに
なるのであれば、ステップS296において、今回のシ
フトアップ操作を、現在の指令変速段SHIF0より1
段だけ低い変速段に制限するために、演算変速段SHI
F1を値(SHIF0−1)に設定し直した後、後述す
るステップS298に進む。ステップS294の判別結
果が否定であれば、演算変速段SHIF1の値をそのま
ま保持してステップS298に進む。
の場合には、ステップS294に進み、今度は、モード
0演算変速段SHIF1が現在の指令変速段SHIF0
より1段低い値より小さいか、すなわち今回の演算変速
段SHIF1により一度に2速以上シフトダウンされる
ことになるのか否かを判別する。今回の演算変速段SH
IF1により一度に2速以上シフトダウンされることに
なるのであれば、ステップS296において、今回のシ
フトアップ操作を、現在の指令変速段SHIF0より1
段だけ低い変速段に制限するために、演算変速段SHI
F1を値(SHIF0−1)に設定し直した後、後述す
るステップS298に進む。ステップS294の判別結
果が否定であれば、演算変速段SHIF1の値をそのま
ま保持してステップS298に進む。
【0162】ステップS298では、長期低μ路判定フ
ラグであるファジィ入力スイッチ(10)が値1に設定
されているか否かを判別する。このファジィ入力スイッ
チ(10)の値は、前述した通り不揮発性のバッテリバ
ックアップRAMに記憶されており、その値が1の時に
は、路面の積雪や凍結等により摩擦係数μが低い状態で
あることを意味する。従って、ステップS298の判別
結果が否定の場合には直接後述のステップS302に進
むが、肯定の場合にはステップS300に進み、演算変
速段SHIF1が値1に等しいか否かを判別する。そし
て、演算変速段SHIF1が値1に等しい場合、すなわ
ち、これから出力しようとするシフト位置が1速段であ
る場合には、当該ルーチンを終了し、1速段へのシフト
ダウンを禁止する。ステップS300の判別結果が否定
であり、演算変速段SHIF1が値1に等しくなけれ
ば、特に問題はなくステップS302に進む。
ラグであるファジィ入力スイッチ(10)が値1に設定
されているか否かを判別する。このファジィ入力スイッ
チ(10)の値は、前述した通り不揮発性のバッテリバ
ックアップRAMに記憶されており、その値が1の時に
は、路面の積雪や凍結等により摩擦係数μが低い状態で
あることを意味する。従って、ステップS298の判別
結果が否定の場合には直接後述のステップS302に進
むが、肯定の場合にはステップS300に進み、演算変
速段SHIF1が値1に等しいか否かを判別する。そし
て、演算変速段SHIF1が値1に等しい場合、すなわ
ち、これから出力しようとするシフト位置が1速段であ
る場合には、当該ルーチンを終了し、1速段へのシフト
ダウンを禁止する。ステップS300の判別結果が否定
であり、演算変速段SHIF1が値1に等しくなけれ
ば、特に問題はなくステップS302に進む。
【0163】シフトレバーがNレンジからDレンジに切
り換えられ、車両が発進する場合を考えると、本実施例
に適用されるノーマルモードの変速制御では、車両が停
止しており、アクセルペタルが踏み込まれない限り、変
速段を2速段に強制的に設定して(ステップS284)
クリープ現象を防止している。この状態で、アクセルペ
タルが踏み込まれ、アクセル開度FV(4)が所定の微
少値より大になると、ステップS283において1速段
が選択されることになる。発進時に1速段にシフト操作
されると、通常の舗装路では問題ないが、雪道では、迂
闊にアクセルペタルを踏み込んでしまうと車輪がスリッ
プして発進が困難になる場合がある。このような場合で
あっても、本発明の変速制御方法によれば、上述のステ
ップS298およびステップS300において、低μ路
において1速段が禁止されるために、クリープ防止のた
めに設定した2速段がそのまま保持され、2速段発進が
行なわれる。また、低μ路走行時に1速段へのシフトダ
ウンが禁止されることも勿論のことである。かくして、
雪道等の低μ路においては、1速段へのシフトダウンを
禁止して、雪道での発進を容易にしたり、走行時のスリ
ップ等を防止している。
り換えられ、車両が発進する場合を考えると、本実施例
に適用されるノーマルモードの変速制御では、車両が停
止しており、アクセルペタルが踏み込まれない限り、変
速段を2速段に強制的に設定して(ステップS284)
クリープ現象を防止している。この状態で、アクセルペ
タルが踏み込まれ、アクセル開度FV(4)が所定の微
少値より大になると、ステップS283において1速段
が選択されることになる。発進時に1速段にシフト操作
されると、通常の舗装路では問題ないが、雪道では、迂
闊にアクセルペタルを踏み込んでしまうと車輪がスリッ
プして発進が困難になる場合がある。このような場合で
あっても、本発明の変速制御方法によれば、上述のステ
ップS298およびステップS300において、低μ路
において1速段が禁止されるために、クリープ防止のた
めに設定した2速段がそのまま保持され、2速段発進が
行なわれる。また、低μ路走行時に1速段へのシフトダ
ウンが禁止されることも勿論のことである。かくして、
雪道等の低μ路においては、1速段へのシフトダウンを
禁止して、雪道での発進を容易にしたり、走行時のスリ
ップ等を防止している。
【0164】ステップS302では、0.5 秒カウンタS
FLGの値を所定値XT1(0.5秒に対応する値)にリセ
ットした後、ステップS304を実行して、演算変速段
SHIF1に応じたシフト位置制御信号を作動油圧制御
装置4に出力して当該ルーチンを終了する。上述の実施
例では、路面の摩擦抵抗が小であると判定されるような
路面状態での走行時、或いは発進時に、最低速段、すな
わち1速段へのシフト操作を禁止するようにしたが、ギ
ア比に依っては、1速段のみならず2速段へのシフト操
作を禁止するようにしてもよい。
FLGの値を所定値XT1(0.5秒に対応する値)にリセ
ットした後、ステップS304を実行して、演算変速段
SHIF1に応じたシフト位置制御信号を作動油圧制御
装置4に出力して当該ルーチンを終了する。上述の実施
例では、路面の摩擦抵抗が小であると判定されるような
路面状態での走行時、或いは発進時に、最低速段、すな
わち1速段へのシフト操作を禁止するようにしたが、ギ
ア比に依っては、1速段のみならず2速段へのシフト操
作を禁止するようにしてもよい。
【0165】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
車両用自動変速機の変速制御装置に依れば、路面の摩擦
抵抗に関連するパラメータ値を所定周期ごとに検出し、
摩擦抵抗が小さいことを示す低摩擦領域に位置する上記
パラメータ値の所定時間における発生割合を検出し、こ
の発生割合が所定値以上のときに低摩擦路面であると判
定し、低摩擦路面と判定されたとき、少なくとも最低速
段へのシフト操作を禁止するようにしたので、駆動力変
化によって車両挙動が不安定になることを防止すること
ができ、雪道等の低μ路におけるスリップが防止でき、
車両の発進も容易になる。
車両用自動変速機の変速制御装置に依れば、路面の摩擦
抵抗に関連するパラメータ値を所定周期ごとに検出し、
摩擦抵抗が小さいことを示す低摩擦領域に位置する上記
パラメータ値の所定時間における発生割合を検出し、こ
の発生割合が所定値以上のときに低摩擦路面であると判
定し、低摩擦路面と判定されたとき、少なくとも最低速
段へのシフト操作を禁止するようにしたので、駆動力変
化によって車両挙動が不安定になることを防止すること
ができ、雪道等の低μ路におけるスリップが防止でき、
車両の発進も容易になる。
【図1】本発明に係る車両用自動変速機の変速制御装置
により実行される各制御モードの相互関係を示す図であ
る。
により実行される各制御モードの相互関係を示す図であ
る。
【図2】本発明に係る車両用自動変速機の変速制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す電子制御装置(ECU)が実行する
ファジィ変速制御の手順を示すメインルーチンのフロー
チャートである。
ファジィ変速制御の手順を示すメインルーチンのフロー
チャートである。
【図4】ファジィ変速制御に用いるハンドル操作量FV
(2)の演算手順を示すフローチャートである。
(2)の演算手順を示すフローチャートである。
【図5】ファジィ変速制御に用いるブレーキ減速幅FV
(3)の演算手順を示すフローチャートである。
(3)の演算手順を示すフローチャートである。
【図6】ファジィ変速制御に用いるアクセル踏込速度F
V(5)の演算手順を示すフローチャートである。
V(5)の演算手順を示すフローチャートである。
【図7】ファジィ変速制御に用いる重量・勾配抵抗FV
(6)の演算手順を示すフローチャートである。
(6)の演算手順を示すフローチャートである。
【図8】ファジィ変速制御に用いる車速の2秒差分FV
(8)の演算手順を示すフローチャートである。
(8)の演算手順を示すフローチャートである。
【図9】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗大状態を
記憶するファジィ入力スイッチSW(1)の設定手順を
示すフローチャートである。
記憶するファジィ入力スイッチSW(1)の設定手順を
示すフローチャートである。
【図10】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗非負状
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(2)の設定手
順を示すフローチャートである。
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(2)の設定手
順を示すフローチャートである。
【図11】ファジィ変速制御に用いる、勾配抵抗非大状
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(3)の設定手
順を示すフローチャートである。
態を記憶するファジィ入力スイッチSW(3)の設定手
順を示すフローチャートである。
【図12】ファジィ変速制御に用いる、道路のつづら折
り状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(4)の設
定手順を示すフローチャートの一部である。
り状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(4)の設
定手順を示すフローチャートの一部である。
【図13】図12のフローチャートに続く、残余のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図14】ファジィ変速制御に用いる、アクセル開度大
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(5)の設定
手順を示すフローチャートである。
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(5)の設定
手順を示すフローチャートである。
【図15】ファジィ変速制御に用いる、アクセル開度中
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(6)の設定
手順を示すフローチャートである。
状態を記憶するファジィ入力スイッチSW(6)の設定
手順を示すフローチャートである。
【図16】ファジィ入力スイッチSW(9)およびSW
(10)の設定手順を示すフローチャートの一部であ
る。
(10)の設定手順を示すフローチャートの一部であ
る。
【図17】図16のフローチャートに続く、残余のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図18】前輪の横滑り角とそのコーナリングフォース
との関係を示す図である。
との関係を示す図である。
【図19】横滑り角に対し、路面の状況により異なるコ
ーナリングフォースを示すグラフである。
ーナリングフォースを示すグラフである。
【図20】検出した路面μの、一例としてのヒストグラ
ムである。
ムである。
【図21】α値によって各種閾値を同時に決定するため
のメンバシップ関数を例示し、図21(A)は、α値と
重量勾配抵抗判別閾値P61Uとの関係を示すグラフであ
り、図21(B)は、α値と車速2秒差分判別閾値P82L
との関係を示すグラフである。
のメンバシップ関数を例示し、図21(A)は、α値と
重量勾配抵抗判別閾値P61Uとの関係を示すグラフであ
り、図21(B)は、α値と車速2秒差分判別閾値P82L
との関係を示すグラフである。
【図22】ファジィ変速制御におけるルール成立判別ル
ーチンのフローチャートである。
ーチンのフローチャートである。
【図23】ルール成立判別におけるルール適合判別の手
順を示すフローチャートである。
順を示すフローチャートである。
【図24】ルール成立判別における適合したルールのチ
ェックの手順を示すフローチャートである。
ェックの手順を示すフローチャートである。
【図25】各モード処理手順を示すフローチャートであ
る。
る。
【図26】現在制御モードが0である場合の処理手順を
示すフローチャートの一部である。
示すフローチャートの一部である。
【図27】図26のフローチャートに続く、残余のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図28】現在制御モードが1である場合の処理手順を
示すフローチャートの一部である。
示すフローチャートの一部である。
【図29】図28のフローチャートに続く、残余のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図30】スロットル開度および車速に応じて変速領域
を区画する、制御モード0および1のアップシフト線を
示すグラフである。
を区画する、制御モード0および1のアップシフト線を
示すグラフである。
【図31】制御モード0から制御モード1に移行に伴っ
て拡大する変速領域を説明するためのグラフである。
て拡大する変速領域を説明するためのグラフである。
【図32】現在制御モードが2である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図33】現在制御モードが3である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図34】現在制御モードが4である場合の処理手順を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図35】シフト位置制御信号の出力手順を示すフロー
チャートの一部である。
チャートの一部である。
【図36】図35のフローチャートに続く、残余のフロ
ーチャートである。
ーチャートである。
【図37】ノーマルモード0における変速制御手順を示
すフローチャートの一部である。
すフローチャートの一部である。
【図38】図37に示すフローチャートに続く、さらに
一部のフローチャートである。
一部のフローチャートである。
【図39】図38に示すフローチャートに続く、残余の
フローチャートである。
フローチャートである。
1 内燃エンジン 2 トルクコンバータ 3 歯車変速機 4 作動油圧制御装置 5 電子制御装置(ECU) 12 シフトポジションセンサ 16 ブレーキセンサ 18 車輪速センサ 20 エンジン回転数センサ 26 ハンドル角センサ 28 パワステアリング圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−213771(JP,A) 特開 平1−193441(JP,A) 特開 平2−42255(JP,A) 特開 平2−3775(JP,A) 特開 平2−290745(JP,A) 特開 平2−262033(JP,A) 特開 平3−92665(JP,A) 特開 昭61−9365(JP,A) 特開 平1−101439(JP,A) 特開 平3−139465(JP,A) 実開 平2−135762(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/24 G01N 19/02
Claims (2)
- 【請求項1】 最低速段を含む複数の変速段を有する車
両用自動変速機の変速制御装置において、 路面の摩擦抵抗に関連するパラメータ値を所定周期ごと
に検出する摩擦抵抗検出手段と、摩擦抵抗が小さいことを示す低摩擦領域に位置する上記
パラメータ値の所定時間における発生割合を検出し、こ
の発生割合が所定値以上のときに低摩擦路面であると 判
定する低摩擦路面判定手段と、 低摩擦路面と判定されたときに、上記最低速段への変速
シフトを禁止する変速禁止手段とを有することを特徴と
する車両用自動変速機の変速制御装置。 - 【請求項2】 上記低摩擦路面判定手段の判定結果を記
憶する不揮発性の記憶装置を有し、上記変速禁止手段
が、上記記憶装置に低摩擦路面であると記憶されている
場合には上記最低速段への変速シフトを禁止することを
特徴とする、請求項1記載の車両用自動変速機の変速制
御装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4032353A JP2876868B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 車両用自動変速機の変速制御装置 |
DE69219650T DE69219650T2 (de) | 1991-03-13 | 1992-03-12 | Gangwechsel-Steuerverfahren für automatisches Fahrzeuggetriebe |
EP92302130A EP0503942B1 (en) | 1991-03-13 | 1992-03-12 | Speed change control method for an automatic transmission for vehicles |
US07/851,190 US5390116A (en) | 1991-03-13 | 1992-03-13 | Speed change control method and apparatus for an automatic transmission for vehicles traveling under various road conditions |
KR1019920004198A KR950010103B1 (ko) | 1991-03-13 | 1992-03-13 | 차량용 자동 변속기의 변속 제어 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4032353A JP2876868B2 (ja) | 1992-02-19 | 1992-02-19 | 車両用自動変速機の変速制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05231520A JPH05231520A (ja) | 1993-09-07 |
JP2876868B2 true JP2876868B2 (ja) | 1999-03-31 |
Family
ID=12356601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4032353A Expired - Fee Related JP2876868B2 (ja) | 1991-03-13 | 1992-02-19 | 車両用自動変速機の変速制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2876868B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01193441A (ja) * | 1988-01-29 | 1989-08-03 | Fuji Heavy Ind Ltd | 自動変速機の変速制御装置 |
JPH023775A (ja) * | 1988-06-08 | 1990-01-09 | Nec Corp | 自動車用自動変速機制御装置 |
JPH0242255A (ja) * | 1988-07-30 | 1990-02-13 | Fuji Heavy Ind Ltd | 自動変速機付自動車の変速制御装置 |
JP2914995B2 (ja) * | 1989-04-28 | 1999-07-05 | マツダ株式会社 | パワートレイン制御装置 |
JPH03213771A (ja) * | 1990-01-17 | 1991-09-19 | Nissan Motor Co Ltd | 自動変速機の変速制御装置 |
-
1992
- 1992-02-19 JP JP4032353A patent/JP2876868B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05231520A (ja) | 1993-09-07 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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