JP2876093B2 - 映像管用グリッドバイアス制御回路 - Google Patents
映像管用グリッドバイアス制御回路Info
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Description
護回路に、詳しくは、通常動作時に映像管に正のグリッ
ドバイアスを与え、走査停止(走査の消失)状態が生じ
た時には、映像管の電子ビームを消去して映像管の蛍光
体のスポット焼けを防止するために、グリッドに負のバ
イアスを供給する形式の保護回路に関するものである。
表示装置として映像管を用いている。映像管の通常動作
中は、電子ビームが走査回路によって偏向されて、映像
管のフエースプレート上に比較的大面積のラスタを描
き、ビデオ信号により変調されているこの電子ビームが
フエースプレート上に被着された蛍光体を励起すること
によって可視画像が生成される。従って、正常状態にお
けるビームエネルギは映像管フエースプレートの全面積
に分配される。
は比較的小面積の領域に集中してしまい、このエネルギ
の集中によって蛍光体に永久的な損傷を与えることにな
る。このような状態を一般に映像管の「スポット焼け」
と呼んでいる。走査の停止状態は、いわゆる「ホットス
タート」状態での受像機あるいはモニタの最初のターン
オン時に生じることがある。また、これは、通常動作時
でも、例えば、素子の故障等のために生じることがあ
る。
この検出または予測された走査停止の発生に応答して、
電子ビームを消去すなわち遮断するに充分な値の負のグ
リッドバイアスを映像管に与えることにより、走査停止
に対する保護を行うことは一般に知られている。グリッ
ドバイアスを制御し、ビームの遮断を行う回路は、時
に、「グリッドキッカー」回路と呼ばれることがある。
このような回路は、一般に、映像管の通常動作時に比較
的高い電圧に充電されるキャパシタを用いている。走査
停止が生じると、キャパシタの正極板が接地電位にクラ
ンプされて高い負の電圧が生成され、これが映像管のグ
リッドに供給されてビームのブランキングが行われる。
の一例が1982年7月20日付けでバルデス(Val
des)氏に付与された米国特許第4,340,910
号に記載されている。この米国特許に記載の回路では、
走査表示信号が並列接続された抵抗とキャパシタを介し
てPNダイオードの陽極と映像管の制御グリッドに供給
される。このダイオードの陰極は接地されている。動作
時には、走査表示信号がキャパシタを充電し、この信号
の一部は並列接続されている抵抗を流れて、PNダイオ
ードの両端間の約0.6Vの正のグリッドバイアス電圧
を発生する。走査が中断すると、走査表示電圧が減少し
て、その減少が充電されたキャパシタを介してダイオー
ドに結合され、それによって、ダイオードが逆バイアス
されて、映像管のグリッドを負に駆動してグリッド遮断
を行い、映像管のスポット焼けを防止する。
(Haferl)氏に付与された米国特許第4,44
8,181号には、グリッドキッカー回路の別の例が示
されている。この米国特許におけるグリッドキッカー回
路は遠隔制御受像機に設けられており、受像機の通常動
作モードと待機動作モードの間の切換に応じて付勢され
て、受像機の走査回路を不動化する前に映像管のブラン
キングを行うようにされている。
グリッドバイアス制御回路は、第1の極板が充電電源に
接続され、第2の極板が映像管グリッドに接続されると
共に、PNダイオードを介して接地されているキャパシ
タを含んでいる。通常動作時には、キャパシタは充電電
源によって充電され、このキャパシタに並列に接続され
た抵抗がダイオードに順バイアスを与えて、映像管に対
する約0.6Vの正のグリッドバイアス電圧を設定す
る。遠隔制御ユニットにより生成されるターンオフ(即
ち、待機動作モード)指令に応答して、キャパシタの第
1の極板を接地電位にクランプするクランピングトラン
ジスタによって、グリッド阻止(格子阻止)が行われ
る。従って、ダイオードが逆バイアスされ、映像管グリ
ッドは負の電位に駆動される。
は、グリッドは、通常動作中に順バイアスされたPNダ
イオードによって与えられる比較的控めの大きさの正の
電位にバイアスされる。これは、映像管の陰極をほぼ接
地電位に駆動できる増幅器により駆動される陰極を有す
る映像管での通常のバイアス状態である。しかし、すべ
ての増幅器がこのような性能を持っているわけではな
い。例えば、あるカスコード陰極駆動増幅器には本質的
に、生成し得る最小出力電圧に限界がある。通常の映像
管動作時に最大輝度を達成するためには、数ボルト(例
えば、25V)のグリッドバイアスを与える必要があ
り、この要件を満たすグリッドバイアス制御回路が開発
された。
電圧を与えるグリッドバイアス制御回路の第1の例が1
990年4月30日付のガーリ(Gurley)氏及び
ウィグノット(Wignot)氏による米国特許出願第
515,512号「映像管スポット焼け保護回路を有す
るビデオ表示装置(Video Display Ap
paratus With Kinescope Sp
ot Burn Protection Circui
t)」(特願平3−125345号対応)に記載されて
いる。このガーリ氏とウイグノット氏の回路は前述した
回路と似ているが、高電圧電源と接地点との間に接続さ
れ、出力が映像管のグリッドに接続されている分圧回路
網を備えている。この回路網の各素子は、正常動作中、
グリッドを約25Vでバイアスするように選択されてい
る。この回路網には約27Vの降服電圧を持ち、走査停
止期間の終りに、グリッド電圧をこの降服電圧の値にク
ランプして、キャパシタに供給される充電電流が過大な
正のグリッドバイアスを生成することがないようにする
ツエナーダイオードを含んでいる。このツエナーダイオ
ードは正常動作時はオフとなるようにバイアスされてお
り、それによって、これを流れる電流による無線周波数
干渉(RFI)が生じないようにするという利点があ
る。
し、ツエナーダイオードによる制限作用を利用したグリ
ッドバイアス制御回路の別の例が、1990年4月30
日付でノーマン(Norman)氏外によって出願され
た米国特許出願第516,385号「投写型TV偏向停
止保護回路(Projection TV Defle
ction Loss Protection Cir
cuit)」(特願平3−128512号・・・・特公
平8−28825号対応)に記載されている。これに記
載されている投写型テレビジョン受像機の実施例では、
水平走査パルスに応答する検出器によって走査停止表示
信号が取出され、高電圧PNPスイッチングトランジス
タが制御される。
は、スイッチングトランジスタがターンオンし、グリッ
ドキッカー・キャパシタに充電電流を供給し、また、グ
リッドを約25Vの正の値にバイアスする分圧回路網に
動作電圧を供給する。
グトランジスタはターンオフされ、プルダウン抵抗がグ
リッドキッカー・キャパシタの正極板を接地してグリッ
ドを負に駆動する。このグリッドバイアス制御回路の図
示されている例においては、分圧器の1つの抵抗が上記
キャパシタと並列に接続されており、この接続が、この
回路により生成される負の出力パルスに対するRC時定
数を決める。与えられている特定回路数値(例えば、
2.7MΩと4.7μF)では、時定数は約12.7秒
である。
は全て良好な動作を行う。この発明は、一部、上述した
4つの例において、これらの4つの全てに共通する1つ
のパラメータを改善する必要があるという認識に基いて
いる。このパラメータは、この発明によれば、グリッド
遮断時定数である。
グリッドバイアス制御回路に供給されたビームブランキ
ング制御信号に応答して、負のグリッド阻止電圧が持続
する時間の長さを意味する。
ド遮断時定数は、寄生漏洩路のような意図的に設けられ
たものではない回路素子、いわゆる寄生素子、に対して
「実(real)」回路素子と称する素子によって決定
される。寄生素子と実素子の区別は簡単で、実素子は費
用がかかり、回路図上で示されるが、上記のような意図
的に設けられたものではない寄生素子(漏洩電路や寄生
容量)には費用はかけないし、また、一般には回路図上
には示されず、回路部品リストには載せられない。
前述した従来例は全て、キャパシタと、このキャパシタ
に対する放電路を与える少くとも1つの抵抗とを用いて
いる。1番目と2番目の例では、抵抗とキャパシタは並
列に接続されている。第3と第4の例では、キャパシタ
の放電路は分圧器の少くとも1つの抵抗により与えられ
ている。最後の例においては、記載の値の素子を用いる
と、グリッド阻止時定数は12.7秒であった。他の例
における時定数は、すべて、実素子の値により決まり、
従って、実用上の回路の値から考えると、数十秒程度に
限定される。
ャパシタを放電させる回路素子には実回路素子は含まれ
ない。このキャパシタの放電は漏洩電路によってのみ生
じる。従って、グリッド遮断時定数は、実用回路素子値
と典型的な素子漏洩値とで、秒単位から分単位に延び
る。従って、この発明は、グリッド遮断時定数が延びた
グリッドバイアス制御回路に対する必要性を満たすもの
である。
の限界があるために、グリッドバイアス遮断時定数を延
長することはできない。例えば、キャパシタの大きさ
(例えば、4.7μF)を相当大きくすると、それに伴
って価格も上昇するであろう。また、テレビジョン受像
機で使用される素子の物理的な寸法には実用上の限界が
あり、非常に大きなキャパシタには特別の取付けブラケ
ット(クランプ)を必要とする。
を長くするという課題を、「グリッドキッカー」キャパ
シタに対する放電路を与える「実」回路素子を排除する
ことによって解決したものである。放電路がないことに
より、時定数は漏洩電流通路のみによって制限され、前
述したように、従来回路の場合と同じ値のキャパシタを
用いて、時定数を大幅に延ばして数分とするこができ
る。
難は、従来回路中にある放電電路を、グリッドバイアス
制御回路の他のどの機能をも失わせることなく取除くと
いう点である。
グリッドバイアス制御回路のある動作状態中はトランジ
スタを「通常」モードで動作させ、また、別の動作状態
ではトランジスタを「反転」モードで動作させることに
よって解決される。
ードとは、トランジスタのベース・エミッタ接合を順バ
イアスし、コレクタ・ベース接合を逆バイアスすること
を含む。また、トランジスタの動作の「反転」モードと
は、コレクタ・ベース接合を順バイアスし、ベース・エ
ミッタ接合を逆バイアスすることを意味する。
定の値のβ、即ち、Hfeあるいは順方向電流利得を呈す
る。反転モードでは、電流利得は低くなる。これは、例
えば、コレクタ/ベース接合面積及びベース/エミッタ
接合面積の相違とか、他の物理的特性の差、例えば、接
合の幅の相違などによるものである。
で動作するトランジスタの電流利得は、グリッドバイア
ス制御回路の特定の回路要件を充分に満足するものであ
ること、及び、このことによって、ここに記述する回路
において、後述するように、グリッドキッカー・キャパ
シタに対する「実」放電路を完全に排することが可能と
なることがわかった。
ッドバイアス制御回路は、切換供給電圧源に結合されて
おり、さらに、グリッドバイアス・キャパシタ(グリッ
ドキッカー・キャパシタともいう)を介して出力点(出
力端子)に結合された入力点(入力端子)を有し、上記
供給電圧が存在する時は上記映像管用のある与えられた
グリッドバイアス電圧が上記出力点に生成され、また、
上記供給電圧が終了すると上記映像管をブランキングす
るためにグリッド遮断バイアスパルスが出力点に生成さ
れる。
されており、その出力回路点において、上記供給電圧が
存在する時には上記与えられた正のグリッドバイアス電
圧を供給し、供給電圧が終了すると、接地レベルの出力
電圧を供給する。分圧器の出力回路点とグリッドバイア
ス制御回路の出力点との間に導通路を持つトランジスタ
が設けられ、このトランジスタはその制御電極が接地電
位源に結合されており、グリッドバイアス制御回路は上
記グリッドバイアス・キャパシタ用の放電路を持ってい
ない。
調されたRF(高調波)ビデオ入力信号またはベースバ
ンドのビデオ入力信号を受信するための入力端子14と
映像管16で表示される赤(R)、青(B)及び緑
(G)出力信号を供給する出力とを有する通常設計のビ
デオ処理ユニット12を含んでいる。赤(R)信号は映
像管16の陰極Kに印加される。
にするために、映像管16は陰極Kが1個として示され
ているが、実際は、直視型カラーTVシステムではR、
G、B信号のそれぞれが供給される3個の陰極を持って
いる。投写型のテレビジョンシステムでは、3つの投写
映像管のそれぞれの陰極KにR、G、B信号が供給され
る。モノクロームシステムの場合は、ルミナンス信号レ
ベルを表わす1つの陰極駆動信号Yが用いられる。
ラーTV及びモノクロームTV表示システムに用いるこ
とができる。いずれの場合でも、グリッドバイアス制御
回路は1つだけでよい。例えば、直視型映像管では、3
つのグリッドを内部的に結合して、グリッドバイアス制
御回路を1つにしてもよい。投写型システムの場合は、
映像管が3本あるが、その場合、共通のグリッドバイア
ス制御回路を用いてもよいし、3つの別々の回路を用い
てもよい。このような場合には、技術的手法の点から言
えば別々の回路も用いる方がよい。(例えば、重複によ
り全体の信頼性が向上する。)但し、ここでは、このよ
うな回路の1つのみを示してある。
などは複数の映像管)に対する偏向信号が、ビデオ処理
ユニット12から同期信号を受信するように結合された
偏向処理ユニット18によって供給される。偏向処理ユ
ニット18としては、映像管16用の垂直及び水平掃引
信号を発生する通常設計のものを用いることができる。
0は、偏向処理ユニット18に結合されたスイッチ制御
ユニット20を備えている。このスイッチ制御ユニット
20は、オン/オフ制御信号S1を供給する作用を行な
うもので、例えば前述したスポット焼け保護回路の任意
のものに用いられているような通常設計のものを用いる
ことができる。この制御ユニット20は、具体的には、
例えば掃引信号の欠如または回路素子の故障を検出する
回路から成るものでよい。あるいは、スイッチ制御ユニ
ット20は、前述したような「予測形」ユニットとし、
例えば、「ホットスタート」の場合などに、実際の走査
停止が起きる前に映像管の表示をブランキングするよう
に働くもの、あるいは、受像機の通常動作モードから待
機動作モードへの切換えに先立ってグリッドをブランキ
ングするようにしたものでもよい。いずれにせよ、この
発明にとって重要なことは、スポット焼け保護を行う必
要の生じた時に、映像管16のグリッドのブランキング
を制御するための適当なオン/オフ制御信号S1をスイ
ッチ制御ユニット20が供給するということである。
フ制御信号S1は高電圧スイッチ30の制御入力32に
供給される。高電圧スイッチ30は高電圧供給源40に
より供給される高電圧(例えば+225V)を受けるよ
うに接続された供給入力34を持っている。さらに、こ
のスイッチ30はグリッドバイアス制御回路50の入力
端子51に切換えられた供給電圧(以下、切換供給電
圧)を供給するための出力36を備えている。切換供給
電圧S2は、受像機(またはモニタ)10の通常動作時
はオンとされ、グリッドバイアス遮断、即ち、映像管グ
リッドGのブランキングが必要になった時はオフとされ
る。
な例が示されている。図3において、スイッチ30は、
ベース電極が制御端子32に、エミッタ電極で高電圧入
力を受けるべく端子34に、また、コレクタ電極が抵抗
38を介してスイッチ出力端子36にそれぞれ結合され
ているPNPトランジスタ31を含む直列型である。
が高電圧供給源40から分離される。スイッチ30がオ
ンの時は、このスイッチは高電圧供給源40を抵抗38
を介して出力36に結合し、従って、抵抗38の値に等
しい出力インピーダンスを呈する。この抵抗38はグリ
ッドバイアス制御回路50への最大出力電圧を制限し、
従って、後述するように、グリッドバイアス・キャパシ
タ(グリッドキッカー・キャパシタ)53に蓄積される
最大電荷を制限するように選定される。
が制御端子32に、エミッタ電極が接地電位に、また、
コレクタ電極が出力36と抵抗38を介して高電圧供給
源40に結合された入力端子34とに、それぞれ接続さ
れたNPNトランジスタ33を含む分路型スイッチであ
る。トランジスタ33は、オンにされると、出力を接地
にクランプし、オフの場合は、出力端子36が抵抗38
を介して入力34に結合される。
明を実施したグリッドバイアス制御回路50の第1の例
を構成する。この回路の全体的な機能は、受像機の通常
動作時には映像管16のグリッドGに所定の調整された
(例えば正の)バイアス電圧を与え、実際に走査停止が
生じた時、または、走査停止が予測された場合にグリッ
ドGに遮断(例えば負の)バイアス電圧を与えることで
ある。このグリッドバイアス制御回路50の目的をさら
に詳しく言えば、映像管16に負のグリッド遮断バイア
スを長時間(例えば、前述したグリッドバイアス制御回
路の例における秒単位から分単位にまで延びた時間)与
えることである。
バイアス制御回路50は、切換供給電圧の源30に結合
され、さらに、グリッドバイアス・キャパシタ53を介
して出力点すなわち出力端子52に結合されている入力
点すなわち入力端子51を有する。供給電圧(例えば+
225V)が存在する時は、ある与えられたグリッドバ
イアス電圧(例えば+25V)がこの出力端子52に生
成され、供給電圧が停止(消滅)すると、映像管16を
ブランキングにしてスポット焼け保護を行うために、負
のグリッド遮断バイアスパルス(例えば−175V)が
上記出力端子52に生成される。
子51と基準電位源である接地電位源56の間に結合さ
れた抵抗54と55を含む分圧器を備えており、この分
圧器は、両抵抗54と55の接続点である分圧出力端子
(出力回路点)57を有し、供給電圧が存在する時には
上記与えられた正のグリッドバイアス電圧をこの分圧出
力端子57に供給し、供給電圧の停止時には接地レベル
の電圧をこの分圧出力端子57に供給する。
含んでいる。PNPトランジスタ60はその導電路が分
圧器(54、55)の分圧出力端子57とグリッドバイ
アス制御回路50の出力端子52との間に接続されてい
る。この実施例においては、トランジスタ60はその制
御電極(ベース)がベース電流制限抵抗62を介して接
地電位源56に結合されている。
路50は、分圧器(54、55)の出力点57と接地電
位源56との間に接続されたツエナーダイオード64を
含んでいる。ツエナーダイオード64は、供給電圧が存
在する時に分圧器(54、55)の出力端子より供給さ
れる前記与えられた正の電圧(例えば+25V)よりも
大きい降服電圧(例えば+27V)を持っている。さら
に、回路50はPNPトランジスタ60の導電路に並列
に接続されたPNダイオード66を備えている。
ッドGを約25Vという比較的高い正の電圧にバイアス
することが望まれている。このために、抵抗38、54
及び55は分圧器の出力端子57に25Vを供給するよ
うに選択されている。ツエナーダイオード64はキャパ
シタ53の充電中、最初のサージ電圧を上記25Vより
もいくらか高い電圧(例えば+27V)に制限する。こ
れによって、ターンオン時のグリッドのオーバドライブ
が防止される。また、ツエナーダイオードは、受像機が
通常動作している時は非導通なので、ツエナーダイオー
ドが導通している時に発生することがある無線周波数干
渉(RFI)を防止できる。
場合、最初に、受像機10は、グリッドキッカー・キャ
パシタ53が漏洩電流によって完全に放電されるに充分
な時間、オフとされていたと仮定する。
4は供給されている高電圧が次第にその通常動作電位
(例えば、この実施例では225Vと仮定する)まで上
昇する。同時に、偏向処理ユニット18が掃引信号を映
像管に供給し始める。最初、掃引信号が存在しないこと
がスイッチ制御ユニット20により検出され、これによ
り、電源スイッチ30はオフ状態に維持される。しか
し、掃引信号が全値に達すると、スイッチ30は高電圧
(+225V)をグリッドバイアス制御回路50の入力
端子51に供給する。
は受像機10の前述した「コールドスタート」状態では
OVである。これは、受像機が充分長い時間オフとされ
て、受像機のターンオンの前に、漏洩電流によってキャ
パシタ53が完全に放電されているためである。キャパ
シタ53に電荷がない状態では、出力端子52の電圧は
キャパシタ53の正の極板の電圧に等しく、スイッチ3
0がオフの時は、この正極板は抵抗54と55によって
接地されているので、出力端子52も接地電位にある。
て考察すると、スイッチ30が前述したように適当な掃
引信号の存在に応答してターンオンされると、抵抗3
8、54、55が分圧器を形成する。この分圧器はキャ
パシタ53が充電される時は「過渡」動作モードをと
り、キャパシタ53が完全に充電されると「定常」動作
モードをとる。「過渡」動作モードでは、充電電流は入
力端子51から、初期充電電流を制限する抵抗38を介
してキャパシタ53の正極板に流れる。この充電路の残
部はトランジスタ60とツエナーダイオード64とで構
成される。
キャパシタ53を介してトランジスタ60のコレクタに
結合される。トランジスタ60のベースは抵抗62を介
して接地されているから、トランジスタ60のコレクタ
・ベース接合は順バイアスされ、トランジスタは謂る反
転動作モードで動作してキャパシタ53の充電電流を、
約27Vの降服電圧(即ち、25Vという所要の定常状
態グリッド電圧よりいくらか高い電圧)を持つツエナー
ダイオード64を介して接地点に流す。
る。このダイオード66は、この実施例において、反転
モードで動作するトランジスタ60(即ち、コレクタ接
合が、通常動作時の逆バイアスでなく、順バイアスされ
ている)の電流利得が通常モード時の電流利得に比較し
て比較的低いために設けられている。
充分に充電されて、ツエナーダイオード64の両端間電
圧が27V以下になるまで続く。その時、キャパシタ5
3に対する充電は、キャパシタ53の負極板が約25V
の電位に等しくなるまで続く。キャパシタ53の負極板
が25Vになったということは、前述したように、グリ
ッドバイアス制御回路50に対する「定常」状態を表わ
す。この状態では、グリッド電圧は入力端子51に供給
される供給電圧と、分圧器54と55(及びスイッチ3
0の抵抗)とによって決まる。トランジスタ60は飽和
モードで動作し、出力端子52における出力電圧を、分
圧器の出力電圧(即ち、回路点57の電圧)の約10分
の1Vの範囲内で調整する。
ると、トランジスタ60は、映像管16のグリッドから
の漏洩電流の方向に応じて2つのモードの中の一方で動
作する。即ち、映像管16のグリッドGは、典型的な投
写型映像管について言えば、約5μAまでの漏洩電流の
電流源または電流シンクのいずれかで動作すると考えら
れる。漏洩電流の方向(図示のI1またはI2)は、映
像管のダイナミック信号条件その他の要因を含む多数の
要因に左右される。グリッドバイアス電圧を一定レベル
(25V定常状態)に維持するためには、通常動作状態
で、映像管のグリッド漏洩電流により充電も放電もされ
ないことが重要である。従って、この発明の一態様によ
れば、トランジスタ60は、通常動作モードと反転動作
モードの両方を行うことにより、謂る「両方向(バイラ
テラル)スイッチ」として動作させられる。
法の1つは、高電圧ツエナーダイオードをキャパシタ5
3と並列に接続することである。しかし、このような方
法は、コスト、信頼性及び無線周波数干渉(RFI)の
点で不利である。
に流れ込む場合(例えば、図示の電流I2)は、トラン
ジスタ60は通常のPNPの態様で動作し、電流はエミ
ッタからコレクタに流れる。電流がCRTのグリッドG
から流れ出る時には(例えば、図示の電流I1)、PN
Pトランジスタは逆方向に(反転モードで)動作し、そ
のベース・コレクタ接合が順バイアスされ、エミッタ・
ベース接合が逆バイアスされる。エミッタとコレクタ
は、いわば、その通常の機能を交換したことになり、ト
ランジスタは電流を逆方向に流す。コレクタ・ベース接
合を順バイアスするためには、約+0.1Vのコレクタ
電圧の上昇で充分である。従って、映像管グリッド電圧
の上昇は約0.1Vに制限される。
20はターンオフ信号を高電圧スイッチ30に供給し
て、高電圧の電源(供給源40)を切離す。分圧器の抵
抗には電流が流れないので、回路点57の電圧は抵抗5
5によって接地電位にクランプされる。これにより、キ
ャパシタ53の正極板が接地電位とされ、出力端子52
(及びグリッドG)を負の電圧に駆動して映像管がブラ
ンキング状態にされる。このようにして生成される負の
グリッドバイアスの大きさは、上述した定常動作モード
中に生成されたキャパシタ53上の電荷に等しい。
タ・ベース接合は逆バイアスされ、ベース・エミッタ接
合は順バイアスされない。従って、両方の接合とも順バ
イアスされないので、トランジスタ60はオフ状態にバ
イアスされて、電流は流れない。この状態では、キャパ
シタ53には、映像管16による漏洩電流以外には放電
路が形成されない。実際には、約4.7μFの値(これ
は前述したように典型的な値である)のキャパシタを用
い、抵抗55と38に、例えば約15KΩ、抵抗54と
62に約100KΩの素子を用いると、漏洩によるキャ
パシタの放電速度は毎秒1V以下で、従って、グリッド
遮断パルスの維持時間は数分に延びる。
である。図2の例においては、グリッドバイアス制御回
路50′は、通常動作中、比較的低い値のグリッドバイ
アス(例えば、接地レベルに近い電位)を要求する映像
管に用いるように図1の回路50を変更したものであ
る。変更個所は、ダイオード66と64を除き、トラン
ジスタ60のベースを接地基準電位(56)に結合した
ものである。また、分圧器抵抗54と55は、通常動作
時にトランジスタ60のベース・エミッタ接合を順バイ
アスするに充分な出力電圧(例えば約0.6V)が回路
点57に供給されるように選択される。
50′の動作は図1のグリッドバイアス制御回路50に
ついて説明した動作とほとんど同じである。1つの相違
点は、キャパシタ53に対する最初の充電電流がトラン
ジスタ60のコレクタ・ベース接合を通って流れること
である。その結果、出力52の電圧は充電中は約0.6
Vを超えることはなく、従って、ツエナーダイオード6
4(図1)が不要となる。トランジスタ60は前述した
ように、通常モードで動作し、あるいは反転モードで動
作して、出力端子52に対する電流の方向(I1または
I2)に応じて出力電圧を調整する。
例を示す。即ち、図2のグリッドバイアス制御回路5
1′において、出力端子52と接地点との間に更にPN
ダイオード70を接続する。このダイオード70によ
り、接地点への別の電路が与えられて映像管のアーク保
護が与えられ、それによって、映像管のアーク放電時に
トランジスタ60にかかる電圧ストレスが減じられる。
ス電圧が分圧器によって生成されること、及び、この電
圧が2つの動作モード、「通常」モード及び「反転」モ
ードのいずれかにおいて、トランジスタ60により調整
されることを示した。特に、グリッドバイアス制御回路
には、グリッドキッカー・キャパシタ53に対する放電
路が含まれていないことを示した。従って、キャパシタ
53によって供給される負の電圧パルスは、キャパシタ
の値とキャパシタを最終的に放電させる漏洩電流の値と
によって決まる非常に長い時定数を呈する。キャパシタ
53上の最大電荷と分圧器の最大出力電圧は、ある程
度、高電圧スイッチ30の電源インピーダンス(例え
ば、抵抗38)によって影響を受ける。
次の通りである。図1の実施例において、抵抗38と5
5はそれぞれ15KΩ、抵抗54と62はそれぞれ10
0KΩ、図2に示す実施例において、抵抗38は120
KΩ、抵抗54は1.1MΩ、抵抗55は4.7KΩで
ある。
はないが、回路のこの点に抵抗を付加することにより、
キャパシタ53の最大電荷を所要値に制限することがで
きるので有用である。例えば、ある与えられた最大グリ
ッド・陰極間電圧(例えば、400V)の映像管を用い
る場合、陰極が高電圧供給源の正の最大値に駆動され、
かつ、グリッドが負に駆動されるような最悪の条件下
で、最大グリッド・陰極間電圧がその映像管の規格内と
なるように、キャパシタ53の電圧を制限するよう抵抗
38を選択することができる。
電圧を用いた時に約175Vの負のグリッドバイアスを
与えるように選択したものである。従って、400Vの
グリッド・陰極規格を有する映像管では、この規格を超
えることなく、安全に、225Vの陰極駆動(正)及び
175Vのグリッド駆動(負)を供給することができ
る。勿論、映像管の規格が変わった場合、別の抵抗値を
決めることは容易である。
電圧の源は分圧器に加えられ、キャパシタを介して出力
端子に結合される。分圧器の出力タップはベース接地ト
ランジスタの導通路を介して出力端子に結合されてい
る。動作時、トランジスタは、(1)反転モードで動作
して、キャパシタを最初に充電し、(2)通常モードま
たは反転モードで動作して、出力端子に対して電流がい
ずれの方向に流れても、その電流に関して出力端子にお
けるグリッドバイアス電圧を調整し、(3)切換供給電
圧が消滅すると、分離モードで動作し、それによって、
出力端子に負のグリッド遮断バイアスを供給する。この
分離モードでは、トランジスタがキャパシタの放電を防
止し、従って、漏洩以外にキャパシタに対する放電路が
ないことにより、遮断時定数の長いグリッド遮断バイア
スが出力端子に供給される。
を有するテレビジョン受像機の一部概略ブロック図であ
る。
うに変更したグリッドバイアス制御回路を有する図1の
受像機の変更例を示す図である。
型高電圧スイッチを示す図である。
型高電圧スイッチを示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 切換えられる供給電圧の源に結合された
入力点と; 映像管のグリッド電極に結合されていてこのグリッド電
極にバイアス電圧を供給する出力点と; 上記入力点と上記出力点の間に結合されたグリッドバイ
アス・キャパシタと; 上記入力点と基準電位源との間に結合されていて出力回
路点を有する分圧器と;上記分圧器の上記出力回路点に結合された第1電極と、
上記出力点に結合されていて上記第1電極との間に導通
路を形成する第2電極と、上記供給電圧が存在するとき
は所定の調整されたバイアス電圧が上記出力点に供給さ
れ、また上記供給電圧が消滅すると上記出力点に遮断バ
イアス電圧が供給されるように、上記基準電位源に結合
された制御電極とを有するトランジスタと;を有し、 上記グリッドバイアス・キャパシタには、漏洩電路以外
の放電路が設けられていないことを特徴とする、映像管
用グリッドバイアス制御回路。
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