JP2873356B2 - 医療廃棄物用ゲル化材及びゲル化方法 - Google Patents
医療廃棄物用ゲル化材及びゲル化方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療廃棄物用ゲル化材
及びゲル化方法に関する。さらに詳しくは、病院での手
術、産院での出産等に際して排出される血液、羊水など
の体液に汚染された脱脂綿、ガーゼ、注射針、手術用手
袋などの医療廃棄物のゲル化材並びにゲル化方法に関す
るものである。
及びゲル化方法に関する。さらに詳しくは、病院での手
術、産院での出産等に際して排出される血液、羊水など
の体液に汚染された脱脂綿、ガーゼ、注射針、手術用手
袋などの医療廃棄物のゲル化材並びにゲル化方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、病院、産院などから排出される上
記に例示したような医療廃棄物は、プラスチック容器な
どに回収して、そのまま容器ごと焼却処理されることが
多い。一方、水系の廃液を固形化できる処理材として
は、砂、ベントナイト、ゼオライト、オガクズ、パル
プ、紙屑等の吸水材が、知られている。
記に例示したような医療廃棄物は、プラスチック容器な
どに回収して、そのまま容器ごと焼却処理されることが
多い。一方、水系の廃液を固形化できる処理材として
は、砂、ベントナイト、ゼオライト、オガクズ、パル
プ、紙屑等の吸水材が、知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように医療廃棄物を固形化せずそのまま焼却する場合、
焼却場への輸送中に誤って容器が破損して体液が流れだ
し、地面等に染み込んで回収が困難になる危険性があ
る。また、上記のような吸水材は、(1)通常粉末状ある
いは細片状などの形で投入するが、この時こぼれたり発
塵したりする、(2)投入するのに時間がかかる、(3)吸水
能力が小さいため、添加量が多く要る、(4)吸水後に圧
力がかかると、一旦吸収した水分を簡単に吐き出してし
まい、周辺が汚れる、などの問題点があった。
ように医療廃棄物を固形化せずそのまま焼却する場合、
焼却場への輸送中に誤って容器が破損して体液が流れだ
し、地面等に染み込んで回収が困難になる危険性があ
る。また、上記のような吸水材は、(1)通常粉末状ある
いは細片状などの形で投入するが、この時こぼれたり発
塵したりする、(2)投入するのに時間がかかる、(3)吸水
能力が小さいため、添加量が多く要る、(4)吸水後に圧
力がかかると、一旦吸収した水分を簡単に吐き出してし
まい、周辺が汚れる、などの問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点に鑑みて医療廃棄物用の改善されたゲル化材およびゲ
ル化方法を見い出すべく鋭意検討した結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明は粉末状あるいは粒状の吸水
性樹脂からなる吸水材が、水崩壊性の紙と水溶性のフィ
ルムを貼り合わせたラミネートシートに包まれてなる医
療廃棄物用ゲル化材であって、体液に汚染された脱脂
綿、ガーゼ、注射針、手術用手袋もしくは使い捨てシー
ツに適用されるゲル化材;並びに、上記ゲル化材を水分
を含有する医療廃棄物の容器中に投入し、ゲル化させる
ことを特徴とする医療廃棄物のゲル化方法である。
点に鑑みて医療廃棄物用の改善されたゲル化材およびゲ
ル化方法を見い出すべく鋭意検討した結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明は粉末状あるいは粒状の吸水
性樹脂からなる吸水材が、水崩壊性の紙と水溶性のフィ
ルムを貼り合わせたラミネートシートに包まれてなる医
療廃棄物用ゲル化材であって、体液に汚染された脱脂
綿、ガーゼ、注射針、手術用手袋もしくは使い捨てシー
ツに適用されるゲル化材;並びに、上記ゲル化材を水分
を含有する医療廃棄物の容器中に投入し、ゲル化させる
ことを特徴とする医療廃棄物のゲル化方法である。
【0005】本発明において、該吸水性樹脂としては、
例えばデンプンまたはセルロース(a)とカルボキシル
基および/またはスルホン酸基を含有する水溶性単量体
および/または加水分解により水溶性となる単量体(b)
と、架橋剤(c)とを必須成分として重合させ、必要によ
り加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂が挙げ
られる。上記に例示した吸水性樹脂の製造に用いられる
(a)、(b)および(c)の詳細、(a)、(b)および(c)の割合、
製造法および吸水性樹脂の具体例は特開昭52-25886号、
特公昭53-46199号、特公昭53-46200号および特公昭55-2
1041号公報に記載されている。
例えばデンプンまたはセルロース(a)とカルボキシル
基および/またはスルホン酸基を含有する水溶性単量体
および/または加水分解により水溶性となる単量体(b)
と、架橋剤(c)とを必須成分として重合させ、必要によ
り加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂が挙げ
られる。上記に例示した吸水性樹脂の製造に用いられる
(a)、(b)および(c)の詳細、(a)、(b)および(c)の割合、
製造法および吸水性樹脂の具体例は特開昭52-25886号、
特公昭53-46199号、特公昭53-46200号および特公昭55-2
1041号公報に記載されている。
【0006】上記に例示した以外の吸水性樹脂として
は、例えば(a)と(b)とを重合させたもの(デンプン−
アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロ
ース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物な
ど);(a)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの
架橋物など);(b)と(c)との共重合体(架橋ポリアク
リルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−
アクリルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリス
チレン、特開昭52-14689号および特開昭52-27455号公報
記載のビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン
化物、架橋されたポリアクリル酸塩、架橋されたアクリ
ル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体、および架橋されたカ
ルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、自己
架橋性を有する(b)の重合物(自己架橋型ポリアクリル
酸塩など)が挙げられる。また以上例示した吸水性樹脂
は2種以上併用してもよい。
は、例えば(a)と(b)とを重合させたもの(デンプン−
アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロ
ース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物な
ど);(a)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの
架橋物など);(b)と(c)との共重合体(架橋ポリアク
リルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−
アクリルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリス
チレン、特開昭52-14689号および特開昭52-27455号公報
記載のビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン
化物、架橋されたポリアクリル酸塩、架橋されたアクリ
ル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体、および架橋されたカ
ルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、自己
架橋性を有する(b)の重合物(自己架橋型ポリアクリル
酸塩など)が挙げられる。また以上例示した吸水性樹脂
は2種以上併用してもよい。
【0007】これらのうち、好ましいものは、、並び
にとして例示したもののうち、架橋ポリアクリルアミ
ドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリル
アミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋
されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋
されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、および
架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコールであ
る。
にとして例示したもののうち、架橋ポリアクリルアミ
ドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリル
アミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋
されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋
されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、および
架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコールであ
る。
【0008】上記吸水性樹脂は、純水に対する吸水性能
として少なくとも50ml/g、好ましくは100〜1,000ml/gの
ものが適している。また、吸水性樹脂の形状は粉末状ま
たは粒状(粒度は通常5mm以下)のものが好ましい。該
吸水材として、該吸水性樹脂の他、必要により他の吸水
材(例えば、従来公知の吸水材であるパルプ、オガクズ
など)を併用しても良いが、該吸水性樹脂の割合が多い
方が好ましい。
として少なくとも50ml/g、好ましくは100〜1,000ml/gの
ものが適している。また、吸水性樹脂の形状は粉末状ま
たは粒状(粒度は通常5mm以下)のものが好ましい。該
吸水材として、該吸水性樹脂の他、必要により他の吸水
材(例えば、従来公知の吸水材であるパルプ、オガクズ
など)を併用しても良いが、該吸水性樹脂の割合が多い
方が好ましい。
【0009】本発明において、該吸水材には活性白土、
タルク、ケイソウ土、ベントナイト、カオリン、クレ
ー、シリカゲル、などのフィラーを含有させてもよい。
これらのフィラーを吸水性樹脂と併用することにより、
体液と接触したとき吸水性樹脂の粒子同士がママコにな
る場合はこれを防止できる。
タルク、ケイソウ土、ベントナイト、カオリン、クレ
ー、シリカゲル、などのフィラーを含有させてもよい。
これらのフィラーを吸水性樹脂と併用することにより、
体液と接触したとき吸水性樹脂の粒子同士がママコにな
る場合はこれを防止できる。
【0010】本発明において、該吸水材にフィラーを含
有させる場合、フィラーの添加量は吸水材1重量部当
り、通常0.001〜100重量部、好ましくは0.005〜20重量
部である。
有させる場合、フィラーの添加量は吸水材1重量部当
り、通常0.001〜100重量部、好ましくは0.005〜20重量
部である。
【0011】また、該吸水材に加えて、必要に応じて、
消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防かび剤、防腐剤、消泡剤、
発泡剤、凝集剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、脱
酸素剤、増量剤などを併用することができる。
消臭剤、芳香剤、殺菌剤、防かび剤、防腐剤、消泡剤、
発泡剤、凝集剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、脱
酸素剤、増量剤などを併用することができる。
【0012】本発明において、該水崩壊性の紙として
は、例えば、紙のバルブ繊維同士を水溶性または親水性
の糊料、水膨潤性ポリマー等で接着させて水との接触に
よりパルプ繊維同士がバラバラに崩壊するようにした紙
(三島製紙株式会社製の「ディゾルボWA」など)、さ
らにこれにヒートシール剤を併用して成形加工性(熱接
着性)を加味した紙(三島製紙株式会社製の「ディゾル
ボWAP」など)などが挙げられる。これらの紙は、吸
水により崩壊するスピードが速い特徴を有する。
は、例えば、紙のバルブ繊維同士を水溶性または親水性
の糊料、水膨潤性ポリマー等で接着させて水との接触に
よりパルプ繊維同士がバラバラに崩壊するようにした紙
(三島製紙株式会社製の「ディゾルボWA」など)、さ
らにこれにヒートシール剤を併用して成形加工性(熱接
着性)を加味した紙(三島製紙株式会社製の「ディゾル
ボWAP」など)などが挙げられる。これらの紙は、吸
水により崩壊するスピードが速い特徴を有する。
【0013】該水溶性のフィルムとしては、水溶性ポバ
ールフィルム、デンプンフィルム、カラギーナンフィル
ムなどが挙げられる。これらのフィルムは、同一の厚み
で比較した場合、上記水崩壊性の紙より水溶解(崩壊)
速度は劣るものの、乾燥状態でのフィルム強度が大きい
特徴を有する。
ールフィルム、デンプンフィルム、カラギーナンフィル
ムなどが挙げられる。これらのフィルムは、同一の厚み
で比較した場合、上記水崩壊性の紙より水溶解(崩壊)
速度は劣るものの、乾燥状態でのフィルム強度が大きい
特徴を有する。
【0014】また、該水崩壊性の紙と水溶性のフィルム
を貼り合わせたラミネートシートとしては、少なくとも
1種以上の、上記水崩壊性の紙および水溶性のフィルム
を接着、ラミネートしたもの(上記「ディゾルボWA」
にポバールフィルムを貼り合わせた三島製紙株式会社製
の「ディゾルボWAL」など)が挙げられる。これらの
ラミネートシートは水への溶解(崩壊)性が速くかつフ
ィルム強度も大きいという特徴を有する。これは、紙の
強度の分、貼り合わせる水溶性フィルムの厚みを薄くで
きるため、トータルとして溶解(崩壊)速度とフィルム
強度の両面を向上させることが出来る。これら包装用材
料の中で好ましいものは、水崩壊性の紙および上記ラミ
ネートシート、特にラミネートシートである。また、こ
れら包装用材料が水中で崩壊ないし溶解に要する時間
は、通常5分以内、好ましくは2分以内、更に好ましく
は1分以内である。
を貼り合わせたラミネートシートとしては、少なくとも
1種以上の、上記水崩壊性の紙および水溶性のフィルム
を接着、ラミネートしたもの(上記「ディゾルボWA」
にポバールフィルムを貼り合わせた三島製紙株式会社製
の「ディゾルボWAL」など)が挙げられる。これらの
ラミネートシートは水への溶解(崩壊)性が速くかつフ
ィルム強度も大きいという特徴を有する。これは、紙の
強度の分、貼り合わせる水溶性フィルムの厚みを薄くで
きるため、トータルとして溶解(崩壊)速度とフィルム
強度の両面を向上させることが出来る。これら包装用材
料の中で好ましいものは、水崩壊性の紙および上記ラミ
ネートシート、特にラミネートシートである。また、こ
れら包装用材料が水中で崩壊ないし溶解に要する時間
は、通常5分以内、好ましくは2分以内、更に好ましく
は1分以内である。
【0015】本発明において、該医療廃棄物としては、
血液、リンパ液、骨髄液、羊水などの体液により汚染さ
れた脱脂綿、注射針、手術用手袋、使い捨てシーツなど
の医療器具、医療消耗雑品が挙げられる。これらの医療
廃棄物は、病院での手術、解剖や産院での出産などで排
出されるが、この時切除された生体組織の一部、局部の
洗浄に用いた生理食塩水、手術器具や手術台などを洗浄
した水、消毒薬、治療薬、使用済みアンプル、ゴミなど
の混雑物を含んでいてもよい。また、該医療廃棄物が上
記のような体液により汚染された医療器具、医療用消耗
雑品により主として構成され、水分が少ない場合は、こ
の廃棄物中に水を配合することにより、本発明のゲル化
材および本発明の方法を有効に使用できる。医療廃棄物
中に上記に例示したような医療器具や医療用消耗雑品が
混入している場合でも、本発明の方法により廃棄物全体
が一体となったゲル化物とすることができるため、廃棄
する上で好便である。
血液、リンパ液、骨髄液、羊水などの体液により汚染さ
れた脱脂綿、注射針、手術用手袋、使い捨てシーツなど
の医療器具、医療消耗雑品が挙げられる。これらの医療
廃棄物は、病院での手術、解剖や産院での出産などで排
出されるが、この時切除された生体組織の一部、局部の
洗浄に用いた生理食塩水、手術器具や手術台などを洗浄
した水、消毒薬、治療薬、使用済みアンプル、ゴミなど
の混雑物を含んでいてもよい。また、該医療廃棄物が上
記のような体液により汚染された医療器具、医療用消耗
雑品により主として構成され、水分が少ない場合は、こ
の廃棄物中に水を配合することにより、本発明のゲル化
材および本発明の方法を有効に使用できる。医療廃棄物
中に上記に例示したような医療器具や医療用消耗雑品が
混入している場合でも、本発明の方法により廃棄物全体
が一体となったゲル化物とすることができるため、廃棄
する上で好便である。
【0016】本発明のゲル化材の製法を例示すると、あ
らかじめ上記の包装用材料で所定の形と大きさの開口部
を設けた包装部材を作っておき、この中に所定量の吸水
材および必要によりフィラーを入れた後、熱融着(ヒー
トシール)、接着剤、縫い合わせ等で封をすることによ
って製造することが出来る。
らかじめ上記の包装用材料で所定の形と大きさの開口部
を設けた包装部材を作っておき、この中に所定量の吸水
材および必要によりフィラーを入れた後、熱融着(ヒー
トシール)、接着剤、縫い合わせ等で封をすることによ
って製造することが出来る。
【0017】本発明の医療廃棄物のゲル化材の形状は、
袋状、箱状、円筒状、ボール状、球状など任意の形でよ
く、特に限定されない。また、大きさも特に限定されな
い。医療廃棄物に対する本発明のゲル化材の使用量は、
該吸水性樹脂と該フィラーとの配合割合および処理対象
となる医療廃棄物の性状によって変動するが、通常の水
分を含有する医療廃棄物の場合、廃棄物中の水分約1リット
ルをゲル化させるに必要な本発明のゲル化材の量は、通
常1〜600gの範囲で十分ゲル化する。1gより少ないと
医療廃棄物を十分にゲル化できず、600gより多いと不
経済となる。
袋状、箱状、円筒状、ボール状、球状など任意の形でよ
く、特に限定されない。また、大きさも特に限定されな
い。医療廃棄物に対する本発明のゲル化材の使用量は、
該吸水性樹脂と該フィラーとの配合割合および処理対象
となる医療廃棄物の性状によって変動するが、通常の水
分を含有する医療廃棄物の場合、廃棄物中の水分約1リット
ルをゲル化させるに必要な本発明のゲル化材の量は、通
常1〜600gの範囲で十分ゲル化する。1gより少ないと
医療廃棄物を十分にゲル化できず、600gより多いと不
経済となる。
【0018】本発明のゲル化材は、水分を含有する医療
廃棄物の入った任意の材質、形状の容器中に投入し、好
ましくは廃棄物全体を攪拌することにより、短時間(通
常10分以内、好ましくは5分以内、更に好ましくは2
分以内)に医療廃棄物全体が一体となったゲル化物とす
ることができるものである。攪拌は水分を含有する廃棄
物全体が軽く混ざる程度で十分である。攪拌機としては
汎用のもので良く、特に限定はない。また、注射針等の
固形物が廃棄物中の液体表面から一部分はみ出している
場合は、容器中の医療廃棄物に水を追加したのち、本発
明のゲル化材を投入することにより、固形物全体をゲル
で覆い隠すこともできる。一方、医療廃棄物が廃棄物容
器中に投入される前に、あらかじめ本発明のゲル化材を
廃棄物容器内に設置しておいてもよい。
廃棄物の入った任意の材質、形状の容器中に投入し、好
ましくは廃棄物全体を攪拌することにより、短時間(通
常10分以内、好ましくは5分以内、更に好ましくは2
分以内)に医療廃棄物全体が一体となったゲル化物とす
ることができるものである。攪拌は水分を含有する廃棄
物全体が軽く混ざる程度で十分である。攪拌機としては
汎用のもので良く、特に限定はない。また、注射針等の
固形物が廃棄物中の液体表面から一部分はみ出している
場合は、容器中の医療廃棄物に水を追加したのち、本発
明のゲル化材を投入することにより、固形物全体をゲル
で覆い隠すこともできる。一方、医療廃棄物が廃棄物容
器中に投入される前に、あらかじめ本発明のゲル化材を
廃棄物容器内に設置しておいてもよい。
【0019】以下本発明を図面により説明する。図1は
本発明のゲル化材の1実施例を示す断面図である。1は
水崩壊性の紙、2は水溶性ポバールフィルム(1と2は
接着されている)、3は粒状の吸水性樹脂、4はヒート
シール部を示す。図1は一部省略してあるが、全体は袋
状であり四周のうち、一方の開口部がヒートシール部と
なっている。このヒートシール部は一方〜四周全ての何
れであっても内容物が封入されていればよい。
本発明のゲル化材の1実施例を示す断面図である。1は
水崩壊性の紙、2は水溶性ポバールフィルム(1と2は
接着されている)、3は粒状の吸水性樹脂、4はヒート
シール部を示す。図1は一部省略してあるが、全体は袋
状であり四周のうち、一方の開口部がヒートシール部と
なっている。このヒートシール部は一方〜四周全ての何
れであっても内容物が封入されていればよい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】参考例1 三島製紙株式会社製の「ディゾルボWAL」を10×9
cmの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方
の端をヒートシールして袋を作った。この中にアクリル
酸デンプングラフト糸吸水性樹脂「サンウェットIM−
1000」(三洋化成工業株式会社製)20gを入れ、
ついで開口部をヒートシール(密封)して本発明の医療
廃棄物用ゲル化材を作った。開腹手術時に排出した廃血
液1.5リットルを内容2リットルの塩ビ容器に採取
し、この中に上記ゲル化材を袋のまま投入して、長さ2
0cm,幅3cmの木製ヘラで軽くかき混ぜた。約50
秒で全体がゲル化し、液状の血液を短時間にかつ簡便に
取扱い易い固形物に変えることができた。
cmの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方
の端をヒートシールして袋を作った。この中にアクリル
酸デンプングラフト糸吸水性樹脂「サンウェットIM−
1000」(三洋化成工業株式会社製)20gを入れ、
ついで開口部をヒートシール(密封)して本発明の医療
廃棄物用ゲル化材を作った。開腹手術時に排出した廃血
液1.5リットルを内容2リットルの塩ビ容器に採取
し、この中に上記ゲル化材を袋のまま投入して、長さ2
0cm,幅3cmの木製ヘラで軽くかき混ぜた。約50
秒で全体がゲル化し、液状の血液を短時間にかつ簡便に
取扱い易い固形物に変えることができた。
【0022】参考例2 三島製紙株式会社製の「ディゾルボWA」を10×9c
mの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方の
端をヒートシールして袋を作った。この中に部分架橋ポ
リアクリル酸ソーダ「サンウェットIM−5000」
(三洋化成工業株式会社製)20gを入れ、ついで開口
部をヒートシール(密封)して本発明の医療廃棄物用ゲ
ル化材を作った。洗浄に用いた生理食塩水を約50重量
%含む手術時の廃血液1.5リットルを内容2リットル
の塩ビ容器に採取し、この中に上記ゲル化材を袋のまま
投入して、長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽くか
き混ぜた。約30秒で全体がゲル化し、液状の血液を短
時間にかつ簡便に取扱い易い固形物に変えることができ
た。
mの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方の
端をヒートシールして袋を作った。この中に部分架橋ポ
リアクリル酸ソーダ「サンウェットIM−5000」
(三洋化成工業株式会社製)20gを入れ、ついで開口
部をヒートシール(密封)して本発明の医療廃棄物用ゲ
ル化材を作った。洗浄に用いた生理食塩水を約50重量
%含む手術時の廃血液1.5リットルを内容2リットル
の塩ビ容器に採取し、この中に上記ゲル化材を袋のまま
投入して、長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽くか
き混ぜた。約30秒で全体がゲル化し、液状の血液を短
時間にかつ簡便に取扱い易い固形物に変えることができ
た。
【0023】参考例3 市販の水溶性ポバールフィルムを10×9cmの大きさ
の長方形に切り、これを2枚を重ねて3方の端をピート
シールして袋を作った。この中に部分架橋アクリル酸ソ
ーダ−アクリルアミド共重合体20gを入れ、ついで開
口部をヒートシール(密封)して本発明の医療廃棄物用
ゲル化材を作った。洗浄に用いた生理食塩水を約50重
量%含む手術時の廃血液1.5リットルを内容2リット
ルの塩ビ容器に採取し、この中に上記ゲル化材を袋のま
ま投入して、長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽く
かき混ぜた。約80秒で全体がゲル化(固形化)し、液
状の体液をを短時間にかつ簡便に取扱い易い固形物に変
えることができた。
の長方形に切り、これを2枚を重ねて3方の端をピート
シールして袋を作った。この中に部分架橋アクリル酸ソ
ーダ−アクリルアミド共重合体20gを入れ、ついで開
口部をヒートシール(密封)して本発明の医療廃棄物用
ゲル化材を作った。洗浄に用いた生理食塩水を約50重
量%含む手術時の廃血液1.5リットルを内容2リット
ルの塩ビ容器に採取し、この中に上記ゲル化材を袋のま
ま投入して、長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽く
かき混ぜた。約80秒で全体がゲル化(固形化)し、液
状の体液をを短時間にかつ簡便に取扱い易い固形物に変
えることができた。
【0024】実施例1 三島製紙株式会社製の「ディゾルボWAL」を10×9
cmの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方
の端をピートシールして袋を作った。この中にアクリル
酸デンプングラフト系吸水性樹脂「サンウェットIM−
2200D」(三洋化成工業株式会社製)20gを入
れ、ついで開口部をヒートシール(密封)して本発明の
医療廃棄物用ゲル化材を作った。内容5リットルの塩ビ
容器に投棄された複数の、使用済み注射器(針付き)、
血液を含有する脱脂綿、ガーゼ、包帯、使用済みアンプ
ル等を含む医療廃棄物に水3リットルを添加し、ついで
上記で作成した本発明のゲル化材を袋のまま投入して、
長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽くかき混ぜた。
約45秒で全体がゲル化し、医療廃棄物を短時間にかつ
簡便にゲル状物(固形物)で覆うことができた。
cmの大きさの長方形に切り、これを2枚を重ねて3方
の端をピートシールして袋を作った。この中にアクリル
酸デンプングラフト系吸水性樹脂「サンウェットIM−
2200D」(三洋化成工業株式会社製)20gを入
れ、ついで開口部をヒートシール(密封)して本発明の
医療廃棄物用ゲル化材を作った。内容5リットルの塩ビ
容器に投棄された複数の、使用済み注射器(針付き)、
血液を含有する脱脂綿、ガーゼ、包帯、使用済みアンプ
ル等を含む医療廃棄物に水3リットルを添加し、ついで
上記で作成した本発明のゲル化材を袋のまま投入して、
長さ20cm,幅3cmの木製ヘラで軽くかき混ぜた。
約45秒で全体がゲル化し、医療廃棄物を短時間にかつ
簡便にゲル状物(固形物)で覆うことができた。
【0025】
【発明の効果】近年、エイズ、B型肝炎等の病原ビール
スの血液感染が社会問題になりつつあり、手術時や出産
時に出る体液(血液、羊水、リンパ液等)、使用済みの
注射器、血液を含む脱脂綿、ガーゼ、包帯などの医療廃
棄物の安全な取扱いが要望されている。たとえば、手術
中に出た体液を所定の容器に回収し、これを焼却処理す
る方法が知られているが、焼却場への輸送中に容器が破
損したり、誤ってこぼした場合、体液が流れだしたり、
地面等に染み込んで回収が難しくなる。そこで、本発明
のゲル化材および本発明の方法を適用すれば、液状の体
液が固形化(ゲル化)されるため、容器にひびが入って
も中から体液が流れ出すこともなく、地面にこぼれて
も、ほうき等で簡単にかき集めることができ、安全であ
る。本発明のゲル化材および本発明の方法は、さらに以
下のような効果を奏する。 (1)吸水材等が、水崩壊性の紙および水溶性のフィル
ムに包まれているため、従来のように取扱時にこぼれた
り、発塵したりすることがない。 (2)医療廃棄物へ投入する際、従来のように定量し、
ふりかける手間が要らないため、時間がかからないし、
簡便である。 (3)吸水能力が大きいため、添加量が少なくて済む。 (4)吸水後に外部から圧力がかかっても一旦吸収した
水分を離さない。 以上の効果を奏することから本発明のゲル化材及び本発
明のゲル化方法は、病院、産院、保健所等の医療施設か
ら発生する医療廃棄物の処理に有用である。
スの血液感染が社会問題になりつつあり、手術時や出産
時に出る体液(血液、羊水、リンパ液等)、使用済みの
注射器、血液を含む脱脂綿、ガーゼ、包帯などの医療廃
棄物の安全な取扱いが要望されている。たとえば、手術
中に出た体液を所定の容器に回収し、これを焼却処理す
る方法が知られているが、焼却場への輸送中に容器が破
損したり、誤ってこぼした場合、体液が流れだしたり、
地面等に染み込んで回収が難しくなる。そこで、本発明
のゲル化材および本発明の方法を適用すれば、液状の体
液が固形化(ゲル化)されるため、容器にひびが入って
も中から体液が流れ出すこともなく、地面にこぼれて
も、ほうき等で簡単にかき集めることができ、安全であ
る。本発明のゲル化材および本発明の方法は、さらに以
下のような効果を奏する。 (1)吸水材等が、水崩壊性の紙および水溶性のフィル
ムに包まれているため、従来のように取扱時にこぼれた
り、発塵したりすることがない。 (2)医療廃棄物へ投入する際、従来のように定量し、
ふりかける手間が要らないため、時間がかからないし、
簡便である。 (3)吸水能力が大きいため、添加量が少なくて済む。 (4)吸水後に外部から圧力がかかっても一旦吸収した
水分を離さない。 以上の効果を奏することから本発明のゲル化材及び本発
明のゲル化方法は、病院、産院、保健所等の医療施設か
ら発生する医療廃棄物の処理に有用である。
【図1】本発明のゲル化材の1実施例を示す断面図であ
る。
る。
1 水崩壊性の紙 2 水溶性ポバールフィルム(1と2は接着されてい
る) 3 粒状の吸水性樹脂 4 ヒートシール部
る) 3 粒状の吸水性樹脂 4 ヒートシール部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 11/00 A61F 13/00 B01J 20/00
Claims (3)
- 【請求項1】 粉末状あるいは粒状の吸水性樹脂からな
る吸水材が、水崩壊性の紙と水溶性のフィルムを貼り合
わせたラミネートシートに包まれてなる医療廃棄物用ゲ
ル化材であって、体液に汚染された脱脂綿、ガーゼ、注
射針、手術用手袋もしくは使い捨てシーツに適用される
ゲル化材。 - 【請求項2】 更にフィラーが含まれてなる請求項1記
載の医療廃棄物用ゲル化材。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のゲル化材を水分
を含有する医療廃棄物の容器中に投入し、ゲル化させる
ことを特徴とする医療廃棄物のゲル化方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3031679A JP2873356B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 医療廃棄物用ゲル化材及びゲル化方法 |
CA002058685A CA2058685A1 (en) | 1991-01-11 | 1992-01-02 | Gelling material and gelling method |
EP92100029A EP0494599B2 (en) | 1991-01-11 | 1992-01-02 | Use of gelling material and gelling method |
DE69218978T DE69218978T3 (de) | 1991-01-11 | 1992-01-02 | Verwendung von Geliermittel und Gelierungsverfahren |
AT92100029T ATE151665T1 (de) | 1991-01-11 | 1992-01-02 | Verwendung von geliermittel und gelierungsverfahren |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3031679A JP2873356B2 (ja) | 1991-01-30 | 1991-01-30 | 医療廃棄物用ゲル化材及びゲル化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06216A JPH06216A (ja) | 1994-01-11 |
JP2873356B2 true JP2873356B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=12337795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3031679A Expired - Fee Related JP2873356B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-30 | 医療廃棄物用ゲル化材及びゲル化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873356B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4564499B2 (ja) * | 2004-05-12 | 2010-10-20 | 株式会社日本触媒 | 廃液固化剤、その製造方法およびその用途 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02277586A (ja) * | 1989-04-19 | 1990-11-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 写真処理廃液の非流動化処理方法 |
JPH02277585A (ja) * | 1989-04-19 | 1990-11-14 | Fuji Photo Film Co Ltd | 写真処理廃液の非流動化処理方法 |
JPH04122263A (ja) * | 1990-09-13 | 1992-04-22 | Toray Ind Inc | 医療廃棄物の処理容器および処理方法 |
JPH04103115U (ja) * | 1991-01-25 | 1992-09-04 | 荒川化学工業株式会社 | 分包体 |
-
1991
- 1991-01-30 JP JP3031679A patent/JP2873356B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06216A (ja) | 1994-01-11 |
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