JP2868832B2 - 電子銃 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、陰極線管用電子銃に係り、特に複数ビー
ムを放出するカラーブラウン管用電子銃に関する。
ムを放出するカラーブラウン管用電子銃に関する。
(従来の技術) 一般にカラーブラウン管は、第5図に示すように、一
体に接合されたパネル(1)およびファンネル(2)か
らなる外囲器を有し、そのパネル(1)内側に装着され
た多数の電子ビーム通過孔の形成されたシャドウマスク
(3)に対向して、パネル(1)内面に、青、緑、赤に
発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン(4)
が形成され、ファンネル(2)のネック(5)内に配設
された電子銃(6)から放出される3電子ビーム(7
B),(7G),(7R)をファンネル(2)の外側に装着
された偏向装置(8)の発生する磁界により偏向して、
蛍光体スクリーン(4)を水平、垂直走査することによ
り、この蛍光体スクリーン(4)上にカラー画像を表示
する構造に形成されている。
体に接合されたパネル(1)およびファンネル(2)か
らなる外囲器を有し、そのパネル(1)内側に装着され
た多数の電子ビーム通過孔の形成されたシャドウマスク
(3)に対向して、パネル(1)内面に、青、緑、赤に
発光する3色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン(4)
が形成され、ファンネル(2)のネック(5)内に配設
された電子銃(6)から放出される3電子ビーム(7
B),(7G),(7R)をファンネル(2)の外側に装着
された偏向装置(8)の発生する磁界により偏向して、
蛍光体スクリーン(4)を水平、垂直走査することによ
り、この蛍光体スクリーン(4)上にカラー画像を表示
する構造に形成されている。
このようなカラーブラウン管のうち、特に電子銃
(6)を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対
のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出
するインライン型電子銃とし、一方、偏向装置の水平偏
向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形と
する非斉一磁界として、3電子ビームを自己集中するイ
ンライン型カラーブラウン管がある。
(6)を同一水平面上を通るセンタービームおよび一対
のサイドビームからなる一列配置の3電子ビームを放出
するインライン型電子銃とし、一方、偏向装置の水平偏
向磁界をピンクッション形、垂直偏向磁界をバレル形と
する非斉一磁界として、3電子ビームを自己集中するイ
ンライン型カラーブラウン管がある。
その一列配置の3電子ビームを放出する電子銃として
は、各種タイプのものがあるが、その一種にQPF(Quadr
a Potential Focus)型といわれるものがある。このQPF
型電子銃は、第6図に示すように、一列配置の3個のカ
ソード(k)、このカソード(k)から蛍光体スクリー
ン方向に順次配置された一体構造の第1ないし第6グリ
ッド(G1)〜(G6)からなり、その各グリッド(G1)〜
(G6)に一列配置の3個のカソード(k)に対応して3
個の電子ビーム通過孔が形成されている。
は、各種タイプのものがあるが、その一種にQPF(Quadr
a Potential Focus)型といわれるものがある。このQPF
型電子銃は、第6図に示すように、一列配置の3個のカ
ソード(k)、このカソード(k)から蛍光体スクリー
ン方向に順次配置された一体構造の第1ないし第6グリ
ッド(G1)〜(G6)からなり、その各グリッド(G1)〜
(G6)に一列配置の3個のカソード(k)に対応して3
個の電子ビーム通過孔が形成されている。
この電子銃では、カソード(k)に約150Vの電圧が印
加され、第1グリッド(G1)は接地され、第2グリッド
(G2)には約700V、第3グリッド(G3)には約7.5kVの
電圧が印加され、第4グリッド(G4)は第2グリッド
(G2)に、また第5グリッド(G5)は第3グリッド(G
3)に共通接続され、第6グリッド(G6)には約25kVの
高電圧が印加される。そして、それによりカソード
(k)、第1および第2グリッド(G1),(G2)によ
り、電子ビームを発生しかつ後述する主レンズに対する
物点を形成する三極部が構成され、第3ないし第5グリ
ッド(G3)〜(G5)により、上記三極部から放出される
電子ビームを予備集束するサブレンズが構成され、第5
および第6グリッド(G5),(G6)により、上記サブレ
ンズにより予備集束された電子ビームを最終的に蛍光体
スクリーン上に集束する主レンズが構成される。
加され、第1グリッド(G1)は接地され、第2グリッド
(G2)には約700V、第3グリッド(G3)には約7.5kVの
電圧が印加され、第4グリッド(G4)は第2グリッド
(G2)に、また第5グリッド(G5)は第3グリッド(G
3)に共通接続され、第6グリッド(G6)には約25kVの
高電圧が印加される。そして、それによりカソード
(k)、第1および第2グリッド(G1),(G2)によ
り、電子ビームを発生しかつ後述する主レンズに対する
物点を形成する三極部が構成され、第3ないし第5グリ
ッド(G3)〜(G5)により、上記三極部から放出される
電子ビームを予備集束するサブレンズが構成され、第5
および第6グリッド(G5),(G6)により、上記サブレ
ンズにより予備集束された電子ビームを最終的に蛍光体
スクリーン上に集束する主レンズが構成される。
ところで、カラーブラウン管の画質を良好にするため
には、蛍光体スクリーン上のフォーカス特性を良好にす
ることが必要である。そのフォーカス特性に大きく影響
する要因の一つに主レンズの口径があり、良好なフォー
カス特性を得るためには、その口径をできるだけ大きく
するとよいことが知られている。しかし、一列配置の3
電子ビームを放出するインライン型電子銃の主レンズを
構成するグリッドは、第7図(a)に示すように、3個
の電子ビーム通過孔(10B),(10G),(10R)が一列
配置され、本来外径が大きいため、これを限定された内
径のネック内に収容して、その主レンズの口径をフォー
カス特性に対する要求を満たすまで大きくすることは困
難である。
には、蛍光体スクリーン上のフォーカス特性を良好にす
ることが必要である。そのフォーカス特性に大きく影響
する要因の一つに主レンズの口径があり、良好なフォー
カス特性を得るためには、その口径をできるだけ大きく
するとよいことが知られている。しかし、一列配置の3
電子ビームを放出するインライン型電子銃の主レンズを
構成するグリッドは、第7図(a)に示すように、3個
の電子ビーム通過孔(10B),(10G),(10R)が一列
配置され、本来外径が大きいため、これを限定された内
径のネック内に収容して、その主レンズの口径をフォー
カス特性に対する要求を満たすまで大きくすることは困
難である。
このような問題に対して、特開昭61−281439号公報に
は、第7図(b)に示すように、主レンズを構成するグ
リッドの外径をネック内でとりうる最大径にし、かつ最
大径としてもなお残存する3個の電子ビーム通過孔(10
B),(10G),(10R)により構成される3個の主レン
ズの非対称性を、隔板を配置することにより補正する電
子銃が示されている。
は、第7図(b)に示すように、主レンズを構成するグ
リッドの外径をネック内でとりうる最大径にし、かつ最
大径としてもなお残存する3個の電子ビーム通過孔(10
B),(10G),(10R)により構成される3個の主レン
ズの非対称性を、隔板を配置することにより補正する電
子銃が示されている。
しかし、この公報に示されているように主レンズ内に
各種隔板を配置しても、上記主レンズの非対称性を完全
な軸対称とすることは難しく、かつこのような隔板の配
置は高い精度が要求されるため容易でない。
各種隔板を配置しても、上記主レンズの非対称性を完全
な軸対称とすることは難しく、かつこのような隔板の配
置は高い精度が要求されるため容易でない。
一般に、軸対称の主レンズおよびサブレンズをもつ電
子銃から放出される電子ビームのビームスポットは、非
点収差を生じない。つまり、第6図に示した電子銃の第
3グリッドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビー
ムスポットの水平、垂直方向径(スポットサイズ)は、
それぞれ第8図(a)の曲線(12H),(12V)のように
変化し、水平および垂直方向の最小値SS H,SS Vは一致
し、(SS H=SS V)かつ非点収差電圧ΔVfH−V(VfHか
らVfVを差引いた電圧値)は0となり、(ΔVfH−V=Vf
H−VfV=0)結果として、フォーカスポイントFpでのビ
ームスポットは、最小かつ真円となる。これに対し、非
対称の主レンズもつ電子銃から放出される電子ビームの
フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂
直方向の径は、それぞれ同(b)の曲線(12H),(12
V)のように変化し、水平および垂直方向径の最小値SS
H,SS Vは一致するが、非点収差を生じ、その結果、フォ
ーカスポイントFpでのビームスポットの平均径は、垂直
方向の値が劣化する。
子銃から放出される電子ビームのビームスポットは、非
点収差を生じない。つまり、第6図に示した電子銃の第
3グリッドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビー
ムスポットの水平、垂直方向径(スポットサイズ)は、
それぞれ第8図(a)の曲線(12H),(12V)のように
変化し、水平および垂直方向の最小値SS H,SS Vは一致
し、(SS H=SS V)かつ非点収差電圧ΔVfH−V(VfHか
らVfVを差引いた電圧値)は0となり、(ΔVfH−V=Vf
H−VfV=0)結果として、フォーカスポイントFpでのビ
ームスポットは、最小かつ真円となる。これに対し、非
対称の主レンズもつ電子銃から放出される電子ビームの
フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂
直方向の径は、それぞれ同(b)の曲線(12H),(12
V)のように変化し、水平および垂直方向径の最小値SS
H,SS Vは一致するが、非点収差を生じ、その結果、フォ
ーカスポイントFpでのビームスポットの平均径は、垂直
方向の値が劣化する。
つまり、主レンズは、これを完全な軸対称に補正し
て、SS H=SS Vとし、かつΔVfH−V=0としないと、
ビームスポットの平均径が劣化し、フォーカス特性を良
好にすることができない。
て、SS H=SS Vとし、かつΔVfH−V=0としないと、
ビームスポットの平均径が劣化し、フォーカス特性を良
好にすることができない。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように、カラーブラウン管の画質を良好にする
ためには、蛍光体スクリーン上のフォーカス特性を良好
にすることが必要であり、そのフォーカス特性を良好に
するためには、主レンズの口径をできるだけ大きくする
とよいことが知られている。しかし、一列配置の3電子
ビームを放出するインライン型電子銃の主レンズを構成
するグリッドは、3個の電子ビーム通過孔が一列配置さ
れ、本来その外径が大きいため、これを限定された内径
のネック内に収容して、その主レンズの口径をフォーカ
ス特性の要求を満たすまで大きくすることは困難であ
る。このフォーカス特性の問題を解決する電子銃とし
て、従来、主レンズを構成するグリッドの外径をネック
内でとりうる最大径とし、かつ残存する3個の電子ビー
ム通過孔により構成される3個の主レンズの非対称性を
隔板の配置により補正する電子銃がある。しかし、上記
のように主レンズ内に隔板を配置しても、その非対称性
を完全な軸対称とすることは難しく、しかも、隔板の配
置は高い精度が要求されるため容易でないという問題が
ある。
ためには、蛍光体スクリーン上のフォーカス特性を良好
にすることが必要であり、そのフォーカス特性を良好に
するためには、主レンズの口径をできるだけ大きくする
とよいことが知られている。しかし、一列配置の3電子
ビームを放出するインライン型電子銃の主レンズを構成
するグリッドは、3個の電子ビーム通過孔が一列配置さ
れ、本来その外径が大きいため、これを限定された内径
のネック内に収容して、その主レンズの口径をフォーカ
ス特性の要求を満たすまで大きくすることは困難であ
る。このフォーカス特性の問題を解決する電子銃とし
て、従来、主レンズを構成するグリッドの外径をネック
内でとりうる最大径とし、かつ残存する3個の電子ビー
ム通過孔により構成される3個の主レンズの非対称性を
隔板の配置により補正する電子銃がある。しかし、上記
のように主レンズ内に隔板を配置しても、その非対称性
を完全な軸対称とすることは難しく、しかも、隔板の配
置は高い精度が要求されるため容易でないという問題が
ある。
この発明は、上記問題点を解決するためになされたも
のであり、フォーカス特性を良好にするため、電子ビー
ムのスポットサイズを損なうことなく主レンズの非点収
差を容易に補正しうる電子銃を構成することを目的とす
る。
のであり、フォーカス特性を良好にするため、電子ビー
ムのスポットサイズを損なうことなく主レンズの非点収
差を容易に補正しうる電子銃を構成することを目的とす
る。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 少なくとも三極部、サブレンズおよび主レンズを有す
る電子銃において、その三極部およびサブレンズをそれ
ぞれ構成する相対向する第2および第3グリッドの各対
向面に、主レンズが正の非点収差をもつときは縦長の溝
を形成し、主レンズが負の非点収差をもつときは横長の
溝を形成して、その溝の底部に電子ビーム通過孔を形成
する構造とした。
る電子銃において、その三極部およびサブレンズをそれ
ぞれ構成する相対向する第2および第3グリッドの各対
向面に、主レンズが正の非点収差をもつときは縦長の溝
を形成し、主レンズが負の非点収差をもつときは横長の
溝を形成して、その溝の底部に電子ビーム通過孔を形成
する構造とした。
(作 用) 上記のように、三極部およびサブレンズをそれぞれ構
成する相対向する第2および第3グリッドの各対向面に
溝を形成し、主レンズが正の非点収差をもつとき、すな
わちΔVfH−V>0のとき、その溝を縦長とすると、第
3グリッドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビー
ムスポットの水平、垂直方向径の最小値をSS H=SS V、
非点収差電圧をΔVfH−V<0として、主レンズの正の
非点収差を補正して、フォーカス特性の良好な電子銃と
することができる。また、主レンズが負の非点収差をも
つとき、すなわちΔVfH−V<0のとき、その溝を横長
とすると、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポット
の水平、垂直方向径の最小値をSS H=SS V、非点収差電
圧をΔVfH−V>0として、主レンズの負の非点収差を
補正してフォーカス特性の良好な電子銃とすることがで
きる。
成する相対向する第2および第3グリッドの各対向面に
溝を形成し、主レンズが正の非点収差をもつとき、すな
わちΔVfH−V>0のとき、その溝を縦長とすると、第
3グリッドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビー
ムスポットの水平、垂直方向径の最小値をSS H=SS V、
非点収差電圧をΔVfH−V<0として、主レンズの正の
非点収差を補正して、フォーカス特性の良好な電子銃と
することができる。また、主レンズが負の非点収差をも
つとき、すなわちΔVfH−V<0のとき、その溝を横長
とすると、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポット
の水平、垂直方向径の最小値をSS H=SS V、非点収差電
圧をΔVfH−V>0として、主レンズの負の非点収差を
補正してフォーカス特性の良好な電子銃とすることがで
きる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明を実施例に基づいて説
明する。
明する。
第1図にその一実施例であるカラーブラウン管の同一
水平面上を通るセンタービームおよび一対のサイドビー
ムからなる一列配置の3電子ビームを放出するインライ
ン型電子銃を示す。この電子銃はQPF型に構成され、水
平方向に一列配置された3個のカソード(K)と、この
カソード(K)を各別に加熱する図示しない3個のヒー
タと、上記カソード(K)上に順次隣接して配置された
一体構造の第1ないし第6グリッド(G1)〜(G6)とを
有し、それらが図示しない一対の絶縁支持体により一体
に固定されている。
水平面上を通るセンタービームおよび一対のサイドビー
ムからなる一列配置の3電子ビームを放出するインライ
ン型電子銃を示す。この電子銃はQPF型に構成され、水
平方向に一列配置された3個のカソード(K)と、この
カソード(K)を各別に加熱する図示しない3個のヒー
タと、上記カソード(K)上に順次隣接して配置された
一体構造の第1ないし第6グリッド(G1)〜(G6)とを
有し、それらが図示しない一対の絶縁支持体により一体
に固定されている。
上記グリッドのうち、第1ないし第4グリッド(G1)
〜(G4)は板状の電極からなり、その板面には、それぞ
れ上記一列配置の3個のカソード(K)に対応して3個
の電子ビーム通過孔が形成されている。また、第5およ
び第6グリッド(G5),(G6)は筒状の電極からなり、
その第5グリッド(G5)の第4グリッド(G4)側には、
同じく3個の電子ビーム通過孔が形成され、この第5グ
リッド(G5)の第6グリッド(G6)側には、3個のカソ
ード(K)から放出される3電子ビーム共通の大きな開
孔が形成され、また、第6グリッド(G6)の両端にも、
同様に3電子ビーム共通の大きな開孔が形成されてい
る。そして、カソード(K)、第1および第2グリッド
(G1),(G2)により、電子ビームを発生しかつ主レン
ズに対する物点を形成する三極部が、また、第3ないし
第5グリッド(G3)〜(G5)により、その三極部から放
出される電子ビームを予備集束するサブレンズが、さら
に、第5および第6グリッド(G5),(G6)により、そ
のサブレンズにより予備集束された電子ビームを最終的
に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズが形成される
構成となっている。
〜(G4)は板状の電極からなり、その板面には、それぞ
れ上記一列配置の3個のカソード(K)に対応して3個
の電子ビーム通過孔が形成されている。また、第5およ
び第6グリッド(G5),(G6)は筒状の電極からなり、
その第5グリッド(G5)の第4グリッド(G4)側には、
同じく3個の電子ビーム通過孔が形成され、この第5グ
リッド(G5)の第6グリッド(G6)側には、3個のカソ
ード(K)から放出される3電子ビーム共通の大きな開
孔が形成され、また、第6グリッド(G6)の両端にも、
同様に3電子ビーム共通の大きな開孔が形成されてい
る。そして、カソード(K)、第1および第2グリッド
(G1),(G2)により、電子ビームを発生しかつ主レン
ズに対する物点を形成する三極部が、また、第3ないし
第5グリッド(G3)〜(G5)により、その三極部から放
出される電子ビームを予備集束するサブレンズが、さら
に、第5および第6グリッド(G5),(G6)により、そ
のサブレンズにより予備集束された電子ビームを最終的
に蛍光体スクリーン上に集束する主レンズが形成される
構成となっている。
さらに、この例の電子銃では、第5および第6グリッ
ド(G5),(G6)の対向部内側に上記主レンズの非対称
性を補正する隔板(20)が配置され、さらに、この隔板
(20)により補正しきれない主レンズの非対称性を補正
するために、上記三極部およびサブレンズをそれぞれ構
成する相対向する第2および第3グリッド(G2),(G
3)の各対向面に、上記主レンズの非対称性に基づくビ
ームスポットの非点収差の正負に応じて、縦長または横
長の溝(21a),(21b)が形成され、その溝(21a),
(21b)の底部に電子ビーム通過孔(22a),(22b)が
形成されている。第2図に示す三極部は、特にその第2
および第3グリッド(G2),(G3)の各対向面に縦長の
溝(21a),(21b)を形成した場合を示したものであ
る。
ド(G5),(G6)の対向部内側に上記主レンズの非対称
性を補正する隔板(20)が配置され、さらに、この隔板
(20)により補正しきれない主レンズの非対称性を補正
するために、上記三極部およびサブレンズをそれぞれ構
成する相対向する第2および第3グリッド(G2),(G
3)の各対向面に、上記主レンズの非対称性に基づくビ
ームスポットの非点収差の正負に応じて、縦長または横
長の溝(21a),(21b)が形成され、その溝(21a),
(21b)の底部に電子ビーム通過孔(22a),(22b)が
形成されている。第2図に示す三極部は、特にその第2
および第3グリッド(G2),(G3)の各対向面に縦長の
溝(21a),(21b)を形成した場合を示したものであ
る。
ところで、この第2および第3グリッド(G2),(G
3)の溝(21a),(21b)の形成は、下記実験結果によ
り決定されたものである。
3)の溝(21a),(21b)の形成は、下記実験結果によ
り決定されたものである。
すなわち、主レンズがその非対称性に基づいて正の非
点収差をもつ場合は、第3グリッド(G3)に印加するフ
ォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂直
方向径は、第3図(a)に曲線(12H),(12V)に示す
ように変化し、ΔVfH−V>0である正の非点収差電圧
を生じ、かつビームスポットの水平、垂直方向径の最小
値は一致し、SS H=SS Vとなる。
点収差をもつ場合は、第3グリッド(G3)に印加するフ
ォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂直
方向径は、第3図(a)に曲線(12H),(12V)に示す
ように変化し、ΔVfH−V>0である正の非点収差電圧
を生じ、かつビームスポットの水平、垂直方向径の最小
値は一致し、SS H=SS Vとなる。
一方、第2グリッド(G2)の第3グリッド(G3)側の
電子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21a)を形成す
ると、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水
平、垂直方向径は、同(b)に示す曲線(12H),(12
V)のように変化し、ΔVfH−V<0である負の非点収差
電圧を生じ、かつビームスポットの垂直方向径の最小値
が水平方向径の最小値より小さく、SS H>SS Vとなる。
また、第3グリッド(G3)の第2グリッド(G2)側の電
子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21b)を形成する
と、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水
平、垂直方向径は、同(c)に示す曲線(12H),(12
V)のように変化し、ΔVfH−V<0である負の非点収差
電圧を生じ、かつビームスポットの水平方向径の最小値
が垂直方向径の最小値より小さく、SS H<SS Vとなる。
電子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21a)を形成す
ると、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水
平、垂直方向径は、同(b)に示す曲線(12H),(12
V)のように変化し、ΔVfH−V<0である負の非点収差
電圧を生じ、かつビームスポットの垂直方向径の最小値
が水平方向径の最小値より小さく、SS H>SS Vとなる。
また、第3グリッド(G3)の第2グリッド(G2)側の電
子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21b)を形成する
と、フォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水
平、垂直方向径は、同(c)に示す曲線(12H),(12
V)のように変化し、ΔVfH−V<0である負の非点収差
電圧を生じ、かつビームスポットの水平方向径の最小値
が垂直方向径の最小値より小さく、SS H<SS Vとなる。
そこで、第2および第3グリッド(G2),(G3)の各
対向面の電子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21
a),(21b)を形成すると、フォーカス電圧Ec3に対す
るビームスポットの水平、垂直方向径は、同(d)に示
す曲線(12H),(12V)のように変化し、両溝(21
a),(21b)の相乗効果により、ΔVfH−V<0である
負の非点収差電圧を生じ、かつビームスポットの水平、
垂直方向径の最小値は一致し、SS H=SS Vとなる。
対向面の電子ビーム通過孔のまわりに縦長の溝(21
a),(21b)を形成すると、フォーカス電圧Ec3に対す
るビームスポットの水平、垂直方向径は、同(d)に示
す曲線(12H),(12V)のように変化し、両溝(21
a),(21b)の相乗効果により、ΔVfH−V<0である
負の非点収差電圧を生じ、かつビームスポットの水平、
垂直方向径の最小値は一致し、SS H=SS Vとなる。
したがって、この第2および第3グリッド(G2),
(G3)の各対向面の電子ビーム通過孔(22a),(22b)
のまわりに形成する縦長の溝(21a),(21b)の幅、長
さを規制して、これを正の非点収差(ΔVfH−V>0)
をもつ主レンズと組合わせると、第4図に示すように、
非点収差をなくし(ΔVfH−V=0)、かつフォーカス
電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂直方向径の
最小値を一致させ(SS H=SS V)ることができる。
(G3)の各対向面の電子ビーム通過孔(22a),(22b)
のまわりに形成する縦長の溝(21a),(21b)の幅、長
さを規制して、これを正の非点収差(ΔVfH−V>0)
をもつ主レンズと組合わせると、第4図に示すように、
非点収差をなくし(ΔVfH−V=0)、かつフォーカス
電圧Ec3に対するビームスポットの水平、垂直方向径の
最小値を一致させ(SS H=SS V)ることができる。
つまり、主レンズがその非対称性に基づいて正の非点
収差をもつ場合は、第2および第3グリッド(G2),
(G3)の各対向面に垂直方向に長い伸長形段差からなる
縦長の溝(21a),(21b)を形成し、その溝の底部に真
円の電子ビーム通過孔(22a),(22b)を形成すること
により、その主レンズのもつ正の非点収差を有効に補正
してフォーカス特性を良好にすることができる。
収差をもつ場合は、第2および第3グリッド(G2),
(G3)の各対向面に垂直方向に長い伸長形段差からなる
縦長の溝(21a),(21b)を形成し、その溝の底部に真
円の電子ビーム通過孔(22a),(22b)を形成すること
により、その主レンズのもつ正の非点収差を有効に補正
してフォーカス特性を良好にすることができる。
また、主レンズが負の非点収差をもつ場合は、上記正
の非点収差をもつ場合の説明から明らかなように、第2
および第3グリッド(G2),(G3)の各対向面に横長の
溝を形成し、その溝の底部に真円の電子ビーム通過孔を
形成することにより、その主レンズのもつ負の非点収差
を有効に補正してフォーカス特性を良好にすることがで
る。
の非点収差をもつ場合の説明から明らかなように、第2
および第3グリッド(G2),(G3)の各対向面に横長の
溝を形成し、その溝の底部に真円の電子ビーム通過孔を
形成することにより、その主レンズのもつ負の非点収差
を有効に補正してフォーカス特性を良好にすることがで
る。
[発明の効果] 少なくとも三極部、サブレンズおよび主レンズを有す
る電子銃において、その三極部およびサブレンズをそれ
ぞれ構成する相対向する第2および第3グリッドの各対
向面に、主レンズが正の非点収差(ΔVfH−V>0)を
もつときは縦長の溝を形成し、主レンズが負の非点収差
(ΔVfH−V>0)をもつときは横長の溝を形成して、
その溝の底部に電子ビーム通過孔を形成すると、主レン
ズが正の非点収差をもつときは、第3グリッドに印加す
るフォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、
垂直方向径の最小値をSSH=SSV、非点収差電圧をΔVfH
−V<0として、主レンズの正の非点収差を補正し、ま
た、主レンズが負の非点収差をもつときは、第3グリッ
ドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビームスポッ
トの水平、垂直方向径の最小値をSSH=SSV、非点収差電
圧をΔVfH−V>0として、主レンズの負の非点収差
(ΔVfH−V<0)を補正して、フォーカス特性の良好
な電子銃を構成することができる。
る電子銃において、その三極部およびサブレンズをそれ
ぞれ構成する相対向する第2および第3グリッドの各対
向面に、主レンズが正の非点収差(ΔVfH−V>0)を
もつときは縦長の溝を形成し、主レンズが負の非点収差
(ΔVfH−V>0)をもつときは横長の溝を形成して、
その溝の底部に電子ビーム通過孔を形成すると、主レン
ズが正の非点収差をもつときは、第3グリッドに印加す
るフォーカス電圧Ec3に対するビームスポットの水平、
垂直方向径の最小値をSSH=SSV、非点収差電圧をΔVfH
−V<0として、主レンズの正の非点収差を補正し、ま
た、主レンズが負の非点収差をもつときは、第3グリッ
ドに印加するフォーカス電圧Ec3に対するビームスポッ
トの水平、垂直方向径の最小値をSSH=SSV、非点収差電
圧をΔVfH−V>0として、主レンズの負の非点収差
(ΔVfH−V<0)を補正して、フォーカス特性の良好
な電子銃を構成することができる。
第1図ないし第4図はこの発明の実施例の説明図で、第
1図はその一実施例であるインライン型カラーブラウン
管のQPF型電子銃の構成を示す図、第2図(a)および
(b)はそれぞれ第1ないし第3グリッドを断面で示す
平面図および側面図、第3図(a)ないし(d)はそれ
ぞれ正の非点収差をもつ主レンズに対して第2および第
3グリッドの各対向面に縦長の溝を形成した場合の効果
を説明するための図、第4図は正の非点収差をもつ主レ
ンズと第2および第3グリッドの各対向面に形成された
縦長の溝とを組合わせた場合のフォーカス電圧に対する
ビームスポットの水平、垂直方向径の変化を示す図、第
5図はカラーブラウン管の構成を示す図、第6図は従来
のインライン型カラーブラウン管のQPF型電子銃の構成
を示す図、第7図(a)および(b)はそれぞれその電
子銃の主レンズを構成するグリッドの構造および隔板の
配置された改良されたグリッドの構造を示す図、第8図
(a)および(b)はそれぞれ主レンズが非点収差をも
たない電子銃のフォーカス電圧に対するビームスポット
の水平、垂直方向径の変化および主レンズが非点収差を
もつ電子銃のフォーカス電圧に対するビームスポットの
水平、垂直方向径の変化を示す図である。 20……隔板、21a,21b……縦溝 22a,22b……電子ビーム通過孔 K……カソード、G1……第1グリッド G2……第2グリッド G3……第3グリッド G4……第4グリッド G5……第5グリッド G6……第6グリッド
1図はその一実施例であるインライン型カラーブラウン
管のQPF型電子銃の構成を示す図、第2図(a)および
(b)はそれぞれ第1ないし第3グリッドを断面で示す
平面図および側面図、第3図(a)ないし(d)はそれ
ぞれ正の非点収差をもつ主レンズに対して第2および第
3グリッドの各対向面に縦長の溝を形成した場合の効果
を説明するための図、第4図は正の非点収差をもつ主レ
ンズと第2および第3グリッドの各対向面に形成された
縦長の溝とを組合わせた場合のフォーカス電圧に対する
ビームスポットの水平、垂直方向径の変化を示す図、第
5図はカラーブラウン管の構成を示す図、第6図は従来
のインライン型カラーブラウン管のQPF型電子銃の構成
を示す図、第7図(a)および(b)はそれぞれその電
子銃の主レンズを構成するグリッドの構造および隔板の
配置された改良されたグリッドの構造を示す図、第8図
(a)および(b)はそれぞれ主レンズが非点収差をも
たない電子銃のフォーカス電圧に対するビームスポット
の水平、垂直方向径の変化および主レンズが非点収差を
もつ電子銃のフォーカス電圧に対するビームスポットの
水平、垂直方向径の変化を示す図である。 20……隔板、21a,21b……縦溝 22a,22b……電子ビーム通過孔 K……カソード、G1……第1グリッド G2……第2グリッド G3……第3グリッド G4……第4グリッド G5……第5グリッド G6……第6グリッド
Claims (1)
- 【請求項1】少なくとも電子ビームを発生する三極部、
この三極部からの電子ビームを予備集束するサブレンズ
およびこのサブレンズにより予備集束された電子ビーム
を最終的に集束する主レンズが電子ビーム通過孔の形成
された複数個のグリッドにより構成されてなる電子銃に
おいて、 上記三極部および上記サブレンズをそれぞれ構成する相
対向する第2および第3グリッドの各対向面に、上記主
レンズが正の非点収差をもつときは縦長の溝を形成し、
上記主レンズが負の非点収差をもつときは横長の溝を形
成して、その溝の底部に上記電子ビーム通過孔を形成し
たことを特徴とする電子銃。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8029490A JP2868832B2 (ja) | 1990-03-28 | 1990-03-28 | 電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8029490A JP2868832B2 (ja) | 1990-03-28 | 1990-03-28 | 電子銃 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03280333A JPH03280333A (ja) | 1991-12-11 |
JP2868832B2 true JP2868832B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=13714252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8029490A Expired - Fee Related JP2868832B2 (ja) | 1990-03-28 | 1990-03-28 | 電子銃 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2868832B2 (ja) |
-
1990
- 1990-03-28 JP JP8029490A patent/JP2868832B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03280333A (ja) | 1991-12-11 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |