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JP2856882B2 - 複合フィルムとその製造方法 - Google Patents

複合フィルムとその製造方法

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JP2856882B2
JP2856882B2 JP27187690A JP27187690A JP2856882B2 JP 2856882 B2 JP2856882 B2 JP 2856882B2 JP 27187690 A JP27187690 A JP 27187690A JP 27187690 A JP27187690 A JP 27187690A JP 2856882 B2 JP2856882 B2 JP 2856882B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、包装用フィルム、特にレトルト食品などの
包装用フィルムとして好適な複合フィルムとその製造方
法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] レトルト用包装材料には、食品用包装材料に要求され
る性能の外に、レトルト処理に対する耐性を備えている
ことが要求される。このレトルト処理は、通常、加圧条
件下で、100〜120℃の温度で30〜60分程度行なわれる。
一方、ナイロンフィルムは、耐摩耗性、光沢や透明性等
の光学的性質などに優れる外、特に、耐油性、耐熱・耐
寒性に優れ、広い温度範囲で使用できるという利点を有
するため、レトルト食品用包装材料として広く利用され
ている。しかしながら、ナイロンフィルムは、酸素ガス
バリア性や水蒸気バリア性などのガスバリア性が十分で
ない。そこで、ガスバリア性を付与すると共に、複合化
するため、ナイロンフィルムに、塩化ビニリデン系ポリ
マーを含有するコーティング剤、ポリイソシアネート成
分及びポリオール成分を含むラミネート剤とを順次塗布
し、フィルムを積層した複合フィルムが提供されてい
る。
前記構成の複合フィルムは、レトルト処理前には、高
いガスバリア性を示すものの、レトルト処理に供する
と、ガスバリア性が著しく低下する。また、レトルト処
理により複合フィルムが白濁し、透明性が著しく低下す
る。
従って、本発明の目的は、レトルト処理に供しても、
高いガスバリア性および透明性を保持する複合フィルム
を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記の如き優れた特性を有する
複合フィルムの製造方法を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面が、塩
化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層、ポリイソシアネ
ート成分とポリオール成分とで構成されたラミネート剤
層、およびポリマーフィルム層で順次被覆された層構造
を有するフィルムであって、前記被覆層とラミネート剤
層との間に、前記被覆層へのラミネート剤層の成分の浸
透を規制する保護層が介在する複合フィルムを提供す
る。
また、本発明は、基材フィルムの少なくとも一方の面
を、塩化ビニリデン系ポリマーを含む塗布剤、ポリイソ
シアネート成分とポリオール成分とを含むラミネート剤
で順次被覆する被覆工程と、前記ラミネート剤上にポリ
マーフィルムを積層する積層工程とを含むフィルムの製
造方法であって、前記塗布剤を塗布した後、前記塗布剤
層へのラミネート剤の成分の浸透を規制する保護層を形
成し、前記保護層上に前記ラミネート剤を塗布する複合
フィルムの製造方法を提供する。
前記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、
エチレン−アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ
−4−メチルペンテン−1などのオレフィン系ポリマ
ー;エチレン−ビルアルコール共重合体;ポリ塩化ビニ
ル:ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン−塩化ビニル
共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体
などの塩化ビニリデン系ポリマー;ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体などのスチレン系ポリマ
ー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル;ナイロン又はポリアミ
ド;ポリアクリロニトリル;ポリカーボネート;ポリイ
ミド;セロハンなどを素材とする種々のフィルムが使用
できる。
上記基材フィルムのうち、オレフィン系ポリマーを素
材とするフィルム(特にポリプロピレンフィルム)、ポ
リエステルを素材とするフィルム(特にポリエチレンテ
レフタレートフィルム)及びナイロンフィルムが好まし
い。特に好ましい基材フィルムは、広い温度範囲で使用
できるナイロンフィルムである。ナイロンフィルムを構
成するナイロンとしては、例えば、ナイロン6、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、ナイロ
ン612や、共重合ナイロン、例えば、ナイロン6/66、ナ
イロン66/610、ナイロン6/11などが例示され、これらの
ナイロンは少なくとも一種使用される。
基材フィルムは、未延伸であってもよく、一軸又は二
軸延伸処理されていてもよい。延伸法としては、慣用の
延伸法、例えばロール延伸、圧延延伸、ベルト延伸、テ
ンター延伸、チューブ延伸や、これらを組合せた延伸法
などが挙げられる。延伸倍率は、所望するフィルムの特
性に応じて適宜設定でき、例えば1.5〜20倍、好ましく
は2〜15倍程度である。
なお、延伸処理は、フィルムを構成するポリマーの融
点以下であって、二次転移点以上の温度で行なわれる。
またフィルムの延伸後、緊張下で熱処理し、分子の配向
を固定させてもよい。延伸処理、特に二軸延伸や配向処
理を行なうと、フィルムの強度などを著しく大きくでき
る。
基材フィルムの表面は、必要に応じて、コロナ放電処
理、高周波処理などにより表面処理されていてもよい。
基材フィルムは単層フィルムであってもよく、二種以
上のフィルムが積層された積層フィルムであってもよ
い。基材フィルムの厚みは特に制限されず、例えば、厚
み1〜250μm、好ましくは5〜100μm程度である。
前記基材フィルムの少なくとも一方の面には、塩化ビ
ニリデン系ポリマーを含む被覆層が形成されている。こ
の被覆層は、基材フィルムに高いガスバリア性を付与す
る。
前記塩化ビニリデン系ポリマーは、塩化ビニリデン
と、他の重合性モノマーとの共重合体であるのが好まし
い。重合性モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、酢
酸ビニル、クロトン酸、アクリル酸、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチ
ルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、ペンチル
アクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリ
レート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレートなどの各種アクリレート、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、メタクリル酸や、上記アクリ
レートに対応するメタクリレートなどが例示される。こ
れらの重合性モノマーは一種または二種以上使用され
る。上記共重合体のうち塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、
塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン
−アクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸
共重合体、塩化ビニリデン−アクリレート共重合体及び
塩化ビニリデン−メタクリレート共重合体などの共重合
体が好ましい。
これらの塩化ビニリデン系ポリマーは少なくとも一種
使用される。
塩化ビニリデン系ポリマーの融点は、レトルト処理温
度に応じて適宜選択できるが、示差走査熱量計(DSC)
による融点が125以上、好ましくは130℃以上、さらに好
ましくは140℃以上である。塩化ビニリデン系ポリマー
の融点が125℃未満であると、例えば120℃程度のレトル
ト処理温度で塗膜が白濁し易く、ガスバリア性が低下し
易い。なお、塩化ビニリデン系ポリマーの融点が高くな
るにつれて、高いレトルト処理温度にも耐えうる塗膜が
得られ、塗膜の白濁化及びガスバリア性の低下をより一
層防止できる。レトルト処理は、前記のように、通常10
0〜120℃程度の温度で30〜60分程度行なわれる。
被覆層の膜厚は、ガスバリア性を損わない限り特に制
限されないが、通常、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜
3μm程度である。膜厚が0.01μm未満であると高いガ
スバリア性を付与するのが困難であり、5μmを越える
と経済的でないばかりか、場合によっては基材フィルム
の特性が低下する虞がある。
塩化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層は、塩化ビニ
リデン系ポリマーを含む塗布剤を、基材フィルムに塗布
し、乾燥することにより形成できる。前記塗布剤は、乳
化重合などにより得られるエマルジョン型塩化ビニリデ
ン系ポリマーを含む水性塗布液であってもよく、溶剤可
溶型塩化ビニリデン系ポリマーと有機溶媒とを含む溶剤
型塗布液であってもよい。
溶剤型塗布液の有機溶媒としては、前記塩化ビニリデ
ン系ポリマーを溶解ないし分散しうる溶媒、例えば、ア
セトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエー
テル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、メ
チレンクロライド、エチレンクロライドなどのハロゲン
化炭化水素やこれらの混合溶媒が使用できる。
塗布手段としては、特に制限されず、従来慣用の手
段、例えば、デップコーター、ロールコーター、グラビ
アコーター、エアーナイフコーターなどが例示される。
前記被覆層上には保護層が形成されている。この保護
層は、ラミネート剤層の成分が被覆層へ浸透するのを化
学的親和力や化学的結合力により化学的に規制してもよ
く、物理的に規制してもよい。保護層は、上記機能を有
し、常温で透明で耐熱性及び耐水性する材料で形成でき
る。保護層は、例えば、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹
脂;紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などの光硬化
性樹脂などの被膜;蒸着やスパッタリングなどの薄膜形
成手段により形成された金属薄膜などであってもよい
が、作業性などの点から熱可塑性樹脂を含む被膜である
のが好ましい。熱可塑性樹脂には、例えば、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、フッ素含有ポリマー、アクリル
系ポリマー、酢酸綿、硝化綿、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体などが含まれる。特に好ましい熱可塑性樹
脂はエチレン−ビニルアルコール共重合体である。エチ
レン−ビニルアルコール共重合体を含む保護層は、押出
しラミネート法などにより形成してもよいが、薄膜化す
るため、溶媒可溶性のエチレン−ビニルアルコール共重
合体を含有する塗布液により形成するのが好ましい。溶
媒可溶性のエチレン−ビニルアルコール共重合体は、エ
チレン含有量が5〜50モル%、好ましくは10〜45モル
%、さらに好ましくは25〜35モル%の共重合体である。
溶媒可溶性のエチレン−ビニルアルコール共重合体は、
通常、例えば、分子量1〜10万、好ましくは分子量4〜
5万程度、温度210℃、荷重2160gの条件でのMFI(メル
トフローインデックス)5〜10g/10分程度、温度210
℃、荷重50kg、1mmφ×10mmのノズルでの見掛け溶融粘
度5000〜15000ポイズ、好ましくは7500〜12500ポイズ程
度、ケン化度99.5%以上である。このような共重合体
は、通常、水とアルコールとの混合溶媒に可溶化でき、
薄膜からなる保護層を形成できる。
保護層の膜厚は、ラミネート剤層の成分が前記被覆層
へ浸透するのを規制できる範囲内で選択でき、例えば、
0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm程度である。
保護層上には、ポリイソシアネート成分とポリオール
成分とを含む二液硬化型ウレタン系接着剤で構成された
ラミネート剤層が形成されている。
ポリイソシアネート成分としては、慣用の化合物、例
えば、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、1,3,6
−ヘキサメチレントリイソシアネート、リジンジイソシ
アネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;p−フェニレ
ンジイソシアネート、ω,ω−ジイソシアネート−1,3
−ジメチルベンゼン、ω,ω−ジイソシアネート−1,4
−ジメチルベンゼン、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェ
ニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トリフェニル
メタントリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネートなどの芳香族ポリイソシアネート;イソホロン
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、ω,ω−ジイソシアネート−1,3−
ジメチルシクロヘキサン、ω,ω−ジイソシアネート−
1,4−ジメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−
ジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート;キ
シリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネートなどの芳香脂肪族ポリイソシアネートな
どが例示される。これらのポリイソシアネート成分は、
多価アルコールにポリイソシアネート化合物が付加し、
末端にイソシアネート基を有するアダクト体、ビュレッ
ト反応により生成したイソシアネート化合物、二量体、
三量体であってもよい。ポリイソシアネート成分は、単
独又は二種以上の混合物として使用できる。
ポリオール成分としては、二液硬化型ウレタン接着剤
に汎用されている化合物、例えば、多価アルコールと、
多価カルボン酸又はその低級アルキルエステル若しくは
酸無水物との反応により得られ、かつヒドロキシ基を有
するポリエステルポリオール;前記ポリエステルポリオ
ールとポリイソシアネート成分との反応により得られ、
かつヒドロキシ基を有するポリエステルポリウレタンポ
リオールなどが挙げられる。これらのポリオール成分は
単独又は混合して使用できる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テ
トラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール;1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族多価アルコー
ル;2,2−ビス(2−ヒドロキシエチルフェニル)プロパ
ンなどの芳香族多価アルコールなどが挙げられる。
多価カルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジビ
ン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸などの脂肪族多価カルボン酸;1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸などが
挙げられる。
なお、ポリオール成分は、特開昭61−209282号公報に
開示されているように、ポリオール成分とエチレン性不
飽和カルボン酸又はその酸無水物とをラジカル発生剤の
存在下で反応させた変性ポリオールであってもよい。ま
た、前記ポリオール成分には、レトルト処理を損わない
範囲で、多価アルコール、ポリエーテルポリオール、ポ
リエーテルポリウレタンポリオールなどを添加してもよ
い。
ポリオール成分の重量平均分子量は、通常、500〜100
000程度である。
このようなポリイソシアネート成分とポリオール成分
とを含むラミネート剤を前記保護層上ではなく、被覆層
上に直接塗布すると、ラミネート剤中のポリイソシアネ
ート成分が、空気中の水分や、場合によっては、前記被
覆層中に含まれる塩化ビニリデン系ポリマーの活性水素
原子と反応し、イソシアネート成分の一部が失活する。
従って、ラミネート剤層中には、ポリオール成分が過剰
となるので、硬化剤としてのポリイソシアネート成分に
よりポリオール成分を硬化させても、ラミネート剤層中
には未反応のポリオール成分が残存する。そして、複合
フィルムをレトルト処理すると、透明性及びガスバリア
性が低下する。このことは、ラミネート剤層中に残存す
る未反応のポリオール成分が、前記被覆層内に浸透し、
塩化ビニリデン系ポリマーの結晶化を阻害するためと推
測される。
これに対して、本発明では、ラミネート剤層を前記保
護層上に形成するので、被覆層に含まれる塩化ビニリデ
ン系ポリマーの結晶化がラミネート剤層の成分により阻
害されない。従って、レトルト処理後にあっても、塩化
ビニリデン系ポリマーが具備する高いガスバリア性が発
現すると共に、複合フィルムが白濁することがない。特
に、前記塩化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層と、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体を含む保護層とを組
合せる場合には、エチレン−ビニルアルコール共重合体
が酸素ガスバリア性に優れているので、さらに高いガス
バリア性を付与できる。
ラミネーオ剤層の膜厚は、ポリマーフィルム層との接
着強度を損わない範囲で選択でき、通常、0.1〜10μ
m、好ましくは0.5〜5μm程度である。
前記ラミネート剤層は、前記ポリイソシアネート成分
とポリオール成分とを含むラミネート剤を前記被覆層上
に塗布することにより形成できる。前記ラミネート剤
は、通常、有機溶媒溶液として使用される。有機溶媒と
しては、例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;シク
ロヘキサンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素;アセトン、メチル
エチルケトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステ
ル類;これらの混合溶媒が挙げられる。
ラミネート剤層の硬化は、ラミネート剤層にポリマー
フィルム層を積層した後、例えば、30〜50℃程度の温度
で行なうことができる。
前記ラミネート剤層に積層されたポリマーフィルム層
は、複合フィルムの用途に応じて、前記と同様の基材フ
ィルムで構成できる。前記ポリマーフィルム層の積層
は、従来慣用の方法により、前記ラミネート剤にポリマ
ーフィルムを圧着することにより行なうことができる。
また、本発明の複合フィルムは、少なくとも、前記基
材フィルム、被覆層、ラミネート剤層およびポリマーフ
ィルム層からなる層構造を有していればよく、ドライラ
ミネート、押出しラミネートなどの方法により、前記ポ
リマーフィルム層に、少なくとも1つのポリマーフィル
ム層がさらに積層されていてもよい。
このような複合フィルムにおいて、ヒートシール、イ
ンパルスシール及び超音波接合などにより製袋するた
め、基材フィルム及びポリマーフィルム層のうち少なく
とも一方のフィルムは、熱接合性を有するのが好まし
い。前記熱接合性を有するポリマーフィルム層は、特に
制限されず、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビ
ニルを含有するポリエチレン、無延伸ポリプロピレンな
どで形成できる。また、前記基材フィルム及びポリマー
フィルム層は、熱接合性を有するポリマー、例えば、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、溶媒可溶性エチレン−
ビニルアルコール共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体などのコーティング層により熱接合性が付与されて
いてもよい。前記ポリマーフィルム層の膜厚は、前記基
材フィルムの膜厚と同様な範囲内で選択でき、コーティ
ング層の膜厚は、通常、0.1〜5μm程度である。
好ましい複合フィルムは、前記基材フィルム、被覆
層、保護層、ラミネート剤層及び熱接合性を有するポリ
マーフィルム層で構成されている。
なお、基材フィルムの両面に、それぞれ、被覆層、ラ
ミネート剤層及びポリマーフィルム層が形成されていて
もよい。この場合、両面のポリマーフィルム層のうち少
なくとも一方のポリマーフィルム層が熱接合性を有して
いるのが好ましい。
前記被覆層、保護層、ラミネート剤層は、例えば、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体などのオレフィン系ポリマー;アクリル系
ポリマー;スチレン系ポリマー;ポリエステル;ポリア
セタール;ポリ酢酸ビニル;ポリ塩化ビニル;塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体;ポリアミド;ポリウレタン;
ポリカーボネート;塩素化ポリオレフィン;セルロース
系ポリマーなどのポリマーを含んでいてもよい。前記基
材フィルム、被覆層、保護層、ラミネート剤層、ポリマ
ーフィルム層は、添加剤を含有していてもよい。添加剤
としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、可塑
剤、帯電防止剤、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、ワック
スや微粉末状滑剤などの滑剤、染顔料などが例示され
る。
[発明の効果] 本発明の複合フィルムは、レトルト処理に供しても白
濁せず、高い透明性及びガスバリア性を保持する。
また、本発明の複合フィルムの製造方法では、前記の
如き優れた特性を有する複合フィルムを得ることができ
る。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
実施例1及び実施例2 塩化ビニリデン(90重量%)−アクリル酸エステル
(10重量%)共重合体(融点145℃)100重量部、融点78
℃のワックス1重量部、滑剤としての平均粒径3μmの
シリカ微粉末0.1重量部を、テトラヒドロフラン/トル
エン=70/30(重量比)に均一に混合し塗布液を調製し
た。この塗布液を、二軸延伸した膜厚15μmのナイロン
6フィルムの一方の面に、バーコーターを用いて乾燥後
の塗布量2.0g/m2となるように塗布し、被覆層を形成し
た。
水とイソプロパノールとの混合溶媒(重合重量比1:
1)に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(日本合
成化学(株)製、商品名ソアノール、エチレン含有量29
モル%)を添加し、加熱して溶解し、エチレン−ビニル
アルコール共重合体含有量10重量%の塗布液を調製し
た。この塗布液を前記被覆層に、乾燥後の塗布量0.5g/m
2(実施例1)、1.0g/m2(実施例2)となるように塗布
し、保護層を形成した。
次いで、ポリオール成分(東洋モートン(株)製、AD
−806)と、ポリイソシアネート成分(東洋モートン
(株)製、RT−8)とを、ポリイソシアネート化合物の
イソシアネート基/ポリオール成分のヒドロキシ基=1/
1(モル比)で混合してラミネート剤を調製した。得ら
れたラミネート剤を前記保護層上に、乾燥後の塗布量3.
5g/m2となるように塗布し、塗布面に無延伸ポリプロピ
レンフィルム(東洋紡績(株)製、P−1143)を圧着し
てラミネートし、複合フィルムを得た。
比較例1 実施例1において、エチレン−ビニルアルコール共重
合体を含む塗布液を用いることなく、実施例1及び実施
例2と同様にして、複合フィルムを得た。
実施例3及び実施例4 実施例1の塩化ビニリデン系ポリマーに代えて、乳化
重合法により得られた塩化ビニリデン(85重量%)−メ
タクリル酸(15重量%)共重合体(融点145℃)のエマ
ルジョンを用いる以外、実施例1と同様にして、複合フ
ィルムを得た。
比較例2 実施例3において、エチレン−ビニルアルコール共重
合体を含む塗布液を用いることなく、実施例3と同様に
して、複合フィルムを得た。
そして、各実施例及び比較例で得られた複合フィルム
を温度105℃×30分のレトルト処理に供し、レトルト処
理前後のヘーズ(%)、目視による白濁度及び酸素ガス
透過率を評価した。なお、酸素ガス透過率はガスクロマ
ト法により次のようにして測定した。
湿度80%の酸素ガスと、補償ガスとしてのヘリウムガ
スとを用いて、測定器(Lyssy Gas Permeablity Testin
g Apparatus L−66)により、温度20℃で測定した。単
位はcc/m2/24時間である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む保護層用
塗布液の塗布量と共に、結果を表に示す。
表より明らかなように、比較例の複合フィルムではレ
トルト処理により白濁し、ヘーズが著しく大きくなると
共に、酸素ガスバリア性も著しく低下する。これに対し
て、実施例で得られた複合フィルムは、レトルト処理後
も透明でヘーズ及び酸素ガス透過率が小さい。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの少なくとも一方の面が、塩
    化ビニリデン系ポリマーを含む被覆層、ポリイソシアネ
    ート成分とポリオール成分とで構成されたラミネート剤
    層、およびポリマーフィルム層で順次被覆された層構造
    を有するフィルムであって、前記被覆層とラミネート剤
    層との間に、前記被覆層へのラミネート剤層の成分の浸
    透を規制する保護層が介在する複合フィルム。
  2. 【請求項2】基材フィルムがナイロンフィルムである請
    求項1記載の複合フィルム。
  3. 【請求項3】保護層が、エチレン−ビニルアルコール共
    重合体を含む請求項1記載の複合フィルム。
  4. 【請求項4】ポリマーフィルム層が熱接合性を有する請
    求項1記載の複合フィルム。
  5. 【請求項5】基材フィルムの少なくとも一方の面を、塩
    化ビニリデン系ポリマーを含む塗布剤、ポリイソシアネ
    ート成分とポリオール成分とを含むラミネート剤で順次
    被覆する被覆工程と、前記ラミネート剤上にポリマーフ
    ィルムを積層する積層工程とを含むフィルムの製造方法
    であって、前記塗布剤を塗布した後、前記塗布剤層への
    ラミネート剤の成分の浸透を規制する保護層を形成し、
    前記保護層上に前記ラミネート剤を塗布する複合フィル
    ムの製造方法。
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