JP2855926B2 - 内燃機関のシリンダ - Google Patents
内燃機関のシリンダInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関のシリンダに
係り、詳しくはブロックにシリンダライナを組み付ける
ことによりシリンダを構成するシリンダ構造に関するも
のである。
係り、詳しくはブロックにシリンダライナを組み付ける
ことによりシリンダを構成するシリンダ構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、例えば実開
昭51−46806号公報に開示されたものが知られて
いる。この従来技術では、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとを一体化してなるモノブロックにおいて、その
シリンダ用穴へ下方から、即ちクランクケース側からシ
リンダスリーブ(シリンダライナ)を挿入してシリンダ
を構成するようになっている。この場合、シリンダライ
ナの基端に当板を当ててボルトによりモノブロックに締
め付けることにより、シリンダライナが固定されるよう
になっている。又、図10に示すように、シリンダライ
ナ31の先端部内周にはテーパ面32が形成され、それ
に対応するテーパ面33を有する溝34がシリンダ用穴
35の底部周縁に形成されている。そして、シリンダラ
イナ31がシリンダ用穴35に挿入して組み付けられた
状態で、両テーパ面32,33を突き合わせることによ
り、両テーパ面32,33をいわゆる楔作用によって密
着させてシリンダライナ31の先端部とシリンダ用穴3
5との間のガスシール性を確保するようになっている。
昭51−46806号公報に開示されたものが知られて
いる。この従来技術では、シリンダヘッドとシリンダブ
ロックとを一体化してなるモノブロックにおいて、その
シリンダ用穴へ下方から、即ちクランクケース側からシ
リンダスリーブ(シリンダライナ)を挿入してシリンダ
を構成するようになっている。この場合、シリンダライ
ナの基端に当板を当ててボルトによりモノブロックに締
め付けることにより、シリンダライナが固定されるよう
になっている。又、図10に示すように、シリンダライ
ナ31の先端部内周にはテーパ面32が形成され、それ
に対応するテーパ面33を有する溝34がシリンダ用穴
35の底部周縁に形成されている。そして、シリンダラ
イナ31がシリンダ用穴35に挿入して組み付けられた
状態で、両テーパ面32,33を突き合わせることによ
り、両テーパ面32,33をいわゆる楔作用によって密
着させてシリンダライナ31の先端部とシリンダ用穴3
5との間のガスシール性を確保するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術において、シリンダライナ31の剛性は一般に高いも
のである。又、両テーパ面32,33の突き合わせ部分
と反対側のシリンダライナ31の先端部外周面36と溝
34の内周面37とは互いに圧接されていた。このた
め、両テーパ面32,33の突き合わせが不充分とな
り、その楔作用を充分に発揮させることができなった。
しかも、上記のようなテーパ面32,33の加工精度は
一般に良くないことから、両テーパ面32,33での密
着性を確保することは非常に困難なものであった。この
ような理由から、前記従来技術では、シリンダライナ3
1の先端部とシリンダ用穴35との間のガスシール性を
充分に確保することが困難であった。そして、ガスシー
ル性が低下した場合には、燃焼室内のガスがクランクケ
ースに洩れ出てブローバイガスを増大させたり、クラン
クケース内の圧力を上昇させて燃焼室へのオイル上がり
を増大させたりするおそれがあった。又、場合によって
は、燃焼室内のガスが機関冷却用の冷媒に混入して冷却
性能を低減させるというおそれもあった。
術において、シリンダライナ31の剛性は一般に高いも
のである。又、両テーパ面32,33の突き合わせ部分
と反対側のシリンダライナ31の先端部外周面36と溝
34の内周面37とは互いに圧接されていた。このた
め、両テーパ面32,33の突き合わせが不充分とな
り、その楔作用を充分に発揮させることができなった。
しかも、上記のようなテーパ面32,33の加工精度は
一般に良くないことから、両テーパ面32,33での密
着性を確保することは非常に困難なものであった。この
ような理由から、前記従来技術では、シリンダライナ3
1の先端部とシリンダ用穴35との間のガスシール性を
充分に確保することが困難であった。そして、ガスシー
ル性が低下した場合には、燃焼室内のガスがクランクケ
ースに洩れ出てブローバイガスを増大させたり、クラン
クケース内の圧力を上昇させて燃焼室へのオイル上がり
を増大させたりするおそれがあった。又、場合によって
は、燃焼室内のガスが機関冷却用の冷媒に混入して冷却
性能を低減させるというおそれもあった。
【0004】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、シリンダライナ先端部側の
テーパ面とシリンダ用穴側のテーパ面とを突き合わせて
シリンダライナを組み付けるものにおいて、両テーパ面
の密着性を向上させることの可能な内燃機関のシリンダ
を提供することにある。
ものであって、その目的は、シリンダライナ先端部側の
テーパ面とシリンダ用穴側のテーパ面とを突き合わせて
シリンダライナを組み付けるものにおいて、両テーパ面
の密着性を向上させることの可能な内燃機関のシリンダ
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、内燃機関を構成するブロック
のシリンダ用穴にシリンダライナを挿入し組み付けてな
る内燃機関のシリンダにおいて、(a)前記ブロックは
前記シリンダ用穴に挿入されたシリンダライナの先端部
が嵌入される溝を有すること、及び(b)前記シリンダ
ライナはその先端部の内周面に先端側ほど拡径される態
様で形成されたテーパ面を有すると共に、同先端部が他
の部位に比して弾性変形し易い構造を有すること、及び
(c)前記溝は前記シリンダライナのテーパ面に対応し
て突き合わされる態様で形成された別のテーパ面を有す
ると共に、前記シリンダライナの先端部の外周面との間
に同シリンダライナの外周方向への弾性変形を許容する
クリアランスを有することをその要旨とする。
め、この発明においては、内燃機関を構成するブロック
のシリンダ用穴にシリンダライナを挿入し組み付けてな
る内燃機関のシリンダにおいて、(a)前記ブロックは
前記シリンダ用穴に挿入されたシリンダライナの先端部
が嵌入される溝を有すること、及び(b)前記シリンダ
ライナはその先端部の内周面に先端側ほど拡径される態
様で形成されたテーパ面を有すると共に、同先端部が他
の部位に比して弾性変形し易い構造を有すること、及び
(c)前記溝は前記シリンダライナのテーパ面に対応し
て突き合わされる態様で形成された別のテーパ面を有す
ると共に、前記シリンダライナの先端部の外周面との間
に同シリンダライナの外周方向への弾性変形を許容する
クリアランスを有することをその要旨とする。
【0006】
【作用】上記の構成によれば、内燃機関を構成するブロ
ックのシリンダ用穴にシリンダライナを挿入し組み付け
る際に、シリンダライナの先端部の内周面に形成された
テーパ面と、同シリンダライナの先端部が嵌入されるシ
リンダ用穴の溝に形成された別のテーパ面とが突き合わ
される。シリンダライナの先端部は他の部位に比して弾
性変形しやすい構造となっており、更にシリンダ用穴の
溝と同シリンダライナの先端部の外周面との間にはクリ
アランスが設けられているため、この突き合わせによっ
て同シリンダライナの先端部はその外周方向に弾性変形
可能となる。その結果、シリンダライナの先端部に形成
されたテーパ面とシリンダ用穴の溝に形成された別のテ
ーパ面との楔効果が十分に発揮され、テーパ面同士の密
着性が向上され、ひいてはシリンダ用穴とシリンダライ
ナとの間のガスシール性が確実に確保されるようにな
る。
ックのシリンダ用穴にシリンダライナを挿入し組み付け
る際に、シリンダライナの先端部の内周面に形成された
テーパ面と、同シリンダライナの先端部が嵌入されるシ
リンダ用穴の溝に形成された別のテーパ面とが突き合わ
される。シリンダライナの先端部は他の部位に比して弾
性変形しやすい構造となっており、更にシリンダ用穴の
溝と同シリンダライナの先端部の外周面との間にはクリ
アランスが設けられているため、この突き合わせによっ
て同シリンダライナの先端部はその外周方向に弾性変形
可能となる。その結果、シリンダライナの先端部に形成
されたテーパ面とシリンダ用穴の溝に形成された別のテ
ーパ面との楔効果が十分に発揮され、テーパ面同士の密
着性が向上され、ひいてはシリンダ用穴とシリンダライ
ナとの間のガスシール性が確実に確保されるようにな
る。
【0007】
(第1実施例)以下、この発明における内燃機関のシリ
ンダを具体化した第1実施例を図1及び図2に基づいて
詳細に説明する。
ンダを具体化した第1実施例を図1及び図2に基づいて
詳細に説明する。
【0008】図1はこの実施例の内燃機関におけるシリ
ンダを示す断面図である。このシリンダはシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとを一体化してなるモノブロック
1より構成されている。このモノブロック1は、その内
部に形成された複数気筒分(この図では1気筒分のみ図
示した)のシリンダ用穴2と、そのシリンダ用穴2の下
方へ延びるスカート3とを備えている。各シリンダ用穴
2の下方においてスカート3で囲まれた空間がクランク
ケース4となっている。そして、モノブロック1には、
各シリンダ用穴2へ下方から、即ちクランクケース4側
から、シリンダライナ5が挿入して組み付けられ、この
構成によってシリンダが構成されている。
ンダを示す断面図である。このシリンダはシリンダヘッ
ドとシリンダブロックとを一体化してなるモノブロック
1より構成されている。このモノブロック1は、その内
部に形成された複数気筒分(この図では1気筒分のみ図
示した)のシリンダ用穴2と、そのシリンダ用穴2の下
方へ延びるスカート3とを備えている。各シリンダ用穴
2の下方においてスカート3で囲まれた空間がクランク
ケース4となっている。そして、モノブロック1には、
各シリンダ用穴2へ下方から、即ちクランクケース4側
から、シリンダライナ5が挿入して組み付けられ、この
構成によってシリンダが構成されている。
【0009】シリンダライナ5はほぼ筒状をなし、その
基端側外周にはフランジ5aが形成されている。そし
て、そのフランジ5aをボルト6でモノブロック1に締
め付けることにより、シリンダライナ5がシリンダ用穴
2に対し固定されている。このようなシリンダライナ5
の固定状態において、シリンダ用穴2の底部側が燃焼室
7を構成し、シリンダライナ5の内周がシリンダボア8
となっている。モノブロック1の上部中心位置には、点
火プラグを装着するためのプラグ用穴9が形成されてい
る。又、モノブロック1の上部には、図示しない吸気ポ
ート及び排気ポートが形成されている。この実施例にお
いて、モノブロック1は軽量化のためにアルミ製となっ
ており、シリンダライナ5は耐久性を確保するために鋳
鉄製となっている。
基端側外周にはフランジ5aが形成されている。そし
て、そのフランジ5aをボルト6でモノブロック1に締
め付けることにより、シリンダライナ5がシリンダ用穴
2に対し固定されている。このようなシリンダライナ5
の固定状態において、シリンダ用穴2の底部側が燃焼室
7を構成し、シリンダライナ5の内周がシリンダボア8
となっている。モノブロック1の上部中心位置には、点
火プラグを装着するためのプラグ用穴9が形成されてい
る。又、モノブロック1の上部には、図示しない吸気ポ
ート及び排気ポートが形成されている。この実施例にお
いて、モノブロック1は軽量化のためにアルミ製となっ
ており、シリンダライナ5は耐久性を確保するために鋳
鉄製となっている。
【0010】シリンダライナ5の外周には、連続する凹
部10が形成されており、その凹部10とシリンダ用穴
2の内周との間が冷却水等の冷媒を流通させる冷媒通路
11となっている。又、モノブロック1の一部には、冷
媒通路11に連通して冷媒を導入するための入口12
と、冷媒を導出するための出口13がそれぞれ形成され
ている。更には、冷媒通路11の上方及び下方におい
て、シリンダライナ5とシリンダ用穴2との間には、冷
媒をシールするためのOリング14がそれぞれ組み付け
られている。
部10が形成されており、その凹部10とシリンダ用穴
2の内周との間が冷却水等の冷媒を流通させる冷媒通路
11となっている。又、モノブロック1の一部には、冷
媒通路11に連通して冷媒を導入するための入口12
と、冷媒を導出するための出口13がそれぞれ形成され
ている。更には、冷媒通路11の上方及び下方におい
て、シリンダライナ5とシリンダ用穴2との間には、冷
媒をシールするためのOリング14がそれぞれ組み付け
られている。
【0011】このシリンダはシリンダライナ5の組み付
け構造に特徴を有するものである。即ち、図1,2に示
すように、シリンダライナ5のライナ先端部15の内周
にはテーパ面15aが形成されている。又、シリンダ用
穴2の底部周縁には、そのテーパ面15aに対応する別
のテーパ面16aを有する溝16が形成されている。そ
して、両テーパ面15a,16aの突き合わせ部分がシ
リンダライナ5とシリンダ用穴2との間のガスシール部
17となっている。この実施例では、ライナ先端部15
のみが低弾性率の別部材により形成されている。このラ
イナ先端部15はシリンダライナ5の本体に接合されて
一体化されている。そして、この構成により、ライナ先
端部15がシリンダライナ5の他の部位と比べて低弾性
に形成されている。又、両テーパ面15a,16aの突
き合わせ部分と反対側のライナ先端部15と溝16との
間には、ライナ先端部15の変形を許容する所定のクリ
アランス18が設けられている。
け構造に特徴を有するものである。即ち、図1,2に示
すように、シリンダライナ5のライナ先端部15の内周
にはテーパ面15aが形成されている。又、シリンダ用
穴2の底部周縁には、そのテーパ面15aに対応する別
のテーパ面16aを有する溝16が形成されている。そ
して、両テーパ面15a,16aの突き合わせ部分がシ
リンダライナ5とシリンダ用穴2との間のガスシール部
17となっている。この実施例では、ライナ先端部15
のみが低弾性率の別部材により形成されている。このラ
イナ先端部15はシリンダライナ5の本体に接合されて
一体化されている。そして、この構成により、ライナ先
端部15がシリンダライナ5の他の部位と比べて低弾性
に形成されている。又、両テーパ面15a,16aの突
き合わせ部分と反対側のライナ先端部15と溝16との
間には、ライナ先端部15の変形を許容する所定のクリ
アランス18が設けられている。
【0012】次に、上記のように構成した内燃機関のシ
リンダの作用について説明する。さて、モノブロック1
にシリンダライナ5を組み付けて固定するには、先ずシ
リンダ用穴2へクランクケース4側から、シリンダライ
ナ5を挿入して組み付ける。この組み付け時には、ライ
ナ先端部15が溝16に嵌まり込んで両テーパ面15
a,16aが合わされる。その後、シリンダライナ5の
フランジ5aをボルト6でモノブロック1に締め付ける
と、シリンダライナ5がシリンダ用穴2に対し固定され
る。この締め付け時には、両テーパ面15a,16aが
突き合わされる。
リンダの作用について説明する。さて、モノブロック1
にシリンダライナ5を組み付けて固定するには、先ずシ
リンダ用穴2へクランクケース4側から、シリンダライ
ナ5を挿入して組み付ける。この組み付け時には、ライ
ナ先端部15が溝16に嵌まり込んで両テーパ面15
a,16aが合わされる。その後、シリンダライナ5の
フランジ5aをボルト6でモノブロック1に締め付ける
と、シリンダライナ5がシリンダ用穴2に対し固定され
る。この締め付け時には、両テーパ面15a,16aが
突き合わされる。
【0013】そして、この実施例では、ライナ先端部1
5か低弾性の部材で形成されており、しかも両テーパ面
15a,16aの突き合わせ部分と反対側にはライナ先
端部15の変形を許容するクリアランス18が設けられ
ている。
5か低弾性の部材で形成されており、しかも両テーパ面
15a,16aの突き合わせ部分と反対側にはライナ先
端部15の変形を許容するクリアランス18が設けられ
ている。
【0014】従って、締め付け時には、その押圧力によ
りライナ先端部15がクリアランス18の余裕によって
許容されてある程度だけ弾性変形し易いものとなる。こ
の作用により、両テーパ面15a,16aは突き合わせ
が良好に行われる。又、この両テーパ面15a,16a
の良好な突き合わせは、それらの加工精度にかかわらず
達成される。その結果、両テーパ面15a,16aでの
楔作用を充分に発揮させて両テーパ面15a,16aの
密着性を向上させることができ、もってライナ先端部1
5とシリンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上
させることができる。
りライナ先端部15がクリアランス18の余裕によって
許容されてある程度だけ弾性変形し易いものとなる。こ
の作用により、両テーパ面15a,16aは突き合わせ
が良好に行われる。又、この両テーパ面15a,16a
の良好な突き合わせは、それらの加工精度にかかわらず
達成される。その結果、両テーパ面15a,16aでの
楔作用を充分に発揮させて両テーパ面15a,16aの
密着性を向上させることができ、もってライナ先端部1
5とシリンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上
させることができる。
【0015】又、内燃機関の作動時には、その時の熱や
温度分布の違いによってモノブロック1のシリンダ用穴
2が多少変形することにもなる。しかし、この実施例の
シリンダでは、ライナ先端部15が溝16での変形に追
従して弾性変形することが可能であることから、両テー
パ面15a,16aの間、即ちガスシール部17での密
着性を常に確保することもできる。
温度分布の違いによってモノブロック1のシリンダ用穴
2が多少変形することにもなる。しかし、この実施例の
シリンダでは、ライナ先端部15が溝16での変形に追
従して弾性変形することが可能であることから、両テー
パ面15a,16aの間、即ちガスシール部17での密
着性を常に確保することもできる。
【0016】上記のように、この実施例のシリンダで
は、ライナ先端部15とシリンダ用穴2との間のガスシ
ール性を向上させることができ、それを常に確保できる
ことから、燃焼室7内のガスが冷媒通路11に洩れ出る
ことを未然に防止して、冷媒へのガス混入を未然に防止
することができる。従って、ガス洩れにより内燃機関の
冷却性能が低下することはない。
は、ライナ先端部15とシリンダ用穴2との間のガスシ
ール性を向上させることができ、それを常に確保できる
ことから、燃焼室7内のガスが冷媒通路11に洩れ出る
ことを未然に防止して、冷媒へのガス混入を未然に防止
することができる。従って、ガス洩れにより内燃機関の
冷却性能が低下することはない。
【0017】(第2実施例)次に、この発明における内
燃機関のシリンダを具体化した第2実施例を図3及び図
4に従って説明する。尚、この実施例を含む以下の各実
施例の構成において、前記第1実施例と同等の部材につ
いては同一の符号を付して説明を省略し、異なった点に
ついてのみ説明する。
燃機関のシリンダを具体化した第2実施例を図3及び図
4に従って説明する。尚、この実施例を含む以下の各実
施例の構成において、前記第1実施例と同等の部材につ
いては同一の符号を付して説明を省略し、異なった点に
ついてのみ説明する。
【0018】図3はこの実施例の内燃機関におけるシリ
ンダを示す断面図であり、図4はその主要部を拡大して
示す断面図である。この実施例では、シリンダライナ5
の先端部の構成において前記第1実施例のそれと異なっ
ている。即ち、図3,4にメッシュで示すライナ先端部
21の内周には、溝16のテーパ面16aに対応するテ
ーパ面21aが形成されている。そして、両テーパ面2
1a,16aの突き合わせ部分がシリンダライナ5とシ
リンダ用穴2との間のガスシール部17となっている。
この実施例では、ライナ先端部21のみに焼きなまし処
理が施されており、この構成によってライナ先端部21
がシリンダライナ5の他の部位と比べて低弾性に形成さ
れている。又、両テーパ面21a,16aの突き合わせ
部分と反対側のライナ先端部21と溝16との間には、
ライナ先端部21の変形を許容する所定のクリアランス
18が設けられている。
ンダを示す断面図であり、図4はその主要部を拡大して
示す断面図である。この実施例では、シリンダライナ5
の先端部の構成において前記第1実施例のそれと異なっ
ている。即ち、図3,4にメッシュで示すライナ先端部
21の内周には、溝16のテーパ面16aに対応するテ
ーパ面21aが形成されている。そして、両テーパ面2
1a,16aの突き合わせ部分がシリンダライナ5とシ
リンダ用穴2との間のガスシール部17となっている。
この実施例では、ライナ先端部21のみに焼きなまし処
理が施されており、この構成によってライナ先端部21
がシリンダライナ5の他の部位と比べて低弾性に形成さ
れている。又、両テーパ面21a,16aの突き合わせ
部分と反対側のライナ先端部21と溝16との間には、
ライナ先端部21の変形を許容する所定のクリアランス
18が設けられている。
【0019】従って、シリンダライナ5の締め付け時に
は、その押圧力によりライナ先端部21がクリアランス
18の余裕によって許容されてある程度だけ弾性変形し
易いものとなり、両テーパ面21a,16aの突き合わ
せが、それらの加工精度にかかわらず、良好に行われ
る。その結果、両テーパ面21a,16aでの楔作用を
充分に発揮させて両テーパ面21a,16aの密着性を
向上させることができ、もってライナ先端部21とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上させるこ
とができる。
は、その押圧力によりライナ先端部21がクリアランス
18の余裕によって許容されてある程度だけ弾性変形し
易いものとなり、両テーパ面21a,16aの突き合わ
せが、それらの加工精度にかかわらず、良好に行われ
る。その結果、両テーパ面21a,16aでの楔作用を
充分に発揮させて両テーパ面21a,16aの密着性を
向上させることができ、もってライナ先端部21とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上させるこ
とができる。
【0020】又、内燃機関の作動時には、その時の熱や
温度分布の違いに起因して生じる溝16での変形に追従
してライナ先端部21が弾性変形可能であることから、
ガスシール部17での密着性を常に確保することもでき
る。
温度分布の違いに起因して生じる溝16での変形に追従
してライナ先端部21が弾性変形可能であることから、
ガスシール部17での密着性を常に確保することもでき
る。
【0021】(第3実施例)次に、この発明における内
燃機関のシリンダを具体化した第3実施例を図5及び図
6に従って説明する。
燃機関のシリンダを具体化した第3実施例を図5及び図
6に従って説明する。
【0022】図5はこの実施例の内燃機関におけるシリ
ンダを示す断面図であり、図6はその主要部を拡大して
示す断面図である。この実施例では、シリンダライナ5
の先端部の構成において前記第1実施例のそれと異なっ
ている。即ち、図5,6に示すように、ライナ先端部2
2の内周には、溝16のテーパ面16aに対応するテー
パ面22aが形成されている。そして、両テーパ面22
a,16aの突き合わせ部分がシリンダライナ5とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール部17となっている。こ
の実施例では、ライナ先端部22のみが薄肉化して形成
されており、この構成によってライナ先端部22がシリ
ンダライナ5の他の部位と比べて低弾性に形成されてい
る。又、両テーパ面22a,16aの突き合わせ部分と
反対側のライナ先端部22と溝16との間には、ライナ
先端部22の変形を許容する所定のクリアランス18が
設けられている。
ンダを示す断面図であり、図6はその主要部を拡大して
示す断面図である。この実施例では、シリンダライナ5
の先端部の構成において前記第1実施例のそれと異なっ
ている。即ち、図5,6に示すように、ライナ先端部2
2の内周には、溝16のテーパ面16aに対応するテー
パ面22aが形成されている。そして、両テーパ面22
a,16aの突き合わせ部分がシリンダライナ5とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール部17となっている。こ
の実施例では、ライナ先端部22のみが薄肉化して形成
されており、この構成によってライナ先端部22がシリ
ンダライナ5の他の部位と比べて低弾性に形成されてい
る。又、両テーパ面22a,16aの突き合わせ部分と
反対側のライナ先端部22と溝16との間には、ライナ
先端部22の変形を許容する所定のクリアランス18が
設けられている。
【0023】従って、シリンダライナ5の締め付け時に
は、その押圧力によりライナ先端部22がクリアランス
18の余裕によって許容されてある程度だけ弾性変形し
易いものとなり、両テーパ面22a,16aの突き合わ
せが、それらの加工精度にかかわらず、良好に行われ
る。その結果、両テーパ面22a,16aでの楔作用を
充分に発揮させて両テーパ面22a,16aの密着性を
向上させることができ、もってライナ先端部22とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上させるこ
とができる。
は、その押圧力によりライナ先端部22がクリアランス
18の余裕によって許容されてある程度だけ弾性変形し
易いものとなり、両テーパ面22a,16aの突き合わ
せが、それらの加工精度にかかわらず、良好に行われ
る。その結果、両テーパ面22a,16aでの楔作用を
充分に発揮させて両テーパ面22a,16aの密着性を
向上させることができ、もってライナ先端部22とシリ
ンダ用穴2との間のガスシール性を著しく向上させるこ
とができる。
【0024】又、内燃機関の作動時には、その時の熱や
温度分布の違いに起因して生じる溝16での変形に追従
してライナ先端部22が弾性変形可能であることから、
ガスシール部17での密着性を常に確保することもでき
る。
温度分布の違いに起因して生じる溝16での変形に追従
してライナ先端部22が弾性変形可能であることから、
ガスシール部17での密着性を常に確保することもでき
る。
【0025】尚、この発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記各実施例では、ライナ先端部15,21,2
2のテーパ面15a,21a,22aと溝16のテーパ
面16aとを直に突き合わせるようにしたが、図7,
8,9に示すように、ライナ先端部15,21,22の
テーパ面15a,21a,22aと溝16のテーパ面1
6aとを、間に金属製のガスケット23を介在させて突
き合わせるようにしてもよい。この場合、ガスケット2
3を介在させることによって、ライナ先端部15,2
1,22とシリンダ用穴2との間のガスシール性を更に
著しく向上させることができる。
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記各実施例では、ライナ先端部15,21,2
2のテーパ面15a,21a,22aと溝16のテーパ
面16aとを直に突き合わせるようにしたが、図7,
8,9に示すように、ライナ先端部15,21,22の
テーパ面15a,21a,22aと溝16のテーパ面1
6aとを、間に金属製のガスケット23を介在させて突
き合わせるようにしてもよい。この場合、ガスケット2
3を介在させることによって、ライナ先端部15,2
1,22とシリンダ用穴2との間のガスシール性を更に
著しく向上させることができる。
【0026】(2)前記各実施例では、シリンダヘッド
とシリンダブロックとを一体化してなるモノブロック1
に具体化したが、シリンダヘッドとシリンダブロックと
を組み付けるものに具体化することもできる。
とシリンダブロックとを一体化してなるモノブロック1
に具体化したが、シリンダヘッドとシリンダブロックと
を組み付けるものに具体化することもできる。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、シリンダライナの先端部を弾性変形し易い構造とす
ると共にその外周方向への弾性変形を許容するクリアラ
ンスを設けたことで、シリンダライナの先端部に形成さ
れたテーパ面とシリンダ用穴の溝に形成された別のテー
パ面との楔効果が十分に発揮され、テーパ面同士の密着
性を向上でき、ひいてはシリンダ用穴とシリンダライナ
との間のガスシール性が確実に確保される。
ば、シリンダライナの先端部を弾性変形し易い構造とす
ると共にその外周方向への弾性変形を許容するクリアラ
ンスを設けたことで、シリンダライナの先端部に形成さ
れたテーパ面とシリンダ用穴の溝に形成された別のテー
パ面との楔効果が十分に発揮され、テーパ面同士の密着
性を向上でき、ひいてはシリンダ用穴とシリンダライナ
との間のガスシール性が確実に確保される。
【図1】この発明を具体化した第1実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図2】第1実施例において図1の主要部を拡大して示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】この発明を具体化した第2実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図4】第2実施例において図3の主要部を拡大して示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】この発明を具体化した第3実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図6】第3実施例において図5の主要部を拡大して示
す断面図である。
す断面図である。
【図7】この発明を具体化した別の実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図8】この発明を具体化した別の実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図9】この発明を具体化した別の実施例における内燃
機関のシリンダを示す断面図である。
機関のシリンダを示す断面図である。
【図10】従来例のシリンダ構造の主要部を示す断面図
である。
である。
1…モノブロック、2…シリンダ用穴、5…シリンダラ
イナ、15,21,22…ライナ先端部、15a,21
a,22a…テーパ面、16…溝、16a…テーパ面、
17…ガスシール部、18…クリアランス、23…ガス
ケット。
イナ、15,21,22…ライナ先端部、15a,21
a,22a…テーパ面、16…溝、16a…テーパ面、
17…ガスシール部、18…クリアランス、23…ガス
ケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−151237(JP,A) 実公 昭54−12087(JP,Y2) 実公 昭48−25475(JP,Y1) 特許115820(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16J 1/00 - 10/04 F02F 1/00 - 1/42
Claims (1)
- 【請求項1】 内燃機関を構成するブロックのシリンダ
用穴にシリンダライナを挿入し組み付けてなる内燃機関
のシリンダにおいて、 (a)前記ブロックは前記シリンダ用穴に挿入されたシ
リンダライナの先端部が嵌入される溝を有すること、及
び (b)前記シリンダライナはその先端部の内周面に先端
側ほど拡径される態様で形成されたテーパ面を有すると
共に、同先端部が他の部位に比して弾性変形し易い構造
を有すること、及び (c)前記溝は前記シリンダライナのテーパ面に対応し
て突き合わされる態様で形成された別のテーパ面を有す
ると共に、前記シリンダライナの先端部の外周面との間
に同シリンダライナの外周方向への弾性変形を許容する
クリアランスを有することを特徴とする内燃機関のシリ
ンダライナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33725291A JP2855926B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 内燃機関のシリンダ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33725291A JP2855926B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 内燃機関のシリンダ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05172249A JPH05172249A (ja) | 1993-07-09 |
JP2855926B2 true JP2855926B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=18306877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33725291A Expired - Fee Related JP2855926B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | 内燃機関のシリンダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2855926B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102979640A (zh) * | 2011-11-16 | 2013-03-20 | 摩尔动力(北京)技术股份有限公司 | 体盖高爆压发动机 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3755389B2 (ja) * | 2000-09-11 | 2006-03-15 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関のシリンダブロック |
US6382167B1 (en) | 2001-03-01 | 2002-05-07 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Monoblock cylinder head |
FR2972381B1 (fr) * | 2011-03-08 | 2014-02-21 | Renault Sa | Moteur borgne a chemise rapportee par le dessous |
AT510601B1 (de) * | 2011-06-16 | 2012-05-15 | Avl List Gmbh | Brennkraftmaschine mit zumindest einem durch eine zylinderbuchse gebildeten zylinder |
FR3041383B1 (fr) * | 2015-09-18 | 2019-06-07 | Renault S.A.S | Chemise de cylindre d'un moteur borgne |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP33725291A patent/JP2855926B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102979640A (zh) * | 2011-11-16 | 2013-03-20 | 摩尔动力(北京)技术股份有限公司 | 体盖高爆压发动机 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05172249A (ja) | 1993-07-09 |
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