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JP2846394B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

Info

Publication number
JP2846394B2
JP2846394B2 JP2049624A JP4962490A JP2846394B2 JP 2846394 B2 JP2846394 B2 JP 2846394B2 JP 2049624 A JP2049624 A JP 2049624A JP 4962490 A JP4962490 A JP 4962490A JP 2846394 B2 JP2846394 B2 JP 2846394B2
Authority
JP
Japan
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group
silane
weight
integer
silane compound
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP2049624A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03252433A (ja
Inventor
達郎 濱田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2049624A priority Critical patent/JP2846394B2/ja
Priority to EP91301615A priority patent/EP0447066B2/en
Priority to DE69119125T priority patent/DE69119125T3/de
Priority to ES91301615T priority patent/ES2085959T5/es
Publication of JPH03252433A publication Critical patent/JPH03252433A/ja
Priority to US08/100,339 priority patent/US5409969A/en
Priority to US08360445 priority patent/US5496883B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2846394B2 publication Critical patent/JP2846394B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、空気入りタイヤ、特に詳しくは耐ウェッ
トスキッド性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を同時に満足
しうる空気入りタイヤに関する。
(従来の技術) 近年、省エネルギー、省資源の社会的要請のものと自
動車の燃料消費を節約するためにタイヤの転がり抵抗を
低減する研究が重要となってきている。タイヤの転がり
抵抗を小さくすれば、自動車の燃料消費量が軽減され、
いわゆる低燃費タイヤとなることは一般に知られており
タイヤの転がり抵抗を小さくするにはトレットゴムとし
てヒステリシスロスの小さい材料を用いることが一般的
である。また、走行安全性の要求から、湿潤路面での摩
擦抵抗(ウェットスキッド抵抗)の大きいゴム材料も強
く望まれるようになってきた。しかしながら、これらの
低転がり抵抗と湿潤路面での摩擦抵抗は、二律背反の関
係があり、両特性をともに満足させることは非常に困難
であった。
最近、タイヤのウェットスキッド抵抗や転がり抵抗と
ゴム組成物の粘弾性特性の対応付けが理論的に示され、
タイヤ走行時の転がり抵抗を小さくするにはトレッドゴ
ムのヒステリシスロスを小さくする。すなわち、粘弾性
的にはタイヤが走行時使用される50〜70℃の温度におけ
る損失係数(tandδ)を低くすることが低燃費性に有効
であることが示されている。一方、ウェットスキッド抵
抗性は、10〜20Hzの周波数下における0℃付近の損失係
数(tandδ)と良く相関することが知られており、この
ため、タイヤのグリップ性能を改良するには0℃近辺の
損失係数を大きくすることが必要である。
ヒステリシスロスを減らす方法として高シスポリブタ
ジエンゴムなどのガラス転移温度の低い材料や天然ゴム
のように反発弾性の高い材料を用いることが一般的であ
る。しかしながら、これらのゴムではウェットスキッド
抵抗が極端に低下することになり、走行安定性と低転が
り抵抗とを両立させることが著しく困難であった。
しかし、近年アニオン重合を利用して前記背反問題を
解決すべく多くの発明がなされている。例えば、特開昭
55−12133号、特開昭56−127650号の各公報では高ビニ
ルポリブタジエンダムが、特開昭57−55204号、特開昭5
7−73030号公報では高ビニルスチレンブタジエン共重合
体ゴムが前記背反問題の改善に有効であると提案されて
いる。また、特開昭59−117514号、特開昭61−103902
号、特開昭61−14214号、特開昭61−141741号各公報で
は重合体の分子鎖中にベンゾフェノン、イソシアナート
等の官能基を導入した変性重合体を用いることにより発
熱性を低減することを提示している。しかしながら、上
記のいずれの方法も、最近の低転がり抵抗の要求値を十
分に満足するものでない。
(発明が解決しようとする課題) この発明の目的は、前記のような従来の技術の欠点を
克服して耐ウェットスキッド抵抗性、転がり抵抗性及び
耐摩耗性を同時に満足しうる空気入りタイヤを提供する
ことである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、有機アルカリ金属触媒重合体を経て得られた、特定
のTgを有するシラン化合物変性ゴム重合体にシリカ及び
シランカップリング剤を配合したゴム組成物をトレッド
に用いたタイヤが上記諸特性にすぐれるという新たな事
実に到達し、この発明を完成するに至った。
すなわち、この発明は、有機アルカリ金属触媒を用い
る1,3−ブタジエンの重合又は1,3−ブタジエンとスチレ
ンとの共重合により得られるリビングポリマーの活性末
端に次の一般式(1) XiSi(OR)jR′4-i-j (1) (式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である
ハロゲン原子、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、
R′は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ビニル
基又はハロゲン化アルキル基を示し、jは1〜4の整
数、iは0〜2の整数であり、iとjの和は2〜4であ
る。)で表されるシラン化合物を反応させて得られる、
ガラス転移温度が−50℃以上であるシラン化合物変性重
合体をゴム成分として10重量%以上含み、かつシリカ充
填剤を10〜150重量部、カーボンブラックを0〜100重量
部及び次の一般式(2) Y3−Si−CnH2nA (2) (式中のYは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル
基又は塩素原子であって3個のYは同一でも異なっても
よく、nは1〜6の整数を示し、Aは−SmCnH2nSi−Y3
基、X基及び−SmZ基よりなる群から選ばれた基であ
り、ここでXはニトロソ基、メルカプト基、アミノ基、
エポキシ基、ビニル基、塩素原子又はイミド基、 Zは 又は 基であり、m及びnはそれぞれ1〜6の整数を示し、Y
は前述の通りである。)で表されるシランカップリング
剤の少なくとも1種を0.2〜10重量部配合して成るゴム
組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤである。
(作 用) この発明に用いられるシラン化合物変性重合体は、以
下に例示するような方法で製造することができる。
製造は、一般に不活性有機溶媒中で行われ、この場
合、使用される不活性有機溶媒としては、例えばペンタ
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、
キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテルなどが用いられる。
最初に1,3−ブタジエンの単独重合又は1,3−ブタジエ
ンとスチレンの共重合を行う。重合に使用される有機ア
ルカリ金属触媒としては、n−ブチルリチウム、sec−
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、1,4−ジリチウ
ムブタン、ブチルリチウムとジビニルベンゼンとの反応
物などのアルキルリチウム、アルキレンジリチウム、フ
ェニルリチウム、スチルベンジリチウム、ジイソプロピ
ロペニルベンゼンジリチウム、ナトリウムナフタレン、
リチウムナフタレンなどを挙げることができる。共重合
する場合には、ランダム化剤であり、同時に重合体にお
けるブタジエン単位のミクロ構造の調節剤として、必要
に応じてルイス塩基を用いることができ、このものとし
ては例えばジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、
ジメキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチ
ルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N′
N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリ
ジノエタンなどのエーテル類及び第3級アミン類などを
挙げることができる。
リビングポリマー製造のための重合方法は、重合系を
窒素置換した反応器内に前記不活性有機溶媒、単量体、
すなわち1、3−ブタジエン又は1,3−ブタジエンとス
チレン及び有機アルカリ金属触媒、更に必要に応じてル
イス塩基を一括仕込み、断続的添加又は連続的添加して
重合を行う。
重合温度は、通常、−120〜+150℃、好ましくは−80
〜+120℃、重合時間は、通常、5分間〜24時間、好ま
しくは10分間〜10時間である。
重合温度は、前記温度範囲内で一定温度で反応させて
も、また昇温もしくは断熱下で重合してもよい。また、
重合反応は、バッチ式でもあるいは連続式でもよい。
なお、溶媒中の単量体濃度は、通常、5〜50重量%、
好ましくは10〜35重量%である。
また、リビングポリマーを製造するために、有機アル
カリ金属触媒及びリビングポリマーを失活させないため
に、重合系内にハロゲン化合物、酸素、水あるいは炭酸
ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極力なくすよ
うな配慮が必要である。
この発明に使用されるシラン化合物変性重合体は、こ
のようにして重合系内で得られるリビングポリマーの活
性末端に、前記特性のシラン化合物を反応させて得られ
る、Si−O−R結合(ここで、Rは前記同じ。)を有す
る変性ゴム状重合体である。
前記リビングポリマーと反応させるシラン化合物は1
分子中にアルコキシ基を少なくとも1個有するシラン化
合物であって、下記一般式(1) XiSi(OR)jR′4-i-j (1) (式中のX,R,R′,i,jは前記の通りである。)で表され
る。
前記シラン化合物としてOR基が非加水分解性のもの、
すなわち、ORが炭素数4〜20の非加水分解性のアルコキ
シ基、アリールオキシ基又はシクロアルコキシ基が好ま
しく、特に、Rとしてはα位の炭素に炭素原子が3個結
合した炭化水素基やβ位の炭素に炭素数が1個以上の炭
化水素基の結合した炭化水素基又はフェニル基若しくは
トルイル基で示される芳香族炭化水素基を有するOR基が
好ましい。
ここで、「非加水分解性」とは、120℃の熱ロールの
ロール間隔0.5mmで成形したゴムシート60gを10のステ
ンレス製容器に3の温水を入れ、さらにスチームを吹
き込んで温水を沸騰させながら30分間放置し、乾燥後の
重合体のムーニー粘度(ML1+4、100℃)の上昇が未処理
の重合体に比較して10ポイント以下、好ましくは5ポイ
ント以下である。実質的に非加水分解性である場合をい
う。
また、R′のうち、アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、t−ブチル基などを、アリー
ル基としてはフェニル基、トルイル基、ナフチル基など
を、ハロゲン化アルキル基としてはクロロメチル基、ブ
ロモメチル基、ヨードメチル基、クロロエチル基を挙げ
ることができる。
前記一般式(1)において、iが0でjが2の場合の
一例としてジアルキルジアルコキシシラン、iが0でj
が3の場合の一例としてモノアルキルトリアルコキシシ
ラン、iが0でjが4の場合の一例としてテトラアルコ
キシシラン、iが1でjが1の場合の一例としてモノハ
ロゲン化ジアルキルモノアルコキシシラン、iが1でj
が2の場合の一例としてモノハロゲン化モノアルキルジ
アルコキシシラン、iが1でjが3の場合の一例として
モノハロゲン化トリアルコキシシラン、iが2でjが1
の場合の一例としてジハロゲン化モノアルキルモノアル
コキシシラン、iが2でjが2の場合の一例としてジハ
ロゲン化ジアルコキシシランがあり、いずれもリビング
ポリマーの活性末端と反応性を有する化合物である。
特に、iが0でjが3であるモノアルキルトリアリー
ルオキシシラン、iが0でjが4であるテトラアリール
オキシシランは、リビングポリマーをカップリングさせ
ることにより加工性を改良し、しかもシリカなどと親和
性の高い官能基を重合体に付与する観点から好ましい。
この発明で使用される前記一般式(1)で表されるシ
ラン化合物の具体例としては、ハロゲンなしでアルコキ
シタイプのものとしてテトラキス(2−エチルヘキシル
オキシ)シラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリ
ス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、エチルトリス
(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、エチルトリスフ
ェノキシシラン、ビニルトリス(2−エチルヘキシルオ
キシ)シラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルト
リス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、ビニルトリ
フェノキシシラン、メチルビニルビス(2−エチルヘキ
シルオキシ)シラン、エチルビニルビフェノキシシラ
ン、モノメチルトリフェノキシシラン、ジメチルジフェ
ノキシシラン、モノエチルトリフェノキシシラン、ジエ
チルフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン
及びジフェニルジフェノキシシラン等があり、ハロゲン
なしでアリールオキシタイプのものとしてテトラフェニ
ノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルト
リフェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、モ
ノエチルトリフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシ
シラン、フェニルトリフェノキシシラン及びジフェニル
ジフェノキシシラン等があり、ハロゲンありで前記式中
のORの炭素数が4の非加水分解性のものとしてトリーt
−ブトキシモノクロロシラン、ジクロロ−ジ−t−ブト
キシシラン、ジ−t−ブトキシジヨードシラン等があ
り、ハロゲンありで前記式中のORの炭素数が5以上の非
加水分解性のものとしてトリフェノキシモノクロロシラ
ン、モノクロロメチルジフェノキシシラン、モノクロロ
メチルビス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、モノ
ブロモエチルジフェノキシシラン、モノブロモビニルジ
フェノキシシラン、モノブロモイソプロペニルビス(2
−エチルヘキシルオキシ)シラン、ジトリルオキシジク
ロロシラン、ジフェノキシジヨードシラン、メチルトリ
ス(2−メチルブトキシ)シラン、ビニルトリス(2−
メチルブトキシ)シラン、モノクロロメチルビス(2−
メチルブトキシ)シラン、ビニルトリス(3−メチルブ
トキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキ
シ)シラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリス
(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、エチルトリス
(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、エチルトリフェ
ノキシシラン、ビニルトリス(2−エチルヘキシルオキ
シ)シラン、ビニルトリフェノキシシラン、メチルビニ
ルビス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン及びエチル
ビニルジフェノキシシラン等があり、ハロゲンありでア
リールオキシタイプのものとしてトリフェノキシモノク
ロロシラン、モノクロロメチルジフェノキシシラン、モ
ノブロモエチルジフェノキシシラン、モノブロモビニル
ジフェノキシシラン、ジトリルジクロロシラン及びジフ
ェノキシジヨードシラン等がある。
これらのシラン化合物のうち、iが0または1のシラ
ン化合物、この中でも、特にテトラフェノキシシラン、
モノメチルトリフェノキシシランが好ましい。これらの
シラン化合物は、1種単独で使用することも、あるいは
2種以上を併用することもできる。
この発明のシラン化合物変性重合体は、前記リビング
ポリマーの活性末端に一般式(1)で表されるシラン化
合物を反応させて得られるが、この際のシラン化合物の
使用量は、好ましくはリビングポリマーの活性末端1個
当たり、0.7分子以上が好ましく、更に好ましくは0.7〜
5.0、また更に好ましくは0.7〜2.0分子反応させて得ら
れるものであり、0.7分子未満では分岐ポリマーの生成
が多く、分子量分布の変動が大きく、分子量及び分子量
分布のコントロールが難しくなり、5.0分子を超える場
合、耐摩耗性、破壊特性の改良効果が飽和しており経済
上好ましくない。
この際、リビングポリマーの活性末端に、まず少量の
シラン化合物を添加し、分岐構造を有する重合体を形成
させ、次いで残りの活性末端を更に別のシラン化合物で
変性するなどのシラン化合物の二段添加も可能である。
リビングポリマーの活性末端と官能基を有するシラン
化合物との反応は、リビングポリマーの重合系の溶液中
に該化合物を添加するか、あるいは該シラン化合物を含
む有機溶液中にリビングポリマーの溶液を添加すること
により実施される。
反応温度は、−120〜+150℃、好ましくは−80〜+12
0℃であり、反応時間は1分間〜5時間、好ましくは5
分間〜2時間である。
反応終了後、ポリマー溶液中にスチームを吹き込んで
溶媒を除去するか、あるいはメタノールなどの貧溶媒を
加えてシラン化合物変性重合体を凝固した後、熱ロール
もしくは減圧下で乾燥してシラン化合物変性重合体を得
ることができる。
また、ポリマー溶液を直接減圧下で溶媒を除去してシ
ラン化合物変性重合体を得ることもできる。
なお、この発明のシラン化合物変性重合体の分子量
は、広い範囲にわたって変化させることができるが、そ
のムーニー粘度(ML1+4、100℃)は、10〜150の範囲に
あることが好ましく、10末端では耐摩耗性に劣り、一方
150を超えると加工性の点で劣り好ましくない。
なお、この発明で使用されるシラン化合物変性重合体
は、例えば赤外吸収スペクトルにより、Si−O−C結合
に起因する1100cm-1付近の吸収、Si−O−φ結合に起因
する1250cm-1付近の吸収、あるいはSi−C結合に起因す
る1160cm-1付近の吸収などにより、その構造を確認する
ことができる。
この発明で使用されるシラン化合物変性重合体のガラ
ス転移温度は、−50℃以上であることが必要である。ガ
ラス転移温度が−50℃より低いとウェットスキッド抵抗
に劣る。
この発明で使用されるゴム組成物では、ゴム成分とし
てシラン化合物変性重合体を単独で、又は天然ゴム、シ
ス−1,4ポリイソプレンをはじめ、乳化重合スチレン−
ブタジエン共重合体、溶液重合スチレン−ブタジエン共
重合体、低シス−1,4ポリブタジエン、高シス−1,4ポリ
ブタジエン、エチレンプロピレンジエン共重合体、クロ
ロプレン、ハロゲン化ブチルゴム、ブタジエンアクリロ
ニトリル共重合ゴムの1種以上とブレンドして使用する
が、シラン化合物変性重合体の使用割合(ゴム重量分
率)はゴム成分全体に対し10重量%以上、好ましくは20
重量%以上含むことが必要である。このゴム重量分率が
10重量%未満では、シリカ補強に対して改良効果が認め
られない。
この発明においてゴム成分に配合されるシリカ充填剤
は、ゴム成分100重量部当り10〜150重量部、好ましくは
15〜100重量部である。10重量部未満であると充填補強
効果が小さいため耐摩耗性が劣り、一方150重量部を超
えると加工性、破壊特性が劣る。なお、充填剤として0
〜100重量部のカーボンブラックをシリカ充填剤と併用
してもよく、これによりシリカ単独使用に比べて加工
性、耐摩耗性、耐カット性を改良することができる。こ
の場合、カーボン/シリカの重量比は、95/5〜10/90の
範囲が耐ウェットスキッド性、転がり抵抗性及び耐摩耗
性のバランス上好ましい。
次に、この発明においてゴム組成物に配合されるシラ
ンカップリング剤を例示すると次の通りである。
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスル
フィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラ
スルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)
テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチ
ル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−
メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロ
ピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエト
キシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、
3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエ
チルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキ
シシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジ
メチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエ
トキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイ
ルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−
N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3
−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラ
スルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチ
アゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプ
ロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキ
シシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド等があ
げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テト
ラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾ
チアゾールテトラスルフィドなどが好ましい。また、式
(2)において3個のYが同一でなくてもよく、例えば
その例としてビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメト
キシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチ
ルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラ
ン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチル
チオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチル
シリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドがあ
げられる。
ゴム組成物に配合するシランカップリング剤の添加量
は、シリカの配合量によって変わるが、0.2〜10重量
部、好ましくは0.5〜5重量部である。シランカップリ
ング剤の添加量が0.2重量部未満ではカップリング効果
が極めて小さいため、転がり抵抗及び耐摩耗性の改良効
果が見られず、10重量部を超えると補強性が低下し、耐
摩耗性、耐カット性が悪化する。
なお、この発明に使用されるゴム組成物には、更に必
要に応じて炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー
などの粉末状充填剤、ガラス繊維、ウィスカーなどの繊
維状充填剤を配合することができ、もち論亜鉛華、老化
防止剤、加硫促進剤、加硫剤などの加硫ゴム配合剤を加
えることができる。
(実施例) この発明を以下実施例及び比較例によって更に詳細に
説明する。
この発明において各種の測定は、下記の方法によって
行った。
ムーニー粘度は、予熱1分、測定4分、温度100℃で
測定した。
ブタジエン部のミクロ構造は、赤外吸収スペクトル法
(モレロ法)によって求めた。
スチレン含量は、赤外吸収スペクトル法による699cm
-1のフエニル基の吸収によりあらかじめ求めておいた検
量線を用いて測定した。
加硫物性は、JIS K 6301に従って測定した。
耐摩耗試験であるランボーン摩耗指数は、ランボーン
摩耗法により測定した。測定条件は、負荷荷重が4.5k
g、砥石の表面速度が100m/秒、試験速度が130m/秒、ス
リップ率が30%、落砂量が20g/分、測定温度が室温であ
った。
内部損失(tanδ)は、レオメトリクス社製、メカニ
カルスペクトロメーターを用いて動的せん断ひずみが振
幅1.0%、振動15Hz、及び各測定温度で測定した。
転がり抵抗指数は、外径1.7mのドラム上にタイヤを接
触させてドラムを回転させ、一定速度まで上昇後、ドラ
ム惰行させて所定速度での慣性モーメントから算出した
値から下式によって評価した。(値が大きいほど転がり
抵抗が小。) 湿潤路面の耐スキッド性(耐ウェットスキッド性)は、
水深3mmの湿潤コンクリート路面において80km/hの速度
から急制動し、車輪がロックされてから停止するまでの
距離を測定し、下式によって試験タイヤの耐ウェットス
キッド性を評価した。(値が大きいほど良い。) 耐摩耗性指数は、タイヤを4万km実車走行させ、残った
溝の深さを10箇所測定し、その平均値から下式によって
評価した。(値が大きいほど耐摩耗性が大。) 操縦性は、米国規格ASTM F−516−77に準拠して試験し
評価した。
次に、試験空気入りタイヤのトレッドに用いた各種共
重合体の製造方法を説明する。
共重合体No.1の製造法 撹拌機、ジャケット付きの内容積5lのオートクレーブ
を乾燥し、窒素置換した。このオートクレーブに、あら
かじめ精製、乾燥したシクロヘキサン2500g、スチレン1
00g、1,3−ブタジエン400g及びテトラヒドロフラン25g
を導入した。次いで、オートクレーブ内の温度を10℃に
した後、毎分2回転で撹拌しながら冷却水を止めてn−
ブチルリチウム0.300gを添加して30分間重合した。この
ポリマー溶液を一部取り出してムーニー粘度(ML1+4、1
00℃)を測定したところ14以下であった。
次に、残りのポリマー溶液にモノメチルトリフェノキ
シシランのシクロヘキサン溶液9.38ml(濃度0.50モル/
、n−ブチルリチウムに対するモノメチルトリフェノ
キシシランのモル比は、1.00に相当する)を加えたとこ
ろ、リビングアニオンの黄赤色が消失し、溶液粘度が高
くなった。更に、50℃で30分間反応させた。
所定時間後、2,6−ジ−t−ブチルフェノール(BHT)
を重合体100g当たり0.7g加え、スチーム脱溶剤後、100
℃の熱ロールで乾燥した。重合体の収量は、ほぼ定量的
に得られた。
共重合体No.2,3は、モノメチルトリフェノキシシラン
の代わりに第1表の各種変性剤を用いたほかは共重合体
No.1と同じ仕方で製造した。共重合体No.4は、変性剤を
使用しなかったほかは共重合体No.1と同じ仕方で製造し
た。
第1表に、各共重合体のスチレン含量、ブタジエン部
ビニル含量、ムーニー粘度及びガラス転移温度を合わせ
て示す。
実施例1、比較例1〜7 これらの例に使用したシランカップリング剤を第2表
に示す。
第1表に示す各種共重合体及び第2表に示すシランカ
ップリング剤を用いて第3表に示す配合割合(重量部)
でゴム組成物を作成した。なお、これらのゴム組成物に
おいて、共重合体、充填剤、シランカップリング剤以外
の配合薬品については実施例1、比較例1〜7は、すべ
て同一であり、第3表脚注に示す通りである。表中の天
然ゴム(NR)も同一である。)これらのゴム組成物につ
いて、破壊強度(Tb)、ランボーン摩擦指数及びtanδ
を評価した。次いで、これらのゴム組成物をタイヤサイ
ズ165SR13のトレッドに用いてタイヤを作成し、耐ウェ
ットスキッド性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を評価し
た。結果を第3表に示す。
(発明の効果) 実施例及び比較例からも明らかなように、この発明の
空気入りタイヤは、トレッドゴムとしてガラス転移温度
が−50℃以上であるシラン化合物変性重合体、シリカ充
填剤、シランカップリング剤を特定の範囲の割合で配合
したゴム組成物を用いることにより、耐ウェットスキッ
ド性、転がり抵抗性及び耐摩耗性を同時に満足するタイ
ヤである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/54 C08K 5/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機アルカリ金属触媒を用いる1,3−ブタ
    ジエンの重合又は1,3−ブタジエンとスチレンとの共重
    合により得られるリビングポリマーの活性末端に次の一
    般式(1) XiSi(OR)jR′4-i-j (1) (式中、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である
    ハロゲン原子、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、
    R′は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ビニル
    基又はハロゲン化アルキル基を示し、jは1〜4の整
    数、iは0〜2の整数であり、iとjの和は2〜4であ
    る。)で表されるシラン化合物を反応させて得られる、
    ガラス転移温度が−50℃以上であるシラン化合物変性重
    合体をゴム成分として10重量%以上含み、かつシリカ充
    填剤を10〜150重量部、カーボンブラックを0〜100重量
    部及び次の一般式 (2) Y3−Si−CnH2nA (2) (式中のYは炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシル
    基又は塩素原子であって3個のYは同一でも異なっても
    よく、nは1〜6の整数を示し、Aは−SmCnH2nSi−Y3
    基、X基及び−SmZ基よりなる群から選ばれた基であ
    り、ここでXはニトロソ基、メルカプト基、アミノ基、
    エポキシ基、ビニル基、塩素原子又は イミド基、Zは 又は 基であり、m及びnはそれぞれ1〜6の整数を示し、Y
    は前述の通りである。) で表されるシランカップリング剤の少なくとも1種を0.
    2〜10重量部配合して成るゴム組成物をトレッドに用い
    たことを特徴とする空気入りタイヤ。
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