JP2737830B2 - 眼鏡フレームの製造方法 - Google Patents
眼鏡フレームの製造方法Info
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- JP2737830B2 JP2737830B2 JP7019677A JP1967795A JP2737830B2 JP 2737830 B2 JP2737830 B2 JP 2737830B2 JP 7019677 A JP7019677 A JP 7019677A JP 1967795 A JP1967795 A JP 1967795A JP 2737830 B2 JP2737830 B2 JP 2737830B2
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- temple
- eyeglass frame
- superelastic
- alloy
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良された眼鏡フレー
ムの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】眼鏡フレームのテンプルには、顔にそっ
て正しく装着されるために、ばね性にすぐれた材料が使
われることが多い。近年この用途にNi−Ti合金など
の持つ大きなひずみ回復特性、いわゆる超弾性を利用す
ることが提案されている。このような超弾性合金をテン
プルに使用する場合には、超弾性による数パーセトにお
よぶ回復特性と、ゴムのように一定の応力で回復する特
性の両者の特性から、すぐれた装着感および装着性をも
たらすことが知られている。超弾性合金をテンプルに用
いた眼鏡フレームには、例えば「室温において超弾性効
果を有する金属材料により、テンプルを形成した眼鏡フ
レーム(特開昭56ー95215号)」が開示されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記眼
鏡フレームはテンプル全体を冷間による強加工あるいは
焼入処理により超弾性とするもので、このようにテンプ
ル全体を超弾性にすると、ヒンジ部の加工が難しくな
り、特にヒンジをロー付け、または溶接する場合には熱
影響によりヒンジ周辺が破断しやすくなる欠点があっ
た。。かかる場合にヒンジ近くのテンプルの断面積を大
きくする方法が考えられるが、十分な効果をもたらすた
めには必要以上に大きな断面積にしなければならず、美
観上からも好ましいものではなかった。美観を考慮した
眼鏡フレームとして「少なくともフレームの一部が、時
効硬化又は焼入焼戻された金属材料からなる眼鏡フレー
ム(特開昭55−2276号)」が開示されている。しかし、
この発明は、時効硬化又は焼入焼戻しにより強化した金
属材料を用いて眼鏡フレームを細径でスリムなものとす
るのが目的で、用いる金属材料はベリリウム銅等の時効
硬化型合金であり、超弾性合金により得られる装着性に
ついては全く考慮されていないものである。本発明は、
NiTi合金などの冷間により加工硬化した超弾性合金
を用いた眼鏡フレームのテンプルの必要な部分にのみに
しなやかな超弾性特性を持たせるようにして、美観と装
着性を兼備する眼鏡フレームの製造方法を提供すること
を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、冷間加工によ
り加工硬化した超弾性合金で眼鏡フレームのテンプルを
形成し、該テンプルのヒンジ部を除いた把持力形成部
に、250〜550℃の温度で熱処理して超弾性効果を
付与することを特徴とする眼鏡フレームの製造方法であ
る。 【0005】ここで超弾性合金とはNiTi金属間化合
物を主体とする合金の他にCu−Zn、Cu−Zn−X
(X=Si、Sn、Alなど)、Cu−Al−Ni、A
u−Cd、Ag−Cd、Ni−Al、Cu−Au−Z
n、Cu−Snなどがあるが耐食性などの特性が良好な
NiTi系合金が多く用いられる。本発明は、前記の加
工硬化した超弾性合金で眼鏡フレームのテンプルを形成
し、該テンプルのヒンジ部を除いた把持力形成部を超弾
性特性が得られる 250〜550 ℃の温度で熱処理して把持
力形成部のみに超弾性特性を付与する眼鏡フレームの製
造方法である。 【0006】 【作用】本発明によれば、眼鏡フレームのテンプルのヒ
ンジ部は加工硬化した材質で、ヒンジ部の成形加工が容
易であり、ロー付け又は溶接の場合の熱影響が少なく、
またヒンジ部が硬いためたわみが少なく多年の使用によ
る、ゆるみなどが生じることがなく装着性が良好とな
り、一方ヒンジ部を除いた把持力形成部にはしなやかな
超弾性特性があるので、この部分では超弾性特有のばね
性が働いてピッタリとしかも柔らかく装着できる眼鏡フ
レームが得られる。前述の通りヒンジ部は熱処理しない
ので硬く、たわみが少ない。従ってヒンジ部の断面積を
大きくして美観を損ねるようなことがない。このような
効果はヒンジ部を除いた把持力形成部のみに熱処理を施
して得られるものである。この熱処理温度は超弾性合金
の種類によって夫々適切な温度および時間で熱処理すれ
ばよいがNiTi系合金の場合は 250〜550 ℃、10分〜
1時間が適当であり、この範囲外では良好な超弾性特性
が得られない。また加熱方法はソルトバス、ガス炎加熱
など局部に加熱できる方法であればよい。なお把持力形
成部とは顔と接触して把持力が形成される部分を言う。 【0007】 【実施例】以下に本発明の一実施例を示す。Ni50.7at
%残部TiのNi−Ti合金を冷間伸線、ロール圧延お
よび冷間プレス成形により充分に加工硬化させて図1に
示すテンプル1を作成した。次いで、該テンプルにプレ
ス加工と切削加工によりヒンジ部2を形成した後、把持
力形成部3を 400℃のソルトバス中で20分加熱して超弾
性特性を付与した。この後先端に合成樹脂製のカバー4
を嵌めて眼鏡フレームとした。この眼鏡フレームは数千
回のかけ、はずしの試験にも拘わらずテンプルが開いて
しまうようなことはなく、またヒンジ部は従来と同じ断
面積であったが、ヒンジ部の摺動回転動作もスムーズで
あり、ゆるみもなく、把持力形成部が柔軟で快適な装着
性を有し、しかも柔軟性は劣化しないことが判った。熱
処理条件は超弾性合金の種類によって異なるが適当な熱
処理条件を選択すれば良好な特性を得ることができる。 【0008】 【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
テンプルのヒンジ部と把持力形成部の強度、バネ性が異
なり、長期間使用しても、ゆるみが生じず、柔軟で快適
な装着性が永く維持できる眼鏡フレームが得られる。又
ヒンジ部の断面積を大きくする必要がないので美観を損
ねることもない。
ムの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】眼鏡フレームのテンプルには、顔にそっ
て正しく装着されるために、ばね性にすぐれた材料が使
われることが多い。近年この用途にNi−Ti合金など
の持つ大きなひずみ回復特性、いわゆる超弾性を利用す
ることが提案されている。このような超弾性合金をテン
プルに使用する場合には、超弾性による数パーセトにお
よぶ回復特性と、ゴムのように一定の応力で回復する特
性の両者の特性から、すぐれた装着感および装着性をも
たらすことが知られている。超弾性合金をテンプルに用
いた眼鏡フレームには、例えば「室温において超弾性効
果を有する金属材料により、テンプルを形成した眼鏡フ
レーム(特開昭56ー95215号)」が開示されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記眼
鏡フレームはテンプル全体を冷間による強加工あるいは
焼入処理により超弾性とするもので、このようにテンプ
ル全体を超弾性にすると、ヒンジ部の加工が難しくな
り、特にヒンジをロー付け、または溶接する場合には熱
影響によりヒンジ周辺が破断しやすくなる欠点があっ
た。。かかる場合にヒンジ近くのテンプルの断面積を大
きくする方法が考えられるが、十分な効果をもたらすた
めには必要以上に大きな断面積にしなければならず、美
観上からも好ましいものではなかった。美観を考慮した
眼鏡フレームとして「少なくともフレームの一部が、時
効硬化又は焼入焼戻された金属材料からなる眼鏡フレー
ム(特開昭55−2276号)」が開示されている。しかし、
この発明は、時効硬化又は焼入焼戻しにより強化した金
属材料を用いて眼鏡フレームを細径でスリムなものとす
るのが目的で、用いる金属材料はベリリウム銅等の時効
硬化型合金であり、超弾性合金により得られる装着性に
ついては全く考慮されていないものである。本発明は、
NiTi合金などの冷間により加工硬化した超弾性合金
を用いた眼鏡フレームのテンプルの必要な部分にのみに
しなやかな超弾性特性を持たせるようにして、美観と装
着性を兼備する眼鏡フレームの製造方法を提供すること
を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、冷間加工によ
り加工硬化した超弾性合金で眼鏡フレームのテンプルを
形成し、該テンプルのヒンジ部を除いた把持力形成部
に、250〜550℃の温度で熱処理して超弾性効果を
付与することを特徴とする眼鏡フレームの製造方法であ
る。 【0005】ここで超弾性合金とはNiTi金属間化合
物を主体とする合金の他にCu−Zn、Cu−Zn−X
(X=Si、Sn、Alなど)、Cu−Al−Ni、A
u−Cd、Ag−Cd、Ni−Al、Cu−Au−Z
n、Cu−Snなどがあるが耐食性などの特性が良好な
NiTi系合金が多く用いられる。本発明は、前記の加
工硬化した超弾性合金で眼鏡フレームのテンプルを形成
し、該テンプルのヒンジ部を除いた把持力形成部を超弾
性特性が得られる 250〜550 ℃の温度で熱処理して把持
力形成部のみに超弾性特性を付与する眼鏡フレームの製
造方法である。 【0006】 【作用】本発明によれば、眼鏡フレームのテンプルのヒ
ンジ部は加工硬化した材質で、ヒンジ部の成形加工が容
易であり、ロー付け又は溶接の場合の熱影響が少なく、
またヒンジ部が硬いためたわみが少なく多年の使用によ
る、ゆるみなどが生じることがなく装着性が良好とな
り、一方ヒンジ部を除いた把持力形成部にはしなやかな
超弾性特性があるので、この部分では超弾性特有のばね
性が働いてピッタリとしかも柔らかく装着できる眼鏡フ
レームが得られる。前述の通りヒンジ部は熱処理しない
ので硬く、たわみが少ない。従ってヒンジ部の断面積を
大きくして美観を損ねるようなことがない。このような
効果はヒンジ部を除いた把持力形成部のみに熱処理を施
して得られるものである。この熱処理温度は超弾性合金
の種類によって夫々適切な温度および時間で熱処理すれ
ばよいがNiTi系合金の場合は 250〜550 ℃、10分〜
1時間が適当であり、この範囲外では良好な超弾性特性
が得られない。また加熱方法はソルトバス、ガス炎加熱
など局部に加熱できる方法であればよい。なお把持力形
成部とは顔と接触して把持力が形成される部分を言う。 【0007】 【実施例】以下に本発明の一実施例を示す。Ni50.7at
%残部TiのNi−Ti合金を冷間伸線、ロール圧延お
よび冷間プレス成形により充分に加工硬化させて図1に
示すテンプル1を作成した。次いで、該テンプルにプレ
ス加工と切削加工によりヒンジ部2を形成した後、把持
力形成部3を 400℃のソルトバス中で20分加熱して超弾
性特性を付与した。この後先端に合成樹脂製のカバー4
を嵌めて眼鏡フレームとした。この眼鏡フレームは数千
回のかけ、はずしの試験にも拘わらずテンプルが開いて
しまうようなことはなく、またヒンジ部は従来と同じ断
面積であったが、ヒンジ部の摺動回転動作もスムーズで
あり、ゆるみもなく、把持力形成部が柔軟で快適な装着
性を有し、しかも柔軟性は劣化しないことが判った。熱
処理条件は超弾性合金の種類によって異なるが適当な熱
処理条件を選択すれば良好な特性を得ることができる。 【0008】 【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
テンプルのヒンジ部と把持力形成部の強度、バネ性が異
なり、長期間使用しても、ゆるみが生じず、柔軟で快適
な装着性が永く維持できる眼鏡フレームが得られる。又
ヒンジ部の断面積を大きくする必要がないので美観を損
ねることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる眼鏡フレームの一実施例
を示す斜視図である。 【符号の説明】 1──テンプル 2──ヒンジ部 3──把持力形成部 4──カバー
を示す斜視図である。 【符号の説明】 1──テンプル 2──ヒンジ部 3──把持力形成部 4──カバー
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.冷間加工により加工硬化した超弾性合金で眼鏡フレ
ームのテンプルを形成し、該テンプルのヒンジ部を除い
た把持力形成部に、250〜550℃の温度で熱処理し
て超弾性効果を付与することを特徴とする眼鏡フレーム
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7019677A JP2737830B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 眼鏡フレームの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7019677A JP2737830B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 眼鏡フレームの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07281137A JPH07281137A (ja) | 1995-10-27 |
JP2737830B2 true JP2737830B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=12005869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7019677A Expired - Fee Related JP2737830B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 眼鏡フレームの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2737830B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
BR112015029986B1 (pt) | 2013-06-07 | 2022-02-22 | Essilor International | Método para determinar equipamento óptico |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5548208B2 (ja) * | 1974-04-12 | 1980-12-04 |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP7019677A patent/JP2737830B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07281137A (ja) | 1995-10-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |