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JP2727626B2 - セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

セラミックコンデンサ及びその製造方法

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JP2727626B2
JP2727626B2 JP1036757A JP3675789A JP2727626B2 JP 2727626 B2 JP2727626 B2 JP 2727626B2 JP 1036757 A JP1036757 A JP 1036757A JP 3675789 A JP3675789 A JP 3675789A JP 2727626 B2 JP2727626 B2 JP 2727626B2
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mol
varistor
sio
srtio
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巌 上野
康男 若畑
香織 岡本
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズ
や高周波のノイズを吸収する働きをし、一方パルスや静
電気などの高い電圧が侵入した時はバリスタ機能を発揮
し、電子機器で発生するノイズ、パルス、静電気などの
異常電圧から半導体及び電子機器を保護することもでき
るセラミックコンデンサ及びその製造方法に関するもの
である。
従来の技術 電子機器は多機能化,軽薄短小化を実現するためにI
C,LSIなどの半導体素子が広く用いられ、それに伴って
機器のノイズ耐力は低下しつつある。そこで、このよう
な電子機器のノイズ耐力を確保するために、各種IC,LSI
の電源ラインに、バイパスコンデンサとしてフィルムコ
ンデンサ、積層セラミックコンデンサ,半導体セラミッ
クコンデンサなどが使用されている。しかし、これらの
コンデンサは、電圧の低いノイズや高周波のノイズの吸
収に対しては優れた性能を示すが、それ自体に高い電圧
を持つパルスや静電気を吸収する機能を持たないため、
パルスや静電気が侵入すると、機器の誤動作や半導体の
破壊、さらにはコンデンサの破壊を起こすことが大きな
問題となっている。そこでこのような用途に、ノイズ吸
収性が良好で温度や周波数に対しても安定していること
に加えて、高いパルス耐力と優れたパルス吸収性を持つ
新しいタイプのコンデンサとして、SrTiO3系半導体セラ
ミックコンデンサにバリスタ機能を持たせた粒界絶縁型
半導体セラミックコンデンサ(以下、バリスタ機能付き
セラミックコンデンサという)が開発され、すでに特開
昭57−27001号公報,特開昭57−35303号公報などにより
提供されている。このバリスタ機能付きセラミックコン
デンサは、通常はコンデンサとして電圧の低いノイズや
高周波のノイズを吸収するが、パルスや静電気などの高
い電圧が侵入した時はバリスタとして機能し、電子機器
で発生するノイズ,パルス,静電気などの異常電圧から
半導体及び電子機器を保護するという特徴を有してお
り、その使用はますます拡大されている。
一方、電子部品分野においては、軽薄短小化,高性能
化がますます進み、このバリスタ機能付きセラミックコ
ンデンサに至っても、小型化,高性能化の要請が強まっ
ている。しかし、従来のバリスタ機能付きセラミックコ
ンデンサは単板型であるため、小型化すると電極面積が
小さくなり、その結果として容量が低下したり、信頼性
が低下するという問題を招くことになる。従って、その
解決策として、電極面積がかせげる積層化への展開が予
想される。しかし、バリスタ機能付きセラミックコンデ
ンサは、通常、SrTiO3系半導体素子の表面に酸化物を塗
布し、熱拡散により粒界層を絶縁化する工程を有するた
め、一般に用いられているBaTiO3系積層セラミックコン
デンサと比べ、内部電極と同時に焼成して積層型のバリ
スタ機能付きコンデンサ(以下、バリスタ機能付き積層
セラミックコンデンサという)を形成することは非常に
困難であると考えられていた。
そこで、同時焼成の問題点を解決する手法として、特
開昭54−53248号公報,特開昭54−53250号公報などを応
用し、内部電極に当たる部分に有機バインダー量を多く
したセラミックペーストを印刷し、この部分が焼結過程
で多孔層を形成し、焼結した後にその多孔層に適当な圧
力下で導電性金属を注入させる方法、または、メッキ法
や溶融法によって内部電極を形成し、バリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサを形成させる方法が開発,提
供されている。しかし、これらはプロセス的にかなり困
難であり、未だに実用化へのレベルに達していない。
また、特開昭59−215701号公報に、非酸化雰囲気中で
仮焼した粉末を原料にした生シートの上に粒界層を絶縁
化することが可能な熱拡散物質を混入した導電性ペース
トを印刷し、酸化性雰囲気中で焼結させる方法、さらに
特開昭63−219115号公報に、予め半導体化させた粉末を
主成分とし、それに絶縁層を形成させるための酸化剤及
びガラス成分を含む拡散剤を混合した生シートと、内部
電極を交互に積層した成型体を、空気中または酸化雰囲
気中で焼成する方法が報告されている。しかし、これら
の方法では焼成温度が1000〜1200℃と比較的低く、セラ
ミックの焼結が起こりにくいため、結晶粒子は面接触し
にくく、出来上がった素子は、完全な焼結体に至ってい
ないため、容量が低く、かつバリスタとしての代表特性
である電圧非直線指数αが小さく、バリスタ電圧が不安
定であり、さらに信頼性が劣るという欠点を有するもの
である。さらにまた、後者の特開昭63−219115号公報で
は添加剤としてガラス成分が添加されているため、結晶
粒界にガラス相が析出し、上記の電気特性が悪化しやす
く、信頼性が劣るものであり、実用化へのレベルに達し
ていないものである。
なお、積層型バリスタに関する特許として、既に特公
昭58−23921号公報により、ZnO,Fe2O3、TiO2系を用いた
積層型電圧非直線素子が提案されている。しかし、この
素子は容量をほとんど持たないため、比較的高い電圧を
持つパルスや静電気の吸収に対しては優れた性能を示す
が、バリスタ電圧以下の低い電圧を持つノイズや高周波
のノイズに対しては、ほとんど効果を示さないという問
題点を有している。
発明が解決しようとする課題 今まで、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ
に関して様々な組成,製造方法が開発,提供されてきた
が、上述したようにいずれの場合もプロセス的な面や出
来上がった素子に問題点を有し、実用レベルに達してい
ない。従って、バリスタ機能付き積層セラミックコンデ
ンサに関して、新たな組成及び製造方法の開発が期待さ
れているのである。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、通
常はコンデンサとして電圧の低いノイズや高周波のノイ
ズを吸収する働きをし、一方パルスや静電気などの高い
電圧が侵入した時はバリスタ機能を発揮し、しかもプロ
セス的にはセラミックコンデンサ材料と内部電極材料と
の同時焼成を可能にしたSrTiO3を主成分とするセラミッ
クコンデンサ及びその製造方法を提供することを目的と
するものである。
課題を解決するための手段 上記のような問題点を解決するために本発明は、Srと
Tiのモル比が0.95≦Sr/Ti<1.00となるように過剰のTi
を含有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd
2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一種類以上を0.0
5〜2.0mol%と、MnとSiをそれぞれMnO2とSiO2に換算し
て合計量で0.2〜5.0mol%含ませてなるセラミックコン
デンサを提供するものである。また、本発明はSrとTiの
モル比が0.95≦Sr/Ti<1.00となるように過剰のTiを含
有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,
Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一種類以上を0.05〜
2.0mol%と、MnとSiをそれぞれMnO2とSiO2に換算して合
計量で0.2〜5.0mol%含ませてなるセラミック内に、複
数層の内部電極をこれらが交互に対向する端縁に至るよ
うに設け、かつこの内部電極の両端縁に外部電極を設け
たことを特徴とするセラミックコンデンサを提供するも
のである。さらに、本発明は、SrとTiのモル比が0.95≦
Sr/Ti<1.00となるように過剰のTiを含有したSrTiO
3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,
CeO2の内の少なくとも一種類以上を0.05〜2.0mol%と、
MnとSiをそれぞれMnO2とSiO2に換算して合計量で0.2〜
5.0mol%含ませてなる組成物の混合粉末を出発原料と
し、その混合粉末を粉砕,混合,乾燥した後、空気中ま
たは窒素雰囲気中で仮焼する工程と、仮焼後、再度粉砕
した粉末を有機バインダーと共に溶媒中に分散させ生シ
ートにし、その後この生シートの上に、内部電極ペース
トを交互に対向する端縁に至るように印刷(但し、最上
層及び最下層の生シートには印刷せず)する工程と、こ
の内部電極ペーストの印刷された生シートを積層,加
圧,圧着して成型体を得、その後この成型体を空気中で
仮焼する工程と、仮焼後、還元または窒素雰囲気中で焼
成する工程と、焼成後、空気中で再酸化する工程と、再
酸化後、内部電極を露出させた両端に外部電極ペースト
を塗布し焼付ける工程とを有することを特徴とするセラ
ミックコンデンサの製造方法を提供するものである。そ
して、上記内部電極がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくとも
一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物に
よって形成されることを提供するものである。また、上
記外部電極がPd,Ag,Ni,Cu,Znの内の少なくとも一種類以
上の金属またはそれらの合金あるいは混合物によって形
成されることを提供するものである。
作用 一般にSrTiO3を半導体化させるには、強制還元させる
か、もしくは半導体化促進剤を添加し還元雰囲気中で焼
成させるかである。しかし、これだけでは半導体化促進
剤の種類によって半導体化が進まない場合がある。そこ
で、SrTiO3の化学量論より、Sr過剰、もしくはTi過剰に
すると、結晶内の格子欠陥が増加し、半導体化が促進さ
れる。さらに、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2
O3,La2O3,CeO2(以下、第1成分とする)を添加すると
原子化制御により半導体化が促進される。
次に、焼成過程でMnO2とSiO2(となる第2成分)は積
層構造を形成させるのに必要不可欠な物質であり、どち
らか一方が欠けても、その作用が発揮されないものであ
る。上記したように、今までSrTiO3系のバリスタ機能付
き積層セラミックコンデンサを作製することは困難であ
ると考えられていた。その理由は、まず第1に、バリス
タ機能付きセラミックコンデンサ材料と内部電極材料が
焼成過程や再酸化過程において異なった作用,性質を持
つためである。即ち、前者材料は焼成過程において還元
雰囲気焼成を必要とするが、この時、後者材料は金属で
形成されているため、還元雰囲気中のH2ガスを吸蔵し膨
張する。さらに、空気中での再酸化過程において後者材
料は金属酸化物に酸化されたり、前者材料の再酸化を遮
蔽する作用,性質を持つためである。
また、第2の理由として、前者材料をバリスタ機能付
きセラミックコンデンサ素子として形成させるには、還
元雰囲気中で焼成し半導体化させた後、その表面に、高
抵抗の金属酸化物(MnO2,CuO2,Bi2O3,Co2O3など)を塗
布し、空気中で再酸化し粒界部分を選択的に拡散させ絶
縁化させる、即ち、表面拡散工程を必要とする。しか
し、内部電極材料と交互に積層された構造をもつ素子で
は、金属酸化物の拡散が技術的に困難であるためであ
る。
そこで、本発明者らは研究の結果、次のことを発明し
た。
まず、第1に、Ti過剰のSrTiO3に第1成分を添加する
以外に、第2成分を添加した材料組成では、還元雰囲気
中での焼成後、素子の表面に上記のような高抵抗の金属
酸化物を塗布しなくても、空気中で再酸化するだけで、
容易にバリスタ機能付きセラミックコンデンサが形成さ
れることを見出した。これは、過剰のTiと添加した第2
成分が焼結過程で、低温でMnO2−SiO2−TiO2系の液相を
形成し焼結を促進させると同時に、粒界部分に溶解し偏
析することになる。そして、これを空気中で再酸化する
と、粒界部分に偏析したMnO2−SiO2−TiO2系が絶縁化し
容易に粒界絶縁型構造を持つバリスタ機能付きセラミッ
クコンデンサになることによる。さらにまた、Tiを過剰
にした方が内部電極の酸化や拡散を抑えられることも見
出した。従って、本発明では、これらの理由からTi過剰
のSrTiO3を用いることにした。
また、第2に、Ti過剰のSrTiO3に第2成分を添加した
材料組成では、還元雰囲気中以外に窒素雰囲気中での焼
結でも半導体化することを見出した。これは、上記第1
の理由に示したように低温で液相を形成するためと、添
加したMnが液相を形成する以外に原子化制御剤として作
用し、この時Mn原子の価数が+2,+4と変化し、電子的
に不安定であるという効果のため、焼結性が向上し窒素
雰囲気中でも容易に半導体化すると考えられる。
さらに、第3に、脱脂後の成型体を予め空気中で仮焼
すると、出来上がったバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサの内部電極切れ、デラミネーション,ワレ,
焼結密度の低下などの諸問題の発生が極力抑えられ、電
気特性や信頼性が著しく向上することを見出した。
以上、このような観点を充分に考慮すると、バリスタ
機能付きセラミックコンデンサ材料と内部電極材料を同
時焼成することにより、容易にバリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサを作製することが可能となる。
実施例 以下に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明
する。
実施例1 まず、平均粒径が0.5μm以下で純度98%以上のSrTiO
3原料粉末にTiO2を加え、Sr/Ti比を調整した粉末に、下
記第1表〜第15表に示すように第1成分のNb2O5、第2
成分のMnO2,SiO2(但し、加えるMnO2,SiO2は等mol%と
する)を秤量し、混合した。その後、この混合粉末をボ
ールミルなどにより湿式粉砕、混合し、乾燥した後、空
気中で600〜1200℃で仮焼し、仮焼後、平均粒径が0.5μ
m以下になるように再度粉砕し、これを積層型のバリス
タ機能付きセラミックコンデンサ用出発原料とした。こ
の微粉末の出発原料をブチラール樹脂などの有機バイン
ダーと共に溶媒中に分散させスラリー状とし、これをド
クター・ブレード法によって50μm程度の厚さの生シー
トにし、所定の大きさに切断した。次に、第1図に示す
ように、上記のようにして得られた生シート1の上にPd
からなる内部電極ペースト2を所定の大きさに応じてス
クリーン印刷した。なお、第1図から明らかなように、
最上層及び最下層の生シート1には内部電極ペースト2
は印刷しないものとする。また、この時、中間に積層さ
せる生シート1の上に印刷された内部電極ペースト2
は、周知のように交互に対向する端縁に至るように印刷
した。その後、この内部電極ペースト2の印刷された向
きのまま生シート1を複数層積層し、加圧,圧着した。
次に、空気中で400℃で脱脂し、さらに、空気中で600〜
1250℃で仮焼を行った。その後、還元雰囲気中で1250〜
1350℃で焼成した。この焼成後、空気中で900〜1250℃
で再酸化した。
その後、第2図に示すように、内部電極2aを露出させ
た両端にAgよりなる外部電極ペーストを塗布し、空気中
で800℃、15分で焼付けることにより、粒界絶縁型半導
体セラミック内に複数層の内部電極2aをこれらが交互に
端縁に至るように設け、かつこの内部電極2aの両端縁に
外部電極3を設けたバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサ4を得た。
なお、本実施例でのバリスタ機能付き積層セラミック
コンデンサの形状は5.70×5.00×2.00mm3の5.5タイプ
で、内部電極の形成された有効層を10層積層したもので
ある。また、第3図に本発明の製造工程を示す。
このようにして得られたバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサについて、その容量,tanδ、バリスタ電
圧,電圧非直線指数α,直列等価抵抗値ESR,容量温度変
化率,及びバリスタ電圧温度係数などの各種電気特性
を、第1表〜第15表に併せて記載する。但し、この時の
焼成などの各条件は、空気中での仮焼は1200℃,2時間、
N2:H2=99:1の還元雰囲気中での焼成は1300℃,2時間、
再酸化は1100℃,1時間で行ったものである。
なお、各種電気特性については以下の測定値を記載し
た。
◇容量Cは測定電圧1.0V、周波数1.0K Hzでの値。
◇バリスタ電圧V0.1mAは測定電流0.1mAでの値。
◇電圧非直線指数αは、測定電流0.1mAと1.0mAでの値か
ら、 α=1/log(V1.0mA/V0.1mA)の式より算出した。
◇直列等価抵抗値ESRは、測定電圧1.0Vでの共振点での
抵抗値。
◇容量温度変化率(△C/C)は、−25℃と85℃の二点間
での値。
◇バリスタ電圧温度計数(△V/V)は、25℃と50℃の二
点間での値。
次に、上記第1表〜第15表について解説すると、これ
らの表はSr/Ti比、及び第2成分のMnO2とSiO2の添加量
について規定したものである。
ここで、試料番号に*印をつけたのは比較例であり、
本発明の請求範囲外である。即ち、これらの焼結体素子
では、容量が小さく、かつバリスタ特性を表す電圧非直
線指数αが小さく、また直列等価抵抗値ESRが大きいた
め、コンデンサとしての電圧の低いノイズや高周波のノ
イズを吸収する機能と、バリスタとしてのパルス、静電
気などの高い電圧を吸収する機能の両方を同時に持ち合
わしていなく、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧温
度係数が大きく、信頼性や電気特性が温度に影響を受け
易いものである。従って、これらの試料は電子機器で発
生するノイズ、パルス、静電気などの異常電圧から半導
体及び電子機器を保護するバリスタ機能付きセラミック
コンデンサとして適さないものである。これに対し、そ
の他の試料番号のものでは、容量が大きく、かつ電圧非
直線指数αが大きく、さらに直列等価抵抗値ESRが小さ
いため、コンデンサとしての電圧の低いノイズや高周波
のノイズを吸収する機能と、バリスタとしてのパルス、
静電気などの高い電圧を吸収する機能の両方を同時に持
ち合わしており、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧
温度計数が小さく、信頼性や電気特性が温度に影響を受
けにくい特徴を有している。従って、これらの試料は電
子機器で発生するノイズ、パルス、静電気などの異常電
圧から半導体及び電子機器を保護するため、バリスタ機
能付きセラミックコンデンサとして適しているものであ
る。
ここで、本発明において、SrTiO3のSr/Ti比を規定し
たのは、Sr/Ti比が1.00より大きい場合はSr過剰とな
り、MnO2−SiO2−TiO2系の液相が形成されにくく、粒界
絶縁型構造になりにくく、かつ内部電極が酸化や拡散を
起こし、結果として電気特性や信頼性が低下するためで
ある。一方、Sr/Ti比が0.95未満では焼結体が多孔質と
なり、焼結密度が低下するためである。さらに、積層型
バリスタ機能付きセラミックコンデンサ用出発原料の平
均粒径を0.5μm以下に規定したのは、0.5μmより大き
い場合には、スラリー状にした時に分が凝集したり、出
来上がった焼結体素子の焼結密度が小さく、かつ半導体
化しにくいために電気特性も不安定となりやすいためで
ある。
次に、第2成分のMnO2とSiO2の合計の添加量を規定し
たのは、これら第2成分の添加量が0.2mol%未満では添
加効果が得られないため、MnO2−SiO2−TiO2系の液相が
形成されにくいために、粒界絶縁型構造になりにくく、
電気特性や焼結密度が低下するためである。一方、第2
成分の添加量が5.0mol%を超えると、粒界部に偏析する
高抵抗の酸化物量が増大し電気特性が低下するためであ
る。
さらに、脱脂後の成型体を予め空気中で600〜1250℃
で仮焼するのは、本発明のバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサの製造方法中で最も重要な工程であり、
この工程の結果が出来上がったバリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサの電気特性や信頼性をほぼ決定する
ものである。この工程の目的は、バリスタ機能付きセラ
ミックコンデンサ材料と内部電極材料の接着力の強化、
さらに出来上がったバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサの平均粒径の制御である。
ここで、空気中での仮焼温度を600〜1250℃の範囲に
規定したのは、仮焼温度が600℃未満ではその効果が得
られないためである。一方、仮焼温度が1250℃を超える
と、 バリスタ機能付きセラミックコンデンサ材料の焼結が
進行してしまう。この状態で還元または窒素雰囲気中で
焼成すると、急激な収縮による応力集中が焼結体内に発
生し、結果として得られたバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサでは、デラミネーション、ワレなどの諸
問題が発生することになる。
Niを内部電極材料で使用した場合では、前者のセラミ
ックコンデンサ材料の焼結化とNi内部電極材料の酸化が
生じ、次に焼結体とNiが反応し、Niの拡散が進行し、結
果として得られたバリスタ機能付き積層セラミックコン
デンサでは、内部電極切れ、デラミネーション、ワレな
どの諸問題が発生する。
1250℃を超える高温で仮焼を行うと、MnO2−SiO2−Ti
O2系の液相焼結が急激に進行し、粒成長が促進され焼結
体密度や充てん密度の低下が著しく起こる。
その後、還元または窒素雰囲気中で焼成した場合、半
導体化が起こりにくくなる。
という理由により、電気特性や信頼性が著しく低下する
ためである。
このようにして得られたバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサは、上述の特公昭58−23921号公報で報
告されている積層型バリスタに比べ、大容量であり、か
つ温度特性,周波数特性に優れた特性をし、前者ではサ
ージ吸収性に優れたバリスタ材料を単に積層しているの
に対し、本発明ではノイズ吸収性に優れたコンデンサ機
能と、パルス,静電気吸収性に優れたバリスタ機能の両
方機能を有するバリスタ機能付きセラミックコンデンサ
材料を積層したものであり、その機能、使用目的におい
て全く別のものである。
実施例2 実施例1により、第2成分としてのMnO2とSiO2の合計
の添加量が0.2〜5.0mol%が必要であることが解った。
次に、この第2成分としてのMnO2とSiO2の添加比につい
て、これを種々変え、Sr/Ti比を0.97、第1成分として
のNb2O5の添加量を1.0mol%に固定し、上記実施例1と
同様の方法でバリスタ機能付き積層セラミックコンデン
サを作製した。その結果を下記の第16表に記載する。
上記第16表について解説すると、その測定結果より明
らかなようにバリスタ機能付き積層セラミックコンデサ
を作製するには、MnO2とSiO2の両方が必要であり、どち
らか一方が欠けてもバリスタ機能付き積層セラミックコ
ンデンサを作製することができない。即ち、両成分が存
在して初めてMnO2−SiO2−TiO2系の液相ができ、粒界部
分に溶解、偏析し、再酸化すると、粒界部分に偏析した
MnO2−SiO2が絶縁化し、容易に粒界絶縁型構造を持つ素
子となるためである。
なお、容量,電圧非直線指数α,ESRなどの電気特性を
比較すると、若干MnO2過剰の方が好ましい。
実施例3 次に、第1成分としてのNb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O5,Dy2O
3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の原子化制御剤の添加量を規
定するため、これを種々変え、Sr/Ti比を0.97、第2成
分の添加量をMnO2 1.0mol%、SiO2 1.0mol%の合計2.
0mol%に固定し、上記実施例1,2と同様の方法でバリス
タ機能付き積層セラミックコンデンサを作製した。その
結果を下記の第17表〜第25表に記載する。
上記第17表〜第25表について解説すると、第1成分の
添加量を規定したのは、その測定結果より明らかなよう
に、添加量が0.05mol%未満ではその添加効果が得られ
ず、半導体化が起こりにくいためである。一方、第1成
分の添加量が合計で2.0mol%を超えると半導体化が抑制
され、所望の電気特性が得られず、さらに焼結密度が低
下するためである。
なお、第1成分としてはNb2O5,Ta2O5を添加した方
が、他のV2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2を添
加する場合よりも若干電気特性的に優れていた。
さらに、第1成分の混合物組成についても、その一部
の組合せについて実施し、電気特性を測定したが、その
結果は第25表に示したように、一種類添加した場合とほ
とんど特性に差が見られないものであった。しかし、こ
の場合もNb2O5,Ta2O5を添加した方が、他の成分を添加
する場合よりも若干電気特性的に優れていた。
また、出発原料の平均粒径が0.5μmよりも大きい場
合には、第1成分の効果が得られにくい傾向があり、0.
5μm以下に抑える必要があることが確認された。
実施例4 上記の各実施例では内部電極としてPdを用いた場合に
ついて説明したが、他のAu,Pt,Rh,Niについて、Sr/Ti比
を0.97、第1成分の添加量をNb2O5 0.5mol%、Ta2O5
0.5mol%、第2成分の添加量をMnO2 1.0mol%、SiO2
1.0mol%に固定し、上記実施例と同様の方法でバリスタ
機能付き積層セラミックコンデンサを作製した。その結
果を下記の第26表に記載する。
上記第26表に記載したように、内部電極としてはAu,P
t,Rh,Pd,Niの内の少なくとも一種類以上の金属またはそ
れらの合金あるいは混合物を用いることができ、効果が
得られることを確認した。しかし、Niを使用する場合は
Niの酸化が比較的低温度で起こるため、Pdを混合する
か、若干Ti過剰のSrTiO3を用いた方が酸化が抑えられ
る。
以上、本発明の実施例では、一部の組合せについて示
したが、他の組合せでも同様の効果が得られることを確
認した。
そして、本発明の実施例ではTi過剰のSrTiO3を作製す
るに当たり、SrTiO3にTiO2を添加したが、Tiを炭酸化
物,水酸化物,有機化合物などの形で用いてもよく、同
様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本発明の実施例では、原料粉末にSrTiO3を用い
たが、SrOまたはSrCO3と、TiO2などからSrTiO3を作製し
たものを原料粉末にしても同様の効果が得られることは
もちろんである。
さらに、第2成分としてのMnO2,SiO2についても、こ
れらの炭酸化物、水酸化物などの形で用いても同様の効
果が得られることは言うまでもない。しかし、MnCO3
用いた方が粒径も細かく揃っており、かつ分解し易いた
め、特性的に安定した素子を作製することができ、量産
性に適していることが確認された。
次に、上記実施例では、焼成を還元雰囲気中で行う場
合について説明したが、これは窒素雰囲気中で行うよう
にしてもよいものである。しかし、窒素雰囲気中で焼成
を行った場合には、半導体化が若干しにくい面があるた
め、還元雰囲気中で焼成を行うよりも若干高温度(1350
〜1450℃)側で焼成する方が特性上は好ましいものであ
る。
また、上記実施例では、混合粉末の仮焼を空気中で行
う場合について説明したが、これは、窒素雰囲気中で行
っても同様の効果が得られることを確認した。
さらに、上記実施例では、再酸化温度を1100℃と固定
したが、これは所望とする電気特性を得るために、900
〜1250℃の温度範囲で行えばよいものである。し、1200
℃以上で再酸化を行う場合は、最高温度の保持時間を極
力抑えなければ粒界のみならず結晶粒子も絶縁化される
恐れがあり、注意を必要とする。また、Niを内部電極と
して用いた場合に関しても、1200℃以上で再酸化を行う
場合には保持時間を極力抑えなければNiが酸化される恐
れがあり、同じく注意を必要とする。
そしてまた、上記実施例では外部電極としてAgを用い
たが、他のPd,Ni,Cu,Znでも同様の効果が得られること
を確認した。即ち、外部電極としてPd,Ag,Ni,Cu,Znの内
の少なくとも一種類以上の金属またはそれらの合金ある
いは混合物を用いてもよいものである。しかし、PdやAg
を外部電極として使用する場合は素子とオーミック接触
しにくく、バリスタ電圧に若干極性が現れるが、この場
合も基本性能としては特に問題がないものである。
以上、実施例で示した方法で得られたバリスタ機能付
き積層セラミックコンデンサの平均粒径は2.0〜3.0μm
程度であった。ここで、成型体の空気中での仮焼温度を
1300℃よりも高温で行うと、上述したようにMnO2−SiO2
−TiO2系の液相焼結が急激に進行し粒成長が促進され、
平均粒径が約2倍以上になる。そして、このように平均
粒径が大きくなった場合には、焼結密度の低下、電圧非
直線指数αの低下、直列等価抵抗値ESRの上昇、電気特
性のバラツキなどの諸問題が発生し、電気特性や信頼性
が著しく低下し、実用化には向かないものである。
また、上記実施例では積層型のバリスタ機能付きセラ
ミックコンデンサについて説明したが、本発明は上記組
成物を用い、従来と同様の単板型のバリスタ機能付きセ
ラミックコンデンサを作製した場合でも、優れたコンデ
ンサ特性,バリスタ特性が得られることを確認した。
以上、このようにして得られた素子は、大容量で、か
つ電圧非直線指数αが大きく、バリスタ電圧、直列等価
抵抗値ESRが小さく、さらに温度特性,周波数特性,ノ
イズ特性が優れているため、通常はコンデンサとして電
圧の低いノイズや高周波のノイズを吸収する働きをし、
一方パルスや静電気などの高い電圧が侵入した時はバリ
スタ機能を発揮し、ノイズ,パルス,静電気などの異常
電圧に対して優れた応答性を示し、従来のフィルムコン
デンサ,積層セラミックコンデンサ,半導体セラミック
コンデンサに変わるものとして期待されるものである。
さらに、本発明のバリスタ機能付き積層セラミックコン
デンサは、従来の単板型のバリスタ機能付きセラミック
コンデンサに比べて小型でありながら大容量であり、か
つ高性能であるため、実装部品としての応用も大いに期
待されるものである。
発明の効果 以上のように本発明は、電極間にセラミックを設け、
このセラミックは、SrとTiのモル比が0.95≦Sr/Ti<1.0
0となるように過剰のTiを含有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2
O5,V2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少な
くとも一種類以上を合計量で0.05〜2.0mol%と、MnとSi
をそれぞれMnO2とSiO2に換算して合計量で0.2〜5.0mol
%含ませてなるセラミックコンデンサを特徴とするもの
であって、コンデンサ機能だけでなく、バリスタ機能も
有するセラミックコンデンサを得ることができる。
この点について詳述すると、先ず本発明においては過
剰のTiを含有したSrTiO3を用いているので、化学量論比
からずれることにより結晶内の格子欠陥が増加すること
と、合計量で0.05〜2.0mol%含ませたNb2O5,Ta2O5,V
2O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2による原子化制
御がなされることの二点により、各粒子の半導体化が促
進されることになる。
次に本発明においては上記のように過剰のTiを含有し
たSrTiO3を用いた状態において、MnとSiをそれぞれMnO2
とSiO2に換算して合計量で0.2〜5.0mol%含ませている
ので、焼結時においてMnO2−SiO2−TiO2系の液相物が形
成され、この場合この三成分系のものはガラス化し、粒
子に対する濡れ性の高い液相物となるため、各粒子の粒
界部分にそれぞれ均一に偏析した状態で溶解することに
なる。
そしてこの様に各粒子の粒界部分に偏析した状態でMn
O2−SiO2−TiO2系の液相物が溶解しているので、空気中
での再酸化を行うと、各粒子の粒界が絶縁化して粒界絶
縁型構造をもつことになり、この場合特に酸化を助長す
るMnが各粒子の粒界に偏析した状態で、この粒界に実質
的に均一分散していることにより上記粒界の絶縁化はス
ムーズに進行し、その結果として粒界における絶縁層は
実質的に均一で強固なものとなる。
つまり、上述のごとく半導体化が促進された各粒子の
粒界に実質的に均一で強固な絶縁層が形成されること
で、粒界絶縁型構造を持つバリスタ機能付きセラミック
コンデンサが得られるのであって、これによればコンデ
ンサとしての容量が大きく、直列等価抵抗値ESRが小さ
いことによって、電圧の低い高周波ノイズ等の吸収効果
が高く、またバリスタとしての電圧非直線指数αが大き
いことによってパルス、静電気などの高い電圧を吸収す
る効果が高く、さらに容量温度変化率とバリスタ電圧温
度係数が小さいことによって温度の影響を受けにくい信
頼性の高いバリスタ機能付きセラミックコンデンサが得
られるのである。
従って、本発明によればノイズ,パルス,静電気など
の異常電圧から半導体及び電子機器を保護することがで
きる素子を得ることができ、その実用上の効果は極めて
大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を説明するためのバリスタ機
能付きセラミックコンデンサの分解斜視図であり、積層
する生シート及びその上に印刷される内部電極ペースト
の形状を説明するための図、第2図はこの発明の実施例
により得られたバリスタ機能付き積層セラミックコンデ
ンサを示す一部切欠断面図、第3図はこの発明の実施例
を説明するためのバリスタ機能付き積層セラミックコン
デンサの製造工程を示す図である。 1……生シート、2……内部電極ペースト、2a……内部
電極、3……外部電極、4……バリスタ機能付き積層セ
ラミックコンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−282411(JP,A) 特開 昭58−78414(JP,A) 特開 昭58−50726(JP,A) 特開 昭59−215701(JP,A) 特公 昭49−25999(JP,B1)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極間にセラミックを設け、このセラミッ
    クは、SrとTiのモル比が0.95≦Sr/Ti<1.00となるよう
    に過剰のTiを含有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2O5,W2O
    5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくとも一種
    類以上を合計量で0.05〜2.0mol%と、MnとSiをそれぞれ
    MnO2とSiO2に換算して合計量で0.2〜5.0mol%含ませて
    なるセラミックコンデンサ。
  2. 【請求項2】SrとTiのモル比が0.95≦Sr/Ti<1.00とな
    るように過剰のTiを含有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2
    O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくと
    も一種類以上を0.05〜2.0mol%と、MnとSiをそれぞれMn
    O2とSiO2に換算して合計量で0.2〜5.0mol%含ませてな
    るセラミック内に、複数層の内部電極をこれらが交互に
    対向する端縁に至るように設け、かつこの内部電極の量
    端縁に外部電極を設けたことを特徴とするセラミックコ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】内部電極がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項2記載のセ
    ラミックコンデンサ。
  4. 【請求項4】外部電極がPd,Ag,Ni,Cu,Znの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項2または3
    記載のセラミックコンデンサ。
  5. 【請求項5】SrとTiのモル比が0.95≦Sr/Ti<1.00とな
    るように過剰のTiを含有したSrTiO3に、Nb2O5,Ta2O5,V2
    O5,W2O5,Dy2O3,Nd2O3,Y2O3,La2O3,CeO2の内の少なくと
    も一種類以上を0.05〜2.0mol%と、MnとSiをそれぞれMn
    O2とSiO2に換算して合計量で0.2〜5.0mol%含ませてな
    る組成物の混合粉末を出発原料とし、その混合粉末を粉
    砕、混合、乾燥した後、空気中または窒素雰囲気中で仮
    焼する工程と、仮焼後、再度粉砕した粉末を有機バイン
    ダーと共に溶媒中に分散させ生シートにし、その後この
    生シートの上に、内部電極ペーストを交互に対向する端
    縁に至るように印刷(但し、最上層および最下層の生シ
    ートには印刷せず)する工程と、この内部電極ペースト
    の印刷された生シートを積層、加圧、圧着して成型体を
    得、その後この成型体を空気中で仮焼する工程と、仮焼
    後、還元または窒素雰囲気中で焼成する工程と、焼成
    後、空気中で再酸化する工程と、再酸化後、内部電極を
    露出させた両端に外部電極ペーストを塗布し焼付ける工
    程とを有することを特徴とするセラミックコンデンサの
    製造方法。
  6. 【請求項6】内部電極がAu,Pt,Rh,Pd,Niの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項5記載のセ
    ラミックコンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】外部電極がPd,Ag,Ni,Cu,Znの内の少なくと
    も一種類以上の金属またはそれらの合金あるいは混合物
    によって形成されることを特徴とする請求項5または6
    記載のセラミックコンデンサの製造方法。
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