JP2716201B2 - 高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤ - Google Patents
高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤInfo
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Description
鋼板に適した高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤ
に関し、特にブローホールなどの欠陥が発生しくい健全
な溶接金属が得られる高速溶接用ガスシールドアーク溶
接ワイヤに関する。
ば亜鉛めっき鋼板などがある。亜鉛めっき鋼板は通常の
熱延あるいは冷延された鋼板表面に亜鉛めっきを施した
もので、その主な用途は薄板分野が多く、屋根板はじめ
とする建築材料、ガソリン缶、洗濯機の部品などであ
り、その他自動車車体にも多く使用される傾向にある。
点より低い沸点(906℃)をもった亜鉛が溶接時に溶滴
ないし溶融池に浸入してその蒸気が突沸すると共に大気
を巻き込み、溶接金属凝固過程で浮上しきれずに気泡と
して残存し、ピットやブローホール等の欠陥を多発す
る。
ドワイヤを用いるガスシールド溶接法では亜鉛の影響を
顕著に受け易い。
1m/minを超えるとガスシールド性が低下し、溶接雰囲気
中に空気を巻き込む結果、窒素ガスを多量に吸収し、ピ
ット・ブローホールなどの欠陥が発生し易い。
響とガスシールド性の低下による窒素ガス吸収とが重畳
してピット・ブローホールが著しく発生し易くなる。
板表面の影響を受け易い形状が用いられるため欠陥が発
生し易い条件下にある。
接線上から亜鉛を機械的に除去することが有効である
が、手間がかかって非能率である。
防止技術として特開昭63−72498号公報にはソリッドワ
イヤ中にTi,Al,Ni,Cuを適宜含有させる溶接材料が提案
されている。しかしながら、このような組成のソリッド
ワイヤでは本発明が対象としている高速度での亜鉛めっ
き鋼板の溶接には効果が期待できないものである。
鋼板などのガスシールドアーク溶接において問題となる
ピット・ブローホール等の欠陥発生を解消する高速溶接
用ガスシールドアーク溶接ワイヤを提供するものであ
る。
〜0.50%、Mn;0.20〜1.50%、P;0.030%以下、S;0.030
以下、Cu;0.1〜1.0%、Al;0.003〜0.050%、O;0.005〜
0.050%、であってNb;0.10〜1.50%、V;0.10〜1.50%の
うち1種又は2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純
物からなることを特徴とする高速溶接用ガスシールドア
ーク溶接ワイヤにある。
く、特に亜鉛めっき鋼板でのピット・ブローホールが発
生し易い理由として、 (イ)溶接時、亜鉛の突沸によって空気の巻き込みを助
長すると共に、溶融溶接金属に入った亜鉛は鉄に溶解し
にくく、かつ低沸点であるため溶融金属が凝固過程にお
いても蒸気状態でありこれが残存し気泡となる。
囲気中に空気を巻き込む結果、溶融金属中に窒素を吸収
し易くなる。一方、高速溶接では凝固速度が早く、従っ
て溶融溶接金属中でガス化した亜鉛のみならず窒素ガス
も凝固過程で浮上しきれず溶接金属中に残存し易くな
る。
るため、Si・Al・Tiなどの脱酸力の強い元素を添加して
いる。しかし、脱酸作用を過度に強化すると、溶融状態
の亜鉛は酸化されず気泡として残存し、(イ)を助長す
る、 と考察した。
フさせる。
及び窒素ガスを放出させる。
討を行い本発明を構成するに至った。
の酸化力を適正化することにより酸化反応を活発化さ
せ、亜鉛の酸化を促進し、かつ酸化反応熱により溶融金
属の温度が上昇し溶融金属の粘性が低下する事、更には
溶融金属の攪拌作用が強まる結果ガス放出を容易ならし
める事により亜鉛・窒素の影響を軽減させる。更には、
Cu・Nb・Vを適量添加し、亜鉛・窒素を固定する事との
複合作用によりピット発生を解消し、ブローホールの発
生を抑制するところに最大の特徴がある。
る。
Mn添加量では0.04%を超えるとブローホール発生には特
に影響はなかったが、溶接部の曲げ延性が低下したので
上限を0.40%以下とした。又、0.02%未満ではピットが
多発したので下限を0.02%とした。
整し溶融金属の酸素ポテンシャルを高めることにより亜
鉛の酸化を促進し、かつ溶融金属の攪拌作用を強めガス
を浮上し易くすることにより、亜鉛によるピット・ブロ
ーホールの発生を抑制するために使用する。しかし、0.
50%を超えて添加すると脱酸過剰となりピット・ブロー
ホールが多発するので、上限は0.50%とした。また0.10
%未満では基本的に脱酸不足に起因するピット・ブロー
ホールが多発するので下限は0.10%とした。
使用するが、1.50%を超えると粘性が高くなり過ぎガス
放出が不足し、ピット・ブローホールが多発するので、
上限は1.50%とした。又、0.20%未満では脱酸不足とな
るので下限は0.20%とした。
イヤにおいてはできる限り抑制することが好ましいが、
いずれも0.030%以下であれば目的を達する。
の害を軽減するために添加するもので、0.1%以上で顕
著な効果を得る。Cuは多量に添加する程、ピット・ブロ
ーホールの発生防止に効果があるが、1.0%を超えると
耐割れ性を著しく低下させるので上限を1.0%とした。
速溶接ではシールド性が低下し、溶接雰囲気中に空気を
巻き込み、溶融金属が著しく酸化され脱酸不足となり易
い。Alは少量の添加により、溶融金属の粘性を損なうこ
となく、空気巻き込みによる過度の酸化を防止する上で
最も効果があるが、0.050%を超えて添加すると脱酸過
剰となりピット・ブローホールを多量に発生させるので
上限を0.050%とした。又、0.003%未満では脱酸効果が
不足し、溶接部の健全性を損なうので下限を0.003%と
した。
のガス放出を促進させる目的で添加し、0.005%以上の
添加でピット・ブローホールの発生の軽減する効果を有
する。Oは多量に添加するほど好ましいが、0.050%を
超えると立向下進溶接時に溶融金属の垂れ落ちが発生す
るので、上限を0.050%とした。
よる空気の巻き込みによる窒素ガス吸収によるピット・
ブローホールの発生を抑制する効果を有する。Nb・Vの
いずれも0.10%以上でピット・ブローホールの発生を抑
制するので下限を0.10%とした。又、Nb・Vを複合添加
しても同じ様に有効である。しかし、1.50%を超えて添
加すると溶接金属部が著しく硬化し、延性を損なうので
上限を1.50%とした。
たはArにCO2などを混合したシールドガスを用いて亜鉛
めっき鋼板を高速で溶接してもピットの発生はなく、又
ブローホールの発生も非常に少なく構造物用として十分
満足するものである。
る。
径1.2mm)の他、ピット発生個数及びブローホール発生
率を示しているが、本発明ワイヤ及び比較ワイヤを用い
ガスシールド溶接で亜鉛めっき鋼板(板厚t=2.3mm,幅
w=50mm,長さl=300mm)を第1図の如く2枚重ねて、
立向下進重ねすみ肉溶接を行い、すみ肉ビード部に発生
するピット,ブローホールを比較した。この立向下進重
ねすみ肉溶接に用いた亜鉛めっき鋼板の鋼種、及び亜鉛
目付量を第2表に示し、第3表には溶接条件を示してい
る。
視で計測し、その後溶接ビードを放射線透過試験にてビ
ードに内在するブローホール発生状況を調査した。
/m)として評価した。またブローホールは放射線透過試
験のフイルムでビード長手方向のブローホール幅を測定
し、ビード長に対してのブローホール幅総和からブロー
ホール発生率(%)を計算した。
0〜20は比較ワイヤを示す。No.1〜9の本発明ワイヤで
はピットは発生せず、又ブローホール発生率も非常に低
く、健全な溶接金属が得られる。
発明の範囲を超えるNo.15、及びAl量が本発明の範囲を
超えるNo.20は、脱酸が過剰となりット・ブローホール
が多発している。又、Mn量が本発明の範囲以下であるN
o.11、Si量が本発明の範囲以下であるNo.12及びAl量が
本発明以下のNo.13は、脱酸が不足しピット・ブローホ
ールが多発している。更に、Nb・Vを添加していないN
o.16、Nb量が本発明の範囲以下であるNo.18およびV量
が本発明の範囲以下であるNo.19は、ピット発生個数、
ブローホール発生率が高くなっている。C量が本発明の
範囲以下であるNo.14、及びCu・O量が本発明の範囲以
下であるNo.17では、ピット発生個数、ブローホールの
発生率が高くなっている。
ど防錆処理を施した鋼材を溶接してもピットがなくしか
もブローホールの発生が非常に少ない健全な溶接金属が
得られることが明らかである。
板など防錆処理を施した鋼材を溶接してもピット,ブロ
ーホール共に非常に少ない健全な溶接金属が得られるた
め、溶接金属部の断面欠損にならず構造物の強度を低下
させない。またピットがないため外観的にも好ましい溶
接金属部が得られる等顕著な効果がある。
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】重量%でC ;0.02〜0.40%、 Si;0.10〜0.50%、 Mn;0.20〜1.50%、 P ;0.030%以下、 S ;0.030%以下、 Cu;0.1〜1.0%、 Al;0.003〜0.050%、 O ;0.005〜0.050%、 であってNb;0.10〜1.50%、V;0.10〜1.50%のうち1種
又は2種を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からな
ることを特徴とする高速溶接用ガスシールドアーク溶接
ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8659789A JP2716201B2 (ja) | 1989-04-05 | 1989-04-05 | 高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8659789A JP2716201B2 (ja) | 1989-04-05 | 1989-04-05 | 高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02263594A JPH02263594A (ja) | 1990-10-26 |
JP2716201B2 true JP2716201B2 (ja) | 1998-02-18 |
Family
ID=13891418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8659789A Expired - Lifetime JP2716201B2 (ja) | 1989-04-05 | 1989-04-05 | 高速溶接用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2716201B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3340570B2 (ja) * | 1994-08-30 | 2002-11-05 | 日鐵溶接工業株式会社 | 亜鉛めっき鋼板用メタル系フラックス入りワイヤおよびガスシールドアーク溶接方法 |
JP5066378B2 (ja) * | 2007-03-22 | 2012-11-07 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | 溶融亜鉛系めっき鋼板のパルスmag溶接用銅めっきソリッドワイヤ |
CN110172640B (zh) * | 2019-05-30 | 2020-10-27 | 安徽工业大学 | 500MPa级高加工硬化率热镀锌双相钢板及其制备方法 |
-
1989
- 1989-04-05 JP JP8659789A patent/JP2716201B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02263594A (ja) | 1990-10-26 |
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