JP2712919B2 - ゲル被覆種子の保存・復元方法 - Google Patents
ゲル被覆種子の保存・復元方法Info
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- JP2712919B2 JP2712919B2 JP3221687A JP22168791A JP2712919B2 JP 2712919 B2 JP2712919 B2 JP 2712919B2 JP 3221687 A JP3221687 A JP 3221687A JP 22168791 A JP22168791 A JP 22168791A JP 2712919 B2 JP2712919 B2 JP 2712919B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ゲル被覆種子の保存・
復元方法に関する。
復元方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に種子の保存方法として、低温下に
貯蔵したり、乾燥状態で貯蔵したり、または両者の組み
合わせにより貯蔵する方法が知られている。ゲル被覆種
子は、従来機械播種に適さなかったような微少な種子或
いは非球状種子等でも機械播種可能とする等種子の播種
を容易にし、出芽を促進するのに効果があり、プラント
・ジェネティクス・インクらの出願（特開昭６３−５０
０９１１号公報）がなされているが、これらの技術で
は、被覆加工してから播種するまで連続的に行わなけれ
ばならなかった。貯蔵するには、数℃位の低温下におく
方法が考えられるが、この方法でも種子の発芽過程は完
全には抑えることができず、一ケ月以上の長期にわたる
保存は難しかった。一方、ゲル被覆種子を乾燥する方法
も考えられるが、一旦乾燥したゲル被覆種子を再び吸水
させ、元の状態に戻すことは困難であった。
貯蔵したり、乾燥状態で貯蔵したり、または両者の組み
合わせにより貯蔵する方法が知られている。ゲル被覆種
子は、従来機械播種に適さなかったような微少な種子或
いは非球状種子等でも機械播種可能とする等種子の播種
を容易にし、出芽を促進するのに効果があり、プラント
・ジェネティクス・インクらの出願（特開昭６３−５０
０９１１号公報）がなされているが、これらの技術で
は、被覆加工してから播種するまで連続的に行わなけれ
ばならなかった。貯蔵するには、数℃位の低温下におく
方法が考えられるが、この方法でも種子の発芽過程は完
全には抑えることができず、一ケ月以上の長期にわたる
保存は難しかった。一方、ゲル被覆種子を乾燥する方法
も考えられるが、一旦乾燥したゲル被覆種子を再び吸水
させ、元の状態に戻すことは困難であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に着目してなされたもので、ゲル被覆種子において長期
間保存可能で、播種に際し元の状態に戻すことができる
技術を提供することを課題とする。
に着目してなされたもので、ゲル被覆種子において長期
間保存可能で、播種に際し元の状態に戻すことができる
技術を提供することを課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、本発明のゲル被覆種子の保存・復元方法は、請求項
１に記載のように、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウムおよびカゼイン
ナトリウムから選ばれた１種以上の水性ゲルのアルカリ
塩水溶液と、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、
ポリアクリル酸塩系、イソブチレン−マレイン酸共重合
体系、および酢酸ビニールアクリル酸エステル共重合体
ケン化物から選ばれた１種以上の吸水性ポリマーとから
なる不溶化された被覆ゲル層を有するゲル被覆種子を乾
燥した後保存し、播種前に吸水させることを特徴とす
る。本発明で用いるゲル被覆種子は、ホウレンソウ、ダ
イコン、タマネギ等の植物種子を水性ゲルのアルカリ塩
水溶液に吸水性ポリマーを添加してなる被覆剤で被覆加
工して得られ、その後、このゲル被覆種子を通風乾燥な
どの方法により乾燥することにより容易に長期保存を可
能とし、かつ、播種前に吸水させることにより容易に元
の状態に戻すことができる。
め、本発明のゲル被覆種子の保存・復元方法は、請求項
１に記載のように、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム、デンプンリン酸エステルナトリウムおよびカゼイン
ナトリウムから選ばれた１種以上の水性ゲルのアルカリ
塩水溶液と、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、
ポリアクリル酸塩系、イソブチレン−マレイン酸共重合
体系、および酢酸ビニールアクリル酸エステル共重合体
ケン化物から選ばれた１種以上の吸水性ポリマーとから
なる不溶化された被覆ゲル層を有するゲル被覆種子を乾
燥した後保存し、播種前に吸水させることを特徴とす
る。本発明で用いるゲル被覆種子は、ホウレンソウ、ダ
イコン、タマネギ等の植物種子を水性ゲルのアルカリ塩
水溶液に吸水性ポリマーを添加してなる被覆剤で被覆加
工して得られ、その後、このゲル被覆種子を通風乾燥な
どの方法により乾燥することにより容易に長期保存を可
能とし、かつ、播種前に吸水させることにより容易に元
の状態に戻すことができる。
【０００５】水性ゲルのアルカリ塩水溶液としては、ア
ルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンリン酸エ
ステルナトリウム、カゼインナトリウムなどの水溶液、
好ましくはアルギン酸ナトリウムの水溶液が用いられ
る。吸水性ポリマーとしては、デンプンーアクリル酸グ
ラフト共重合体、デンプンアクリロニトリル、ポリアク
リル酸塩系、イソブチレンーマレイン酸共重合体系、酢
酸ビニールアクリル酸エステル共重合体ケン化物などが
挙げられる。
ルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンリン酸エ
ステルナトリウム、カゼインナトリウムなどの水溶液、
好ましくはアルギン酸ナトリウムの水溶液が用いられ
る。吸水性ポリマーとしては、デンプンーアクリル酸グ
ラフト共重合体、デンプンアクリロニトリル、ポリアク
リル酸塩系、イソブチレンーマレイン酸共重合体系、酢
酸ビニールアクリル酸エステル共重合体ケン化物などが
挙げられる。
【０００６】水性ゲルのアルカリ塩水溶液の濃度は、被
覆加工性の上から０．１〜１０％、とくに１〜５％が好
ましい。また、吸水性ポリマーの水性ゲルに対する添加
量は、上記被覆加工性と吸水特性の面から重量で１〜１
０％の範囲が適当である。吸水性ポリマーを含む水性ゲ
ルのアルカリ塩水溶液に対する種子の添加量（個数）
は、ゲル被覆層の厚さが７〜１５mmとなるように適宜選
択する。
覆加工性の上から０．１〜１０％、とくに１〜５％が好
ましい。また、吸水性ポリマーの水性ゲルに対する添加
量は、上記被覆加工性と吸水特性の面から重量で１〜１
０％の範囲が適当である。吸水性ポリマーを含む水性ゲ
ルのアルカリ塩水溶液に対する種子の添加量（個数）
は、ゲル被覆層の厚さが７〜１５mmとなるように適宜選
択する。
【０００７】種子のゲル被覆は、上記吸水性ポリマーを
含む水性ゲルのアルカリ塩水溶液で種子をコーティング
処理した後、２価または３価の金属塩水溶液（Ｃａ，Ｍ
ｇ，Ｂａ等の塩化物の水溶液）と反応させて、コーティ
ング層を不溶化し、これを５〜５０℃、１〜２０時間通
風乾燥する。
含む水性ゲルのアルカリ塩水溶液で種子をコーティング
処理した後、２価または３価の金属塩水溶液（Ｃａ，Ｍ
ｇ，Ｂａ等の塩化物の水溶液）と反応させて、コーティ
ング層を不溶化し、これを５〜５０℃、１〜２０時間通
風乾燥する。
【０００８】乾燥処理したゲル被覆種子は、低温乾燥状
態で保存する。播種に際しては、この乾燥ゲル被覆種子
を水の中に数分から数時間浸漬する。これにより、ゲル
被覆種子は急激に水を吸収し、元の大きさ、形に戻るか
ら、その後は通常のゲル被覆種子と同様の取扱が可能で
ある。
態で保存する。播種に際しては、この乾燥ゲル被覆種子
を水の中に数分から数時間浸漬する。これにより、ゲル
被覆種子は急激に水を吸収し、元の大きさ、形に戻るか
ら、その後は通常のゲル被覆種子と同様の取扱が可能で
ある。
【０００９】
【作用】本発明によるゲル被覆種子の保存・復元方法は
特定の構成を有する被覆ゲル層を用いるため、乾燥によ
り容易に長期保存が可能で、簡単に輸送でき、取扱も容
易である。また、吸水性ポリマーを含有しているので、
水に漬けると迅速に吸水し、元の状態に戻るから、通常
のゲル被覆種子と同様に播種することができる。
特定の構成を有する被覆ゲル層を用いるため、乾燥によ
り容易に長期保存が可能で、簡単に輸送でき、取扱も容
易である。また、吸水性ポリマーを含有しているので、
水に漬けると迅速に吸水し、元の状態に戻るから、通常
のゲル被覆種子と同様に播種することができる。
【００１０】
【実施例】２％のアルギン酸ナトリウム水溶液に、吸水
性ポリマーとしてデンプンーアクリル酸グラフト共重合
体を加え、吸水性ポリマーのアルギン酸ナトリウムに対
する添加量をそれぞれ２．５、５、１０および１５％と
した水溶液を被覆剤として用い、ハクサイ種子をゲル被
覆装置（特開昭６３−３１３５０４号公報）にて被覆加
工した。種子の量は、被覆剤１０００ml当たり８００個
程度になるようにした。
性ポリマーとしてデンプンーアクリル酸グラフト共重合
体を加え、吸水性ポリマーのアルギン酸ナトリウムに対
する添加量をそれぞれ２．５、５、１０および１５％と
した水溶液を被覆剤として用い、ハクサイ種子をゲル被
覆装置（特開昭６３−３１３５０４号公報）にて被覆加
工した。種子の量は、被覆剤１０００ml当たり８００個
程度になるようにした。
【００１１】加工したゲル被覆種子を２０℃にて１２時
間通風乾燥した。１２時間後には、水分はほぼ０％に近
い状態であった。乾燥したゲル被覆種子は密封容器（デ
シケータ）に入れて相対湿度３０％に保った。３０日
後、デシケータ中のゲル被覆種子を取り出し、蒸留水中
に浸漬し約３時間後に取り出した。取り出したゲル被覆
種子は大きさ、形状ともに乾燥前とほぼ同様であった。
また、ゲル被覆種子を発芽試験したところ、いずれも乾
燥前とほぼ同様の発芽率（８５〜９０％）を示した。
間通風乾燥した。１２時間後には、水分はほぼ０％に近
い状態であった。乾燥したゲル被覆種子は密封容器（デ
シケータ）に入れて相対湿度３０％に保った。３０日
後、デシケータ中のゲル被覆種子を取り出し、蒸留水中
に浸漬し約３時間後に取り出した。取り出したゲル被覆
種子は大きさ、形状ともに乾燥前とほぼ同様であった。
また、ゲル被覆種子を発芽試験したところ、いずれも乾
燥前とほぼ同様の発芽率（８５〜９０％）を示した。
【００１２】このゲル被覆種子の吸水性ポリマーの添加
量による加工適性の検討結果を表１に示した。
量による加工適性の検討結果を表１に示した。
【表１】 表１から明らかなように、水性ゲルに対する吸水性ポリ
マーの添加量は、加工適性および吸水特性の面から２．
５〜１０％、とくに２．５〜５％の範囲が適当である。
マーの添加量は、加工適性および吸水特性の面から２．
５〜１０％、とくに２．５〜５％の範囲が適当である。
【００１３】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるゲル
被覆種子の保存・復元方法によれば、低温、乾燥状態で
長期間保存することができ、従って輸送も簡単であり、
水に漬けると容易に吸水して元に戻るので、必要な時に
必要な量を通常のゲル被覆種子と同様に播種することが
できる。
被覆種子の保存・復元方法によれば、低温、乾燥状態で
長期間保存することができ、従って輸送も簡単であり、
水に漬けると容易に吸水して元に戻るので、必要な時に
必要な量を通常のゲル被覆種子と同様に播種することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項１】アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナ
トリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デ
ンプンリン酸エステルナトリウムおよびカゼインナトリ
ウムから選ばれた１種以上の水性ゲルのアルカリ塩水溶
液と、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、ポリア
クリル酸塩系、イソブチレン−マレイン酸共重合体系、
および酢酸ビニールアクリル酸エステル共重合体ケン化
物から選ばれた１種以上の吸水性ポリマーとからなる不
溶化された被覆ゲル層を有するゲル被覆種子を乾燥した
後俣存し、播種前に吸水させることを特徴とするゲル被
覆種子の保存・復元方法。 - 【請求項２】アルギン酸ナトリウムおよびデンプン−ア
クリル酸グラフト共重合体とからなる不溶化された被覆
ゲル層を有するゲル被覆種子を用いることをことを特徴
とする請求項１に記載のゲル被覆種子の保存・復元方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3221687A JP2712919B2 (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | ゲル被覆種子の保存・復元方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3221687A JP2712919B2 (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | ゲル被覆種子の保存・復元方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0556707A JPH0556707A (ja) | 1993-03-09 |
| JP2712919B2 true JP2712919B2 (ja) | 1998-02-16 |
Family
ID=16770709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3221687A Expired - Lifetime JP2712919B2 (ja) | 1991-09-02 | 1991-09-02 | ゲル被覆種子の保存・復元方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2712919B2 (ja) |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3125848B2 (ja) * | 1995-07-14 | 2001-01-22 | 矢崎総業株式会社 | ゲル被覆種子の保存方法 |
| JP4476442B2 (ja) * | 2000-06-20 | 2010-06-09 | アグリテクノ矢崎株式会社 | トルコギキョウのロゼット化による発育不良防止方法 |
| US6557298B2 (en) * | 2000-09-15 | 2003-05-06 | Monsanto Technology, Llc | Treatment of seeds with coatings containing hydrogel |
| JP4542728B2 (ja) * | 2001-09-03 | 2010-09-15 | アグリテクノ矢崎株式会社 | ゲル被覆種子 |
| JP3834215B2 (ja) | 2001-09-07 | 2006-10-18 | アグリテクノ矢崎株式会社 | ゲル被覆種子 |
| EP1781709A4 (en) * | 2004-08-27 | 2011-07-06 | Absorbent Technologies Inc | SUPER ABSORBING POLYMERS IN AGRICULTURAL APPLICATIONS |
| CN100425632C (zh) * | 2006-12-08 | 2008-10-15 | 浙江大学 | 丙烯酸-丙烯酰胺共聚物种衣剂的制备方法 |
| US9238774B2 (en) | 2012-11-02 | 2016-01-19 | Empire Technology Development Llc | Soil fixation, dust suppression and water retention |
| US9174871B2 (en) | 2012-11-02 | 2015-11-03 | Empire Technology Development Llc | Cement slurries having pyranose polymers |
| WO2014088555A1 (en) | 2012-12-04 | 2014-06-12 | Empire Technology Development Llc | High performance acrylamide adhesives |
| UA128342C2 (uk) * | 2019-08-01 | 2024-06-12 | П Е В А С С.Р.О. | Суспензія на основі суперабсорбенту, придатна для гідростимулюючого покриття насіння, та спосіб покриття насіння такою суспензією |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2452861A1 (fr) * | 1979-04-02 | 1980-10-31 | Interox | Semences enrobees et procede pour l'enrobage des semences |
| JPS5620409U (ja) * | 1979-07-25 | 1981-02-23 | ||
| AU586620B2 (en) * | 1984-01-13 | 1989-07-20 | Plant Genetics, Inc. | Artificial seed coats for botanic see analogs |
| JPH0330602A (ja) * | 1989-06-29 | 1991-02-08 | Hiroyoshi Asano | 造粒コーティング種子 |
-
1991
- 1991-09-02 JP JP3221687A patent/JP2712919B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0556707A (ja) | 1993-03-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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