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JP2706337B2 - 化合物半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

化合物半導体薄膜の製造方法

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JP2706337B2
JP2706337B2 JP31067389A JP31067389A JP2706337B2 JP 2706337 B2 JP2706337 B2 JP 2706337B2 JP 31067389 A JP31067389 A JP 31067389A JP 31067389 A JP31067389 A JP 31067389A JP 2706337 B2 JP2706337 B2 JP 2706337B2
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JP
Japan
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group
thin film
compound semiconductor
semiconductor thin
compound
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弘次 佐藤
駿吾 菅原
健 助川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化合物半導体薄膜の製造方法に係り,特に元
素の周期表II b−VI b族元素からなる高品質の化合物半
導体薄膜の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年,青色発光材料として注目されているZnS,ZnSeな
どの化合物半導体薄膜を製造する方法として,有機金属
気相エピタキシャル成長(MOVPE)法と呼ばれる方法が
多く採用されている。この従来のMOVPE法については,
ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジ
ックス 第27巻(1988年)第909頁から912頁(Jap.J.Ap
ll.Phys.,27(1988)pp.909−912)あるいはジャーナル
オブ クリスタル グローウス 第86巻(1988年)第
372頁から第376頁(J.Cryst.Growth,86(1988)pp.372
−376)において論じられている。これらのMOVPE法にお
いては,例えばジエチル亜鉛〔(C2H52Zn〕などの元
素の周期表II b族元素を含む有機金属化合物を気相で熱
分解し,セレン化水素(H2Se)などの元素の周期表VI b
族元素を含む化合物と反応させることによって、ZnSeな
どのII b−VI b族化合物半導体薄膜を基板上に成長させ
ていた。しかしながら,現在に到るまで高い発光効率を
持つ高品質の青色発光材料は実現されていない。そのひ
とつの原因としては,II b−VI b族化合物半導体薄膜の
品質が,GaAs等のIII−V族化合物半導体薄膜に比較して
劣っていることが挙げられる。例えば,単結晶薄膜のX
線評価によって得られる半値幅(狭いほど良い)は,III
−V族化合物半導体薄膜の30秒程度に比較してII b−VI
b族の薄膜は数分程度と悪い値となっている。こうした
原因として,以下に示す問題点が指摘されている。
(1)II b族の元素を含む原料化合物とVI b族の元素を
含む原料化合物とが本質的に反応性に富み,基板上で反
応する前に気相中で反応を起こし,この反応生成物が化
合物半導体薄膜中に取り込まれてしまい品質が低下す
る。
(2)II b族系の有機金属原料化合物から生じた炭素が
薄膜中に混入し,薄膜の品質の低下を招く。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したごとく,従来のMOVPE法になどにより,元素
の周期表II b−VI b族化合物半導体薄膜を製造する方法
において,II b族の元素を含む原料化合物とIV b族の元
素を含む原料化合物とが本質的に反応性に富み,基板上
で分解反応する前に気相中で早期反応を起こしてしま
い,この反応生成物が薄膜中に取り込まれて薄膜の品質
を低下させたり,また特に,II b族系の元素を含む原料
化合物から生じた炭素などが形成される薄膜中に混入さ
れて品質が劣化するなどの問題があった。
本発明の目的は,上記従来技術における問題点を解決
するものであって,化学気相成長法において,特定の一
般式で示される周期表II b族の元素およびVI b族の元素
を含む化合物を原料化合物として用いることにより,一
段と優れた高品質のII b−VI b族化合物半導体薄膜を製
造する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記本発明の目的を達成するために,化学気相反応容
器内に,元素の周期表II b族元素であるZnを含む化合物
および元素の周期表VI b族元素であるS,SeおよびTeより
なる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物
を気相で導入し,これらを熱分解して,上記化学気相反
応容器中に設置した基板上にII b−VI b族化合物半導体
薄膜を形成する方法において,上記Zn元素を含む化合物
として下記一般式(a)〜(d)で示される化合物のう
ちより選択される少なくとも1種の化合物を用いるもの
である。
Zn〔(CH2nXR〕 ……(a) (式中,nは2から5の整数,Xは酸素または硫黄原子,Rは
炭素数1から3のアルキル基を表す。) Zn〔(CH2nNR2 ……(b) (式中,nは2から5の整数,Rは炭素数1から3のアルキ
ル基を表す。) (式中,nは2から5の整数を表す。) Zn(R) ……(d) (式中,Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタ
ジエニル基,フェニル基,置換フェニル基,アリール
基,置換アリール基のうちのいずれかの基を表す。) 〔作用〕 上述した一般式(a)〜(d)で示される原料化合物
を使用することは従来知られていなかった。第1表およ
び第2表に具体的化合物の一例を示すが,本発明はこれ
らに限定されるものではない。本発明の薄膜成長法は,
従来技術における問題点であった早期反応による反応生
成物あるいは炭素などの薄膜内への混入取り込みの問題
を鋭意研究することによって解決したものである。一般
式(a)ないし(b)で示される化合物は,特に早期反
応を抑制することができるものであって,その理由は,
酸素,硫黄,窒素などの原子と亜鉛原子が分子内で配位
結合し,亜鉛原子が中位の電子軌道を持たなくなること
によるものと考えられる。また,一般式(c)ないし
(d)で示される化合物は,特に炭素の混入の抑制がは
かられる。これは,従来の直鎖型のアルキル置換基を含
む化合物ではなく,環状の置換基を有する化合物を用い
ることにより,薄膜内に炭素の混入が大幅に低減できる
ことを見い出したことによるものである。
一方,本発明で使用する原料化合物のなかで室温で固
体のもの,あるいは蒸気圧が低い場合がある。この際,
実際の使用時においては原料化合物の格納ボンベや配管
系を加熱するなどの対策が必要となる。室温で液体の原
料化合物については,従来と同様にバブリングにより反
応容器中に導入することができる。
〔実施例〕
以下に本発明の一実施例を挙げ,図面に基づいて,さ
らに詳細に説明する。
(実施例1) 第1図は本実施例において,ZnSe化合物半導体薄膜の
単結晶膜の製造に用いる化学気相反応装置の構成を示す
系統図である。図において,ZnSe化合物半導体を構成す
るZn元素を含む原料である液体のビス(3−メトキシプ
ロピル)亜鉛が封入されているバブラ容器5内に,ガス
流量コントローラ9により流量調節された水素ガス14を
バブリングさせることにより,Zn元素を所要量含むビス
(3−メトキシプロピル)亜鉛と水素ガス14との混合ガ
スを原料ガスとなし,他方,ZnSe化合物半導体を構成す
るSe元素を含む原料であるセレン化水素のガスボンベ6
により,流量コントローラ12を介してSe元素を所要量含
むセレン化水素を供給し,これに流量コントローラ11を
介して所定流量の水素ガスを加えて原料ガスとして,蒸
気のビス(3−メトキシプロピル)亜鉛を含む原料ガス
と共に,気相で反応容器1内に導入する。反応容器内に
はGaAs基板3が基板ホルダ2の上に配置されていて,高
周波加熱コイル4により所定の温度に加熱され,化学気
相反応により酸素を含むp型導電性のZnSe化合物半導体
の単結晶薄膜が基板上に形成される。このZnSe化合物半
導体薄膜は,GaAsとZnSeの格子常数の不正合は1%以下
であり,良好な単結晶薄膜が形成できる。この単結晶薄
膜の格子常数の不正合は〜5%まで許容されるものであ
って,InP,Si等が基板として使用可能である。なお,8,9
はガス流量コントローラ,13は排気口である。また,必
要に応じてドーパント用有機金属化合物の容器7,流量コ
ントローラ10,を用いてドーピングを行うこともでき
る。
以上説明した化合物半導体の製造装置を用い,ZnSe化
合物半導体薄膜を次の手順で作製した。すなわち,25cc/
分の水素ガスと,温度40℃に加温したビス(3−メトキ
シプロピル)亜鉛のバブラ容器5を通過した25cc/分の
水素ガスとを,1/分の水素ガスに混合希釈して原料ガ
スとなし,反応容器1内に導入した。同時に,水素ガス
で希釈した5容器%の濃度のセレン化水素ガス100cc/分
の原料ガスを,さらに1/分の水素ガスに希釈混合し
た後,反応容器1内に導入し,400℃の温度に加熱された
GaAs基板3上に吹き付けながらZnSe単結晶薄膜を1時間
当り2μmの成膜速度で成長させた。得られたZnSe単結
晶薄膜の表面は,良好な鏡面が形成された薄膜の結晶性
にも問題がなく,高品質のZnSe単結晶薄膜が得られた。
また,ZnSe単結晶薄膜の抵抗値は,106Ω・cm以上の高抵
抗値を示し,さらにX線ロッキングカーブの半値幅は40
秒であり,従来の原料を使用した場合と比較して性能が
大幅に向上した。
なお,不純物を添加する際に不純物メモリ効果(次回
の半導体薄膜成長へ及ぼす効果)が重要なファクタとな
るが,本実施例においては,ビス(3−メトキシプロピ
ル)亜鉛のステンレス配管への付着性が少なく,この点
に関しては何ら問題は生じなかった。
(実施例2〜4) 実施例1において用いたビス(3−メトキシプロピ
ル)亜鉛の代わりに,第3表に示す原料化合物および反
応条件を用いた他は実施例1と同様にしてZnSe薄膜の成
長を行った。いずれの場合(実施例2〜14)において
も,実施例1と同様に優れた特性のZnSe単結晶薄膜が得
られた。
〔発明の効果〕 以上詳細に説明したごとく,本発明の化合物半導体薄
膜の製造方法によれば,原料化合物として,早期反応や
炭素の取り込みを抑制することができる新規な亜鉛系有
機金属化合物を使用するため,高品質で特性に優れた半
導体薄膜を製造することができ,例えば元素の周期表II
b−VI b族化合物半導体薄膜の製造において,青色発光
を示す高品位の化合物半導体薄膜が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1〜6において用いたZnSe単結
晶薄膜の製造装置の構成を示す系統図,第2図は本発明
の実施例7〜14で使用した亜鉛系有機金属化合物の容器
を示す。 1……反応容器、2……基板ホルダ 3……GaAs基板、4……高周波加熱コイル 5……バブラ容器、6……セレン化水素のガスボンベ 7……ドーパント用有機金属化合物の容器 8,9,10,11,12……ガス流量コントローラ 13……排気口、14……水素ガス 15……亜鉛系有機金属化合物の容器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学気相反応容器内に基板を配置し,該基
    板上に,元素の周期表II b族のZn元素を含む化合物およ
    びVI b族のS,SeおよびTeのうちの少なくとも1種を含む
    化合物を気相で導入し,化学気相成長法によって上記基
    板上にII b−VI b族化合物半導体薄膜を形成する方法に
    おいて,上記Zn元素を含む化合物として,下記の一般式
    (a)ないし(d)で示される化合物のうちより選択さ
    れる少なくとも1種の化合物を用いることを特徴とする
    化合物半導体薄膜の製造方法。 Zn〔(CH2nXR〕 ……(a) (式中,nは2から5の整数,Xは酸素または硫黄原子,Rは
    炭素数が1から3のアルキル基を表す。) Zn〔(CH2nNR2 ……(b) (式中,nは2から5の整数,Rは炭素数1から3のアルキ
    ル基を表す。) (式中,nは2から5の整数を表す。) Zn(R) ……(d) (式中,Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペンタ
    ジエニル基,フェニル基,置換フェニル基,アリール
    基,置換アリール基のうちのいずれかの基を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103122454A (zh) * 2011-11-17 2013-05-29 三星康宁精密素材株式会社 氧化锌前驱体和利用该前驱体沉积氧化锌类薄膜的方法

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US20130171341A1 (en) * 2011-11-17 2013-07-04 Samsung Corning Precision Materials Co., Ltd. Zinc oxide precursor and method of depositing zinc oxide-based thin film using the same
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CN103122454B (zh) * 2011-11-17 2015-12-02 康宁精密素材株式会社 氧化锌前驱体和利用该前驱体沉积氧化锌类薄膜的方法

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