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JP2704775B2 - カラートナー - Google Patents

カラートナー

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JP2704775B2
JP2704775B2 JP1302206A JP30220689A JP2704775B2 JP 2704775 B2 JP2704775 B2 JP 2704775B2 JP 1302206 A JP1302206 A JP 1302206A JP 30220689 A JP30220689 A JP 30220689A JP 2704775 B2 JP2704775 B2 JP 2704775B2
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岡戸  謙次
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における
静電荷像を現像するための乾式電子写真用トナーに関す
る。
[従来の技術] 静電手段によって光導電材料の表面に像を形成し現像
することは従来周知である。
即ち米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等、多数の方法が知
られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の
手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜
像上にトナーと呼ばれる極く微細に粉砕された検電材料
を付着させることによって静電潜像に相当するトナー像
を形成する。
次いで必要に応じて紙の如き画像支持体表面にトナー
を転写した後、加熱、加圧或は溶剤蒸気などにより定着
し複写物を得るものである。又トナー画像を転写する工
程を有する場合には、通常残余のトナーを除去するため
の工程が設けられる。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方法は、
例えば、米国特許第2,221,776号明細書に記載されてい
る粉末雲法、同第2,618,552号明細書に記載されている
カスケード現像法、同第2,874,063号明細書に記載され
ている磁気ブラシ法、及び同第3,909,258号明細書に記
載されている導電性磁性トナーを用いる方法などが知ら
れている。
これらの現像法に適用されるトナーとしては一般には
熱可塑性樹脂に着色剤を混合分散後、微粉化したものが
用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン系樹
脂が最も一般的であるが、ポリエステル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等も用いら
れる。着色剤としてはカーボンブラックが最も広く使用
され、又磁性トナーの場合は、酸化鉄系の黒色の磁性粉
が多く用いられる。いわゆる二成分系現像剤を用いる方
式の場合には、トナーは通常ガラスビーズ、鉄粉などの
キャリア粒子と混合されて用いられる。
紙などの最終複写画像形成部材上のトナー像は、熱,
圧力等により支持体上に永久的に定着される。従来よ
り、この定着工程は熱によるものが多く採用されてい
る。
又トナー画像を転写する工程を有する場合には、通
常、感光体上の残余のトナーを除去するための工程が設
けられる。
近年、複写機等においてモノカラー複写からフルカラ
ー複写への展開が急速に進みつつあり、2色カラー複写
機やフルカラー複写機の検討及び実用化も大きくなされ
ている。例えば「電子写真学会誌」Vol 22,No.1(198
3)や「電子写真学会誌」Vol 25,No.1,P52(1986)のご
とく色再現性、階調再現性の報告もある。
しかしテレビ、写真、カラー印刷物のように実物と直
ちに対比されることはなく、又、実物よりも美しく加工
されたカラー画像を見なれた人々にとっては、現在実用
化されているフルカラー電子写真画像は必ずしも満足し
うるものとはなっていない。
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に
3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラ
ートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。
その方法は、まず原稿からの光をトナーの色と補色の
関係にある色分解光透過フィルターを通して光導電層上
に静電潜像を形成させ、次いで現像、転写工程を経てト
ナーを支持体に保持させる。この工程を順次複数回行
い、レジストレーションを合せわつつ、同一支持体上に
トナーを重ね合わせた後、一回の定着によって最終のフ
ルカラー画像を得る。
一般に現像剤がトナーとキャリアとからなるいわゆる
二成分系の現像方式の場合において現像剤は、キャリア
との摩擦によってトナーを所要の帯電量及び帯電極性に
帯電せしめ、静電引力を利用して静電像を現像するもの
であり、従って良好な可視画像を得るためには、主とし
てキャリアとの関係によって定まるトナーの摩擦帯電性
が良好であることが必要である。
今日上記の様な問題に対してキャリアコア剤、キャリ
アコート剤の探索やコート量の最適化、或はトナーに加
える電荷制御剤、流動性付与剤の検討更には母体となる
バインダーの改良などいずれも現像剤を構成するあらゆ
る材料において優れた摩擦帯電性を達成すべく多くの研
究がなされている。
例えば帯電性微粒子のごとき帯電補助剤をトナーに添
加する技術として、特公昭52−32256号公報、特開昭56
−64352号公報には、トナーと逆極性の樹脂微粉末を、
又特開昭61−160760号公報にはフッ素含有化合物をそれ
ぞれ現像剤に添加し、安定した摩擦帯電性を得るという
技術が提案されており今日でも多くの帯電補助剤の開発
が行なわれている。
更に上記のごとき帯電補助剤を添加する手法としては
色々工夫されている。例えばトナー粒子と帯電補助剤と
の静電力或は、ファンデルワールス力等によりトナー粒
子表面に付着せしめる手法が一般的であり、攪拌、混合
機等が用いられる。しかしながら該手法においては均一
に添加剤をトナー粒子表面に分散させることは容易では
なく、又トナー粒子に未付着で添加剤同志が凝集物とな
って、いわゆる遊離状態となった添加剤の存在を避ける
ことは困難である。この様な場合、現像剤としての性能
に影響が出て来る。例えば、トナーの摩擦帯電量が不安
定となり画像濃度が一定せず、又カブリの多い画像とな
る。
或は連続コピー等を行うと帯電補助剤の含有量が変化
し初期時の画像品質を保持することが出来ない、などの
欠点を有していた。
他の添加手法としては、トナーの製造時に結着樹脂や
着色剤と共に、あらかじめ帯電補助剤を添加する手法が
ある。しかしながら、荷電制御剤の均一化が容易でない
こと、又実質的に帯電性に寄与するのは、トナー粒子表
面近傍のものであり、又粒子内部に存在する帯電補助剤
や荷電制御剤は帯電性に寄与しないため、帯電補助剤の
添加量や表面への分散量等のコントロールが容易ではな
い。又この様な手法で得られたトナーにおいてもトナー
の摩擦帯電量が不安定であり前述のごとく現像剤特性を
満足するものを容易に得ることは出来ないなど帯電補助
剤を使用するだけでは十分満足な品質のものが得られて
いないのが実情である。
更に近年、複写機の高精細、高画質化の要求が市場で
は高まっており、当該技術分野では、トナーの粒径を細
かくして高画質カラー化を達成しようという試みがなさ
れているが、粒径が細かくなると単位重量当りの表面積
が増え、トナーの帯電気量が大きくなる傾向にあり、画
像濃度薄や、耐久劣化が懸念されるところである。加え
てトナーの帯電気量が大きいために、トナー同士の付着
力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安定性や補給
トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。
又、カラートナーの場合は、磁性体や、カーボンブラ
ック等の導電性物質を含まないので、帯電をリークする
部分がなく一般に帯電気量が大きくなる傾向にある。こ
の傾向は、特に帯電能の高いポリエステル系を使用した
時により顕著である。
又、特にカラートナーにおいては、下記に示すような
特性が強く望まれている。
(1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再
現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出
来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必要
である。
(2)そのトナー層の下にある異なった色調のトナー層
を妨げない透明性を有する着色トナーでなければならな
い。
(3)構成する各トナーはバランスのとれた色相及び分
光反射特性と十分な彩度を有しなければならない。
このような観点から多くの結着樹脂に関する検討がな
されているが未だ上記の特性を全て満足するトナーは開
発されていない。今日当該技術分野においてはポリエス
テル系の樹脂がカラー用結着樹脂として多く用いられて
いるが、ポリエステル系樹脂からなるトナーは一般に温
湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量過大、高湿下
での帯電量不足といった問題が起こり、広範な環境にお
いても安定した帯電量を有するカラートナーの開発が急
務とされている。
これまでにも環境安定性改良を目的として、特開昭55
−40407号公報、特開昭56−65147号公報等に開示される
ように、残存カルボキシル基量をコントロールするこ
と、すなわち酸価を調節することにより環境安定を図ろ
うとしてきた。しかしながらこれらの提案は、得に低湿
下でのチャージアップに対しての緩和効果は認められる
ものの、長期にわたっての安定性に対してはまだ十分で
はなかった。
特に、カーボンブラックや磁性体を含有しないカラー
トナーにおいては、チャージアップ対策は必須であり、
結着樹脂のみならず、添加剤を含めた各構成材料全てに
おいて、改良する必要がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、温湿度等の環境に左右されにくく、
常に安定した摩擦帯電性と、カブリのない鮮明な画像特
性を有し、且つ耐久安定性に優れたカラートナーを提供
することにある。
又、本発明の更なる目的は流動性が良好なカラートナ
ーを提供することにある。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は、少なくとも非磁性の着色剤含有ポリエステ
ル系樹脂粒子と、流動向上剤とを有する絶縁性非磁性の
カラートナーであって、該着色剤含有ポリエステル系樹
脂粒子が、体積平均径が4〜10μであり、且つ構成成分
がジオール成分とジカルボン酸成分を主成分とし、且つ
−COOHの少なくとも一部がNを含む官能基によって置換
され、該流動向上剤の少なくとも一つが、キャリア芯材
重量に対して0.05〜10重量%の電気絶縁性樹脂でキャリ
ア芯材を被覆した重量平均粒径25〜65μmのキャリアと
摩擦帯電させた時、その帯電量の絶対値が20μc/g以下
であることを特徴とするカラートナーである。
本発明者は、ポリエステル樹脂についての詳細な検討
を行った結果、単に酸価をコントロールするのでなく、
ポリエステルの残存−COOHの少なくとも一部をアミン、
アジン、ピリジニウム塩のようなNを含む官能基によっ
て置き換えることによって、広範囲な環境下で長期にわ
たって帯電の安定性が達成されることを見出した。
即ち、−COOHの少なくとも一部をNを含む官能基に置
き換えることによって高湿下においてトナーは吸湿しに
くくなる。これにより高湿下での帯電の低下はある程度
抑えられる。
又、ポリエステル系樹脂は一般的に低湿下において負
帯電が過大になりやすいが、この現象に対しても、Nを
含有する変性剤で処理することにより、その変性剤の正
帯電能故適度に帯電が中和され、チャージアップの抑制
に非常に効果的である。
更に、本発明をより一層効果的にするためには、酸価
及び水酸基価の総和を3〜20mgKOH/g、好ましくは4〜1
5mgKOH/gにする十分な帯電の環境安定性を有するトナー
及び着色剤の分散性の良好なカラートナーが達成され、
望ましい。
この−COOHの少なくとも一部をNを含有する官能基に
置き換えることは、特開昭61−14644号公報等で開示さ
れているが、これらはあくまで正帯電性トナーを意図し
たものであり、本発明の負帯電性のカラートナーとは全
く異なる発明である。
特開昭62−195676号、特開昭62−195678号、特開昭62
−195680号、特開昭62−195681号、特開昭62−195682号
等によると、末端基量特にカルボキシル基量を減らし過
ぎるとポリエステル樹脂の帯電量は低下すると述べられ
ているが、本発明者はトナー化する際に好ましい適当な
荷電制御剤を含有することにより、帯電量は十分な値を
とることを見出した。又、前述の公報によると流動性向
上及び最低定着温度を下げる目的で水酸基価と酸価との
比を1.2以上に調節することも述べられているが本発明
者は後述する添加剤を使用することにより適度な流動性
及び転写材上でトナー層の適度な充てん状態が達成でき
る故に安定な定着性能が得られることを見出した。
本発明において−COOHの少なくとも一部をNを含む官
能基に置き換えるには、−COOHと反応性のある官能基NH
2,NHR,NR2等を有する変性剤をポリエステル重合反応後
処理すれば良い。
本発明に用いられるポリエステル樹脂のジオール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3
−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジブロピレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ト
リメチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、水素化ビスフェノールA、又次式で表わされる
ビスフェノール誘導体; 次式 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yはそ
れぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2〜
10である。) 等のジオール類が挙げられる。
又、ジカルボン酸成分としてはフマル酸、マレイン
酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン
酸類、又はこれらの酸無水物、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸類又はこ
れらの酸無水物、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族系
ジカルボン酸などが挙げられる。
本発明に用いられるジオール成分としては40〜60mol
%、好ましくは45〜55mol%、ジカルボン酸成分として
は60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが望
ましい。
本発明に用いられるNを含有する変性剤としては、ジ
エタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリエ
タノールアミン、ポリアルキレンアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、等がある。
ポリエステル樹脂の製造方法は以下の通りである。
不活性ガス雰囲気下(多くの場合は窒素ガス存在下)
常圧〜減圧下(0〜−760mmH2O)で反応を行う。攪拌し
ながら60〜270℃好ましくは80〜220℃まで昇温し、10〜
30時間反応を行う。縮合重合により生成された水又はア
ルコール類は不活性ガスを系内に供給しつつ不活性ガス
と共に系外に連続的に排出され、縮合重合が進む様にす
る。例えば攪拌機、コンデンサー、温度計及び不活性ガ
ス導入管を具備した反応容器に酸、アルコールを仕込
む。次いで不活性ガスを導入してガス置換を行う。ガス
置換終了後も不活性ガスを流し続け反応温度を所定温度
にまで昇温し、10〜30時間攪拌しながら縮合重合反応を
行う。縮合重合反応により生成された水又はアルコール
は系外でコンデンサーにて凝縮させ回収する。反応終了
時点で変性剤を加え−COOH基を処理する。
反応終了後、生成水又は加えた変性剤が過剰である場
合の残存変性剤は減圧下で蒸発させ系外でコンデンサー
により凝縮させ回収する。その後、室温まで温度を下げ
ポリエステル樹脂を得る。
ここで、本発明におけるポリエステル樹脂は、その性
質上、酸価と水酸基価の総和が3〜20mgKOH/gとなるこ
とが好ましく、20mgKOH/gを越える場合は、カルボキシ
ル基または水酸基が増え、帯電の環境依存性が大きくな
り、使用できる着色剤、外添剤等の制約が大きくなる。
一方、3mgKOH/gより小さくなると、樹脂中に分散させ
る着色剤の分散が不均一となりやすく、トナー飛散、カ
ブリ等の弊害が生じる恐れがある。
本発明に用いた酸価及び水酸基価の測定方法を以下に
示す。
酸価の測定はサンプル2〜10gを200〜300mlの三角フ
ラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合
溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようで
あれば少量のアセトンを加えても良い。0.1%のブロム
チモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用
い、あらかじめ標定されたN/10水酸化カリウム〜アルコ
ール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量から
次の計算式(I)で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 …(I) (ただしNはN/10 KOHのファクター) また、水酸基価の測定は、試料を過剰のアセチル化
剤、例えば無水酢酸と加熱してアセチル化を行い、生成
したアセチル化物のケン化価を測定したのち、次の式
(II)に従って計算する。
(ただしAはアセチル化後のケン化価、Bはアセチル化
前のケン化価を表わす。) 本発明に係るトナーには、荷電特性を安定化するため
に荷電制御剤を配合しても良い。その際トナーの色調に
影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好ましい。
その際の負荷電制御剤としては例えばアルキル置換サリ
チル酸の金属錯体(例えばジ−tert−ブチルサリチル酸
のクロム錯体又は亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げ
られる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には結着
樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5
〜8重量部添加するのが良い。
本発明に係るトナーと混合して二成分現像剤を調製す
る場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、
2.0〜10重量%、好ましくは3〜9重量%にすると通常
良好な結果が得られる。トナー濃度が2.0重量%未満で
は画像濃度が低く実用不可となり、10重量%を越すとカ
ブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短め
る。
本発明に使用される着色剤としては、公知の染顔料、
例えばフタロシアニンブルー、インダスレンブルー、ピ
ーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、
ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマネントイエ
ロー、ベンジンイエロー等広く使用することができる。
その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感
に反映するよう結着樹脂100重量部に対して12重量部以
下であり、好ましくは0.5〜9重量部である。
本発明に用いる流動向上剤は、本発明に使用するキャ
リアと摩擦帯電させたときの帯電量の絶対値が20μc/g
以下、好ましくは10μc/g以下のものを少なくとも一種
含有する必要がある。
更に好ましくは、流動向上剤として、キャリアとの摩
擦帯電量の絶対値が20μc/g以下でBET法による比表面積
が30〜200m2/gの親水性無機酸化物と、キャリアとの摩
擦帯電量の絶対値が50μc/g以上でBET法による比表面積
が80〜300m2/gの負帯電性疎水性無機酸化物とを着色剤
含有樹脂粒子に対して0.3〜2重量%用いる。
本発明のごとく、結着樹脂としての帯電能を安定化さ
せても、流動向上剤として一般に使用されているケイ酸
微粉末等を単独で使用すると、流動性は確かに向上する
ものの、帯電特性としては、特に低湿下で帯電が過大に
なりやすく、結果としてトナーの環境安定性が損われて
しまう。この傾向はトナーを小粒径化して、流動向上剤
の使用量が多くなる程顕著になってくる。
しかるに本発明のごとく、帯電能の弱い流動向上剤を
少なくとも一種流動向上剤として含有させることによ
り、帯電特性と流動性の両立が達成できたのである。
流動向上剤としては、以下のものが挙げられるが必ず
しもこれに限定されるものではない。例えば、Al2O3,Ti
O2,GeO2,ZrO2,Sc2O3,HfO2等の金属酸化物や、SiC,TiC,W
2C等の炭化物及び、Si3N4,Ge3N4等の窒化物があり、こ
の中でも、Al2O3,TiO2,Sc2O3,ZrO2,GeO2,HfO2が、無色
或は白色であるという点においてカラートナー用に用い
た場合、色彩に悪影響を与えず好適である。又特にAl2O
3,TiO2,ZrO2は、気相法によって容易に好適な粒度のも
のが製造でき易く、より好ましい。又、疎水化処理を施
しても良い。添加する粒子の粒径は細かい方が良好であ
り、本発明では、BET方による比表面積の測定で、30m2/
g〜200m2/gの範囲にある流動性付与剤を用いる。より好
ましくは、50m2/g以上のものがよく、粒径が細かい程ト
ナーの流動特性は良好となる。
前述した疎水性無機酸化物としては特に、ケイ素ハロ
ゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体に
疎水化処理した処理シリカ微粉体を用いることがより好
ましい。該処理シリカ微粉体において、メタノール滴定
試験によって測定された疎水化度が30〜80の範囲の値を
示すようにシリカ微粉体を処理したものが特に好まし
い。
疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応、或は物理
吸着する有機ケイ素化合物などで化学的に処理すること
によって付与される。
好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気
相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合
物で処理する。
その様な有機ケイ素化合物の例は、ヘキサメチルジシ
ラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、
トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、
メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラ
ン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチル
クロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α
−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチルト
リクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、
トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメ
ルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラ
メチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサン及び1分子当り2から12個のシロキサン単位
を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合
した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等があ
る。これらは1種或は2種以上の混合物で用いられる。
市販品としては、タラノックス−500(タルコ社)、
アエロジル(AEROSIL)R−972(日本アエロジル社)等
がある。その添加量は、樹脂粒子に対して0.3〜2重量
%である。
この添加量は、後述する樹脂粒子の粒度分布とも関係
するが、0.3重量%未満では適度な流動性が達成できに
くくなり、2重量%以上であるとトナー飛散やカブリな
どの弊害が生じ易い。
本発明のトナーには必要に応じてトナーの特性を損ね
ない範囲で添加剤を混合しても良いが、そのような添加
剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸亜鉛、ポリ
フッ化ビニリデンの如き滑剤、あるいは定着助剤(例え
ば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンな
ど)等がある。
本発明のトナーの製造にあたっては、熱ロール、ニー
ダー、エクストルーダー等の熱混練機によって構成材料
を良く温錬した後、機械的な粉砕、分級によって得る方
法、或は結着樹脂溶液中に磁性粉等の材料を分散した
後、噴霧乾燥することにより得る方法、又は、結着樹脂
を構成すべき単量体に所定材料を混合した後、この乳化
懸濁液を重合させることによりトナーを得る重合トナー
製造法等それぞれの方法が応用できる。
本発明のカラートナーにおいて、トナーの体積平均粒
径が6〜10μmであり、5μm以下の粒径を有するトナ
ー粒子が15〜40個数%、12.7〜16.0μmが0.1〜5.0体積
%、16μm以上が1.0体積%以下含有され、6.35〜10.1
μmのトナー粒子が下記式 を満足する粒度分布を有するとき、効果はより顕著であ
る。
上記の粒度分布を有するトナーは、感光体上に形成さ
れた潜像に忠実に再現することが可能であり、網点及び
デジタルのような微小なドット潜像の再現にも優れ、特
にハイライト部の階調性及び解像性に優れた画像を与え
る。更に、コピー又はプリントアウトを続けた場合でも
高画質を保持し、且つ、高濃度の画像の場合でも、従来
の非磁性トナーより少ないオナー消費量で良好な現像を
行うことが可能であり、経済性及び、複写機又はプリン
ター本体の小型化にも利点を有するものである。
本発明のカラートナーにおいて、このような効果が得
られる理由は、必ずしも明確でないが、以下のように推
定される。
従来、カラートナーにおいては5μm以下のトナー粒
子は、帯電量コントロールが困難であったり、トナーと
しての流動性を損ない、又、トナー飛散して機械を汚す
成分として、更に、画像のカブリを生ずる成分として、
積極的に減少することが必要であると考えられていた。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、5μm程
度のトナー粒子が高品質な画質を形成するための必須の
成分であることが判明した。
例えば、0.5μm〜30μmに渡る粒度分布を有する非
磁性トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤を用い
て、感光体上の表面電位を変化し、多数のトナー粒子が
現像され易い大きな現像電位コントラストから、ハーフ
トーンへ、更に、ごくわずかのトナー粒子しか現像され
ない小さな微小ドットの潜像まで、感光体上の潜像電位
を変化させた潜像を現像し、感光体上の現像されたトナ
ー粒子を集め、トナー粒度分布を測定したところ、8μ
m以下のトナー粒子が多く、特に5μm程度のトナー粒
子が微小ドットの潜像上に多いことが判明した。即ち、
5μm程度の粒径のトナー粒子が感光体の潜像の現像に
円滑に供給される場合に潜像に忠実であり、潜像からは
み出すことなく、真に再現性の優れた画像が得られるも
のである。
又、12.7μm〜16.0μmのトナー粒子は5μm程度の
粒径のトナー粒子の存在の必要性と関係があるが、5μ
m以下の粒径の非磁性トナー粒子は、確かに微小ドット
の潜像を忠実に再現する能力を有するが、それ自身かな
り凝集性が高く、そのためトナーとしての流動性が損わ
れることがある。
本発明者らは、流動性の改善を目的として、前述の2
種以上の無機酸化物を添加することによって、更なる流
動性の向上を図ったが、無機添加物を添加する手段だけ
では、画像濃度、トナー飛散、カブリ等すべての項目を
満足させる条件が非常に狭いことが確認された。それ
故、本発明者らは、更にトナーの粒度分布について検討
を重ねたところ、5μm以下の粒径のトナー粒子を15〜
40個数%含有させた上で、12.7〜16.0μmのトナー粒子
を0.1〜5.0体積%含有させることによって流動性がより
向上し、高画質化が達成できることを知見した。即ち、
12.7〜16.0μmの範囲のトナー粒子が5μm以下のトナ
ー粒子に対して、適度にコントロールされた流動性を持
つためと考えられ、その結果、コピー又はプリントアウ
トを続けた場合でも高濃度で解像性及び階調性の優れた
シャープな画像が提供されるものである。
更に、0.35〜10.1μmのトナー粒子について、その体
積%(V)と個数%(N)と体積平均粒径(v)のあ
いだに、 なる関係を本発明のカラートナーが満足していると、更
に望ましい。
本発明者らは、粒度分布の状態と現像特性を検討する
なかで、上記式で示すような最も目的を達成するに適し
た粒度分布の存在状態があることを知見した。
即ち、一般的な風力分級によって粒度分布を調整した
場合、上記の値が大きいということは、微小ドット潜像
を忠実に再現する5μm程度のトナー粒子が増加し、上
記値が小さいということは逆に5μm程度のトナー粒子
が減少することを示していると解される。
したがって、vが6〜10μmの範囲にあり、且つ上
記関係式をさらに満足する場合に、良好なトナー流動性
及び忠実な潜像再現性が達成される。
又、16μm以上の粒径のトナー粒子については、1.0
体積%以下にし、できるだけ少ない方が好ましい。
本発明の構成について、更に詳しく説明をする。5μ
m以下の粒径のトナー粒子が全粒子数の15〜40個数%で
あることが良く、更に好ましくは20〜35個数%が良い。
5μm以下の粒径のトナー粒子が15個数%以下である
と、高画質に有効な非磁性トナー粒子が少なく、特に、
コピー又はプリントアウトを続けることによってトナー
が使われるに従い、有効なトナー粒子成分が減少して、
トナーの粒度分布のバランスが悪化し、画質が次第に低
下してくる。又、40個数%以上であると、トナー粒子相
互の凝集状態が生じやすく、本来の粒径以上のトナー塊
となるため、荒れた画質となり、解像性を低下させ、又
は潜像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中ぬ
け気味の画像となりやすい。
又、12.7〜16.0μmの範囲の粒子が0.1〜5.0体積%で
あることが良く、好ましくは0.2〜3.0体積%が良い。5.
0体積%より多いと、画質が悪化すると共に、必要以上
の現像、すなわち、トナーののりすぎが起こり、トナー
消費量の増大を招く。一方、0.1体積%未満であると、
流動性の低下により画像濃度が低下してしまう。
又、16μm以上の粒径のトナー粒子が1.0体積%以下
であることが良く、更に好ましくは0.6体積%以下であ
り、1.0体積%より多いと、細線再現における妨げにな
るばかりでなく、転写において、感光体上に現像された
トナー粒子の薄層面に16μm以上の粗めのトナー粒子が
突出して存在することで、トナー層を介した感光体と転
写紙間の微妙な密着状態を不規則なものとして、転写条
件の変動をひきおこし、転写不良画像を発生する要因と
なりやすい。又、トナーの体積平均径は6〜10μm、好
ましくは7〜9μmであり、この値は先に述べた各構成
要素と切りはなして考えることはできないものである。
体積平均粒径6μm未満では、グラフィク画像などの画
像面積比率の高い用途では、転写紙上のトナーののり量
が少なく、画像濃度の低いという問題点が生じやすい。
これは、先に述べた潜像におけるエッジ部に対して、内
部の濃度が下がる理由と同じ原因によると考えられる。
体積平均粒径10μm以上では解像度が良好でなく、又複
写の初めは良くとも使用を続けていると画質低下を発生
しやすい。
トナーの粒度分布は種々の方法によって測定できる
が、本発明においてコールターカウンターを用いて行っ
た。
即ち、測定装置としてはコールターカウンターTA−II
型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出
力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソ
ナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤と
して界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン
酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分
散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型によ
り、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて、個
数を基準として2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し
て、それから本発明に係るところの値を求めた。
本発明のカラートナーと混合して用いるキャリアにつ
いて、キャリア芯材への被覆樹脂としては電気絶縁性樹
脂を用いるが、トナー材料、キャリア芯材材料により適
宜選択される。本発明においては、キャリア芯材表面と
の接着性を向上するために、少なくともアクリル酸(又
はそのエステル)単量体およびメタクリル酸(又はその
エステル)単量体から選ばれる少なくとも一種の単量体
を含有することが必要である。特にトナー材料として、
負帯電能の高いポリエステル樹脂粒子を用いた場合帯電
を安定する目的で更にスチレン系単量体との共重合体と
することが好ましく、スチレン系単量体の共重合重量比
を5〜70重量%とすることが好ましい。
上記共重合体の平均分子量は、キャリア芯材表面の被
覆の均一性、被覆強度を考慮して数平均分子量が10,000
〜35,000好ましくは17,000〜24,000,重量平均分子量が2
5,000〜100,000好ましくは49,000〜55,000であることが
好ましい。
本発明に使用できるキャリア芯材の被覆樹脂用モノマ
ーとしては、スチレン系モノマーとしては、例えばスチ
レンモノマー、クロロスチレンモノマー、α−メチルス
チレンモノマー、スチレン−クロロスチレンモノマーな
どがあり、アクリル系モノマーとしては、例えばアクリ
ル酸エステルモノマー(アクリル酸メチルモノマー、ア
クリル酸エチルモノマー、アクリル酸ブチルモノマー、
アクリル酸オクチルモノマー、アクリル酸フェニルモノ
マー、アクリル酸2エチルヘキシルモノマー)などがあ
り、メタクリル酸エステルモノマー(メタクリル酸メチ
ルモノマー、メタクリル酸エチルモノマー、メタクリル
酸ブチルモノマー、メタクリル酸フェニルモノマー)な
どがある。
本発明に使用される磁性粒子としては、例えば表面酸
化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マ
ンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は
酸化物などが使用できる。又、その製造方法としては特
別な制約はない。
以下に本発明に係る測定法について述べる。
摩擦帯電量測定: 測定法を図面を用いて詳述する。
第1図はトナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明
図である。先ず、底に500メッシュのスクリーン3のあ
る金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする
トナーとキャリアの重量比1:19の混合物、又外添物の場
合には、1:49の混合物を50〜100ml容量のポリエチレン
製のビンに入れ、約10〜40秒間手で振盪し、該混合物
(現像剤)約0.5〜1.5gを入れ金属製のフタ4をする。
このときの測定容器2全体の重量を秤りW1(g)とす
る。次に、吸引機1(測定容器2と接する部分は少なく
とも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁
6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする。この状
態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除
去する。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とす
る。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)と
する。又、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2(g)
とする。このトナーの摩擦帯電量(μc/g)は下式の如
く計算される。
(但し、測定条件は23℃,60%RHとする。) 又測定に用いるキャリアは250メッシュパス,350メッ
シュオンのキャリア粒子が70〜90重量%有するスチレン
系樹脂コートフェライトキャリアを使用する。
[実施例] 以下に実施例(ポリエステル樹脂の製造例及び該樹脂
を用いたトナーの実施例)をもって本発明を詳細に説明
する。
樹脂製造例1 上記の化合物をモル比で1:1に混合し、温度計、テフ
ロンコーティング攪拌翼、ガラス製窒素導入管、コンデ
ンサー、及び減圧装置を備えた2容量の4つ口丸底フ
ラスコに入れた。ガラス導入管より窒素ガスを導入して
反応器内を不活性雰囲気にしたあと、窒素ガス導入バル
ブと減圧調整バルブの開度を調節することにより、系内
を−750mmH2Oに保った。その後マントルヒーター中に反
応器をおき、170℃に保ち20時間縮合反応を行った。こ
の時の圧力も−750mmH2Oに保った。
これを樹脂Aとする。
この後系内に酢酸を加え、樹脂Bを得た。
更に、系内にジエタノールアミンを加え、変性ポリエ
ステル樹脂Cを得た。
これとは別に、ジエタノールアミンのかわりに、トリ
エタノールアミンを加え、変性ポリエステル樹脂Dを得
た。樹脂A〜Dの酸価、水酸基価を表1に示す。
実施例1 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、3本
ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練し、冷却後ハ
ンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いで
エアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に
得られた微粉砕物を分級して本発明の粒度分布となるよ
うに2〜10μmを選択し着色剤含有樹脂粒子を得た。
上記着色剤含有樹脂粒子100重量部に0.5重量部のヘキ
サメチルジシラザンで処理したシリカ微粉末摩擦帯電量
−55μc/g、BET法による比表面積230m2/gと0.5重量部の
アルミナ微粉体摩擦帯電量1.7μc/g、BET法による比表
面積100m2/gを外添添加してシアントナーとした。
このシアントナーは であった。
このシアントナー6重量部に対し、スチレン50%、メ
チルメタクリレート20%、2エチルヘキシルアクリレー
ト30%からなる共重合体(数平均分子量21250、重量平
均分子量52360)を重量平均粒径45μ、35μ以下4.2%、
35〜40μ、9.5%、74μ以上0.2%の粒度分布を有するCu
−Zn−Fe系フェライトキャリアに0.5%コーティングし
たキャリアを総量100重量部になるように混合し現像剤
とした。
この現像剤を用いて市販の普通紙カラー複写機(カラ
ーレーザーコピア500キヤノン製)にて現像コントラス
トが350Vとなるよう調整し、画出ししたところ得られた
画像は濃度1.52と高くカブリも全くない鮮明なものであ
った。以後更に10,000枚のコピーを行なったがその間の
濃度低下は0.05と小さく、カブリ、鮮明さも初期と同等
のものが得られた。又低温低湿下(20℃,10%RH)での
画像濃度も1.45と高く本発明により低湿下での帯電量制
御に効果があったことを示唆している。
又高温高湿(30℃/80%)でも画像濃度1.55〜1.60と
安定していた。
更に、23℃/60%RH、20℃/10%、30℃/80%の各環境
に1ヵ月放置後の画像においても、全く異常は認められ
なかった。
実施例2 樹脂Cのかわりに樹脂Dを使用する以外は、実施例1
と同様に画出しを行ったところ、15℃/10%下で画像濃
度が0.05低下し、30℃/80%下で画像濃度が0.10高く若
干環境特性は低下したが、十分に実用に耐え得るもの
で、良好な画像が得られた。
比較例1 実施例1において、樹脂Bを用いる以外は実施例1と
同様に行ったところ、低湿下(20℃/10%)での画像濃
度1.40と低く、1000枚の画出しで1.20と低下してしまっ
た。
比較例2 実施例1において、樹脂Aを用いる以外は実施例1と
同様に画出しを行ったところ、低湿下での画像濃度が1.
35と低く、又高湿下(30℃/80%)での画像濃度が1.72
と高く環境安定化は達成されていなかった。
実施例3 実施例1において、アルミナ微粉体のかわりに、−10
μc/gで80m2/gの比表面積を有するチタン微粉体0.7重量
部を使用する以外は実施例1と同様に行ったところ良好
な結果が得られた。
比較例3 実施例1において、シリカ微粉末1.2重量部、アルミ
ナ微粉末1重量部を使用する以外は実施例1と同様に画
出しを行ったところ、初期は良好であったが、高温高湿
下(30℃/80%)で200枚位からトナー飛散が発生してし
まった。
比較例4 実施例1において、アルミナ微粉体を使用しない以外
は実施例1と同様に行ったところ、20℃/10%下で初期
画像濃度が1.25と低く、更に5,000枚のコピーによって
1.25から1.10と低下した。
比較例5 実施例1で用いたアルミナ微粉体をジメチルシリコン
オイルで疎水化処理を行い、磁性粒子との帯電量が−25
μc/gの疎水性アルミナ微粉体を得た。この微粉体0.5重
量部を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行った
ところ20℃/10%下で、1,000枚位の耐久によりカブリが
発生し、ガサツキの多い画像となってしまった。
実施例4 実施例1においてフタロシアニン顔料のかわりに、CI
ピグメントイエロー17 3.5重量部を使用したイエロート
ナーとCIソルベントレッド49を0.9重量部、CIソルベン
トレッド52を1.0重量部使用したマゼンタトナーと、CI
ピグメントイエロー17を、1.2重量部、CIピグメントレ
ッド5を2.8重量部、CIピグメントブルー15を1.5重量部
使用した黒色トナーの3色のトナーを粒度分布がシアン
トナーと略同一となるように調整し実施例1で用いたシ
アントナーを含めて計4色のトナーでフルカラー画像を
得た。5,000枚の耐久においても高画質、高濃度な画像
が得られ、高温高湿下でのトナー飛散、カブリも極力少
なかった。
[発明の効果] 以上の様に本発明によると、いわゆる環境においても
高品質の画像を長期間安定して供給できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明において摩擦帯電量を測定する装置の説
明図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも非磁性の着色剤含有ポリエステ
    ル系樹脂粒子と、流動向上剤とを有する絶縁性非磁性の
    カラートナーであって、該着色剤含有ポリエステル系樹
    脂粒子が、体積平均径が4〜10μであり、且つ構成成分
    がジオール成分とジカルボン酸成分を主成分とし、且つ
    −COOHの少なくとも一部がNを含む官能基によって置換
    され、該流動向上剤の少なくとも一つが、キャリア芯材
    重量に対して0.05〜10重量%の電気絶縁性樹脂でキャリ
    ア芯材を被覆した重量平均粒径25〜65μmのキャリアと
    摩擦帯電させた時、その帯電量の絶対値が20μc/g以下
    であることを特徴とするカラートナー。
  2. 【請求項2】カラートナーの体積平均径が6〜10μmで
    あり、5μm以下の粒径を有するトナー粒子が15〜40個
    数%、12.7〜16.0μmが0.1〜5.0体積%、16μm以上が
    1.0体積%以下含有され、6.35〜10.1μmのトナー粒子
    が下記式 を満足することを特徴とする請求項(1)記載のカラー
    トナー。
  3. 【請求項3】流動向上剤として、キャリアとの摩擦帯電
    量の絶対値が20μc/g以下でBET法による比表面積が30〜
    200m2/gの親水性無機酸化物と、キャリアとの摩擦帯電
    量の絶対値が50μc/g以上でBET法による比表面積が80〜
    300m2/gの負帯電性疎水性無機酸化物とを着色剤含有樹
    脂粒子に対して0.3〜2重量%添加していることを特徴
    とする請求項(1)又は(2)記載のカラートナー。
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