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JP2789908B2 - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

内燃機関の蒸発燃料処理装置

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Publication number
JP2789908B2
JP2789908B2 JP2394992A JP2394992A JP2789908B2 JP 2789908 B2 JP2789908 B2 JP 2789908B2 JP 2394992 A JP2394992 A JP 2394992A JP 2394992 A JP2394992 A JP 2394992A JP 2789908 B2 JP2789908 B2 JP 2789908B2
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JP
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fuel
amount
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air
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JP2394992A
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昭憲 長内
隆晟 伊藤
義彦 兵道
徹 木所
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸発燃料(ベーパ)をキ
ャニスタに蓄え、機関運転状態に応じて吸気系に放出し
て処理する内燃機関の蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来装置としては、特願平2−1840
84号に記載の如く、パージを行うときはパージの開始
から徐々にパージ弁開度を増大させて空燃比の急変動を
防止するものがある。
【0003】また、特開昭61−38153号に記載の
如く、燃料カットと連動してパージを停止し、燃料カッ
トの行われない減速時にパージを行って減速時の触媒過
熱防止及びキャニスタの有効活用を図るものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開昭61−3
8153に記載の燃料カットと連動してパージを停止す
る装置は、カット後のパージ再開時パージ量を漸増させ
る手段を有さないので、パージ再開時にペーパがキャニ
スタより一度に放出され、空燃比が大きく変動してしま
うといった問題がある。また、前述の特願平2−184
084に記載のパージ開始から除々にパージ弁開度を増
大させる装置は、燃料カットを終了してパージを再開す
るときパージ弁開度が零から除々に増大するので、所望
のパージ弁開度となるまでに時間がかかり、パージが遅
れることがあり、パージ量が充分に増大される前に燃料
カットのオンオフが短い周期で繰り返されると全体とし
てのパージ量が非常に少なくなってしまうことも考えら
れる。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
燃料カット終了によるパージ再開時のパージ量を燃料カ
ット前の蒸発燃料濃度に基づき設定し、かつ前記設定さ
れたパージ量と前記蒸発燃料濃度に基づいて算出される
補正量により燃料噴射量を補正することにより、空燃比
の乱れが生じることなく早期のパージを実行できる内燃
機関の蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の内燃機関の蒸発
燃料処理装置は、図1(A)の原理図に示す如く、キャ
ニスタM1に蓄えた蒸発燃料をパージ制御弁M3でパー
ジ量を制御しつつ内燃機関の吸気通路にパージして処理
し、燃料カット時には上記蒸発燃料のパージを停止させ
る内燃機関の蒸発燃料処理装置において、 パージ時の蒸発燃料濃度を検出するベーパ濃度検出手段
M6と、 パージ時の、ベーパ濃度と、その時のパージ量に基づき
燃料噴射量の補正量を算出し、その補正量により燃料噴
射量を補正する噴射量補正手段M8と、 上記の燃料カットを終了してパージを再開するとき燃料
カット前の蒸発燃料濃度に基づいたパージ量に設定する
再開パージ量設定手段M7を有する。
【0007】また、図1(B)に示す如く、上記噴射量
補正手段M8による燃料噴射量の補正を燃料カットを終
了してパージを再開した後所定時間だけ遅延する遅延手
段M9を有する。
【0008】
【作用】本発明において、キャニスタM1に蓄えた蒸発
燃料はパージ制御弁制御手段M2に制御されたパージ制
御弁M3でパージ量を制御されて内燃機関M4の吸気通
路にパージされて処理される。燃料噴射制御手段M5に
よる燃料カット時にはパージ制御弁制御手段M2は、上
記蒸発燃料のパージを停止させる。
【0009】再開パージ量設定手段M7は、上記の燃料
カットを終了してパージを再開するときベーパ濃度検出
手段M6によって検出された燃料カット前の蒸発燃料濃
度に基いたパージ量に設定する。
【0010】また、噴射量補正手段M8は、吸気通路に
パージされる燃料量に基づき燃料噴射弁から噴射される
燃料噴射量を補正する。
【0011】遅延手段M9は、上記噴射量補正手段M8
による燃料噴射量の補正を燃料カットを終了してパージ
を再開した後所定時間だけ遅延する。
【0012】
【実施例】図2は本発明装置の一実施例の構成図を示
す。同図中、1は機関本体、2は吸気枝管、3は排気マ
ニホルド、4は各吸気枝管2に夫々取付けられた燃料噴
射弁を示す。各吸気枝管2は共通のサージタンク5に連
結され、このサージタンク5は吸気ダクト6及びエアフ
ローメータ7を介してエアクリーナ8に連結される。吸
気ダクト6内にはスロットル弁9が配置される。また、
図3に示されるように内燃機関は活性炭10を内蔵した
キャニスタ11を具備する。このキャニスタ11は活性
炭10の両側に夫々燃料蒸気室12と大気室13とを有
する。燃料蒸気室12は一方では導管14を介して燃料
タンク15に連結され、他方では導管16を介してサー
ジタンク5内に連結される。導管16内には電子制御ユ
ニット20の出力信号により制御されるパージ制御弁1
7が配置される。燃料タンク15内で発生した燃料蒸気
は導管14を介してキャニスタ11内に送り込まれて活
性炭10に吸着される。パージ制御弁17が開弁すると
空気が大気室13から活性炭10内を通って導管16内
に送り込まれる。空気が活性炭10内を通過する際に活
性炭10に吸着されている燃料蒸気が活性炭10から脱
離され、斯くして燃料蒸気を含んだ空気、即ちベーパが
導管16を介してサージタンク5内にパージされる。
【0013】電子制御ユニット20はディジタルコンピ
ュータからなり、双方向性バス21によって相互に接続
されたROM(リードオンリメモリ)22,RAM(ラ
ンダムアクセスメモリ)23,CPU(マイクロプロセ
ッサ)24,入力ポート25及び出力ポート26を具備
する。エアフローメータ7は吸入空気量に比例した出力
電圧を発生し、この出力電圧がAD変換器27を介して
入力ポート25に入力される。スロットル弁9にはスロ
ットル弁9がアイドリング開度のときにオンとなるスロ
ットルスイッチ28が取付けられ、このスロットルスイ
ッチ28の出力信号が入力ポート25に入力される。機
関本体1には機関冷却水温に比例した出力電圧を発生す
る水温センサ29が取付けられ、この水温センサ29の
出力電圧がAD変換器30を介して入力ポート25に入
力される。排気マニホルド3にはO2 センサ31が取付
けられ、このO2 センサ31の出力信号がAD変換器3
2を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポー
ト25にはクランクシャフトが例えば30度回転する毎
に出力パルスを発生するクランク角センサ33が接続さ
れる。CPU24ではこの出力パルスに基づいて機関回
転数が算出される。一方、出力ポート26は対応する駆
動回路34,35を介して燃料噴射弁4及びパージ制御
弁17に接続される。
【0014】図3に示す内燃機関では基本的には次式に
基いて燃料噴射時間TAUが算出される。
【0015】 TAU=TP・{1+K+(FAF−1)+FPG} ここで各係数は次のものを表わしている。
【0016】TP:基本燃料噴射時間 K:補正係数 FAF:フィードバック補正係数 FPG:パージA/F補正係数 基本燃料噴射時間TPは空燃比を目標空燃比とするのに
必要な実験により求められた噴射時間であってこの基本
燃料噴射時間TPは機関負荷Q/N(吸入空気量Q/機
関回転数N)及び機関回転数Nの関数として予めROM
22内に記憶されている。
【0017】補正係数Kは暖機増量係数や加速増量係数
を一まとめにして表わしたもので増量補正する必要がな
いときにはK=0となる。
【0018】パージA/F補正係数FPGはパージが行
われたときに噴射量を補正するためのものであり、従っ
てパージが行われていないときはFPG=0となる。
【0019】フィードバック補正係数FAFはO2 セン
サ31の出力信号に基いて空燃比を目標空燃比に制御す
るためのものである。目標空燃比としてはどのような空
燃比を用いてもよいがこの実施例では目標空燃比が理論
空燃比とされており、従って以下目標空燃比を理論空燃
比とした場合について説明する。なお、目標空燃比が理
論空燃比であるときにはO2 センサ31として排気ガス
中の酸素濃度に応じ出力電圧が変化するセンサが使用さ
れる。このO2 センサ31は空燃比が過濃側のとき、即
ちリッチのとき0.9 (V)程度の出力電圧を発生し、空
燃比が稀薄側のとき、即ちリーンのとき0.1 (V)程度
の出力電圧を発生する。まず初めにこのO2 センサ31
の出力信号に基いて行われるフィードバック補正係数F
AFの制御について説明する。
【0020】図3はフィードバック補正係数FAFの算
出ルーチンを示しており、このルーチンは例えばメイン
ルーチン内で実行される。
【0021】同図中、まず初めにステップ40において
2 センサ31の出力電圧Vが0.45(V)よりも高いか
否か、即ちリッチであるか否かが判別される。V≧0.45
(V)のとき、即ちリッチのときにはステップ41に進
んで前回の処理サイクル時にリーンであったか否かが判
別される。前回の処理サイクル時にリーンのとき、即ち
リーンからリッチに変化したときにはステップ42に進
んでフィードバック補正係数FAFがFAFLとされ、
ステップ43に進む。ステップ43ではフィードバック
補正係数FAFからスキップ値Sが減算され、従って図
4に示されるようにフィードバック補正係数FAFはス
キップ値Sだけ急激に減少せしめられる。次いでステッ
プ44ではFAFLとFAFRの平均値FAFAVが算
出される。一方、ステップ41において前回の処理サイ
クル時にはリッチであったと判別されたときはステップ
45に進んでフィードバック補正係数FAFから積分値
K(K≪S)が減算される。従って図4に示されるよう
にフィードバック補正係数FAFは徐々に減少せしめら
れる。
【0022】一方、ステップ40においてV<0.45
(V)であると判断されたとき、即ちリーンのときには
ステップ46に進んで前回の処理サイクル時にリッチで
あったか否かが判別される。前回の処理サイクル時にリ
ッチのとき、即ちリッチからリーンに変化したときには
ステップ47に進んでフィードバック補正係数FAFが
FAFRとされ、ステップ48に進む。ステップ48で
はフィードバック補正係数FAFにスキップ値Sが加算
され、従って図4に示されるようにフィードバック補正
係数FAFはスキップ値Sだけ急激に増大せしめられ
る。次いでステップ44ではFAFLとFAFRの平均
値FAFAVが算出される。一方、ステップ46におい
て前回の処理サイクル時にはリーンであったと判別され
たときはステップ49に進んでフィードバック補正係数
FAFに積分値Kが加算される。従って図4に示される
ようにフィードバック補正係数FAFは徐々に増大せし
められる。
【0023】リッチとなってFAFが小さくなると燃料
噴射時間TAUが短かくなり、リーンとなってFAFが
大きくなると燃料噴射時間TAUが長くなるので空燃比
が理論空燃比に維持されることになる。なお、パージ作
用が行われていないときには図4に示すようにフィード
バック補正係数FAFは1.0 を中心として変動する。ま
た、ステップ44において算出された平均値FAFAV
はフィードバック補正係数FAFの平均値を示してい
る。
【0024】図4からわかるようにフィードバック補正
係数FAFは積分定数Kでもって比較的ゆっくりと変化
せしめられるので多量のパージベーパが急激にサージタ
ンク5内にパージされて空燃比が急激に変動するともは
や空燃比を理論空燃比に維持することができない、斯く
して空燃比が変動することになる。従って本実施例では
空燃比が変動するのを阻止するためにパージを行うとき
にはパージ率を徐々に増大させるようにしている。この
ようにパージ率を徐々に増大させるとパージ量の増大中
であってもフィードバック補正係数FAFによるフィー
ドバック制御によって空燃比は理論空燃比に維持され、
斯くして空燃比が変動するのを阻止することができる。
【0025】ところが例えばパージ中に加速運転が行わ
れると冒頭で述べたように吸入空気中のパージベーパ濃
度が大幅に変動し、従って空燃比が大幅に変動するため
にただ単にパージ量を徐々に増大させても空燃比が変動
することになる。そこでこのような過度運転時における
空燃比の変動を阻止するために機関運転状態により定ま
る基準パージ率である最大パージ率を用いてパージ量を
制御するようにしている。次にこのパージ量の制御方法
について説明する。
【0026】最大パージ率MAXPGはパージ制御弁1
7を全開にしたときのパージ量と吸入空気量との比を表
わしている。この最大パージ率MAXPGの例が下記の
表1に示されている。
【0027】
【表1】
【0028】表1からわかるようにこの最大パージ率M
AXPGは機関負荷Q/Nと機関回転数Nとの関数であ
り、この最大パージ率MAXPGは機関負荷Q/Nが低
くなるほど大きくなり、機関回転数Nが低くなるほど大
きくなる。パージを行う際にはまず初めに目標パージ率
TGTPGを一定割合でゆっくりと増大せしめた後に目
標パージ率が一定値に達すると目標パージ率を一定に維
持し、最大パージ率MAXPGに対する目標パージ率T
GTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁割合が
制御される。この実施例ではパージ制御弁17の開弁時
間のデューティー比を制御するようにしているのでこの
場合には最大パージ率MAXPGに対する目標パージ率
TGTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁時間
のデューティー比が制御される。
【0029】即ち、パージガス中の蒸発燃料の量はわか
らないのでパージ制御弁17を全開したときに吸入空気
中のパージベーパ濃度がどの位になるかはわからない。
しかしながらキャニスタ11の活性炭10への燃料蒸気
の吸着量が同じ場合には吸入空気中のパージベーパ濃度
は最大パージ率MAXPGに比例する。従って吸入空気
中のパージベーパ濃度を一定とするためには最大パージ
率MAXPGが小さくなるほどパージ制御弁17の開度
を大きくしてパージ量を増大させなければならない。云
い換えると目標パージ率TGTPGが一定に維持されて
いる場合には最大パージ率MAXPGに対する目標パー
ジ率TGTPGの割合に応じてパージ制御弁17の開弁
割合を制御すれば、即ち最大パージ率MAXPGが小さ
くなるほどパージ制御弁17の開度を大きくすれば機関
運転状態にかかわらずに吸入空気中のパージベーパ濃度
は一定となり、従って過渡運転時であっても空燃比は変
動しないことになる。一方、目標パージ率TGTPGが
徐々に増大せしめられている間は吸入空気中のパージベ
ーパ濃度は目標パージ率TGTPGに比例して増大し、
このとき過度運転が行われたとしても吸入空気中のパー
ジベーパ濃度は目標パージ率TGTPGに比例する。即
ち、目標パージ率TGTPGが同一であればパージベー
パ濃度は機関運転状態の影響を全く受けない。従って目
標パージ率TGTPGが増大せしめられているときに加
速運転が行われたとしても空燃比は変動せず、フィード
バック補正係数FAFによるフィードバック制御によっ
て空燃比は理論空燃比に維持され続けることになる。
【0030】パージ作用が開始されると通常は目標パー
ジ率TGTPGと共に増大する実際のパージ率PRGが
徐々に増大せしめられる。次いで加速運転が行われて吸
入空気量Qが増大すると最大パージ率MAXPGが小さ
くなり、パージ制御弁17に対するデューティー比PG
DUTYが増大せしめられる。その結果、上述したよう
に吸入空気中のパージベーパ濃度はパージ率PGRの増
大に比例して増大し、斯くして空燃比が変動しないこと
になる。
【0031】一方、パージ作用が開始されると空燃比を
理論空燃比に維持すべくフィードバック補正係数FAF
は小さくなり、フィードバック補正係数FAFの平均値
FAFAVはパージ作用が開始されると徐々に小さくな
る。この場合、吸入空気中のパージベーパ濃度が高いほ
どフィードバック補正係数FAFの減少量が増大し、こ
のときフィードバック補正係数FAFの減少量は吸入空
気中のパージベーパ濃度に比例するのでフィードバック
補正係数FAFの減少量から吸入空気中のパージベーパ
濃度がわかることになる。この場合、上述したようにパ
ージベーパ濃度は過度運転の影響を受けず、過度運転時
であっても吸入空気中のパージベーパ濃度は目標パージ
率TGTPGに比例し、単位目標パージ率当りのパージ
ベーパ濃度と目標パージ率との積は過度運転が行われた
としても目標パージ率TGTPGに比例する。従ってフ
ィードバック補正係数FAFが減少したときにパージベ
ーパ濃度、或いは単位パージ率当りのパージベーパ濃度
と目標パージ率との積に基いて燃料噴射量を補正すれば
過度運転時であろうとなかろうと空燃比を理論空燃比に
維持できることになる。
【0032】ここで、燃料カット時にパージを停止した
後、燃料カットを終了してパージを再開したときに目標
パージ率を零から徐々に増大させたのではパージが遅れ
てしまう。このため本実施例ではパージ再開時に燃料カ
ット前のパージベーパ濃度に応じた目標パージ率TGT
PGを設定し、パージ再開から所定時間はこの目標パー
ジ率TGTPGでパージを行い、その後、パージ率を増
大させて早期のパージを行う。
【0033】次にパージベーパ濃度に基く噴射量の補正
についてより詳細に説明する。
【0034】パージが行われるとフィードバック補正係
数FAFは吸入空気中のパージベーパ濃度に対応する値
まで減少する。しかしながら他の原因、例えばエアフロ
ーメータ7による計量誤差によってもフィードバック補
正係数FAFは減少する。従ってフィードバック補正係
数FAFの変動がパージによるものか否かを判断しなけ
ればならない。ところがパージによるフィードバック補
正係数FAFの減少量は他の原因によるフィードバック
補正係数FAFの減少量に比べて大きくなる。しかしな
がらフィードバック補正係数FAFを固定してオープン
ループ制御をする場合のことを考えるとフィードバック
補正係数FAFは大きく減少させることはできない。そ
こでフィードバック補正係数FAFの平均値FAFAV
が或る程度低下したときにはフィードバック補正係数F
AFが低下するのを抑制し、フィードバック補正係数F
AFの低下が抑制された後は単位目標パージ率当りのパ
ージベーパ濃度を表わす係数FPGAを用いてパージベ
ーパ濃度を求めるようにしている。
【0035】次のこの係数FPGAについて説明する。
本実施例では、フィードバック補正係数FAFを下限し
きい値(FBA−X)よりもできる限り減少させないよ
うにしている。フィードバック補正係数FAFが下限し
きい値(FBA−X)よりも小さくなり、かつリッチの
ときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数F
PGAを増大せしめる。前述したパージA/F補正係数
FPGは単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数
FPGAと、目標パージ率TGTPGに対応するパージ
率PRGとの積の負(FPG=−FPGA・PRG)の
形で表わされ、従って単位目標パージ率当りのパージベ
ーパ濃度係数FPGAが増大すると前述した燃料噴射時
間TAUの計算式からわかるように燃料噴射量が減少せ
しめられる。云い換えると単位目標パージ率当りのパー
ジベーパ濃度係数FPGAが大きくなると燃料噴射量が
減少せしめられるのでフィードバック補正係数FAFの
減少作用が抑制されることになる。
【0036】図2に示す内燃機関では機関減速運転時に
燃料噴射弁4からの燃料噴射が停止される。燃料噴射が
停止されたときに蒸発燃料をパージすると、この蒸発燃
料は燃焼することなく排気マニホルド3内に排出され
る。従って燃料噴射が停止されたときにはパージ作用を
停止しなければならない。燃料噴射を停止すべきときに
はカットフラグがセットされ、このカットフラグにセッ
トされたときにはパージ作用が停止せしめられる。
【0037】図5に示すカットフラグ処理ルーチンは例
えばメインルーチン内で実行される。
【0038】まず初めにステップ50においてカットフ
ラグがセットされているか否かが判別される。カットフ
ラグがセットされていないときにはステップ51に進ん
でスロットルスイッチ28がオンであるか否か、即ちス
ロットル弁9がアイドリング開度であるか否かが判別さ
れる。スロットル弁9がアイドリング開度であるときに
はステップ52に進んで機関回転数Nが一定値、例えば
1200r.p.m 以上であるか否かが判別される。N≧1200r.
p.m のときにはステップ53に進んでカットフラグがセ
ットされる。即ち、スロットル弁9がアイドリング開度
であってN≧1200r.p.m のときは減速運転時であると判
断し、カットフラグがセットされる。
【0039】カットフラグがセットされるとステップ5
0からステップ54に進んでスロットルスイッチ28が
オンであるか否か、即ちスロットル弁9がアイドリング
開度であるか否かが判別される。スロットル弁9がアイ
ドリング開度であるときにはステップ56に進んで機関
回転数Nが1000r.p.m よりも低いか否かが判別される。
N≦1000r.p.m のときにはステップ57に進んでカット
フラグがリセットされる。一方、N>1000r.p.m でもス
ロットル弁9が開弁せしめられればステップ54からス
テップ57にジャンプしてカットフラグがリセットされ
る。カットフラグがセットされると燃料噴射が停止せし
められる。
【0040】図6はイグニッションスイッチ(図示せ
ず)がオンにされたときに実行されるパージ制御のイニ
シャライズ処理ルーチンを示している。
【0041】まず初めにステップ60においてパージカ
ウント値PGCがクリアされ、次いでステップ61では
タイマカウント値Tがクリアされる。次いでステップ6
2ではパージ制御弁17に対する駆動デューティー比P
GDUTYが零とされ、次いでステップ63ではパージ
率PGRが零とされる。次いでステップ64ではパージ
ベーパ濃度係数FPGAが零とされ、ステップ65でベ
ーパ濃度算出回数CFPGAが零とされる。次いでステ
ップ66ではパージ制御弁17が閉弁せしめられ、次い
で処理サイクルを完了する。
【0042】図7から図10はパージ制御ルーチンを示
しており、このルーチンは1msec毎の割込みによって実
行される。
【0043】図7において、まず初めにステップ70に
おいてタイマカウント値Tが1だけインクリメントされ
る。次いでステップ71ではタイマカウント値Tがパー
ジ制御弁17の開閉周期である100 msecに対応した100
であるか否かが判別される。T=100 のときにはステッ
プ72に進む。従ってステップ72には100 msec毎に進
むことになる。ステップ72ではタイマカウント値Tが
クリアされ、次いでステップ73に進む。ステップ73
ではパージカウント値PGCが1より大きいか否かが判
別される。イグニッションがオンにされた後に始めてス
テップ73に進んだときにはパージカウント値PGCは
零であるので図8に示すステップ74に進む。
【0044】ステップ74ではパージ制御を開始すべき
条件が成立したか否かが判別される。機関冷却水温70
℃でありかつ空燃比のフィードバック制御が開始されて
おりかつフィードバック補正係数FAFのスキップ処理
が5回以上行われたときはパージ制御を開始すべき条件
が成立したと判断される。パージ制御を開始すべき条件
が成立していないときは処理サイクルを完了する。これ
に対してパージ制御を開始すべき条件が成立したときは
ステップ75に進んでパージカウント値PGCが1とさ
れる。次いでステップ76では図3に示すルーチンにお
いて算出されたフィードバック補正係数FAFの平均値
FAFAVがFBAとされる。従ってFBAはパージ制
御を開始すべき条件が成立したときのフィードバック補
正係数FAFの平均値FAFAVを表わしていることに
なる。次いで処理サイクルを完了する。
【0045】パージ制御を開始すべき条件が成立したと
判断されたときには図7のステップ73においてパージ
カウント値PGC≧1であると判断されるのでステップ
77に進む。ステップ77ではカットフラグがセットさ
れているか否か、即ち燃料噴射が停止されているか否か
が判別される。カットフラグがセットされていないとき
にはステップ78に進んで空燃比のフィードバック制御
中であるか否かが判別される。フィードバック制御中で
あればステップ79でパージカウント値PGCが1だけ
インクリメントされ、次いでステップ80ではパージカ
ウント値PGCが6以上か否かが判別される。パージカ
ウント値PGC≧6であると判別されると、即ちパージ
制御を開始すべき条件が成立してから500 msecが経過す
ると図9のステップ83に進む。
【0046】ステップ83からステップ93はパージベ
ーパ濃度を算出する部分であり、この部分については後
で説明する。次いでステップ95ではパージ率PGRに
予め定められた一定のパージ変化率PGAを加算するこ
とによって目標パージ率TGTPGが算出される。従っ
て目標パージ率TGTPGは100 msec毎にPGAずつ増
大せしめられる。次いで図10のステップ99に進む。
【0047】一方、図7のステップ80でパージカウン
ト値PGC<6であると判別されると、図9のステップ
96に進み、ベーパ濃度算出回数CFPGAが4以上か
否か判別される。CFPGA<4でパージベーパ濃度が
充分に算出されてない場合はステップ95に進んで従来
通りパージ率を零から徐々に増加させるように制御を行
って燃料カットからのパージ再開時の空燃比が乱れない
ようにする。
【0048】CFPGA≧4でパージベーパ濃度を正し
く算出した後はステップ97に進み、次式によりパージ
再開時の目標パージ率TGTPGを算出する。
【0049】TGTPG=0.2 /FPGA つまり、パージA/F補正係数FPGが−20%になる
ように目標パージ率TGTPGを設定する。これによっ
て燃料カットからのパージ再開時の空燃比の乱れが少な
くエミッションが悪化することを防止して、しかもパー
ジが早期にパージを実行できる。燃料カット期間が長い
場合は、その間に発生したベーパがキャニスタ11に貯
えられ、パージ再開時のベーパ濃度が多少変化すること
もあるので、最悪の場合にもFAF補正で対処できる−
20%程度のパージA/F補正係数FPGからパージを
再開する。このため、パージ再開時のパージ率はベーパ
濃度がリッチなほど小さく、リーンなほど大きく設定で
き空燃比の乱れ防止と早期パージとを実現できる。
【0050】ステップ97を実行後は図10のステップ
99に進み、目標パージ率TGTPGが0.04を越えない
ようにガードして後続のステップ101 〜109 を実行して
処理サイクルを終了する。上記のステップ97にてパー
ジ率を一定にする制御はパージを再開した後パージカウ
ンタPGCが6となるまでの500 msecだけ実行され、こ
の間に導管16及びパージ制御弁17を通ったエバポベ
ーパが安定して機関に入るのを待つ。
【0051】ところで、図7のステップ78でフィード
バック制御中ではないと判別された場合には図10のス
テップ101 に進み最大パージ率MAXPGを算出して後
続のステップ102 〜109 を実行して処理サイクルを終了
する。つまり、スロットル全開(WOT)等でフィード
バック制御を行ってないときは図9のステップ83〜9
5をバイパスすることにより、前回のパージ率PGR及
びパージA/F補正係数FPGを維持する。
【0052】ステップ99では目標パージ率TGTPG
が0.04,即ち4%よりも大きいか否かが判別される。T
GTPG<0.04のときはステップ101 にジャンプし、T
GTPG≧0.04のときはステップ100 に進んでTGTP
Gが0.04とされた後にステップ101 に進む。即ち、目標
パージ率TGTPGが大きくなりすぎてパージ量が大き
くなりすぎると空燃比を理論空燃比に維持するのが困難
となる。そこで目標パージ率TGTPGが4%以上高く
ならないようにしている。
【0053】続くステップ101 ではROM22内に記憶
された前述の表1から機関負荷Q/N及び機関回転数N
に応じた最大パージ率MAXPGが算出される。
【0054】次いでステップ102 では次式に基づいてパ
ージ制御弁17の駆動デューティー比PGDUTYが算
出される。
【0055】デューティー比PGDUTY=(目標パー
ジ率TGTPG/最大パージ率MAXPG)・100 次いでステップ103 ではデューティー比PGDUTYが
100 以上、即ち100 %以上か否かが判別される。PGD
UTY<100 のときはステップ105 にジャンプし、PG
DUTY≧100 のときはステップ104 に進んでデューテ
ィー比PGDUTYを100 とした後にステップ105 に進
む。ステップ105 ではパージ制御弁17を閉弁するとき
のタイマカウント値Taがデューティー比PGDUTY
とされる。次いでステップ106 では次式に基いて実際の
パージ率PRGが算出される。 実際のパージ率PRG=(最大パージ率MAXPG・デ
ューティー比PGDUTY)/100 即ち、ステップ102 におけるデューティー比PGDUT
Yの計算において最大パージ率MAXPGが小さくなっ
て(TGTPG/MAXPG)・100 が100 を越えると
デューティー比PGDUTYは100 に固定されるのでこ
の場合には実際のパージ率PGRは目標パージ率TGT
PGよりも小さくなる。即ち、パージ制御弁17が全開
状態にあるときに最大パージ率MAXPGが小さくなる
とそれに伴って実際のパージ率PGRが低下することに
なる。なお、(TGTPG/MAXPG)・100 が100
を越えない限り実際のパージ率PRGは目標パージ率T
GTPGに一致する。
【0056】次いでステップ107 ではデューティー比P
GDUTYが1よりも大きいか否かが判別される。PG
DUTY<1のときにはステップ108 に進んでパージ制
御弁17が閉弁せしめられ、次いで処理サイクルを完了
する。これに対してPGDUTY≧1のときはステップ
109 に進んでパージ制御弁17が開弁せしめられ、次い
で処理サイクルを完了する。
【0057】次の処理サイクルでは図7のステップ71
からステップ111 に進んでパージカウント値が2以上か
否かが判別され、パージカウント値が1の場合はステッ
プ112 に進みパージ率が零とされステップ113 でパージ
制御弁17を閉弁して処理サイクルを終了する。パージ
カウント値が2以上であればステップ114 でカットフラ
グがセットされているか否かが判別される。カットフラ
グがセットされていないときはステップ115 に進んでタ
イマカウント値TがTaよりも大きいか否かが判別され
る。T<Taのときには処理サイクルを完了し、T≧T
aになるとパージ制御弁17が閉弁せしめられる。従っ
てPGCが2よりも大きくなると、即ちパージ制御が開
始されてから100 msecを経過するとパージ制御弁17が
開弁してパージガスの供給が開始され、このときパージ
制御弁17の開弁期間はデューティー比PGDUTYに
一致する。次いでパージカウント値PGCが増大するに
つれて目標パージ率TGTPGが大きくなるのでこれに
伴ってデューティー比PGDUTYが増大し、斯くして
パージベーパ量が徐々に増大せしめられる。この間、吸
入空気量Qが増大した場合には前述したようにデューテ
ィー比PGDUTYが増大せしめられ、実際のパージ率
PRGは一定率でもって増大せしめられる。
【0058】次に図9のステップ83からステップ93
について説明する。ステップ83ではパージカウンタP
GCが156 であるか否かが判別される。パージ制御が開
始されてから初めてステップ83に進んだときにはPG
C=6であるのでステップ84に進む。ステップ84で
はフィードバック補正係数FAFが上限しきい値(FB
A+X)よりも大きいか否かが判別される。ここでFB
Xは前述したようにパージ制御開始時におけるフィード
バック補正係数FAFの平均値FAFAVであり、Xは
小さな一定値である。FAF<(FBA+X)のときは
ステップ87に進む。
【0059】ステップ87ではフィードバック補正係数
FAFが下限しきい値(FBA−X)よりも小さいか否
かが判別され、FAF>(FBA−X)のときはステッ
プ95に進む。これに対してFAF≦(FBA−X)の
ときはステップ88に進んでO2 センサ31の出力電圧
Vが0.45(V)よりも高いか否か、即ちリッチであるか
否かが判別される。リーンのときはステップ95に進
む。これに対してリッチのときはステップ89に進んで
パージベーパ濃度係数FPGAに一定値Yが加算され、
次いでステップ95に進む。従ってFAF≦(FBA−
X)であってかつリッチのときにはパージベーパ濃度係
数FPGAが一定値Yずつ増大せしめられることにな
る。
【0060】一方、ステップ84においてFAF≧(F
BA+X)のときはステップ85に進んでO2 センサ3
1の出力電圧Vが0.45(V)よりも低いか否か、即ちリ
ーンであるか否かが判別される。リッチのときにはステ
ップ95に進む。これに対してリーンのときにはステッ
プ86に進んでパージベーパ濃度係数FPGAから一定
値Yが減算され、ステップ95に進む。従ってフィード
バック補正係数FAFが上限しきい値(FBA+X)よ
りも大きくかつリーンのときにはパージベーパ濃度係数
FPGAが一定値Yずつ減少せしめられる。このように
するとFAFが上限しきい値(FBA+X)を越えた後
に空燃比が変動しなくなる。
【0061】一方、ステップ83においてPGC=156
であると判断されると、即ち初めてステップ83に進ん
だ後15秒経過するとステップ90に進んで次式に基き
パージベーパ濃度係数FPGAが算出される。
【0062】FPGA=FPGA−(FAFAV−FB
A)/(パージ率PRG・2) 即ち現在のフィードバック補正係数平均値FAFAVと
パージ開始時のフィードバック補正係数平均値FBAと
の単位パージ率PRG当りの偏差の半分がパージベーパ
濃度係数FPGAから減算される。云い換えると単位パ
ージ率PRG当りのFAFの変化量の半分がFPGAか
ら減算される。FAFAVがFBAよりも小さくなると
パージベーパ濃度係数FPGAが増大せしめられる。次
いでステップ91ではパージカウントPGCが6とされ
る。従って15秒毎にステップ90に進むことがわか
る。次いでステップ92ではステップ90のFPGAの
算出が完了したことを示す算出フラグPGFが1にセッ
トされ、次にステップ93でベーパ濃度算出回数CFP
GAが1だけインクリメントされ、ステップ95に進
む。
【0063】一方、図7のステップ77又はステップ11
4 においてカットフラグがセットされたと判断されたと
きはステップ117 に進んでパージカウントPGCが1と
される。次いでステップ112 においてパージ率PRGが
零とされ、次いでステップ113 においてパージ制御弁1
7が閉弁せしめられる。即ち、カットフラグがセットさ
れるとパージ作用が停止され、パージカウンタPGCが
2になるまで待った後に再びパージ作用が開始される。
【0064】図11は燃料噴射時間の算出ルーチンを示
しており、このルーチンは一定クランク角度毎の割込み
によって実行される。
【0065】ステップ200 でパージカウンタPGCが6
以上か否か判別し、PGC≧6の場合はステップ201 に
進み算出フラグPGFがセットされているか否かが判別
される。算出フラグPGFがセットされていないときは
ステップ205 にジャンプする。算出フラグPGFがセッ
トされているときはステップ202 に進んで現在のフィー
ドバック補正係数平均値FAFAVとパージ制御開始時
のフィードバック補正係数平均値FBAの偏差の半分が
フィードバック補正係数FAFから減算される。算出フ
ラグPGFがセットされるのは15秒おきであるから1
5秒おきにこの処理が実行される。FAFAVがFBA
よりも小さくなるとフィードバック補正係数FAFの減
少量の半分だけFAFが増大せしめられる。即ちFAF
は15秒毎にFAFの減少量の半分だけ上昇せしめら
れ、このときFAFの増大量に対応する分だけパージベ
ーパ濃度係数FPGAが増大せしめられることになる。
【0066】次いでステップ203 ではFAFを変化させ
た分だけFAFAVを変化させるためにFAFAVから
(FAFAV−FBA)/2が減算される。次いでステ
ップ204 において算出フラグPGFがリセットされ、ス
テップ205 に進む。ステップ205 では次式に基づいてパ
ージA/F補正係数FPGが算出される。
【0067】パージA/F補正係数FPG=−(パージ
ベーパ濃度係数FPGA・パージ率PRG) 次いでステップ206 では基本燃料噴射時間TPが算出さ
れ、次いでステップ207 において補正係数Kが算出され
る。次いでステップ208 では次式に基いて燃料噴射時間
TAUが算出される。
【0068】 TAU=TP・{1+K+(FAF−1)+FPG} 燃料噴射弁4からはこの燃料噴射時間TAUに基いて燃
料が噴射される。
【0069】一方、ステップ200 でパージカウンタPG
C<6の場合はステップ209 に進み、パージA/F補正
係数FPGを零としてステップ206 に進む。つまりパー
ジ再開直後500 msecまでは目標パージ率にパージ制御を
行うが、ベーパが吸気系に到達するまでの遅れを考慮し
てA/F補正を行わない。上記の遅れは吸気管容積等に
よって変わるため、機関毎に適合させる。
【0070】ここで、ベーパ濃度算出回数が4以上の状
態では図12に示す如く、燃料カット条件が発生した時
点t1 でカットフラグは1にセットされ、パージ及びA
/F補正が中断され、パージA/F補正係数FPGは1.
0 でパージ率は0%,デューティー比PGDUTYは0
%,パージカウント値PGCは1とされる。
【0071】次に燃料カット条件が消滅した時点t2
カットフラグは0にリセットされ、目標パージ率はパー
ジA/F補正係数FPGが−20%つまり0.8 となるよ
うに設定され、これからデューティー比PGDUTYが
設定される。この後パージカウント値PGCはデューテ
ィー周期(100 msec)毎にカウントアップされる。
【0072】500 msec経過してパージカウント値が6と
なった時点t3 から従来通りのパージ率の増大制御及び
パージA/F補正が実行される。図12に一点鎖線で示
す従来のパージ率制御に比して、本実施例では燃料カッ
ト終了によるパージ再開時のパージ率が大幅に増大し早
期パージが実現される。
【0073】
【発明の効果】上述の如く、本発明の内燃機関の蒸発燃
料処理装置によれば、空燃比の乱れが生じることなく早
期のパージを実行でき、実用上きわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明装置の全体図である。
【図3】フィードバック補正係数を算出するためのフロ
ーチャートである。
【図4】フィードバック補正係数の変化を示す線図であ
る。
【図5】カットフラグを制御するためのフローチャート
である。
【図6】パージ制御のイニシャライズ処理を行うための
フローチャートである。
【図7】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図8】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図9】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図10】パージ制御を行うためのフローチャートであ
る。
【図11】燃料噴射時間を算出するためのフローチャー
トである。
【図12】パージ制御中のタイムチャートである。
【符号の説明】
4 燃料噴射弁 9 スロットル弁 11,M1 キャニスタ 17,M3 パージ制御弁 31 O2 センサ M2 パージ制御弁制御手段 M4 内燃機関 M5 燃料噴射量制御手段 M6 ベーパ濃度検出手段 M7 再開パージ量設定手段 M8 噴射量補正手段 M9 遅延手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木所 徹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−95746(JP,A) 特開 昭63−189665(JP,A) 特開 昭63−255559(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 25/08 301 F02D 41/00 - 45/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャニスタに蓄えた蒸発燃料をパージ制
    御弁でパージ量を制御しつつ内燃機関の吸気通路にパー
    ジして処理し、燃料カット時には上記蒸発燃料のパージ
    を停止させる内燃機関の蒸発燃料処理装置において、 パージ時の蒸発燃料濃度を検出するベーパ濃度検出手段
    と、 パージ時に、前記検出された蒸発燃料濃度と、その時の
    パージ量に基づき燃料噴射量の補正量を算出し、その補
    正量により燃料噴射量を補正する噴射量補正手段と、 上記の燃料カットを終了してパージを再開するとき燃料
    カット前の蒸発燃料濃度に基づいたパージ量に設定する
    再開パージ量設定手段を有することを特徴とする内燃機
    関の蒸発燃料処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関の蒸発燃料処理
    装置において、 上記噴射量補正手段による燃料噴射量の補正を燃料カッ
    トを終了してパージを再開した後所定時間だけ遅延する
    遅延手段とを有することを特徴とする内燃機関の蒸発燃
    料処理装置。
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