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JP2786571B2 - 半導体ウエハー加熱装置 - Google Patents

半導体ウエハー加熱装置

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Publication number
JP2786571B2
JP2786571B2 JP4321996A JP32199692A JP2786571B2 JP 2786571 B2 JP2786571 B2 JP 2786571B2 JP 4321996 A JP4321996 A JP 4321996A JP 32199692 A JP32199692 A JP 32199692A JP 2786571 B2 JP2786571 B2 JP 2786571B2
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JP
Japan
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semiconductor wafer
heating
heater
disk
shaped substrate
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JP4321996A
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JPH0677148A (ja
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和宏 ▲昇▼
隆介 牛越
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NIPPON GAISHI KK
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NIPPON GAISHI KK
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Publication date
Application filed by NIPPON GAISHI KK filed Critical NIPPON GAISHI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマCVD 、減圧CV
D 、プラズマエッチング、光エッチング装置等に使用さ
れる半導体ウエハー加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スーパークリーン状態を必要とする半導
体製造用装置では、デポジション用ガス、エッチング用
ガス、クリーニング用ガスとして塩素系ガス、弗素系ガ
ス等の腐食性ガスが使用されている。このため、ウエハ
ーをこれらの腐食性ガスに接触させた状態で加熱するた
めの加熱装置として、抵抗発熱体の表面をステンレスス
チール、インコネル等の金属により被覆した従来のヒー
ターを使用すると、これらのガスの曝露によって、塩化
物、酸化物、弗化物等の粒径数μm の、好ましくないパ
ーティクルが発生する。
【0003】そこでデポジション用ガス等に曝露される
容器の外側に赤外線ランプを設置し、容器外壁に赤外線
透過窓を設け、グラファイト等の耐食性良好な材質から
なる被加熱体に赤外線を放射し、被加熱体の上面に置か
れたウエハーを加熱する、間接加熱方式のウエハー加熱
装置が開発されている。ところがこの方式のものは、直
接加熱式のものに比較して熱損失が大きいこと、温度上
昇に時間がかかること、赤外線透過窓へのCVD膜の付
着により赤外線の透過が次第に妨げられ、赤外線透過窓
で熱吸収が生じて窓が加熱すること等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題を解決する
ため、本発明者等は、新たに円盤状の緻密質セラミック
ス内に抵抗発熱体を埋設し、このセラミックスヒーター
をグラファイトのケースに保持した加熱装置について検
討した。その結果この加熱装置は、上述のような問題点
を一掃した極めて優れた装置であることが判明した。し
かし、本発明者がなお検討を進めると、以下の問題が未
だ残されていることが解った。
【0005】即ち、円盤状セラミックスヒーターの側面
を、伝熱性の高いグラファイト製やアルミニウム製のケ
ースで保持するため、この接触部分からケースの方へと
熱が逃げたり、ヒーター側面から熱放射したりするの
で、セラミックスヒーターの周縁部の温度が中心部の温
度にくらべて低くなり、均熱性が損なわれる。従って、
半導体ウエハーを加熱した場合、ウエハーの周縁部で相
対的に温度が低下する。例えば、 WSix 等を製造するた
めの、SiH2Cl2 を用いたメタルCVD(化学的気相成
長)プロセスでは、成膜速度は、ガス圧力よりも温度の
方に大きく依存する。即ち、成膜速度と温度とはほぼ比
例する。従って、半導体ウエハーの中心部で膜が厚くな
り、周縁部で膜が薄くなるため、半導体不良の原因とな
る。
【0006】半導体ウエハー加熱面の均熱性を向上させ
るため、種々の技術を開発した。即ち、円盤状セラミッ
クスヒーター中に抵抗発熱体を埋設するが、この抵抗発
熱体の発熱量を、ヒーターの周縁部で大きくし、ヒータ
ーの中心部で相対的に小さくする方法がある。また、円
盤状セラミックスヒーターの周縁部と中心部とで抵抗発
熱体を分離し、周縁部と中心部とを別々に制御する、2
ゾーン加熱法及び多ゾーン加熱法も検討した。これらの
方法により、半導体ウエハー加熱面においては、ほぼ均
熱化を達成しうる段階となった。
【0007】しかし、実際に半導体膜、例えば高温プロ
セスによる高温 WSix 膜をウエハーに形成してみると、
依然、中心部の方が周縁部よりも膜厚が大きいことが解
った。
【0008】即ち、SiH4を用いた低温 WSiX の成膜プロ
セスにおいては、300 〜450 ℃,0.1〜0.3torr の条件内
では、成膜速度はWF6 の流量にのみ比例し、温度、圧
力、SiH4の流量には左右されない。しかし、これとは異
なり、ポリシリコン成膜プロセスでは、成膜速度はSiH4
濃度の1次に比例し、活性化エネルギーは約200KJ/mol
である。装置内でSiH4濃度差が1%存在すると、成膜速
度差が1%ある。また、この成膜速度は温度にも依存
し、温度差が1Kあると、成膜速度差は 2.5%になる。
半導体ウエハーの中央部と外周部との間で、SiH4濃度差
が5%あったとすると、中央部と外周部との間で2Kの
温度差をつけなければならない。この2Kの温度差は、
チャンバー構造、成膜条件等により変化し、数百Kにも
及ぶことがある。
【0009】本発明者は、半導体ウエハーの半導体膜の
膜厚を一定にするために、半導体ウエハー加熱用のセラ
ミックスヒーターの内周側の温度を外周側の温度よりも
低くし、両者の間に温度差を付けることによって、半導
体ウエハーの温度をその全面にわたって均一化すること
を試みた。しかし、円盤状セラミックスヒーターにおい
て、加熱面の中心と周縁部との温度差を大きくすること
は困難であった。例えば、緻密質の窒化アルミニウムセ
ラミックスは、ハロゲン系腐食性ガスに対して耐食性を
有しており、また窒化珪素セラミックスは高い耐熱衝撃
性を有しているので、半導体ウエハー加熱用のセラミッ
クスヒーターとして有利である。しかし、これらを円盤
状セラミックスヒーターの基材として用いた場合、中心
と周縁との温度差を大きくすることが困難であり、例え
ば50℃以上にすると、セラミックスヒーターの破壊が生
ずることが解った。本発明の課題は、半導体ウエハー加
熱用の加熱装置として、緻密質の窒化アルミニウムセラ
ミックスや窒化珪素セラミックスの内部に抵抗発熱体を
埋設した形態のセラミックスヒーターを採用した場合
に、加熱面の中心と周縁部との温度差を大きくできるよ
うにし、かつセラミックス基材の破損を防止することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平面的にみて
略円形の外側輪郭を有する緻密質の窒化珪素セラミック
スまたは窒化アルミニウムセラミックス製の盤状基体
と、この盤状基体の内部に埋設された抵抗発熱体とを有
する半導体ウエハー加熱用セラミックスヒーターであっ
て、盤状基体の加熱面から背面へと向かって貫通孔が形
成されている半導体ウエハー加熱用セラミックスヒータ
ー、及び平面的にみて略円形の外側輪郭を有する緻密質
窒化珪素セラミックスまたは窒化アルミニウムセラミッ
クス製の盤状基体とこの盤状基体の内部に埋設された抵
抗発熱体とを有する補助ヒーターを備えており、貫通孔
の内側に補助ヒーターが設置されている半導体ウエハー
加熱装置であって、半導体ウエハー加熱用セラミックス
ヒーターと補助ヒーターとの間で50℃以上の温度差を
付与するための半導体ウエハー加熱装置に係るものであ
る。
【0011】
【実施例】図1は、半導体製造用熱CVD装置のフラン
ジに本実施例のセラミックスヒーター1を取り付けた状
態を示す断面図であり、図2は図1のII−II線矢印断面
図である。
【0012】セラミックスヒーター1の盤状基体2の外
側輪郭は略円形であり、緻密質セラミックスから成って
いる。盤状基体2の図面において下側に半導体ウエハー
加熱面5が設けられ、この反対側に背面19が設けられ
る。盤状基体2の中央部に、半導体ウエハー加熱面5か
ら背面19へと向って円形貫通孔3が設けられている。円
形貫通孔3の輪郭と、盤状基体2の外側輪郭とは、ほぼ
同心である。盤状基体2の内部に抵抗発熱体4が埋設さ
れ、抵抗発熱体4の両端が端子18に接続されている。端
子18は、例えば円柱状であり、盤状基体2に埋設、固定
され、その表面が背面19に露出している。
【0013】図示しない半導体製造用熱CVD装置の容
器に、フランジ部10が取り付けられ、このフランジ部10
が容器の天井面を構成している。フランジ部10と、図示
しない容器との間は、Oリング11によって気密にシール
されている。フランジ部10の上側に、取り外し可能な天
板17が取り付けられ、この天板17が、フランジ部10の円
形貫通孔10a を覆っている。フランジ部10に水冷ジャケ
ット12が取り付けられる。
【0014】フランジ部10の下側面には、グラファイト
からなるリング状のケース保持具9が、断熱リング8Bを
介して固定されている。ケース保持具9とフランジ部10
とは直接には接触しておらず、若干の間隙が設けられて
いる。ケース保持具9の下側面には、グラファイトから
なる略リング状のケース7が、断熱リング8Aを介して固
定されている。ケース7とケース保持具9とは直接には
接触しておらず、若干の隙間が設けられている。
【0015】セラミックスヒーター1の側周面の背面側
には延在部2aがリング状に形成され、一方、ケース7の
下部内周にはやはりリング状にケース本体から突出した
支持部7aが形成されている。セラミックスヒーター1と
ケース7との間には所定の間隔を置き、これら両者を接
触させない。そして、図1及び図2に示すように、例え
ば計4個の円柱状介在ピン6をケース7内周とセラミッ
クスヒーター1の側周面との間に介在させ、介在ピン6
の一端を支持部7a上に螺合、接合、嵌合等により固定
し、他端の上に延在部2aを載置し、これによりセラミッ
クスヒーター1を断熱固定する。
【0016】温度測定用部材である熱電対14が、Si3N4
等からなる円筒状のシース13内に挿入され、シース13の
先端のフランジ13a が盤状基体2の背面側に接合されて
いる。一対のリード部材15及びシース13は、それぞれ天
板17を貫通して容器外に端部を突き出した状態となって
いる。また、一対のリード部材15及びシース13と天板17
との間は、Oリングで気密にシールされる。
【0017】円形貫通孔3内に補助ヒーター21が設置さ
れている。補助ヒーター21の盤状基体22は、緻密質セラ
ミックスからなり、平面的にみて略円形の外側輪郭を有
する。盤状基体22の内部に抵抗発熱体4が埋設され、抵
抗発熱体4の両端に端子18が接続されている。
【0018】盤状基体22は、円形貫通孔3と平面的にみ
て同心になるように設置される。端子18が背面29側に露
出し、丸棒状のリード部材15が端子18に接合される。各
リード部材15は天板17を貫通している。また、略円筒状
のシース23が天板17を貫通し、そのフランジ23aが背面
29に接合される。半導体ウエハーWは、ウエハー加熱面
5及び25に設置される。
【0019】ただし、図2においては、便宜上、シース
13, 23、リード部材15は図示しない。細長いリード部材
15の下端は端子18に接合され、上端はリード線16に接合
されている。
【0020】盤状基体2の材質は、デポジション用ガス
の吸着を防止するために緻密体である必要があり、吸水
率が 0.01 %以下の材質が好ましい。窒化珪素焼結体
は、耐熱衝撃性の点で好ましい。また、本発明者の研究
によると、ClF3等のハロゲン系腐食性ガスを用いる条件
下で、窒化アルミニウムを用いることが好ましいことが
解っている。
【0021】抵抗発熱体4としては、高融点であり、し
かも窒化珪素等との密着性に優れたタングステン、モリ
ブデン、白金等を使用することが適当である。抵抗発熱
体としては、線材、薄いシート状等の形態のものが用い
られる。介在ピン6の材質としては、セラミックス、又
はガラス、無機結晶体、緻密な非金属無機材が好まし
く、酸化珪素質ガラス、水晶が更に好ましく、熱伝導率
の低い酸化珪素質ガラスが一層好ましい。
【0022】本例のセラミックスヒーターにおいては、
盤状基体2の中心部に円形貫通孔3を設け、その内部に
補助ヒーター21を設置したことが重要である。膜厚の温
度依存性が高いCVDプロセスでは、ウエハーの均熱性
が膜厚の均一性を左右する。ヒーターからは、介在ピン
6からの熱伝導による熱リークや、側面からの熱放射に
よる熱リークが生じるため、ヒーター中心部より外周部
の方が温度が相対的に下がる。半導体ウエハーの表面に
半導体膜を形成すると、中心付近が膜厚になることが判
明した。
【0023】この原因は、半導体ウエハーの温度が、図
3に示すような温度分布になっていることに起因してい
る。そこで、この問題を克服するには、図4に示すよう
に、半導体ウエハー加熱面の温度が中心部から周縁部へ
と向かって上るようにすればよい。こうすると、半導体
ウエハー表面は均熱化され、半導体膜の厚さが一定にな
るものと考えられる。
【0024】しかし、例えばステンレスヒーターやカー
ボンコンポジットヒーターにおいては、熱伝導率が高い
ので、加熱面中心の温度はあまり下らない。円盤状セラ
ミックスヒーターにおいても、半導体ウエハー加熱面の
中心と周縁部との差を大きくすることは困難であった。
例えば、ハロゲン系腐食性ガスに対して耐性のある窒化
アルミニウムを基材として用いた場合、窒化アルミニウ
ムの熱伝導率が高いことから、2ゾーン加熱で制御して
も、加熱面の中心と周縁部との温度差は高々50℃程度に
しかならなかった。また、Si3N4 製のヒーターでも、加
熱面の中心と周縁部との温度差は 100℃が最高であり、
それ以上の熱分布をもたせるとヒーターが破損した。
【0025】また、本発明者の実験によると、8インチ
ウエハー用のサイズの円盤状セラミックスヒーターを窒
化アルミニウムで形成し、中心と周縁との温度差を50℃
以上にすると、セラミックスヒーターの破壊が生ずるこ
とが解った。このため、基体の破壊を防止するために
も、中心と周縁との温度差をある程度以上大きくするこ
とはできない。
【0026】これらの知見を踏まえ、本発明者は、盤状
基体2の中央部分に円形貫通孔3を設け、円形貫通孔3
の内部に補助ヒーター21を設置した。このようにすれ
ば、見かけ上、半導体ウエハーWの温度は均一となる。
【0027】セラミックスヒーター1を製造するには、
以下の方法がある。 (1) 抵抗発熱体4を埋設した円盤状セラミックス成形体
を作成し、これをホットプレス焼結又はHIP焼結し、
円盤状焼結体を得る。次いで、この円盤状焼結体を、円
石によって研削加工し、円形貫通孔3を設ける。 (2) 抵抗発熱体4をセラミックス材料中に埋設し、ドー
ナツ型等の金型プレスにより加圧成形してドーナツ形状
の成形体を得、これを常圧焼結する。
【0028】図1に示すようなセラミックスヒーター1
を作製し、黒体塗料を塗布した8インチウエハーを半導
体ウエハー加熱面に設置した。そして、セラミックスヒ
ーターを発熱させて数十分間保持し、熱画像装置にて半
導体ウエハーの均熱性を評価した。30点を測定し、測定
した温度分布を標準偏差(n−1)にて示した。温度分
布の平均値は680 ℃である。また、盤状基体2の外径は
直径200mm とした。盤状基体2の内径(円形貫通孔3の
直径)及び補助ヒーター21の外径は、表1に示すように
変更した。
【0029】
【表1】
【0030】また、 WSix 膜を成膜する場合には、半導
体ウエハー表面で±2℃の均熱性が要求されるが、内径
が 101〜171mm の範囲でこの条件をクリアできることも
解る。
【0031】成膜プロセスの種類によっては、半導体ウ
エハーの中央部と外周部との間で一定値の温度差をつけ
る必要が生ずる。また、前述したような、SiH2Cl2 を用
いたメタルCVDによる WSiX 成膜プロセスでは、やは
り成膜速度が温度に依存するため、半導体ウエハー表面
の均熱性が重要であると述べた。しかし、実際の半導体
製造プロセスでは、装置ごとに熱容量やガス濃度やチャ
ンバー構造などが異なるので、成膜プロセスの具体的条
件に合わせて、補助ヒーター21の発熱量を自由に変更
し、半導体膜の膜厚を最適化することができる。しか
も、補助ヒーター21とヒーター1とは完全に別体なの
で、両者の間に幾ら温度差をつけても、この温度差によ
ってヒーターの破壊が生ずることはない。
【0032】図5は、本発明の実施例に係る半導体ウエ
ハー加熱装置の平面図であり、図6は、図5のVI-VI 線
断面図である。板状部材35の平面形状は円形である。板
状部材35は緻密質セラミックスからなり、その一方の側
にウエハー加熱面38が設けられる。半導体加熱面38の反
対の側において、板状部材35の周縁に沿って円形枠35a
が設けられ、円形枠35aの内側に円形の凹部35bが設け
られる。凹部35bには、三種類のセラミックスヒーター
31,33,36が収容され、設置されている。
【0033】補助ヒーター31においては、緻密質セラミ
ックスからなる円盤状基体32内に抵抗発熱体4が埋設さ
れている。抵抗発熱体4の両端に円柱状端子18が連結さ
れ、円柱状端子18の表面が円盤状基体32の背面に露出し
ている。円盤状基体32の加熱面32bが板状部材35に当接
している。抵抗発熱体4の平面的埋設形状は、例えば図
5に示すような渦巻き状とする。
【0034】セラミックスヒーター33の盤状基体34の外
側輪郭は略円形であり、緻密質セラミックスから成って
いる。盤状基体34の図面において下側に半導体ウエハー
加熱面34cが設けられ、この反対側に背面34dが設けら
れる。盤状基体34の中央部に、半導体ウエハー加熱面34
cから背面34dへと向って円形貫通孔34b が設けられて
いる。円形貫通孔34bの輪郭と、盤状基体34の外側輪郭
とは、ほぼ同心である。盤状基体34の内部に抵抗発熱体
4が埋設され、抵抗発熱体4の両端が端子18に接続され
ている。
【0035】盤状基体34の半導体ウエハー加熱面34cが
板状部材35に当接している。円形貫通孔34b内に、補助
ヒーター31が設置されている。盤状基体34の内側周面と
円盤状基体32の外側周面32aとの間には、若干のクリア
ランスが設けられている。
【0036】外周側ヒーター36においては、平面的にみ
て略円弧状の盤状基体37の内部に抵抗発熱体4が埋設さ
れている。抵抗発熱体4の両端に円柱状端子18が連結さ
れ、円柱状端子18の表面が盤状基体37の表面に露出して
いる。盤状基体37の加熱面37cが板状部材35に当接して
いる。外周側ヒーター36は計四個収容されている。
【0037】各ヒーター36の盤状基体37の外側周面37a
及び内側周面37bは共に平面的にみて円弧状であり、こ
れらの円弧の中心は、円盤状基体32の中心とほぼ一致す
る。内側周面37bの曲率半径は、盤状基体34の外側周面
34aの曲率半径よりも僅かに大きく設定されている。内
側周面37b及び外側周面37aの各円弧の開き角度は、90
度よりも僅かに小さく設定されている。盤状基体34の外
側周面34aを囲むように、四個の盤状基体37が設置され
ている。各盤状基体37の内側周面37bと外側周面34aと
の間、外側周面37aと円形枠35aとの間、隣り合う盤状
基体37の間には、いずれも隙間が設けられている。
【0038】本実施例においても、補助ヒーター31、外
周側ヒーター36の発熱量を、成膜プロセスの具体的条件
に合わせて変更することで、半導体膜の膜厚を最適化す
ることができる。しかも、補助ヒーター31、ヒーター3
3、外周側ヒーター36は互いに別体なので、これらのヒ
ーターの間に幾ら温度差をつけても、この温度差によっ
てセラミックスヒーターが破壊することはない。
【0039】また、本実施例においては、主として製造
工程上及びメンテナンス上の理由から、次の効果があ
る。例えば円盤状のセラミックスヒーターを製造するに
は、セラミックスの原料粉末を予備成形し、この予備成
形体に抵抗発熱体を埋設し、次いで予備成形体を一軸加
圧成形し、この成形体をホットプレス焼結やホットアイ
ソスタティックプレス焼結する。ところが、特に、ホッ
トプレスやホットアイソスタティックプレスを行う際
に、抵抗発熱体の外周面とセラミックスとの間に微視的
な隙間が生ずること、即ち抵抗発熱体の密着不良が生ず
ることが解った。この隙間では熱伝導が遮断されるの
で、ヒーターの加熱面の均熱性、温度調節時の応答速度
などに影響がある。
【0040】更には、焼成後の熱収縮時や、ヒーターの
温度を繰り返して上昇、下降させる際に、抵抗発熱体と
セラミックス基体との熱膨脹率の相違から、抵抗発熱体
の周囲のセラミックスにクラックが生ずることがある。
また、特に材料の選択によっては、長期間使用すると、
抵抗発熱体と基体との熱膨張差に伴う熱応力により劣化
し、断線しうることも判明した。例えば、窒素珪素中に
タングステン線を埋設した場合には、タングステン線の
周縁部分にWSixが生成し、タングステン線の抵抗値が変
化し、更には断線しうることが判った。
【0041】一方、最近、半導体ウエハーの寸法が、6
インチから8インチ、12インチへと拡大している。こう
した半導体ウエハーの大面積化に対応するには、円盤状
セラミックスヒーターの直径を大きくするしかない。し
かし、円盤状セラミックスヒーターが大面積化すると、
この面積に比例して、抵抗発熱体を長くする必要があ
る。ところが、セラミックス基体中に埋設される抵抗発
熱体が長くなると、抵抗発熱体の密着不良、劣化、断
線、クラックなどが非常に生じ易くなった。これは、単
に抵抗発熱体が長くなったことに起因するというだけで
なく、大面積のセラミックス成形体を均質に焼結させる
ことが難しいからである。このように抵抗発熱体の密着
不良、劣化、断線、クラックが生じ易くなった結果、製
造時の不良品が大幅に増加すると共に、ヒーターの寿命
が短くなった。
【0042】本実施例によれば、板状部材35に半導体ウ
エハー加熱面38を設けている。そして、板状部材35には
抵抗発熱体が埋設されておらず、通常の焼結法で作成で
きるので、半導体ウエハー加熱面38を大面積化させるこ
とが容易である。
【0043】これと同時に、補助ヒーター31、セラミッ
クスヒーター33、外周側ヒーター36を凹部35bに収容し
ており、各ヒーター31, 33, 36としては小型の焼結体を
使用できる。このような小型の焼結体においては、抵抗
発熱体4の長さを大きくする必要がなく、かつホットプ
レス焼結やホットアイソスタティックプレス焼結も容易
である。従って、抵抗発熱体の劣化、断線、抵抗発熱体
の基材との密着不良、抵抗発熱体の周囲のクラック発生
が少ない。この結果、製品の不良率が少ないし、長期間
使用しても故障が起こりにくい。
【0044】しかも、ヒーター31, 33, 36のうちのいず
れかに上記の故障が発生すれば、その故障したセラミッ
クスヒーターのみを新品と交換すれば、再び使用でき
る。仮に板状部材35と同寸法の円盤状セラミックスヒー
ターを使用するとすれば、もしその内部で一か所だけ抵
抗発熱体の断線が生じた場合にも、補修は不可能であ
り、全て新品と交換する他ない。
【0045】また、外周側ヒーター36においては、仮に
四個の外周側ヒーター36を一体化して円環状にするとや
はり製造が難しくなることから、四個に分割することに
した。むろん、各盤状基体37の開き角度は、適宜変更で
きる。
【0046】図5及び図6に示す半導体ウエハー加熱装
置において、板状部材35を用いない場合には、図7に模
式的に示すような加熱装置が得られる。この場合は、例
えば図7に示すようにして、半導体ウエハーWを、加熱
面32b,34c,37cに設置する。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の半導体ウエ
ハー加熱装置によれば、緻密質の窒化アルミニウムセラ
ミックスや窒化珪素セラミックスの内部に抵抗発熱体を
埋設した形態のセラミックスヒーターを採用した場合
に、半導体ウエハーの加熱面の中心と周縁部との温度差
を大きくできる。
【0048】しかも、補助ヒーターは、貫通孔を備えた
方のヒーターとは完全に別体なので、両者の間に50℃
以上の温度差をつけても、この温度差によってヒーター
の破壊が生ずることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体製造用熱CVD装置のフランジ部10にセ
ラミックスヒーター1及び補助ヒーター21を取り付けた
状態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視断面図である(概略図)。
【図3】半導体ウエハーの温度分布の一例を模式的に示
すグラフである。
【図4】半導体ウエハー加熱面の温度分布の一例を模式
的に示すグラフである。
【図5】本発明の実施例に係る半導体ウエハー加熱装置
を概略的に示す平面図である。
【図6】図5のVI-VI 線矢視断面図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る加熱装置を概略的に
示す断面図である。
【符号の説明】
1、33 セラミックスヒーター 2、22、32、34、37 盤状基体 3、34b 円形貫通孔 4 抵抗発熱体 5、25、32b、34c、37c、38 半導体ウエハー加熱
面 19、29、34d 背面 21、31 補助ヒーター 35 板状部材 35b 凹部 36 外周側ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−262331(JP,A) 特開 平3−108323(JP,A) 特開 平2−27715(JP,A) 特開 平2−179879(JP,A) 特開 平4−87180(JP,A) 特開 平4−98784(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205 H01L 21/22 511 H01L 21/3065 H05B 3/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面的にみて略円形の外側輪郭を有する緻
    密質の窒化珪素セラミックスまたは窒化アルミニウムセ
    ラミックス製の盤状基体と、この盤状基体の内部に埋設
    された抵抗発熱体とを有する半導体ウエハー加熱用セラ
    ミックスヒーターであって、前記盤状基体の加熱面から
    背面へと向かって貫通孔が形成されている半導体ウエハ
    ー加熱用セラミックスヒーター;及び平面的にみて略円
    形の外側輪郭を有する緻密質窒化珪素セラミックスまた
    は窒化アルミニウムセラミックス製の盤状基体とこの盤
    状基体の内部に埋設された抵抗発熱体とを有する補助ヒ
    ーターを備えており、前記貫通孔の内側に前記補助ヒー
    ターが設置されている半導体ウエハー加熱装置であっ
    て、前記半導体ウエハー加熱用セラミックスヒーターと
    前記補助ヒーターとの間で50℃以上の温度差を付与す
    るための半導体ウエハー加熱装置。
  2. 【請求項2】緻密質セラミックス製の盤状基体とこの盤
    状基体の内部に埋設された抵抗発熱体とを有する外周側
    ヒーターが、前記半導体ウエハー加熱用セラミックスヒ
    ーターの外側に設置されている、請求項1記載の半導体
    ウエハー加熱装置。
  3. 【請求項3】半導体ウエハーを処理するためのチャンバ
    ーを構成する容器に中空の収容空間を有するシースが取
    り付けられており、前記半導体ウエハー加熱用セラミッ
    クスヒーターの前記盤状基体に対して前記シースが気密
    に固定されており、前記収容空間が前記容器外に連続し
    ており、前記シースの前記収容空間内に少なくとも一種
    の温度測定用部材が露出していることを特徴とする、請
    求項1または2記載の半導体ウエハー加熱装置。
  4. 【請求項4】半導体ウエハーを処理するためのチャンバ
    ーを構成する容器に中空の収容空間を有するシースが取
    り付けられており、前記補助ヒーターの前記盤状基体に
    対して前記シースが気密に固定されており、前記収容空
    間が前記容器外に連続しており、前記シースの前記収容
    空間内に少なくとも一種の温度測定用部材が露出してい
    ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請
    求項に記載の半導体ウエハー加熱装置。
  5. 【請求項5】半導体ウエハー加熱装置が板状部材を備え
    ており、この板状部材に対して前記半導体ウエハー加熱
    用セラミックスヒーターの前記加熱面および前記補助ヒ
    ーターの加熱面が接触するように配置されていることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記
    載の半導体ウエハー加熱装置。
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