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JP2784525B2 - 電子部品搭載用基板 - Google Patents

電子部品搭載用基板

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Publication number
JP2784525B2
JP2784525B2 JP2252105A JP25210590A JP2784525B2 JP 2784525 B2 JP2784525 B2 JP 2784525B2 JP 2252105 A JP2252105 A JP 2252105A JP 25210590 A JP25210590 A JP 25210590A JP 2784525 B2 JP2784525 B2 JP 2784525B2
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JP
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heat sink
electronic component
adhesive
power supply
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JP2252105A
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JPH04130651A (ja
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一 矢津
卓男 杁山
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,耐湿性及び放熱板の保持性に優れ,また高
密度配線が可能な電子部品搭載用基板に関する。
〔従来技術〕
従来,電子部品搭載用基板においては,半導体素子な
どの電子部品からの発熱を放散させるため,電気絶縁性
の基材に電子部品搭載用凹部を設けると共に該電子部品
搭載用凹部の反対側に放熱板を設けている(例えば,特
開昭59−32191号公報)。
即ち,第10図に示すごとく,従来の電子部品搭載用基
板90は,基材9に設けた凹所92内に接着剤8を介して放
熱板7を接合している。また基材裏側においては放熱板
7と基材9との間に金属メッキ層75が,また放熱板7の
上面と電子部品搭載用凹部93との間に金属メッキ層76が
形成されている。そのため,基材9の裏側から電子部品
搭載用凹部93内への湿気の浸入が遮断される。
〔解決しようとする課題〕
しかしながら,上記電子部品搭載用基板90は,第11図
に示すごとく,凹所92の側壁と放熱板7の側壁とが対向
している対向部分95において,その開口部750に金属メ
ッキ層75が形成されないことがある。つまり,メッキ不
良穴751を生ずる。
かかるメッキ不良穴751を生ずると,この部分より電
子部品搭載用凹部内へ湿気が浸入して,半導体などの電
子部品が損傷するおそれがある。
一方,上記メッキ不良穴751を発生する理由として
は,凹所92と放熱板7との間の前記対向部分95のクリア
ランス(約0.1〜0.2mm)が大きいためと考えられる。
そこで,この対向部分95のクリアランスを小さくする
ことが考えられる。しかし,凹所92の加工,放熱板7の
外形加工におけるバラツキのために,前記クリアランス
を生じてしまう。
また,上記問題点に対する対策として,第12図に示す
ごとく,凹所92を幅広く設けて,その天井面921におけ
る,凹所92の側壁と放熱板7の側壁との間を広く取る方
法がある。そして,これらの表面に金属メッキ層75を連
続的に設ける。この方法では,上記対向部分95のクリア
ランスが充分に大きいため,この対向部分においても金
属メッキ層75が形成される。
しかし,凹所92を大きく取ると,基材9の裏側面にお
けるパターン形成の自由度が阻害される。一方,凹所92
の大きさを制限すれば,放熱板7が小形状となり放熱性
が阻害される。
また,上記方法では,凹所92の天井面921に放熱板7
を接着する際,接着剤8が両者の間よりはみ出す(溢
流)ことがある。そして,この接着剤のはみ出し部分が
大きいときには,金属メッキ層75が形成されない。その
ため,はみ出し防止のために,接着剤8の量を調整する
必要がある。
また,上記に示した電子部品搭載用基板においては,
放熱板が基材9の凹所92内に挿入され,接着剤8によっ
て接着されているが,長期間の使用中に放熱板が剥離脱
落するおそれがある。
ところで,近年,電子部品の高機能化に伴って,演算
処理速度の高速化が必要となり,特に電子部品への信号
の入出力に使用されるディジタル信号(ON−OFF)のク
ロック周波数も,数十MHzから数百MHzへと高周波域に拡
大している。
しかし,高周波域においてディジタル信号のパルス波
を効率良く入出力させるためには,回路の電気特性とし
ては,キャンパシタンス(誘電率)とインダクタンス
(磁気誘導係数)とを小さくする必要がある。この中,
キャパシタンスは,基材の材料特性で定められるが,イ
ンダクタンスは配線設計に起因することが多い。
特に,電源回路,接地回路は,低インダクタンス回路
とする必要があり,その回路パターンは出来るだけ太く
することが望まれる。
また,上記高機能化に伴って,電子部品搭載用凹部内
に配置した電子部品からも多量の熱が発生する。それ
故,放熱板は少しでも大きいことが要求され,その結果
放熱板を接合する基材の裏側面は,回路形成の自由度が
少なくなっている。
本発明はかかる問題点に鑑み,放熱板と凹所との対向
部分における金属メッキ層が確実に形成されており,放
熱板の脱落のおそれがなく,電源回路,接地回路を低イ
ンダクタンス回路とすることができる,高機能で放熱性
に優れた電子部品搭載用基板を提供しようとするもので
ある。
〔課題の解決手段〕
本発明は,第1基材と,第2基材と,両者の間に接着
剤を介して挟着固定した放熱板と,上記第1基材側にお
いて該第1基材及び接着剤を貫通して放熱板の上部まで
ザグリ加工形成した電子部品搭載用凹部とよりなり,ま
た上記放熱板の裏側は上記第2基材に設けた段付穴より
その一部を露出させてなる電子部品搭載用基板であっ
て,上記第2基材の段付穴と放熱板との対向部分には,
第2基材と放熱板の両者にまたがると共に上記接着剤を
同一表面上に露出させた露出凹部をザグリ加工により設
けてなり,かつ上記放熱板と露出凹部と第2基材裏側に
は連続した金属メッキ層が被覆してあり,また上記電子
部品搭載用凹部の側壁には基材の外部へ導通させた導通
層を設け,また該導通層には電源用端子又は接地用端子
を設けてなることを特徴とする電子部品搭載用基板にあ
る。
本発明において最も注目すべきことは,上記裏側の対
向部分において上記露出凹部を設け,放熱板と露出凹部
と第2基材裏側面との間に連続した金属メッキ層を被覆
していること,及び第1基材と第2基材との間に放熱板
を挟着固定すると共に放熱板の裏側の一部分を第2基材
の段付穴より露出させていること,及び電子部品搭載用
凹部の側壁には上記導通層を設けかつ該導通層に電源用
端子又は接地用端子を設けたことにある。
上記露出凹部は,第2基材と放熱板の両者の間に,ま
たがって形成されている。また,第2基材の裏側の段付
穴は,通常,第2基材の中央部分に角状或いは円状等に
形成される。そして,放熱板は凸状を有しており,その
小径部分が上記第2基材の段付穴に挿入された状態で第
2基材に保持され,放熱板の裏側が外部へ露出している
(第1図参照)。そのため,放熱板の小径部は上記段付
穴と相似形に設けられる。それ故,上記対向部分は,通
常は角状,円状等の環状に形成される(第4図参照)。
また,接着剤は段付穴側壁と放熱板側壁との間,即ち
上記対向部分に充填されている。そして,該対向部分に
おいて,ザグリ加工によって設けた前記露出凹部には,
接着剤が露出した状態にある。該接着剤の露出表面は,
露出凹部の天井面とほぼ同じ面上にある。
上記第1基材,第2基材の材料としては,ガラス−エ
ポキシ樹脂,ガラス−ビスマレイミド−トリアジン樹
脂,ガラス−ポリイミド樹脂等がある。また,放熱板と
しては,銅,銅系合金,鉄系合金等がある。
また,接着剤としては流れ性の良い,プリプレグと称
される接着シートがある。また,接着剤の材料として
は,エポキシ樹脂,ビスマレイミド−トリアジン樹脂
(BT樹脂),ポリイミド樹脂等がある。また,金属メッ
キ層の材料としては,銅,ニッケル,金等がある。
また,上記対向部分におけるクリアランスは,0.05〜
0.3mmとすることが好ましい。0.05mm未満では,放熱板
と段付穴との寸法精度が厳しくなり,一方0.3mmを越え
ると接着剤層の幅が大きくなりすぎて金属メッキ層が充
分に形成されないおそれがある。
また,露出凹部の深さは,0.05〜0.2mmとすることが好
ましい。0.05mm未満では基材の厚み精度と露出凹部の加
工精度が厳しく,一方,0.2mmを越えると金属を加工する
上で負荷が大きすぎるからである。
更に露出凹部の幅は0.5〜2.0mmとすることが好まし
い。0.5mm未満では加工する刃の径が小さすぎて折れ易
く,一方,2.0mmを越えると加工される凹部がデッドスペ
ース(Dead Space)となり配線有効面積に制限を受け
ることになるからである。また,上記露出凹部はザグリ
加工により形成する。
次に,上記電子部品搭載用基板の製造方法としては,
次の方法がある。
即ち,まず第2基材の裏側に放熱板の裏側を露出させ
るための段付穴を設ける。一方,第1基材にはその内部
に予め電源回路又は接地回路を設けておく。ついで,上
記第2基材の段付穴と第1基材の内面凹所との間に放熱
板を挟着すると共に第2基材と放熱板とを接着剤を介し
て接着する。そして該接着剤を第2基材の段付穴側壁と
放熱板側壁との対向部分の開口部近くまで充填する。
ついで,該対向部分において第2基材と放熱板との両
者にまたがるザグリ加工を行い,上記接着剤を露出させ
た露出凹部を形成する。更に,第1基材側において第1
基材及び接着剤を貫通して放熱板の上部までザグリ加工
を行って電子部品搭載用凹部を形成する。
その後,上記放熱板と露出凹部と第2基材裏側面との
間に連続した金属メッキ層を形成し,また電子部品搭載
用凹部の内部に導通層の金属メッキ層を形成する。
また,上記接着に当たっては,接着剤を対向部分の開
口部に若干はみ出させることが好ましい。これにより,
接着剤が対向部分の開口部まで完全に充填されたことが
確認できる。このはみ出した接着剤は,上記露出凹部の
形成の際に,ザグリ加工により対向部分における放熱板
及び第2基材と共に取り除かれる。
また,露出凹部の形状としては,四角状(第3C図),
半円状(第5図),三角状(第6図),楕円状(第7
図)など,特に接着剤露出部分がメッキされ易い形状と
する。
また,上記放熱板の形状は,第1基材と第2基材とを
重ね合わせたとき,その内面凹所と段付穴とによって形
成される空間部とほぼ同じである(第3A図参照)。
また,上記電子部品搭載用凹部に設けた導通層には電
源用端子又は接地用端子のいずれか一方を設ける。そし
て,例えば,導通層に電源用端子を設けた場合には,接
地用端子は例えば従来と同様に設ける。
また,これら導通層,電源用端子,接地用端子は,例
えば電子部品搭載用凹部及びその開口周縁に金属メッキ
を施すことにより一体的に設ける。また,導通層を基材
の外部へ導通させる手段としては,基材内に,スルーホ
ール等の外部へ通ずる,幅広の金属層(例えば,内部電
源回路)を設ける方法がある。また,電子部品搭載用凹
部の下部に設けた放熱板に直接に電気的導通を図る方法
もある。
また,電子部品搭載用凹部の開口周縁には信号用端子
を設ける。該信号用端子は基材に設けた信号パターンの
先端部分である。一方電源用端子又は接地用端子は,電
子部品搭載用凹部側壁に設けた導通層の一部分がその開
口周縁へ少し伸びた形状を有する。そして,信号用端子
と電源用端子と接地用端子は,上記開口周縁において,
いわば相互乗り入れした上体に配置されている(第2図
参照)。
また,本発明においては,第1基材の上に上部基材層
を積層して,一方の基材に電源用端子を他方の基材に接
地用端子を形成した積層型の電子部品搭載用基板を構成
することもできる(第8図,第9図参照)。
そして,該上部基材層は,上記電子部品搭載用凹部の
上方に開口部を有し,該開口部には前記と同様の導通層
を設ける。また,該導通層には電源用端子又は接地用端
子を設ける。更に上記上部基材層は2層以上に設けるこ
ともできる。
このような積層型基板においては,上記電源回路,接
地回路をそれぞれ任意にかつ,大きく形成でき,低イン
ダクタンスとすることができ,一層高機能化を図ること
ができる。
即ち,この積層型基板において最も重要なことは,第
1基材の上に上部基材層を積層し,第1基材に設けた電
子部品搭載用凹部及び開口周縁には前記と同様に,第1
導通層及び相互乗り入れした信号用端子と電源用端子
(又は接地用端子)を設けること,また上部基材層の開
口部及びその開口周縁には第2導通層及び相互乗り入れ
した信号用端子と接地用端子(又は電源用端子)を設け
ることである。
そして,上記電源用端子は,第1基材側又は上部基材
層のいずれか一方に設け,該電源用端子を設けなかった
側に接地用端子を設ける。また,上記第1導通層,第2
導通層,電源用端子,接地用端子の形状などは上記と同
様である。
〔作 用〕
本発明の電子部品搭載用基板においては,第2基材と
放熱板にまたがる前記露出凹部を設け,また該露出凹部
には接着剤を同一面上に露出させている。それ故,第2
基材裏側に金属メッキ層を被覆したとき,該金属メッキ
層は上記露出凹部表面に完全に形成されることとなる。
つまり,露出凹部は,その天井面が放熱板,接着剤及
び第2基材の順に並んで同一面上に形成されている。そ
れ故,金属メッキ層はこれらの間に連続して形成される
こととなる。もしも,前記従来のごとく,上記対向部分
に接着剤が存在していない場合,或いは接着剤がはみ出
している状態の場合には金属メッキ層を完全に連続形成
させることができない。
また,本発明においては,接着剤を上記対向部分の間
に充填し,その後対向部分の開口部をザグリ加工して露
出凹部を形成する。そのため,接着剤は,対向部分を満
たすに充分な量を用い,場合によってははみ出させても
良い。それ故,従来のごとく接着剤がはみ出ないよう
に,かつ充填するに丁度良い量に調整する必要もない。
また,本発明においては,前記従来技術のごとく対向
部分の間隔を大きくする必要がない。それ故,放熱板は
パターン形成に可能な限り,大きくすることができ,放
熱性を向上させることができる。
また,本発明においては,放熱板,露出凹部,第2基
材裏側に連続した金属メッキ層が形成してあるので,電
子部品搭載用凹部に基材裏側から湿気が浸入することが
ない。
また,放熱板は第1基材と第2基材との間に挟着固定
されているので,従来のごとく放熱板が脱落するおそれ
がない。
一方,第1基材の表側においては,電源用端子又は接
地用端子は,電子部品の接続端子にボンディングワイヤ
ーにより接続する。そして,該電源用端子又は接地用端
子は,電子部品搭載用凹部側壁の導通層を通じ,第1基
材の内部に設けた内部回路を介して基材外部の電源又は
アースと接続される。また,信号用端子についても電子
部品の接続端子とボンディングワイヤーにより接続す
る。該信号用端子は,導体回路の信号パターンに導通し
ている。
そして,上記導通層は電子部品搭載用凹部の側壁に設
けられ,その導通面積が大きいので,第1基材の内部に
設けた外部へ通ずる内部電源回路又は内部接地回路を大
きくすることができ,電源回路又は接地回路を低インダ
クタンス回路とすることができる。
更に,信号用端子と電源用端子又は接地用端子を,並
列配置した場合には,電子部品の接続端子と上記各端子
との間はほぼ同じ間隔とすることができ,ボンディング
ワイヤーの接続が容易である。
〔効 果〕
したがって,本発明によれば,上述対向部分における
金属メッキ層が確実に形成されており,放熱板の脱落の
おそれがなく,電源回路,接地回路を低いインダクタン
ス回路とすることができる,高機能で放熱性に優れた電
子部品搭載用基板を提供することができる。
〔実施例〕
第1実施例 本発明の実施例にかかる電子部品搭載用基板につき,
第1図〜第4図を用いて説明する。
本例の電子部品搭載用基板1は,第1図に示すごと
く,内部に内部電源回路15を設けた第1基材1Aと,第2
基材1Bと,両者の間に接着剤3を介して挟着固定した放
熱板2とよりなる。そして,上記第1基材1A側において
外第1基材1Aと接着剤3を貫通して放熱板2の上部まで
ザグリ加工形成した電子部品搭載用凹部13とよりなる。
また,上記放熱板2の裏側は,上記第2基材1Bに設け
た段付穴11Bより,その一部を露出させている。また,
上記第2基材1Bの段付穴11Bと放熱板2の対向部分に
は,第2基材1Bと放熱板の両者にまたがると共に上記接
着剤3を同一表面上に露出させた露出凹部4(第3C図)
をザグリ加工により設けてある。
更に,上記放熱板2と露出凹部4と第2基材1Bの裏側
には連続した金属メッキ層75が被覆してある。
また,第1基材1Aの表側においては,電子部品搭載用
凹部13の内面に金属メッキ層による導通層76が形成さ
れ,第1基材1Aの上面には信号パターン用の導体回路94
が形成してある。更に,第1基材及び第2基材を貫通し
ているスルーホール98には,導体ピン99が挿入してあ
る。スルーホール98の内部には金属メッキ層981が形成
してある。
そして,第2図に示すごとく,上記金属メッキによる
導通層76の外壁面には,上記内部電源回路15が接続され
ている。該内部電源回路15は,例えば第1基材1の表面
に設けた導体回路94の線幅の10〜100倍という大きい幅
で設けてある。そして,該内部電源回路15は,電源用ス
ルーホール98に接続されている。
また,電子部品搭載用凹部13の開口周縁には,上記導
通層76に対して電源用端子151が同時メッキにより形成
されている。また,上記電源用端子151と併行に,信号
パターン用導体回路94の信号用端子941,接地回路18の接
地用端子181が相互乗り入れた状態で,並列に設けられ
ている。
次に上記電子部品搭載用基板1の製造方法につき,第
3A図〜第3E図及び第4図を用いて説明する。
まず,第3A図,第4図に示すごとく,第2基材1Bの裏
側に,放熱板2の裏側22を露出させるための段付穴11B
を設ける。また,第1基材1Aにおいては,その裏側に放
熱板2の内面側21を挿入する内面凹所11Aをザグリ加工
により設ける。また,該第1基材1Aはその内部に内部電
源用端子15を有している。即ち,該基材1Aは薄い絶縁基
材の上に内部電源用端子15をメッキにより形成し,その
上に更に絶縁基材を接着して形成してある。また,第1
基材1Aの表面には銅箔19を有する。
また,放熱板2は,逆凸形状を有し,その小径部が裏
側22を,大径部が内面側21を構成している。そして,該
放熱板2の形状は,上記第1基材1Aと第2基材1Bとを重
ね合わせたときに形成される空間と同じである(第3B図
参照)。また,第2基材1Bは段付穴11Bに,放熱板の裏
側22を挿入する開口部12Bを有する。
次に,第3A図に示すごとく,放熱板2及び第2基材1B
に接着剤3を付着させて,第3B図に示すごとく,第1基
材1Aと第2基材1Bとの間に放熱板2を挟持し,加熱加圧
し,放熱板2を接着する。
このとき,接着剤3は,第1基材1Aの内面凹所11Aと
放熱板2の間に,及び第2基材の段付穴11Bと放熱板2
との間即ち対向部分120内に充填される。また,接着剤
3は,対向部分120の開口部121より外部にはみ出し(溢
流)て,はみ出し部31を形成している。そのため,放熱
板2と第2基材の段付穴11Bとの間は,接着剤3によっ
て完全に満たされている。また,上記接着時には,第1
基材1Aと第2基材1Bとは同時に接着剤3により接着され
る。
次に,第3C図に示すごとく,上記対向部分120におい
て第2基材1Bと放熱板2との両者にまたがるザグリ加工
を行い,露出凹部4を形成する。該露出凹部4の天井面
は,第2基材1Bに形成された段部13Bと,放熱板2に形
成された段部24と,両者の間に露出した接着剤3の露出
面32とよりなり,これらは同一面上にある。
一方,第1基材1Aの表側においては,第3C図に示すご
とく,電子部品搭載用凹部13をザグリ加工により形成
し,放熱板2の内面側を露出させる。即ち,第1基材1A
と内部電源回路15と接着剤3とを貫通すると共に放熱板
2の内面側の一部まで達するザグリ加工を行う。また,
該電子部品搭載用凹部13においては,その側壁131と,
内部電源回路15の切断面152と,接着剤3の露出面33と
は同一面上にある。
次に,第3D図に示すごとく,第2基材1Bの裏側におい
て,放熱板2,露出凹部4,第2基材1Bの表面に連続した金
属メッキ層75を形成する。また,第1基材1Aの表側にお
いても電子部品搭載用凹部13内に金属メッキによる導通
層76を形成する。これら金属メッキ層75,導通層76の形
成は,同時に行う。
また,上記導通層76の形成時には,その外側面が内部
電源回路15の上記切断面152と接続される。
その後,第3E図に示すごとく,エッチングにより導体
回路94,電源用端子151等の形成行う。以上により,電子
部品搭載用基板が製造される。このものは,前記第1図
に示したものと同様である。
次に,作用効果につき説明する。
即ち,本例の電子部品搭載用基板1は,前記第2基材
1Bの段付穴1Bと放熱板2との間の対向部分120におい
て,第2基材1Bと放熱板2にまたがる露出凹部4を形成
し,第2基材1B,露出凹部4,放熱板2に連続した金属メ
ッキ層75を設けている。そして,上記露出凹部4におい
ては,第3C図に示すごとく,第2基材の段部13Bと接着
剤の露出面32と放熱板の段部24が同一平面上にある。そ
のため,金属メッキ層75が,これらの表面に確実に連続
形成される。
また,本例では,第3B図に示すごとく,放熱板2の接
着に当たり,接着剤3のはみ出し部31を形成させてい
る。そのため,接着剤3は,放熱板2と第2基材1Bとの
間に完全に充填される。そして,このはみ出し部31は,
第3C図に示すごとく,ザグリ加工による露出凹部4形成
の際に除去される。
それ故,露出凹部4の表面には,必ず接着剤3の露出
面32が形成され,前記金属メッキ層75が確実に形成され
る。また,そのため,従来のごとく,接着剤のはみ出し
防止,接着剤の充填等のために,接着剤量の調整を行う
必要がない。
また,前記第12図に示した従来技術のごとく対向部分
の間隔を大きくする必要がない。そのため,放熱板は,
できるだけ大きく配設することができ,放熱性が向上す
る。また,放熱板,露出凹部,第2基材裏側に,連続し
た金属メッキ層75が形成されているので,電子部品搭載
用凹部に基材裏側から湿気が浸入することもない。
また,放熱板2は第1図に示すごとく,第1基材1Aと
第2基材1Bとにより挟着固定されているので,長期間の
使用においても放熱板2が脱落することがない。
また,本例の電子部品搭載用基板においては,電源用
端子151を接続した導通層76が,電子部品搭載用凹部13
の側壁及び底面に設けてあるので,上記内部電源回路15
についても第1基第の内部において幅広く取ることがで
きる。それ故,該電源回路を低インダクタンス回路とす
ることができ,電子部品の高機能化に対応できる。
また,電子部品搭載用凹部13の開口周縁に設けた信号
用端子941,電源用端子151,接地用端子181は,並列配置
してある。そのため,これら各端子と電子部品88の接続
端子との間における,ボンディングワイヤー89の接続が
容易である(第2図)。
なお,上記電源用端子151と接地用端子181とはその位
置を逆にすることもできる。即ち,電源用端子151を接
地用端子に,また接地用端子181を電源用端子として使
用することもできる。
なお,放熱板には,放熱用フィンを接合して,放熱性
を高めることもできる。
第2実施例 本例は,第5図〜第7図に示すごとく,第1実施例に
おける露出凹部4の形状を種々変えたものである。
即ち,第5図に示す露出凹部4は,半円状で第2基材
1Bの円弧状面141と,接着剤の露出面32と,放熱板の円
弧状面212とよりなる。
また,第6図に示す露出凹部4は,三角状で,第2基
材1Bの斜面142と,接着剤の露出面32と放熱板の斜面213
とよりなる。
更に,第7図に示す露出凹部4は,略楕円状で,第2
基剤1Bの弧面143と接着剤の露出面32と,放熱板の弧面2
14とよりなる。
上記いずれの露出凹部においても,上記の各表面は,
連続した面上にある。それ故,第1実施例と同様に,そ
の表面には連続した金属メッキ層を確実に形成でき,同
様の効果を得ることができる。
第3実施例 上記第1実施例における具体例について示す。
本例においては,第1基材1A,第2基材1Bとして,厚
さ0.5mmのビスマレイミド−トリアジン樹脂(BT樹脂)
材の銅張積層板を用いた。放熱板は,銅板を用いた。
接着剤3としては,BT樹脂のプリプレグ接着剤を用い
た。その接着にあたっては,170℃で加熱圧着した。この
とき,はみ出し部31の高さは約0.1mmであった。また,
露出凹部4(第3C図)の深さは,0.1mm,幅1.0mmであっ
た。該露出凹部4は対向部分120に沿って四角環状を呈
している。
金属メッキ層75,導通層76は,無電解方法又は電解方
法により形成し,その金属メッキの厚みは約20μmであ
った。また,金属メッキ層75は,放熱板2,露出凹部4,第
2基材1Bの裏側面に連続して,確実に形成されていた。
金属メッキによる導通層76も同様に連続形成されてい
た。
なお,比較のために,第3B図に示すごとく,接着剤の
はみ出し部31があるままで,金属メッキ層75の形成を行
った。その結果,接着剤のはみ出し部31において,金属
メッキ層が被覆されていないメッキ不良部分を,各所で
生じていた。
第4実施例 本例は,第8図及び第9図に示すごとく,前記第1実
施例の電子部品搭載用基板において,更にその上ににも
う一層の上部基材層100を積層した積層型基板を示すも
のである。
上記上部基材層100は,前記第1実施例の導体回路94
の上にプリプレグ接着剤35を介して接合されている。
また,上部基材層100は,上記電子部品搭載用凹部13
の上方にそれよりも太径の開口部105を有し,該開口部1
05の開口周縁には第2導通層760が金属メッキにより形
成されている。また,該上部基材層100は,その裏面に
予め内部接地回路185が設けてある。該内部接地回路185
は,その一方が接地用スルーホール98に接続され,他方
は上記第2導通層760に接続され,また前記内部電源回
路15と同様に広い幅を有する。また,該第2導通層760
には接地用端子186が延設してある。また,上部基材層1
00の上面には,導体回路940が設けてある。
そして,電子部品搭載用凹部13内の電子部品88におけ
る各接続端子と,電源用端子151,導体回路94の信号用端
子941,接地用端子186,導体回路940の信号用端子943との
間には,それぞれボンディングワイヤー89,890が接続さ
れる。
本例によれば,第1実施例と同様の効果を得ることが
できる。
また,本例においては,電子部品搭載用凹部13の開口
周縁,及び上部基材層100の開口部105の開口周縁に,そ
れぞれ電源用端子151と信号用端子941,及び接地用端子1
86と信号用端子943を並列配置している。そのため,第
1実施例に比してより高密度の配線を行うことができ
る。
また,電源用端子151と接地用端子186を,広い面積の
導通層76,第2導通層760にそれぞれ配設しており,また
内部電源回路15,内部接地回路185を幅広く設けてあるの
で,これらを低いインダクタンスとすることができる。
なお,電源用端子151と接地用端子186とは,その用途
(電源用,接地用)を逆にして用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は第1実施例の電子部品搭載用基板を示
し,第1図はその断面図,第2図はその要部斜視図,第
3A図〜第3E図はその製造工程説明図,第4図は第1基材
と放熱板と第2基材の展開斜視図,第5図〜第7図は第
2実施例における露出凹部の形状を示す図,第8図及び
第9図は第4実施例の積層型電子部品搭載用基板を示
し,第8図はその断面図,第9図はその要部斜視図,第
10図〜第12図は従来の電子部品搭載用基板を示し,第10
図はその1例の断面図,第11図はその問題点を示す断面
図,第12図は他の従来の電子部品搭載用基板の断面図で
ある。 1……電子部品搭載用基板, 100……上部基材層, 120……対向部分, 13……電子部品搭載用凹部, 15……内部電源回路, 151……電源用端子, 181,186……接地用端子, 185……内部接地回路, 2……放熱板, 3……接着剤, 31……はみ出し部, 4……露出凹部, 75……金属メッキ層, 76……導通層, 760……第2導通層, 941,943……信号用端子, 1A……第1基材, 1B……第2基材, 11A……内面凹所, 11B……段付穴,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 23/12 H01L 23/34 - 23/473 H05K 1/02 H05K 3/46

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1基材と,第2基材と,両者の間に接着
    剤を介して挟着固定した放熱板と,上記第1基材側にお
    いて該第1基材及び接着剤を貫通して放熱板の上部まで
    ザグリ加工形成した電子部品搭載用凹部とよりなり,ま
    た上記放熱板の裏側は上記第2基材に設けた段付穴より
    その一部を露出させてなる電子部品搭載用基板であっ
    て, 上記第2基材の段付穴と放熱板との対向部分には,第2
    基材と放熱板の両者にまたがると共に上記接着剤を同一
    表面上に露出させた露出凹部をザグリ加工により設けて
    なり, かつ上記放熱板と露出凹部と第2基材裏側には連続した
    金属メッキ層が被覆してあり, また上記電子部品搭載用凹部の側壁には基材の外部へ導
    通させた導通層を設け,また該導通層には電源用端子又
    は接地用端子を設けてなることを特徴とする電子部品搭
    載用基板。
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