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JP2781626B2 - 可溶化型透明化粧料 - Google Patents

可溶化型透明化粧料

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JP2781626B2
JP2781626B2 JP32877389A JP32877389A JP2781626B2 JP 2781626 B2 JP2781626 B2 JP 2781626B2 JP 32877389 A JP32877389 A JP 32877389A JP 32877389 A JP32877389 A JP 32877389A JP 2781626 B2 JP2781626 B2 JP 2781626B2
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JP
Japan
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lotion
skin
saponin
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聡美 山田
光男 近藤
和信 徳永
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可溶化型透明化粧料に関し、更に詳しくは、
外観が透明で、経日安定性,皮膚安全性が良好で、塗布
使用時には、皮膚に良好な感触を与えながら肌になじ
み、しっとりとかつ滑らかに仕上り、べたつき感のな
い、優れた可溶化型透明化粧料に関する。
〔従来の技術〕
近年、可溶化に関する研究が数多くなされた。
その結果、可溶化剤ならびに可溶化技術が進歩し、非常
に安定な可溶化物が多くの分野で利用されている。
それらの可溶化剤は、非イオン型界面活性剤,アニオ
ン型界面活性剤,カチオン型界面活性剤,および両性型
界面活性剤に分類することができる。
しかし、これらの合成界面活性剤を使用した可溶化型
化粧料は、一般に皮膚や毛髪に刺激を与えやすい難点が
ある。
前記界面活性剤の中で、最も刺激が低いといわれてい
る非イオン型界面活性剤であっても、その多くは、ポリ
オキシエチレン鎖等を有することによって、人によって
は刺激を感じるなどの問題点がある。
このような背景のもと、ポリオキシエチレン鎖等をも
たない非イオン型界面活性剤であるアルキルグリコシド
が注目されている。
特開昭59-130210号公報には温和な清浄組成物とし
て、特開平01-25709号公報にはクリーンルーム用化粧料
として、特開平1-203036号公報には乳化組成物及び乳化
化粧料としてアルキルグリコシドを配合した化粧料が開
示されている。しかし、これらの組成物であっては、本
発明の目的とする外観特性(透明),経日安定性,皮膚
安全性,官能特性のすべてに亘って優れた可溶化型透明
化粧料を得ることは困難であった。
また、可溶化剤として前記のごときアルキルグリコシ
ドのみを用いた可溶化型化粧料であっては、一般に可溶
化能に乏しく、特に油性物質としてエステル油のような
極性物質を用いた場合、低温条件(5℃以下)あるいは
高温条件(40℃以上)下に保存すると沈澱を生じるかま
たは濁りやすく、経日安定性に問題があった。また、外
観特性(透明),官能特性などの面でより一層の改良の
必要があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者等は、かかる事情に鑑み、上記問題点を解消
するために鋭意研究した結果、後記一般式(I)で表わ
されるアルキルグリコシドとサポニンとを可溶化剤とし
て組合わせて使用すると、保存中に於ける沈澱乃至濁り
の発生がなく、外観が透明で、経日安定性,皮膚安全性
が良好で、塗布使用時には皮膚に良好な感触を与えなが
ら肌になじみ、しっとりとかつ滑らかに仕上り、べたつ
き感のない事を見出し、本発明を完成した。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は下記の一般式(I)で表わされるアルキルグ
リコシドと、サポニンと、油性物質と水とを含むことを
特徴とする可溶化型透明化粧料である。
(式中Rは炭素数8〜22のアルキル基あるいはアルケニ
ル基、またnは1〜5の整数を表わす。) 以下、本発明の構成を詳説する。
本発明に用いる前記一般式(I)で表わされる化合物
すなわちアルキルグリコシドは公知の物質であり、例え
ば、オクチルβ−D−ガラクトシド,ノニレンα−D−
グルコシド,デシル−β−D−グルコシド,ウンデシレ
ン−β−D−マルトシド,ドデシル−β−D−マルトシ
ド,トリデシレン−α−D−ガラクトシド,テトラデシ
ル−α−D−ガラクトシド,ペンタデシレン−β−D−
トレハロシド,エイコシル−β−D−トレハロシド等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記の一般式(I)で表わされるアルキルグリコシド
は人体に安全であり、その皮膚刺激については、ドレイ
ズの方法に準じてテストした結果、動物皮膚刺激スコア
ー,人体皮膚刺激スコアーともに0であり、無刺激性で
あることを確認している。
本発明の可溶化型透明化粧料における前記一般式
(I)で表わされるアルキルグリコシドは、可溶化剤と
して一種または二種以上を組合わせて使用される。
その含有量は、組成物の総量を基準として、0.01〜5.
0重量%,好ましくは0.1〜1.0重量%である。
アルキルグリコシドの含有量が0.01重量%未満では、
可溶化能が乏しく外観が透明にならず、5.0重量%を超
えては、使用時の感触が悪くなりやすい。
本発明におけるサポニンは公知の物質で、ステロール
或いはトリテルペンという無極性グループ(サポニゲ
ン)と、糖(ペントース,ヘキソース,ウロン酸等)が
結合した化合物であると定義される。
その存在は、ある種のヒトデを例外として、一般に広
く植物界に見られ、かつ一種の植物中に多種類のサポニ
ンが存在する。
本発明ではその出所および取得法は特に限定されるも
のではないが、特に甘草から得られるサポニン(α−ま
たはβ−グリチルリチン酸またはその誘導体),ムクロ
ジ果皮抽出物,大豆サポニン,チユの根茎抽出物,茶の
種子抽出物,椿の種子抽出物が好ましいものとして挙げ
られる。
前記サポニンは、一種または二種以上組合わせて使用
される。
その含有量は、組成物の総量を基準として0.01〜5.0
重量%,好ましくは0.1〜1.0重量%である。
サポニンの含有量が0.01重量%未満では、可溶化能が
乏しく外観が透明にならず、5.0重量%を超えてはそれ
自身が系に溶解しきれずに沈澱を生じたり、系が着色し
たりする傾向があり、また化粧料の使用時の感触が悪く
なりやすい。
本発明に使用する油性物質とは、広義の油性物質を意
味し、天然動植物から抽出した油溶性香料や合成の油溶
性香料,油溶性ビタミン類(例えばビタミンA,ビタミン
D,ビタミンE,ビタミンF,ビタミンK群等のビタミン類,
ジカプリル酸ピリドキシン,ジパルミチン酸ピリドキシ
ン,酢酸dl−α−トコフェロール,ニコチン酸dl−α−
トコフェロール,ジパルミチン酸アスコルビル,モノパ
ルミチン酸アスコルビル,モノステアリン酸アスコルビ
ル等のビタミン誘導体等),油溶性ホルモン類(例え
ば、エストラジオール,エチニルエストラジオール,エ
ストロン,ジエチルスチルベストロール等),油溶性色
素類(例えばスダンIII,テトラブロムフルオレセイン.
ジブロムフルオレセイン,フルオレセイン,キニザリン
グリーンSS等),油溶性紫外線吸収剤類(例えば、オキ
シベンゾン,25−ジイソプロピル桂皮酸メチル等),動
植物油類(例えば、アボガド油,オリーブ油,アルモン
ド油,パーム油等),高級脂肪族炭化水素類(例えば、
流動パラフィン,スクワラン等),高級脂肪酸類(例え
ば、イソステアリン酸,オレイン酸等),高級アルコー
ル類(例えば、イソステアリルアルコール,オクチルド
デカノール等),エステル油類(例えば、イソプロピル
ミリステート,オクチルドデシルミリステート等)等で
ある。
これらの油性物質は、一種または二種以上組合わせて
使用される。
その含有量は、組成物の総量を基準として0.0001〜1
重量%,好ましくは0.001〜0.3重量%である。
油性物質の含有量が0.0001重量%未満では当該油性物
質の固有の特性効果が少なくなり、1重量%を超えては
その可溶化が困難となり易い傾向にある。本発明におけ
る水は、イオン交換水等の精製水が一般に用いられる。
その含有量は、組成物の総量を基準として45〜99.0重
量%,好ましくは60〜90重量%である。
本発明の可溶化型透明化粧料においては、エタノール
の配合を必須条件とはしないが、エタノールを適量添加
混合することによって、清涼感を与え、乾燥速度を向上
させることができる。
エタノールの含有量は、0〜50重量%,好ましくは5
〜30重量%である。
また、本発明の可溶化型透明化粧料が二層コンディシ
ョニングローション等の場合は、公知の所要顔料を更に
添加配合することができる。
顔料の含有量は10重量%以下,好ましくは、0.5〜5
重量%である。
顔料としてはカオリン,マイカ,セリサイト,タル
ク,黄酸化鉄、赤酸化鉄等が挙げられる。
尚、本発明の可溶化型透明化粧料には、必要に応じて
公知の添加成分例えば、保湿剤,皮膚又は毛髪の栄養
剤,水溶性色素,紫外線吸収剤,収れん剤,水溶性天然
高分子(カゼインソーダ,ペクチン,キサンタンガム,
カラヤガム,ローカストビーンガム,カラギーナン
等),白濁剤(アクリルスチレン共重合体分散液等),
真珠様光沢付与剤(魚鱗箔等)等を配合してもよい。
本発明の化粧料としては、例えば整肌化粧水,拭き取
り化粧水,柔軟化粧水,アクネトリートメントローショ
ン,アフターシェーブローション,クレンジングローシ
ョン,ヘアートニック等が挙げられる。
更に、本発明の化粧料に顔料,パール剤,白濁剤等を
添加した場合には、外観の美しい二層型化粧水,パール
状化粧水,白濁状化粧水を得ることが出来る。
〔実施例〕
以下実施例及び比較例の記載にて本発明を詳細に説明
する。尚、含有量は重量%で表わす。
実施例において調べた化粧料の特性は、外観特性(透
明性),経日安定性,皮膚安全性,官能特性である。
その試験方法は次の通りである。
(1)外観特性(透明性) 外観の透明性は、透過度の測定結果で表わした。透過
度は波長450nmの光の光透過率で表わす。
その値が80%以上であると、肉眼でも透明である。
(2)保存安定性 試料組成物を45℃,30℃または0℃の恒温槽に1ケ月
から6ケ月間放置し、その濁り,沈澱などを肉眼にて検
査した。
(3)皮膚安全性(人体パッチテスト) 被検者25名の前腕屈側部皮膚に、試料0.05gを直径1.0
cmの円形のリント布のついたパッチテスト用絆創膏を用
いて24時間閉塞貼付した後、下記第1表に示す判定基準
に従い、各試料について被検者25名の皮膚の状態を評価
判定した。判定結果は、絆創膏除去1時間後及び24時間
後のうち反応の強い方を採用し、評価が(±)以上の人
数で示した。
(4)官能特性 塗布使用時の感触(さっぱり感,しっとり感,べたつ
き感,滑らかさ),塗布後の仕上りを専門検査員3人に
よって調べ、総合評価した。
実施例1〜4,比較例1〜2(整肌化粧水) 第2表記載の組成(重量%)で、整肌化粧水を調製し
た。
アルキルグリコシドとしては、デシル−β−D−グル
コシドを用いた。
また、用いた甘草サポニンは、α−グリチルリチン酸
モノアンモニウムを主として含む。
表中成分1〜3を混合溶解し(溶液1)、別途に表中
成分4〜7を混合溶解した(溶液2)。溶液1に溶液2
を混合し、化粧水を調製した。
得られた化粧水の特性を第2表に併せて示す。
表から判るように、アルキルグリコシドとサポニンの
両者を含む実施例1〜4の化粧水は、極性物質であるイ
ソプロピルミリステートを含むにもかかわらず、透明
性,保存安定性に優れる。
他方、アルキルグリコシドまたはサポニンの一方を欠
く比較例1および2の化粧水は透明性,保存安定性が悪
く、沈澱,濁り,油浮きが生じる。
本発明の化粧水は、官能特性においても比較例より優
れている。
比較例3 下記の組成(重量%)で、整肌化粧水を調製した。ア
ルキルグリコシドとして実施例1〜4および比較例1,2
と同様のデシル−β−D−グルコシドを用いた。
比較例3 1.グリセリン 5.0 2.デシル−β−D−グルコシド 0.5 3.イソプロピルミリステート 0.02 4,精製水 84.38 5.リン酸−水素ナトリウム 0.1 6,エタノール 10.0 成分1に成分2を均一に混合溶解した後、ホモミキサ
ー処理しながら成分3を徐々に添加する(溶液1)。
成分4に成分5を均一に混合溶解する(溶液2)。溶
液1と溶液2を混合し、さらに成分6を添加して化粧水
を調製した。
この方法で調製した化粧水は、サポニンを含有しない
ため、外観が白濁し、翌日には油うきが生じた。
実施例5〜8,比較例4〜5(アフターシェーブローショ
ン) 第3表記載の組成(重量%)で、アフターシェーブロ
ーションを調製した。アルキルグリコシドとして、テト
ラデシル−α−D−ガラクトシドを用いた。また、サポ
ニンとしてはムクロジ果皮抽出物を用いた。
実施例5〜8のアフターシェーブローションは透明
性,保存安定性,官能特性が良好であった。しかし、ア
ルキルグリコシドまたはサポニンの一方を欠く比較例4
および5のアフターシェーブローションは沈澱,濁りが
生じる。このように、これらの透明性,保存安定性には
問題がある。一方、本発明のアフターシェーブローショ
ンは透明性,保存安定性,官能特性のいずれの点におい
ても比較例より著しく優れている。
実施例9〜15,比悪例6,7 実施例4のイソプロピルミリステートの含有量(重量
%)を変化する他は、実施例4と同様に調製した。
得られた整肌化粧水の特性を第4表に示した。この結
果から明らかなように、油性物質の含有量は、0.0001〜
1重量%(好ましくは0.001〜0.3重量%)で、外観(透
明性),保存安定性,官能特性の良好な整肌ローション
が得られた。
比較例8 実施例4のデシル−β−D−グルコシド5.0重量%と
甘草サポニン0.1重量%に代えて、ポリオキシエチレン
(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル5.1
重量%を可溶化剤として用いて整肌化粧水を調製した。
この化粧水と実施例4の皮膚安全性(人体パッチテス
ト)の結果を、第5表に示した。
この結果から明らかなように、デシル−β−D−グル
コシドと甘草サポニンを用いた実施例4の整肌化粧水は
比較例8より皮膚安全性が極めて優れている。
実施例16(二層型コンディショニングローション) 下記の組成(重量%)で、二層型コンディショニング
ローションを調製した。アルキルグリコシドとして、ド
デシル−β−D−マルトシドとオクタデシル−α−D−
スタキオシドを用い、サポニンとして、甘草サポニン,
大豆サポニンとを用いた。
含有量 1.エタノール 10.0 2.香料(ベルガモットオイル) 0.1 3.硫酸亜鉛 0.3 4.亜鉛華 1.0 5.ベンガラ 0.01 6.タルク 1.0 7.ドデシル−β−D−マルトシド 0.15 8.甘草サポニン 0.05 9.大豆サポニン 0.1 10.炭酸ナトリウム 0.2 11.精製水 87.09 上記成分の11の一部に成分3,7,8,および9を混合溶解
し、この水溶液に予め擂潰混合した成分4〜6の混合物
を添加して、攪拌下に均一分散させる。次に成分11の残
部に成分10を溶解したものを攪拌下に徐々に加え、さら
に成分1に成分2を溶解させたものを均一に混合して本
発明の二層型コンディショニングローションを調製し
た。
この二層型コンディショニングローションの振盪時の
均一混和性を調べた結果、分離していた粉体層と水層は
所要振盪回数4回にして一体的に混和し、水中に粉体が
均一に分散した懸濁液を生成した。
この結果から、この二層型コンディショニングローシ
ョンは、振盪によって容易に均一懸濁状となりかつ、適
当時間安定に保持し得て、極めて使用し易いことを認め
た。
さらに静置1時間後、透明無色の水層部と淡赤色の粉
体層部の二層に明瞭に分離した美しい外観を呈した。
この二層型コンディショニングローションは、使用時
にべたつき感がなく、良好な感触を有し、塗布後の仕上
りも良好であった。
実施例16における、ドデシル−β−D−マルトシドに
代えて、オクチル−β−D−ガラクトシド,ノニレン−
α−D−グルコシド,ウンデシレン−β−D−マルトシ
ド,エイコシル−β−D−トレハロシドを用いて調製し
た二層型コンディショニングローションも、各々実施例
16とほぼ同じ挙動を示した。
〔発明の効果〕
本発明は、アルキルグリコシドおよびサポニンを含有
せしめることによって、外観が透明で、経日安定性,皮
膚安全性が良好で、塗布使用時には皮膚に良好な感触を
与えながら肌になじみ、しっとりとかつ滑らかに仕上
り、べたつき感のない、優れた有用な可溶化型透明化粧
料を提供し得る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(A)〜(D)の4成分から成る、
    可溶化型透明化粧料。 (A)下記式(I)で表される、アルキルグリコシド;
    0.01〜5.0重量% (式中Rは、炭素数8〜22のアルキル基またはアルケニ
    ル基,nは1〜5の整数を表す。) (B)サポニン;0.01〜5.0重量% (C)油性物質;0.0001〜1.0重量% (D)水
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