JP2773107B2 - 運転シミュレータ装置 - Google Patents
運転シミュレータ装置Info
- Publication number
- JP2773107B2 JP2773107B2 JP18117896A JP18117896A JP2773107B2 JP 2773107 B2 JP2773107 B2 JP 2773107B2 JP 18117896 A JP18117896 A JP 18117896A JP 18117896 A JP18117896 A JP 18117896A JP 2773107 B2 JP2773107 B2 JP 2773107B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- simulated
- vehicle
- road surface
- simulated vehicle
- driver
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
- 238000004088 simulation Methods 0.000 claims description 82
- 238000012545 processing Methods 0.000 claims description 23
- 230000000881 depressing effect Effects 0.000 claims description 4
- 230000005484 gravity Effects 0.000 description 42
- 238000000034 method Methods 0.000 description 37
- 230000006399 behavior Effects 0.000 description 28
- 230000008569 process Effects 0.000 description 28
- 230000001133 acceleration Effects 0.000 description 25
- 230000008859 change Effects 0.000 description 23
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 19
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 15
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 13
- 238000005096 rolling process Methods 0.000 description 9
- 230000006870 function Effects 0.000 description 6
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 5
- 230000005856 abnormality Effects 0.000 description 4
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 4
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 4
- 239000013598 vector Substances 0.000 description 4
- 230000002159 abnormal effect Effects 0.000 description 3
- 239000010426 asphalt Substances 0.000 description 3
- 230000000994 depressogenic effect Effects 0.000 description 3
- 230000009471 action Effects 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 230000008014 freezing Effects 0.000 description 2
- 238000007710 freezing Methods 0.000 description 2
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 2
- 238000002347 injection Methods 0.000 description 2
- 239000007924 injection Substances 0.000 description 2
- 238000013178 mathematical model Methods 0.000 description 2
- 238000003825 pressing Methods 0.000 description 2
- 239000000243 solution Substances 0.000 description 2
- 125000002066 L-histidyl group Chemical group [H]N1C([H])=NC(C([H])([H])[C@](C(=O)[*])([H])N([H])[H])=C1[H] 0.000 description 1
- 206010068829 Overconfidence Diseases 0.000 description 1
- 230000004913 activation Effects 0.000 description 1
- 230000037396 body weight Effects 0.000 description 1
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 230000001419 dependent effect Effects 0.000 description 1
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 230000007613 environmental effect Effects 0.000 description 1
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 1
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 1
- 230000009191 jumping Effects 0.000 description 1
- 239000007788 liquid Substances 0.000 description 1
- 230000035807 sensation Effects 0.000 description 1
- 239000000725 suspension Substances 0.000 description 1
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 1
Landscapes
- Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転操作による車
両の走行状況を動画表示により模擬する運転シミュレー
タ装置に関する。特に、制動時に車輪のロックを防止す
るアンチロックブレーキシステム(Antilock Brake Sys
tem:以下ABSと略す)が作動したときの車両の実挙動
を、運転者の視点から見える風景を、時々刻々、動画表
示することで、運転者に体感させるようにした運転シミ
ュレータ装置に関する。
両の走行状況を動画表示により模擬する運転シミュレー
タ装置に関する。特に、制動時に車輪のロックを防止す
るアンチロックブレーキシステム(Antilock Brake Sys
tem:以下ABSと略す)が作動したときの車両の実挙動
を、運転者の視点から見える風景を、時々刻々、動画表
示することで、運転者に体感させるようにした運転シミ
ュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などでは、制動時の車輪のロック
は不具合をもたらすことが知られており、例えば、前輪
がロックすれば操舵が効かなくなり、また、後輪がロッ
クすれば車両の安定性が損なわれる。よって、制動時に
車両を良好に操縦できるためには、制動時の車輪ロック
を防止し、自動車の操舵性及び安定性を確保する必要が
ある。この制動時の車輪ロックを防止するために、近
年、ABSを搭載した自動車が開発され、その市場に占
める割合が増えてきている。
は不具合をもたらすことが知られており、例えば、前輪
がロックすれば操舵が効かなくなり、また、後輪がロッ
クすれば車両の安定性が損なわれる。よって、制動時に
車両を良好に操縦できるためには、制動時の車輪ロック
を防止し、自動車の操舵性及び安定性を確保する必要が
ある。この制動時の車輪ロックを防止するために、近
年、ABSを搭載した自動車が開発され、その市場に占
める割合が増えてきている。
【0003】このABSとは、運転者の制動操作(ブレ
ーキペダルの踏み込み)により車輪が減速してロック状
態に近づくと、ソレノイドバルブのオン、オフ制御を行
い、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の油圧配
管を遮断し、ブレーキペダルからの踏力によるマスタシ
リンダからホイールシリンダへのブレーキ油圧の印加を
停止し、ホイールシリンダ内のブレーキ油圧がそれ以上
加圧されないようにする。そして、この操作と同時にホ
イールシリンダとリザーバとの間の油圧配管を連通させ
てホイールシリンダ内のブレーキ油をリザーバ内に送り
込み、ホイールシリンダ内のブレーキ油圧を減圧させて
車輪の回転力を復元して車輪のロックを防止する。車輪
の回転力が復元して所定レベル以上になると、ホイール
シリンダとリザーバとの間を遮断して、マスタシリンダ
とホイールシリンダとの間を連通させ、マスタシリンダ
からホイールシリンダへブレーキ油圧を印加し、ホイー
ルシリンダ内のブレーキ油圧を増圧させ、車輪に作用す
る制動力を増加させる。ABSはこのような処理を繰り
返して行うことにより、制動時に車輪がロックしない程
度にブレーキ油圧を制御し、自動車の操舵性及び安定性
を共に確保するという技術である。
ーキペダルの踏み込み)により車輪が減速してロック状
態に近づくと、ソレノイドバルブのオン、オフ制御を行
い、マスタシリンダとホイールシリンダとの間の油圧配
管を遮断し、ブレーキペダルからの踏力によるマスタシ
リンダからホイールシリンダへのブレーキ油圧の印加を
停止し、ホイールシリンダ内のブレーキ油圧がそれ以上
加圧されないようにする。そして、この操作と同時にホ
イールシリンダとリザーバとの間の油圧配管を連通させ
てホイールシリンダ内のブレーキ油をリザーバ内に送り
込み、ホイールシリンダ内のブレーキ油圧を減圧させて
車輪の回転力を復元して車輪のロックを防止する。車輪
の回転力が復元して所定レベル以上になると、ホイール
シリンダとリザーバとの間を遮断して、マスタシリンダ
とホイールシリンダとの間を連通させ、マスタシリンダ
からホイールシリンダへブレーキ油圧を印加し、ホイー
ルシリンダ内のブレーキ油圧を増圧させ、車輪に作用す
る制動力を増加させる。ABSはこのような処理を繰り
返して行うことにより、制動時に車輪がロックしない程
度にブレーキ油圧を制御し、自動車の操舵性及び安定性
を共に確保するという技術である。
【0004】制動時にABSが実際に作動すると、車輪
のロックが防止されるのでスリップしやすい路面、例え
ば雨天時などの湿潤(ウェット)アスファルト路面にお
いても運転者はスリップせずに、操舵性及び安定性を確
保して良好な車両の操縦を行うことができる。しかし、
ABSの作動に習熟していない運転者では、ABSが作
動したときに、ABSが作動していない場合に比べてど
の程度の操舵性及び車両安定性の向上があるのか把握で
きないので、ABSの作動時に効果的な操縦を行えない
可能性がある。或いは、ABSに対して誤った認識を持
った運転者の場合には、ABSを過信して低μ路上を高
速走行するなどの無理な走行を行う可能性もある。しか
も、実車において運転者にABSの性能を経験させるこ
とは、フルブレーキを必要とすることから、テストコー
スでもない限り不可能である。
のロックが防止されるのでスリップしやすい路面、例え
ば雨天時などの湿潤(ウェット)アスファルト路面にお
いても運転者はスリップせずに、操舵性及び安定性を確
保して良好な車両の操縦を行うことができる。しかし、
ABSの作動に習熟していない運転者では、ABSが作
動したときに、ABSが作動していない場合に比べてど
の程度の操舵性及び車両安定性の向上があるのか把握で
きないので、ABSの作動時に効果的な操縦を行えない
可能性がある。或いは、ABSに対して誤った認識を持
った運転者の場合には、ABSを過信して低μ路上を高
速走行するなどの無理な走行を行う可能性もある。しか
も、実車において運転者にABSの性能を経験させるこ
とは、フルブレーキを必要とすることから、テストコー
スでもない限り不可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特表平7−50740
2号公報には、運転者の視点に立って見える環境を車両
の位置及び姿勢に応じて、動画表示することで、運転者
に、あたかも車両が走行しているかのような感覚を与え
る運転シミュレータが開示されている。しかし、この公
報には、ABSが作動した時に、運転者に足の感覚を体
感させるために、ブレーキペダルを振動させることは開
示しているが、ABSが作動した時の車両の挙動を運転
者に体感させることは行っていない。
2号公報には、運転者の視点に立って見える環境を車両
の位置及び姿勢に応じて、動画表示することで、運転者
に、あたかも車両が走行しているかのような感覚を与え
る運転シミュレータが開示されている。しかし、この公
報には、ABSが作動した時に、運転者に足の感覚を体
感させるために、ブレーキペダルを振動させることは開
示しているが、ABSが作動した時の車両の挙動を運転
者に体感させることは行っていない。
【0006】したがって、ABS装備が有る場合と無い
場合及び路面の様々な摩擦状態とで、制動時の車両の挙
動を、車両のフロントウインドウから見える景色を時々
刻々表示することで、運転者に車両の制動性やハンドル
操作性を体感させることは行われていない。よって、従
来の運転シミュレータ装置では、ABS装置の有効性を
各種の路面状態や走行速度に応じて模擬体感させること
はできなかった。
場合及び路面の様々な摩擦状態とで、制動時の車両の挙
動を、車両のフロントウインドウから見える景色を時々
刻々表示することで、運転者に車両の制動性やハンドル
操作性を体感させることは行われていない。よって、従
来の運転シミュレータ装置では、ABS装置の有効性を
各種の路面状態や走行速度に応じて模擬体感させること
はできなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、上記課題に鑑
み、低μ路から高μ路までの各種の路面状態や速度に応
じて、ABS設備が存在する場合と、存在しない場合と
で、車両の実挙動を、車両のフロントウインドウから見
える前方の景色を、時々刻々、表示画面上で表示するこ
とで、運転者に制動性とハンドル操作性とを体感させる
ことができるようにすることである。
み、低μ路から高μ路までの各種の路面状態や速度に応
じて、ABS設備が存在する場合と、存在しない場合と
で、車両の実挙動を、車両のフロントウインドウから見
える前方の景色を、時々刻々、表示画面上で表示するこ
とで、運転者に制動性とハンドル操作性とを体感させる
ことができるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1、2に記載の手段を採用することができ
る。この手段によると、運転シミュレータ装置において
運転者の操作に応じて模擬車両の走行状況が模擬され、
模擬車両の制動時には模擬車輪のロックを防止すべくA
BSの作動が模擬路面の路面状態に応じて模擬される。
そして、それら模擬結果が、模擬車両の周囲の環境を模
擬した模擬環境の動画表示として実時間処理にて出力さ
れる。これによって、操作者は運転シミュレータ装置を
操作し、フルブレーキ操作を行うことで、ABSの作動
時の車両挙動を動画表示により体感することができる。
また、路面状態の路面状態に応じた走行体験を行うこと
ができるので、より実際に則したシミュレーションを実
行することができる。
めに、請求項1、2に記載の手段を採用することができ
る。この手段によると、運転シミュレータ装置において
運転者の操作に応じて模擬車両の走行状況が模擬され、
模擬車両の制動時には模擬車輪のロックを防止すべくA
BSの作動が模擬路面の路面状態に応じて模擬される。
そして、それら模擬結果が、模擬車両の周囲の環境を模
擬した模擬環境の動画表示として実時間処理にて出力さ
れる。これによって、操作者は運転シミュレータ装置を
操作し、フルブレーキ操作を行うことで、ABSの作動
時の車両挙動を動画表示により体感することができる。
また、路面状態の路面状態に応じた走行体験を行うこと
ができるので、より実際に則したシミュレーションを実
行することができる。
【0009】また、模擬車輪と模擬路面との間の模擬摩
擦係数が所定の値に任意に設定する手段を備えれば、低
μ路から高μ路まで様々な路面状態におけるシミュレー
ションが可能となり、シミュレーション効果をより高め
ることができる。
擦係数が所定の値に任意に設定する手段を備えれば、低
μ路から高μ路まで様々な路面状態におけるシミュレー
ションが可能となり、シミュレーション効果をより高め
ることができる。
【0010】また、請求項3の発明では、模擬ブレーキ
ペダルの踏み込みに応じて得られる制動力を路面の摩擦
係数に応じて制限することで模擬車輪のロックを防止す
るようにしているので、ABSの作動時の制動性とハン
ドル操作性が、ABSの作動時の制動力の平均値で模擬
できる。
ペダルの踏み込みに応じて得られる制動力を路面の摩擦
係数に応じて制限することで模擬車輪のロックを防止す
るようにしているので、ABSの作動時の制動性とハン
ドル操作性が、ABSの作動時の制動力の平均値で模擬
できる。
【0011】また、請求項4に記載の手段によれば、模
擬操作手段を操作者が操作することで模擬車両の走行状
況がつくりだされ、その模擬車両の走行状況と模擬操作
手段の操作状況とが検出手段により検出される。そし
て、検出手段により模擬操作手段の操作状況が検出さ
れ、その検出値と模擬路面の路面状態とに基づいて模擬
アンチロックブレーキ手段により模擬車両制動時におけ
る模擬車輪のロックが防止され、模擬運動演算手段によ
り模擬車両の運動が模擬される。この模擬運動演算手段
の出力に基づいて模擬表示手段により模擬車両周囲の模
擬環境が動画表示される。これにより、模擬車両の制動
時において、模擬車輪がロック状態に近づくと模擬アン
チロックブレーキ手段によって模擬車輪がロックしない
ようにブレーキ油圧が制御され、この模擬アンチロック
ブレーキ手段の作用に基づいて模擬車両の運動が演算さ
れるので、そのときの模擬車両の挙動を動画表示により
模擬することができる。よって、運転者は、運転シミュ
レータ装置で体験走行することで、ABS作動時の車両
の挙動をより具体的に学習することができる。
擬操作手段を操作者が操作することで模擬車両の走行状
況がつくりだされ、その模擬車両の走行状況と模擬操作
手段の操作状況とが検出手段により検出される。そし
て、検出手段により模擬操作手段の操作状況が検出さ
れ、その検出値と模擬路面の路面状態とに基づいて模擬
アンチロックブレーキ手段により模擬車両制動時におけ
る模擬車輪のロックが防止され、模擬運動演算手段によ
り模擬車両の運動が模擬される。この模擬運動演算手段
の出力に基づいて模擬表示手段により模擬車両周囲の模
擬環境が動画表示される。これにより、模擬車両の制動
時において、模擬車輪がロック状態に近づくと模擬アン
チロックブレーキ手段によって模擬車輪がロックしない
ようにブレーキ油圧が制御され、この模擬アンチロック
ブレーキ手段の作用に基づいて模擬車両の運動が演算さ
れるので、そのときの模擬車両の挙動を動画表示により
模擬することができる。よって、運転者は、運転シミュ
レータ装置で体験走行することで、ABS作動時の車両
の挙動をより具体的に学習することができる。
【0012】また、模擬操作手段として、実際のハンド
ルを模擬した模擬ハンドル、実際のアクセルペダルを模
擬した模擬アクセルペダル、及び実際のブレーキペダル
を模擬した模擬ブレーキペダルを備えることで、制動初
期値としての速度、制動力を変化でき、制動時の操舵性
を体感することができる。
ルを模擬した模擬ハンドル、実際のアクセルペダルを模
擬した模擬アクセルペダル、及び実際のブレーキペダル
を模擬した模擬ブレーキペダルを備えることで、制動初
期値としての速度、制動力を変化でき、制動時の操舵性
を体感することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。図1は、本発明の具体的な実施例に
係わる運転シミュレータ装置100の構成を示したブロ
ック図である。このシミュレータ装置100は自動車の
シミュレーションを対象とした装置であり、運転者(操
作者)40の操作に応じて自動車の走行時の挙動の模擬
を行う。シミュレータ装置100はシナリオ設定装置3
を有しており、このシナリオ設定装置3を用いて後述す
る処理を行うことで、所定のシナリオに設定することが
可能である。シミュレータ装置100は、実際の車両に
対応してイグニッションキー4(模擬イグニッションキ
ー)、ハンドル5(模擬ハンドル)、アクセルペダル6
(模擬アクセルペダル)、ブレーキペダル7(模擬ブレ
ーキペダル)、シフトレバー8(模擬シフトレバー)、
方向指示器9(模擬方向指示器)、サイドブレーキ10
(模擬サイドブレーキ)、及びシートベルト11(模擬
シートベルト)などが設けられている。これらの機器は
運転者40により操作され、各機器の操作状況がセンサ
24〜31(検出手段)により検出され、CPU2に出
力される。
基づいて説明する。図1は、本発明の具体的な実施例に
係わる運転シミュレータ装置100の構成を示したブロ
ック図である。このシミュレータ装置100は自動車の
シミュレーションを対象とした装置であり、運転者(操
作者)40の操作に応じて自動車の走行時の挙動の模擬
を行う。シミュレータ装置100はシナリオ設定装置3
を有しており、このシナリオ設定装置3を用いて後述す
る処理を行うことで、所定のシナリオに設定することが
可能である。シミュレータ装置100は、実際の車両に
対応してイグニッションキー4(模擬イグニッションキ
ー)、ハンドル5(模擬ハンドル)、アクセルペダル6
(模擬アクセルペダル)、ブレーキペダル7(模擬ブレ
ーキペダル)、シフトレバー8(模擬シフトレバー)、
方向指示器9(模擬方向指示器)、サイドブレーキ10
(模擬サイドブレーキ)、及びシートベルト11(模擬
シートベルト)などが設けられている。これらの機器は
運転者40により操作され、各機器の操作状況がセンサ
24〜31(検出手段)により検出され、CPU2に出
力される。
【0014】即ち、センサ24によりイグニッションキ
ー4のオフ、またはオン、またはスタートの状態信号が
検出され、センサ25によりハンドル5の操舵角信号が
検出される。また、センサ26によりアクセルペダル6
の踏み込み量が検出され、センサ27によりブレーキペ
ダル7の踏み込み量が検出される。センサ28によりシ
フトレバー8の「パーキング」、「ドライブ」等の状態
信号が検出され、センサ29により方向指示器9のオ
フ、または右折、または左折の状態信号が検出される。
センサ30によりサイドブレーキ10のオンまたはオフ
の状態信号が検出され、センサ31によりシートベルト
11の装着または非装着の状態信号が検出される。これ
らの検出信号は、それぞれCPU2に出力される。
ー4のオフ、またはオン、またはスタートの状態信号が
検出され、センサ25によりハンドル5の操舵角信号が
検出される。また、センサ26によりアクセルペダル6
の踏み込み量が検出され、センサ27によりブレーキペ
ダル7の踏み込み量が検出される。センサ28によりシ
フトレバー8の「パーキング」、「ドライブ」等の状態
信号が検出され、センサ29により方向指示器9のオ
フ、または右折、または左折の状態信号が検出される。
センサ30によりサイドブレーキ10のオンまたはオフ
の状態信号が検出され、センサ31によりシートベルト
11の装着または非装着の状態信号が検出される。これ
らの検出信号は、それぞれCPU2に出力される。
【0015】CPU2では、入力された上記各検出信号
に基づき、メモリ1に記憶された種々のデータを用いて
後述する処理により模擬車両の挙動を演算し、運転者4
0を視点とする外部環境の映像データ、模擬車両の車両
速度や回転数等の走行データ、模擬車両の車両速度に応
じた走行音データなどを算出する。メモリ1には、後述
する処理プログラムや、ギアチェンジ音、スリップ音、
車両速度と路面状態とに応じた走行音、エンジン音など
のデータが記憶されている。CPU2で演算された上記
各データは、ディスプレイ13、計器14(共に模擬表
示手段)、及びスピーカ12に出力され、ディスプレイ
13では模擬車両の挙動に応じた映像が動画表示され
る。また、スピーカ12では模擬車両の走行音が音声出
力され、計器14では模擬車両の走行データが表示され
る。運転者40は、ディスプレイ13、スピーカ12、
及び計器14のそれぞれの出力を視覚及び聴覚にて認識
し、模擬車両の挙動を把握することができる。
に基づき、メモリ1に記憶された種々のデータを用いて
後述する処理により模擬車両の挙動を演算し、運転者4
0を視点とする外部環境の映像データ、模擬車両の車両
速度や回転数等の走行データ、模擬車両の車両速度に応
じた走行音データなどを算出する。メモリ1には、後述
する処理プログラムや、ギアチェンジ音、スリップ音、
車両速度と路面状態とに応じた走行音、エンジン音など
のデータが記憶されている。CPU2で演算された上記
各データは、ディスプレイ13、計器14(共に模擬表
示手段)、及びスピーカ12に出力され、ディスプレイ
13では模擬車両の挙動に応じた映像が動画表示され
る。また、スピーカ12では模擬車両の走行音が音声出
力され、計器14では模擬車両の走行データが表示され
る。運転者40は、ディスプレイ13、スピーカ12、
及び計器14のそれぞれの出力を視覚及び聴覚にて認識
し、模擬車両の挙動を把握することができる。
【0016】上記構成から成るシミュレータ装置100
の斜視図を図2に示す。図2に示されるように、シミュ
レータ装置100は、基台15上に操縦席16(模擬座
席)が設けられ、この操縦席16回りの各種操作機器が
搭載されており、実際の車両の運転席と同等な構成を成
している。操縦席16の回りには、ハンドル5、シフト
レバー8、アクセルペダル6、ブレーキペダル7などの
主要な操作機器が実際と同等の位置に同等の形状にて設
けられており、操縦席16正面のフロントウィンドウに
相当する位置にはディスプレイ13が配置されている。
このディスプレイ13に表示される動画は、模擬車両の
挙動に応じて運転者40の視点にて表示され、その一例
を図3に示す。図3に示されるように遠くの物体が小さ
く、近くの物体が大きく表示されているが、これは予め
メモリ1に例えば図4に示されるような環境データが慣
性座標系で記憶されており、車両の位置及び姿勢の変化
によって所定の座標変換により運転者40での視点(表
示座標系)で表示される。また、図3に示される動画は
所定の微小時間間隔で更新されことで動画表示され、模
擬車両の前進に伴って遠くの物体が近づき、近くの物体
が通りすぎるように写し出され、立体的に実際の状況を
模擬している。
の斜視図を図2に示す。図2に示されるように、シミュ
レータ装置100は、基台15上に操縦席16(模擬座
席)が設けられ、この操縦席16回りの各種操作機器が
搭載されており、実際の車両の運転席と同等な構成を成
している。操縦席16の回りには、ハンドル5、シフト
レバー8、アクセルペダル6、ブレーキペダル7などの
主要な操作機器が実際と同等の位置に同等の形状にて設
けられており、操縦席16正面のフロントウィンドウに
相当する位置にはディスプレイ13が配置されている。
このディスプレイ13に表示される動画は、模擬車両の
挙動に応じて運転者40の視点にて表示され、その一例
を図3に示す。図3に示されるように遠くの物体が小さ
く、近くの物体が大きく表示されているが、これは予め
メモリ1に例えば図4に示されるような環境データが慣
性座標系で記憶されており、車両の位置及び姿勢の変化
によって所定の座標変換により運転者40での視点(表
示座標系)で表示される。また、図3に示される動画は
所定の微小時間間隔で更新されことで動画表示され、模
擬車両の前進に伴って遠くの物体が近づき、近くの物体
が通りすぎるように写し出され、立体的に実際の状況を
模擬している。
【0017】また、ディスプレイ13の周囲には、ディ
スプレイ13を覆うようにカバー17が設けられてお
り、運転者40がディスプレイ13からの映像を見やす
くしている。操縦席16の回りには、上記主要機器の他
に、シートベルト11、バックミラー18、ルームミラ
ー19なども配置され、実際の車両をリアルに演出して
いる。基台15の下面15aには、移動のためのキャス
ター20と、固定のためのストッパ21が設けられてお
り、シミュレータ装置100の移動及び設置を容易にし
ている。
スプレイ13を覆うようにカバー17が設けられてお
り、運転者40がディスプレイ13からの映像を見やす
くしている。操縦席16の回りには、上記主要機器の他
に、シートベルト11、バックミラー18、ルームミラ
ー19なども配置され、実際の車両をリアルに演出して
いる。基台15の下面15aには、移動のためのキャス
ター20と、固定のためのストッパ21が設けられてお
り、シミュレータ装置100の移動及び設置を容易にし
ている。
【0018】次に、シミュレータ装置100の操作方法
について図5〜図10を用いて以下に説明する。まず、
シミュレータ装置100の機器設定を行う。この機器設
定では、シナリオ設定装置3を事前に操作することによ
り設定される。本実施例では、キーボードとディスプレ
イ装置とから成るパソコンを用いてシナリオ設定装置3
(図22参照)を構成した。シナリオ設定装置3のディ
スプレイ装置上には、キーボードの所定の操作によりシ
ナリオ設定のためのメニュー画面が表示される。本実施
例では〔シフトキー+f・1〕のキーボード操作により
図5に示されるようなメニュー画面が表示される構成と
した。
について図5〜図10を用いて以下に説明する。まず、
シミュレータ装置100の機器設定を行う。この機器設
定では、シナリオ設定装置3を事前に操作することによ
り設定される。本実施例では、キーボードとディスプレ
イ装置とから成るパソコンを用いてシナリオ設定装置3
(図22参照)を構成した。シナリオ設定装置3のディ
スプレイ装置上には、キーボードの所定の操作によりシ
ナリオ設定のためのメニュー画面が表示される。本実施
例では〔シフトキー+f・1〕のキーボード操作により
図5に示されるようなメニュー画面が表示される構成と
した。
【0019】図5に示されるように本実施例では、機器
設定として「音量」と、「オートスキップ」の2項目を
設け、上下の矢印キーで設定する項目を選び、リターン
キーを押下することで、設定した項目が有効となるよう
に構成した。尚、後述する他の項目においても同様の処
理を行うことで、所望の項目を設定することができる。
項目「音量」はスピーカ12から出力される音声の音量
を設定する項目であり、項目「オートスキップ」は、
「あり」を選択すると一連の走行が自動的に実行され、
「なし」を選択すると1回毎にシミュレーションが停止
し、運転者40により与えられる指示に応じてシミュレ
ーションを実行する。本実施例では、キーボード上に
「次から」、「もう一度」などのキーを配し、これらキ
ーを押下することで、次のシミュレーションから実行し
たり、もう一度同じシミュレーションを実行できる構成
とした。
設定として「音量」と、「オートスキップ」の2項目を
設け、上下の矢印キーで設定する項目を選び、リターン
キーを押下することで、設定した項目が有効となるよう
に構成した。尚、後述する他の項目においても同様の処
理を行うことで、所望の項目を設定することができる。
項目「音量」はスピーカ12から出力される音声の音量
を設定する項目であり、項目「オートスキップ」は、
「あり」を選択すると一連の走行が自動的に実行され、
「なし」を選択すると1回毎にシミュレーションが停止
し、運転者40により与えられる指示に応じてシミュレ
ーションを実行する。本実施例では、キーボード上に
「次から」、「もう一度」などのキーを配し、これらキ
ーを押下することで、次のシミュレーションから実行し
たり、もう一度同じシミュレーションを実行できる構成
とした。
【0020】次に、シミュレーションのシナリオの設定
について説明する。このシナリオ設定は、種々の条件に
対応したシミュレーションを実行するために路面状態
や、ABSの有無、目標車両速度などのシミュレーショ
ン時の条件を設定するものである。本実施例では、〔シ
フトキー+f・2〕のキーボード操作により図6に示さ
れるようなメニュー画面が表示される構成とした。
について説明する。このシナリオ設定は、種々の条件に
対応したシミュレーションを実行するために路面状態
や、ABSの有無、目標車両速度などのシミュレーショ
ン時の条件を設定するものである。本実施例では、〔シ
フトキー+f・2〕のキーボード操作により図6に示さ
れるようなメニュー画面が表示される構成とした。
【0021】図6に見られるように、本実施例では「フ
ルブレーキ」、「直線レーンチェンジ」、「カーブ」、
及び「全部」の4つのシナリオを設けた。シナリオ「フ
ルブレーキ」は、模擬車両走行の開始後、車両速度が所
定の速度に達すると、ハンドル5を固定で車両速度一定
に制御され、ディスプレイ13上に表示される黄色のラ
インを越えた時点で運転者40がブレーキペダル7をフ
ルに踏み込んだとき(フルブレーキ操作)の模擬車両の
挙動が模擬される。これは、運転者40のフルブレーキ
操作の練習を行うために設けられたシナリオであり、本
実施例ではオートスキップ「あり」の場合は自動的に3
回繰り返し、オートスキップ「なし」の場合には「次か
ら」を押すと3回まで繰り返し、「もう一度」を押すと
何回でも繰り返せる構成とした。シナリオ「直線レーン
チェンジ」は、模擬車両走行の開始後、車両速度が所定
の速度に達すると一定速度に自動制御され、ディスプレ
イ13上に表示される黄色のラインまではハンドル5が
固定で、そのラインを越えた時点で運転者40がフルブ
レーキ操作をしながら右側へのレーンチェンジを実行す
る。これは、運転者40がフルブレーキ操作時のABS
の有無による模擬車両の挙動の違いを練習するために設
けられたシナリオである。
ルブレーキ」、「直線レーンチェンジ」、「カーブ」、
及び「全部」の4つのシナリオを設けた。シナリオ「フ
ルブレーキ」は、模擬車両走行の開始後、車両速度が所
定の速度に達すると、ハンドル5を固定で車両速度一定
に制御され、ディスプレイ13上に表示される黄色のラ
インを越えた時点で運転者40がブレーキペダル7をフ
ルに踏み込んだとき(フルブレーキ操作)の模擬車両の
挙動が模擬される。これは、運転者40のフルブレーキ
操作の練習を行うために設けられたシナリオであり、本
実施例ではオートスキップ「あり」の場合は自動的に3
回繰り返し、オートスキップ「なし」の場合には「次か
ら」を押すと3回まで繰り返し、「もう一度」を押すと
何回でも繰り返せる構成とした。シナリオ「直線レーン
チェンジ」は、模擬車両走行の開始後、車両速度が所定
の速度に達すると一定速度に自動制御され、ディスプレ
イ13上に表示される黄色のラインまではハンドル5が
固定で、そのラインを越えた時点で運転者40がフルブ
レーキ操作をしながら右側へのレーンチェンジを実行す
る。これは、運転者40がフルブレーキ操作時のABS
の有無による模擬車両の挙動の違いを練習するために設
けられたシナリオである。
【0022】シナリオ「カーブ」は、模擬車両走行の開
始後、車両速度が所定の速度に達すると一定速度に自動
制御され、ディスプレイ13上に表示される黄色のライ
ンまではハンドル5が固定で、そのラインを越えた時点
で運転者40がフルブレーキ操作をしながら右側に旋回
する。これは、カーブでのフルブレーキ操作時における
ABSの有無による模擬車両挙動の違いを把握するため
に設けられたシナリオである。シナリオ「全部」は、上
記の「フルブレーキ」、「直線レーンチェンジ」、及び
「カーブ」の順にシナリオを自動設定するモードであ
る。
始後、車両速度が所定の速度に達すると一定速度に自動
制御され、ディスプレイ13上に表示される黄色のライ
ンまではハンドル5が固定で、そのラインを越えた時点
で運転者40がフルブレーキ操作をしながら右側に旋回
する。これは、カーブでのフルブレーキ操作時における
ABSの有無による模擬車両挙動の違いを把握するため
に設けられたシナリオである。シナリオ「全部」は、上
記の「フルブレーキ」、「直線レーンチェンジ」、及び
「カーブ」の順にシナリオを自動設定するモードであ
る。
【0023】尚、本実施例では、シナリオ「フルブレー
キ」は、乾燥路面上を車両速度を速度60km/hで一定に制
御し、ABSが作動しない状態でのフルブレーキ操作を
行うシナリオ構成とした。また、シナリオ「直線レーン
チェンジ」、及び「カーブ」における路面状態、車両速
度、及びABSの有無の各設定は以下に示す方法で順次
設定される。
キ」は、乾燥路面上を車両速度を速度60km/hで一定に制
御し、ABSが作動しない状態でのフルブレーキ操作を
行うシナリオ構成とした。また、シナリオ「直線レーン
チェンジ」、及び「カーブ」における路面状態、車両速
度、及びABSの有無の各設定は以下に示す方法で順次
設定される。
【0024】次に、ABSの有無を設定する方法を図7
を用いて説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ
装置上には、キーボードの所定の操作によりABS設定
のためのメニュー画面が表示される。本実施例では、
〔シフトキー+f・3〕のキーボード操作により、図7
に示されるように「ABSなし」、「ABSあり」、及
び「両方」の3つの設定メニューが設けられたメニュー
画面が表示される。メニュー「ABSなし」はABSが
ない状態(フルブレーキ操作時に車輪がロック状態とな
る)で模擬車両の走行が行われ、メニュー「ABSあ
り」はABSがある状態(フルブレーキ操作時に車輪が
ロックしない)で走行が行われ、そしてメニュー「両
方」は、「ABSなし」→「ABSあり」の順で模擬走
行が行われる。
を用いて説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ
装置上には、キーボードの所定の操作によりABS設定
のためのメニュー画面が表示される。本実施例では、
〔シフトキー+f・3〕のキーボード操作により、図7
に示されるように「ABSなし」、「ABSあり」、及
び「両方」の3つの設定メニューが設けられたメニュー
画面が表示される。メニュー「ABSなし」はABSが
ない状態(フルブレーキ操作時に車輪がロック状態とな
る)で模擬車両の走行が行われ、メニュー「ABSあ
り」はABSがある状態(フルブレーキ操作時に車輪が
ロックしない)で走行が行われ、そしてメニュー「両
方」は、「ABSなし」→「ABSあり」の順で模擬走
行が行われる。
【0025】続いて、目標車両速度の設定方法を図8を
用いて説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ装
置上には、キーボードの所定の操作により模擬車両の目
標速度設定のためのメニュー画面が表示される。本実施
例では、〔シフトキー+f・4〕のキーボード操作によ
り、図8に示されるように「普通速度」、「低速」、
「高速」、及び「微速」の4つの設定メニューが設けら
れたメニュー画面が表示される。メニュー「普通速度」
は、走行を始めて模擬車両速度が80km/h、及び100km/h
に達したとき、模擬車両速度をそれぞれの速度に固定し
た走行が行われる。メニュー「低速」は、走行を始めて
模擬車両速度が50km/h、及び80km/hに達したとき、模擬
車両速度をそれぞれの速度に固定した走行が行われる。
メニュー「高速」は、走行を始めて模擬車両速度が100k
m/h 、及び130km/h に達したとき、模擬車両速度をそれ
ぞれの速度に固定した走行が行われる。メニュー「微
速」は、走行を始めて模擬車両速度が30km/h、及び50km
/hに達したとき、模擬車両速度をそれぞれの速度に固定
した走行が行われる。このように各メニュー毎に、2つ
の目標車両速度レベルでシミュレーションを行える構成
とし、それぞれ速度レベルの小さい方から大きい方の順
でシミュレーションが行われる。
用いて説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ装
置上には、キーボードの所定の操作により模擬車両の目
標速度設定のためのメニュー画面が表示される。本実施
例では、〔シフトキー+f・4〕のキーボード操作によ
り、図8に示されるように「普通速度」、「低速」、
「高速」、及び「微速」の4つの設定メニューが設けら
れたメニュー画面が表示される。メニュー「普通速度」
は、走行を始めて模擬車両速度が80km/h、及び100km/h
に達したとき、模擬車両速度をそれぞれの速度に固定し
た走行が行われる。メニュー「低速」は、走行を始めて
模擬車両速度が50km/h、及び80km/hに達したとき、模擬
車両速度をそれぞれの速度に固定した走行が行われる。
メニュー「高速」は、走行を始めて模擬車両速度が100k
m/h 、及び130km/h に達したとき、模擬車両速度をそれ
ぞれの速度に固定した走行が行われる。メニュー「微
速」は、走行を始めて模擬車両速度が30km/h、及び50km
/hに達したとき、模擬車両速度をそれぞれの速度に固定
した走行が行われる。このように各メニュー毎に、2つ
の目標車両速度レベルでシミュレーションを行える構成
とし、それぞれ速度レベルの小さい方から大きい方の順
でシミュレーションが行われる。
【0026】続いて、路面状態の設定方法を図9を用い
て説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ装置上
には、キーボードの所定の操作により模擬車両の路面状
態設定のためのメニュー画面が表示される。本実施例で
は、〔シフトキー+f・5〕のキーボード操作により、
図9に示されるように「乾燥路面」、「圧雪路面」、
「湿潤路面」、及び「凍結路面」の4つの設定メニュー
が設けられたメニュー画面が表示される。メニュー「乾
燥路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大摩擦係数
が1.0である路面状態を示し、路面が乾いているドラ
イアスファルト路面やドライコンクリート路面などの路
面状態を模擬している。メニュー「圧雪路面」は、路面
と模擬車両のタイヤとの最大摩擦係数が0.3である路
面状態を示しており、例えば降雪後に車両の走行によっ
て踏み固められた路面状態などを模擬している。メニュ
ー「湿潤路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大摩
擦係数が0.6である路面状態を示しており、例えば降
雨時などのようなウェットアスファルト路面やウェット
コンクリート路面などの路面状態を模擬している。メニ
ュー「凍結路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大
摩擦係数が0.1である路面状態を示しており、例えば
降雨後にアイスバーンが形成された路面や氷上の路面状
態などを模擬している。
て説明する。シナリオ設定装置3のディスプレイ装置上
には、キーボードの所定の操作により模擬車両の路面状
態設定のためのメニュー画面が表示される。本実施例で
は、〔シフトキー+f・5〕のキーボード操作により、
図9に示されるように「乾燥路面」、「圧雪路面」、
「湿潤路面」、及び「凍結路面」の4つの設定メニュー
が設けられたメニュー画面が表示される。メニュー「乾
燥路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大摩擦係数
が1.0である路面状態を示し、路面が乾いているドラ
イアスファルト路面やドライコンクリート路面などの路
面状態を模擬している。メニュー「圧雪路面」は、路面
と模擬車両のタイヤとの最大摩擦係数が0.3である路
面状態を示しており、例えば降雪後に車両の走行によっ
て踏み固められた路面状態などを模擬している。メニュ
ー「湿潤路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大摩
擦係数が0.6である路面状態を示しており、例えば降
雨時などのようなウェットアスファルト路面やウェット
コンクリート路面などの路面状態を模擬している。メニ
ュー「凍結路面」は、路面と模擬車両のタイヤとの最大
摩擦係数が0.1である路面状態を示しており、例えば
降雨後にアイスバーンが形成された路面や氷上の路面状
態などを模擬している。
【0027】上記各路面状態のスリップ率(車体速度に
対する車体速度と車輪速度との差の比)に対する変化を
図11に示す。車両が一定速度で走行している場合に
は、車体速度と車輪速度とが一致しているのでスリップ
率は0 であるが、車輪に制動トルクがかかると車輪速度
は車体速度より減少し、車輪と路面との間にすべり現象
が発生する。車輪に作用する制動トルクの増加に伴って
車輪速度と車体速度との差が大きくなってスリップ率が
増加し、図11に示すようにスリップ率の増加に伴って
摩擦係数が増加する。そして、スリップ率がおよそ0.2
付近のときに摩擦係数が最大値μm を示し、この後スリ
ップ率の増加に伴って摩擦係数は徐々に減少傾向或いは
横ばいを示し、スリップ率が1.0 (車輪がロック状態)
のとき摩擦係数がμ0になる。従って、実際のABSで
は摩擦係数が最大値近傍になるようにスリップ率を制御
することで、車輪のロックを防止すると共に制動効果を
向上させる構成としている。本実施例では、車両の制動
力によりスリップ率の増加に伴って摩擦係数が増加し、
最大摩擦係数μm に達するとその後は最大摩擦係数μm
が作用する構成とした。
対する車体速度と車輪速度との差の比)に対する変化を
図11に示す。車両が一定速度で走行している場合に
は、車体速度と車輪速度とが一致しているのでスリップ
率は0 であるが、車輪に制動トルクがかかると車輪速度
は車体速度より減少し、車輪と路面との間にすべり現象
が発生する。車輪に作用する制動トルクの増加に伴って
車輪速度と車体速度との差が大きくなってスリップ率が
増加し、図11に示すようにスリップ率の増加に伴って
摩擦係数が増加する。そして、スリップ率がおよそ0.2
付近のときに摩擦係数が最大値μm を示し、この後スリ
ップ率の増加に伴って摩擦係数は徐々に減少傾向或いは
横ばいを示し、スリップ率が1.0 (車輪がロック状態)
のとき摩擦係数がμ0になる。従って、実際のABSで
は摩擦係数が最大値近傍になるようにスリップ率を制御
することで、車輪のロックを防止すると共に制動効果を
向上させる構成としている。本実施例では、車両の制動
力によりスリップ率の増加に伴って摩擦係数が増加し、
最大摩擦係数μm に達するとその後は最大摩擦係数μm
が作用する構成とした。
【0028】ここで、例えば、シナリオ設定を「全部」
に、ABSの設定を「両方」に、目標速度を「普通速
度」に、路面状態を「乾燥路面」にそれぞれ設定したと
きのシミュレーション方法について以下に説明する。ま
ず、運転者40は操縦席16に着座し、シートベルト1
1を締め、シフトレバー8が「パーキング」の位置にあ
ること、及びサイドブレーキ10がオンであることを確
認し、イグニッションキー4を操作してエンジンを模擬
始動させる。このときディスプレイ13上には初期画面
が表示され、スピーカ12よりエンジン始動音が出力さ
れる。そして、運転者40はシフトレバー8を「ドライ
ブ」に設定し、サイドブレーキ10をオフにしてアクセ
ルペダル6を右足で十分に踏み込む。このアクセルペダ
ル6の踏み込みにより、ディスプレイ13に表示される
動画の動きが速くなり、スピーカ12より模擬車両の加
速走行音が出力され、模擬車両の加速走行が模擬され
る。尚、ディスプレイ13に表れる黄色のラインを模擬
車両が越えるまでハンドル5が固定でシミュレーション
が実行されるので、運転者40のハンドル5の操作によ
りシミュレーション画面に影響が表れることはない。
に、ABSの設定を「両方」に、目標速度を「普通速
度」に、路面状態を「乾燥路面」にそれぞれ設定したと
きのシミュレーション方法について以下に説明する。ま
ず、運転者40は操縦席16に着座し、シートベルト1
1を締め、シフトレバー8が「パーキング」の位置にあ
ること、及びサイドブレーキ10がオンであることを確
認し、イグニッションキー4を操作してエンジンを模擬
始動させる。このときディスプレイ13上には初期画面
が表示され、スピーカ12よりエンジン始動音が出力さ
れる。そして、運転者40はシフトレバー8を「ドライ
ブ」に設定し、サイドブレーキ10をオフにしてアクセ
ルペダル6を右足で十分に踏み込む。このアクセルペダ
ル6の踏み込みにより、ディスプレイ13に表示される
動画の動きが速くなり、スピーカ12より模擬車両の加
速走行音が出力され、模擬車両の加速走行が模擬され
る。尚、ディスプレイ13に表れる黄色のラインを模擬
車両が越えるまでハンドル5が固定でシミュレーション
が実行されるので、運転者40のハンドル5の操作によ
りシミュレーション画面に影響が表れることはない。
【0029】模擬車両の速度が所定の目標速度レベル
(速度60km/h) に達すると、車両速度が自動的に目標速
度レベルに保持され、ディスプレイ13上に表れる黄色
のラインを模擬車両が越えた時点で、運転者40はアク
セルペダル6から右足を離して、ブレーキペダル7を最
大限まで踏み込む(フルブレーキ操作)。このとき、路
面状態は乾燥路面であり、最大摩擦係数は1.0で、A
BSなしの条件でフルブレーキ操作が行われる。
(速度60km/h) に達すると、車両速度が自動的に目標速
度レベルに保持され、ディスプレイ13上に表れる黄色
のラインを模擬車両が越えた時点で、運転者40はアク
セルペダル6から右足を離して、ブレーキペダル7を最
大限まで踏み込む(フルブレーキ操作)。このとき、路
面状態は乾燥路面であり、最大摩擦係数は1.0で、A
BSなしの条件でフルブレーキ操作が行われる。
【0030】シナリオ「フルブレーキ」が終了すると、
シナリオ「直線レーンチェンジ」が行われる。運転者4
0がアクセルペダル6を踏み込むところまでは、シナリ
オ「フルブレーキ」と同様である。目標速度の設定が
「普通速度」、ABSの設定が「両方」であるので、速
度80km/h、ABSなし→速度100km/h 、ABSなし→速
度80km/h、ABSあり→速度100km/h 、ABSあり、の
順でシミュレーションが実行される。このとき、上記各
速度に達した後、車両速度は一定に自動制御される。運
転者40は、ディスプレイ13上に表れる黄色のライン
を越えた時点で、ディスプレイ13上に表示されるパイ
ロン(図略)を右に回避しながらブレーキペダル7を最
大まで踏み込む。
シナリオ「直線レーンチェンジ」が行われる。運転者4
0がアクセルペダル6を踏み込むところまでは、シナリ
オ「フルブレーキ」と同様である。目標速度の設定が
「普通速度」、ABSの設定が「両方」であるので、速
度80km/h、ABSなし→速度100km/h 、ABSなし→速
度80km/h、ABSあり→速度100km/h 、ABSあり、の
順でシミュレーションが実行される。このとき、上記各
速度に達した後、車両速度は一定に自動制御される。運
転者40は、ディスプレイ13上に表れる黄色のライン
を越えた時点で、ディスプレイ13上に表示されるパイ
ロン(図略)を右に回避しながらブレーキペダル7を最
大まで踏み込む。
【0031】シナリオ「直線レーンチェンジ」が終了す
ると、シナリオ「カーブ」が実行される。運転者40が
アクセルペダル6を踏み込むところまではシナリオ「フ
ルブレーキ」と同様である。また、目標速度及びABS
の有無の条件は、シナリオ「直線レーンチェンジ」と同
様である。車両速度が所定の速度に達すると、その速度
に一定に自動制御され、ディスプレイ13上に表れる黄
色のラインを模擬車両が越えた時点で、ブレーキペダル
7を最大まで踏み込みながらディスプレイ13上に表示
されるパイロンに沿って右側に旋回する。このようにし
て、各メニュー画面上でシミュレーションの条件を設定
することで、所望の条件下でのシミュレーションを実行
することができる。
ると、シナリオ「カーブ」が実行される。運転者40が
アクセルペダル6を踏み込むところまではシナリオ「フ
ルブレーキ」と同様である。また、目標速度及びABS
の有無の条件は、シナリオ「直線レーンチェンジ」と同
様である。車両速度が所定の速度に達すると、その速度
に一定に自動制御され、ディスプレイ13上に表れる黄
色のラインを模擬車両が越えた時点で、ブレーキペダル
7を最大まで踏み込みながらディスプレイ13上に表示
されるパイロンに沿って右側に旋回する。このようにし
て、各メニュー画面上でシミュレーションの条件を設定
することで、所望の条件下でのシミュレーションを実行
することができる。
【0032】このシミュレータ装置100で行われるシ
ミュレーションは、ABSの有無による制動時の模擬車
両挙動であるが、ABSは車輪がロック状態に近づいた
ときに作動するシステムであり、運転者40はブレーキ
ペダル7を最大まで踏み込む(フルブレーキ操作)必要
がある。よって、上記各シナリオ下でのシミュレーショ
ン実行時において、フルブレーキ操作でない場合には、
シミュレーションによる効果的な模擬挙動が得られな
い。そこで、本実施例では各シナリオにおいて、〔シフ
トキー+f・6〕のキーボード操作により、フルブレー
キ操作が行われたか否かの判定を、シナリオ設定装置3
のディスプレイ装置、及びディスプレイ13に表示する
構成とした。この判定結果をピクトグラムにより表示し
た例を図10に示す。本実施例では、フルブレーキ操作
が達成されたとき「○」表示し、フルブレーキ操作が未
達成のとき「×」表示する構成とした。また、走行中に
運転者40の操作異常があった場合には「▲」表示する
構成とした。尚、本実施例では、例えば黄色のラインに
達する前にエンジンが切られたとき、黄色のライン手前
から黄色のラインに達する前に停車したとき、黄色のラ
イン手前から黄色のラインに達する前にギアが「ドライ
ブ」以外に設定されたとき、発進してから黄色のライン
に達するまでの時間が所定の時間を越えたとき、黄色の
ラインに達したときの車両速度が目標速度の80%以下
であったときなどを走行中の操作異常と見なした。尚、
オートスキップ「あり」の場合には、走行体験の終了後
に自動的に結果表示される。
ミュレーションは、ABSの有無による制動時の模擬車
両挙動であるが、ABSは車輪がロック状態に近づいた
ときに作動するシステムであり、運転者40はブレーキ
ペダル7を最大まで踏み込む(フルブレーキ操作)必要
がある。よって、上記各シナリオ下でのシミュレーショ
ン実行時において、フルブレーキ操作でない場合には、
シミュレーションによる効果的な模擬挙動が得られな
い。そこで、本実施例では各シナリオにおいて、〔シフ
トキー+f・6〕のキーボード操作により、フルブレー
キ操作が行われたか否かの判定を、シナリオ設定装置3
のディスプレイ装置、及びディスプレイ13に表示する
構成とした。この判定結果をピクトグラムにより表示し
た例を図10に示す。本実施例では、フルブレーキ操作
が達成されたとき「○」表示し、フルブレーキ操作が未
達成のとき「×」表示する構成とした。また、走行中に
運転者40の操作異常があった場合には「▲」表示する
構成とした。尚、本実施例では、例えば黄色のラインに
達する前にエンジンが切られたとき、黄色のライン手前
から黄色のラインに達する前に停車したとき、黄色のラ
イン手前から黄色のラインに達する前にギアが「ドライ
ブ」以外に設定されたとき、発進してから黄色のライン
に達するまでの時間が所定の時間を越えたとき、黄色の
ラインに達したときの車両速度が目標速度の80%以下
であったときなどを走行中の操作異常と見なした。尚、
オートスキップ「あり」の場合には、走行体験の終了後
に自動的に結果表示される。
【0033】続いて、図12〜図14に示すフローチャ
ートを用いてCPU2で行われる処理内容について説明
する。図12は、CPU2の処理手順を示したメインフ
ローチャートであり、まず、シミュレーションの準備の
チェックが行われる(ステップ902 )。ここで、シミュ
レーション準備のチェックでは、イグニッションキー4
からスタート信号が出力されたか、シートベルト11が
装着されているか、サイドブレーキ10がオンである
か、シフトレバー8の位置が「パーキング」であるかな
どのチェックが行われる。尚、イグニッションキー4か
らスタート信号が出力されると、スピーカ12よりエン
ジン始動音が出力される。次に、シミュレーション準備
のチェックで異常な点があるか否かを判定し(ステップ
904 )、異常があればディスプレイ13上に異常箇所を
表示し、ステップ902 に戻る。ステップ904 にて異常が
無ければ、ステップ906 にて初期設定を行い、模擬車両
位置が初期位置に設定された初期画面をディスプレイ1
3に表示する。
ートを用いてCPU2で行われる処理内容について説明
する。図12は、CPU2の処理手順を示したメインフ
ローチャートであり、まず、シミュレーションの準備の
チェックが行われる(ステップ902 )。ここで、シミュ
レーション準備のチェックでは、イグニッションキー4
からスタート信号が出力されたか、シートベルト11が
装着されているか、サイドブレーキ10がオンである
か、シフトレバー8の位置が「パーキング」であるかな
どのチェックが行われる。尚、イグニッションキー4か
らスタート信号が出力されると、スピーカ12よりエン
ジン始動音が出力される。次に、シミュレーション準備
のチェックで異常な点があるか否かを判定し(ステップ
904 )、異常があればディスプレイ13上に異常箇所を
表示し、ステップ902 に戻る。ステップ904 にて異常が
無ければ、ステップ906 にて初期設定を行い、模擬車両
位置が初期位置に設定された初期画面をディスプレイ1
3に表示する。
【0034】初期設定の後、ステップ908 にてシミュレ
ーションの起動のチェックを行う。この起動チェックで
は、イグニッションキー4がオンであるか、サイドブレ
ーキ10がオフであるか、シフトレバー8が「ドライ
ブ」であるか、アクセルペダル6の踏み込みがあるかな
ど、実際の車両を起動する際に必要な項目を点検する。
ステップ910 でシミュレーション起動チェックに異常な
点があるか否かを判定し、異常があれば異常箇所をディ
スプレイ13に表示してステップ908 に戻る。ステップ
910 にて異常がなければ、アクセルペダル6の踏み込み
量、ブレーキペダル7の踏み込み量、及びハンドル5の
操舵角などの模擬車両データを入力し(ステップ912
)、模擬車両挙動の演算を行う(ステップ914 )。
ーションの起動のチェックを行う。この起動チェックで
は、イグニッションキー4がオンであるか、サイドブレ
ーキ10がオフであるか、シフトレバー8が「ドライ
ブ」であるか、アクセルペダル6の踏み込みがあるかな
ど、実際の車両を起動する際に必要な項目を点検する。
ステップ910 でシミュレーション起動チェックに異常な
点があるか否かを判定し、異常があれば異常箇所をディ
スプレイ13に表示してステップ908 に戻る。ステップ
910 にて異常がなければ、アクセルペダル6の踏み込み
量、ブレーキペダル7の踏み込み量、及びハンドル5の
操舵角などの模擬車両データを入力し(ステップ912
)、模擬車両挙動の演算を行う(ステップ914 )。
【0035】ステップ914 における処理内容の詳細を、
図13に示すフローチャート、及び図15に示す数学モ
デルに基づいて説明する。尚、本実施例では、模擬車両
の数学モデルの簡略化のため、操舵される前輪と操舵さ
れない後輪とをそれぞれ1つの車輪に置き換え、全体で
2つの車輪に発生する力の合力と重心回りのモーメント
とが、車両重心の並進運動と、車両重心回りの回転運動
を決定する構成とし、それぞれの運動について運動方程
式を立て、数値的に解く構成とした。モデル化に当たっ
ては、慣性座標系として空間の所定位置を原点とする
(x、y、z)座標系を設定し、車両座標系として重心
位置を原点とし、車頭方向をX軸とし、鉛直方向をZ軸
とした(X、Y、Z)座標系を設定した。また、模擬車
両の運動を2次元運動(x、y)方向として考え、重心
の並進運動についてはZ軸方向(鉛直方向)の運動を省
略し、重心回りの回転運動についてはヨー方向(Z軸回
り)の回転運動のみを考慮してピッチ(Y軸回り)及び
ロール方向(X軸回り)の回転運動を省略した。さら
に、模擬車両のサスペンションを剛体として考え、この
観点においても、ピッチ及びロール方向の回転運動を省
略し、また、加速度の作用による重心移動は考慮しな
い。
図13に示すフローチャート、及び図15に示す数学モ
デルに基づいて説明する。尚、本実施例では、模擬車両
の数学モデルの簡略化のため、操舵される前輪と操舵さ
れない後輪とをそれぞれ1つの車輪に置き換え、全体で
2つの車輪に発生する力の合力と重心回りのモーメント
とが、車両重心の並進運動と、車両重心回りの回転運動
を決定する構成とし、それぞれの運動について運動方程
式を立て、数値的に解く構成とした。モデル化に当たっ
ては、慣性座標系として空間の所定位置を原点とする
(x、y、z)座標系を設定し、車両座標系として重心
位置を原点とし、車頭方向をX軸とし、鉛直方向をZ軸
とした(X、Y、Z)座標系を設定した。また、模擬車
両の運動を2次元運動(x、y)方向として考え、重心
の並進運動についてはZ軸方向(鉛直方向)の運動を省
略し、重心回りの回転運動についてはヨー方向(Z軸回
り)の回転運動のみを考慮してピッチ(Y軸回り)及び
ロール方向(X軸回り)の回転運動を省略した。さら
に、模擬車両のサスペンションを剛体として考え、この
観点においても、ピッチ及びロール方向の回転運動を省
略し、また、加速度の作用による重心移動は考慮しな
い。
【0036】図13において、まず、アクセルペダル6
がオンであるか否かを判定し(ステップ1002)、アクセ
ルペダル6がオンであればステップ1022にて加速運動演
算を行い、ステップ1024に進む。シミュレーション開始
直後は、所定の目標速度に達するまで加速する必要があ
るので、ステップ1002→1022の順に処理が行われ、アク
セルペダル6の踏み込み量に基づいて模擬車両の加速運
動を演算する。アクセルペダル6の踏み込み量が増加す
ると、スロットル(図略)の開度が大きくなり、そのス
ロットルの開度に対応してエンジンに供給される燃料噴
射量が増加する。燃料噴射量の増加に伴ってエンジント
ルクが増加し、模擬車両の駆動力が増加して加速運動す
る。よって、模擬車両の駆動力はアクセルペダル6の踏
み込み量の関数であり、アクセルペダル6の踏み込み量
をA とし、模擬車両の前輪及び後輪の駆動力をそれぞれ
[Df]、[Dr]([ ] はベクトルを示す、以下同様)とすれ
ば、[Df]、[Dr] = f(A)で表すことができる。この[D
f]、[Dr]を後述の式(1)、(4)の[Bf]、[Br]に置き
換えて後述に示されるような数値的解法により模擬車両
の加速運動を演算することができる。このとき、ディス
プレイ13上に表示される黄色のラインを模擬車両が越
えるまでハンドル5の操舵が効かないので、模擬車両は
単に直線方向の加速運動になる。
がオンであるか否かを判定し(ステップ1002)、アクセ
ルペダル6がオンであればステップ1022にて加速運動演
算を行い、ステップ1024に進む。シミュレーション開始
直後は、所定の目標速度に達するまで加速する必要があ
るので、ステップ1002→1022の順に処理が行われ、アク
セルペダル6の踏み込み量に基づいて模擬車両の加速運
動を演算する。アクセルペダル6の踏み込み量が増加す
ると、スロットル(図略)の開度が大きくなり、そのス
ロットルの開度に対応してエンジンに供給される燃料噴
射量が増加する。燃料噴射量の増加に伴ってエンジント
ルクが増加し、模擬車両の駆動力が増加して加速運動す
る。よって、模擬車両の駆動力はアクセルペダル6の踏
み込み量の関数であり、アクセルペダル6の踏み込み量
をA とし、模擬車両の前輪及び後輪の駆動力をそれぞれ
[Df]、[Dr]([ ] はベクトルを示す、以下同様)とすれ
ば、[Df]、[Dr] = f(A)で表すことができる。この[D
f]、[Dr]を後述の式(1)、(4)の[Bf]、[Br]に置き
換えて後述に示されるような数値的解法により模擬車両
の加速運動を演算することができる。このとき、ディス
プレイ13上に表示される黄色のラインを模擬車両が越
えるまでハンドル5の操舵が効かないので、模擬車両は
単に直線方向の加速運動になる。
【0037】ステップ1002にてアクセルペダル6がオフ
であればステップ1004にてブレーキペダル7がオンであ
るか否かを判定する。ステップ1004にてブレーキペダル
7がオンである時、模擬車両は制動時であり、ステップ
1006に移行し、模擬車両がABSを有しているか否かを
判定する。ステップ1004→1006のフローは、主としてデ
ィスプレイ13上の黄色のラインを越えてから運転者4
0がブレーキペダル7をフルブレーキ操作したときに実
行される。ステップ1004にてブレーキペダル7がオフで
ある場合には、即ち、アクセルペダル6とブレーキペダ
ル7とが共にオフ状態である時には加速も制動も行われ
ないので、ステップ1020に移行し模擬車両の減速運動を
演算した後、ステップ1024に進む。
であればステップ1004にてブレーキペダル7がオンであ
るか否かを判定する。ステップ1004にてブレーキペダル
7がオンである時、模擬車両は制動時であり、ステップ
1006に移行し、模擬車両がABSを有しているか否かを
判定する。ステップ1004→1006のフローは、主としてデ
ィスプレイ13上の黄色のラインを越えてから運転者4
0がブレーキペダル7をフルブレーキ操作したときに実
行される。ステップ1004にてブレーキペダル7がオフで
ある場合には、即ち、アクセルペダル6とブレーキペダ
ル7とが共にオフ状態である時には加速も制動も行われ
ないので、ステップ1020に移行し模擬車両の減速運動を
演算した後、ステップ1024に進む。
【0038】減速運動時において模擬車両に作用する力
は、エンジンアイドリング時に作用する駆動力、模擬車
両に作用する空気抵抗、及び車輪のころがり抵抗などで
ある。これらの力のうち、駆動力は模擬車両の進行方向
に作用し、空気抵抗及びころがり抵抗は駆動力と反対方
向に作用する。このときの駆動力は、アイドリング時に
作用する力であるので、定数化することが可能である。
空気抵抗ところがり抵抗との和は、一般に走行抵抗と呼
ばれ、低車速ではころがり抵抗の割合が大きく、高車速
では空気抵抗の割合が大きいが、その和は車速の増加に
応じて増加傾向にあることが知られており、走行抵抗は
車速の関数であるといえる。よって、車両の重心位置を
[Pg]、走行抵抗をRdとすれば、Rd = f(d/dt[Pg])と表す
ことができる。このRdを後述の式(1)、(4)の左辺
に加え、[Bf]、[Br] をアイドリング時の駆動力で置き
換えて、ステップ1022と同様に数値的に解くことで模擬
車両の減速運動を演算することができる。
は、エンジンアイドリング時に作用する駆動力、模擬車
両に作用する空気抵抗、及び車輪のころがり抵抗などで
ある。これらの力のうち、駆動力は模擬車両の進行方向
に作用し、空気抵抗及びころがり抵抗は駆動力と反対方
向に作用する。このときの駆動力は、アイドリング時に
作用する力であるので、定数化することが可能である。
空気抵抗ところがり抵抗との和は、一般に走行抵抗と呼
ばれ、低車速ではころがり抵抗の割合が大きく、高車速
では空気抵抗の割合が大きいが、その和は車速の増加に
応じて増加傾向にあることが知られており、走行抵抗は
車速の関数であるといえる。よって、車両の重心位置を
[Pg]、走行抵抗をRdとすれば、Rd = f(d/dt[Pg])と表す
ことができる。このRdを後述の式(1)、(4)の左辺
に加え、[Bf]、[Br] をアイドリング時の駆動力で置き
換えて、ステップ1022と同様に数値的に解くことで模擬
車両の減速運動を演算することができる。
【0039】ステップ1006にて模擬車両がABSを有し
ている場合にはステップ1008に移行し、ABSを有して
いる時の模擬車両挙動を演算する。即ち、ブレーキペダ
ル7の操作による制動力Bman が最大摩擦力(μm ×軸
荷重)より小さい所定の値Babs 以上の大きさか否かを
判定し、Bman がBabs 以上の大きさの時はステップ10
12に移行し、Bman の値をBabs の値に設定して運動演
算を行う。このBabs はABSの作動時における制動力
の平均値である。このとき、模擬車両はグリップを有し
ているものと見なし、制動力が最大摩擦力を越えず、制
動力は車輪の転動方向に作用するものと考えれば、模擬
車両の重心の並進運動の運動方程式は式(1)のように
表すことができる。
ている場合にはステップ1008に移行し、ABSを有して
いる時の模擬車両挙動を演算する。即ち、ブレーキペダ
ル7の操作による制動力Bman が最大摩擦力(μm ×軸
荷重)より小さい所定の値Babs 以上の大きさか否かを
判定し、Bman がBabs 以上の大きさの時はステップ10
12に移行し、Bman の値をBabs の値に設定して運動演
算を行う。このBabs はABSの作動時における制動力
の平均値である。このとき、模擬車両はグリップを有し
ているものと見なし、制動力が最大摩擦力を越えず、制
動力は車輪の転動方向に作用するものと考えれば、模擬
車両の重心の並進運動の運動方程式は式(1)のように
表すことができる。
【0040】
【数1】 [Ff] +[Bf]+[Fr]+[Br]= M・(d2/dt2)[Pg] ─(1)
【0041】式(1)において、 [Ff] は前輪に作用す
るサイドフォースを、[Fr]は後輪に作用するサイドフォ
ースを、[Bf]は前輪に作用する制動力を、[Br]は後輪に
作用する制動力を、 Mは模擬車両の質量を、(d2/dt2)は
時間に関する二階微分を、[Pg]は模擬車両の重心位置を
それぞれ示している。サイドフォース [Ff] 、[Fr]は、
それぞれスリップアングルαf 、αr と、制動力[Bf]、
[Br]と、摩擦係数μとに依存して車輪の転動方向に対し
て直角方向に発生する。サイドフォース [Ff] 、[Fr]が
制動力[Bf]、[Br]に依存するとした理由は、摩擦楕円
(制動力とサイドフォースの合力が最大摩擦力(=μm
×軸荷重)を越えることができない。)に依拠している
が、車輪に作用する摩擦力を等方向とし、サイドフォー
スの関数形(Ff、Fr=f( α、B 、μ))は模擬車両の運動
状態に関わらず一定であるものとして予め与えておく。
るサイドフォースを、[Fr]は後輪に作用するサイドフォ
ースを、[Bf]は前輪に作用する制動力を、[Br]は後輪に
作用する制動力を、 Mは模擬車両の質量を、(d2/dt2)は
時間に関する二階微分を、[Pg]は模擬車両の重心位置を
それぞれ示している。サイドフォース [Ff] 、[Fr]は、
それぞれスリップアングルαf 、αr と、制動力[Bf]、
[Br]と、摩擦係数μとに依存して車輪の転動方向に対し
て直角方向に発生する。サイドフォース [Ff] 、[Fr]が
制動力[Bf]、[Br]に依存するとした理由は、摩擦楕円
(制動力とサイドフォースの合力が最大摩擦力(=μm
×軸荷重)を越えることができない。)に依拠している
が、車輪に作用する摩擦力を等方向とし、サイドフォー
スの関数形(Ff、Fr=f( α、B 、μ))は模擬車両の運動
状態に関わらず一定であるものとして予め与えておく。
【0042】尚、制動力[Bf]、[Br]はブレーキペダル7
の踏み込み量(ペダルストローク)に基づいて算出され
る。即ち、図16(a)に示されるように、ペダルスト
ロークの増加に伴ってブレーキ踏力が増加し、この踏力
に対して図16(b)に示されるようにブレーキ液圧が
ほぼ比例関係にある。また、図16(c)に示されるよ
うに模擬車両の制動力はブレーキ液圧の増加と共に増加
傾向にある。このように制動力[Bf]、[Br]はペダルスト
ロークの関数であると言える。よって、ペダルストロー
クをS とすれば、[Bf]、[Br] = f(S) と示すことがで
き、この関数を用いてブレーキペダル6の踏み込み量か
ら制動力[Bf]、[Br]を求めることができる。尚、本実施
例では、センサ27によりブレーキペダル7のペダルス
トロークを検出し、その検出値から制動力[Bf]、[Br]を
求める構成としたが、運転者40によるブレーキペダル
7の踏力を検出し、その検出値から制動力[Bf]、[Br]を
求める構成としてもよい。又、制動力[Bf]と[Br]との配
分は、前輪と後輪をほぼ同時にロックするように配分し
てもよく、車両安定性を得るために後輪の先行ロックを
防止し、前輪が先行してロックするように配分してもよ
い。
の踏み込み量(ペダルストローク)に基づいて算出され
る。即ち、図16(a)に示されるように、ペダルスト
ロークの増加に伴ってブレーキ踏力が増加し、この踏力
に対して図16(b)に示されるようにブレーキ液圧が
ほぼ比例関係にある。また、図16(c)に示されるよ
うに模擬車両の制動力はブレーキ液圧の増加と共に増加
傾向にある。このように制動力[Bf]、[Br]はペダルスト
ロークの関数であると言える。よって、ペダルストロー
クをS とすれば、[Bf]、[Br] = f(S) と示すことがで
き、この関数を用いてブレーキペダル6の踏み込み量か
ら制動力[Bf]、[Br]を求めることができる。尚、本実施
例では、センサ27によりブレーキペダル7のペダルス
トロークを検出し、その検出値から制動力[Bf]、[Br]を
求める構成としたが、運転者40によるブレーキペダル
7の踏力を検出し、その検出値から制動力[Bf]、[Br]を
求める構成としてもよい。又、制動力[Bf]と[Br]との配
分は、前輪と後輪をほぼ同時にロックするように配分し
てもよく、車両安定性を得るために後輪の先行ロックを
防止し、前輪が先行してロックするように配分してもよ
い。
【0043】また、スリップアングルαf 、αr とは、
車輪の接地点の運動方向と車輪の転動方向との成す角を
意味し、車輪の接地点の運動は、重心位置[Pg]、模擬車
両の重心回りの回転角θ、重心から前輪までの距離Lf、
及び重心から後輪までの距離Lrにより決定される。尚、
重心から前輪までの距離Lfと、重心から後輪までの距離
Lrは運転操作に係わらず一定値をとるものとする。前輪
の転動方向は操舵角φによって決まり、後輪の転動方向
は車頭方向と一致していることから、スリップアングル
αf 、αr はそれぞれ次式で求められる。
車輪の接地点の運動方向と車輪の転動方向との成す角を
意味し、車輪の接地点の運動は、重心位置[Pg]、模擬車
両の重心回りの回転角θ、重心から前輪までの距離Lf、
及び重心から後輪までの距離Lrにより決定される。尚、
重心から前輪までの距離Lfと、重心から後輪までの距離
Lrは運転操作に係わらず一定値をとるものとする。前輪
の転動方向は操舵角φによって決まり、後輪の転動方向
は車頭方向と一致していることから、スリップアングル
αf 、αr はそれぞれ次式で求められる。
【0044】
【数2】 αf = φ+θ−arg((d/dt)[Pf]) = φ+θ−arg((d/dt)[Pg]+Lf(-sinθ,cosθ)(d/dt) θ) ─(2)
【数3】 αr = θ−arg((d/dt)[Pr]) = θ−arg((d/dt)[Pg]+Lr( sinθ, -cosθ)(d/dt) θ) ─(3)
【0045】尚、[Pf]は前輪の接地位置を、[Pr]は後輪
の接地位置のベクトル、θは模擬車両の重心回りの回転
角表す。(-sin θ,cosθ) 、( sin θ, -cosθ) は、そ
れぞれ、方位角θ、−θ方向の成分表示された単位ベク
トルである。ここで、模擬車両の重心回りの回転運動の
運動方程式を示せば、式(4)のように表すことができ
る。
の接地位置のベクトル、θは模擬車両の重心回りの回転
角表す。(-sin θ,cosθ) 、( sin θ, -cosθ) は、そ
れぞれ、方位角θ、−θ方向の成分表示された単位ベク
トルである。ここで、模擬車両の重心回りの回転運動の
運動方程式を示せば、式(4)のように表すことができ
る。
【0046】
【数4】 (([Pf]−[Pg]) ×([Ff] +[Bf]) +([Pr] −[Pg]) ×[Fr]) のz成分 =Jz・(d2/dt2)θ ─(4)
【0047】式(4)において、Jzは模擬車両のz軸回
りの慣性モーメントを示している。又、
りの慣性モーメントを示している。又、
【数5】 [Pf]=[Pg]+[Lf(cos(θ),sin(θ)] ─(5)
【数6】 [Pr]=[Pg]-[Lr(cos(θ),sin(θ)] ─(6) である。
【0048】尚、式(4)中の記号×はベクトル積を表
す。上記の式(1)、(4)に、初期値と、時間と共に
変化する動的パラメータとを与えてリアルタイムで数値
的に解くことにより、模擬車両の運動状態を得ることが
でき、以下にその解法を説明する。
す。上記の式(1)、(4)に、初期値と、時間と共に
変化する動的パラメータとを与えてリアルタイムで数値
的に解くことにより、模擬車両の運動状態を得ることが
でき、以下にその解法を説明する。
【0049】図17は、所定時間間隔Δt毎の時刻t
1(初期時刻) 、t2 、t3 (t1 <t2 <t3 )におけ
る模擬車両の重心位置をそれぞれプロットした図であ
る。時刻t1 においてブレーキペダル6が踏み込まれる
とそのときのペダルストロークに応じて制動力[Bf]、[B
r]が算出される。又、サイドフォース[Ff]、[Fr]はスリ
ップアングルαf 、αr の初期値をゼロとし、算出され
た制動力[Bf]、[Br]の値と、所定の摩擦係数μを用いて
得られる。θの初期値は0であり、[Pg]の初期値は[0]
である。[Pf]-[Pg] の初期値は、(Lf,0)、[Pr]-[Pg] の
初期値は、(-Lr,0)である。
1(初期時刻) 、t2 、t3 (t1 <t2 <t3 )におけ
る模擬車両の重心位置をそれぞれプロットした図であ
る。時刻t1 においてブレーキペダル6が踏み込まれる
とそのときのペダルストロークに応じて制動力[Bf]、[B
r]が算出される。又、サイドフォース[Ff]、[Fr]はスリ
ップアングルαf 、αr の初期値をゼロとし、算出され
た制動力[Bf]、[Br]の値と、所定の摩擦係数μを用いて
得られる。θの初期値は0であり、[Pg]の初期値は[0]
である。[Pf]-[Pg] の初期値は、(Lf,0)、[Pr]-[Pg] の
初期値は、(-Lr,0)である。
【0050】このようにして、式(1)、(4)におけ
る左辺の値が決定されると、それぞれの右辺において模
擬車両質量M 、z軸回りの慣性モーメントJzが定数であ
ることから、時刻t1 における重心加速度(d2/dt2)[Pg]
と角加速度(d2/dt2)θを求めることができる。そして、
重心加速度(d2/dt2)[Pg]及び角加速度(d2/dt2)θを時間
積分することで、即ち重心加速度(d2/dt2)[Pg]及び角加
速度(d2/dt2)θをΔt倍して、それら値をそれぞれ時刻
t1 における重心速度(d/dt)[Pg]と角速度(d/dt)θに加
えることで、時刻t2 における重心速度(d/dt)[Pg]及び
角速度(d/dt)θを求めることができる。また、時刻t2
における重心位置[Pg2] 及び重心まわりの回転角(姿勢
角)θ2 は、時刻t1 における重心速度(d/dt)[Pg]及び
角速度(d/dt)θを時間積分することにより、即ち時刻t
1 における重心速度(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)θにΔ
tを乗じて位置の変化分 [ΔPg1]及び角度の変化分Δθ
1 を求め、それら値をそれぞれ時刻t1 における重心位
置[Pg1] 及び回転角θ1 に加算することで得られる。こ
のようにして時刻t2 における重心位置[Pg2] 及び重心
まわりの回転角θ2 がそれぞれ得られる。
る左辺の値が決定されると、それぞれの右辺において模
擬車両質量M 、z軸回りの慣性モーメントJzが定数であ
ることから、時刻t1 における重心加速度(d2/dt2)[Pg]
と角加速度(d2/dt2)θを求めることができる。そして、
重心加速度(d2/dt2)[Pg]及び角加速度(d2/dt2)θを時間
積分することで、即ち重心加速度(d2/dt2)[Pg]及び角加
速度(d2/dt2)θをΔt倍して、それら値をそれぞれ時刻
t1 における重心速度(d/dt)[Pg]と角速度(d/dt)θに加
えることで、時刻t2 における重心速度(d/dt)[Pg]及び
角速度(d/dt)θを求めることができる。また、時刻t2
における重心位置[Pg2] 及び重心まわりの回転角(姿勢
角)θ2 は、時刻t1 における重心速度(d/dt)[Pg]及び
角速度(d/dt)θを時間積分することにより、即ち時刻t
1 における重心速度(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)θにΔ
tを乗じて位置の変化分 [ΔPg1]及び角度の変化分Δθ
1 を求め、それら値をそれぞれ時刻t1 における重心位
置[Pg1] 及び回転角θ1 に加算することで得られる。こ
のようにして時刻t2 における重心位置[Pg2] 及び重心
まわりの回転角θ2 がそれぞれ得られる。
【0051】同様に、時刻t2 におけるペダルストロー
クに応じて制動力[Bf]、[Br]が算出されると、スリップ
アングルαf は、式(2)のように、時刻t2 における
回転角θ、操舵角φ、重心位置速度(d/dt)[Pg]、回転角
速度(d/dt)θ、重心車輪間距離Lfとを用いて演算でき
る。又、スリップアングルαr は、式(3)のように、
時刻t2 における回転角θ、重心位置速度(d/dt)[Pg]、
回転角速度(d/dt)θ、重心車輪間距離Lrとを用いて演算
できる。このようにして得られたスリップアングルαf
、αr と、算出された制動力[Bf]、[Br]の値と、所定
の摩擦係数μを用いてサイドフォース[Ff]、[Fr]がそれ
ぞれ得られる。
クに応じて制動力[Bf]、[Br]が算出されると、スリップ
アングルαf は、式(2)のように、時刻t2 における
回転角θ、操舵角φ、重心位置速度(d/dt)[Pg]、回転角
速度(d/dt)θ、重心車輪間距離Lfとを用いて演算でき
る。又、スリップアングルαr は、式(3)のように、
時刻t2 における回転角θ、重心位置速度(d/dt)[Pg]、
回転角速度(d/dt)θ、重心車輪間距離Lrとを用いて演算
できる。このようにして得られたスリップアングルαf
、αr と、算出された制動力[Bf]、[Br]の値と、所定
の摩擦係数μを用いてサイドフォース[Ff]、[Fr]がそれ
ぞれ得られる。
【0052】これにより式(1)、(4)における左辺
の値が決まり、時刻t2 における重心加速度(d2/dt2)[P
g]と角加速度(d2/dt2)θが求まり、重心加速度(d2/dt2)
[Pg]及び角加速度(d2/dt2)θを時間積分して、それら値
を時刻t2 における重心速度(d/dt)[Pg]と角速度(d/dt)
θにそれぞれ加えることで、時刻t3 における重心速度
(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)θを求めることができる。
また、時刻t3 における重心位置[Pg3] 及び重心まわり
の回転角θ3 は、重心速度(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)
θを時間積分して位置の変化分 [ΔPg2]及び角度の変化
分Δθ2 を求め、それら値を時刻t2 における重心位置
[Pg2] 及び回転角θ2 にそれぞれ加算することで得られ
る。このようにして時刻t3 における重心位置[Pg3] 及
び重心まわりの回転角θ3 が得られる。このようにして
所定時間間隔の車両位置及び回転角を得ることができ
る。上記演算の後、ステップ1024に進む。
の値が決まり、時刻t2 における重心加速度(d2/dt2)[P
g]と角加速度(d2/dt2)θが求まり、重心加速度(d2/dt2)
[Pg]及び角加速度(d2/dt2)θを時間積分して、それら値
を時刻t2 における重心速度(d/dt)[Pg]と角速度(d/dt)
θにそれぞれ加えることで、時刻t3 における重心速度
(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)θを求めることができる。
また、時刻t3 における重心位置[Pg3] 及び重心まわり
の回転角θ3 は、重心速度(d/dt)[Pg]及び角速度(d/dt)
θを時間積分して位置の変化分 [ΔPg2]及び角度の変化
分Δθ2 を求め、それら値を時刻t2 における重心位置
[Pg2] 及び回転角θ2 にそれぞれ加算することで得られ
る。このようにして時刻t3 における重心位置[Pg3] 及
び重心まわりの回転角θ3 が得られる。このようにして
所定時間間隔の車両位置及び回転角を得ることができ
る。上記演算の後、ステップ1024に進む。
【0053】ステップ1008にてBman がBabs より小さ
い場合には、ステップ1014に移行し、このBman の値を
用いて運動演算を行い、この後ステップ1024に移行す
る。ここで用いられる運動方程式はステップ1012と同様
に式(1)、(4)であり、ステップ1012と同様の処理
を行うことで車両の位置及び回転角を得ることができ
る。ステップ1012、1014の処理によるブレーキ液圧の時
間変化を図18(b)に示す。ブレーキペダル7を踏み
込むことによって時間の経過と共にブレーキ液圧が上昇
する。このブレーキ液圧の上昇に伴って制動力Bman が
増加し、時刻t40にて最大摩擦力より小さい所定Babs
に制動力Bman が達すると、ブレーキ液圧はその時の値
に保持された状態で制動が行われ、時刻t50にて車両が
停止する。尚、ステップ1008、1012、1014に示される処
理のようにABSを有している場合には常に模擬車両は
「グリップがある」状態に保持されるものとする。
い場合には、ステップ1014に移行し、このBman の値を
用いて運動演算を行い、この後ステップ1024に移行す
る。ここで用いられる運動方程式はステップ1012と同様
に式(1)、(4)であり、ステップ1012と同様の処理
を行うことで車両の位置及び回転角を得ることができ
る。ステップ1012、1014の処理によるブレーキ液圧の時
間変化を図18(b)に示す。ブレーキペダル7を踏み
込むことによって時間の経過と共にブレーキ液圧が上昇
する。このブレーキ液圧の上昇に伴って制動力Bman が
増加し、時刻t40にて最大摩擦力より小さい所定Babs
に制動力Bman が達すると、ブレーキ液圧はその時の値
に保持された状態で制動が行われ、時刻t50にて車両が
停止する。尚、ステップ1008、1012、1014に示される処
理のようにABSを有している場合には常に模擬車両は
「グリップがある」状態に保持されるものとする。
【0054】ステップ1006にてABSを有していない場
合には、ステップ1010に移行し、ABSを有していない
時の模擬車両挙動を演算する。即ち、ブレーキペダル7
の操作による制動力Bman が最大摩擦力以上の大きさか
否かを判定し、Bman が最大摩擦力以上の大きさの時は
模擬車両の車輪がロックし、「グリップがない」状態に
あると見なして、ステップ1016に移行し、その場合の運
動演算を行う。
合には、ステップ1010に移行し、ABSを有していない
時の模擬車両挙動を演算する。即ち、ブレーキペダル7
の操作による制動力Bman が最大摩擦力以上の大きさか
否かを判定し、Bman が最大摩擦力以上の大きさの時は
模擬車両の車輪がロックし、「グリップがない」状態に
あると見なして、ステップ1016に移行し、その場合の運
動演算を行う。
【0055】ABSを有していない場合には制動により
車輪がロック状態に近づくと、ホイールシリンダに作用
するブレーキ油圧の開放及び印加の制御が行われず、ブ
レーキ油圧が印加状態に保持されるので、車輪の回転力
が復元されずにロック状態となり、車輪はスリップす
る。よって、車輪のロック状態ではサイドフォースが作
用せず、車輪の運動方向と逆向きに車輪に力が作用し、
その大きさは車輪ロック時の摩擦係数μ0 と軸荷重との
積になる。このとき、模擬車両の直線運動の運動方程式
は式(7)に、回転運動の運動方程式は式(8)にそれ
ぞれ示される。
車輪がロック状態に近づくと、ホイールシリンダに作用
するブレーキ油圧の開放及び印加の制御が行われず、ブ
レーキ油圧が印加状態に保持されるので、車輪の回転力
が復元されずにロック状態となり、車輪はスリップす
る。よって、車輪のロック状態ではサイドフォースが作
用せず、車輪の運動方向と逆向きに車輪に力が作用し、
その大きさは車輪ロック時の摩擦係数μ0 と軸荷重との
積になる。このとき、模擬車両の直線運動の運動方程式
は式(7)に、回転運動の運動方程式は式(8)にそれ
ぞれ示される。
【0056】
【数7】 [Bf] +[Br]= M・(d2/dt2)[Pg] ─(7)
【0057】
【数8】 (([Pf]−[Pg]) ×[Bf]+([Pr] −[Pg]) ×[Br]) のz成分 =Jz・(d2/dt2)θ ─(8)
【0058】式(7)、(8)を用いて、ステップ101
2、1014と同様に処理を行うことによって車輪ロック時
の模擬車両の運動状態を得ることができる。この演算の
後、ステップ1024に進む。ステップ1010にてBman が最
大摩擦力より小さい場合には、模擬車両の車輪がロック
状態になく、グリップがあるものと見なし、ステップ10
18に移行し、上述の式(1)、(4)を用いて運動演算
を行う。ステップ1016、1018の処理によるブレーキ液圧
の時間変化を図18(a)に示す。ブレーキペダル7を
踏み込むことによって時間の経過と共にブレーキ液圧が
上昇し、ブレーキ液圧の上昇に伴って制動力Bman が増
加する。このとき、ABSを有していないのでブレーキ
液圧が制御されることはなく、時刻t10にて最大圧に達
し、その液圧状態がフルブレーキ操作により保持され
る。これによって、車両のスリップ率は増加していき、
時刻t20にてスリップ率が1.0 に達し、車輪がロックす
る。このロック状態(摩擦係数μ0 )で車両は徐々に減
速して移動し、時刻t30にて停止する。図18に示され
るように、ABSを有しない場合には、ABSを有した
場合に比べて停止するまでの時間(停止距離)が長くな
る。
2、1014と同様に処理を行うことによって車輪ロック時
の模擬車両の運動状態を得ることができる。この演算の
後、ステップ1024に進む。ステップ1010にてBman が最
大摩擦力より小さい場合には、模擬車両の車輪がロック
状態になく、グリップがあるものと見なし、ステップ10
18に移行し、上述の式(1)、(4)を用いて運動演算
を行う。ステップ1016、1018の処理によるブレーキ液圧
の時間変化を図18(a)に示す。ブレーキペダル7を
踏み込むことによって時間の経過と共にブレーキ液圧が
上昇し、ブレーキ液圧の上昇に伴って制動力Bman が増
加する。このとき、ABSを有していないのでブレーキ
液圧が制御されることはなく、時刻t10にて最大圧に達
し、その液圧状態がフルブレーキ操作により保持され
る。これによって、車両のスリップ率は増加していき、
時刻t20にてスリップ率が1.0 に達し、車輪がロックす
る。このロック状態(摩擦係数μ0 )で車両は徐々に減
速して移動し、時刻t30にて停止する。図18に示され
るように、ABSを有しない場合には、ABSを有した
場合に比べて停止するまでの時間(停止距離)が長くな
る。
【0059】又、車輪がロックする前の制動状態では、
ABSの有無に係わらず、制動時の速度が大きい程、式
(2)、(3)からも理解されるように、重心の直進方
向の速度が大きくなるため、スリップ角が大きくなり、
ハンドルの制御性が悪くなることが模擬されることが理
解される。さらに、路面の最大摩擦係数が小さい程、サ
イドホース[Ff]、[Fr]が小さくなり、従って、(d/dt)θ
が小さくなり、式(2)、(3)から理解されるよう
に、スリップ角が大きくなり、ハンドルの制御性が悪く
なることが模擬されることが理解される。
ABSの有無に係わらず、制動時の速度が大きい程、式
(2)、(3)からも理解されるように、重心の直進方
向の速度が大きくなるため、スリップ角が大きくなり、
ハンドルの制御性が悪くなることが模擬されることが理
解される。さらに、路面の最大摩擦係数が小さい程、サ
イドホース[Ff]、[Fr]が小さくなり、従って、(d/dt)θ
が小さくなり、式(2)、(3)から理解されるよう
に、スリップ角が大きくなり、ハンドルの制御性が悪く
なることが模擬されることが理解される。
【0060】さらに、車輪のロック状態になると、AB
Sが存在しない場合には、サイドホース[Ff]、[Fr]は零
であるので、ハンドルの操作性は全くなく、ロックした
時の前輪の向きによっては車体が容易にスピンすること
が模擬される。又、車輪がロックした時の制動距離は、
ロック時の車体速度が大きい程、ロック時の路面と車輪
との間の摩擦係数μ0 が小さい程、長くなることが模擬
されることも容易に理解される。又、ブレーキの踏力が
緩められ、踏力に応じたブレーキの制動力Bman がロッ
ク時の摩擦係数μ0 から決定される路面から受ける車輪
の制動力よりも小さくなると、車輪のロックが解除され
るので、この状態になった時には、再度、式(1)、
(4)を用いて、車両の位置及び姿勢が演算されること
になる。
Sが存在しない場合には、サイドホース[Ff]、[Fr]は零
であるので、ハンドルの操作性は全くなく、ロックした
時の前輪の向きによっては車体が容易にスピンすること
が模擬される。又、車輪がロックした時の制動距離は、
ロック時の車体速度が大きい程、ロック時の路面と車輪
との間の摩擦係数μ0 が小さい程、長くなることが模擬
されることも容易に理解される。又、ブレーキの踏力が
緩められ、踏力に応じたブレーキの制動力Bman がロッ
ク時の摩擦係数μ0 から決定される路面から受ける車輪
の制動力よりも小さくなると、車輪のロックが解除され
るので、この状態になった時には、再度、式(1)、
(4)を用いて、車両の位置及び姿勢が演算されること
になる。
【0061】一方、ABSが存在する場合には、ブレー
キの踏力による制動力Bman が路面とタイヤとの最大摩
擦係数μと車体重量とで決定される値よりやや低い値の
Babs を越える場合に、車輪と路面に間に働く制動力を
Babs に制限して、車輪がロックに陥らないないように
模擬している。この結果、車輪のロックがない状態での
車体の挙動が模擬される。このため、ABS設備が存在
しても、制動時の車体速度が大きい程、又、路面の最大
摩擦係数μが小さい程、制動距離が増加し、スリップ角
が増加して、操舵安定性が低下することが模擬される。
よって、ABSの制動及び操舵安定性の体感はもとよ
り、ABS制御の限界についても、運転者40に体感さ
せることができる。
キの踏力による制動力Bman が路面とタイヤとの最大摩
擦係数μと車体重量とで決定される値よりやや低い値の
Babs を越える場合に、車輪と路面に間に働く制動力を
Babs に制限して、車輪がロックに陥らないないように
模擬している。この結果、車輪のロックがない状態での
車体の挙動が模擬される。このため、ABS設備が存在
しても、制動時の車体速度が大きい程、又、路面の最大
摩擦係数μが小さい程、制動距離が増加し、スリップ角
が増加して、操舵安定性が低下することが模擬される。
よって、ABSの制動及び操舵安定性の体感はもとよ
り、ABS制御の限界についても、運転者40に体感さ
せることができる。
【0062】このようにABSを有している場合には、
常にグリップのある状態で運動演算が実行され、ABS
を有していない場合には制動力と最大摩擦力との大小関
係からグリップの有無が決定され、それぞれの場合にお
ける運動演算が実行される。上記のステップ1012〜1022
の各処理の後、ステップ1024にて所定時間Δt後の模擬
車両位置及び姿勢が算出される。このようにして図12
のステップ914 の処理が行われる。
常にグリップのある状態で運動演算が実行され、ABS
を有していない場合には制動力と最大摩擦力との大小関
係からグリップの有無が決定され、それぞれの場合にお
ける運動演算が実行される。上記のステップ1012〜1022
の各処理の後、ステップ1024にて所定時間Δt後の模擬
車両位置及び姿勢が算出される。このようにして図12
のステップ914 の処理が行われる。
【0063】図12において、ステップ914 の処理の
後、模擬車両の位置及び姿勢のデータを更新し(ステッ
プ916 )、ステップ916 にて更新されたデータに基づい
てディスプレイ13の表示画面を更新する(ステップ91
8 )。この後、ステップ920 にて模擬車両の走行音の出
力を演算する。ステップ920における処理の詳細を図1
4に示す。
後、模擬車両の位置及び姿勢のデータを更新し(ステッ
プ916 )、ステップ916 にて更新されたデータに基づい
てディスプレイ13の表示画面を更新する(ステップ91
8 )。この後、ステップ920 にて模擬車両の走行音の出
力を演算する。ステップ920における処理の詳細を図1
4に示す。
【0064】図14において、まず、アクセルペダル6
がオンであるか否かを判定し(ステップ1102)、アクセ
ルペダル6がオンであるとき模擬車両は加速運動を行っ
ているのでステップ1104に移行し、車両速度がギアチェ
ンジが行われる所定の閾値に達しているか否かを判定す
る。ステップ1104にて車速が所定の閾値に達していると
き、ステップ1108に移行し、その車速に対応したエンジ
ン音と、車輪の走行音と、ギアチェンジ音とをスピーカ
12より出力し、加速時でギアチェンジ時における音声
を模擬する。ステップ1104にて車速が所定の閾値に達し
ていない時には、ステップ1110に移行し、その車速に対
応したエンジン音と車輪の走行音とをスピーカ12より
出力し、加速時に運転者40に聞こえる音声を模擬す
る。ステップ1108、1110における処理は、主としてシミ
ュレーション開始後からディスプレイ13上に表示され
る黄色のラインを模擬車両が越えるまでの間において実
行される。
がオンであるか否かを判定し(ステップ1102)、アクセ
ルペダル6がオンであるとき模擬車両は加速運動を行っ
ているのでステップ1104に移行し、車両速度がギアチェ
ンジが行われる所定の閾値に達しているか否かを判定す
る。ステップ1104にて車速が所定の閾値に達していると
き、ステップ1108に移行し、その車速に対応したエンジ
ン音と、車輪の走行音と、ギアチェンジ音とをスピーカ
12より出力し、加速時でギアチェンジ時における音声
を模擬する。ステップ1104にて車速が所定の閾値に達し
ていない時には、ステップ1110に移行し、その車速に対
応したエンジン音と車輪の走行音とをスピーカ12より
出力し、加速時に運転者40に聞こえる音声を模擬す
る。ステップ1108、1110における処理は、主としてシミ
ュレーション開始後からディスプレイ13上に表示され
る黄色のラインを模擬車両が越えるまでの間において実
行される。
【0065】ステップ1102にてアクセルペダル6がオフ
である場合には、ステップ1106に移行し、車輪がロック
状態であるか否かを判定する。ステップ1106にて車輪が
ロック状態でない時、ステップ1112に進み、車速に応じ
たエンジン音と車輪の走行音をスピーカ12より出力
し、車輪のロックを伴わない制動時の音声を模擬する。
ステップ1106にて車輪がロック状態であるとき、車輪が
スリップしているものと考え、ステップ1114に進み、車
速に応じたスリップ音とエンジン音とをスピーカ12よ
り出力し、車輪ロック時の音声を模擬する。ステップ11
12、1114における処理は、主としてディスプレイ13上
に表示される黄色のラインを模擬車両が越えてた後の制
動時において実行される。このようにして、図12のス
テップ920 にて、ギアチェンジの有無による加速時の音
声、及びスリップの有無による制動時の音声を模擬す
る。
である場合には、ステップ1106に移行し、車輪がロック
状態であるか否かを判定する。ステップ1106にて車輪が
ロック状態でない時、ステップ1112に進み、車速に応じ
たエンジン音と車輪の走行音をスピーカ12より出力
し、車輪のロックを伴わない制動時の音声を模擬する。
ステップ1106にて車輪がロック状態であるとき、車輪が
スリップしているものと考え、ステップ1114に進み、車
速に応じたスリップ音とエンジン音とをスピーカ12よ
り出力し、車輪ロック時の音声を模擬する。ステップ11
12、1114における処理は、主としてディスプレイ13上
に表示される黄色のラインを模擬車両が越えてた後の制
動時において実行される。このようにして、図12のス
テップ920 にて、ギアチェンジの有無による加速時の音
声、及びスリップの有無による制動時の音声を模擬す
る。
【0066】図12において、模擬車両走行音の演算の
後、ステップ922 にてシミュレーションの中断か否かを
判定し、中断でない場合にはステップ912 に戻って模擬
車両データを入力し、上記各演算を繰り返して実行す
る。ステップ922 にてシミュレーションを中断する場合
には、ステップ924 に移行し、シミュレーションの終了
か否かを判定する。ステップ924 にてシミュレーション
を終了しない場合には、ステップ902 に戻ってシミュレ
ーションの準備チェックから行い、シミュレーションを
終了する場合にはステップ926 に進み、シミュレーショ
ン結果をディスプレイ13に表示する。このシミュレー
ション結果の表示例を図19に示す。
後、ステップ922 にてシミュレーションの中断か否かを
判定し、中断でない場合にはステップ912 に戻って模擬
車両データを入力し、上記各演算を繰り返して実行す
る。ステップ922 にてシミュレーションを中断する場合
には、ステップ924 に移行し、シミュレーションの終了
か否かを判定する。ステップ924 にてシミュレーション
を終了しない場合には、ステップ902 に戻ってシミュレ
ーションの準備チェックから行い、シミュレーションを
終了する場合にはステップ926 に進み、シミュレーショ
ン結果をディスプレイ13に表示する。このシミュレー
ション結果の表示例を図19に示す。
【0067】図19に示されるように、本実施例では、
運転者40がフルブレーキ操作を行わない場合には効果
的ではないので、ブレーキペダル7の踏み込み量が十分
であるかどうかを、フルブレーキに必要な踏力に対する
百分率で棒グラフに示す構成とした。この棒グラフを運
転者40が確認することで、フルブレーキ操作を実行す
る際の基準とすることができる。尚、図19中に示され
る速度は、黄色のラインに模擬車両が到達したときの車
速を示している。図12のステップ926 で結果を表示し
た後、ステップ928 にて次のシミュレーションを実行す
るか否かを判定し、次のシミュレーションを行う場合に
はステップ902 に移行し、シミュレーションを終了する
場合にはエンドとする。
運転者40がフルブレーキ操作を行わない場合には効果
的ではないので、ブレーキペダル7の踏み込み量が十分
であるかどうかを、フルブレーキに必要な踏力に対する
百分率で棒グラフに示す構成とした。この棒グラフを運
転者40が確認することで、フルブレーキ操作を実行す
る際の基準とすることができる。尚、図19中に示され
る速度は、黄色のラインに模擬車両が到達したときの車
速を示している。図12のステップ926 で結果を表示し
た後、ステップ928 にて次のシミュレーションを実行す
るか否かを判定し、次のシミュレーションを行う場合に
はステップ902 に移行し、シミュレーションを終了する
場合にはエンドとする。
【0068】上記の図12〜図14に示す処理を行うこ
とにより、ABS作動時、及び非作動時における模擬車
両挙動をディスプレイ13に表示される動画と、スピー
カ12から出力される音声とで模擬することができるの
で、運転者40はABSのシミュレーションを効果的に
体験学習することができる。また、本実施例では路面の
摩擦係数や車速を変化させてシミュレーションを実行で
きるので、ABSの作動、非作動のそれぞれにおいて、
摩擦係数や車速に応じたフルブレーキ操作時における車
両のすべり具合をより具体的に体験学習することができ
る。
とにより、ABS作動時、及び非作動時における模擬車
両挙動をディスプレイ13に表示される動画と、スピー
カ12から出力される音声とで模擬することができるの
で、運転者40はABSのシミュレーションを効果的に
体験学習することができる。また、本実施例では路面の
摩擦係数や車速を変化させてシミュレーションを実行で
きるので、ABSの作動、非作動のそれぞれにおいて、
摩擦係数や車速に応じたフルブレーキ操作時における車
両のすべり具合をより具体的に体験学習することができ
る。
【0069】上記実施例では、常に運転者40の視点で
ディスプレイ13に動画が表示される構成としている
が、他の視点で動画表示する構成としてもよい。例え
ば、運転者40の視点から離れて上方からの視点で模擬
車両挙動を動画表示した構成を図20に示すが、このよ
うに他の視点で模擬車両挙動を動画表示することで、客
観的に車両挙動を把握することができるので、シミュレ
ーションによる学習効果を高めることができる。
ディスプレイ13に動画が表示される構成としている
が、他の視点で動画表示する構成としてもよい。例え
ば、運転者40の視点から離れて上方からの視点で模擬
車両挙動を動画表示した構成を図20に示すが、このよ
うに他の視点で模擬車両挙動を動画表示することで、客
観的に車両挙動を把握することができるので、シミュレ
ーションによる学習効果を高めることができる。
【0070】上記実施例では、シミュレーション時のシ
ナリオを主として「フルブレーキ」、「直線レーンチェ
ンジ」、及び「カーブ」の3つのシナリオ内容とした
が、このシナリオの内容はこれに限定されるものではな
く、種々のシナリオを設定してもよい。例えば、上述の
シナリオでは、ディスプレイ13上に表示される黄色の
ラインに達した時にフルブレーキ操作を行う構成である
が、ディスプレイ13上に黄色のラインを表示する代わ
りに、子供や車両の飛び出しを表示し、運転者40がこ
の飛び出しに気づいてフルブレーキ操作を行う構成とし
てもよい。このようなシナリオを設けることにより、飛
び出し時のフルブレーキ操作を走行体験できる。また、
このとき、シミュレータ装置100にクラクション機能
を持たせ、運転者40がクラクションを鳴らしたとき
に、子供や車両がその位置で停止したり、飛び出しの速
度が減少する構成とすれば、より効果的なシミュレーシ
ョンを行うことができる。
ナリオを主として「フルブレーキ」、「直線レーンチェ
ンジ」、及び「カーブ」の3つのシナリオ内容とした
が、このシナリオの内容はこれに限定されるものではな
く、種々のシナリオを設定してもよい。例えば、上述の
シナリオでは、ディスプレイ13上に表示される黄色の
ラインに達した時にフルブレーキ操作を行う構成である
が、ディスプレイ13上に黄色のラインを表示する代わ
りに、子供や車両の飛び出しを表示し、運転者40がこ
の飛び出しに気づいてフルブレーキ操作を行う構成とし
てもよい。このようなシナリオを設けることにより、飛
び出し時のフルブレーキ操作を走行体験できる。また、
このとき、シミュレータ装置100にクラクション機能
を持たせ、運転者40がクラクションを鳴らしたとき
に、子供や車両がその位置で停止したり、飛び出しの速
度が減少する構成とすれば、より効果的なシミュレーシ
ョンを行うことができる。
【0071】また、上記実施例に示されるシナリオにオ
ートクルーズ走行を模擬したモードを付加した構成とし
てもよい。これにより、オートクルーズ走行からフルブ
レーキ操作を行ったときの走行を模擬学習できる。上記
実施例では、シミュレーション実行後の評価結果とし
て、フルブレーキ操作の達成の可否や、黄色のラインに
達したときの車速などを表示する構成としているが、評
価項目はこれに限定しない。例えば、フルブレーキ操作
を行ってから停止するまでの距離を、シミュレーション
実行後にディスプレイ13に表示する構成としてもよ
い。これにより、車速や、ABSの有無、路面状態によ
って、停止距離がどの程度になるかを把握することがで
き、シミュレーション効果をさらに向上できる。
ートクルーズ走行を模擬したモードを付加した構成とし
てもよい。これにより、オートクルーズ走行からフルブ
レーキ操作を行ったときの走行を模擬学習できる。上記
実施例では、シミュレーション実行後の評価結果とし
て、フルブレーキ操作の達成の可否や、黄色のラインに
達したときの車速などを表示する構成としているが、評
価項目はこれに限定しない。例えば、フルブレーキ操作
を行ってから停止するまでの距離を、シミュレーション
実行後にディスプレイ13に表示する構成としてもよ
い。これにより、車速や、ABSの有無、路面状態によ
って、停止距離がどの程度になるかを把握することがで
き、シミュレーション効果をさらに向上できる。
【0072】上記実施例では、ディスプレイ13上に表
示される動画の背景については特に記載していないが、
車両速度が微速時や低速時では背景を市街地とし、車両
速度が高速時では背景を郊外や高速道路などに設定する
構成とすれば、より実際に則したシミュレーション映像
とすることができる。また、模擬する路面状態によっ
て、ディスプレイ13に表示される路面の色や濃さを変
化させる構成としてもよい。例えば、湿潤(ウェット)
路面上を走行するとき、路面の色を暗色で表示すること
で、よりリアルな表示画面が得られる。
示される動画の背景については特に記載していないが、
車両速度が微速時や低速時では背景を市街地とし、車両
速度が高速時では背景を郊外や高速道路などに設定する
構成とすれば、より実際に則したシミュレーション映像
とすることができる。また、模擬する路面状態によっ
て、ディスプレイ13に表示される路面の色や濃さを変
化させる構成としてもよい。例えば、湿潤(ウェット)
路面上を走行するとき、路面の色を暗色で表示すること
で、よりリアルな表示画面が得られる。
【0073】上記実施例では、天候状態について特に配
慮した構成ではないが、シミュレータ装置100にワイ
パスイッチを設け、路面状態が湿潤路面の場合に、運転
者40がワイパスイッチを操作したとき、ディスプレイ
13上に降雨状態とワイパの駆動状態とを表示する構成
としてもよい。これにより、雨天走行時のシミュレーシ
ョンを効果的に演出することができる。また、路面状態
が圧雪路面の場合に、運転者40がワイパスイッチを操
作したとき、ディスプレイ13上に降雪状態とワイパの
駆動状態とを表示する構成としてもよい。これにより、
降雪時のシミュレーションを効果的に演出することがで
きる。
慮した構成ではないが、シミュレータ装置100にワイ
パスイッチを設け、路面状態が湿潤路面の場合に、運転
者40がワイパスイッチを操作したとき、ディスプレイ
13上に降雨状態とワイパの駆動状態とを表示する構成
としてもよい。これにより、雨天走行時のシミュレーシ
ョンを効果的に演出することができる。また、路面状態
が圧雪路面の場合に、運転者40がワイパスイッチを操
作したとき、ディスプレイ13上に降雪状態とワイパの
駆動状態とを表示する構成としてもよい。これにより、
降雪時のシミュレーションを効果的に演出することがで
きる。
【0074】さらに、シミュレータ装置にフォグランプ
スイッチを設け、運転者40がフォグランプスイッチを
操作したとき、ディスプレイ13上に霧が発生した状況
を表示する構成としてもよい。これにより、霧が発生し
た状況下におけるシミュレーションを効果的に演出する
ことができる。これら各天候状態は、段階的に設定する
構成としてもよい。例えば、降雨状態を小雨から豪雨ま
で任意に変化できる構成にし、その降雨状態に応じて摩
擦係数を設定してもよい。その他に、強風状態を表示す
るために、ディスプレイ13上に表示された樹木などを
しならせて風力レベルを表示してもよく、このとき、風
音をスピーカ12より出力する構成にすれば、より効果
的なシミュレーションを行える。
スイッチを設け、運転者40がフォグランプスイッチを
操作したとき、ディスプレイ13上に霧が発生した状況
を表示する構成としてもよい。これにより、霧が発生し
た状況下におけるシミュレーションを効果的に演出する
ことができる。これら各天候状態は、段階的に設定する
構成としてもよい。例えば、降雨状態を小雨から豪雨ま
で任意に変化できる構成にし、その降雨状態に応じて摩
擦係数を設定してもよい。その他に、強風状態を表示す
るために、ディスプレイ13上に表示された樹木などを
しならせて風力レベルを表示してもよく、このとき、風
音をスピーカ12より出力する構成にすれば、より効果
的なシミュレーションを行える。
【0075】上記実施例では、時間的には主として昼間
の時間帯を想定しているが、夕方や朝方などの薄明時を
模擬してもよい。さらに、シミュレータ装置100にラ
イティングスイッチを設け、運転者40がライティング
スイッチを操作したとき、ディスプレイ13上に夜間時
の走行状況(例えば背景が暗く、ヘッドライトの照射部
分だけが明確に表示される)を表示する構成としてもよ
い。これにより、夜間走行時のシミュレーションを効果
的に演出することができる。
の時間帯を想定しているが、夕方や朝方などの薄明時を
模擬してもよい。さらに、シミュレータ装置100にラ
イティングスイッチを設け、運転者40がライティング
スイッチを操作したとき、ディスプレイ13上に夜間時
の走行状況(例えば背景が暗く、ヘッドライトの照射部
分だけが明確に表示される)を表示する構成としてもよ
い。これにより、夜間走行時のシミュレーションを効果
的に演出することができる。
【0076】上記実施例では、模擬車両のタイプを特に
限定していないが、運転者40が日常操縦する車両タイ
プに合わせてシミュレーションを行える構成としてもよ
い。例えば、図21に示すように中型セダンタイプでは
視点の高さが中程度で加速性能が並と考えれられ、トラ
ックなどでは視点の高さが高く、加速性能が低いと考え
られる。また、クーペなどでは視点の高さが低く、加速
性能が高いと考えられるので、各車両タイプによって視
点の高さや、加速度性能を変化させてシミュレーション
を行うことで、より効果のあるシミュレーションを行う
ことができる。
限定していないが、運転者40が日常操縦する車両タイ
プに合わせてシミュレーションを行える構成としてもよ
い。例えば、図21に示すように中型セダンタイプでは
視点の高さが中程度で加速性能が並と考えれられ、トラ
ックなどでは視点の高さが高く、加速性能が低いと考え
られる。また、クーペなどでは視点の高さが低く、加速
性能が高いと考えられるので、各車両タイプによって視
点の高さや、加速度性能を変化させてシミュレーション
を行うことで、より効果のあるシミュレーションを行う
ことができる。
【0077】尚、上記実施例では運転シミュレータ装置
100の個数を特に限定してはいないが、図22に示さ
れるように複数(図22ではn個)の運転シミュレータ
装置100a〜100nを設け、パソコンから成るシナ
リオ設定装置3で各装置のシナリオを設定する構成とし
てもよい。このように複数個の運転シミュレータ装置1
00a〜100nを設けることで、一度に多数の運転者
の走行体験に対応することができる。
100の個数を特に限定してはいないが、図22に示さ
れるように複数(図22ではn個)の運転シミュレータ
装置100a〜100nを設け、パソコンから成るシナ
リオ設定装置3で各装置のシナリオを設定する構成とし
てもよい。このように複数個の運転シミュレータ装置1
00a〜100nを設けることで、一度に多数の運転者
の走行体験に対応することができる。
【0078】上記に示されるように、本発明によれば、
シミュレータ装置の各機器の操作状況を検出し、その検
出信号に基づいてABSの作動時、及びその非作動時に
おける車両挙動を、操作者の視点による外部環境の変化
としてディスプレイ上に動画表示し、スピーカより走行
時の音声を出力することによって、操作者は車速、摩擦
係数に変化に応じたフルブレーキ操作時の走行体験を効
果的に学習することができる。
シミュレータ装置の各機器の操作状況を検出し、その検
出信号に基づいてABSの作動時、及びその非作動時に
おける車両挙動を、操作者の視点による外部環境の変化
としてディスプレイ上に動画表示し、スピーカより走行
時の音声を出力することによって、操作者は車速、摩擦
係数に変化に応じたフルブレーキ操作時の走行体験を効
果的に学習することができる。
【図1】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置の全体構成を示したブロック図。
ータ装置の全体構成を示したブロック図。
【図2】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置の全体構成を示した斜視図。
ータ装置の全体構成を示した斜視図。
【図3】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、ディスプレイの表示映像の一例を示
した模式図。
ータ装置において、ディスプレイの表示映像の一例を示
した模式図。
【図4】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、ディスプレイに表示される動画モデ
ルの座標形と車両座標形との関係を示した模式図。
ータ装置において、ディスプレイに表示される動画モデ
ルの座標形と車両座標形との関係を示した模式図。
【図5】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、機器設定時のメニュー画面構成を示
した模式図。
ータ装置において、機器設定時のメニュー画面構成を示
した模式図。
【図6】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、シナリオ設定時のメニュー画面構成
を示した模式図。
ータ装置において、シナリオ設定時のメニュー画面構成
を示した模式図。
【図7】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、ABS有無の設定時のメニュー画面
構成を示した模式図。
ータ装置において、ABS有無の設定時のメニュー画面
構成を示した模式図。
【図8】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、模擬車両の速度設定時のメニュー画
面構成を示した模式図。
ータ装置において、模擬車両の速度設定時のメニュー画
面構成を示した模式図。
【図9】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュレ
ータ装置において、路面状況設定時のメニュー画面構成
を示した模式図。
ータ装置において、路面状況設定時のメニュー画面構成
を示した模式図。
【図10】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、模擬走行実施時のフルブレーキ操
作の結果判定の一例を示した説明図。
レータ装置において、模擬走行実施時のフルブレーキ操
作の結果判定の一例を示した説明図。
【図11】摩擦係数とスリップ率との関係を示した模式
図。
図。
【図12】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、CPUで行われる処理内容を示し
たメインフローチャート。
レータ装置において、CPUで行われる処理内容を示し
たメインフローチャート。
【図13】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、CPUで行われる車両挙動模擬演
算の処理内容を示したサブフローチャート。
レータ装置において、CPUで行われる車両挙動模擬演
算の処理内容を示したサブフローチャート。
【図14】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、CPUで行われる車両走行音出力
演算の処理内容を示したサブフローチャート。
レータ装置において、CPUで行われる車両走行音出力
演算の処理内容を示したサブフローチャート。
【図15】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、CPUで行われる車両挙動模擬演
算処理時に用いられる車両モデルを示した模式図。
レータ装置において、CPUで行われる車両挙動模擬演
算処理時に用いられる車両モデルを示した模式図。
【図16】ペダルストローク、踏力、ブレーキ液圧、及
び制動力間の相互関係を示した模式図。
び制動力間の相互関係を示した模式図。
【図17】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、制動時の模擬車両の軌跡を示した
模式図。
レータ装置において、制動時の模擬車両の軌跡を示した
模式図。
【図18】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、ABSの有無によるブレーキ液圧
の時間変位を示した模式図。
レータ装置において、ABSの有無によるブレーキ液圧
の時間変位を示した模式図。
【図19】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、シミュレーション終了時にディス
プレイに表示されるシミュレーション結果を示した模式
図。
レータ装置において、シミュレーション終了時にディス
プレイに表示されるシミュレーション結果を示した模式
図。
【図20】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、ディスプレイの表示映像を上方か
らの視点で示した模式図。
レータ装置において、ディスプレイの表示映像を上方か
らの視点で示した模式図。
【図21】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、車両の車両タイプの一例を示した
模式図。
レータ装置において、車両の車両タイプの一例を示した
模式図。
【図22】本発明の具体的な実施例に係わる運転シミュ
レータ装置において、複数の運転シミュレータ装置を設
けた構成を示した模式図。
レータ装置において、複数の運転シミュレータ装置を設
けた構成を示した模式図。
1 メモリ 2 CPU 3 シナリオ設定装置 4 イグニッションキー 5 ハンドル 6 アクセルペダル 7 ブレーキペダル 8 シフトレバー 9 方向指示器 10 サイドブレーキ 11 シートベルト 12 スピーカ 13 ディスプレイ 14 計器 15 基台 16 シート 17 カバー 18 バックミラー 19 ルームミラー 20 キャスター 21 ストッパ 24〜31 センサ 40 運転者 100 運転シミュレータ装置
Claims (4)
- 【請求項1】 静止した模擬車両の運転者の視点から見
える模擬車両の周囲の環境を、運転者の運転操作状況に
応じて動画表示することで、模擬車両の走行を運転者に
体感させる運転シミュレータ装置において、 模擬ブレーキペダルの踏み込みにより前記模擬車両に制
動をかけた時の前記模擬車両の走行状態を、アンチロッ
クブレーキシステムの装備の有無及び前記模擬車両が走
行する模擬路面と模擬車輪との設定された任意の摩擦係
数に対応して、演算し、その演算された模擬車両の位置
及び姿勢に基づいて、前記動画表示を変化させることを
特徴とする運転シミュレータ装置。 - 【請求項2】 車両を模擬した模擬車両において制動時
にアンチロックブレーキシステムが作動したとき、路面
を模擬した模擬路面上を模擬走行する前記模擬車両の運
動を実時間処理にて表示する運転シミュレータ装置であ
って、 運転者による操作に応じて前記模擬車両の走行状況を模
擬し、かつ、制動時に前記模擬車両の車輪を模擬した模
擬車輪のロックを防止するアンチロックブレーキシステ
ムの作動を前記模擬路面の路面状態に及び車速に応じて
模擬し、前記模擬車両の周囲の環境を模擬した模擬環境
を動画表示することを特徴とする運転シミュレータ装
置。 - 【請求項3】 アンチロックブレーキシステムの作動
は、前記模擬ブレーキペダルの踏み込みに応じて得られ
る制動力を前記摩擦係数に応じて制限することで模擬車
輪のロックを防止するものであることを特徴とする請求
項1に記載の運転シミュレータ装置。 - 【請求項4】 前記操作者により操作され、前記模擬車
両の走行状況を模擬した模擬走行状況をつくりだす模擬
操作手段と、 前記模擬車両の前記模擬走行状況、及び前記模擬操作手
段の操作状況を検出する検出手段と、 前記検出手段による検出値に基づいて、前記模擬車両の
制動時において前記模擬路面の路面状態に応じて前記模
擬車両の前記模擬車輪のロックを防止する模擬アンチロ
ックブレーキ手段と、 前記検出手段による検出値、及び前記模擬アンチロック
ブレーキ手段の出力に基づいて、前記模擬車両の運動を
模擬する模擬運動演算手段と、 前記模擬運動演算手段の出力に基づいて、前記模擬環境
を動画表示する模擬表示手段とを備えたことを特徴とす
る請求項2に記載の運転シミュレータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18117896A JP2773107B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 運転シミュレータ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18117896A JP2773107B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 運転シミュレータ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1010962A JPH1010962A (ja) | 1998-01-16 |
JP2773107B2 true JP2773107B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=16096248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18117896A Expired - Lifetime JP2773107B2 (ja) | 1996-06-20 | 1996-06-20 | 運転シミュレータ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2773107B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016191789A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 三菱プレシジョン株式会社 | 講習用運転シミュレータシステム |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4390818B2 (ja) | 2007-03-30 | 2009-12-24 | 富士通テン株式会社 | 計測データ表示装置 |
AT513370B1 (de) * | 2013-11-05 | 2015-11-15 | Avl List Gmbh | Virtuelle Testoptimierung für Fahrerassistenzsysteme |
KR101855345B1 (ko) * | 2016-12-30 | 2018-06-14 | 도로교통공단 | 시뮬레이션된 가상현실 영상물을 다중시점으로 분리표출하는 다중시각 디스플레이 장치 및 방법 |
JP7082030B2 (ja) * | 2018-10-29 | 2022-06-07 | 本田技研工業株式会社 | 運転教習装置及び運転教習方法 |
JP6917970B2 (ja) * | 2018-11-20 | 2021-08-11 | 本田技研工業株式会社 | 模擬運転装置 |
-
1996
- 1996-06-20 JP JP18117896A patent/JP2773107B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016191789A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 三菱プレシジョン株式会社 | 講習用運転シミュレータシステム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1010962A (ja) | 1998-01-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2006177B1 (en) | Vehicle speed control apparatus in accordance with curvature of vehicle trajectory | |
JP4458072B2 (ja) | 車両用運転操作補助装置および車両用運転操作補助装置を備えた車両 | |
JP4724593B2 (ja) | 車両の運動制御装置 | |
JP5265717B2 (ja) | 車両の運動制御装置 | |
CN101282864A (zh) | 用于车辆的减速控制设备和方法 | |
Day et al. | A simulation model for vehicle braking systems fitted with ABS | |
JP6856013B2 (ja) | 車両の駆動力制御装置 | |
US20140052358A1 (en) | Trailbraking | |
Hwang et al. | Development of HILS systems for active brake control systems | |
EP2261093A1 (en) | Method and system for predictive yaw stability control for automobile | |
JP2773107B2 (ja) | 運転シミュレータ装置 | |
CN112677952B (zh) | 一种智能驾驶控制方法及系统 | |
JP2773108B2 (ja) | 運転シミュレータ装置 | |
JP3147635B2 (ja) | 操舵反力制御装置 | |
JP2004268847A (ja) | 制動制御装置 | |
JPH10123930A (ja) | 車両のライディングシミュレーション装置 | |
JP2001071879A (ja) | 車両の制動制御装置 | |
JP2679703B2 (ja) | 車両用ブレーキ力制御装置 | |
Benito et al. | Vehicle stability control for roadside departure incidents by steering wheel torque superposition | |
JP2003316251A (ja) | アクシデント体験運転シミュレータ | |
JP3766549B2 (ja) | ドライビングシミュレータ | |
JP3475045B2 (ja) | 車両の質量同定装置 | |
US20240383459A1 (en) | Systems and methods for handling an open door of a vehicle | |
JP2007271022A (ja) | 車両用駆動力制御装置 | |
Nilsson | Vehicle stability control for roadside departure incidents by steering wheel torque superposition |