JP2771276B2 - 半導体光集積素子とその製造方法 - Google Patents
半導体光集積素子とその製造方法Info
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- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
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- H01S5/02—Structural details or components not essential to laser action
- H01S5/026—Monolithically integrated components, e.g. waveguides, monitoring photo-detectors, drivers
- H01S5/0265—Intensity modulators
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は半導体光集積素子の構造と製造方法に関し、
特に多重量子井戸(MQW)構造を利用した半導体光集積
素子の構造と製造方法に関する。
特に多重量子井戸(MQW)構造を利用した半導体光集積
素子の構造と製造方法に関する。
一つの半導体基板上に、発光領域と、発光領域から放
出された光を変調する変調領域とが集積化された半導体
光集積素子は、高速の光ファイバー通信における小型で
高性能な光源として重要である。その中でも、分布帰還
型半導体レーザ(以下DFBレーザ)と吸収型光変調器と
を集積化した半導体集積素子は、数Gb/s以上の光ファイ
バー通信の光源として中心的な役割を果たすことが期待
されている。従来のDFBレーザと光変調器の集積素子
は、大まかに言って次の3種類があり、それぞれ光変調
器の部分に特徴がある。第1は、光変調器にフランツケ
ルディッシュ効果を利用したもので、光変調器領域に形
成されたDFBレーザのエネルギーに対してわずかにエネ
ルギーギャップの大きな半導体層に、電界を印加するこ
とで通過するレーザ光を変調する。この半導体光集積素
子については、例えば鈴木らの報告がある(M.Suzuki e
tal.,IEEE J.Lightwave Tech.LT−5,(1987)1277)。
第2は、光変調器に量子閉じ込めシュタルク効果を利用
したもので、光変調器領域に形成されたMQW層に電界を
印加することで透過するDFBレーザ光を変調する。この
半導体光集積素子については、川村らの報告がある(Y.
Kawamura et al.IEEE J.Quantum Electron.QE−23,(19
87)915)。上述の第1と第2の従来例は、DFBレーザ領
域と光変調器領域が異なる組成の半導体層で構成されて
いる。このため製造にあたっては、まず半導体基板上に
DFBレーザ領域を結晶成長した後、光変調器領域を選択
的に結晶成長するという方法を用いている。第3の従来
例は、光変調器に利得変調を利用したもので、光変調器
領域はDFBレーザ領域と同じ組成をもつ活性層を有して
おり、光変調器領域の活性層へ注入する電流を変調する
ことで利得を変え、透過するDFBレーザ光を変調する。
この半導体光集積素子については、例えば山口らの報告
がある(M.Yamaguchi et al.,Electron.Lett.23,(198
7)190)。第3の従来例では、DFBレーザ領域と光変調
器領域とが同じ組成の半導体層で構成されているため
に、2つ領域の活性層を同時に結晶成長でき、選択的な
結晶成長は不用である。
出された光を変調する変調領域とが集積化された半導体
光集積素子は、高速の光ファイバー通信における小型で
高性能な光源として重要である。その中でも、分布帰還
型半導体レーザ(以下DFBレーザ)と吸収型光変調器と
を集積化した半導体集積素子は、数Gb/s以上の光ファイ
バー通信の光源として中心的な役割を果たすことが期待
されている。従来のDFBレーザと光変調器の集積素子
は、大まかに言って次の3種類があり、それぞれ光変調
器の部分に特徴がある。第1は、光変調器にフランツケ
ルディッシュ効果を利用したもので、光変調器領域に形
成されたDFBレーザのエネルギーに対してわずかにエネ
ルギーギャップの大きな半導体層に、電界を印加するこ
とで通過するレーザ光を変調する。この半導体光集積素
子については、例えば鈴木らの報告がある(M.Suzuki e
tal.,IEEE J.Lightwave Tech.LT−5,(1987)1277)。
第2は、光変調器に量子閉じ込めシュタルク効果を利用
したもので、光変調器領域に形成されたMQW層に電界を
印加することで透過するDFBレーザ光を変調する。この
半導体光集積素子については、川村らの報告がある(Y.
Kawamura et al.IEEE J.Quantum Electron.QE−23,(19
87)915)。上述の第1と第2の従来例は、DFBレーザ領
域と光変調器領域が異なる組成の半導体層で構成されて
いる。このため製造にあたっては、まず半導体基板上に
DFBレーザ領域を結晶成長した後、光変調器領域を選択
的に結晶成長するという方法を用いている。第3の従来
例は、光変調器に利得変調を利用したもので、光変調器
領域はDFBレーザ領域と同じ組成をもつ活性層を有して
おり、光変調器領域の活性層へ注入する電流を変調する
ことで利得を変え、透過するDFBレーザ光を変調する。
この半導体光集積素子については、例えば山口らの報告
がある(M.Yamaguchi et al.,Electron.Lett.23,(198
7)190)。第3の従来例では、DFBレーザ領域と光変調
器領域とが同じ組成の半導体層で構成されているため
に、2つ領域の活性層を同時に結晶成長でき、選択的な
結晶成長は不用である。
上述した従来例には以下のような問題点がある。まず
第1と第2の従来例では、光変調器領域を形成する際に
選択的な結晶成長を用いる必要があるために、製造が難
しく、かつ光変調器からの光出力が小さいという問題点
がある。選択的な結晶成長には、液相エピタキシャル成
長(LPE)法や気相エピタキシャル成長(VPE)法や分子
線エピタキシャル成長(MBE)法などが用いられるが、
いずれの方法でもDFBレーザ領域と光変調器領域の境界
部分に異常成長が起こり易い。また境界部分では均一な
半導体層の結晶成長が難しいため、DFBレーザ領域と光
変調器領域の光学的な結合効率は10%から50%程度と小
さい。このため境界部分でのレーザ光の散乱損失が大き
くなり、光変調器からの光出力が小さくなるのである。
一方第3の従来例では、選択的な結晶成長を用いていな
いために、製造が比較的容易で結合効率も100%近い値
が実現できる。しかしながら、光変調器が電流注入によ
る利得変化を利用しているために、変調帯域は1GHz以下
に制限されている。
第1と第2の従来例では、光変調器領域を形成する際に
選択的な結晶成長を用いる必要があるために、製造が難
しく、かつ光変調器からの光出力が小さいという問題点
がある。選択的な結晶成長には、液相エピタキシャル成
長(LPE)法や気相エピタキシャル成長(VPE)法や分子
線エピタキシャル成長(MBE)法などが用いられるが、
いずれの方法でもDFBレーザ領域と光変調器領域の境界
部分に異常成長が起こり易い。また境界部分では均一な
半導体層の結晶成長が難しいため、DFBレーザ領域と光
変調器領域の光学的な結合効率は10%から50%程度と小
さい。このため境界部分でのレーザ光の散乱損失が大き
くなり、光変調器からの光出力が小さくなるのである。
一方第3の従来例では、選択的な結晶成長を用いていな
いために、製造が比較的容易で結合効率も100%近い値
が実現できる。しかしながら、光変調器が電流注入によ
る利得変化を利用しているために、変調帯域は1GHz以下
に制限されている。
本発明の目的は、上述の従来例における問題点を解決
し、製造が容易し、かつ100%に近い光学的な結合効率
が実現でき、さらに数Gb/s以上の変調が可能な、発光素
子と光変調器を集積した半導体光集積素子の構造と製造
方法とを提供することである。
し、製造が容易し、かつ100%に近い光学的な結合効率
が実現でき、さらに数Gb/s以上の変調が可能な、発光素
子と光変調器を集積した半導体光集積素子の構造と製造
方法とを提供することである。
本発明の半導体光集積素子は、半導体基板上に少なく
とも多重量子井戸層を有し、発光領域と光変調領域で前
記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体光集積素子にお
いて、前記発光領域には前記基板と前記多重量子井戸層
との間に回折格子が設けられ、前記発光領域及び光変調
領域に多重量子井戸層が一括して積層され、前記発光領
域の多重量子井戸層が光変調領域の多重量子井戸層より
もエネルギーギャップが小さいことを特徴とする。
とも多重量子井戸層を有し、発光領域と光変調領域で前
記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体光集積素子にお
いて、前記発光領域には前記基板と前記多重量子井戸層
との間に回折格子が設けられ、前記発光領域及び光変調
領域に多重量子井戸層が一括して積層され、前記発光領
域の多重量子井戸層が光変調領域の多重量子井戸層より
もエネルギーギャップが小さいことを特徴とする。
本発明の半導体光集積素子の製造方法は、半導体基板
上に少なくとも多重量子井戸層が形成され、発光領域と
光変調領域で前記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体
光集積素子の製造方法において、前記発光領域の前記基
板と前記多重量子井戸層との間に回折格子を形成し、前
記回折格子の成長領域の両側にマスクを設け、前記マス
ク以外の箇所に多重量子井戸層を成長することを特徴と
する。
上に少なくとも多重量子井戸層が形成され、発光領域と
光変調領域で前記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体
光集積素子の製造方法において、前記発光領域の前記基
板と前記多重量子井戸層との間に回折格子を形成し、前
記回折格子の成長領域の両側にマスクを設け、前記マス
ク以外の箇所に多重量子井戸層を成長することを特徴と
する。
本発明の半導体光集積素子の製造方法は、半導体基板
上に少なくとも多重量子井戸層が形成され、発光領域と
光変調領域で前記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体
光集積素子の製造方法において、前記発光領域の成長領
域にレーザ光を照射しながら前記発光領域と光変調領域
に多重量子井戸層を成長することを特徴とする。
上に少なくとも多重量子井戸層が形成され、発光領域と
光変調領域で前記多重量子井戸層の層厚が異なる半導体
光集積素子の製造方法において、前記発光領域の成長領
域にレーザ光を照射しながら前記発光領域と光変調領域
に多重量子井戸層を成長することを特徴とする。
次に、本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の半導体光集積素子の実施例を表す斜
視図、第2図は第1図のAA′線断面図である。この実施
例は一つの半導体基板上に集積化されたDFBレーザ領域1
00と光変調器領域200とから構成されている。構造上の
特徴は、DFBレーザ領域100は第1のMQW層30からなる活
性層を含み、光変調器領域200は第1のMQW層よりもエネ
ルギーギャップが大きい第2のMQW層40を含むことであ
る。互いにエネルギーギャップが異なる第1のMQW層と
第2のMQW層は、結晶成長によって同時に形成される。
ただし、第1のMQW層の井戸層は第2のMQW層の井戸層よ
りもわずかに厚い層厚を持ち、組成は同じである。また
2つのMQW層の障壁層も互いに異なる層厚を持ち、同じ
組成から構成されている。第2のMQW層に電界を印加す
ると、量子閉じ込めシュタルク効果によってDFBレーザ
領域100から放射されたレーザ光が変調される。DFBレー
ザ領域100の活性層となる第1のMQW層30は、光変調器領
域200の第2のMQW層40と光学的に連続してつながってい
るために、従来例の欠点であるDFBレーザ領域100と光変
調領域200の境界部での光学的な散乱はほとんどなく、1
00%に近い結合効率が実現できる。そのため光変調器領
域200からの光出力が大きい。
視図、第2図は第1図のAA′線断面図である。この実施
例は一つの半導体基板上に集積化されたDFBレーザ領域1
00と光変調器領域200とから構成されている。構造上の
特徴は、DFBレーザ領域100は第1のMQW層30からなる活
性層を含み、光変調器領域200は第1のMQW層よりもエネ
ルギーギャップが大きい第2のMQW層40を含むことであ
る。互いにエネルギーギャップが異なる第1のMQW層と
第2のMQW層は、結晶成長によって同時に形成される。
ただし、第1のMQW層の井戸層は第2のMQW層の井戸層よ
りもわずかに厚い層厚を持ち、組成は同じである。また
2つのMQW層の障壁層も互いに異なる層厚を持ち、同じ
組成から構成されている。第2のMQW層に電界を印加す
ると、量子閉じ込めシュタルク効果によってDFBレーザ
領域100から放射されたレーザ光が変調される。DFBレー
ザ領域100の活性層となる第1のMQW層30は、光変調器領
域200の第2のMQW層40と光学的に連続してつながってい
るために、従来例の欠点であるDFBレーザ領域100と光変
調領域200の境界部での光学的な散乱はほとんどなく、1
00%に近い結合効率が実現できる。そのため光変調器領
域200からの光出力が大きい。
以下、製造手順を追いながら素子構造について詳しく
説明する。まず回折格子80を部分的に形成したn型InP
基板10の上に、有機金属気相エピタキシャル成長(MOVP
E)法によって、n型InGaAsP光ガイド層20、第1と第2
のMQW層30,40、p型InPクラッド層50、p型InGaAsPキャ
ップ層60を順次成長する。ここで第1と第2のMQW層30,
40は、ともに10周期のInGaAs井戸層とInGaAsP障壁層
(フォトルミネッセンス波長λg=1.15μm)とからな
る。この結晶成長において、第1のMQW層30と第2のMQW
層40の層厚を変え、それぞれのエネルギーギャップを変
えるわけだが、この結晶成長方法については後ほど製造
方法の実施例を説明するところで詳しく述べる。次に横
モードを制御するための埋め込み構造を形成する。まず
DFBレーザ領域100と光変調器領域200の中央部分をメサ
形状にエッチングした後、鉄をドープした高抵抗InP埋
め込み層90をMOVPE法でメサの両側に成長する。次に電
極70をつけた後、2つの領域の間にエッチングによる分
離溝300を形成する。最後にへきかいによって素子を切
り出し、光変調器領域200の端面に無反射コート膜95を
形成する。DFBレーザ領域100と光変調器領域200の長さ
は、それぞれ300μmと200μmである。またDFBレーザ
光の波長は約1.55μm、光変調領域200の第2のMQW層の
フォトルミネッセンス波長は約1.48μmである。この実
施例では、いずれの構造も従来例に用いられたような選
択的な結晶成長は不用であるため、製造が容易で、かつ
DFBレーザ領域100と光変調器領域200との光学的な結合
効率は100%に近い。このため光変調器領域200から10mW
以上の光出力が得られる。また変調方法として量子閉じ
込めシュタルク効果を利用しているため、数Gb/s以上の
高速変調が可能である。
説明する。まず回折格子80を部分的に形成したn型InP
基板10の上に、有機金属気相エピタキシャル成長(MOVP
E)法によって、n型InGaAsP光ガイド層20、第1と第2
のMQW層30,40、p型InPクラッド層50、p型InGaAsPキャ
ップ層60を順次成長する。ここで第1と第2のMQW層30,
40は、ともに10周期のInGaAs井戸層とInGaAsP障壁層
(フォトルミネッセンス波長λg=1.15μm)とからな
る。この結晶成長において、第1のMQW層30と第2のMQW
層40の層厚を変え、それぞれのエネルギーギャップを変
えるわけだが、この結晶成長方法については後ほど製造
方法の実施例を説明するところで詳しく述べる。次に横
モードを制御するための埋め込み構造を形成する。まず
DFBレーザ領域100と光変調器領域200の中央部分をメサ
形状にエッチングした後、鉄をドープした高抵抗InP埋
め込み層90をMOVPE法でメサの両側に成長する。次に電
極70をつけた後、2つの領域の間にエッチングによる分
離溝300を形成する。最後にへきかいによって素子を切
り出し、光変調器領域200の端面に無反射コート膜95を
形成する。DFBレーザ領域100と光変調器領域200の長さ
は、それぞれ300μmと200μmである。またDFBレーザ
光の波長は約1.55μm、光変調領域200の第2のMQW層の
フォトルミネッセンス波長は約1.48μmである。この実
施例では、いずれの構造も従来例に用いられたような選
択的な結晶成長は不用であるため、製造が容易で、かつ
DFBレーザ領域100と光変調器領域200との光学的な結合
効率は100%に近い。このため光変調器領域200から10mW
以上の光出力が得られる。また変調方法として量子閉じ
込めシュタルク効果を利用しているため、数Gb/s以上の
高速変調が可能である。
以上では、第3図を用いて本発明の半導体光集積素子
の製造方法をの一実施例を説明する。第3図(a)は本
発明の製造方法を用いた、DFBレーザと光変調器の光集
積素子の製造工程において、MQW層の結晶成長前の半導
体基板の表面を表す平面図である。また第3図(b)は
結晶成長後のBB′軸断面図である。この実施例のポイン
トは、結晶成長の際、各層の成長速度が成長領域の面積
に応じて異なることを利用している点である。第3図
(a)に示すように、DFBレーザ領域100における誘電体
膜500で覆われた領域に挾まれた幅の細い回折格子領域4
00の成長速度は、光変調器領域200における誘電体膜500
のない領域の成長速度より速い。このため第3図(a)
のように一部分を誘電体膜500で覆った半導体基板の上
に、MOVPE法などを用いてMQW層を結晶成長すると、DFB
レーザ領域100(つまり回折格子領域400)に成長する第
1のMQW層の井戸層の層厚は、光変調器領域200に成長す
る第2のMQW層の井戸層の層厚よりも厚くなる。したが
って第1のMQW層のエネルギーギャップは、第2のMQW層
のエネルギーギャップよりも小さくなる。以下に具体的
な製造手順を述べる。まず回折格子80を部分的に形成し
たn型InP基板10の上に、SiO2のような誘電体膜500を第
3図(a)のように形成する。誘電体膜500で覆われた
領域に挾まれた回折格子領域400の幅は10μmである。
次にこの基板の上にMOVPE法によって、n型InGaAsP光ガ
イド層20、第1と第2のMQW層30,40、p型InPクラッド
層50、p型InGaAsP層60を順次成長する(第3図
(b))。ここで第1と第2のMQW層30,40は、ともに10
周期のInGaAs井戸層とInGaAsP障壁層(λg=1.15μ
m)とからなる。第1のMQW層30の井戸層の厚さは約8nm
で、フォトルミネッセンス波長は1.53μmである。第2
のMQW層40の井戸層の厚さは約5nmで、フォトルミネッセ
ンス波長は1.48μmである。後の製造工程は第1図に示
した実施例のところで述べた製造方法と同じである。な
おこの成長方法においては、MQW層以外の光ガイド層20
などの層厚もDFBレーザ領域100と光変調器領域200とで
異なるが、これら層厚の違いは素子の特性に大きな影響
を与えない。
の製造方法をの一実施例を説明する。第3図(a)は本
発明の製造方法を用いた、DFBレーザと光変調器の光集
積素子の製造工程において、MQW層の結晶成長前の半導
体基板の表面を表す平面図である。また第3図(b)は
結晶成長後のBB′軸断面図である。この実施例のポイン
トは、結晶成長の際、各層の成長速度が成長領域の面積
に応じて異なることを利用している点である。第3図
(a)に示すように、DFBレーザ領域100における誘電体
膜500で覆われた領域に挾まれた幅の細い回折格子領域4
00の成長速度は、光変調器領域200における誘電体膜500
のない領域の成長速度より速い。このため第3図(a)
のように一部分を誘電体膜500で覆った半導体基板の上
に、MOVPE法などを用いてMQW層を結晶成長すると、DFB
レーザ領域100(つまり回折格子領域400)に成長する第
1のMQW層の井戸層の層厚は、光変調器領域200に成長す
る第2のMQW層の井戸層の層厚よりも厚くなる。したが
って第1のMQW層のエネルギーギャップは、第2のMQW層
のエネルギーギャップよりも小さくなる。以下に具体的
な製造手順を述べる。まず回折格子80を部分的に形成し
たn型InP基板10の上に、SiO2のような誘電体膜500を第
3図(a)のように形成する。誘電体膜500で覆われた
領域に挾まれた回折格子領域400の幅は10μmである。
次にこの基板の上にMOVPE法によって、n型InGaAsP光ガ
イド層20、第1と第2のMQW層30,40、p型InPクラッド
層50、p型InGaAsP層60を順次成長する(第3図
(b))。ここで第1と第2のMQW層30,40は、ともに10
周期のInGaAs井戸層とInGaAsP障壁層(λg=1.15μ
m)とからなる。第1のMQW層30の井戸層の厚さは約8nm
で、フォトルミネッセンス波長は1.53μmである。第2
のMQW層40の井戸層の厚さは約5nmで、フォトルミネッセ
ンス波長は1.48μmである。後の製造工程は第1図に示
した実施例のところで述べた製造方法と同じである。な
おこの成長方法においては、MQW層以外の光ガイド層20
などの層厚もDFBレーザ領域100と光変調器領域200とで
異なるが、これら層厚の違いは素子の特性に大きな影響
を与えない。
半導体基板上に異なった井戸層厚を持つMQW層を同時
に結晶成長する方法は、上述のようなパターン化した誘
電体膜400を用いる方法の他にもいくつかあり、それら
の結晶成長の方法を用いても本発明の半導体光集積素子
を製造できる。例えば、MOVPE法による結晶成長中に、D
FBレーザ領域200にだけレーザ光を照射すると、照射さ
れた領域の成長速度が大きくなって、照射しない領域の
層厚よりも厚くなることを利用する製造方法等もある。
に結晶成長する方法は、上述のようなパターン化した誘
電体膜400を用いる方法の他にもいくつかあり、それら
の結晶成長の方法を用いても本発明の半導体光集積素子
を製造できる。例えば、MOVPE法による結晶成長中に、D
FBレーザ領域200にだけレーザ光を照射すると、照射さ
れた領域の成長速度が大きくなって、照射しない領域の
層厚よりも厚くなることを利用する製造方法等もある。
以上、本発明の半導体光集積素子の構造と製造方法に
ついて、DFBレーザと光変調器の半導体光集積素子を実
施例として詳しく説明してきたが、本発明の構造と製造
方法は、これ以外の半導体光集積素子、例えば波長可変
分布ブラッグ反射型半導体レーザと光変調器の光集積素
子などにも適用できる、また結晶成長の点では、MOVPE
法以外の、例えばハイドライドVPE法などを用いること
もできる。また結晶材料の点では、InGaAlAsなどの他の
材料系を用いた半導体集積素子にも適用可能である。
ついて、DFBレーザと光変調器の半導体光集積素子を実
施例として詳しく説明してきたが、本発明の構造と製造
方法は、これ以外の半導体光集積素子、例えば波長可変
分布ブラッグ反射型半導体レーザと光変調器の光集積素
子などにも適用できる、また結晶成長の点では、MOVPE
法以外の、例えばハイドライドVPE法などを用いること
もできる。また結晶材料の点では、InGaAlAsなどの他の
材料系を用いた半導体集積素子にも適用可能である。
以上説明したように本発明は、発光領域と光変調領域
とに、結晶成長で同時に形成したMQW層を用いているた
めに、製造が容易で高い光学的な結合効率が得られる、
半導体光集積素子を実現する効果がある。DFBレーザと
光変調器とを一つの半導体基板上に集積化した実施例で
は、選択的な結晶成長のような難しい製造方法を使用せ
ずに、100%近い結合効率を有する半導体光集積素子が
得られた。
とに、結晶成長で同時に形成したMQW層を用いているた
めに、製造が容易で高い光学的な結合効率が得られる、
半導体光集積素子を実現する効果がある。DFBレーザと
光変調器とを一つの半導体基板上に集積化した実施例で
は、選択的な結晶成長のような難しい製造方法を使用せ
ずに、100%近い結合効率を有する半導体光集積素子が
得られた。
第1図は本発明の半導体光集積素子の構造の実施例を表
す斜視図、第2図は第1図のAA′線断面図、第3図は本
発明の半導体光集積素子の製造方法を説明するための図
である。 図において、100……DFBレーザ領域、200……光変調器
領域、300……分離溝、400……回折格子領域、500……
誘電体膜、10……基板、20……光ガイド層、30……第1
のMQW層、40……第2のMQW層、50……クラッド層、60…
…キャップ層、70……電極、80……回折格子、90……埋
め込み層、95……無反射コート膜である。
す斜視図、第2図は第1図のAA′線断面図、第3図は本
発明の半導体光集積素子の製造方法を説明するための図
である。 図において、100……DFBレーザ領域、200……光変調器
領域、300……分離溝、400……回折格子領域、500……
誘電体膜、10……基板、20……光ガイド層、30……第1
のMQW層、40……第2のMQW層、50……クラッド層、60…
…キャップ層、70……電極、80……回折格子、90……埋
め込み層、95……無反射コート膜である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−321677(JP,A) 特開 平1−319986(JP,A) 特開 昭61−107781(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】半導体基板上に少なくとも多重量子井戸層
を有し、発光領域と光変調領域で前記多重量子井戸層の
層厚が異なる半導体光集積素子において、前記発光領域
には前記基板と前記多重量子井戸層との間に回折格子が
設けられ、前記発光領域及び光変調領域に多重量子井戸
層が一括して積層され、前記発光領域の多重量子井戸層
が光変調領域の多重量子井戸層よりもエネルギーギャッ
プが小さいことを特徴とする半導体光集積素子。 - 【請求項2】半導体基板上に少なくとも多重量子井戸層
が形成され、発光領域と光変調領域で前記多重量子井戸
層の層厚が異なる半導体光集積素子の製造方法におい
て、前記発光領域の前記基板と前記多重量子井戸層との
間に回折格子を形成し、前記回折格子の成長領域の両側
にマスクを設け、前記マスク以外の箇所に多重量子井戸
層を成長することを特徴とする半導体光集積素子の製造
方法。 - 【請求項3】半導体基板上に少なくとも多重量子井戸層
が形成され、発光領域と光変調領域で前記多重量子井戸
層の層厚が異なる半導体光集積素子の製造方法におい
て、前記発光領域の成長領域にレーザ光を照射しながら
前記発光領域と光変調領域に多重量子井戸層を成長する
ことを特徴とする半導体光集積素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1226776A JP2771276B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 半導体光集積素子とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1226776A JP2771276B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 半導体光集積素子とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0391282A JPH0391282A (ja) | 1991-04-16 |
JP2771276B2 true JP2771276B2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=16850433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1226776A Expired - Fee Related JP2771276B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 半導体光集積素子とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2771276B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3606250B2 (ja) | 2001-10-29 | 2005-01-05 | 日産自動車株式会社 | 車体前部構造 |
JP5084883B2 (ja) | 2009-12-28 | 2012-11-28 | 株式会社ヨロズ | サスペンションのサブフレーム |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH069280B2 (ja) * | 1988-06-21 | 1994-02-02 | 松下電器産業株式会社 | 半導体レーザ装置 |
JP2836822B2 (ja) * | 1988-06-23 | 1998-12-14 | 日本電信電話株式会社 | 導波路型半導体光素子の製造方法 |
-
1989
- 1989-09-01 JP JP1226776A patent/JP2771276B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0391282A (ja) | 1991-04-16 |
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