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JP2770893B2 - 防鼠剤マイクロカプセル - Google Patents

防鼠剤マイクロカプセル

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Publication number
JP2770893B2
JP2770893B2 JP34976391A JP34976391A JP2770893B2 JP 2770893 B2 JP2770893 B2 JP 2770893B2 JP 34976391 A JP34976391 A JP 34976391A JP 34976391 A JP34976391 A JP 34976391A JP 2770893 B2 JP2770893 B2 JP 2770893B2
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JP
Japan
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cycloheximide
weight
microcapsules
microcapsule
added
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Expired - Lifetime
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JP34976391A
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JPH05155713A (ja
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元輝 藤村
桂 江藤
久乃 日暮
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TOTSUPAN FUOOMUZU KK
Tanabe Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
TOTSUPAN FUOOMUZU KK
Tanabe Seiyaku Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by TOTSUPAN FUOOMUZU KK, Tanabe Seiyaku Co Ltd filed Critical TOTSUPAN FUOOMUZU KK
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Publication of JPH05155713A publication Critical patent/JPH05155713A/ja
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シクロヘキシミドを有
効成分とする安定性の優れた防鼠剤マイクロカプセルに
関するものである。
【0002】さらに詳しくは、本発明は所要の成形品に
混練、塗布などにより適用した際に、シクロヘキシミド
の力価の低下が少なく、特に長期間にわたって安定な活
性を示す耐熱性、耐圧性に優れ、かつち密な防鼠剤マイ
クロカプセルに関するものである。
【0003】
【従来の技術】わが国のネズミの生息数は人口の約3
倍、すなわち3億匹以上と推定され、その被害は年間を
通じてぼう大な額となっている。このような鼠害の主な
ものを挙げると、包装資材関係としては、米麦穀粉の紙
製又は布製の袋や各種食品包装用の段ボールケースの喰
害、ポリ塩化ビニル製又はゴム製のフレキシブルコンテ
ナの喰害、また通信資材関係としては、コンピュータや
これに関連する通信、電力、光通信ケーブル、信号ケー
ブル、その他の電線、ケーブル類の喰害、機械内部の営
巣や排尿、脱糞に起因する断線、接触不良、部品腐食な
どがあり、さらに農業関係としては、農作物、果樹、植
林の喰害などがある。このような鼠害を防止するため
に、これまで多くの殺鼠剤、ネズミ忌避剤が開発され、
それぞれある程度の成果が得られているが、これらを各
種資材に適用する場合、それを構成する素材と直接接触
させることが必要なため、素材の物性をそこなったり、
汚染による新たな被害をもたらすのを免れなかった。ま
た、これらの薬剤は、短期間内に揮散したり、雨水によ
って流される結果、長期間にわたり効果を持続させるこ
とが困難であった。
【0004】他方、ネズミ等による殺鼠剤の摂食を容易
にさせるために、固体状殺鼠剤を芯物質としたマイクロ
カプセルが提案されているが、このものはネズミ等がこ
れを腹中に取り入れてはじめて効果を奏する場合のみに
有効であり、ネズミ等が嫌う臭気を発散してこれを排除
する種類の忌避剤には適用できない。
【0005】ところで、ネズミ忌避作用を有する化合物
の1つとして、3‐[2‐(3,5‐ジメチル‐2‐オ
キソシクロヘキシル)‐2‐ヒドロキシエチル]グルタ
ルイミド、すなわちシクロヘキシミドが知られている
が、この作用機構は、ネズミがシクロヘキシミドの味を
極端に嫌い、一度この味を経験するとその臭気を記憶
し、人間には検知できないほどの微かな臭気だけでそれ
を忌避するようになるためと考えられている。
【0006】そして、このシクロヘキシミドの使用例と
して、この結晶をポリ塩化ビニルの中に練り込み、これ
をケーブル被覆用とすることがあるが、この場合には、
成形加工の際の圧力による破壊や加熱又はポリ塩化ビニ
ル中に含まれる遊離塩酸による力価の低下が免れない上
に、経時的に生じるケーブル被覆表層部へのシクロヘキ
シミドのブリードにより、被覆がケーブルから脱落する
という欠点がある。
【0007】また、その他の使用例として、シクロヘキ
シミド結晶を溶媒に溶解して、所要の物品表面に直接塗
布することを挙げることができるが、この物品を屋外に
放置する場合には、シクロヘキシミドが水溶性であるた
め、雨水により簡単に流出して、その防鼠効果を急速に
失うという欠点を伴う。
【0008】したがって、シクロヘキシミドについて
は、そのネズミ忌避作用をそこなうことなく、耐熱性を
付与し、しかも長期間にわたって安定した効果を発揮し
うる形態の防鼠剤が要望されていた。
【0009】本発明者らは、このような要望にこたえる
ために先に、シクロヘキシミドをそれに対して不活性な
溶媒に溶解した溶液を芯物質とし、尿素樹脂やメラミン
樹脂を壁膜物質とするマイクロカプセル型防鼠剤を提案
した(特公平3−20361号公報)。しかしながら、
このマイクロカプセル型防鼠剤は従来の防鼠剤に比べて
かなり効果的であるものの、成形加工時のシクロヘキシ
ミド力価の維持及び長期間にわたる安定性においては、
十分満足しうるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
シクロヘキシミドを有効成分とする従来の防鼠剤が有す
る欠点を克服し、優れた耐熱性、高いち密性及び耐圧性
を有し、素材に練り込んだり、それを塗布した際にシク
ロヘキシミド力価の低下が少なく、長期間にわたって安
定した効果を発揮しうる防鼠剤マイクロカプセルを提供
することを目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、シクロヘ
キシミドを芯物質とするマイクロカプセルについて鋭意
研究を重ねた結果、壁物質として尿素樹脂を用い、この
表面を水溶性ポリエステルで処理することにより、その
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明は、式
【化2】 で表わされるシクロヘキシミドを不活性溶媒に溶解した
溶液を芯物質とし、尿素樹脂を壁物質としてマイクロカ
プセルの表面を水溶性ポリエステルで処理したことを特
徴とする防鼠剤マイクロカプセルを提供するものであ
る。
【0014】本発明のマイクロカプセルにおいては、芯
物質としてシクロヘキシミドをそれに対し不活性な溶媒
に溶解した溶液を用いることが必要である。
【0015】この溶媒としては、シクロヘキシミドをよ
く溶解するが、これと接触してもその力価を低下させな
いものが用いられる。特に好ましい溶媒は、250℃以
上の比較的高い沸点をもち、マイクロカプセルの形成や
これを各種素材に練り込む際に加熱しても揮散すること
がなく、しかも疎水性のものである。このような溶媒の
代表的なものは、フタル酸ジエステル、低分子量エポキ
シ樹脂、リン酸トリエステルなどがある。
【0016】このフタル酸ジエステルの例としては、フ
タル酸ジメチル(b.p.282℃)、フタル酸ジエチ
ル(b.p.298℃)、フタル酸ジブチル(b.p.
340℃)、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチ
ル、フタル酸ジ(2‐エチルヘキシル)、フタル酸ジイ
ソデシル、フタル酸ジチルベンジル、フタル酸ジトリデ
シルなどを挙げることができる。低分子量エポキシ樹脂
の例としては、分子量400以下のエポキシ樹脂、例え
ばエピコート815,816,818(いずれもシェル
化学社製商品名)などを挙げることができる。また、リ
ン酸トリエステルの例としては、リン酸トリフェニル、
リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オク
チルジフェニルなどがある。これらは単独で用いてもよ
いし、また2種以上混合して用いてもよい。
【0017】次に、本発明のマイクロカプセルの壁物質
は、シクロヘキシミドの効力を低下させたり、上記の溶
媒に溶解するようなものであってはならない。本発明者
らは、これらの条件を前提として種々検討した結果、尿
素樹脂がこの条件に適合すること、そして壁膜の表面を
水溶性ポリエステルでコーティングすることにより、よ
り耐熱性、耐圧性に優れ、かつち密性の高いものが得ら
れることを見出した。尿素樹脂以外の樹脂、例えばゼラ
チン、ポリアミド、ポリウレタンなどを用いると、保存
中のカプセル内のシクロヘキシミドの消失率が高くな
り、防鼠効果が著しく低下する。
【0018】本発明のシクロヘキシミドを含有する溶液
を芯物質とし、その芯物質を壁物質により被覆したマイ
クロカプセルを調製するには、マイクロカプセル生成技
術において知られている方法、例えばシクロヘキシミド
を溶解又は分散した溶剤に可溶なモノマーと、連続相を
形成する分散媒に可溶なモノマーとの2相の界面で重合
反応を起こさせポリマーのマイクロカプセル壁膜を形成
し、壁膜中にシクロヘキシミドを含有する溶液を閉じ込
めたマイクロカプセルが得られるような疎水性モノマー
と親水性のモノマーとを組み合わせて用い、その界面の
重合反応を利用してマイクロカプセルを生成する界面重
合法、あるいは連続相又は不連続相のどちらか一方のみ
からモノマーが供給され界面で重合反応が行われてマイ
クロカプセル壁膜を形成するin Situ法などの方
法、その他、コアセルベーション法、液中硬化被覆法
(オリフィス法)、液中乾燥法、噴霧・造粒法などの方
法を用いて行うことができるが、これらの方法の中で特
にイン・サンチュ(in Situ)法が好適である。
【0019】次に、イン・サンチュ(in Situ)
法により尿素樹脂から成る壁膜を形成させる好適な方法
の1例について説明すると、まず、実質上完全に加水分
解されたスチレン‐無水マレイン酸共重合体の水溶液を
調製したのち、これにシュウ酸、クエン酸、酒石酸、ト
リメリト酸などの多価カルボン酸を加えてpHを6以下
に調整する。このジカルボン酸を添加することにより、
スチレン‐無水マレイン酸共重合体の水溶液は徐々に増
粘し、pHが3.5〜5.5の範囲で粘度が最も高くな
り、乳化力が最大となるので、pHが前記範囲になるよ
うにジカルボン酸を添加するのが有利である。
【0020】このようにして得られたpH6以下の実質
上完全に加水分解されたスチレン‐無水マレイン酸共重
合体の水溶液は、壁膜形成時の乳化剤や触媒としての役
割を果たすとともに、該共重合体は壁膜形成用の1成分
として寄与する。
【0021】次いで、このようにして得られたpH6以
下の実質上完全に加水分解されたスチレン‐無水マレイ
ン酸共重合体の水溶液に、芯物質として、シクロヘキシ
ミドを前記溶媒に溶かした溶液を加え、高速かきまぜや
超音波印加などにより乳化又は分散させる。この際の芯
物質の量は、重量に基づき該スチレン‐無水マレイン酸
共重合体の5〜50倍程度が適当である。
【0022】一方、尿素及びその30〜50重量%量の
レゾルシンから成る混合物とホルマリンとをアルカリ条
件下で20〜90℃程度の温度で縮合させて初期縮合物
を調製する。この際、尿素及びレゾルシンの合計量に対
するホルムアルデヒドの割合は、通常モル比1.5〜
2.0の範囲で選ばれる。
【0023】次に、このようにして調製された初期縮合
物を、前記の芯物質を乳化又は分散させて成る、pH6
以下の実質上完全に加水分解されたスチレン‐無水マレ
イン酸共重合体の水溶液に加え、pH3〜7の酸性条件
下、通常40〜90℃の範囲の温度において、30〜2
00分間程度かきまぜながら反応させることにより、芯
物質から成る微小粒子の周囲に、実質上完全に加水分解
されたスチレン‐無水マレイン酸共重合体と前記初期縮
合物との反応生成物から成る壁膜が形成され、マイクロ
カプセル分散液が得られる。
【0024】この際、使用する初期縮合物の量は、固形
分換算で、スチレン‐無水マレイン酸共重合体10重量
部当り、10〜100重量部の範囲で選ばれる。
【0025】このようにして形成されたマイクロカプセ
ルの壁物質には、スチレン‐無水マレイン酸共重合体の
加水分解物から由来するカルボキシル基及び該初期縮合
物から由来するアミノ基や水酸基などの官能基が存在す
るので、本発明においては、さらに前記マイクロカプセ
ル分散液に水溶性ポリエステルを加え、該壁膜の表面を
架橋化処理して、壁膜をより耐熱性、耐圧性に優れ、か
つち密性の高いものとする。
【0026】前記水溶性ポリエステルは、例えばジカル
ボン酸成分とジオール成分と親水性基を有する単量体と
を重縮合させることにより得られ、分子末端にヒドロキ
シル基、カルボキシル基、スルホン酸基などの親水性官
能基を有しており、前記壁物質の官能基と反応して、該
壁膜表面を架橋化する。
【0027】該ジカルボン酸成分としては、例えばテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸などの芳香族ジカル
ボン酸、アジピン酸、コハク酸、セバチン酸、ドデカン
二酸などの脂肪族ジカルボン酸などが挙げられ、ジオー
ル成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ビスフェノールAなどが挙げられる。
【0028】また、親水性基を有する単量体としては、
例えば5‐スルホイソフタル酸ジメチルナトリウムやポ
リエチレングリコールなどが挙げられる。
【0029】水溶性ポリエステルは少量でその効果を発
揮することができ、所定量以上用いても、それ以上の効
果は期待できない。したがって、水溶性ポリエステル
は、該壁物質の官能基に対応するだけの分子末端基相当
量を添加するのがよい。強度測定結果より、水溶性ポリ
エステルの添加量は固形分に基づき、2.5〜25重量
%、好ましくは5〜20重量%、特に7〜15重量%の
範囲で選ばれる。
【0030】この水溶性ポリエステルによる架橋化反応
は分散液を加熱乾燥することにより進行するが、この場
合、乾燥後の水分をできるだけ少なくするようにして行
うのが有利である。この乾燥温度は、100〜250℃
の範囲で選ばれ、例えばスプレードライヤーを用いて行
われる。
【0031】本発明のマイクロカプセルにおいて芯物質
として用いられるシクロヘキシミド溶液中のシクロヘキ
シミドの濃度としては1〜20重量%、好ましくは3〜
15重量%の範囲が適当である。
【0032】また、マイクロカプセルの粒径としては、
特に制限はないが、普通は5〜100μmの範囲内で選
ばれる。
【0033】本発明の防鼠剤は、前記したマイクロカプ
セルから成るものであるが、このものは例えば以下に示
すようにして使用することができる。
【0034】(1) ポリ塩化ビニルを主体とする合成
樹脂加工品一般、例えば通信・電力・光通信ケーブル、
家具、建築内・外装材(壁・ふすま等)、フレキシブル
コンテナ、包装容器への練り込み、塗工。 (2) 繊維加工品における糸への含浸、練り込み。 (3) 各種テープ(紙、プラスチック製)への含浸、
練り込み、塗工。 (4) 各種接着剤への練り込み。 (5) シーラント他各種ペースト状製品への練り込
み。 (6) 各種塗料への練り込み。 (7) 各種ペレット、コンパウンドへの練り込み。
【0035】
【発明の効果】本発明の防鼠剤マイクロカプセルは、シ
クロヘキシミド溶液を芯物質とし、尿素樹脂を壁物質と
したマイクロカプセルの表面を水溶性ポリエステルで改
質処理したものであって、優れた耐熱性、高いち密性及
び耐圧性を有し、素材に練り込んだり、それを塗布した
際にシクロヘキシミド力価の低下を伴わずに、長期間に
わたって安定した防鼠効果を発揮することができる。
【0036】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0037】なお、マイクロカプセルの耐圧性及び耐熱
性は次のようにして破壊試験、耐熱試験を行って対比し
た。 (1)破壊試験;荷重装置として、理研精機(株)製
(フルスケール100kg)ラム・ポンプを、荷重容器
として直径10mm、深さ7mmのステンレス鋼製容器
を用いた。サンプル(マイクロカプセル一次粒子)0.
05gをステンレス鋼製容器に正確に秤取し、加圧蓋を
して荷重装置で20分間それぞれの荷重をかけたのち、
20ccのサンプルびんに容器と加圧蓋を入れる。次い
でテトラヒドロフラン10mlを加え、5分間超音波を
かけたのち、メンブランフィルターでろ過し、破壊され
たカプセルよりテトラヒドロフランに溶出したシクロヘ
キシミドを液体クロマトグラフィーにて定量し、破壊率
(テスト3回の平均値)を求め、耐圧性を評価した。
【0038】(2)耐熱試験;100mlのメスフラス
コにサンプル0.024gを正確に秤取し(比較例2は
0.03g)、所定の温度に設定した乾燥器で所定時間
加熱したのち、シクロヘキシミド抽出法により残留シク
ロヘキシミドを定量し、残存率を求め耐熱性を評価し
た。
【0039】実施例1 フタル酸ジメチル225gにシクロヘキシミド[商品名
ナラマイシン、田辺製薬(株)製]25gを溶解し、A
液を調製した。次に、スチレン‐無水マレイン酸共重合
体の100%加水分解物4重量%濃度の水溶液234g
を調製し、この水溶液をかきまぜながら、30重量%濃
度のクエン酸水溶液16gを静かに加えたのち、この水
溶液250g中に、前記A液を加えて乳化し、O/W型
エマルジョンを調製した。
【0040】一方、pH9.0に調整したホルマリン溶
液57.3gに尿素22.9g及びレゾルシン9.2g
の混合物を一度に加え、60℃で溶解させて、淡いオレ
ンジ色のB液を調製した。次に、このB液を、前記O/
Wエマルジョンにかきまぜながら徐々に加え、80℃に
て2時間反応を行い、尿素‐レゾルシン‐ホルムアルデ
ヒド樹脂から成る壁膜を有する8重量%シクロヘキシミ
ド内包マイクロカプセル分散液を得た。
【0041】次に、この分散液に、水溶性ポリエステル
の25%水溶液27.0g(対壁物質固形分比10.0
重量%)を加え、スプレードライヤー(入口温度200
℃、出口温度95℃)により乾燥して、防鼠剤マイクロ
カプセルを製造した。
【0042】このものについて、1cm当りの荷重を
6.4kg、12.7kg、19.1kg、又は25.
5kgに設定して破壊率を測定し、その結果を表1に示
した。また、50℃及び100℃に保持したときのシク
ロヘキシミドの残存率を測定し、その結果を表2、及び
表3に示した。
【0043】比較例 実施例1と同様にして、O/W型エマルジョンA液を調
製した。別に、pH9.0に調整したホルマリン水溶液
72.4gにメラミン28.2gを加えて70℃に加温
し溶解させることによりB液を調製した。
【0044】次に、このB液を、前記A液にかきまぜな
がら、少しずつ添加したのち、80℃で2時間反応させ
ることにより、メラミン‐ホルムアルデヒド樹脂から成
る壁膜を有する8重量%シクロヘキシミド内包マイクロ
カプセル分散液を得た。この分散液を実施例1と同様に
して乾燥処理し、防鼠剤マイクロカプセルを製造した。
【0045】このようにして得たマイクロカプセルにつ
いて破壊試験及び50℃と100℃の耐熱試験を行い、
その結果を表1、表2及び表3に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】実施例2 フタル酸ジメチル225gにシクロヘキシミド[商品名
ナラマイシン、田辺製薬(株)製]25gを溶解し、A
液を調製した。次に、スチレン‐無水マレイン酸共重合
体の100%加水分解物4重量%濃度の水溶液234g
を調製し、この水溶液をかきまぜながら、30重量%濃
度のクエン酸水溶液16gを静かに加えたのち、この水
溶液250g中に、前記A液を加えて乳化し、O/W型
エマルジョンを調製した。
【0050】一方、pH9.0に調整したホルマリン溶
液57.3gに尿素22.9g及びレゾルシン9.2g
の混合物を一度に加え、60℃で溶解させて、淡いオレ
ンジ色のB液を調整した。次に、このB液を、前記O/
W型エマルジョンにかきまぜながら徐々に加え、80℃
にて2時間反応を行い、尿素‐レゾルシン‐ホルムアル
デヒド樹脂から成る壁膜を有する8重量%シクロヘキシ
ミド内包マイクロカプセル分散液を得た。
【0051】次に、この分散液に、水溶性ポリエステル
の25重量%水溶液を、対壁物質固形分比で0〜50重
量%の割合になる量で加え、スプレードライヤー(入口
温度200℃、出口温度95℃)により乾燥して、水溶
性ポリエステル含有量の異なる防鼠剤マイクロカプセル
9種を製造した。
【0052】これらのマイクロカプセルに、25.5k
gの荷重による耐圧性測定試験を行い、その結果を破壊
率として、表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】この表から明らかなように、水溶性ポリエ
ステルの添加により破壊率は減少するが、添加量10.
0重量%付近でほぼ一定する。そして、この量が25重
量%を超えると、乾燥不良をひき起こし、マイクロカプ
セルの形成が困難になる。
【0055】参考例1 素線数7、心線外径3.5mmの導体に、ポリ塩化ビニ
ル組成物から成る絶縁層を厚さ1.0mmに被覆した制
御ケーブルを3本撚り合わせて、その上に厚さ1.0m
mの保護層とさらにその上に、ポリ塩化ビニル(平均重
合度1300)100重量部、フタル酸ジオクチル50
重量部、重合スズメルカプト化合物5重量部、ステアリ
ン酸鉛1重量部及び8重量%シクロヘキシミド(以下C
HIと略記)内包マイクロカプセル(実施例1及び比較
例で得られたもの)5重量部から成る防鼠ポリ塩化ビニ
ル組成物(CHI含有量0.25重量%)を用いて、厚
さ0.5mmになるように同時押出被覆(同時多層押出
被覆、条件:160℃、5分間)して防鼠性ポリ塩化ビ
ニル被覆ケーブルを作成した。
【0056】これらについて、農薬公定検査法に定めら
れたポリ塩化ビニル中のシクロヘキシミドの定量法に準
拠した方法を用いてCHI量を測定した。その結果を表
5に示した。
【0057】
【表5】 この表から分かるように加工後のCHIの残存率は本発
明のマイクロカプセルが著し高くなっている。
【0058】参考例2 参考例1で得た各ケーブルについて、防鼠被覆層を切り
出し、50℃に保持して被覆層中のCHI量を6か月間
にわたって測定し、保存安定性を調べた。その結果を表
6に示した。
【0059】
【表6】 この表から分るように本発明のマイクロカプセルは保存
安定性の点でも優れている。
【0060】参考例3 参考例1で得たケーブル、これを50℃に6か月保持し
たもの及び防鼠剤マイクロカプセルを全く加えないケー
ブルを、長さ30cmに切断して試料とした。この各試
料を、24時間絶食させたウイスター系ラットおす各3
匹を入れたケージに置き、24時間放置後取り出し、ラ
ットによる食害状況を調べた。
【0061】そして、各試料ごとに、この実験を10回
繰り返し、食害の程度を無傷(−),ためし傷(±)か
ら芯線が露出する傷(3+)まで5段階に分け、−と±
に3点、+に2点、2+に1点、3+に0点を振り分
け、10回分の合計点を算出した。そして、すべて−か
±の場合すなわち30点を基準とし、それに対する百分
比により忌避率(%)とした。この結果を表7に示し
た。
【0062】
【表7】 この表から明らかなように、本発明のマイクロカプセル
はほとんど完全な忌避率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日暮 久乃 東京都八王子市中野山王3−21−271− 2 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 25/28 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 で表わされるシクロヘキシミドを不活性溶剤に溶かした
    溶液を芯物質とし、尿素樹脂を壁物質として成るマイク
    ロカプセルの表面を水溶性ポリエステルで処理したこと
    を特徴とする防鼠剤マイクロカプセル。
JP34976391A 1991-12-10 1991-12-10 防鼠剤マイクロカプセル Expired - Lifetime JP2770893B2 (ja)

Priority Applications (1)

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JP34976391A JP2770893B2 (ja) 1991-12-10 1991-12-10 防鼠剤マイクロカプセル

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