JP2762943B2 - 多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装置 - Google Patents
多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装置Info
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- JP2762943B2 JP2762943B2 JP7008552A JP855295A JP2762943B2 JP 2762943 B2 JP2762943 B2 JP 2762943B2 JP 7008552 A JP7008552 A JP 7008552A JP 855295 A JP855295 A JP 855295A JP 2762943 B2 JP2762943 B2 JP 2762943B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多軸マスタ・スレーブ形
サーボマニプレータのマスタアーム操作装置の改良に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】マスタアームの各軸それぞれに設けられ
たモータアクチュエータの出力軸にトルク検出器を設
け、人がマスタアームを操作するときに前記出力軸に加
わるトルクを検出して、その検出したトルクを打ち消し
て零とするように各モータアクチュエータによりトルク
を供給して、マスタアームの操作性の向上をはかってい
た。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】トルク検出器はノイズ
が入り易く、ノイズの混入を防止するために、トルク検
出部に増巾器を設けると大形化して、マスタアームへの
組込が困難となる。又歯車連鎖が用いられるときは他軸
のトルクの影響を受け易く、アクチュエータモータの出
力軸に加わるトルクを正確に検出することができなかっ
た。そのためにアクチュエータモータの出力トルクに過
不足を生じ、操作者が受ける感覚としては、マスタアー
ムが重くなったり、軽くなったりして滑らかな操作をす
ることができなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明において上記の問
題点を解決するための手段は、多軸マスタ・スレーブ形
サーボマニプレータのマスタアーム操作装置において、
該マスタアームの各軸それぞれにモータアクチュエータ
および速度検出器を設け、且つ前記マスタアームのグリ
ップにグリップを掴むと動作するスイッチを設け、前記
速度検出器の速度設定器に、マスタアームが動き始める
ときの出力電圧をあらかじめ定めてこれを起動確認速度
として設定するとともに、前記モータアクチュエータの
トルク設定器に、マスタアームが動き始めるときの静止
トルクを静止摩擦補償トルクとして設定し、前記グリッ
プのスイッチを動作したとき、マスタアームが静止して
いることを条件に前回操作方向(順方向)とは逆方向の
静止摩擦補償トルクを前記アクチュエータからマスタア
ームに供給するようにするとともに、前記起動確認速度
に達したときにこの静止摩擦補償トルクの供給を停止す
るようにして、前回操作方向とは逆方向への操作を滑ら
かで軽快に行うことを可能とする。 【0005】また、静止摩擦補償トルクの供給を、グリ
ップのスイッチを動作してマスターアームを順方向に操
作して停止した後、一旦スイッチを切って再びスイッチ
を動作したとき、マスタアームに順方向と同じ方向の静
止摩擦補償トルクを供給するようにして前回操作方向と
同方向への操作を滑らかで軽快に行うことを可能とす
る。 【0006】 【作用】マスタアームを操作すべく操作者がマスタアー
ムのグリップを掴むとスイッチが動作してマスタアーム
の各軸に静止摩擦補償トルクを供給する。従って操作者
は僅かの力をグリップに加えることによりマスタアーム
を動かすことができる。マスタアームが動けば、速度検
出器によって動いたことを検出して、動いたことが確認
された軸への静止摩擦補償トルクの供給を断つ。マスタ
アームが動いて、静止摩擦から動摩擦に変わると摩擦抵
抗トルクは数分の一乃至十数分の一に減少するから動摩
擦補償トルクの供給が無くてもマスタアームを滑らかに
操作することができる。 【0007】 【実施例】多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータ
のマスタアーム操作装置は、例えば特公昭58−371
16の図1,図2に示されているような物で、多数のモ
ータアクチュエータや歯車減速機等が使用されている
が、以下では理解を容易にするために1軸のマスタアー
ムの操作装置について記す。 【0008】図1は1軸のマスタアーム操作装置の例を
示し、同図(A),(B),(C)は何れも操作後の停
止状態を示し、静止摩擦補償トルクの方向を説明するた
めの図である。図1において1はマスタアームで、2は
マスタアーム1の一端に設けたグリップで、モータアク
チュエータを操作する。3はマスタアームの軸でマスタ
アーム1の他端が嵌装されている。4は軸3に嵌装され
た歯車(1)でマスタアーム1に固着されている。5は
モータアクチュエータ、6はモータアクチュエータ5の
出力軸、7は出力軸6に嵌着された歯車(2)で、前記
歯車(1)4と歯合する。8はモータアクチュエータ5
に直結して設けた速度検出器である。 【0009】図2はグリップ2部分の説明図で、同図
(A),(B),(C)は夫々に異なったスイッチを取
り付けた場合の例を示し、(D)は反射形光電スイッチ
の動作原理を示す図である。図2(A)に示すのは押釦
スイッチ10の釦部のみを突出させ、他の部分をグリッ
プ2の中に埋め込んだもので、操作者が手9でグリップ
2を掴むと前記突出した釦部が押されて押釦スイッチ1
0が動作するものである図2(B)はグリップ2に投光
器12を埋め込むとともに、グリップ2にコ字状ブリッ
ジ11を設け、該ブリッジ11のグリップ2側で投光器
12と対向する位置に受光器13を埋め込んだもので、
手9でグリップ2を掴み投光器12と受光器13との間
の光を遮ると受光器13のホトトランジスタがスイッチ
ング動作をするものである。図2(C)はグリップ2内
に投受光器14を埋め込んだもので、グリップ2を手9
で掴むと図2(D)に示すように反射光を投受光器14
が検知して、組み込まれているホトトランジスタがスイ
ッチング動作するものである。このスイッチのON,O
FF動作によりモータアクチュエータを後述するように
始動・停止させる。 【0010】以上のように構成した1軸マスタアーム操
作装置において、先ずモータアクチュエータ5の出力ト
ルクを徐々に増加して、マスタアーム1が動きはじめる
ときのトルクTを測定し、図示を省略した制御盤上に設
けたトルク設定器に静止摩擦補償トルクとして設定す
る。次にマスタアーム1が動きはじめたことを確認する
ための速度検出器8の出力電圧αを定めて、前記トルク
T同様に起動確認速度として速度設定器により設定す
る。そしてマスタアーム1を操作するために操作者がグ
リップ2を掴むと、グリップ2に設けられたスイッチが
動作し、マスタアーム1が静止していることを条件に前
回操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクTをモータ
アクチュエータ5が出力軸6を通してマスタアーム1に
供給し、該マスタアーム1が操作者の手による操作によ
り動きはじめて速度検出器5の出力電圧が所定の設定値
αに達すると前記静止摩擦補償トルクTの供給を停止す
る。従って前回操作方向とは逆の方向への操作は極めて
滑らかに軽快に行うことができる。 【0011】操作を終わってマスタアームを停止する
と、グリップ2が掴み放しになっているときは今までの
操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクTをモータア
クチュエータ5が出力軸6を通してマスタアーム1に供
給するから、操作方向が順方向,逆方向と交互に操作さ
れるときは極めて滑らかに軽快に操作することができる
が、順方向に操作した後再び順方向に操作しようとする
と静止摩擦補償トルクTが逆方向に供給されているため
にマスタアーム1は動かすことができなくなるか或は非
常に重くなる。この場合にはグリップ2を掴み直すこと
によって静止摩擦補償トルクのリセットを行う。 【0012】図3,図4は此等の動作説明図で、両図に
おいて横軸は経過時間を示す時間軸で(A)図は先に詳
述したグリップ2に設けたスイッチの動作状態、即ちO
N,OFFの状態を示し、(B)図は静止摩擦補償トル
クTの供給状態を順方向を(+)逆方向を(−)として
示し、(C)図は速度検出器8の出力電圧を順方向を
(+)逆方向を(−)として示したものである。 【0013】図1(A)において、マスタアーム1は時
計方向に回動されて図示の位置に停止させられるものと
する。マスタアーム1を操作するためにグリップ2を掴
むと先に詳述したグリップ2に設けられたスイッチが図
3(A)に示す如くONし、マスタアーム1が静止して
いる。即ち速度検出器8の出力電圧が零…多軸の場合は
各軸に設けた速度検出器の出力電圧が零…であると、図
3(B)に示す如く静止摩擦補償トルク+Tがモータア
クチュエータ5によりマスタアーム1に供給されるから
前回の操作方向とは逆に反時計方向,矢印イ方向へのマ
スタアーム1の回動は力を要さずに軽く行うことができ
る。マスタアーム1が反時計方向に動きはじめて速度検
出器の出力電圧が+αに達すると静止摩擦補償トルクの
供給を停止するが、すでに軸受部その他摩擦トルク発生
部分の摩擦は動摩擦となっているために、滑らかに軽快
な操作をすることができる。操作を停止してグリップ2
を握ったまま即ちスイッチのON状態を維持していると
マスタアーム1が停止したことを条件にモータアクチュ
エータ5は逆方向の静止摩擦補償トルク−Tをマスタア
ーム1に供給するから、図1(B)に示すように矢印口
の方向、即ち時計方向へのマスタアーム1の回動は力を
要さずに行うことができる。そしてマスタアーム1を時
計方向に回動した後同図(C)の位置で停止させ、次に
同図(C)の矢印ハの方向即ち反時計方向へのマスタア
ーム1の回動は力を要さずに軽く行うことができる。 【0014】図4は静止摩擦補償トルクをリセットして
同一方向に生じさせる場合の説明図で図1(A)におい
てグリップ2を掴むと順方向静止摩擦補償トルク+Tを
モータアクチュエータ5がマスタアーム1に供給するか
ら、該マスタアーム1は矢印イ方向即ち反時計方向に力
を要さずに回動させることができ、マスタアーム1が動
いて速度検出器5の出力電圧が+αとなると静止摩擦補
償トルクTの供給は断たれるが摩擦抵抗トルクを発生す
る各部の摩擦は静止摩擦から動摩擦に移っているからマ
スタアーム1は軽く操作することができる。 【0015】マスタアーム1を停止してグリップ2を握
ったままでいると、モータアクチュエータ5はマスタア
ーム1に逆方向の静止摩擦補償トルク−Tを供給するか
ら図1(B)の矢印ロとは逆に図1(A)の矢印イと同
一方向即ち反時計方向に更にマスタアームを回動しよう
としてもマスタアーム1は動かないか非常に重くなって
しまう。この場合にはグリップ2を握っている力を弱め
るか、手を放して一旦グリップ2に設けられたスイッチ
をOFFした後グリップ2を掴み直してスイッチをON
させると静止摩擦補償トルクの方向は順方向となり図1
(B)の矢印ロとは逆の時計方向にマスタアーム1を力
を要さずに軽く回動することができるようになる。 【0016】 【発明の効果】多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレ
ータの各軸のモータアクチュエータにより静止摩擦補償
トルクがマスタアームに供給されるからマスタアームを
人が操作する際に静止摩擦力に打ち勝ってマスタアーム
を動かすための大きな力は不要となり、僅かの力を加え
ることによりマスタアームを滑らかに軽快に操作するこ
とができる。 【0017】グリップを握ったまま操作を停止すると、
それまでの操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクを
供給するようにしたから、マスタアームの操作に当たっ
て多く行われる順,逆,順,逆というように方向を変え
ての操作が極めて滑らかに軽く行うことができるととも
に停止させるときには確実に停止させることができる。 【0018】更に停止後それまでと同一方向に操作する
ときは、マスタアームが動かないか非常に重くなり、そ
の際にはマスタアームを停止してグリップを握り直す
か、握っている力を抜いてグリップに設けられているス
イッチをOFFした後再びONすることにより、同一方
向に楽に操作することができるようになる。 【0019】又従来使用されていたノイズを拾い易く又
他軸の干渉を受け易いトルク検出器やそれに付随した増
巾器が不要となるために制御回路の設計が容易となると
ともに、速度検出器はトルク検出器に比し小形でトルク
検出の場合のような増巾を要さないために全体として小
形化でき設計,製作,保守共に容易となる等数々の実用
的効果を奏する。 【0020】なお本発明の対象としているマニプレータ
が使用するアクチュエータはすべてモータであるために
トルクとして記してあるが、これを力に置き換えて直線
運動をする流体圧シリンダ等に適用しても全く同一の効
果を得ることができるものである。
サーボマニプレータのマスタアーム操作装置の改良に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】マスタアームの各軸それぞれに設けられ
たモータアクチュエータの出力軸にトルク検出器を設
け、人がマスタアームを操作するときに前記出力軸に加
わるトルクを検出して、その検出したトルクを打ち消し
て零とするように各モータアクチュエータによりトルク
を供給して、マスタアームの操作性の向上をはかってい
た。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】トルク検出器はノイズ
が入り易く、ノイズの混入を防止するために、トルク検
出部に増巾器を設けると大形化して、マスタアームへの
組込が困難となる。又歯車連鎖が用いられるときは他軸
のトルクの影響を受け易く、アクチュエータモータの出
力軸に加わるトルクを正確に検出することができなかっ
た。そのためにアクチュエータモータの出力トルクに過
不足を生じ、操作者が受ける感覚としては、マスタアー
ムが重くなったり、軽くなったりして滑らかな操作をす
ることができなかった。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明において上記の問
題点を解決するための手段は、多軸マスタ・スレーブ形
サーボマニプレータのマスタアーム操作装置において、
該マスタアームの各軸それぞれにモータアクチュエータ
および速度検出器を設け、且つ前記マスタアームのグリ
ップにグリップを掴むと動作するスイッチを設け、前記
速度検出器の速度設定器に、マスタアームが動き始める
ときの出力電圧をあらかじめ定めてこれを起動確認速度
として設定するとともに、前記モータアクチュエータの
トルク設定器に、マスタアームが動き始めるときの静止
トルクを静止摩擦補償トルクとして設定し、前記グリッ
プのスイッチを動作したとき、マスタアームが静止して
いることを条件に前回操作方向(順方向)とは逆方向の
静止摩擦補償トルクを前記アクチュエータからマスタア
ームに供給するようにするとともに、前記起動確認速度
に達したときにこの静止摩擦補償トルクの供給を停止す
るようにして、前回操作方向とは逆方向への操作を滑ら
かで軽快に行うことを可能とする。 【0005】また、静止摩擦補償トルクの供給を、グリ
ップのスイッチを動作してマスターアームを順方向に操
作して停止した後、一旦スイッチを切って再びスイッチ
を動作したとき、マスタアームに順方向と同じ方向の静
止摩擦補償トルクを供給するようにして前回操作方向と
同方向への操作を滑らかで軽快に行うことを可能とす
る。 【0006】 【作用】マスタアームを操作すべく操作者がマスタアー
ムのグリップを掴むとスイッチが動作してマスタアーム
の各軸に静止摩擦補償トルクを供給する。従って操作者
は僅かの力をグリップに加えることによりマスタアーム
を動かすことができる。マスタアームが動けば、速度検
出器によって動いたことを検出して、動いたことが確認
された軸への静止摩擦補償トルクの供給を断つ。マスタ
アームが動いて、静止摩擦から動摩擦に変わると摩擦抵
抗トルクは数分の一乃至十数分の一に減少するから動摩
擦補償トルクの供給が無くてもマスタアームを滑らかに
操作することができる。 【0007】 【実施例】多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータ
のマスタアーム操作装置は、例えば特公昭58−371
16の図1,図2に示されているような物で、多数のモ
ータアクチュエータや歯車減速機等が使用されている
が、以下では理解を容易にするために1軸のマスタアー
ムの操作装置について記す。 【0008】図1は1軸のマスタアーム操作装置の例を
示し、同図(A),(B),(C)は何れも操作後の停
止状態を示し、静止摩擦補償トルクの方向を説明するた
めの図である。図1において1はマスタアームで、2は
マスタアーム1の一端に設けたグリップで、モータアク
チュエータを操作する。3はマスタアームの軸でマスタ
アーム1の他端が嵌装されている。4は軸3に嵌装され
た歯車(1)でマスタアーム1に固着されている。5は
モータアクチュエータ、6はモータアクチュエータ5の
出力軸、7は出力軸6に嵌着された歯車(2)で、前記
歯車(1)4と歯合する。8はモータアクチュエータ5
に直結して設けた速度検出器である。 【0009】図2はグリップ2部分の説明図で、同図
(A),(B),(C)は夫々に異なったスイッチを取
り付けた場合の例を示し、(D)は反射形光電スイッチ
の動作原理を示す図である。図2(A)に示すのは押釦
スイッチ10の釦部のみを突出させ、他の部分をグリッ
プ2の中に埋め込んだもので、操作者が手9でグリップ
2を掴むと前記突出した釦部が押されて押釦スイッチ1
0が動作するものである図2(B)はグリップ2に投光
器12を埋め込むとともに、グリップ2にコ字状ブリッ
ジ11を設け、該ブリッジ11のグリップ2側で投光器
12と対向する位置に受光器13を埋め込んだもので、
手9でグリップ2を掴み投光器12と受光器13との間
の光を遮ると受光器13のホトトランジスタがスイッチ
ング動作をするものである。図2(C)はグリップ2内
に投受光器14を埋め込んだもので、グリップ2を手9
で掴むと図2(D)に示すように反射光を投受光器14
が検知して、組み込まれているホトトランジスタがスイ
ッチング動作するものである。このスイッチのON,O
FF動作によりモータアクチュエータを後述するように
始動・停止させる。 【0010】以上のように構成した1軸マスタアーム操
作装置において、先ずモータアクチュエータ5の出力ト
ルクを徐々に増加して、マスタアーム1が動きはじめる
ときのトルクTを測定し、図示を省略した制御盤上に設
けたトルク設定器に静止摩擦補償トルクとして設定す
る。次にマスタアーム1が動きはじめたことを確認する
ための速度検出器8の出力電圧αを定めて、前記トルク
T同様に起動確認速度として速度設定器により設定す
る。そしてマスタアーム1を操作するために操作者がグ
リップ2を掴むと、グリップ2に設けられたスイッチが
動作し、マスタアーム1が静止していることを条件に前
回操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクTをモータ
アクチュエータ5が出力軸6を通してマスタアーム1に
供給し、該マスタアーム1が操作者の手による操作によ
り動きはじめて速度検出器5の出力電圧が所定の設定値
αに達すると前記静止摩擦補償トルクTの供給を停止す
る。従って前回操作方向とは逆の方向への操作は極めて
滑らかに軽快に行うことができる。 【0011】操作を終わってマスタアームを停止する
と、グリップ2が掴み放しになっているときは今までの
操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクTをモータア
クチュエータ5が出力軸6を通してマスタアーム1に供
給するから、操作方向が順方向,逆方向と交互に操作さ
れるときは極めて滑らかに軽快に操作することができる
が、順方向に操作した後再び順方向に操作しようとする
と静止摩擦補償トルクTが逆方向に供給されているため
にマスタアーム1は動かすことができなくなるか或は非
常に重くなる。この場合にはグリップ2を掴み直すこと
によって静止摩擦補償トルクのリセットを行う。 【0012】図3,図4は此等の動作説明図で、両図に
おいて横軸は経過時間を示す時間軸で(A)図は先に詳
述したグリップ2に設けたスイッチの動作状態、即ちO
N,OFFの状態を示し、(B)図は静止摩擦補償トル
クTの供給状態を順方向を(+)逆方向を(−)として
示し、(C)図は速度検出器8の出力電圧を順方向を
(+)逆方向を(−)として示したものである。 【0013】図1(A)において、マスタアーム1は時
計方向に回動されて図示の位置に停止させられるものと
する。マスタアーム1を操作するためにグリップ2を掴
むと先に詳述したグリップ2に設けられたスイッチが図
3(A)に示す如くONし、マスタアーム1が静止して
いる。即ち速度検出器8の出力電圧が零…多軸の場合は
各軸に設けた速度検出器の出力電圧が零…であると、図
3(B)に示す如く静止摩擦補償トルク+Tがモータア
クチュエータ5によりマスタアーム1に供給されるから
前回の操作方向とは逆に反時計方向,矢印イ方向へのマ
スタアーム1の回動は力を要さずに軽く行うことができ
る。マスタアーム1が反時計方向に動きはじめて速度検
出器の出力電圧が+αに達すると静止摩擦補償トルクの
供給を停止するが、すでに軸受部その他摩擦トルク発生
部分の摩擦は動摩擦となっているために、滑らかに軽快
な操作をすることができる。操作を停止してグリップ2
を握ったまま即ちスイッチのON状態を維持していると
マスタアーム1が停止したことを条件にモータアクチュ
エータ5は逆方向の静止摩擦補償トルク−Tをマスタア
ーム1に供給するから、図1(B)に示すように矢印口
の方向、即ち時計方向へのマスタアーム1の回動は力を
要さずに行うことができる。そしてマスタアーム1を時
計方向に回動した後同図(C)の位置で停止させ、次に
同図(C)の矢印ハの方向即ち反時計方向へのマスタア
ーム1の回動は力を要さずに軽く行うことができる。 【0014】図4は静止摩擦補償トルクをリセットして
同一方向に生じさせる場合の説明図で図1(A)におい
てグリップ2を掴むと順方向静止摩擦補償トルク+Tを
モータアクチュエータ5がマスタアーム1に供給するか
ら、該マスタアーム1は矢印イ方向即ち反時計方向に力
を要さずに回動させることができ、マスタアーム1が動
いて速度検出器5の出力電圧が+αとなると静止摩擦補
償トルクTの供給は断たれるが摩擦抵抗トルクを発生す
る各部の摩擦は静止摩擦から動摩擦に移っているからマ
スタアーム1は軽く操作することができる。 【0015】マスタアーム1を停止してグリップ2を握
ったままでいると、モータアクチュエータ5はマスタア
ーム1に逆方向の静止摩擦補償トルク−Tを供給するか
ら図1(B)の矢印ロとは逆に図1(A)の矢印イと同
一方向即ち反時計方向に更にマスタアームを回動しよう
としてもマスタアーム1は動かないか非常に重くなって
しまう。この場合にはグリップ2を握っている力を弱め
るか、手を放して一旦グリップ2に設けられたスイッチ
をOFFした後グリップ2を掴み直してスイッチをON
させると静止摩擦補償トルクの方向は順方向となり図1
(B)の矢印ロとは逆の時計方向にマスタアーム1を力
を要さずに軽く回動することができるようになる。 【0016】 【発明の効果】多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレ
ータの各軸のモータアクチュエータにより静止摩擦補償
トルクがマスタアームに供給されるからマスタアームを
人が操作する際に静止摩擦力に打ち勝ってマスタアーム
を動かすための大きな力は不要となり、僅かの力を加え
ることによりマスタアームを滑らかに軽快に操作するこ
とができる。 【0017】グリップを握ったまま操作を停止すると、
それまでの操作方向とは逆方向の静止摩擦補償トルクを
供給するようにしたから、マスタアームの操作に当たっ
て多く行われる順,逆,順,逆というように方向を変え
ての操作が極めて滑らかに軽く行うことができるととも
に停止させるときには確実に停止させることができる。 【0018】更に停止後それまでと同一方向に操作する
ときは、マスタアームが動かないか非常に重くなり、そ
の際にはマスタアームを停止してグリップを握り直す
か、握っている力を抜いてグリップに設けられているス
イッチをOFFした後再びONすることにより、同一方
向に楽に操作することができるようになる。 【0019】又従来使用されていたノイズを拾い易く又
他軸の干渉を受け易いトルク検出器やそれに付随した増
巾器が不要となるために制御回路の設計が容易となると
ともに、速度検出器はトルク検出器に比し小形でトルク
検出の場合のような増巾を要さないために全体として小
形化でき設計,製作,保守共に容易となる等数々の実用
的効果を奏する。 【0020】なお本発明の対象としているマニプレータ
が使用するアクチュエータはすべてモータであるために
トルクとして記してあるが、これを力に置き換えて直線
運動をする流体圧シリンダ等に適用しても全く同一の効
果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の1軸マスタアーム操作装置
の説明図。 【図2】本発明のグリップ部の実施例図。 【図3】本発明の一実施例の動作説明図。 【図4】本発明の他の実施例の動作説明図。 【符号の説明】 1…マスタアーム 2…グリップ 3…軸 8…速度検出器 10…押釦スイッチ 11…グリップ 12…投光器 13…受光器 14…投受光器
の説明図。 【図2】本発明のグリップ部の実施例図。 【図3】本発明の一実施例の動作説明図。 【図4】本発明の他の実施例の動作説明図。 【符号の説明】 1…マスタアーム 2…グリップ 3…軸 8…速度検出器 10…押釦スイッチ 11…グリップ 12…投光器 13…受光器 14…投受光器
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマス
タアーム操作装置において、該マスタアームの各軸それ
ぞれに静止摩擦を補償するためのモータアクチュエータ
および該マスタアームが動き始めたことを確認する速度
検出器を設け、且つ前記マスタアームには、グリップを
掴むと動作するスイッチを有するグリップを設けるとと
もに、前記速度検出器には、マスタアームが動き始める
ときの出力電圧をあらかじめ定めてこれを起動確認速度
として設定する速度設定器を設け、更に前記モータアク
チュエータには、マスタアームが動き始めるときの静止
トルクを静止摩擦補償トルクとして設定するトルク設定
器を設けて、前記マスタアームが静止しているときにグ
リップのスイッチを動作したとき、前回操作方向(順方
向)とは逆方向の静止摩擦補償トルクを前記アクチュエ
ータからマスタアームに供給し、且つ前記速度検出器の
出力が設定値に達したときにこの静止摩擦補償トルクの
供給を停止するようにしたことを特徴とする多軸マスタ
・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装
置。 2.多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマス
タアーム操作装置において、該マスタアームの各軸それ
ぞれに静止摩擦を補償するためのモータアクチュエータ
および該マスタアームが動き始めたことを確認する速度
検出器を設け、且つ前記マスタアームには、グリップを
掴むと動作するスイッチを有するグリップを設けるとと
もに、前記速度検出器には、マスタアームが動き始める
ときの出力電圧をあらかじめ定めてこれを起動確認速度
として設定する速度設定器を設け、更に前記モータアク
チュエータには、マスタアームが動き始めるときの静止
トルクを静止摩擦補償トルクとして設定するトルク設定
器を設けて、前記マスタアームが静止しているときにグ
リップのスイッチを動作したとき、前回操作方向(順方
向)とは逆方向の静止摩擦補償トルクを前記アクチュエ
ータからマスタアームに供給し、且つ前記速度検出器の
出力が設定値に達したときにこの静止摩擦補償トルクの
供給を停止するようにし、更に、この静止摩擦補償トル
クの供給を、グリップのスイッチを動作してマスターア
ームを順方向に操作して停止した後、一旦スイッチを切
って再びスイッチを動作したとき、マスタアームに順方
向と同じ方向の静止摩擦補償トルクを供給するようにし
たことを特徴とする多軸マスタ・スレーブ形サーボマニ
プレータのマスタアーム操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008552A JP2762943B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7008552A JP2762943B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH07276266A JPH07276266A (ja) | 1995-10-24 |
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ID=11696292
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7008552A Expired - Fee Related JP2762943B2 (ja) | 1995-01-24 | 1995-01-24 | 多軸マスタ・スレーブ形サーボマニプレータのマスタアーム操作装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2023011014A (ja) * | 2020-12-28 | 2023-01-20 | 三菱電機株式会社 | ロボットアーム操作装置、ロボットアーム操作システムおよびロボット操作システム |
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1995
- 1995-01-24 JP JP7008552A patent/JP2762943B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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