JP2757580B2 - 表面被覆切削工具およびその製造方法 - Google Patents
表面被覆切削工具およびその製造方法Info
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Description
iCN基サーメット、Si3 N4 基セラミックス、Al
2 O3 基セラミックスのいずれか1種を基体とし、その
表面に硬質層を被覆した表面被覆切削工具に関するもの
であり、特に断続切削で使用した場合に優れた耐欠損性
を示すものである。
ト、Si3 N4 基セラミックス、Al2 O3 基セラミッ
クスのいずれか1種を基体とし、その表面に周期律表の
4a,5aおよび6a族金属、Al,Siの群から選ん
だ1種または2種以上の金属元素と炭素、窒素、酸素お
よびほう素からなる群より選んだ1種または2種以上の
非金属元素の化合物の1種の単層または2種以上の多重
層で構成された硬質層を被覆した表面被覆切削工具は、
広く一般に使用されている。
性を有するところから、広く使用されており、この炭窒
化チタン層は、例えば、特公昭51−24982号公報
では四塩化チタンと水素と窒素とメタンの混合ガスを8
00〜1150℃の温度領域に加熱された炉中で化学反
応させることにより形成されることが示されており、ま
た、より低温で被覆する方法として特公昭57−533
08号公報には、四塩化チタンと水素と有機炭窒化合物
の混合ガスを使用することにより760〜950℃の温
度領域で熱化学反応による炭窒化チタン層がWC基超硬
合金基体表面に形成できることが示されている。
少くとも1層含む単層または多重層で構成された硬質層
を被覆した表面被覆切削工具は、高い耐摩耗性を示すも
のの、断続切削などの重切削では欠けやすく、耐欠損性
が十分でないという課題があった。
かる課題を解決すべく研究を行った結果、通常の化学蒸
着法で被覆した炭窒化チタン層には、基体との熱膨張係
数との差により、高い引張り残留応力が生じていること
がわかり、炭窒化チタン層の引張り残留応力を20kgf
/mm2 以下に緩和することにより耐欠損性が向上すると
いう知見を得たのである。
れたものであって、引張り残留応力が20kgf/mm2 以
下の炭窒化チタン層を少くとも1層含む単層または2種
以上の多重層を被覆してなる表面被覆切削工具およびそ
の製造方法に特徴を有するものである。
の炭窒化チタン層を形成するためには、少くとも四塩化
チタンと水素と有機炭窒化合物の混合ガスにより、70
0〜950℃の温度域で化学蒸着したのち、平均冷却速
度:15℃/分以下で500℃まで冷却する。
に説明する。
の形状を有するWC基超硬合金、TiCN基サーメッ
ト、Si3 N4 基セラミックスおよびAl2 O3 基セラ
ミックスを用意し、上記WC基超硬合金に付いてはIS
O規格K10,K30,M20およびP20に相当する
成分組成の異なった4種類のWC基超硬合金を用意し
た。
ト、Si3 N4 基セラミックスおよびAl2 O3 基セラ
ミックスをそれぞれ基体とし、その表面に表1に示され
るTiCN層被覆条件でTiCN層を少くとも1層化学
蒸着し、上記TiCN層以外のTiC層、TiCNO
層、TiN層、Al2 O3 層は通常の条件で化学蒸着す
ることにより表2に示される被覆層構造の本発明表面被
覆切削工具1〜7さらに、すべて通常の条件で化学蒸着
することにより表3に示される被覆構造の従来表面被覆
切削工具1〜8を作製した。
従来表面被覆切削工具1〜8の被覆層のTiCN層の引
張り残留応力をX線回折による2θ− sin2 ψ法を用い
て測定し、それらの測定結果を表4に示すとともに、上
記本発明表面被覆切削工具1〜7および従来表面被覆切
削工具1〜8のそれぞれ10切れ刃を用いて下記の条件
の断続切削テストを行い、10切れ刃の欠損が生じるま
での衝撃回数を求めてその平均値を表4に示した。
明表面被覆切削工具1と従来表面被覆切削工具1とは、
基体の種類並びにTiCN層を含む被覆層の成分組成お
よび厚さが同じであるが、表1に示されるようにTiC
N層形成のためのガスの混合成分を変え同時に500℃
までの平均冷却速度を低く抑えて形成された引張り残留
応力:20kgf/mm2 以下のTiCN層を少くとも1層
被覆した本発明表面被覆切削工具1は、上記引張り残留
応力が20kgf/mm2 を越えるTiCN層を含む硬質層
を被覆した従来表面被覆切削工具1に比べて耐欠損性が
優れていることは表4に示された結果から明らかであ
る。
面被覆切削工具とを比較したが、本発明表面被覆切削工
具2〜7と従来表面被覆切削工具2〜6をそれぞれ比較
しても同じ傾向を示すことは表4の結果から明らかであ
る。
ガスの混合成分が同じであっても、500℃までの平均
冷却速度の速い従来表面被覆切削工具7,8を平均冷却
速度の遅い本発明表面被覆切削工具3,5とそれぞれ比
較すると、従来表面被覆切削工具7,8のTiCN層
は、やはりその引張り残留応力が20kgf/mm2 を越え
ており、その切削性能も有機炭窒化合物を使用しないも
のよりは良いものの、本発明表面被覆切削工具3,5よ
りは著しく劣る結果となっている。
化学蒸着するための条件および冷却条件を変えるだけで
簡単に耐欠損性の優れた表面被覆切削工具を提供するこ
とができ、産業上すぐれた効果を奏するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 WC基超硬合金、TiCN基サーメッ
ト、Si3 N4 基セラミックスおよびAl2 O3 基セラ
ミックスのいずれか1種を基体とし、その表面に周期律
表の4a,5a,および6a族金属、Al,Siの群か
ら選んだ1種または2種以上の金属元素と炭素、窒素、
酸素およびほう素からなる群より選んだ1種または2種
以上の非金属元素の化合物の1種の単層または2種以上
の多重層で構成された硬質層を被覆してなる表面被覆切
削工具において、上記1種の単層または2種以上の多重
層は、20kgf/mm2 以下の引張り残留応力を有する炭
窒化チタンを少くとも1層含むことを特徴とする表面被
覆切削工具。 - 【請求項2】 WC基超硬合金、TiCN基サーメッ
ト、Si3 N4 基セラミックスおよびAl2 O3 基セラ
ミックスのいずれか1種を基体とし、その表面に、四塩
化チタンと水素と有機炭窒化合物を必須成分とする混合
ガスにより700〜950℃の温度域で少くとも1層の
炭窒化チタン層を被覆して上記炭窒化チタン層を少くと
も1層を含む硬質層を形成し、ついで、この硬質層を平
均冷却速度:15℃/分以下の冷却速度で500℃まで
冷却することを特徴とする請求項1記載の表面被覆切削
工具の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8973291A JP2757580B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 表面被覆切削工具およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8973291A JP2757580B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 表面被覆切削工具およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04300103A JPH04300103A (ja) | 1992-10-23 |
JP2757580B2 true JP2757580B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=13978939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP8973291A Expired - Lifetime JP2757580B2 (ja) | 1991-03-28 | 1991-03-28 | 表面被覆切削工具およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757580B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2948803B1 (ja) | 1998-03-31 | 1999-09-13 | 日本特殊陶業株式会社 | サーメット工具及びその製造方法 |
JP5152660B2 (ja) * | 2008-08-21 | 2013-02-27 | 住友電工ハードメタル株式会社 | 切削工具およびその製造方法 |
-
1991
- 1991-03-28 JP JP8973291A patent/JP2757580B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04300103A (ja) | 1992-10-23 |
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