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JP2755265B2 - 積層シート及びその製造方法 - Google Patents

積層シート及びその製造方法

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JP2755265B2
JP2755265B2 JP1194375A JP19437589A JP2755265B2 JP 2755265 B2 JP2755265 B2 JP 2755265B2 JP 1194375 A JP1194375 A JP 1194375A JP 19437589 A JP19437589 A JP 19437589A JP 2755265 B2 JP2755265 B2 JP 2755265B2
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JP
Japan
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layer
inorganic filler
resin
laminated
sheet
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JP1194375A
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皓二 川口
利夫 佐々木
道雄 高野
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Mitsui Chemicals Inc
Nippon Seishi KK
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Mitsui Chemicals Inc
Nippon Seishi KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐水性、筆記性、印刷適性、低帯電性及び不
透明性に優れた積層シートに関する。
(従来の技術) 紙シートを基材層とし、この表面に二酸化チタン、酸
化亜鉛又は硫化亜鉛の様な無機顔料を含有するポリエチ
レンをコーティングしてなる2層構造又は両層の中間に
無機顔料不含ポリエチレン層を介在させてなる3層構造
の印画紙用支持体は公知である。
これらの積層紙においては、無機顔料によって樹脂層
の不透明化が実現されたことでも充分に実用性付与は達
成されている。しかし、更に高度の要求に対しては、両
層の中間に無機顔料不含の樹脂層を介在させた3層以上
とすることが好ましい。
この3層積層紙は無機顔料含有による樹脂層の不透明
化を果たすと共に、無機顔料含有によって生ずる紙基材
層表面と樹脂層との間の接着力低下を防ぐ為に顔料不含
樹脂層を介在させることによって解決したものとされて
いる。また、上記の印画紙用支持体において、紙基材層
と無機顔料含有ポリエチレン層との間に無機顔料不含の
ポリエチレン層を設けたものも公知である。
(発明が解決しようとする課題) 上記した印画紙用支持体では、微細な写真画像を焼付
ける為の印画紙表面を平滑にする為に紙の表面にポリエ
チレン樹脂層を積層しているが、樹脂層を設けた結果、
支持体表面の透明化が生じた。そこで、樹脂層中に顔料
を含有させて白色のバックグラウンドを形成し、明瞭な
写真画像が獲られる様にしている。つまり、写真用支持
体においては、表面のポリエチレン樹脂層中に無機顔料
を配合することが望ましいが、その反面、無機顔料の配
合によって樹脂層表面の平滑性を損なうようなことがあ
ってはならない。この関係から、配合量が制約されるこ
とになり、実用的には7重量%程度が限界であるとされ
ている。
これに対して、本発明に係わる積層耐水紙は印刷適
性、筆記性を備えていることを必要とする。その為には
積層耐水紙の表面には適度の粗さが必要とされることか
ら、写真用支持体の様な7重量%程度の配合量では表面
粗さが不足して、水性又は油性の印刷インキ、或は筆記
用の水性インキの定着、乾燥に支障に来す。また、ボー
ルペンや鉛筆による筆記を試みても、平滑なフィルムそ
のものと同様に実質的に筆記不可能という不都合を生ず
る。
本発明者らは、先に特願昭63−18374号において、最
外層に20〜80重量%の無機顔料を含有する印刷性良好で
低帯電性の積層シートを提案した。このシートによれ
ば、樹脂の高い帯電性を大幅に低減できることから、多
数枚連続の自動印刷や静電自動複写に際して、シート間
の静電気による相互吸引力によって2枚以上のシートが
重なったままの状態で給送されて発生する紙詰まり等の
トラブルが改善された。
しかしながら、シート中に無機充填剤を多量に配合す
れば、シートの重量が重くなってしまうということか
ら、本発明は、無機充填剤のシート面積当りの使用量を
一定にしたときに、この無機充填剤の機能を失うことな
く、最も効率的な態様で無機充填剤を使用する手段を提
供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は既存の印画紙用支持体である積層紙に類
似しながらも、印刷適性と筆記性とを兼備する積層シー
トの開発を進めた結果、印刷画又は筆記面に相当する最
外層の樹脂層中に20〜80重量%、好ましくは30〜70重量
%の無機充填剤を含有させ、且つこの最外層をその下層
の合成樹脂層よりも薄く形成することが有益であること
を見出した。樹脂層中に無機充填剤を20重量%以上配合
させて、厚さ10μm、特に好ましくは5μm程度の薄層
を製造することは実際上、容易ではない。各種の試行錯
誤によって漸く到達できる技術である。本発明者等の検
討も多大の労力と実験とを繰返す形で行われて来た。本
発明の積層体中に配合される無機充填剤、特に比表面積
の比較的大きな部類に属する炭酸カルシウム等の改良剤
では配合前の水分率が重要で、これを特定値以下に規制
することが望まれる。しかも、一旦吸湿した炭酸カルシ
ウム等を乾燥によって望ましい低水分率へ移行させるこ
とは、実際上殆ど不可能といえる。
また、使用される無機充填剤の平均粒径は、樹脂層中
への分散性並びに無機充填剤が樹脂層に付与する筆記性
及び印刷適性の見地からすれば、通常0.01〜10μm、好
ましくは0.1〜5μm程度とする。
更に、無機充填剤の属性として比表面積及び吸油量が
挙げられる。例えば、二酸化チタンにおいては、ルチル
型であって比表面積1〜50m2/g、吸油量10〜50ml/100
g、炭酸カルシウムにおいては、平均粒径0.5〜10μm、
比表面積0.5〜70m2/g、好ましくは1〜30m2/g(BET
法)、吸油量5〜100ml/100g、好ましくは10〜70ml/100
gとし、重質、軽質を問わないが、重質は特に好まし
い。
また、他の有効な無機充填剤としては、タルク、クレ
ー、カオリン、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイソウ土、磁
性酸化鉄等、およびこれらの混合物が挙げられる。
なお、カーボンブラック、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、尿素樹脂等の有機充填剤を少量混合しても良く、
さらに、充填剤の分散性を向上させる補助手段として脂
肪酸塩、粘着付与剤、親水化ポリオレフィンワックス等
を適宜加えることや、それらで充填剤の表面処理を行な
うことも可能である。
上記無機充填剤が樹脂層中に20重量%以上という高配
合でありながらも厚さ20μm以下という薄膜に成形され
得るためには、該無機充填剤の水分率を500ppm以下に規
制することが好ましい。
本発明の積層シートにおいて、無機充填剤含有の最外
層と無機充填剤不含有の下層の合成樹脂層を形成するオ
レフィン系熱可塑性樹脂としては、エチレン系樹脂、プ
ロピレン系樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。
ここでオレフィン系樹脂とは1−オレフィンの単独重
合体に限らず、1−オレフィン相互の共重合体でも、1
−オレフィンと共重合可能な他の単量体例えば酢酸ビニ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等を少量含
有する共重合体でも良い。異種の重合体又は共重合体の
組成物も勿論包含する。
(1)エチレン系熱可塑性樹脂としては、メルトフロー
レート[MFR(190℃)]3〜20g/10min、溶融張力(=
メルトテンション、190℃、押出機オリフィスのL/D=3.
8、押出速度15mm/min、引取速度15m/min)0.3〜11gであ
るものが好ましい。
(2)プロピレン系熱可塑性樹脂としては、メルトフロ
ーレート[MFR(230℃)]15〜50g/10min、溶融張力(2
30℃、押出機オリフィスのL/D=3.8、押出速度15mm/mi
n、引取速度15m/min)0.3〜3.3であるものが好ましい。
本発明においては、無機充填剤を含有しない合成樹脂
層が下層を構成し、その下層によって、層厚の厚い最外
層に多量の無機充填剤を含有せしめることが可能にな
る。従って、下層には最外層と支持体の双方に対して接
着性を有する樹脂を使用する必要がある。最外層が支持
体に対して接着性のある樹脂であれば、同じ樹脂で下層
を構成すれば足りるが、接着性が不足し或いは無い場合
には、グラフト変性ポリオレフィン、即ち、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンの一部また
は全部が、マレイン酸やその誘導体を使用してグラフト
変性された樹脂、或いはエチレンと(メタ)アクリル酸
および(メタ)アクリル酸エステルの共重合体等を適宜
使用して、その接着性を高める必要がある。
本発明の積層シートの代表的な製造法としては、シー
ト状支持体の少くとも1面に無機充填剤不含のポリオレ
フィン樹脂層をTダイ成膜機から押出成形し、更にその
上面に、別途無機充填剤含有ポリオレフィン樹脂層をT
ダイ成膜機から押出成形しながら3者を積層接合する
が、その時、最外層の樹脂層の層厚が下層の合成樹脂層
よりも薄くなるように積層する。
ここで各樹脂層の厚さは最外層の無機充填剤含有層に
おいて通常1〜30μm、好ましくは2〜10μm、最も好
ましくは1〜5μmとし、その下層の無機充填剤を含有
しない層において通常5〜10μm、好ましくは5〜15μ
mとし、最外層は下層よりも層厚を薄く形成する。層厚
を薄く形成した最外層に集中的に無機充填剤を含有せし
めることで、積層シートの表面近くに存在する無機充填
剤の割合を高めることができ、一方で、樹脂層の強度が
不足する点を下層が補うことができる。最外層に集中さ
れた無機充填剤は、その一部が最外層の表面に露出する
こともあり、筆記性、印刷適性、帯電性に良好な効果を
もたらす。殊に、最外層の層厚と無機充填剤の粒径とを
近似させると、この効果は一層顕著になる。
また、本発明においては、シート状支持体として、薄
物、厚物の各種の紙や合成樹脂フィルム、金属箔等を使
用することができ、シート状でありさえすればその厚み
を問わない。これらの支持体が紙であれば、積層すべき
合成樹脂層との接着性を高める為に押出し塗工前に、そ
の表面にフレーム(火災)処理、コロナ放電処理及び予
熱処理が施されることが望ましい。この他に、樹脂層の
支持体と接すべき面にオゾン処理等の処理を施すこと
も、両層間に接着性を付与する上で有効である。その結
果、樹脂温度が下がり樹脂の目ヤニ発生頻度減少及び樹
脂の劣化や引裂強度低下の防止を実現できる。
シート上支持体に樹脂層を積層することによって得ら
れた積層シートの表面の粗さは、無機充填剤の含量、平
均粒径、最外層の膜厚を適当に選定することによって変
えることができるが、この他に、ラミネーターのクーリ
ングロールパターンを変えて積層シートの表面をマット
調に仕上げることによって、鉛筆筆記性を上げることが
できる。ここで“マット調”とは60゜入射角におけるグ
ロスが30%以下であることをいう。更に必要があれば、
帯電防止剤、インキ接着改良剤、紫外線吸収剤等を少く
とも樹脂の1層中に配合又は最外層表面に塗布してもよ
い。
本発明においては、無機充填剤として特定種類のもの
を組合せることによって、帯電性の実質的増加を伴うこ
となしに樹脂層に筆記性及び印刷適性を付与することが
できる。
特に、最外層の熱可塑性樹脂層に無機充填剤30〜70重
量%が含有され、更にその無機充填剤を主として炭酸カ
ルシウムと二酸化チタンとからなり、両者の比率が99:1
〜55:45、好ましくは80:20〜60:40であることが最も望
ましい。このような構成の場合、最外層の表面抵抗値は
1×1010〜9×1015Ωとなり、筆記性、印刷適性ともに
極めて良好である。
なお、本発明の積層シートにおける表面抵抗は23℃、
相対湿度(RH)60%において測定した値である。
(実施例) 以下に本発明の実施例及びその比較例を示す。
なお、実施例および比較例で得られた積層シートにつ
いて、下記の物性を測定し、その結果を表1に示した。
1) 厚さ :JIS P−8118 2) 密度 :JIS 〃 3) 筆記性:硬度2Bの鉛筆を使用して、一定の圧力下
で鉛筆試験を行った。
判定基準は次の通りである。
◎ 非常に良く書ける。
○ 良く書ける。
× 全然書けない。
4) 表面抵抗値:川口電気(株)製Model P−601,V
E−30を使用し、23℃×60%RHの雰囲気中で測定した。
5) インキの定着性:ローランド・オフセット印刷機
(202B)を使用して、給紙速度8000枚/時、印刷室の雰
囲気20℃×50%RHの条件下で、印刷インキ(東洋インキ
製造(株)TK−CCM−KS)によるA3版用紙への印刷を行
い、印刷終了24時間経過後に印刷面上にセロハンテープ
を貼り付けて一気に剥がし、インキの剥離具合を調べ
た。
判定基準は次の通りである。
◎ 全然剥離しない。
○ 僅かに剥離する。
× 全面的に剥離する。
6) インキの乾燥性:前記インキの定着性と同様の印
刷を行い、印刷終了1時間経過後に印刷面上に上質紙を
押し当て、上質紙に転移したインキの量を調べた。
判定基準は次の通りである。
◎ 殆ど転移しない。
○ 若干転移する。
× 激しく転移する。
7) 給紙性:前記インキの定着性の試験において、同
じ条件で10000枚の用紙を印刷した時の重送によって生
じる紙詰まりの回数を調べた。
[実施例1] ポリプロピレン(MFR25g/10分、密度0.91g/cm3、メル
トテンション0.5g)60重量%を溶融状態として、これに
平均粒径1.7μmの重質炭酸カルシウムを40重量%添加
混合した。これとは別に、上記のポリプロピレンの無機
充填剤を含有しないものを用意し、この無機充填剤を含
有しない樹脂を支持体に接する下層とし、先の無機充填
剤含有の樹脂を最外層として、共押出しTダイより290
℃の温度で、最外層5μm、下層10μmになるように押
出して、溶融膜の支持体と接着させる面にオゾン含有空
気を吹付けながら、厚さ60μm、幅500mmの上質紙の両
面に積層し、積層シートを得た。この時の、オゾン処理
の条件は、溶融膜の積層速度100m/分、エアギャップ130
mm、オゾン濃度40g/m3、オゾン流量2m3/hであった。
[実施例2] 低密度ポリエチレン(MFR11g/10分、密度0.916g/c
m3、メルトテンション1.3g)70重量%を溶融状態とし
て、これに炭酸カルシウム(平均粒径1.7μm)と酸化
チタン(平均粒径0.2μm)を重量比で60:40の割合いで
30重量%を添加混合した。この混合物をTダイより290
℃の温度で、実施例1と同じ上質紙の両面に、最外層が
3μm、下層が17μmになるように押出して圧着し、積
層シートを得た。なお、共押出しに際して、下層の樹脂
層の紙と接する面には実施例1と同様のオゾン処理を施
した。
[実施例3] 実施例1で用いたポリプロピレン25重量%を溶融状態
として、これに平均粒径35μmの炭酸カルシウムと平均
粒径0.2μmの酸化チタンを重量比で95:5の割合で75重
量%を添加混合した。これとは別に、上記ポリプロピレ
ンの無機充填剤を含有しないものを用意し、この無機充
填剤を含有しない樹脂を支持体に接する下層とし、先の
無機充填剤含有の樹脂を最外層として、共押出しTダイ
より290℃の温度で、最外層10μm、下層20μmになる
ように実施例1と同じ上質紙の両面に押出して圧着し、
積層シートを得た。
[実施例4] ポリプロピレン(MFR25g/10分、密度0.91g/cm3、メン
トテンション0.5g)70重量%を溶融状態として、これに
炭酸カルシウム(平均粒径2.0μm)と酸化チタン(平
均粒径0.2μm)を重量比で95:5の割合で30重量%を添
加混合した。これとは別に、上記ポリプロピレンの無機
充填剤を含有しないものを用意し、この無機充填剤を含
有しない樹脂を下層として先の無機充填剤含有樹脂と共
に、共押出しTダイより290℃の温度で、支持体として
の厚さ60μmのOPP(一軸延伸ポリプロピレン)フィル
ムの両面に、最外層が7μm、下層13μmになるように
押出して圧着し、積層シートを得た。この時の、オゾン
処理の条件は、溶融膜の積層速度100m/分、エアギャッ
プ130mm、オゾン濃度40g/m3、オゾン流量2m3/hであっ
た。
[実施例5] 実施例4で用いたポリプロピレンを55重量%とり溶融
状態として、これに平均粒径1.7μmの炭酸カルシウ
ム、平均粒径0.2μmの酸化チタン、平均粒径2μmの
シリカを80:10:10の重量比で45重量%添加混合した。こ
れとは別に、上記のポリプロピレンの無機充填剤を含有
しないものを用意し、実施例4と同じOPPフィルムの片
面に、無機充填剤を含有しない樹脂を下層として共押出
しTダイより290℃の温度で、最外層20μm、下層25μ
mになるように押出し、圧着して片面積層のシートを得
た。
[実施例6] 熱可塑性ポリエステル(極限粘度0.80dl/g)70重量%
を溶融状態として、これに平均粒径4μmのタルクを30
重量%添加混合した。これとは別にグラフト変性ポリオ
レフィンを用意し、このグラフト変性ポリオレフィン
(三井石油化学工業(株)製、商品名「アドマーAT49
9」)を下層として、実施例4と同様にして、厚さ60μ
mのアルミ箔の両面に最外層10μm、下層12μmの厚さ
になるようにして、共押出しTダイにより積層した。
[比較例1] 実施例2において、無機充填剤を含有する層を10μ
m、含有しない層を10μmとした以外は、同様にして積
層シートを得た。
[比較例2] 実施例4において、無機充填剤を含有する層を10μ
m、含有しない層を10μmとした以外は、同様にして積
層シートを得た。
(発明の効果) 本発明は、シート状支持体に対して、無機充填剤を含
有しない合成樹脂層を下層とし、その上面に20〜80重量
%の無機充填剤を含有する合成樹脂層の最外層を形成
し、且つ最外層の層厚を下層の層厚よりも薄く形成した
ものであるので、無機充填剤含有層の支持体に対する接
着力に何等の問題を生ずることなく、筆記性、印刷適
性、低帯電性に優れた積層シートが得られる。下層より
も薄い最外層に無機充填剤を集中的に多量に配合したた
めに、上記の筆記性等の性能を損なうことなく、シート
自体の軽量化を図ることもできる。
また、本発明に係る製造方法は、Tダイを使用した共
押出しであるので、最外層、下層の夫々の層厚の調整も
容易であり、更に最外層の層厚は、これより厚い下層と
共押出しすることで、極めて薄く形成することができ、
無機充填剤配合の効果を顕著に発揮する層厚1〜5μm
に調整することもできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 道雄 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−110475(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状支持体の少なくともその片側表面
    に2層以上の熱可塑性合成樹脂が積層されており、その
    合成樹脂層の中の最外層の合成樹脂層に無機充填剤20〜
    80重量%が含有されていると共に、この最外層が下層の
    合成樹脂層より層厚が薄く形成されており、且つ下層の
    合成樹脂層に実質的に無機充填剤が含有されていないこ
    とを特徴とする印刷性良好で低帯電性の積層シート。
  2. 【請求項2】最外層の熱可塑性合成樹脂層に無機充填剤
    30〜70重量%が含有され、更にその無機充填剤が主とし
    て炭酸カルシウムと二酸化チタンとからなり、且つ両者
    の比率が重量基準で80:20〜60:40であることを特徴とす
    る請求項1に記載の積層シート。
  3. 【請求項3】最外層の層厚が1〜5μmであることを特
    徴とする請求項1または2に記載の積層シート。
  4. 【請求項4】無機充填剤を20〜80重量%含有させた溶融
    状態の熱可塑性樹脂と、無機充填剤を含有させない熱可
    塑性樹脂とを、Tダイ内で前者の樹脂が後者の樹脂より
    層厚が薄く、且つ後者の樹脂がシート状支持体の表面に
    接する側に位置するように積層しながらTダイから2層
    のフィルム状に押し出してシート状支持体の表面に積層
    接着することを特徴とする積層シートの製造方法。
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