JP2754100B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents
太陽電池の製造方法Info
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- JP2754100B2 JP2754100B2 JP3186204A JP18620491A JP2754100B2 JP 2754100 B2 JP2754100 B2 JP 2754100B2 JP 3186204 A JP3186204 A JP 3186204A JP 18620491 A JP18620491 A JP 18620491A JP 2754100 B2 JP2754100 B2 JP 2754100B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/546—Polycrystalline silicon PV cells
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、太陽電池の構造に関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、太陽から発せられた光エネル
ギーを電気エネルギーに変換して取出し得る太陽電池は
知られている。以下に、従来の太陽電池の一例としてB
SF(Back Surface Field)型太陽
電池について図を参照して説明する。図11は、BSF
型太陽電池の斜視図を示している。図11に示すよう
に、P型シリコン基板4上にはN型不純物領域3が形成
されており、N型不純物領域3上にはシリコン酸化膜2
が形成されている。このシリコン酸化膜2上にはチタン
酸化膜1が形成されている。
ギーを電気エネルギーに変換して取出し得る太陽電池は
知られている。以下に、従来の太陽電池の一例としてB
SF(Back Surface Field)型太陽
電池について図を参照して説明する。図11は、BSF
型太陽電池の斜視図を示している。図11に示すよう
に、P型シリコン基板4上にはN型不純物領域3が形成
されており、N型不純物領域3上にはシリコン酸化膜2
が形成されている。このシリコン酸化膜2上にはチタン
酸化膜1が形成されている。
【0003】そして、前記のシリコン酸化膜2およびチ
タン酸化膜1を貫通し、N型不純物領域3に接続されて
いる受光面側電極7が形成されている。P型シリコン基
板4の裏面には、高濃度のP型不純物領域5が形成され
ており、P型不純物領域5の下には裏面電極6が形成さ
れている。上記の構造を有する太陽電池に光が入射する
と、半導体結晶内に自由電子と正孔とが発生する。そし
て、半導体層中のPN接合等の電位障壁により、自由電
子はN型不純物領域3へ移動し、正孔はP型シリコン基
板4へと移動する。
タン酸化膜1を貫通し、N型不純物領域3に接続されて
いる受光面側電極7が形成されている。P型シリコン基
板4の裏面には、高濃度のP型不純物領域5が形成され
ており、P型不純物領域5の下には裏面電極6が形成さ
れている。上記の構造を有する太陽電池に光が入射する
と、半導体結晶内に自由電子と正孔とが発生する。そし
て、半導体層中のPN接合等の電位障壁により、自由電
子はN型不純物領域3へ移動し、正孔はP型シリコン基
板4へと移動する。
【0004】それにより、N型不純物領域3側はマイナ
スに帯電し、P型シリコン基板4との間に電位差が生じ
る。これが光の入射によって生じた起電力である。その
結果、図11に示すように、N型不純物領域3に接続さ
れている受光面側電極7の極性はマイナスとなり、P型
シリコン基板4に接続されている裏面電極6の極性はプ
ラスとなる。
スに帯電し、P型シリコン基板4との間に電位差が生じ
る。これが光の入射によって生じた起電力である。その
結果、図11に示すように、N型不純物領域3に接続さ
れている受光面側電極7の極性はマイナスとなり、P型
シリコン基板4に接続されている裏面電極6の極性はプ
ラスとなる。
【0005】次に前述のBSF型太陽電池の製造工程の
第1工程〜第7工程について、図を参照して説明する。
図12に示すように、P型シリコン基板4をRCA洗浄
等により洗浄する。その後、図13に示すように、水酸
化ナトリウム、イソプロピルアルコール等を用いて選択
性エッチングを行なうことにより、テキスチャ構造の表
面形状を得る。その後、図14に示すように、熱拡散法
を用いて不純物をドーピングすることによりP型シリコ
ン基板4上にN型不純物領域3を形成する。
第1工程〜第7工程について、図を参照して説明する。
図12に示すように、P型シリコン基板4をRCA洗浄
等により洗浄する。その後、図13に示すように、水酸
化ナトリウム、イソプロピルアルコール等を用いて選択
性エッチングを行なうことにより、テキスチャ構造の表
面形状を得る。その後、図14に示すように、熱拡散法
を用いて不純物をドーピングすることによりP型シリコ
ン基板4上にN型不純物領域3を形成する。
【0006】その後、図15に示すように、N型不純物
領域3上に熱酸化法を用いてシリコン酸化膜2を形成
し、そのシリコン酸化膜2上に、熱CVD法を用いてチ
タン酸化膜1を形成する。その後、図16に示すよう
に、P型シリコン基板4の裏面全面にAlペーストを焼
成することによりP型高濃度不純物領域5および裏面電
極6を形成する。その後、図17に示すように、チタン
酸化膜1上に、パターニング印刷を用いてAgペースト
7aを所定のパターンに形成する。その後、図18に示
すように、高温で焼成することにより、Agペースト7
aを、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2を貫通さ
せ、N型不純物領域3と接続させる。これにより、受光
面側電極7が形成される。
領域3上に熱酸化法を用いてシリコン酸化膜2を形成
し、そのシリコン酸化膜2上に、熱CVD法を用いてチ
タン酸化膜1を形成する。その後、図16に示すよう
に、P型シリコン基板4の裏面全面にAlペーストを焼
成することによりP型高濃度不純物領域5および裏面電
極6を形成する。その後、図17に示すように、チタン
酸化膜1上に、パターニング印刷を用いてAgペースト
7aを所定のパターンに形成する。その後、図18に示
すように、高温で焼成することにより、Agペースト7
aを、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2を貫通さ
せ、N型不純物領域3と接続させる。これにより、受光
面側電極7が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
工程を経て形成される太陽電池は以下に述べる問題点を
有していた。
工程を経て形成される太陽電池は以下に述べる問題点を
有していた。
【0008】受光面側電極7材料としては、通常Agペ
ーストが用いられる。そして、上述の方法により、受光
面側電極7が形成される。しかし、この方法を用いる
と、焼成温度の違いによりAgペーストの貫通の度合が
著しく異なる。すなわち、焼成温度が高い場合には、A
gペーストは、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2
を貫通した後、N型不純物領域3の中深くまで侵入し、
PN接合にまで達する場合もある。焼成温度が低い場合
には、Agペーストの貫通が不十分になり、Agペース
トとN型不純物領域3との接続が不十分になる。
ーストが用いられる。そして、上述の方法により、受光
面側電極7が形成される。しかし、この方法を用いる
と、焼成温度の違いによりAgペーストの貫通の度合が
著しく異なる。すなわち、焼成温度が高い場合には、A
gペーストは、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2
を貫通した後、N型不純物領域3の中深くまで侵入し、
PN接合にまで達する場合もある。焼成温度が低い場合
には、Agペーストの貫通が不十分になり、Agペース
トとN型不純物領域3との接続が不十分になる。
【0009】それにより、焼成温度が高くAgペースト
がPN接合にまで達した場合は、PN接合の特性が得ら
れなくなり、開放電圧の低下、短絡電流の低下といった
太陽電池の性能特性が劣化するという問題が生じる。ま
た、焼成温度が低くAgペーストがN型不純物領域3ま
で到達しない場合は、Agペーストが電極としての役割
を果たせず、太陽電池に生じる起電力を十分に取出すこ
とができない。そのため、太陽電池の性能を評価する曲
線因子(FF:Fill Factor)の値が低下す
るという問題が生じる。
がPN接合にまで達した場合は、PN接合の特性が得ら
れなくなり、開放電圧の低下、短絡電流の低下といった
太陽電池の性能特性が劣化するという問題が生じる。ま
た、焼成温度が低くAgペーストがN型不純物領域3ま
で到達しない場合は、Agペーストが電極としての役割
を果たせず、太陽電池に生じる起電力を十分に取出すこ
とができない。そのため、太陽電池の性能を評価する曲
線因子(FF:Fill Factor)の値が低下す
るという問題が生じる。
【0010】図9は、焼成温度(Firing Tem
perature)を種々の値に変化させたときの曲線
因子(FF)の値および開放電圧(Voc)の値を示し
たものである。これにより、焼成温度が高くなるにつれ
て開放電圧の値が下がっているのがわかる。また曲線因
子に関しては、焼成温度が低い場合に値が小さくなって
いる。ここで開放電圧、短絡電流、曲線因子について説
明する。動作状態にある太陽電池の両電極を開放する
と、PN接合で生成したキャリアの移動に伴うフェルミ
準位の差が生じる。このフェルミ準位の差に対応する電
位が開放電圧である。
perature)を種々の値に変化させたときの曲線
因子(FF)の値および開放電圧(Voc)の値を示し
たものである。これにより、焼成温度が高くなるにつれ
て開放電圧の値が下がっているのがわかる。また曲線因
子に関しては、焼成温度が低い場合に値が小さくなって
いる。ここで開放電圧、短絡電流、曲線因子について説
明する。動作状態にある太陽電池の両電極を開放する
と、PN接合で生成したキャリアの移動に伴うフェルミ
準位の差が生じる。このフェルミ準位の差に対応する電
位が開放電圧である。
【0011】そして、太陽電池の両電極を短絡した回路
に流れる入射光量に比例した光起電流を短絡電流とい
う。開放電圧と短絡電流の積は太陽電池の理想電力値で
あり、その値に対し実際に取出し得る電力の割合を表わ
すのが曲線因子である。よって、開放電圧、短絡電流、
曲線因子の値は大きい方が太陽電池の特性は優れている
ことになる。
に流れる入射光量に比例した光起電流を短絡電流とい
う。開放電圧と短絡電流の積は太陽電池の理想電力値で
あり、その値に対し実際に取出し得る電力の割合を表わ
すのが曲線因子である。よって、開放電圧、短絡電流、
曲線因子の値は大きい方が太陽電池の特性は優れている
ことになる。
【0012】上記の図9に示された焼成温度上昇に伴う
開放電圧の低下は、前述のAgペーストのPN接合部へ
の侵入が影響していると考えられる。この対策として
は、N型不純物領域3の厚みを増す方法が考えられる。
しかし、N型不純物領域3を厚くした場合、N型不純物
領域3が薄い場合よりN型不純物領域3内でのキャリア
の発生量は多くなるが、ここで発生したキャリアは取出
せないので結局光の損失となる。すなわち、N型不純物
領域を厚くすることにより、光吸収損失が大きくなり、
それにより短絡電流の値は低下する。したがって、N型
不純物領域3の厚みを厚くすることは、太陽電池特性を
劣化させるということになる。
開放電圧の低下は、前述のAgペーストのPN接合部へ
の侵入が影響していると考えられる。この対策として
は、N型不純物領域3の厚みを増す方法が考えられる。
しかし、N型不純物領域3を厚くした場合、N型不純物
領域3が薄い場合よりN型不純物領域3内でのキャリア
の発生量は多くなるが、ここで発生したキャリアは取出
せないので結局光の損失となる。すなわち、N型不純物
領域を厚くすることにより、光吸収損失が大きくなり、
それにより短絡電流の値は低下する。したがって、N型
不純物領域3の厚みを厚くすることは、太陽電池特性を
劣化させるということになる。
【0013】一方、受光面側電極7材料としてAgペー
ストを用いず、焼成が不要なAgを用いることも考えら
れる。しかし、このAgを用いる場合には、まず、N型
不純物領域3上における受光面側電極7形成部を露出さ
せるために、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2を
エッチングする工程が必要である。そして、そのエッチ
ング後に、Agを受光面全面に被膜させ、それをパター
ニングしなければならない。また、銀の膜形成には一般
に真空蒸着法が用いられるので、この方法を用いる場合
は、真空装置を用いなければならなくなる。そのため、
工程が煩雑になり生産性が著しく低下する。
ストを用いず、焼成が不要なAgを用いることも考えら
れる。しかし、このAgを用いる場合には、まず、N型
不純物領域3上における受光面側電極7形成部を露出さ
せるために、チタン酸化膜1およびシリコン酸化膜2を
エッチングする工程が必要である。そして、そのエッチ
ング後に、Agを受光面全面に被膜させ、それをパター
ニングしなければならない。また、銀の膜形成には一般
に真空蒸着法が用いられるので、この方法を用いる場合
は、真空装置を用いなければならなくなる。そのため、
工程が煩雑になり生産性が著しく低下する。
【0014】この発明は上記の課題を解決するためにな
されたものであり、受光面側電極形成時に受光面側電極
材料が半導体層中のPN接合部に侵入するのを防止する
ことにより、開放電圧の低下をもたらすことなく曲線因
子を向上させ得る太陽電池を提供することを目的とす
る。
されたものであり、受光面側電極形成時に受光面側電極
材料が半導体層中のPN接合部に侵入するのを防止する
ことにより、開放電圧の低下をもたらすことなく曲線因
子を向上させ得る太陽電池を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に基づく太陽電
池の製造方法は、以下の各工程を備える。PN接合を有
する半導体層上に、原子間の結合力が大きい化合物から
なる導電性膜を形成する。導電性膜を覆うように半導体
層上に酸化膜を形成する。酸化膜上に受光面側電極材料
を形成する。受光面側電極材料を焼成することにより酸
化膜を貫通して上記導電性膜に達する受光面側電極を形
成する。
池の製造方法は、以下の各工程を備える。PN接合を有
する半導体層上に、原子間の結合力が大きい化合物から
なる導電性膜を形成する。導電性膜を覆うように半導体
層上に酸化膜を形成する。酸化膜上に受光面側電極材料
を形成する。受光面側電極材料を焼成することにより酸
化膜を貫通して上記導電性膜に達する受光面側電極を形
成する。
【0016】
【作用】この発明によれば、受光面側電極と半導体層と
の界面に、原子間の結合力が大きい化合物からなり受光
面側電極材料の半導体層への侵入を防止するための導電
性膜が形成される。この「受光面側電極材料の侵入を防
止するための導電性膜」とは、受光面側電極材料のマイ
グレーションが小さくかつ原子間の結合力が強いという
条件を満足する導電性膜であると解釈するべきである。
よって、受光面側電極形成時に、この導電性膜により、
受光面側電極材料が半導体層中に侵入するのを防止でき
る。また、導電性膜は、上述のように原子間の結合力の
強い化合物により構成されるので、導電性膜材料自体が
半導体層中に侵入することも防止できる。
の界面に、原子間の結合力が大きい化合物からなり受光
面側電極材料の半導体層への侵入を防止するための導電
性膜が形成される。この「受光面側電極材料の侵入を防
止するための導電性膜」とは、受光面側電極材料のマイ
グレーションが小さくかつ原子間の結合力が強いという
条件を満足する導電性膜であると解釈するべきである。
よって、受光面側電極形成時に、この導電性膜により、
受光面側電極材料が半導体層中に侵入するのを防止でき
る。また、導電性膜は、上述のように原子間の結合力の
強い化合物により構成されるので、導電性膜材料自体が
半導体層中に侵入することも防止できる。
【0017】
【実施例】以下に、この発明に基づく実施例について図
を参照して説明する。図1〜図8は、この発明に基づく
太陽電池の製造工程の第1〜第8工程を示す断面図であ
る。図1に示すように、RCA洗浄等を用いてP型シリ
コン基板14を洗浄する。次に、図2に示すように、水
酸化ナトリウム、イソプロピルアルコール等を用いてウ
ェットエッチングを行なうことにより、P型シリコン基
板14の受光面をテキチャー構造の表面形状とする。そ
の後、図3に示すように、熱拡散法を用い、不純物をド
ーピングすることによりN型不純物領域13を形成す
る。
を参照して説明する。図1〜図8は、この発明に基づく
太陽電池の製造工程の第1〜第8工程を示す断面図であ
る。図1に示すように、RCA洗浄等を用いてP型シリ
コン基板14を洗浄する。次に、図2に示すように、水
酸化ナトリウム、イソプロピルアルコール等を用いてウ
ェットエッチングを行なうことにより、P型シリコン基
板14の受光面をテキチャー構造の表面形状とする。そ
の後、図3に示すように、熱拡散法を用い、不純物をド
ーピングすることによりN型不純物領域13を形成す
る。
【0018】次に、図4に示すように、熱CVD法を用
いることにより、N型不純物領域13上にSnO2 膜1
8を形成し、その後、塩素系のエッチング溶液を用いて
ウェットエッチングを行なうことにより、パターニング
を行なう。このSnO2 膜18の形成条件の一例を表1
に示す。SnO2 膜18に要求される特性としては、比
抵抗が小さくしかも受光面側電極材料とのマイグレーシ
ョンが小さいことである。この実施例の場合、受光面側
電極材料としてはAgペーストを用いるので、Ag原子
のマイグレーションが小さいことがSnO2 膜18に要
求されることになる。SnO2 膜18の膜厚は、抵抗を
考慮すると薄い方が良く、Agのマイグレーションの観
点からすれば厚い方が良いといえる。また、SnO2 膜
の幅は、受光面側電極7の幅に応じて決定される。
いることにより、N型不純物領域13上にSnO2 膜1
8を形成し、その後、塩素系のエッチング溶液を用いて
ウェットエッチングを行なうことにより、パターニング
を行なう。このSnO2 膜18の形成条件の一例を表1
に示す。SnO2 膜18に要求される特性としては、比
抵抗が小さくしかも受光面側電極材料とのマイグレーシ
ョンが小さいことである。この実施例の場合、受光面側
電極材料としてはAgペーストを用いるので、Ag原子
のマイグレーションが小さいことがSnO2 膜18に要
求されることになる。SnO2 膜18の膜厚は、抵抗を
考慮すると薄い方が良く、Agのマイグレーションの観
点からすれば厚い方が良いといえる。また、SnO2 膜
の幅は、受光面側電極7の幅に応じて決定される。
【0019】
【表1】
【0020】図10は、CVD温度に対するSnO2 膜
18の比抵抗率の値の変化を示す図である。これによれ
ば、500℃〜600℃の温度範囲でSnO2 膜18を
形成した場合、5×10-4Ωcmの比抵抗の膜が得られ
ている。仮に膜厚を5μmとしても、その部分での単位
面積(cm2 )当りの抵抗成分は2.5×10-7Ωとな
る。この値は、太陽電池特性にはほとんど影響を与えな
い程度の値であるので、前述の温度範囲で形成されるS
nO2 膜18の抵抗成分に関しては、実用的にはほとん
ど問題はないといえる。
18の比抵抗率の値の変化を示す図である。これによれ
ば、500℃〜600℃の温度範囲でSnO2 膜18を
形成した場合、5×10-4Ωcmの比抵抗の膜が得られ
ている。仮に膜厚を5μmとしても、その部分での単位
面積(cm2 )当りの抵抗成分は2.5×10-7Ωとな
る。この値は、太陽電池特性にはほとんど影響を与えな
い程度の値であるので、前述の温度範囲で形成されるS
nO2 膜18の抵抗成分に関しては、実用的にはほとん
ど問題はないといえる。
【0021】SnO2 膜18の形成後、図5に示すよう
に、SnO2 膜18を含む受光面全面に、熱酸化法を用
いることにより、シリコン酸化膜12を形成する。この
シリコン酸化膜12の膜厚は、約200Åが最適であ
る。その後、シリコン酸化膜12上にチタン酸化膜11
を形成する。このチタン酸化膜11の膜厚は、約400
Åが最適である。その後、図6に示すように、P型シリ
コン基板14の裏面に、Alペーストを焼成することに
より裏面電極16を形成する。このとき、裏面電極16
形成と同時にP型の高濃度不純物領域15が形成され
る。
に、SnO2 膜18を含む受光面全面に、熱酸化法を用
いることにより、シリコン酸化膜12を形成する。この
シリコン酸化膜12の膜厚は、約200Åが最適であ
る。その後、シリコン酸化膜12上にチタン酸化膜11
を形成する。このチタン酸化膜11の膜厚は、約400
Åが最適である。その後、図6に示すように、P型シリ
コン基板14の裏面に、Alペーストを焼成することに
より裏面電極16を形成する。このとき、裏面電極16
形成と同時にP型の高濃度不純物領域15が形成され
る。
【0022】その後、図7に示すように、チタン酸化膜
11上に、Agペースト17aを印刷により所定のパタ
ーンに形成する。このとき形成されるAgペースト17
aの幅は、約100〜200μmであり、厚さは約20
μmである。そして、このAgペースト17aは、前述
のSnO2 膜18上に位置するように形成されなければ
ならないが、この場合のSnO2 膜18に対するAgペ
ースト17aの位置決めは、目視等で行なわれており、
厳格な精度は問われていない。Agペースト17aやS
nO2 膜18の幅を考慮した場合、位置決めによるずれ
が太陽電池に与える影響はそれほど大きなものとならな
いと考えられるからである。よって、SnO2 膜18の
幅は、Agペースト17aの幅に合わせて約100〜2
00μmの幅に形成されている。
11上に、Agペースト17aを印刷により所定のパタ
ーンに形成する。このとき形成されるAgペースト17
aの幅は、約100〜200μmであり、厚さは約20
μmである。そして、このAgペースト17aは、前述
のSnO2 膜18上に位置するように形成されなければ
ならないが、この場合のSnO2 膜18に対するAgペ
ースト17aの位置決めは、目視等で行なわれており、
厳格な精度は問われていない。Agペースト17aやS
nO2 膜18の幅を考慮した場合、位置決めによるずれ
が太陽電池に与える影響はそれほど大きなものとならな
いと考えられるからである。よって、SnO2 膜18の
幅は、Agペースト17aの幅に合わせて約100〜2
00μmの幅に形成されている。
【0023】その後、図8に示すように、Agペースト
を、825℃で焼成することにより、チタン酸化膜11
およびシリコン酸化膜12を貫通させ、受光面側電極1
7を形成する。このとき、受光面側電極17とN型不純
物領域13との界面に、受光面側電極材料としてのAg
のマイグレーションの小さいSnO2膜18が形成され
ているので、受光面側電極材料のAgがN型不純物領域
13に侵入するのを防止することが可能となる。ここ
で、前述のSnO2 膜18を備え、その膜厚を種々に変
化させた(100Å、300Å、500Å)太陽電池と
SnO2 膜18を備えない太陽電池について、その特性
を比較した結果を表2に示す。
を、825℃で焼成することにより、チタン酸化膜11
およびシリコン酸化膜12を貫通させ、受光面側電極1
7を形成する。このとき、受光面側電極17とN型不純
物領域13との界面に、受光面側電極材料としてのAg
のマイグレーションの小さいSnO2膜18が形成され
ているので、受光面側電極材料のAgがN型不純物領域
13に侵入するのを防止することが可能となる。ここ
で、前述のSnO2 膜18を備え、その膜厚を種々に変
化させた(100Å、300Å、500Å)太陽電池と
SnO2 膜18を備えない太陽電池について、その特性
を比較した結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2中、Voc(mv)は開放電圧であ
り、FF(%)は曲線因子である。表2に示されている
ように、SnO2 膜18の膜厚が300Å以上であれ
ば、上記の825℃の温度でのAgのマイグレーション
はほぼ完全に抑えられることがわかる。
り、FF(%)は曲線因子である。表2に示されている
ように、SnO2 膜18の膜厚が300Å以上であれ
ば、上記の825℃の温度でのAgのマイグレーション
はほぼ完全に抑えられることがわかる。
【0026】なお、上述の実施例においては、受光面側
電極材料として、Agペーストを用いたが、Niペース
ト、Cuペースト等を用いてもよい。また、導電性膜と
しては、InO2 ・SnO2 の混合物、CdO、Zn
O、BP、BN、AlN、CaN、TaN等を用いても
よい。また、半導体基板にN型のものを用いてもよい。
ただし、その場合は、不純物領域の導電形式も半導体基
板の導電形式に対応させて変えなければならない。ま
た、半導体基板材料としては、単結晶シリコン、多結晶
シリコン等を用いてもよい。
電極材料として、Agペーストを用いたが、Niペース
ト、Cuペースト等を用いてもよい。また、導電性膜と
しては、InO2 ・SnO2 の混合物、CdO、Zn
O、BP、BN、AlN、CaN、TaN等を用いても
よい。また、半導体基板にN型のものを用いてもよい。
ただし、その場合は、不純物領域の導電形式も半導体基
板の導電形式に対応させて変えなければならない。ま
た、半導体基板材料としては、単結晶シリコン、多結晶
シリコン等を用いてもよい。
【0027】
【効果】この発明によれば、焼成という容易な手法によ
って受光面側電極を形成する際に、受光面側電極材料の
みならず導電性膜材料が半導体層中に侵入するのを防止
することができる。それにより、受光面側電極材料や導
電性膜材料が半導体層中に侵入してPN接合に悪影響を
及ぼすことを防止できる。その結果、開放電圧の低下を
もたらすことなく曲線因子の改善を図ることが可能とな
る。
って受光面側電極を形成する際に、受光面側電極材料の
みならず導電性膜材料が半導体層中に侵入するのを防止
することができる。それにより、受光面側電極材料や導
電性膜材料が半導体層中に侵入してPN接合に悪影響を
及ぼすことを防止できる。その結果、開放電圧の低下を
もたらすことなく曲線因子の改善を図ることが可能とな
る。
【図1】この発明に基づく実施例の製造工程の第1工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】この発明に基づく実施例の製造工程の第2工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】この発明に基づく実施例の製造工程の第3工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】この発明に基づく実施例の製造工程の第4工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図5】この発明に基づく実施例の製造工程の第5工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図6】この発明に基づく実施例の製造工程の第6工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図7】この発明に基づく実施例の製造工程の第7工程
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図8】この発明に基づく実施例を示す断面図である。
【図9】焼成温度(Firing Temperatu
re)に対する曲線因子(FF)および開放電圧(Vo
c)の関係を示す図である。
re)に対する曲線因子(FF)および開放電圧(Vo
c)の関係を示す図である。
【図10】CVD温度とSnO2 膜の比抵抗率の関係を
示す図である。
示す図である。
【図11】従来のBSF型太陽電池の斜視図である。
【図12】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第1工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図13】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第2工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図14】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第3工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図15】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第4工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図16】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第5工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図17】従来のBSF型太陽電池の製造工程の第6工
程を示す断面図である。
程を示す断面図である。
【図18】図11におけるA−A線に沿って見た断面を
示す図である。
示す図である。
1、11 チタン酸化膜 2、12 シリコン酸化膜 3、13 N型不純物領域 4、14 P型半導体基板 5、15 P型高濃度不純物領域 6、16 裏面電極 7、17 受光面側電極 18 SnO2 膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横沢 雄二 大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャー プ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−74583(JP,A) 特開 平1−307277(JP,A) 特開 平2−298078(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04 - 31/078
Claims (1)
- 【請求項1】 PN接合を有する半導体層上に、原子間
の結合力が大きい化合物からなる導電性膜を形成する工
程と、 前記導電性膜を覆うように前記半導体層上に酸化膜を形
成する工程と、 前記酸化膜上に受光面側電極材料を形成する工程と、 前記受光面側電極材料を焼成することにより前記酸化膜
を貫通して前記導電性膜に達する受光面側電極を形成す
る工程と、 を備えた、太陽電池の製造方法。
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---|---|---|---|
JP3186204A JP2754100B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 太陽電池の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3186204A JP2754100B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 太陽電池の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0529639A JPH0529639A (ja) | 1993-02-05 |
JP2754100B2 true JP2754100B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=16184199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3186204A Expired - Fee Related JP2754100B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 太陽電池の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2754100B2 (ja) |
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KR100416740B1 (ko) * | 1997-02-17 | 2004-05-17 | 삼성전자주식회사 | 후면 부분소결형 실리콘 태양전지의 제조방법 |
JP4989042B2 (ja) * | 2005-06-09 | 2012-08-01 | 信越半導体株式会社 | 太陽電池用基板の製造方法 |
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KR20110105382A (ko) | 2008-12-10 | 2011-09-26 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 스크린 프린팅 패턴 정렬을 위한 향상된 비젼 시스템 |
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US9224517B2 (en) | 2011-04-07 | 2015-12-29 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Paste composition for electrode and photovoltaic cell |
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JP5768455B2 (ja) * | 2011-04-14 | 2015-08-26 | 日立化成株式会社 | 電極用ペースト組成物及び太陽電池素子 |
JP2013149815A (ja) * | 2012-01-20 | 2013-08-01 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 太陽電池及びその製造方法 |
JP2015144126A (ja) * | 2015-02-16 | 2015-08-06 | 日立化成株式会社 | 電極用ペースト組成物及び太陽電池素子 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6074583A (ja) * | 1983-09-30 | 1985-04-26 | Toshiba Corp | 太陽電池の製造方法 |
JPH01307277A (ja) * | 1988-06-04 | 1989-12-12 | Nippon Mining Co Ltd | 太陽電池の製造方法 |
-
1991
- 1991-07-25 JP JP3186204A patent/JP2754100B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0529639A (ja) | 1993-02-05 |
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