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JP2751344B2 - β―シクロデキストリン硫酸エステル塩の精製方法 - Google Patents

β―シクロデキストリン硫酸エステル塩の精製方法

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Publication number
JP2751344B2
JP2751344B2 JP6125489A JP6125489A JP2751344B2 JP 2751344 B2 JP2751344 B2 JP 2751344B2 JP 6125489 A JP6125489 A JP 6125489A JP 6125489 A JP6125489 A JP 6125489A JP 2751344 B2 JP2751344 B2 JP 2751344B2
Authority
JP
Japan
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cyclodextrin
alkali metal
sulfate
salt
reaction
Prior art date
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Application number
JP6125489A
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泰彦 川野
浩大 桝屋
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は抗炎症作用,免疫賦活作用,抗補体活性,抗
腫瘍作用等の生理活性を示すβ−シクロデキストリン硫
酸エステルアルカリ金属塩の精製方法に関する。
〔従来技術及び発明が解決しようとする課題〕
β−シクロデキストリン硫酸エステルアルカリ金属塩
の精製方法としては、例えば、USP 2,923,704にβ−シ
クロデキストリンヘニコサ硫酸エステルピリジニウム塩
を含有する反応溶液にメチルアルコールを加えてその塩
を析出させ、これを水に溶解し、ついで酢酸ナトリウム
水を加えて塩交換し、これにエチルアルコールを加えて
目的のβ−シクロデキストリンヘニコサ硫酸エステルナ
トリウム塩を析出させ、精製する方法が記載されてい
る。またUSP 4,020,160にはβ−シクロデキストリンポ
リ硫酸エステル塩(トリエチルアンモニウム塩等)の反
応溶媒にアセトン,又はメタノール等を加えてその塩を
析出させ、これを水,酢酸ナトリウム水とエチルアルコ
ールとの混合溶媒から精製する方法が記載されている。
しかしこれらの方法はいずれも大量の溶媒が必要であ
り、析出物の粒度が細かくろ取が困難であるなど単離が
容易でなく、また取り扱いやすく純度のよい目的物を得
るためには極めて複雑な処理を必要とするなどの欠点を
有している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はβ−シクロデキストリン硫酸エステルアルカ
リ金属塩を含有する反応液を濃縮乾固し、濃縮物を水に
溶解しこの水溶液を親水性溶媒と混合して目的物を析出
させることを特徴とするβ−シクロデキストリン硫酸エ
ステルアルカリ金属塩の精製方法に関する。
本発明の精製方法で用いられるβ−シクロデキストリ
ン硫酸エステルアルカリ金属塩は、β−シクロデキスト
リンの水酸基の少なくとも1個が硫酸エステルアルカリ
金属塩となっていればよい。好ましい具体例を挙げれ
ば、例えばβ−シクロデキストリンモノ硫酸エステルア
ルカリ金属塩,ヘプタ硫酸エステルアルカリ金属塩,テ
トラデカ硫酸エステルアルカリ金属塩またはヘニコサ硫
酸エステルアルカリ金属塩などである。このうち好まし
くは、β−シクロデキストリンテトラデカ硫酸エステル
アルカリ金属塩である。
β−シクロデキストリン硫酸エステルアルカリ金属塩
のアルカリ金属としては、好ましくはナトリウム,カリ
ウムが用いられる。
本発明方法に供されるβ−シクロデキストリン硫酸エ
ステルアルカリ金属塩の反応液は公知方法もしくはこれ
に類似する方法、または下記に詳細に記載する方法によ
り製造することができる。
以下本発明精製方法を各工程ごとに説明する。
濃縮乾固工程 本工程はβ−シクロデキストリン硫酸エステルアルカ
リ金属塩を含有する反応液を減圧下または常圧下に濃縮
することにより行われる。減圧度は好ましくは約0.01か
ら500mmHg、さらに好ましくは約0.1から100mmHgであ
る。温度は約0から100℃、好ましくは約10から50℃で
ある。
濃縮乾固に要する時間は溶媒量,温度等によっても異
なるが、一般に約1から24時間程度である。
本工程では反応溶媒や液体状の反応試薬、または反応
により生じる液体状の副生成物をできるだけ除去し、乾
固状態にすることが重要である。
目的物の析出工程 濃縮物は溶媒などの液体をできるだけ除去した固体状
のものが用いられる。この濃縮物は水に溶解した後、こ
の濃縮物の水溶液を親水性溶媒に加えるか、または濃縮
物の水溶液に親水性溶媒を加えることにより行われる。
親水性溶媒としては、例えばメチルアルコール,エチ
ルアルコール,プロピルアルコールなどのアルコール
類、アセトン,メチルエチルケトンなどのケトン類、ア
セトニトリルなどのニトリル類、ジオキサン,テトラヒ
ドロフランなどのエーテル類が用いられる。好ましく
は、アルコール類である。特に好ましくはエチルアルコ
ールである。
本工程は十分にかきまぜながら行うのが好ましい。
濃縮物を溶解するために用いられる水の量は、濃縮物
に対して約2から100重量倍、好ましくは約5から20重
量倍である。
親水性溶媒は濃縮物を溶解するために用いられる水の
量に対して、約1から10容量倍、好ましくは約1.5から
5容量倍用いる。
温度は約0から50℃、好ましくは約10から30℃であ
る。
濃縮物の水溶液と親水性溶媒とをかきまぜながら混合
すると直ちに取り扱いやすいガム状もしくは粉末状の析
出物が生じる。この析出物を傾斜法,濾過などの通常の
分類方法により分離、採取する。
しかしながら、析出物としてガム状物質が得られると
きは上記した親水性溶媒中で細粉化(トリチュレイト)
することにより精製してもよく、さらに上記と同様にし
て水に溶解し、この水溶液を上記した親水性溶媒と混合
し、粉末状の目的物を析出させることにより精製しても
よい。
β−シクロデキストリン硫酸エステルアルカリ金属塩
を含有する反応液は、公知方法(例、USP 2,923,704ま
たはUSP 4,020,160に記載の方法)または自体公知の方
法により製造される。
例えば、β−シクロデキストリンをスルホン化剤でス
ルホン化し、必要により塩交換反応に付すことによりβ
−シクロデキストリン硫酸エステルアルカリ金属塩を含
有する反応液が得られる。
β−シクロデキストリンのスルホン化剤としては、三
酸化硫黄ピリジン錯塩,三酸化硫黄トリメチルアミン錯
塩,三酸化硫黄トリエチルアミン錯塩,三酸化硫黄ジメ
チルホルムアミド錯塩等の無水硫酸−有機アミン錯体、
またはクロルスルホン酸が用いられる。
無水硫酸−有機アミン錯体は、通常β−シクロデキス
トリンの無水グリコール単位あたり約3から5倍モルを
用いる。
反応は溶媒中で行なわれる。溶媒はジメチルホルムア
ミド,ジメチルスルホキシド,ピリジンまたはヘキサメ
チルホスホルアミド等が用いられる。溶媒の使用量はβ
−シクロデキストリンに対して約10から50重量倍が好ま
しい。
反応温度は、約40から80℃である。反応時間は約5か
ら24時間である。
クロルスルホン酸を用いる場合、有機3級アミン
(例、ピリジン,トリエチルアミン)の存在下に行なわ
れる。例えばピリジン中クロルスルホン酸を用いる場合
にはβ−シクロデキストリンに対しピリジンは約15から
25重量倍を用いる。クロルスルホン酸はβ−シクロデキ
ストリンの無水グルコース単位当り約3から5倍モルを
用いる。反応に際しては、まずピリジンを約−10から−
20℃に冷却する。ついで同温度でクロルスルホン酸を加
えたのち、70℃に加温し均一溶液とする。ついでβ−シ
クロデキストリンを加え約40から80℃で約5から24時間
かくはん下反応させる。
ついでこの溶液を酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウ
ム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩交
換試薬と処理(塩交換反応)することによりβ−シクロ
デキストリン硫酸エステルアルカリ金属塩を含有する反
応液が得られる。塩交換試薬は、用いたスルホン化剤の
約2から4倍モル用いる。この塩交換反応は通常含水溶
媒中でおこなわれる。反応温度は約10から50℃,好まし
くは室温(約20から30℃)である。通常室温で約1から
10時間かきまぜると塩交換反応は終了する。この際、含
水溶媒中で1時間かきまぜると、β−シクロデキストリ
ンの1級水酸基の硫酸エステルのみが加水分解されたβ
−シクロデキストリンテトラデカ硫酸エステルアルカリ
金属塩を含有する溶液が得られる。
この場合、β−シクロデキストリンをスルホン化剤で
スルホン化して得られる溶液からβ−シクロデキストリ
ンの硫酸エステル有機アミン塩を一旦単離し、ついで上
記した塩交換試薬と処理し、β−シクロデキストリン硫
酸エステルアルカリ金属塩を含有する反応液を得てもよ
い。
β−シクロデキストリン硫酸エステル有機アミン塩を
析出させるためには、スルホン化反応に用いた溶液と同
容量の溶媒、例えば、エーテル,アセトン,メチレンク
ロリド,エチルアルコール,メチルアルコールなどを加
えるとよい。析出したβ−シクロデキストリンの硫酸エ
ステル有機アミン塩は通常の単離,精製法で採取したの
ち、上記した塩交換反応試薬と処理(塩交換反応)する
ことによりβ−シクロデキストリン硫酸エステルアルカ
リ金属塩を含有する溶液を得ることができる。塩交換試
薬の量は使用したスルホン化剤の約2から4倍モルが適
当である。
この塩交換反応は通常水溶媒中でおこなわれる。通常
室温で約1から10時間かきまぜる。この際、水中で1時
間かきまぜると、β−シクロデキストリンの1級水酸基
の硫酸エステルのみが加水分解されたβ−シクロデキス
トリンテトラデカ硫酸エステルアルカリ金属塩を含有す
る溶液が得られる。
以下実施例を示し、本発明の精製方法を具体的に説明
する。
〔実施例〕
実施例1 β−シクロデキストリンテトラデカ硫酸エス
テルナトリウム塩 (a) β−シクロデキストリン5gをジメチルホルムア
ミド250mlに溶解し、70℃でかきまぜながら三酸化硫黄
トリメチルアミン錯塩15gを5分間で加えたのち、同温
度で16時間かきまぜた。冷却後、エタノール250mlを加
え、デカンテーションにより不溶物を得、不溶物は少量
のエタノールで洗浄した。残渣を水250mlに溶解し不溶
物をろ去,ろ液に30w/v%酢酸ソーダ水溶液75mlを加
え、室温で1時間かきまぜた。
(b) 上記で得られるβ−シクロデキストリンテトラ
デカ硫酸エステルナトリウム塩を含有する反応液を減圧
下(20〜25mmHg)に〜60℃の湯浴上で濃縮乾固した。濃
縮物を水75mlに溶解し、エタノール150mlを加え析出す
るガム状固形物をデカンテーションして採取し、さらに
エタノール30mlを加えて粉末化後、ろ取,乾燥すると無
色粉末状の標記化合物10.3gが得られた。
元素分析値 C42H56O77S14Na14として 計算値:C 19.68; H 2.20; S 17.51(%) 実測値:C 20.67; H 3.40; S 16.29(%) ▲[α]22 D▼+83.5゜(c=1.55,水) 含水量 1.5w/w%(カールフィッシャー法) 実施例2 β−シクロデキストリンテトラデカ硫酸エス
テルナトリウム塩 (a) ピリジン140mlを−20℃に冷却し、かきまぜな
がらクロルスルホン酸22mlを徐々に滴下後、加温して均
一溶液としたのち、β−シクロデキストリン5.6gを加
え、70℃で15時間反応させた。冷却後、エタノール500m
lを加えデカンテーションし、ピリジニウム塩をエタノ
ールで洗浄した。残渣を水250mlに溶解、ろ過したのち
ろ液に30w/v%酢酸ソーダ水溶液75mlを加え室温で1時
間かきまぜた。
(b) β−シクロデキストリンテトラデカ硫酸エステ
ルナトリウム塩を含有する反応液を減圧下(60℃,20〜2
5mmHg)に濃縮乾固する。残渣に水80mlを加えて溶解
し、エタノール160mlを加え析出する固形物をデカンテ
ーションにより得、さらにエタノール40mlを加えて粉末
化後、ろ取乾燥すると無色粉末状の標記化合物11.7gが
得られた。
元素分析値 C42H56O77S14Na14として 計算値:C 19.68; H 2.20; S 17.51(%) 実測値:C 21.07; H 3.56; S 15.95(%) ▲[α]22 D▼+84.2゜(c=1.225,水) 含水量 1.4w/w%(カールフィッシャー法) 〔発明の効果〕 本発明の精製方法は、操作法が簡単で、析出物の単離
も容易かつ純度のよいβ−シクロデキストリン硫酸エス
テルアルカリ金属塩が得られる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−シクロデキストリン硫酸エステルアル
    カリ金属塩を含有する反応液を濃縮乾固し、濃縮物を水
    に溶解しこの水溶液を親水性溶媒と混合して目的物を析
    出させることを特徴とするβ−シクロデキストリン硫酸
    エステルアルカリ金属塩の精製方法。
JP6125489A 1988-03-18 1989-03-13 β―シクロデキストリン硫酸エステル塩の精製方法 Expired - Lifetime JP2751344B2 (ja)

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