JP2740452B2 - 歯付きベルト及びその製造方法 - Google Patents
歯付きベルト及びその製造方法Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16G—BELTS, CABLES, OR ROPES, PREDOMINANTLY USED FOR DRIVING PURPOSES; CHAINS; FITTINGS PREDOMINANTLY USED THEREFOR
- F16G1/00—Driving-belts
- F16G1/28—Driving-belts with a contact surface of special shape, e.g. toothed
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
ト、特に、自動車用エンジンのカム軸駆動用歯付ベルト
及びその製造方法に関する。
に、芯線、すなわち、抗張体12を中心にして歯部14
と背部16からなる。歯部14は歯ゴム18からなり、
背部16は背ゴム20からなる。歯の形成される方を歯
面側とすると、歯面側はポリアミド(ナイロン)等から
なる歯布22で被覆されている。
ーボン等の充填剤を含むゴム糊で含浸処理したもの、又
は、レゾルシノールとホルムアルデヒドとの反応物と各
種ラテックス(ビニール・ピリジン・スチレン・ブタジ
エン・ラテックス、クロロプレン・ラテックス、ニトリ
ルブタジエン・ラテックス等)との混合液(以下、「R
FL液」という。)で含浸処理したものが使用されてい
る。
ム軸駆動という用途は歯付きベルトの一利用例である
が、近年のエンジン高出力化に伴い、歯付きベルトの使
用される環境が高温になり、また伝動負荷が大きくなっ
てきている。そして、自動車は、各家庭の必需品となる
傾向にあり、また、その自動車は高級化の傾向にもあ
る。このような状況の下、メンテナンスフリー化が社会
的に要望されている。歯付きベルトは自動車の一部品で
あり、このような社会的要望に応えるものでなければな
らない。すなわち、従来の歯付きベルトよりも、更に寿
命に長いものが望まれている。そのため、歯ゴム及び背
ゴムのゴム材質の改善、抗張体の材質の改善によって前
記社会的要望への対応がなされている。
ベルトの故障の原因を究明することが重要である。故障
の原因としては、ベルトの切断とベルトの歯欠けが最も
多い。本発明は、故障の原因のうち、ベルトの歯欠け性
を改善することを目的とするものである。
歯布の耐摩耗性を向上させる手段と、歯布の耐熱性を向
上させる手段とがある。歯布の耐摩耗性を向上させる具
体的な手段としては、歯布の単位面積当りの繊維量を向
上させる手段と、歯布に使用される繊維の耐摩耗性を向
上させる手段等がある。歯布の耐熱性を向上させる具体
的な手段としては、水添加ニトリル(以下、「HSN」
という。)ゴムに対応させて、処理剤をHSNのゴム糊
にする手段等がある。
付きベルトにおいてどのように進行するかについて研究
を行った。処理剤の有無が耐摩耗性とどのような関係に
あるかを確認するために、まず、処理剤を全く使用しな
いポリアミド製歯布で歯面を被覆した歯付きベルトを評
価したことろ、数分〜数十分で歯面が毛羽立ち、歯布が
綿状になって歯欠けが生じた。この結果から、歯布は、
処理剤で処理されることにより、歯ゴムに接着されるの
みならず、その処理剤によって保護され且つ結束されて
密度が維持されるものと考えられる。これによって、ベ
ルト歯面の耐摩耗性が向上し、歯欠け性が維持され、耐
久性が改善される。
いう事実がわかった。歯付きベルトがプーリに接触する
とき歯布が僅かに摩耗するが、歯布の摩耗に伴ってその
歯布の表面に処理剤の粉が存在することになる。処理剤
の粉は、歯付きベルトがプーリと接触するときに研磨剤
として働く。耐摩耗性を向上させるために処理剤に充填
剤を混合すると、その充填剤は逆の作用、すなわち、歯
布の摩耗を進行させることになる。特に、粉が硬い場合
には摩耗は急速に進行する。
歯布の処理剤に特定の構成のものを使用することによ
り、歯付きベルトの耐摩耗性を改善し、そして歯欠け寿
命を向上させることにある。
に歯布が被覆された歯付きベルトにおいて、前記歯布
に、RFL液による含浸処理層と、該RFL液含浸処理
層上にポリマーに対して10 phr以下のカーボンを含有
するゴム糊による含浸処理層を形成した歯付きベルトに
より前記課題を解決した。なお、前記RFL液の前記歯
布への固形分付着量を前記歯布に対して3〜20重量%
とし、前記ゴム糊の前記歯布への固形分付着量を前記歯
布に対して6〜18重量%とすることが望ましい。
液の固形分付着量は歯布に対して3〜20重量%とす
る。その後、歯布はポリマーに対して10 phr以下のカ
ーボンを含有するゴム糊で含浸処理される。ゴム糊の固
形分付着量は歯布に対して6〜18重量%とする。歯布
には、RFL液による含浸処理層と、その上のゴム糊に
よる含浸処理層が形成される。その後、歯ゴムの歯面に
該歯布が被覆される。歯付きベルトがプーリに接触する
とき、歯布は摩耗に曝される。摩耗は、主として、ゴム
糊含浸処理層において生じる。ゴム糊のカーボンの含有
量が10 phr以下に抑えられており、歯付きベルトとプ
ーリとの接触時にカーボンの摩耗粉が歯面に存在して
も、その摩耗粉は研磨剤として働くことが少なく、歯布
の摩耗が低減される。
は、抗張体12を中心にして歯部14と背部16からな
り、歯面側を歯布22で被覆されている。歯布22は、
RFL液で含浸処理された後、ゴム糊で含浸処理され
る。なお、含浸処理とは、RFL液又はゴム糊を含浸さ
せること、及び、RFL液又はゴム糊を乾燥させること
等を含む。この結果、RFL液による含浸処理層と、ゴ
ム糊による含浸処理層が形成される。また、歯部14を
歯布22で被覆する前に、歯部14の歯ゴムと同種のゴ
ム糊、例えば、カーボンを30 phr以上含むゴム糊を塗
布することもある。このゴム糊には、イソシアネート、
エポキシ等の接着剤を含めることができる。
混合したものである。表1はRFL液の調製例を示して
いる。
比率で混合し、それに水酸化ナトリウムと精製水を加え
たものである。L液は、カルボキシル変性ニトリルブタ
ジエンラバーラテックスとカルボキシル変性水素添加ニ
トリルブタジエンラバーラテックスとを一定比率で混合
してそれにアンモニアと精製水を加えたもの、又は、カ
ルボキシル変性ニトリルブタジエンラバーラテックスに
アンモニアと精製水を加えたもの、ビニール・ピリジン
・スチレン・ブタジエン・ラバーラテックスにアンモニ
アと精製水を加えたものである。
マーに対して所定量のカーボンを充填剤として含有する
ものである。カーボンの含有量が重要であり、本発明で
は、その含有量はポリマーに対して10 phr以下であ
る。なお、 phrとはポリマー100部に対するカーボン
の料を表し、part handred rubber の略である。従っ
て、カーボン10 phrとはポリマー100部に対して1
0部のカーボンを意味する。
例11〜16及び従来例21〜24をそれぞれ示してい
る。
トを評価した。図2は、歯布の歯面の摩耗量を測定する
ための試験機の概略を示す。図3は、歯付きベルトに張
力を与えて歯欠け寿命を測定する試験機を示す。表3の
下欄は、接着力、強度保持率、摩耗量及び歯欠け寿命の
試験結果を示している。実験は、以下の事柄を裏付けて
いる。
布をゴム糊で含浸処理しただけの歯付きベルトは、接着
力、強度保持率、摩耗量及び歯欠け寿命に劣り、到底使
用に耐え得るものではない。
することにより、歯布をRFL液で含浸処理しただけの
歯付きベルトは、摩耗量が多く及び歯欠け寿命も短い。
これにより、歯布をゴム糊で含浸処理することで歯布が
保護され、耐摩耗性の改善及び歯欠け寿命の向上が図ら
れる。
2及び比較例13を比較すると、図4乃至図6に示され
るように、歯布をRFL液で含浸処理することに加えて
ゴム糊で含浸処理しても、ゴム糊のカーボン含有量が多
くなると、摩耗量が多くなるとともに歯欠け寿命も短く
なる。この結果から、歯布をRFL液で含浸処理した
後、さらにゴム糊で含浸処理しても、ゴム糊のカーボン
含有量が30 phr以上になると、逆に摩耗量が増加し、
歯欠け寿命が低下することになる。以上の結果から、カ
ーボン含有量はポリマーに対して10 phr以下にするこ
とが、摩耗量低減に有効な手段となる。特に、歯欠け寿
命の向上のためには、カーボンをなくすることが望まし
い。
と、比較例11及び比較例14を比較することにより、
図7乃至図9に示されるように、RFL液の付着量がな
い場合は到底使用に耐えることができない。しかし、実
施例3に示されるように、付着量は歯布に対して3重量
%程度あれば十分に摩耗を低減する効果及び寿命を向上
させる効果が現われる。一方、比較例14に示されるよ
うに、付着量が歯布に対して30重量%に達すると逆に
その効果は劣る。従って、RFL液の固形分付着量は、
歯布に対して3〜20重量%の範囲であることがよく、
実施例1及び実施例4から10重量%程度であることが
好ましい。
と、比較例15及び比較例16、従来例21を比較する
ことにより、図10乃至図12に示されるように、ゴム
の付着量がない場合(従来例21)は前述の通りである
が、少なくとも6重量%あれば実施例5に示されるよう
に摩耗性及び歯欠け寿命は維持できる。しかし、2重量
%になると、比較例15の如く摩耗が多くなり及び歯欠
け寿命も劣る。また、実施例6に示されるように、18
重量%までであれば摩耗量及び歯欠け寿命は許容できる
範囲であるが、比較例16に示されるように22重量%
に達すると摩耗量及び歯欠け寿命とも劣る。従って、ゴ
ム糊の固形分付着量は、歯布に対して6重量%以上18
重量%以下にすることがよい。付着量は8〜11重量%
であることが好ましく、10重量%であることが特に好
ましい。
2及び従来例23を比較すると、RFL液の種類に関わ
らず、RFL液による歯布の含浸処理後にカーボンを含
まないゴム糊で処理することが摩耗性の改善及び耐歯欠
け寿命の向上に寄与していることがわかる。
布に、RFL液による含浸処理層と、該RFL液含浸処
理層上にポリマーに対して10 phr以下のカーボンを含
有するゴム糊による含浸処理層を形成したので、歯付き
ベルトとプーリとの接触によって発生する比較的硬いR
FL液の固形分の摩耗粉が歯付きベルトの歯面に介在す
ることが少なくなって歯布の摩耗が低減され、歯布の耐
摩耗性の向上、ひいては歯付きベルトの寿命の向上を図
ることができる。ゴム糊のカーボン含有量をポリマーに
対して10 phr以下に抑えたので、摩耗によって発生す
るゴム糊の固形分が研磨剤として歯布を摩耗させること
が少なく、歯布の摩耗量の低減及び歯欠け寿命の向上を
図ることができた。この場合、カーボンの含有量をなく
することが特に好ましい。
た歯布を有する歯付きベルトについて図2の試験機に基
づいて行われた摩耗量を示すグラフ。
た歯布を有する歯付きベルトについて図3の試験機に基
づいて行われた歯欠け寿命を示すグラフ。
た歯布を有する歯付きベルトについて図3の試験機に基
づいて行われた歯欠け寿命を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図2の試験機に基づいて行われ
た摩耗量を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図3の試験機に基づいて行われ
た歯欠け寿命を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図3の試験機に基づいて行われ
た歯欠け寿命を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図2の試験機に基づいて行われ
た摩耗量を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図3の試験機に基づいて行われ
た歯欠け寿命を示すグラフ。
る歯付きベルトについて図3の試験機に基づいて行われ
た歯欠け寿命を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 歯ゴムの歯面に歯布が被覆された歯付き
ベルトにおいて、前記歯布に、RFL液による含浸処理
層と、該RFL液含浸処理層上にポリマーに対して10
phr以下のカーボンを含有するゴム糊による含浸処理層
を形成し、前記RFL液の前記歯布への固形分付着量を
前記歯布に対して3〜20重量%とし、前記ゴム糊の前
記歯布への固形分付着量を前記歯布に対して6〜18重
量%としたことを特徴とする、歯付きベルト。 - 【請求項2】 歯ゴムの歯面に歯布が被覆された歯付き
ベルトを製造する方法であって、 前記歯布をRFL液で含浸処理して前記歯布に対して固
形分を3〜20重量%付着させた後、該歯布をポリマー
に対して10 phr以下のカーボンを含有するゴム糊で含
浸処理して前記歯布に対して固形分を6〜18重量%付
着させ、前記歯ゴムの歯面に該歯布を被覆する、ことか
らなる歯付きベルトの製造方法。
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