JP2636380B2 - ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高子組成物 - Google Patents
ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高子組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規なハロゲン化ビス(4−フェノキシフ
ェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高分子組成物
に関し、更に詳しくは一般式[I] (式[I]中、Xはハロゲン原子を表し、a,dは1〜5
の数,b,cは1〜4の数)で表されるハロゲン化ビス(4
−フェノキシフェニル)エーテル(以下HPPEと略す)お
よびそれを含む難燃性高分子組成物に関するものであ
る。
ェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高分子組成物
に関し、更に詳しくは一般式[I] (式[I]中、Xはハロゲン原子を表し、a,dは1〜5
の数,b,cは1〜4の数)で表されるハロゲン化ビス(4
−フェノキシフェニル)エーテル(以下HPPEと略す)お
よびそれを含む難燃性高分子組成物に関するものであ
る。
本発明の化合物HPPEは、高分子材料の難燃剤として有
用な化合物である。
用な化合物である。
[従来の技術] 今日、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン
のごとき可燃性樹脂を難燃化する目的でこれらの樹脂中
へ種々の難燃剤を混入することが行われている。
のごとき可燃性樹脂を難燃化する目的でこれらの樹脂中
へ種々の難燃剤を混入することが行われている。
難燃剤としては、各種の含ハロゲン系難燃剤、含リン
系難燃剤、含リン含ハロゲン系難燃剤、無機化合物が知
られている。
系難燃剤、含リン含ハロゲン系難燃剤、無機化合物が知
られている。
しかし一般にこれら難燃剤は、耐熱性に欠点のあるも
のが多く、高分子の成型加工時に難燃剤の熱分解により
成型加工機の腐蝕を引き起こす等の欠点を有していた。
のが多く、高分子の成型加工時に難燃剤の熱分解により
成型加工機の腐蝕を引き起こす等の欠点を有していた。
またこれら難燃剤は、樹脂との相溶性に乏しく、低分
子量体であるものが多く、樹脂配合組成物で長期使用中
に樹脂表面にブルームしたり、あるいは高温で揮散する
ことがあり、そのために樹脂の難燃特性に変化を生ずる
傾向がある。
子量体であるものが多く、樹脂配合組成物で長期使用中
に樹脂表面にブルームしたり、あるいは高温で揮散する
ことがあり、そのために樹脂の難燃特性に変化を生ずる
傾向がある。
[発明が解決しようとする問題点] 近年、エンジニアリングプラスチックスに代表される
高耐熱高分子が開発されるに従い、高分子の加工および
使用温度も上昇してきている。それらの耐熱性高分子を
難燃化するには、高分子が加工,使用される温度におい
ても、熱的に安定な難燃剤が必要となる。
高耐熱高分子が開発されるに従い、高分子の加工および
使用温度も上昇してきている。それらの耐熱性高分子を
難燃化するには、高分子が加工,使用される温度におい
ても、熱的に安定な難燃剤が必要となる。
また射出成型等の加工時に、難燃剤のマイグレーショ
ンが起こり、金型被覆を引き起こしたり、成型体の長期
使用時に樹脂表面に難燃剤がブルームを起こす事のない
高性能な難燃剤が望まれている。
ンが起こり、金型被覆を引き起こしたり、成型体の長期
使用時に樹脂表面に難燃剤がブルームを起こす事のない
高性能な難燃剤が望まれている。
本発明の目的は特に耐熱性、耐マイグレーション性に
優れた難燃剤を提供することにある。
優れた難燃剤を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記事情に鑑み、各種化合物を合成
し、耐熱性、耐マイグレーション性に優れた難燃剤とし
て好適に使用し得る新規化合物について鋭意検討した結
果、特定のハロゲン含有化合物がかかる条件を満足する
ことを見出だし、本発明に到達したのである。
し、耐熱性、耐マイグレーション性に優れた難燃剤とし
て好適に使用し得る新規化合物について鋭意検討した結
果、特定のハロゲン含有化合物がかかる条件を満足する
ことを見出だし、本発明に到達したのである。
すなわち本発明は一般式[I] (式[I]中、Xはハロゲン原子を表し、a,dは1〜5
の数,b,cは1〜4の数)で表されるHPPEおよびそれを含
む難燃性高分子組成物に関するものである。
の数,b,cは1〜4の数)で表されるHPPEおよびそれを含
む難燃性高分子組成物に関するものである。
本発明のHPPEは、前記一般式[I]で示される化学構
造式を有する新規化合物で、後述するようなハロゲン含
有率、融点及び赤外吸収スペクトルを示す。
造式を有する新規化合物で、後述するようなハロゲン含
有率、融点及び赤外吸収スペクトルを示す。
一般式中のXはハロゲン原子を表し、塩素、または臭
素であるが、同一分子内で塩素と臭素が混在してもよ
い。
素であるが、同一分子内で塩素と臭素が混在してもよ
い。
本発明の一般式[I]で表される化合物の具体例をあ
げると、テトラブロモビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル、ペンタブロモビス(4−フェノキシフェニ
ル)エーテル、ヘキサブロモビス(4−フェノキシフェ
ニル)エーテル、ヘプタブロモビス(4−フェノキシフ
ェニル)エーテル、オクタブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、ノナブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、デカブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、ウンデカブロモビス(4−フェノ
キシフェニル)エーテル、ドデカブロモビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテル、トリデカブロモビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル、テトラデカブロモビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ペンタデカブロ
モビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ヘキサデ
カブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ヘ
プタデカブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテ
ル、オクタデカブロモビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル等の臭素化合物やテトラクロロビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテル、ペンタクロロビス(4−フ
ェノキシフェニル)エーテル、ヘキサクロロビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル、ヘプタクロロビス(4
−フェノキシフェニル)エーテル、オクタクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ノナクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、デカクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ウンデカクロロ
ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ドデカクロ
ロビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、トリデカ
クロロビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、テト
ラデカクロロビス(4−フェノキシフェニル)エーテ
ル、ペンタデカクロロビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル、ヘキサデカクロロビス(4−フェノキシフェ
ニル)エーテル、ヘプタデカクロロビス(4−フェノキ
シフェニル)エーテル、オクタデカクロロビス(4−フ
ェノキシフェニル)エーテル等の塩素化合物であり、こ
れらの混合物でもよい。
げると、テトラブロモビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル、ペンタブロモビス(4−フェノキシフェニ
ル)エーテル、ヘキサブロモビス(4−フェノキシフェ
ニル)エーテル、ヘプタブロモビス(4−フェノキシフ
ェニル)エーテル、オクタブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、ノナブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、デカブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテル、ウンデカブロモビス(4−フェノ
キシフェニル)エーテル、ドデカブロモビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテル、トリデカブロモビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル、テトラデカブロモビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ペンタデカブロ
モビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ヘキサデ
カブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ヘ
プタデカブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテ
ル、オクタデカブロモビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル等の臭素化合物やテトラクロロビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテル、ペンタクロロビス(4−フ
ェノキシフェニル)エーテル、ヘキサクロロビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル、ヘプタクロロビス(4
−フェノキシフェニル)エーテル、オクタクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ノナクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、デカクロロビス
(4−フェノキシフェニル)エーテル、ウンデカクロロ
ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、ドデカクロ
ロビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、トリデカ
クロロビス(4−フェノキシフェニル)エーテル、テト
ラデカクロロビス(4−フェノキシフェニル)エーテ
ル、ペンタデカクロロビス(4−フェノキシフェニル)
エーテル、ヘキサデカクロロビス(4−フェノキシフェ
ニル)エーテル、ヘプタデカクロロビス(4−フェノキ
シフェニル)エーテル、オクタデカクロロビス(4−フ
ェノキシフェニル)エーテル等の塩素化合物であり、こ
れらの混合物でもよい。
次に、本発明のHPPEの製造は、ビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテルを適当な触媒の存在下、臭素,臭素
化剤,塩素,塩素化剤等のハロゲン化試剤によりハロゲ
ン化することにより達成できる。ハロゲン化度は、ハロ
ゲン化試剤の量やルイス酸触媒の種類によりコントロー
ルできる。
フェニル)エーテルを適当な触媒の存在下、臭素,臭素
化剤,塩素,塩素化剤等のハロゲン化試剤によりハロゲ
ン化することにより達成できる。ハロゲン化度は、ハロ
ゲン化試剤の量やルイス酸触媒の種類によりコントロー
ルできる。
本発明の新規化合物により難燃性を改良される高分子
化合物としては、特に制限されるものではないが、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩
化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチ
レン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グ
ラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピ
レン−グラフト塩化ビニル共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリエチレン−グラフト塩化ビニル共重合
体、ポリスチレン、ABS、アクリル系樹脂、ポリメチル
メタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂またはエ
ラストマー、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂な
どの熱硬化性樹脂およびブチルゴル、クロロプレインゴ
ム、ニトリルゴム、天然ゴム、シリコンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポ
リエステル−エーテルエラストマーなどが例示される。
これらの高分子は一種単独で用いても、二種以上を併用
してもよい。
化合物としては、特に制限されるものではないが、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ塩
化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチ
レン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−グ
ラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート−グラフト塩化ビニル共重合体、エチレン−プロピ
レン−グラフト塩化ビニル共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリエチレン−グラフト塩化ビニル共重合
体、ポリスチレン、ABS、アクリル系樹脂、ポリメチル
メタクリレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂またはエ
ラストマー、不飽和ポリエステル、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂な
どの熱硬化性樹脂およびブチルゴル、クロロプレインゴ
ム、ニトリルゴム、天然ゴム、シリコンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポ
リエステル−エーテルエラストマーなどが例示される。
これらの高分子は一種単独で用いても、二種以上を併用
してもよい。
本発明の難燃剤の添加量は、それぞれの対象高分子化
合物によっても異なるが、通常高分子化合物100重量部
に対して1重量部以上、好ましくは1〜100重量部程度
が適当である。
合物によっても異なるが、通常高分子化合物100重量部
に対して1重量部以上、好ましくは1〜100重量部程度
が適当である。
本発明の難燃剤の高分子化合物への添加方法は任意で
あり特に規定されないが、例えば高分子と難燃剤を共に
チップ状で、もしくは粉末状で混合する方法、その混合
物を溶融成型する方法、あるいは高分子と難燃剤をそれ
ぞれ溶液状態にしたあと混合し、ついで貧溶媒で再沈さ
せたり、溶媒を蒸発せしめる方法等があげられる。
あり特に規定されないが、例えば高分子と難燃剤を共に
チップ状で、もしくは粉末状で混合する方法、その混合
物を溶融成型する方法、あるいは高分子と難燃剤をそれ
ぞれ溶液状態にしたあと混合し、ついで貧溶媒で再沈さ
せたり、溶媒を蒸発せしめる方法等があげられる。
また本発明の新規化合物を難燃剤として利用する場
合、難燃効果を高める目的で三酸化アンチモン等の難燃
助剤や他の公知の難燃剤を併用してもよい。また酸化防
止剤、着色剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、帯電防
止剤等の公知の添加剤も併用することができる。
合、難燃効果を高める目的で三酸化アンチモン等の難燃
助剤や他の公知の難燃剤を併用してもよい。また酸化防
止剤、着色剤、紫外線吸収剤、安定剤、充填剤、帯電防
止剤等の公知の添加剤も併用することができる。
[発明の効果] 本発明の新規化合物は、高分子化合物に対して優れた
難燃性を付与する。また耐熱性に優れており、5%の加
熱重量減温度は390℃以上であり殆どの高分子化合物へ
適用でき、成型加工時の熱分解や蒸発揮散は認められな
い。
難燃性を付与する。また耐熱性に優れており、5%の加
熱重量減温度は390℃以上であり殆どの高分子化合物へ
適用でき、成型加工時の熱分解や蒸発揮散は認められな
い。
また成型加工後、高分子表面への本化合物のブルーム
は認められないため、長期に亘って安定した難燃特性を
発現できる。
は認められないため、長期に亘って安定した難燃特性を
発現できる。
[実施例] 以下実施例によりさらに説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
限定されるものではない。
(実施例1) オクタデカブロモビス(4−フェノキシフェニル)エー
テルの合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した200ml丸底フラスコに、臭素69.3g,1,2−ジ
クロロエタン40mlおよび塩化アルミニウム0.4gを入れ、
50℃に加熱し撹拌した。次にこの臭素溶液にビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル4.26gを1.2−ジクロロエ
タン80mlに溶解した液を2.3時間にわたり滴下した。続
いて反応液を昇温し、臭素還流下で2.5時間熟成を行っ
た。
テルの合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した200ml丸底フラスコに、臭素69.3g,1,2−ジ
クロロエタン40mlおよび塩化アルミニウム0.4gを入れ、
50℃に加熱し撹拌した。次にこの臭素溶液にビス(4−
フェノキシフェニル)エーテル4.26gを1.2−ジクロロエ
タン80mlに溶解した液を2.3時間にわたり滴下した。続
いて反応液を昇温し、臭素還流下で2.5時間熟成を行っ
た。
反応終了後、室温まで冷却し水80mlを添加し、加熱す
ることにより臭素、1,2−ジクロロエタンを留去した。
ることにより臭素、1,2−ジクロロエタンを留去した。
冷却後、得られたスラリーを濾過し、水洗を行い、15
0℃で6時間乾燥して、白色固体20.68gを得た。(収率9
7.1%) 下記の分析結果よりオクタデカブロモビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテルであることを確認した。併せ
て、本化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定し
た結果も示す。
0℃で6時間乾燥して、白色固体20.68gを得た。(収率9
7.1%) 下記の分析結果よりオクタデカブロモビス(4−フェ
ノキシフェニル)エーテルであることを確認した。併せ
て、本化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定し
た結果も示す。
元素分析値 実測値(%) 理論値(%) C= 16.31 16.24 H= <0.05 0.00 Br= 81.10 81.05 融点*1 375℃ 質量分析スペクトル Mass(m/e) 1774(M+) 熱重量分析*2 加熱重量減(重量%) 温度(℃) 5 413 10 421 50 450 *1;示差熱分析による *2;分析条件 雰囲気 空気 ガス流量 30.5ml/min 昇温速度 10℃/min 測定温度 室温〜500℃ (実施例2) デカブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテルの
合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した3丸底フラスコに、ジクロロメタン800m
l,ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル90.0gおよ
び鉄粉1.89gを入れ、加熱し撹拌した。40℃加熱還流下
の本溶液に臭素487.6gを7時間にわたり滴下し、その後
同温度で1時間熟成を行った。
合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した3丸底フラスコに、ジクロロメタン800m
l,ビス(4−フェノキシフェニル)エーテル90.0gおよ
び鉄粉1.89gを入れ、加熱し撹拌した。40℃加熱還流下
の本溶液に臭素487.6gを7時間にわたり滴下し、その後
同温度で1時間熟成を行った。
反応終了後、室温まで冷却し水1を添加し、加熱す
ることにより臭素、ジクロロメタンを留去した。
ることにより臭素、ジクロロメタンを留去した。
冷却後、得られたスラリーを濾過し、水洗を行い、ク
ロロホルムで再結晶して、白色固体268.8gを得た。(収
率92.6%) 下記の分析結果よりデカブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテルであることを確認した。併せて、本
化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定した結果
も示す。
ロロホルムで再結晶して、白色固体268.8gを得た。(収
率92.6%) 下記の分析結果よりデカブロモビス(4−フェノキシ
フェニル)エーテルであることを確認した。併せて、本
化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定した結果
も示す。
元素分析値 実測値(%) 理論値(%) C= 25.30 25.21 H= 0.72 0.71 Br= 69.75 69.88 融点 249〜253℃ 質量分析スペクトル Mass(m/e) 1143(M+) 熱重量分析 加熱重量減(重量%) 温度(℃) 5 413 10 432 50 478 (実施例3) オクタブロモビス(4−フェノキシフェニル)エーテル
の合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した1丸底フラスコに、臭素650gと五塩化ア
ンチモン15.19gを入れ、加熱し撹拌した。59℃加熱還流
下の本溶液にビス(4−フェノキシフェニル)エーテル
90.0gをクロロホルム180mlに溶かした液を3時間にわた
り滴下し、その後同温度で1時間熟成を行った。反応終
了後、室温まで冷却し水300mlを添加し、加熱すること
により臭素、クロロホルムを留去した。
の合成 臭化水素トラップ付き冷却コンデンサーおよび撹拌羽
根を装備した1丸底フラスコに、臭素650gと五塩化ア
ンチモン15.19gを入れ、加熱し撹拌した。59℃加熱還流
下の本溶液にビス(4−フェノキシフェニル)エーテル
90.0gをクロロホルム180mlに溶かした液を3時間にわた
り滴下し、その後同温度で1時間熟成を行った。反応終
了後、室温まで冷却し水300mlを添加し、加熱すること
により臭素、クロロホルムを留去した。
冷却後、得られたスラリーを濾過し、水洗を行い、白
色固体249.0gを得た。
色固体249.0gを得た。
下記の分析結果よりオクタブロモビス(4−フェノキ
シフェニル)エーテルであることを確認した。併せて、
本化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定した結
果も示す。
シフェニル)エーテルであることを確認した。併せて、
本化合物の熱安定性を熱重量分析(TGA)で測定した結
果も示す。
元素分析値 実測値(%) 理論値(%) C= 29.45 29.25 H= 0.95 1.02 Br= 64.59 64.86 融点 217〜228℃ 質量分析スペクトル Mass(m/e) 985(M+) 熱重量分析 加熱重量減(重量%) 温度(℃) 5 397 10 418 50 463 (実施例4〜9および比較例1〜2) 実施例1〜3で得られた化合物の難燃剤としての利用例 ポリプロピレン(チッソK7014、耐衝撃グレード)の
ペレットに対して、第一表に示した組成となるように、
配合剤を加えた。尚、下記各例における各成分の配合量
単位は、重量部である。配合物を180℃で12分間混練り
した。
ペレットに対して、第一表に示した組成となるように、
配合剤を加えた。尚、下記各例における各成分の配合量
単位は、重量部である。配合物を180℃で12分間混練り
した。
混練り物を200℃で2分間(プレス(100kg/cm2)し、
30℃の加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し厚さ1及び3
mmのシートに成型した。
30℃の加圧下(100kg/cm2)で5分間冷却し厚さ1及び3
mmのシートに成型した。
得られたシートの機械特性,難燃性をJIS K6758及び
酸素指数測定(JIS K7201)により求めた。
酸素指数測定(JIS K7201)により求めた。
酸素指数法とは、酸素と窒素の調整された混合ガス中
で試料を燃焼させ、ろうそく状の炎をあげて燃える時点
での限界酸素濃度(%)を測定し、その数値を指数とし
て表示する方法である。
で試料を燃焼させ、ろうそく状の炎をあげて燃える時点
での限界酸素濃度(%)を測定し、その数値を指数とし
て表示する方法である。
酸素指数の値が小さいほど燃焼しやすく、値が大きい
ほど燃えにくいということを示す。
ほど燃えにくいということを示す。
またシートを160℃で100時間暴露し、暴露前後の色差
ΔEより耐熱性を評価した。
ΔEより耐熱性を評価した。
さらにシートを25℃で100日間放置後、難燃剤のブル
ームの有無を目視により観察した。得られた結果を第一
表に示す。
ームの有無を目視により観察した。得られた結果を第一
表に示す。
(実施例10) 実施例1で得られた化合物の難燃剤としての利用例 高耐衝撃性ポリスチレン樹脂(出光スチロールHT50)
100重量部に実施例1で得られた化合物15重量部と三酸
化アンチモン5重量部をミキシングロール210℃で練り
込み、230℃で加熱プレス(100kg/cm2)し、厚さ1及び
3mmのシートに成型した。
100重量部に実施例1で得られた化合物15重量部と三酸
化アンチモン5重量部をミキシングロール210℃で練り
込み、230℃で加熱プレス(100kg/cm2)し、厚さ1及び
3mmのシートに成型した。
得られたシートの機械特性,難燃性をJIS K7113及び
酸素指数測定(JIS K7201)により求めた。
酸素指数測定(JIS K7201)により求めた。
またシートを25℃で100日間放置後、難燃剤のブルー
ムの有無を目視により観察した。
ムの有無を目視により観察した。
得られた結果を第二表に示す。
(比較例3,4) 実施例10に準じて、高耐衝撃性ポリスチレン樹脂に難
燃剤を無添加の場合(比較例3)と汎用臭素系難燃剤デ
カブロモジフェニルエーテル(DBDE)を同量配合した場
合(比較例4)について、測定を行った。得られた結果
を第二表に示す。
燃剤を無添加の場合(比較例3)と汎用臭素系難燃剤デ
カブロモジフェニルエーテル(DBDE)を同量配合した場
合(比較例4)について、測定を行った。得られた結果
を第二表に示す。
以上実施例で示した様に、耐熱性、耐マイグレーショ
ン性に優れた難燃剤が得られたことがわかった。
ン性に優れた難燃剤が得られたことがわかった。
第1図〜3図は、それぞれ実施例1〜3の化合物の赤外
吸収スペクトルチャートである。
吸収スペクトルチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式[I] (式[I]中、Xはハロゲン原子を表し、a,dは1〜5
の数,b,cは1〜4の数)で表されるハロゲン化ビス(4
−フェノキシフェニル)エーテル。 - 【請求項2】高分子重合体に一般式[I]で表されるハ
ロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルを配
合することを特徴とする難燃性高分子組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28142588A JP2636380B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高子組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28142588A JP2636380B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高子組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02129137A JPH02129137A (ja) | 1990-05-17 |
JP2636380B2 true JP2636380B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=17638984
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28142588A Expired - Lifetime JP2636380B2 (ja) | 1988-11-09 | 1988-11-09 | ハロゲン化ビス(4−フェノキシフェニル)エーテルおよびそれを含む難燃性高子組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2636380B2 (ja) |
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WO2010093600A1 (en) | 2009-02-13 | 2010-08-19 | Chemtura Corporation | Low molecular weight halogenated aromatic polymers and their use as flame retardants |
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US20110184107A1 (en) | 2010-01-25 | 2011-07-28 | Chemtura Corporation | Flame retardant halogenated phenyl ethers |
WO2013048642A1 (en) | 2011-09-29 | 2013-04-04 | Chemtura Corporation | Flame retardant halogenated phenyl ethers |
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-
1988
- 1988-11-09 JP JP28142588A patent/JP2636380B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JPH02129137A (ja) | 1990-05-17 |
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