[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2616321B2 - 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法 - Google Patents

無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法

Info

Publication number
JP2616321B2
JP2616321B2 JP3322537A JP32253791A JP2616321B2 JP 2616321 B2 JP2616321 B2 JP 2616321B2 JP 3322537 A JP3322537 A JP 3322537A JP 32253791 A JP32253791 A JP 32253791A JP 2616321 B2 JP2616321 B2 JP 2616321B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
ions
tin
absorbance
copper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3322537A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05133903A (ja
Inventor
廣記 内田
元伸 久保
雅之 木曽
輝幸 堀田
徹 上玉利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
C.UYEMURA&CO.,LTD.
Original Assignee
C.UYEMURA&CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by C.UYEMURA&CO.,LTD. filed Critical C.UYEMURA&CO.,LTD.
Priority to JP3322537A priority Critical patent/JP2616321B2/ja
Priority to EP92103372A priority patent/EP0501480B1/en
Priority to DE69219924T priority patent/DE69219924T2/de
Priority to US07/843,199 priority patent/US5294554A/en
Priority to KR1019920003430A priority patent/KR0162905B1/ko
Publication of JPH05133903A publication Critical patent/JPH05133903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2616321B2 publication Critical patent/JP2616321B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種電子部品の電子回
路等、銅又は銅合金からなる素材上に錫、鉛又はこれら
の合金めっきを施す場合に使用される無電解錫、鉛又は
これらの合金めっき浴中の金属イオン濃度を測定する方
法に関し、より具体的には、無電解錫、鉛又はこれらの
合金めっき浴中の銅イオン、鉛イオン及び2価の錫イオ
ンの濃度を正確に定量分析することができ、しかも自動
分析に適した無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、電子部品の回路に半田付け性を付与する方法とし
て、銅又は銅合金からなる回路上に電気めっきにより
錫、鉛又は錫・鉛合金(半田)めっき皮膜を形成するこ
とが行われている。
【0003】しかしながら、近年の電子装置の小型化に
より電子部品及び回路が非常に微細化及び複雑化してお
り、このため電気めっきでは対応し得ない場合もある。
このような場合に無電解めっきによる錫、鉛又は錫・鉛
合金(半田)めっき皮膜の形成が検討されている。
【0004】無電解めっきによる半田付け性の付与とし
ては、無電解錫めっきが実用化されているが、この錫め
っきの場合は一般に薄付けであり、このため液の補給を
行わない使い捨てのバッチ浴によって行われている。こ
れに対して、厚付けを目的とする無電解錫・鉛合金めっ
きの場合や無電解錫又は鉛めっきの場合でも厚付けを目
的とする場合は、連続して一定の析出を維持する必要が
あるため、逐次消費された分の薬剤をめっき浴に補給す
る必要がある。この場合、液補給の方法としては、めっ
き液を分析して消費された金属イオン濃度を測定し、こ
の結果から不足の金属イオン量を算出してその不足分に
見合うだけの薬剤をめっき浴に補給する方法が一般的で
ある。
【0005】ここで、常に一定の析出を得るためには、
連続的な液補給が必要であり、このためめっき浴中の金
属イオン濃度を自動的にモニターすることが求められ
る。しかしながら、無電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき
浴を構成する鉛及び錫は定量分析の困難な元素であり、
これらの測定方法としては以下の方法が知られている
が、これらの方法には種々問題点があり、正確でしかも
自動化に適した分析法が見当らないのが現状である。
【0006】即ち、鉛イオンの分析方法としては、ED
TAによるキレート滴定法、PbSO4を沈殿させて沈
殿物の重量を測定する方法などがあるが、上記キレート
滴定法には、滴定終点の判断が非常に困難で、どうして
も正確性に劣るという欠点があり、また上記重量分析法
には、濾過と乾燥に手間がかかる上、自動化することが
できないという問題点がある。
【0007】また、錫イオンの分析法としては、めっき
液中の4価の錫イオンを還元して2価の錫イオンとして
からこの2価の錫イオンをヨウ素滴定する方法、pH5
付近でのEDTAによるキレート滴定法などがあるが、
上記ヨウ素滴定法には、めっき液中に他の還元性化合物
が含まれている場合には適用できないという問題点があ
り、またキレート滴定法には、上記と同様の欠点があ
る。
【0008】従って、これらの分析法を無電解錫、鉛又
は錫・鉛合金めっき浴の浴管理に適用することは困難で
ある。このため、無電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴
を容易にかつ確実に管理することができる無電解めっき
浴中の金属イオン濃度の分析方法を確立することが望ま
れる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、無電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴の浴中の金属
イオンを容易かつ正確に定量することができ、これら無
電解めっき浴の管理に好適に利用することかできる無電
解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成するため、第1の分析方法として、無電解
錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴からめっき液を分取し、
これに酸化剤を添加して、めっき液中の一価の銅イオン
を二価の銅イオンとし、これを発色させて比色法により
銅イオン濃度を測定することを特徴とする無電解めっき
浴中の金属イオン濃度の分析方法を提供する。
【0011】即ち、本発明者は、銅又は銅合金用無電解
錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴中の金属イオン濃度を分
析する方法について鋭意検討を行った結果、銅又は銅合
金用無電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴においては、
被めっき物の銅又は銅合金の銅分がめっき浴中に溶解す
ると同時に錫、鉛又は錫・鉛合金めっき皮膜が析出形成
されるものであり、従ってめっきの進行につれてめっき
浴中に銅分が蓄積、増加してくるものであるが、この場
合上記溶出銅イオン量と消費される錫及び/又は鉛量と
の間に比例関係が存在し、従って溶出銅イオン濃度の分
析結果に基づいて水溶性錫塩及び/又は水溶性鉛塩を補
給することにより、上記無電解めっき浴の管理を容易か
つ確実に行うことが可能であることを見出した。
【0012】そこで、かかる無電解めっき浴中の銅イオ
ン濃度を簡易にしかも正確に分析する方法を完成するべ
く、自動化が容易で簡便に濃度測定を行うことができる
比色法に着目して検討を進めた結果、無電解錫、鉛又は
錫・鉛合金めっき浴から分取しためっき液に酸化剤を添
加してめっき液中の1価の銅イオンを2価の銅イオンと
し、これを発色剤を用いて発色させ、吸光度測定などに
よる比色法により濃度判定を行うことにより、正確に銅
イオン濃度を分析し得ることを知見し、上記第1の分析
方法を完成したものである。
【0013】また、本発明は、第2の分析方法として、
(1)無電解錫・鉛合金めっき浴からめっき液を分取
し、これに酸化剤を添加して、めっき液中の1価の銅イ
オンを2価の銅イオンとし、これを発色させて比色法に
より銅イオン濃度を測定し、(2)別に分取しためっき
液中にヨウ化物を添加して吸光度を測定し、銅と鉛イオ
ンとの合計吸光度を得ると共に、この測定値から上記
(1)で得た銅イオン濃度より求められる銅イオンによ
る吸光度分を減算して、鉛イオンのみによる吸光度を算
出し、この鉛イオンの吸光度から鉛イオン濃度を得、
(3)更に別に分取しためっき液中にチオ尿素又はその
誘導体を添加して吸光度を測定し、2価の錫イオンと鉛
イオンとの合計吸光度を得ると共に、この測定値から上
記(2)で得た鉛イオン濃度より求められる鉛イオンに
よる吸光度分を減算して、2価の錫イオンのみによる吸
光度を算出し、この2価の錫イオンの吸光度から2価の
錫イオン濃度を得ることにより、めっき浴中の銅イオ
ン、鉛イオン及び2価の錫イオンの濃度を求めることを
特徴とする無電解めっき浴中の金属イオン濃度分析方法
を提供する。
【0014】即ち、本発明者は、上記第1の分析法と並
行して、自動分析に適した吸光度測定による比色分析法
により無電解錫・鉛合金めっき液中の鉛イオン及び錫イ
オン濃度を測定する方法について種々検討を重ねたとこ
ろ、ヨウ化物を添加して吸光度測定を行うことにより、
鉛イオンの濃度を測定し得ること、またチオ尿素又はそ
の誘導体を添加して吸光度測定を行うことにより、鉛イ
オンと2価の錫イオンとの合計吸光度が得られ、この測
定値から上記鉛イオン濃度より求めた鉛イオンによる吸
光分を差し引くことにより、2価の錫イオンのみによる
吸光度を算出することができ、この錫イオンによる吸光
度から2価の錫イオン濃度を正確に測定し得ることを見
出した。
【0015】ところが、稼働中の無電解錫・鉛合金めっ
き浴中の鉛イオン及び2価の錫イオンを上記方法により
測定したところ、正確な測定値を得ることができず、そ
の原因について検討を行った結果、上述したように、銅
又は銅合金素材に無電解錫・鉛合金めっきを行うと、錫
・鉛合金めっき浴中に素材から銅イオンが溶け出してこ
れが蓄積され、この場合めっき液中には銅イオンが主と
して1価の銅イオンとして含有されるが、この銅イオン
が上記ヨウ化物を添加して吸光度測定を行うことによる
鉛イオン濃度の測定時に同時に検出され、従ってこの場
合測定される吸光度は鉛イオン及び銅イオンの合計吸光
度であり、この際の銅イオンによる吸光度分が鉛イオ
ン、錫イオンの定量分析を妨害していることがわかっ
た。
【0016】そこで、この銅イオンによる測定誤差を補
正する方策について更に検討を行ったところ、上記第1
の分析方法によりめっき液中の銅イオン濃度を測定し、
上記吸光度測定による鉛イオン濃度の測定の際に、この
銅イオン濃度から銅イオンによる吸光度分を求め、これ
を得られた吸光度から差し引くことにより鉛イオンのみ
による吸光度を算出し、この吸光度から正確な鉛イオン
濃度を得、更に上記吸光度測定による錫イオン濃度の測
定の際に、この鉛イオン濃度から鉛イオンによる吸光度
分を求め、これを得られた鉛及び錫イオンの合計吸光度
から差し引くことにより錫イオンのみによる吸光度を算
出し、この吸光度から正確な錫イオン濃度を得る第2の
分析方法を発明したものである。
【0017】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明の第1の分析方法は、上述したように、めっ
き液に酸化剤を添加してめっき液中の1価の銅イオンを
2価の銅イオンとし、これを発色させた後、比色法によ
り銅イオン濃度を判定するものである。
【0018】この場合、分析対象となるめっき浴は、無
電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴であり、水溶性錫塩
及び/又は水溶性鉛塩、これらの塩を溶解する酸、及び
チオ尿素を含むものが対象となる。より具体的には、硫
酸第1錫,アルカンスルホン酸第1錫,スルホコハク酸
第1錫等の第1錫塩を錫として1〜50g/L、及び/
又は塩化鉛,アルカンスルホン酸鉛,酢酸鉛,アルカノ
ールスルホン酸鉛等の鉛塩を鉛として0.1〜50g/
L、アルカンスルホン酸,塩酸,アルカノールスルホン
酸,過塩素酸,ホウフッ酸,スルホコハク酸等の酸を1
0〜200g/L、チオ尿素を錯化剤として10〜20
0g/L、更に必要により次亜リン酸又はその水溶性塩
を還元剤として10〜200g/L含有する無電解錫、
鉛又は錫・鉛合金めっき浴が好適に用いられる。
【0019】この本発明の第1の分析方法に使用される
上記酸化剤としては、特に制限されるものではないが、
過酸化水素水,過硫酸塩等の過酸化物や亜塩素酸又はそ
の塩などが好適に使用され、中でも過酸化水素水が特に
好ましい。なお、他の酸化剤、特にそれ自体が着色して
いるものや反応により着色が生じるものは、定量精度を
劣化させるおそれがあり、好ましくない。また、これら
酸化剤の添加量は、めっき液中の1価の銅イオンすべて
を酸化し得る量であり、酸化剤の種類等に応じて適宜選
定される。
【0020】また、無電解錫又は錫・鉛合金めっき浴の
場合は、酸化剤の添加によりめっき液中に沈殿が生じる
場合があり、この沈殿は4価の錫の水酸化物と思われる
が、この場合沈殿の発生を防止するためにシュウ酸、酒
石酸、クエン酸、EDTA及びこれらの塩、トリエタノ
ールアミン等を錯化剤としてめっき液1mL当たり1〜
100g程度添加することができる。
【0021】更に、比色法による2価の銅イオンの濃度
測定は試料を発色させて行う。この場合、発色剤として
は2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン
及びバトフェナントロリン,クプロイン,ネオクプロイ
ン,バトクプロイン等のフェナントロリン誘導体が好適
に使用される。また、色調及び濃淡の比較測定は、視覚
法で行うこともできるが、正確性及び自動化の観点から
吸光度測定法が好ましく採用される。この場合、吸光度
測定を行う波長は使用する発色剤に応じて適宜選定さ
れ、例えば発色剤として2,2’−ビピリジルを用いた
場合は740nm付近、1,10−フェナントロリンを
用いた場合は710nm付近とされる。
【0022】なお、上記測定試料のpHが4未満、特に
pH1未満では、銅イオンの発色が弱くなる傾向にあ
り、またpH11を超えると過酸化水素等の酸化剤が分
解して気泡を生じる場合があり、この気泡が吸光度に影
響することがある。このため、試料のpHは、特に制限
されるものではないが、1〜11、特に4〜11とする
ことが好ましい。この場合、pHの範囲が1〜11と広
いので特にpH調整剤や緩衝剤を必要とすることは少な
いが、pH調整を行う場合、一般に酢酸及びその塩、ヘ
キサエチレンテトラミンやその他のpH4〜11の間の
緩衝剤が好適に使用される。また、吸光度測定は、上記
のように調製した測定試料を適宜希釈して行うことがで
きる。
【0023】次に、本発明の第2の分析方法は、上述し
たように、無電解めっき浴から採取しためっき液から
(1)銅イオン濃度の測定、(2)鉛イオン濃度の測
定、及び(3)錫イオン濃度の測定をそれぞれ比色法に
より行うものである。
【0024】この場合、分析対象となるめっき浴は、無
電解錫・鉛合金めっき液であり、水溶性錫塩及び鉛塩、
これらの塩を溶解する酸、チオ尿素、更に必要に応じて
還元剤を含む無電解錫・鉛合金めっき浴である。なお、
それぞれの成分としては、上記第1分析方法の対象浴と
同様の成分を挙げることができる。
【0025】次いで、上記各金属イオンの測定について
説明するが、(1)の銅イオン濃度の測定については、
上記第1分析法と同様であるので、その説明を省略す
る。 (2)鉛イオン濃度の測定 鉛イオン濃度の測定は、まず無電解錫・鉛合金めっき浴
から分取しためっき液中にヨウ化物を添加して吸光度を
測定することにより、鉛イオンと銅イオンとの合計吸光
度を測定する。
【0026】この場合、ヨウ化物としては、特に制限さ
れるものではないが、KI、NaI等を挙げることがで
きる。なお、これらヨウ化物の添加量は、めっき液1m
Lに対して0.1〜50g、特に0.5〜10g程度と
される。
【0027】また、めっき液に上記ヨウ化物を添加する
と沈殿が生じる場合があるので、これを防止するため錯
化剤を加えることが好ましい。この場合、錯化剤として
はシュウ酸、酒石酸、クエン酸、EDTA、ヒドロキシ
ホスホン酸類及びこれらの塩などが好適に使用され、そ
の添加量はめっき液1mLに対して1〜100g、特に
1〜10g程度とされる。なお、試料のpHは0〜5程
度の酸性にすることが好ましい。
【0028】このように調製した試料を適宜希釈し、吸
光度を測定してめっき液中の鉛イオンと銅イオンとの合
計吸光度を測定するが、この場合の測定波長は、特に限
定されるものではないが、分析精度の観点から340n
m付近で行うことが好ましい。測定波長が340nmか
ら大きく外れると錫イオンやその他の成分の吸光度まで
が検出されるおそれがあり、分析精度が低下する場合が
ある。
【0029】そして、上記(1)の銅イオン濃度の測定
で得た銅イオン濃度から銅イオンによる吸光度分を求
め、これを上記鉛イオンと銅イオンとの合計吸光度から
減算することにより、鉛イオンのみによる吸光度を算出
し、この吸光度から測定試料中、即ち無電解錫・鉛合金
めっき浴中の鉛イオン濃度を求める。このとき、妨害物
質となる銅イオンは1価のものか、2価のものか、ある
いはその両方なのかは不明であるが、銅イオンによる吸
光度分を上記(1)により求めた銅イオン濃度と同濃度
の銅イオンを含み、かつ鉛イオンを含まないめっき液を
調製し、このめっき液に同様のヨウ化物を添加して吸光
度を測定し、銅イオンによる吸光度分を求めることによ
り、問題なく鉛イオンのみによる吸光度を求めることが
できる。 (3)錫イオン濃度の測定 錫イオン濃度の測定は、まず無電解錫・鉛合金めっき浴
から分取しためっき液中にチオ尿素又はその誘導体を添
加して吸光度を測定することにより、2価の錫イオンと
鉛イオンとの合計吸光度を測定する。
【0030】この場合、チオ尿素誘導体としは、ジメチ
ルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジメチロールチオ尿
素、ジフェニルチオ尿素等を例示することができ、また
チオ尿素又はその誘導体の添加量は、めっき液1mLに
対して1〜100g、特に2〜20g程度とされる。な
お、測定試料はHCl等を添加することにより、pH0
〜5に調製することが好ましい。
【0031】このように調製した試料を適宜希釈し、吸
光度を測定して2価の錫イオンと鉛イオンとの合計吸光
度を測定するが、この場合の測定波長は、特に限定され
るものではないが、分析精度の観点から370nm付近
で行うことが好ましい。測定波長が370nmから大き
く外れると銅イオンやその他の成分の吸光度までが検出
されるおそれがあり、分析精度が低下する場合がある。
【0032】そして、上記(2)の鉛イオン濃度の測定
で得た鉛イオン濃度から鉛イオンによる吸光度分を求
め、これを上記2価の錫イオンと鉛イオンとの合計吸光
度から減算することにより、2価の錫イオンのみによる
吸光度を算出し、この吸光度から測定試料中、即ち無電
解錫・鉛合金めっき浴中の2価の錫イオン濃度を求め
る。この場合、鉛イオンによる吸光度分は、上記(2)
により求めた鉛イオン濃度と同濃度の鉛イオンを含み、
かつ錫イオンを含まないめっき液を調整し、このめっき
液に同様のチオ尿素又はその誘導体を添加して吸光度を
測定することにより求めることができる。
【0033】なお、チオ尿素又はその誘導体の添加によ
る発色によって検出される錫イオンは、2価の錫イオン
のみであるが、めっき浴中に含まれる錫イオンはそのほ
とんどが2価のイオンであり、実用上ほとんど問題はな
い。しかし、4価の錫イオンがかなり含まれているとき
やより正確な分析値を必要とする場合には、最初に試料
に還元剤を添加して試料中の4価の錫イオンを2価の錫
イオンにしておくことが好ましい。この場合、好適な還
元剤としては、Znの金属粉末、テトラヒドロホウ素
塩、ヒドラジン及びその塩等が例示される。
【0034】なお、上記第1の分析方法、及び第2の分
析方法の上記(1)〜(3)の各金属イオン濃度測定に
おいて、得られた吸光度から各金属イオン濃度を判定す
る方法は、予め標準サンプルから作成した検量値と比較
する方法が好適に採用される。また、吸光度の測定法
は、特に制限されるものではないが、対象めっき浴から
めっき液を間歇的に採取して測定試料に調製した後、吸
光セルを通過させる方法、対象めっき浴から連続的に取
り出しためっき液流中に上記分析用試薬を注入し、この
液流を吸光セルを通過させて連続的に測定する方法など
が自動化の観点から好ましく採用される。
【0035】本発明の金属イオン濃度の分析方法は、い
ずれも自動化の容易な比色法により無電解めっき浴中の
銅イオン、鉛イオン及び2価の錫イオンの濃度を正確に
測定することができ、無電解めっき浴の浴管理に好適に
採用される。この場合、浴管理の具体的方法としては、
本発明の金属イオン濃度の分析方法により浴中の銅イオ
ン、鉛イオン及び2価の錫イオンの濃度をめっきを行う
度に逐次又は連続的に測定し、これらの測定値をインデ
ィケータとし、補給液を逐次補給法やオートドレイン方
式により補給する方法を挙げることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0037】[実施例1](逐次補給方式) 下記組成のめっき浴を使用し、下記条件で銅製品に対し
て無電解めっきを行いながら、処理量10μm・dm2
/L毎にめっき液をサンプリングし、下記組成の測定試
料1及び2を調製した。この測定試料の吸光度を測定
し、全銅量を定量した。結果を表1に示す。なお、比較
のため原子吸光分析の結果を表1に併記する。浴組成(100L建浴) メタンスルホン酸 50g/L メタンスルホン酸錫 20g/L メタンスルホン酸鉛 13g/L チオ尿素 75g/L 次亜リン酸ナトリウム 80g/L クエン酸 15g/L 塩化ラウリルピリジニウム 5g/L EDTA 3g/L pH 2.0 浴温 80℃測定試料1 めっき液 1mL 酒石酸(400g/L) 10mL 2,2’−ビピリジル 0.2g 35%過酸化水素水 2mL イオン交換水で50mLに希釈し、波長740nmで吸
光度測定測定試料2 めっき液 1mL 酒石酸(400g/L) 10mL 1,10−フェナントロリン 0.2g 35%過酸化水素水 2mL イオン交換水で50mLに希釈し、波長710nmで吸
光度測定
【0038】
【表1】
【0039】表1の結果より、本発明による銅の分析値
は原子吸光分析による分析値とほぼ一致し、従って本発
明により簡易に銅分を分析し得ることが確認された。
【0040】また、めっき浴に、めっきの進行につれて
上記分析によって得られた銅量が0.5g/L増加する
毎に下記補給液(A)〜(C)を補給し、下記方法によ
り鉛イオン及び2価の錫イオンの濃度を分析してそれぞ
れの濃度変化をチェックした。結果を表2に示す。な
お、このとき比較のため、元素吸光分析により、各金属
イオン濃度を測定した。結果を表2に併記する。補給液(A) 5ml/L補給 メタンスルホン酸錫 400g/L メタンスルホン酸 180g/L補給液(B) 5ml/L補給 メタンスルホン酸鉛 380g/L メタンスルホン酸 240g/L補給液(C) 15ml/L補給 チオ尿素 120g/L 次亜リン酸ナトリウム 3g/L クエン酸 25g/L鉛イオン濃度の分析 めっき浴から採取しためっき液1mLに酒石酸(400
g/L)10mL及びKI(100g/L)10mLを
加え、これをイオン交換水で100mLにして吸光セル
に収容し、波長340nmで吸光度測定を行い、鉛イオ
ンと銅イオンとの合計吸光度を測定した。この測定値か
ら上記表1に示した銅イオン濃度より求めた銅による吸
光度分を減算して鉛イオンのみによる吸光度を算出し、
この算出値から鉛イオン濃度を求めた。錫イオン濃度の分析 めっき浴から別途採取しためっき液1mLにチオ尿素
(100g/L)80mL及び(1+1)HCl5mL
を加え、これをイオン交換水で100mLにして吸光セ
ルに収容し、波長340nmで吸光度測定を行い、2価
の錫イオンと鉛イオンとの合計吸光度を測定した。この
測定値から上記(2)で得た鉛イオン濃度より求めた鉛
イオンによる吸光度分を減算して2価の錫イオンのみに
よる吸光度を算出し、この算出値から2価の錫イオン濃
度を求めた。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果より、本発明による鉛及び錫の
分析値は原子吸光分析による分析値とほぼ一致し、従っ
て本発明により簡易に鉛及び錫分を分析し得ることが確
認された。
【0043】また、上記方法で浴管理を行いながらめっ
きを続けたところ、めっきを何回繰り返しても、いつも
一定の膜厚で錫・鉛合金めっき皮膜が得られ、めっき浴
の成膜性は常に安定していた。
【0044】[実施例2](オートドレイン方式) 建浴時に金属銅4.5g/L分のメタンスルホン酸第一
銅を加えた以外は、実施例1と同様の無電解錫・鉛合金
めっき浴を用いて、同様に銅製品表面に無電解めっきを
行い、実施例1と同様にして銅濃度を分析を行った。こ
のとき、銅イオン濃度が5.0g/Lになったら、めっ
き浴中からめっき液を1/10排出し、排出した分下記
補給液(D)を加え、イオン交換水で水位を合わせ、上
記実施例1と同様の方法により銅イオン、鉛イオン及び
2価の錫イオンを分析してそれぞれの濃度変化をチェッ
クした。補給液(D) メタンスルホン酸 50g/L メタンスルホン酸錫 22g/L メタンスルホン酸鉛 15g/L チオ尿素 83g/L 次亜リン酸ナトリウム 80g/L クエン酸 15g/L 塩化ラウリルピリジニウム 5g/L EDTA 3g/L pH 2.0 温度 80℃ この方法で浴管理を行いながらめっきを続けたところ、
めっきを何回繰り返しても、いつも一定の膜厚で錫・鉛
合金めっき皮膜が得られ、めっき浴の成膜性は常に安定
していた。
【0045】このように、本発明の無電解錫・鉛合金め
っき浴中の金属イオン濃度測定方法によれば、良好な浴
管理を行い得ることが認められる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の無電解め
っき浴中の金属イオン濃度の分析方法によれば、無電解
めっき浴中の銅イオン、2価の錫イオン、鉛イオンを簡
便かつ正確に定量することができ、しかもこれら金属イ
オンの測定を容易に自動化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 輝幸 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内 (72)発明者 上玉利 徹 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村 工業株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−276082(JP,A) 特開 昭49−98696(JP,A) 特開 昭48−66890(JP,A) 特開 平2−201264(JP,A) 特開 昭64−56875(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無電解錫、鉛又は錫・鉛合金めっき浴か
    らめっき液を分取し、これに酸化剤を添加して、めっき
    液中の1価の銅イオンを2価の銅イオンとし、これを発
    色させて比色法により銅イオン濃度を測定することを特
    徴とする無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方
    法。
  2. 【請求項2】 (1)無電解錫・鉛合金めっき浴からめ
    っき液を分取し、これに酸化剤を添加して、めっき液中
    の1価の銅イオンを2価の銅イオンとし、これを発色さ
    せて比色法により銅イオン濃度を測定し、(2)別に分
    取しためっき液中にヨウ化物を添加して吸光度を測定
    し、銅と鉛イオンとの合計吸光度を得ると共に、この測
    定値から上記(1)で得た銅イオン濃度より求められる
    銅イオンによる吸光度分を減算して、鉛イオンのみによ
    る吸光度を算出し、この鉛イオンの吸光度から鉛イオン
    濃度を得、(3)更に別に分取しためっき液中にチオ尿
    素又はその誘導体を添加して吸光度を測定し、2価の錫
    イオンと鉛イオンとの合計吸光度を得ると共に、この測
    定値から上記(2)で得た鉛イオン濃度より求められる
    鉛イオンによる吸光度分を減算して、2価の錫イオンの
    みによる吸光度を算出し、この2価の錫イオンの吸光度
    から2価の錫イオン濃度を得ることにより、めっき浴中
    の銅イオン、鉛イオン及び2価の錫イオンの濃度を求め
    ることを特徴とする無電解めっき浴中の金属イオン濃度
    分析方法。
JP3322537A 1991-03-01 1991-11-11 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法 Expired - Fee Related JP2616321B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3322537A JP2616321B2 (ja) 1991-11-11 1991-11-11 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法
EP92103372A EP0501480B1 (en) 1991-03-01 1992-02-27 Analysis of tin, lead or tin-lead alloy plating solution
DE69219924T DE69219924T2 (de) 1991-03-01 1992-02-27 Analyse von Zinn, Blei oder Zinn-Blei-Legierung enthaltende Plattierungslösungen
US07/843,199 US5294554A (en) 1991-03-01 1992-02-28 Analysis of tin, lead or tin-lead alloy plating solution
KR1019920003430A KR0162905B1 (ko) 1991-03-01 1992-03-02 주석, 납 또는 주석-납 합금 도금 용액의 분석

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3322537A JP2616321B2 (ja) 1991-11-11 1991-11-11 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05133903A JPH05133903A (ja) 1993-05-28
JP2616321B2 true JP2616321B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=18144778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3322537A Expired - Fee Related JP2616321B2 (ja) 1991-03-01 1991-11-11 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2616321B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4558883B2 (ja) * 2000-03-24 2010-10-06 義和 小林 酸性無電解錫めっき液中の銅の定量方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05133903A (ja) 1993-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2787142B2 (ja) 無電解錫、鉛又はそれらの合金めっき方法
JP2002080993A (ja) 錫−銅合金電気めっき浴及びそれを使用するめっき方法
US10920336B2 (en) Analysis of silver ion and complexing agent in tin-silver electrodeposition solution
KR0162905B1 (ko) 주석, 납 또는 주석-납 합금 도금 용액의 분석
JP2616321B2 (ja) 無電解めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法
TWI622762B (zh) Gold concentration quantitative method in gold-containing solution, and gold concentration quantitative device
JP2616320B2 (ja) めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法
EP1471347A1 (en) Method of determining organic additives in an electroplating bath
JP2822840B2 (ja) 無電解錫、鉛又はそれらの合金めっき方法及びめっき装置
JP2697544B2 (ja) 無電解錫、鉛又はそれらの合金めっき浴の分析方法
US20040203165A1 (en) Analytical reagent for acid copper sulfate solutions
JP2616319B2 (ja) めっき浴中の金属イオン濃度の分析方法
JPH04276082A (ja) 無電解錫、鉛又はそれらの合金めっき浴中の銅イオン濃度の分析方法
JP2019095424A (ja) アミド硫酸の定量方法
US20230280305A1 (en) Electrochemical analysis of metallic depolarizers in gold electrodeposition
JPH0798296A (ja) 無電解銅めっき液中の添加剤の濃度測定法
US20240125730A1 (en) Non-reagent chloride analysis in acid copper plating baths
JPH0355559B2 (ja)
Shalyt et al. Comprehensive Characterization of All Inorganic and Organic Components in Neutral Tin Plating Bath for Electronics Applications
JPS63195274A (ja) 無電解めつきの管理方法
JPS583999A (ja) 電気合金メツキ方法
JP2024523095A (ja) 鉄トライアド金属及びその合金の電着溶液中のハロゲン化物濃度を測定及び監視するための無試薬方法及びプロセス制御
JP2024031708A (ja) 金含有メッキ液中の金濃度測定装置並びに測定方法
JPS6016516B2 (ja) 処理液の管理方法と装置
JPH0434359A (ja) 化学銅めっき液中のキレート剤濃度と水酸化物イオン濃度の測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080311

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090311

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees