JP2605608B2 - HgCdTe薄膜の成長方法 - Google Patents
HgCdTe薄膜の成長方法Info
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- JP2605608B2 JP2605608B2 JP5308248A JP30824893A JP2605608B2 JP 2605608 B2 JP2605608 B2 JP 2605608B2 JP 5308248 A JP5308248 A JP 5308248A JP 30824893 A JP30824893 A JP 30824893A JP 2605608 B2 JP2605608 B2 JP 2605608B2
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- Japan
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- buffer layer
- layer
- hgcdte
- growing
- thin film
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- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線センサに使用さ
れるHgCdTeとの間に格子不整合による歪と熱膨張
係数差による熱歪の存在する、ガリウム砒素(GaA
s)やシリコン(Si)などの基板上へHgCdTe膜
を成長する方法に関する。
れるHgCdTeとの間に格子不整合による歪と熱膨張
係数差による熱歪の存在する、ガリウム砒素(GaA
s)やシリコン(Si)などの基板上へHgCdTe膜
を成長する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、赤外線センサに使用されるHg
1 - x Cdx Teの組成比xは0.2〜0.4であり、
これに相当する格子定数は0.64642〜0.646
84nmである。このHgCdTeと格子不整合(>1
0%)の大きい材料、例えばGaAs(格子定数0.5
6532nm)やSi(格子定数0.5431nm)な
どをHgCdTeエピタキシー用の基板として使用する
場合、基板の上にまずCdTeバッファ層が形成され
る。分子線エピタキシー法では、アリアス等(J.M.
Arias et al)によるアプライド・フィジク
ス・レター(Applied Physics Let
ter Vol.54 (1989)1025頁)によ
れば300℃でCdTeバッファ層の成長が行われてお
り、また、有機金属化学堆積法では、エドウォール等
(D.D.Edwall et al)によるジャーナ
ル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロ
ジー(Journal of Vacuum Scie
nce and Technology Vol.A8
(1990)1045頁)によれば420℃でCdTe
バッファ層の成長が行われている。ただしCdTeは格
子定数0.6481nmで、Hg1 - x Cdx Te
(0.2≦x≦0.4)との間にまだ、0.23〜0.
26%程度の格子不整合が存在している。この格子不整
合による歪をさらに緩和する目的で例えば、更にHgC
dTe層に格子整合したCd1 - y Zny Te(Zn濃
度y約4%)をHgCdTe層直下のバッファ層とする
成長方法がアルグレン等(W.L.Ahlgren e
t al)によってジャーナル・オブ・バキューム・サ
イエンス・アンド・テクノロジー(Journal o
f VacuumScience and Techn
ology Vol.A7(1989)332頁)に開
示され、実施されている。
1 - x Cdx Teの組成比xは0.2〜0.4であり、
これに相当する格子定数は0.64642〜0.646
84nmである。このHgCdTeと格子不整合(>1
0%)の大きい材料、例えばGaAs(格子定数0.5
6532nm)やSi(格子定数0.5431nm)な
どをHgCdTeエピタキシー用の基板として使用する
場合、基板の上にまずCdTeバッファ層が形成され
る。分子線エピタキシー法では、アリアス等(J.M.
Arias et al)によるアプライド・フィジク
ス・レター(Applied Physics Let
ter Vol.54 (1989)1025頁)によ
れば300℃でCdTeバッファ層の成長が行われてお
り、また、有機金属化学堆積法では、エドウォール等
(D.D.Edwall et al)によるジャーナ
ル・オブ・バキューム・サイエンス・アンド・テクノロ
ジー(Journal of Vacuum Scie
nce and Technology Vol.A8
(1990)1045頁)によれば420℃でCdTe
バッファ層の成長が行われている。ただしCdTeは格
子定数0.6481nmで、Hg1 - x Cdx Te
(0.2≦x≦0.4)との間にまだ、0.23〜0.
26%程度の格子不整合が存在している。この格子不整
合による歪をさらに緩和する目的で例えば、更にHgC
dTe層に格子整合したCd1 - y Zny Te(Zn濃
度y約4%)をHgCdTe層直下のバッファ層とする
成長方法がアルグレン等(W.L.Ahlgren e
t al)によってジャーナル・オブ・バキューム・サ
イエンス・アンド・テクノロジー(Journal o
f VacuumScience and Techn
ology Vol.A7(1989)332頁)に開
示され、実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術で用いられているCd1 - y Zny Teをバッファ層
とする方法では、Cd1 - y Zny Teのような3元化
合物の作製にはCdTeとZnTeのように2種類以上
の化合物の母材が必要となり、蒸気圧制御に必要なパラ
メータが増加していた。また、Zn濃度の制御が難し
く、Znが偏析し易いため(田中ら:電気学会編:電子
材料研究会資料#EFM−88−18、68頁、図
6)、面内での不均一さが生じ易く逆に格子不整合を大
きくしてしまう場合があった。このためHgCdTe層
の歪は成長ごとに異なるのが問題であった。また、赤外
線検出器としてHgCdTe層を用いる場合、基板側か
らバッファ層を通して赤外線波長3μ〜10μmを入射
する必要があるため、バッファ層は同赤外線を透過する
材料でなければならないという制限がある。
術で用いられているCd1 - y Zny Teをバッファ層
とする方法では、Cd1 - y Zny Teのような3元化
合物の作製にはCdTeとZnTeのように2種類以上
の化合物の母材が必要となり、蒸気圧制御に必要なパラ
メータが増加していた。また、Zn濃度の制御が難し
く、Znが偏析し易いため(田中ら:電気学会編:電子
材料研究会資料#EFM−88−18、68頁、図
6)、面内での不均一さが生じ易く逆に格子不整合を大
きくしてしまう場合があった。このためHgCdTe層
の歪は成長ごとに異なるのが問題であった。また、赤外
線検出器としてHgCdTe層を用いる場合、基板側か
らバッファ層を通して赤外線波長3μ〜10μmを入射
する必要があるため、バッファ層は同赤外線を透過する
材料でなければならないという制限がある。
【0004】また、上記従来技術では格子不整合による
歪のみの緩和を目的としているため、これ以外に存在す
る、異なった材料間の熱膨張係数差に基づいた熱歪は全
く無視されていた。例えば分子線エピタキシー法におい
て、GaAs基板上にCdTeバッファ層を300℃で
成長後、HgCdTe成長温度190℃まで降温するた
めにCdTeバッファ層には降温時の熱歪およそ3×1
07 dyn/cm2 がそのまま保存される。このため同
バッファ層上に作製したHgCdTe層には自ずと熱歪
が導入され、基板を含めた反り(重中ら,’92年第5
3回秋季応用物理学会学術講演会予稿集273頁,18
a−SL−4)や結晶性を損なう原因となっていた。
歪のみの緩和を目的としているため、これ以外に存在す
る、異なった材料間の熱膨張係数差に基づいた熱歪は全
く無視されていた。例えば分子線エピタキシー法におい
て、GaAs基板上にCdTeバッファ層を300℃で
成長後、HgCdTe成長温度190℃まで降温するた
めにCdTeバッファ層には降温時の熱歪およそ3×1
07 dyn/cm2 がそのまま保存される。このため同
バッファ層上に作製したHgCdTe層には自ずと熱歪
が導入され、基板を含めた反り(重中ら,’92年第5
3回秋季応用物理学会学術講演会予稿集273頁,18
a−SL−4)や結晶性を損なう原因となっていた。
【0005】本発明の目的はこのような格子歪と熱歪を
なるだけ簡便な手段で緩和して結晶性のよいHgCdT
e層を得ることにある。
なるだけ簡便な手段で緩和して結晶性のよいHgCdT
e層を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するための手段として、水銀カドミウムテルル薄膜直
下のバッファ層を、基板に接して設けられたバッファ層
よりも低温で形成することを特徴とするHgCdTe膜
の成長方法である。つまり、従来技術のCdTeバッフ
ァ層よりも低温で、同層の結晶性を損なわない程度のH
gCdTe成長温度になるだけ近い温度(具体的には2
30℃〜270℃程度)でCdTeバッファ層を成長
し、HgCdTe層の直下に挿入することを特徴として
いる。また、分子線源として化合物CdTeとHgによ
りバッファ層の成長を行うことを特徴としている。
決するための手段として、水銀カドミウムテルル薄膜直
下のバッファ層を、基板に接して設けられたバッファ層
よりも低温で形成することを特徴とするHgCdTe膜
の成長方法である。つまり、従来技術のCdTeバッフ
ァ層よりも低温で、同層の結晶性を損なわない程度のH
gCdTe成長温度になるだけ近い温度(具体的には2
30℃〜270℃程度)でCdTeバッファ層を成長
し、HgCdTe層の直下に挿入することを特徴として
いる。また、分子線源として化合物CdTeとHgによ
りバッファ層の成長を行うことを特徴としている。
【0007】
【作用】HgCdTe層直下のCdTeバッファ層の成
長温度がHgCdTe成長温度に近くなるため、降温時
に作用するHgCdTe層への熱歪が緩和できる。低温
で成長することにより表面平坦度がよくなる。成長温度
としては230〜270℃であれば十分本発明の効果が
得られるが、特に230℃〜250℃が最適である。
長温度がHgCdTe成長温度に近くなるため、降温時
に作用するHgCdTe層への熱歪が緩和できる。低温
で成長することにより表面平坦度がよくなる。成長温度
としては230〜270℃であれば十分本発明の効果が
得られるが、特に230℃〜250℃が最適である。
【0008】また、分子線エピタキシー法で用いるHg
の蒸気圧はほとんど一定なのでもう一方の分子線源であ
るCdTeの蒸気圧と基板温度によってHg濃度が制御
でき容易に作製が行える。この場合分子線源のCdTe
からは分子線CdTeおよびCdとTe2 に別れるが、
Te2 分子線はCdとTeの分解効率に依存するために
HgとCdTeを同時に照射することによりバッファ層
に取り込まれるHg量はおよそ20%程度までに制限さ
れる。このためこの層(Hg1 - x Cdx Teのx≧
0.8)の格子定数はCdTeの格子定数よりも赤外線
検出層HgCdTe(0.2≦x≦0.4)に近づき、
格子歪が緩和され、なおかつこのバッファ層はx≧0.
8の組成比なので3〜10μmの赤外線に対しても吸収
が起こることはない。
の蒸気圧はほとんど一定なのでもう一方の分子線源であ
るCdTeの蒸気圧と基板温度によってHg濃度が制御
でき容易に作製が行える。この場合分子線源のCdTe
からは分子線CdTeおよびCdとTe2 に別れるが、
Te2 分子線はCdとTeの分解効率に依存するために
HgとCdTeを同時に照射することによりバッファ層
に取り込まれるHg量はおよそ20%程度までに制限さ
れる。このためこの層(Hg1 - x Cdx Teのx≧
0.8)の格子定数はCdTeの格子定数よりも赤外線
検出層HgCdTe(0.2≦x≦0.4)に近づき、
格子歪が緩和され、なおかつこのバッファ層はx≧0.
8の組成比なので3〜10μmの赤外線に対しても吸収
が起こることはない。
【0009】
【実施例】以下に分子線エピタキシー法により実施した
本発明を説明する。 (実施例1)図1に本発明の請求項1によるHgCdT
e膜の作製工程を示す。この図に示したように基板上に
従来の300℃で5μmのCdTeバッファ層を形成す
る。この第1層は基板からの不純物拡散防止の役目を果
たす。不純物分析の結果からGaAs基板を用いた場
合、この第1バッファ層により基板からのGa拡散は1
01 5 cm- 3 以下に抑えられた。この第1バッファ層
で不純物拡散を防止したうえで、本発明の請求項1によ
る低温での第2CdTeバッファ層を成長する。図2に
その構造の概略を示す。この場合低温成長においても同
層の結晶性が損なわれないことが条件である。そこでC
dTeバッファ層における結晶性と成長温度の関係を調
べた。図3は成長温度とCdTeバッファ層のX線回折
半値幅の関係を示す図である。この図から250℃程度
まではCdTeバッファ層の結晶性は保証されることが
分かる。そこで250℃において本発明による第2Cd
Teバッファ層を1μm成長し、その上にHgCdTe
(x=0.22)を成長した。このとき降温時に生じる
熱歪εは ε=Δα×ΔT (1) ここでΔα:熱膨張係数差、 ΔT:降温時の温度差で
表される。分子線エピタキシー法でのHgCdTe成長
温度はだいたい190℃なので、従来のバッファ層成長
温度300℃から190℃に降温するよりも、本発明に
よる低温成長温度250℃から190℃へ降温した場合
の方が熱歪は倍近く緩和されることになる。
本発明を説明する。 (実施例1)図1に本発明の請求項1によるHgCdT
e膜の作製工程を示す。この図に示したように基板上に
従来の300℃で5μmのCdTeバッファ層を形成す
る。この第1層は基板からの不純物拡散防止の役目を果
たす。不純物分析の結果からGaAs基板を用いた場
合、この第1バッファ層により基板からのGa拡散は1
01 5 cm- 3 以下に抑えられた。この第1バッファ層
で不純物拡散を防止したうえで、本発明の請求項1によ
る低温での第2CdTeバッファ層を成長する。図2に
その構造の概略を示す。この場合低温成長においても同
層の結晶性が損なわれないことが条件である。そこでC
dTeバッファ層における結晶性と成長温度の関係を調
べた。図3は成長温度とCdTeバッファ層のX線回折
半値幅の関係を示す図である。この図から250℃程度
まではCdTeバッファ層の結晶性は保証されることが
分かる。そこで250℃において本発明による第2Cd
Teバッファ層を1μm成長し、その上にHgCdTe
(x=0.22)を成長した。このとき降温時に生じる
熱歪εは ε=Δα×ΔT (1) ここでΔα:熱膨張係数差、 ΔT:降温時の温度差で
表される。分子線エピタキシー法でのHgCdTe成長
温度はだいたい190℃なので、従来のバッファ層成長
温度300℃から190℃に降温するよりも、本発明に
よる低温成長温度250℃から190℃へ降温した場合
の方が熱歪は倍近く緩和されることになる。
【0010】表1は従来の300℃でCdTeバッファ
層を成長しHgCdTeを成長した膜と本発明により成
長したHgCdTe膜の結晶性をX線回折により比較し
たものである。HgCdTe層直下のCdTeバッファ
層を低温で成長した本発明による方が熱歪が低減され、
HgCdTe層の結晶性は改善されたこと。さらに、低
温で成長した結晶ほど表面状態は非常に滑らかとなる。
層を成長しHgCdTeを成長した膜と本発明により成
長したHgCdTe膜の結晶性をX線回折により比較し
たものである。HgCdTe層直下のCdTeバッファ
層を低温で成長した本発明による方が熱歪が低減され、
HgCdTe層の結晶性は改善されたこと。さらに、低
温で成長した結晶ほど表面状態は非常に滑らかとなる。
【0011】
【表1】
【0012】(実施例2)第2の発明による方法におい
ては、第2CdTeバッファ層を300℃で成長中に、
Hgのセル温度を100℃にしHgを照射した。この層
をX線光電子分光により調べた結果およそ20%程度の
Hgが取り込まれていた。この場合、Hgの分圧はCd
Te化合物の分圧よりも1桁以上高い為、分子線源にC
dTe化合物を用いることにより取り込まれるHgの量
はCdTe化合物からのTe2 への分解効率に依存す
る。したがって、この層には20%以下のHgつまりH
g1 -x Cdx Teはx≧0.8に制限される。このた
め同層のバンドギャップはハンセン等(Hansen
et al)によるジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジクス(Journal of Applied P
hysics.Vol.53(1982)7099頁)
の計算式を用いて、絶対温度77Kにおいて1.1eV
以上となり、波長にして約1μm以上の波長帯に対して
透明である。しかも、x=0.8で第2バッファ層の格
子定数は0.64768nmと計算され、赤外線センサ
として使うHg1 - x Cdx Te(0.2≦x≦0.
4)に対する格子不整合は0.1297〜0.1945
%であり、従来のCdTeバッファ層を用いた場合の格
子不整合0.1944〜0.259%よりも歪を小さく
することが可能となる。このように、精密で煩雑な分圧
の制御を用いること無くCdTe化合物分子線とHgの
照射により容易に格子歪の緩和が実施できる。
ては、第2CdTeバッファ層を300℃で成長中に、
Hgのセル温度を100℃にしHgを照射した。この層
をX線光電子分光により調べた結果およそ20%程度の
Hgが取り込まれていた。この場合、Hgの分圧はCd
Te化合物の分圧よりも1桁以上高い為、分子線源にC
dTe化合物を用いることにより取り込まれるHgの量
はCdTe化合物からのTe2 への分解効率に依存す
る。したがって、この層には20%以下のHgつまりH
g1 -x Cdx Teはx≧0.8に制限される。このた
め同層のバンドギャップはハンセン等(Hansen
et al)によるジャーナル・オブ・アプライド・フ
ィジクス(Journal of Applied P
hysics.Vol.53(1982)7099頁)
の計算式を用いて、絶対温度77Kにおいて1.1eV
以上となり、波長にして約1μm以上の波長帯に対して
透明である。しかも、x=0.8で第2バッファ層の格
子定数は0.64768nmと計算され、赤外線センサ
として使うHg1 - x Cdx Te(0.2≦x≦0.
4)に対する格子不整合は0.1297〜0.1945
%であり、従来のCdTeバッファ層を用いた場合の格
子不整合0.1944〜0.259%よりも歪を小さく
することが可能となる。このように、精密で煩雑な分圧
の制御を用いること無くCdTe化合物分子線とHgの
照射により容易に格子歪の緩和が実施できる。
【0013】表2は第2バッファ層を300℃でHg照
射した、本発明の請求項2により作製したHgCdTe
膜と従来のCdTeバッファ層にHgCdTe膜を作製
した場合の結晶性の比較である。本発明により格子歪が
緩和され、X線回折半値幅が減少した。したがって、H
gCdTe層の結晶性が改善したことがわかる。
射した、本発明の請求項2により作製したHgCdTe
膜と従来のCdTeバッファ層にHgCdTe膜を作製
した場合の結晶性の比較である。本発明により格子歪が
緩和され、X線回折半値幅が減少した。したがって、H
gCdTe層の結晶性が改善したことがわかる。
【0014】
【表2】
【0015】なお、本発明では請求項1と請求項2を別
々に実施したが両者を同時に実施してもよい。又、バッ
ファ層の厚みは特に実施例には限定されず、適宜選択で
きる。
々に実施したが両者を同時に実施してもよい。又、バッ
ファ層の厚みは特に実施例には限定されず、適宜選択で
きる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって実施
したHgCdTe薄膜の成長方法によれば、格子不整合
と熱膨張係数差の大きい基板上へのHgCdTe成長に
おいて、比較的容易に歪の緩和が実施でき、結晶性を損
なうこと無くHgCdTe層を作製することができる。
したHgCdTe薄膜の成長方法によれば、格子不整合
と熱膨張係数差の大きい基板上へのHgCdTe成長に
おいて、比較的容易に歪の緩和が実施でき、結晶性を損
なうこと無くHgCdTe層を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によるHgCdTe膜を作製する工程
を示す図である。
を示す図である。
【図2】本発明によるHgCdTe膜の構造を示す概略
図である。
図である。
【図3】CdTeバッファ層の結晶性と成長温度の関係
を示す図である。
を示す図である。
1 基板 2 第1CdTeバッファ層 3 第2CdTeバッファ層 4 HgCdTe層
Claims (4)
- 【請求項1】水銀カドミウムテルル(Hg1 - x Cdx
Te)と格子不整合の大きい基板上に複数層のCdTe
薄膜をバッファ層として形成し、その上に水銀カドミウ
ムテルル薄膜を成長する方法において、水銀カドミウム
テルル薄膜直下のバッファ層を、基板に接して設けられ
たバッファ層よりも低温で形成することを特徴とするH
gCdTe膜の成長方法。 - 【請求項2】 水銀カドミウムテルル薄膜直下のバッファ
層を、230〜270℃で形成することを特徴とする請
求項1記載のHgCdTe膜の成長方法。 - 【請求項3】 基板に接して設けられたバッファ層を30
0℃で形成することを特徴とする請求項1記載のHgC
dTe膜の成長方法。 - 【請求項4】 水銀カドミウムテルル(Hg1 - x Cdx
Te)と格子不整合の大きい基板上に複数層のバッファ
層を形成し、その上に水銀カドミウムテルル薄膜を成長
する方法において、水銀カドミウムテルル薄膜直下のバ
ッファ層をHgの含有量が20%以下となるようにCd
TeとHgの分子線源を用いて分子線エピタキシー装置
により形成し、かつ分子線源としてHg,TeおよびC
dTeの3つを同時に照射して分子線エピタキシー装置
によってHg1 - X Cdx Te膜(0.2≦x≦0.
4)を形成することを特徴とするHgCdTe膜の成長
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5308248A JP2605608B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | HgCdTe薄膜の成長方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5308248A JP2605608B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | HgCdTe薄膜の成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07161737A JPH07161737A (ja) | 1995-06-23 |
JP2605608B2 true JP2605608B2 (ja) | 1997-04-30 |
Family
ID=17978727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5308248A Expired - Lifetime JP2605608B2 (ja) | 1993-12-08 | 1993-12-08 | HgCdTe薄膜の成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2605608B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1298022C (zh) * | 2004-07-27 | 2007-01-31 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 用于碲镉汞外延生长的数字合金复合衬底及制备方法 |
JP6686183B2 (ja) * | 2017-09-20 | 2020-04-22 | 株式会社東芝 | エピタキシャル成長用基板、エピタキシャル成長用基板の製造方法、エピタキシャル基板及び半導体素子 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06267998A (ja) * | 1993-03-15 | 1994-09-22 | Fujitsu Ltd | エピタキシャル結晶を備えた半導体基板 |
-
1993
- 1993-12-08 JP JP5308248A patent/JP2605608B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07161737A (ja) | 1995-06-23 |
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