JP2605298Y2 - 面光源装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、液晶バックライト，照
明ディスプレイ，照明サイン，照明体等に使用される面
光源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来の面光源装置の一例を示す断
面図で、１は光源、２はアクリル樹脂等の光透過性の良
い導光体（透明樹脂基板）、３は出射面、４は出射面３
の外面に張られていて光を各方向へ拡散せしめるための
拡散体、５は導光体２の出射面３と対向する側に配置さ
れた反射部材、６は面光源装置のハウジングである。

【０００３】光源１を出射した光は導光体２へ入射さ
れ、導光体２内を伝播する間に直接、或いは反射部材５
で反射するなどして出射面３から拡散体４を透過して拡
散された状態で出射される。

【０００４】図３は、別の構成の面光源装置の例で、反
射部材５上に直線状の光源１を２つ平行に配置し、更に
光源１の上に適宜な間隔を開けて拡散体４を配置したも
ので、光源１から出射された光は、一部は直接拡散体４
に向かい、他の光は反射部材５によって反射されて拡散
体４に向かい、拡散体４を透過することで拡散された状
態で出射される。

【０００５】図２，３に用いられている拡散体４は、透
明なシート又は板全体に均一に拡散剤４ｂを塗布したも
ので、このような拡散体４で光を拡散させても、均一な
輝度分布の面光源となっても、拡散剤４ｂによって拡散
体４を透過する光が減衰させられ、面光源装置の輝度を
大きく低下させてしまうことがあった。

【０００６】図４は、図２に示す面光源装置のように導
光体２の出射面３の外面に拡散体４を張るのではなく、
導光体２の出射面３と対向する面３'に直接発泡剤を含
有したインクをスクリーン印刷によって印刷付着して、
次に加熱発泡させ、最後に低温加熱乾燥によりインク７
の乾燥硬化を行うことによって、導光体２に、内部全体
に亙って不規則に大小の中空粒子４ｃが分布されている
インク７による乱反射部８を設けたものである。

【０００７】この場合は、導光体２の出射面３と対向す
る側の面３'に向かった光を乱反射部８によって乱反射
させることで拡散させて出射面３より出射するもので、
印刷パターンを種々に変えることで輝度むらを少なくす
るものであるが、導光体２の出射面３と対向する側の面
３'に向かった光のみしか拡散させないので、拡散効果
が少なく、出射面３側に拡散体４を別に配置する必要が
あり、製造が大変で、コストも高くなってしまってい
た。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記事情に
鑑み、出射光量の分布に差があっても、輝度分布を一様
にでき、かつ高輝度を得られる面光源装置用拡散体を提
供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案による面光源装置
は、出射面上の輝度むら削減のための処理が施された導
光体と、より均一な輝度分布を可能にするために前記導
光体と共に用いられる拡散体とを有する面光源装置であ
って、前記拡散体は、透明性基材の片側表面又は両側表
面に光の減衰率が少ない微粒子を内部に混在させた拡散
剤をコートして形成せしめると共に、その出射光量が少
ない出射面部位に配される部分には前記微粒子の分布密
度が高くなるように、出射光量が多い出射面部位に配さ
れる部分には前記微粒子の分布密度が低くなるように前
記拡散剤がコートされていることを特徴とする。

【００１０】

【作用】本考案によれば、ガラスビーズ又は中空粒子よ
りなる微粒子の径を部位により変えたり、又はそれらの
密度を部位により変えることで、出射光量の差に対応し
て光拡散効率が異なる拡散体を作用せしめるため、光拡
散による一様な輝度分布を得ることができる。また、本
考案における拡散体は、ガラスビーズや中空粒子といっ
た、光の減衰率が少ない微粒子を内部に混在させた拡散
剤をコートして形成しているので、従来の拡散体に比べ
て光の減衰率が少なく、従来より高輝度な面光源装置を
実現できる。

【００１１】

【実施例】図１は本考案による拡散体の拡大縦断面図で
ある。図において、４ａは透明性のシート又は板、４ｂ
は、透明性のシート又は板４ａの片側表面にコートした
拡散剤、４ｃは、拡散剤４ｂ内全体に亙って略同じ密度
で分布している直径１０μｍ以下のガラスビーズ又は中
空粒子よりなる光の減衰率が少ない微粒子である。

【００１２】前記微粒子４ｃの直径を１０μｍ以下とし
たのは、色々な直径のガラスビーズ又は中空粒子よりな
る微粒子４ｃを拡散剤４ｂ内に混入させて実験したとこ
ろ、微粒子４ｃの直径が１０μｍ以上の場合、輝度の上
昇効果が薄れることが判明したためである。

【００１３】図１の拡散体４を、前記微粒子４ｃの分布
密度を、面光源装置の出射光量が多い出射面部位では疎
に、面光源装置の出射光量が少ない出射面部位では密に
なるように作り配置する。このように配置すると、拡散
体４上での輝度分布を均一にできることが実験により判
明した。

【００１４】図１に示す実施例では、透明性基材４ａの
両面に前記微粒子４ｃを混入した拡散剤４ｂをコートし
て拡散体４を形成しているが、透明基材の片側表面に前
記微粒子４ｃを混入した拡散剤４ｂをコートして拡散体
４を形成しても、図１の場合と同様の効果が得られる。

【００１５】透明基材の片側表面に前記微粒子４ｃを混
入した拡散剤４ｂをコートして拡散体４を形成した場
合、拡散剤４ｂをコートしてある側の面を導光体２の出
射面３と向かい合うように配置しても、またその逆に、
拡散剤４ｂをコートしていない側の面を導光体２の出射
面３と向かい合うように配置しても同様の効果が得られ
た。

【００１６】また、本考案では、出射面上の輝度むら削
減のための処理が施された導光体が用いられるが、その
処理としては例えば、導光板の出射面と対向する面に凹
凸模様を形成して輝度むらの削減を図る方法が挙げられ
る。

【００１７】本考案に係る面光源装置は、上記の様に構
成されているので、容易に部位毎に所期の光拡散効率を
得ることができ、輝度むらを可及的に削減することが出
来る。

【００１８】

【考案の効果】上述のように本考案によれば、出射光量
の差に対応して光拡散効率が異なる拡散体を作用せしめ
るため、光拡散によって、むらのない一様な輝度分布を
得ることができる。また、導光体の出射面と対向する面
に凹凸模様を形成して輝度むらの削減を図る方式を一緒
に実施できるので、効果的に目的を達成でき、従来の面
光源装置にも改造することなく本考案を採用することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による面光源装置に用いる拡散体の拡大
縦断面図である。

【図２】従来の面光源装置の縦断面図である。

【図３】従来の別の面光源装置の拡大縦断面図である。

【図４】従来の更に別の拡散体の拡大縦断面図である。

【符号の説明】

１ 光源 ２ 導光体 ３ 出射面 ４ 拡散体 4a 透明性のシート又は板 4b 拡散剤 4c ガラスビーズまたは中空粒子よりなる微粒子 ５ 反射部材 ７ インク ８ 乱反射部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出射面上の輝度むら削減のための処理が
   施された導光体と、より均一な輝度分布を可能にするた
   めに前記導光体と共に用いられる拡散体とを有する面光
   源装置であって、前記拡散体は、透明性基材の片側表面
   又は両側表面に光の減衰率が少ない微粒子を内部に混在
   させた拡散剤をコートして形成せしめると共に、その出
   射光量が少ない出射面部位に配される部分には前記微粒
   子の分布密度が高くなるように、出射光量が多い出射面
   部位に配される部分には前記微粒子の分布密度が低くな
   るように前記拡散剤がコートされていることを特徴とす
   る面光源装置。
2. 【請求項２】 上記微粒子の径が１０μｍ以下であるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の面光源装置。