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JP2600697B2 - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JP2600697B2
JP2600697B2 JP62189889A JP18988987A JP2600697B2 JP 2600697 B2 JP2600697 B2 JP 2600697B2 JP 62189889 A JP62189889 A JP 62189889A JP 18988987 A JP18988987 A JP 18988987A JP 2600697 B2 JP2600697 B2 JP 2600697B2
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amount
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air
combustion engine
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明 大畠
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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Priority to US07/221,227 priority patent/US4903668A/en
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、内燃機関のシリンダ内に流入する燃料の挙
動を表す物理モデルに則って燃料噴射弁からの燃料噴射
量を制御する内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する。
[従来の技術] 従来より、燃料噴射弁から燃料噴射量を制御する方法
の一つとして、例えば特開昭59−196930号公報に記載の
如く、内燃機関の回転速度と吸入空気量とから求められ
る基本燃料噴射量を補正する補正値を制御入力、空燃比
センサを用いて検出される空燃比の実測値を制御出力と
し、該制御入力と制御出力との間に線形な近似が成り立
つものとして同定を行い、内燃機関の動的な振舞いを記
述する物理モデルを求め、これに基づき燃料噴射量を制
御する、所謂線形制御理論に基づく制御方法が知られて
いる。
[発明が解決しようとする問題点] しかし上記制御入力量と制御出力量との関係は本来非
線形であり、単に線形近似により物理モデルを求めたの
では内燃機関の動的な振舞いを極めて狭い運転条件でし
か正確に記述することができない。このため従来では、
線形近似が成り立つとみなし得る複数の運転領域毎に物
理モデルを求め、該物理モデルに基づき各運転領域毎に
制御則を設定し、これを内燃機関の運転状態に応じて切
り替えて制御を行わなければならず、制御か煩雑になる
といった問題があった。また各運転領域の境界点では制
御則の切り替えのために制御か不安定になるといった問
題もある。
またこの種の制御方法では、計算時間を短縮して制御
の応答性等を向上するため、上記物理モデルに低次元化
近似されたものを用い、近似誤差または内燃機関の個体
差による誤差を積分動作で吸収することが知られている
が、従来では単に制御出力と制御入力とが線形近似が成
り立つものとして、物理的な意味を持たない状態変数に
より物理モデルを構築しているので、物理モデルを低次
元化すると積分制御量が大きくなって、制御精度が低下
するといった問題もあった。
そこで本発明は、上記のように制御則を切り替えるこ
となく燃料噴射量を精度よく制御できる内燃機関の燃料
噴射量制御装置を提供することを目的としてなされた。
[問題点を解決するための手段] 即ち上記目的を達するためになされた本発明の構成
は、第1図に例示する如く、 吸気管M1壁面への付着燃料量fw及び該吸気管M1壁面へ
の付着燃料量fw、及び吸気管M1内での蒸発燃料量fvを状
態変数として、燃料噴射弁M4からの燃料噴射量q、内燃
機関M2の回転速度ω、吸気管壁面付着燃料の蒸発量Vf、
シリンダM3内に流入した燃料混合気の燃料と空気との比
を表す燃空比λ、及びシリンダM3内に流入する空気量m
に基づき、内燃機関M2のシリンダM3内に流入する燃料の
挙動を、 (但し、kは吸気行程におけるk番目のサイクル、a2〜
a6は定数を表す。)なる式にて記述した物理モデルに則
って、燃料噴射弁M4からの燃料噴射量qを制御する内燃
機関の燃料噴射量制御装置であって、 内燃機関M2の運転状態に基づき、内燃機関M2の回転速
度ω、吸気管壁面付着燃料の蒸発量Vf、シリンダM3内に
流入した燃料混合気の燃料と空気との比を表す燃空比
λ、及びシリンダM3内に流入する空気量mを求める運転
状態検出手段M5と、 該運転状態検出手段M5で求めた蒸発量Vfを回転速度ω
で除算する除算手段M6と、 上記物理モデルに従って、上記運転状態検出手段M5で
求められた燃空比λと空気量mとの積λm、上記除算手
段M6の算出結果Vf/ω、及び上記燃料噴射弁4からの燃
料噴射量qに基づき、吸気管M1壁面への付着燃料量fw及
び吸気管M1内での蒸発燃料量fvを推定する推定手段M7
と、 上記運転状態検出手段M5で求められた燃空比と空気量
mとの積λmと、該空気量mと予め設定された目標燃空
比λrとの積λrmとの偏差を求め、該偏差を逐次加算す
る逐次加算手段M8と、 上記物理モデルに従って設定された、 q(k)=f1・fw(k)+f2・fv(k)+f3・1Smλ+f
4・λrm(k)+f5・Vf(k)/ω(k) (但し、kは吸気行程におけるk番目のサイクル、f1〜
f5は定数を表す。)なる制御則を使用して、上記除算手
段M6の算出結果Vf/ω、上記推定手段M7の推定結果fw,f
v、上記運転状態検出手段M5で求められた空気量mと目
標燃空比λrとの積λrm、及び上記逐次加算手段Mの加
算結果Smλに基づき、上記燃料噴射弁M4からの燃料噴射
量qを算出する燃料噴射量算出手段M9と、を備えたこと
を特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装置を要旨とし
ている。
ここで運転状態検出手段M5とは、内燃機関M2の回転速
度ω、吸気管壁面に付着した燃料の蒸発量Vf、シリンダ
M3内に流入した燃料混合気の燃料と空気との比を表す燃
空比λ、及び上記シリンダM3内に流入する空気量mを、
内燃機関M2の運転状態から求めるものである。
そして内燃機関M2の回転速度ωを求めるには周知の回
転速度センサを用いることができ、また燃料混合気の燃
空比を求めるには、内燃機関の排気系に設けられ、排気
中の酸素濃度に応じた検出信号を出力する周知の空燃比
センサを用いることができる。
次に吸気管M1の壁面からの燃料の蒸発量Vfは、吸気管
M1内での燃料の飽和蒸気圧Psと吸気管M1内部の圧力(吸
気管圧力)Pとの関数として求めることができる。また
飽和蒸気圧Psはセンサにより直接検出することは難しい
が、飽和蒸気圧Psは吸気管壁面への付着燃料温度Tの関
数であり、付着燃料温度Tは内燃機関M2のウォータジャ
ケット水温或は吸気ポート付近のシリンダヘッド温度に
よって代表させることができるので、温度センサにより
ウォータジャケット水温或はシリンダヘッド温度を検出
し、その検出結果T(°K)をパラメータとする例えば
次式(1)に示す如き演算式を用いて、飽和蒸気圧Psを
求めることができる。
Ps=β1・T2−β2・T+β3 …(1) (但し、β1,β2,β3:定数) このため吸気管壁面からの燃料の蒸発量Vfを求めるに
は、ウォータジャケット水温或はシリンダヘッド温度を
検出する温度センサからの検出信号に基づき飽和蒸気圧
Psを求めると共に、周知の吸気圧センサを用いて吸気管
圧力Pを検出し、これら各値Ps及びPをパラメータとす
るデータマップ或は演算式を用いて蒸発量Vfを求めるよ
うすればよい。また燃料蒸発量Vfは、飽和蒸気圧Psによ
って大きく変化するので、飽和蒸気圧Psをパラメータと
する次式(1)′ Vf=β4・Ps …(1)′ (但し、β4:定数) を用いて近似的に求めるようにしてもよい。
次にシリンダM3内に流入する空気量mは、例えば吸気
管圧力Pと吸気温度Tiと内燃機関M2の回転速度ωとをパ
ラメータとする次式(2) m={β×(ω)・P−βy(ω)}/Ti …(2) により容易に算出することができる。このため空気量m
は、吸気管圧力P及び吸気温度Tiを周知の吸気圧センサ
及び吸気温センサにより検出し、その検出結果と上記回
転速度センサによる検出結果とに基づき上式(2)を用
いて求めることができる。また吸気管圧力Pと回転速度
ωとをパラメータとするマップにより基本空気量mを求
めその算出結果を吸気温度によって補正することで空気
量mを求めることもできる。またスロットルバルブ上流
に周知のエアフロメータを設けて吸気管M1内に流入する
空気量を検出し、その検出結果に基づき吸気行程時にシ
リンダM3内に流入する空気量mを推定するようにしても
よい。
次に本発明の基本となる上記物理モデルについて説明
する。
まず内燃機関M2のシリンダM3内に流入する燃料量fc
は、燃料噴射弁M4からの燃料噴射量qと、吸気管M1壁面
への付着燃料量fwと、吸気管M1内部での蒸発燃料量fvと
を用いて次式(3)のように記述することができる。
fc=α1・q+α2・fw+α3・fv …(3) 即ち上記燃料量fcは、燃料噴射弁M3からの噴射燃料の
直接流入量α1・qと、その噴射燃料が付着した吸気管
M1からの間接流入量α2・fwと、噴射燃料或は壁面付着
燃料の蒸発により吸気管M1内部に存在する蒸発燃料の流
入量α3・fvとの総和であると考えられることから、上
式(3)のようにシリンダM3内に流入する燃料量fcを記
述することができるのである。
上式(3)において、燃料噴射量qは燃料噴射弁M4の
制御量によって定まるので、吸気管M1壁面への付着燃料
量fw及び吸気管M1内での蒸発燃料量fvを知ることができ
れば、燃料量fcを予測することができる。
そこで次に上記付着燃料量fw及び蒸発燃料量fvについ
て考える。
まず吸気量M1壁面への付着燃料量fwは、吸気行程時の
シリンダM3内への流入によって、吸気サイクル毎にその
一部α2が減少する他、吸気管M1内部への蒸発によって
減少し、吸気サイクルと同期して燃料噴射弁M4から噴射
される燃料噴射量qの一部α4が付着することによって
増加する。また吸気行程毎の燃料蒸発量はα5.Vf/ωと
して表すことができる。このため吸気管M1壁面への付着
燃料量fwは次式(4)に示す如く記述できる。
fw(k+1)=(1−α2)・fw(k)+α4.q(k)
−α5・Vf(k)/ω(k) …(4) (但し、k:吸気サイクル) 一方吸気管M1内部での蒸発燃料量fvは、吸気行程時の
シリンダM3内への流入によって、吸気サイクル毎にその
一部α3が減少する他、燃料噴射量qの一部α6が蒸発
することによって増加し、更に上記付着燃料の燃料蒸発
によって増加する。このため吸気管M1内の蒸発燃料量fv
は次式(5)に示す如く記述できる。
fv(k+1)=(1−α3)・fv(k)+α6・q
(k)+α5・Vf(k)/ω(k) …(5) 次に内燃機関M1のシリンダM3内に吸入された燃料量fc
(k)は、排気中の酸素濃度に基づき検出可能な燃空比
λ(k)と、シリンダM3内に流入した空気量m(k)と
から、次式(6)のように記述できる。
fc(k)=λ(k)・m(k) …(6) したがって上記各式の係数α1〜α6をシステム同定
の手法により決定すれば、次式(7)及び(8)に示す
如く、内燃機関M2の吸気サイクルをサンプリング周期と
して離散系で表現された、吸気管壁面しへの付着燃料量
と蒸発燃料量とを状態変数とする状態方程式(7)及び
出力方程式(8)を得ることができ、これによって内燃
機関での燃料挙動を表す物理モデルが定まる。
推定手段M7は、上記の如き物理モデルに従って、運転
状態検出手段M5で求められた燃空比λと空気量mとの積
(即ちシリンダM3内に流入した燃料量)λm、除算手段
M6の算出結果Vf/ω、及び燃料噴射弁M4からの燃料噴射
量qに基づき上記状態変数fw及びfvを推定するものであ
る。即ち付着燃料量fw及び蒸発燃料量fvは、回転速度ω
や燃空比λのようにセンサを用いて直接検出できず、ま
た燃料の蒸発量Vfや空気量mのようにセンサによる検出
結果をパラメータとする演算式を用いて間接的に検出す
ることもできないので、この推定手段M7を用いて推定す
るようされているのである。
尚この推定手段M7としては、例えば、最小次元オブザ
ーバ(Minimal Order Observer)、同一次元オブザーバ
(Identity Observer)、有限整定オブザーバ(Dead Be
at Observer)、線形関数オブザーバ(Linear Function
Oberver)或は適応オブザーバ(Adaptive Observer)
として、古田勝久他著「基礎システム理論」(昭和53
年)コロナ社、或は古田勝久他著「メカニカルシステム
制御」(昭和59年)オーム社等、に詳解されている周知
の設計法により構成することができる。
次に燃料噴射量算出手段M9は、上記物理モデルに従っ
て設定された上記制御則を使用して、除算手段M6の算出
結果Vf/ω、推定手段M7の推定結果w,v、運転状態
検出手段で求められた空気量mと目標燃空比λrとの積
(即ちシリンダM3内に流入させる目標燃料量)λrm、及
び逐次加算手段M8の加算結果Smλに基づき燃料噴射弁M4
からの燃料噴射量qを算出する。
即ち当該燃料噴射量算出手段M9は、上記推定手段M7で
推定された状態変数量(付着燃料量w及び蒸発燃料量
v)に上記物理モデルに基づき予め係数f1,f2を掛け
ると共に、上記目標燃料量λrmに上記物理モデルに基づ
き予め設定された係数f4を掛け、また、外乱の存在の下
に燃料量λmを目標燃料量λrmに追従させるために、目
標燃料量λrmと実測された燃料量λmとの偏差を逐次加
算した逐次加算値Smλに上記物理モデルに基づき予め設
定された係数f3を掛け、更に、当該制御系を非線形保証
するために、除算手段M6での算出結果Vf/ωに上記物理
モデルに基づき予め設定された係数f5を掛け、それら各
乗算値を加えた値を制御量として算出する、非線形保証
されたサーボ系(Servo System)の制御量算出手段とし
て構成されている。
[作用] このように構成された本発明の燃料噴射量制御装置に
おいては、推定手段M7が、上記物理モデルに従って、運
転状態検出手段M5で求められた燃空比λと空気量mとの
積λm、除算手段M6の算出結果Vf/ω、及び燃料噴射弁M
4からの燃料噴射量qに基づき状態変数w及びvを
推定し、燃料噴射量算出手段M9が、上記物理モデルに従
って設定された制御則を使用して、上記除算手段M6の算
出結果Vf/ω、上記推定手段M7の推定結果w,v、上
記運転状態検出手段M5で求められた空気量mと目標燃空
比λとの積λrm、及び上記逐次加算手段M8の加算結果Sm
λに基づき燃料噴射弁M4からの燃料噴射量qを算出す
る。
即ち本発明の燃料噴射制御装置では、吸気管壁面への
付着燃料量と蒸発燃料量とを状態変数として内燃機関で
の燃料挙動を記述する、上記(7)式及び(8)式に示
す如き物理モデルに基づき設定された制御則により燃料
噴射量を算出し、内燃機関の燃料噴射量をフィードバッ
ク制御するのである。
[実施例] 以下本発明の実施例を図面と共に説明する。
まず第2図は本発明が適用された内燃機関2及びその
周辺装置の構成を表す概略構成図である。
図に於て4はエアクリーナ6を介して空気を吸入する
吸気管を表し、この吸気管4には、吸気量を制御するた
めのスロットルバルブ8、吸気の脈動を抑えるためのサ
ージタンク10、その内部の圧力(吸気管圧力)Pを検出
する吸気圧センサ12、及び吸気温度Tiを検出する吸気温
センサ13が備えられている。
一方14は排気管は、排気中の酸素濃度から内燃機関2
のシリンダ2a内に流入した燃料混合気の燃空比λを検出
するための酸素センサ16や、排気を浄化するための三元
触媒コンバータ18が備えられている。
また当該内燃機関2には、その運転状態を検出するた
めのセンサとして、上記吸気圧センサ12、吸気温センサ
13及び酸素センサ16の他、ディストリビュータ20の回転
から内燃機関2の回転速度ωを検出するための回転速度
センサ22、同じくディストリビュータ20の回転から内燃
機関2への燃料噴射タイミングtを検出するためのクラ
ンク角センサ24、及び内燃機関2のウォータジャケット
に取り付けられ、冷却水温Tを検出する水温センサ26が
備えられている。尚ディストリビュータ20はイグナイタ
28からの高電圧を所定の点火タイミングで点火プラグ29
に印加するためのものである。
そして上記各センサからの検出信号は、マイクロコン
ピュータを中心とする論理演算回路として構成された電
子制御回路30に出力され、燃料噴射弁32を駆動して燃料
噴射弁32からの燃料噴射量を制御するのに用いられる。
即ち電子制御回路30は、予め設定された制御プログラ
ムに従って燃料噴射量制御のための演算処理を実行する
CPU40、CPU40で演算処理を実行するのに必要な制御プロ
グラムや初期データが予め記録されたROM42、同じくCPU
40で演算処理を実行するのに用いられるデータが一時的
に読み書きされるRAM44、上記各センサからの検出信号
を入力するための入力ポート46、及びCPU40での演算結
果に応じて燃料噴射弁32に駆動信号を出力するための出
力ポート48、等から構成され、内燃機関2のシリンダ2a
内に流入する燃料混合気の燃空比λが内燃機関2の運転
状態に応じて設定される目標燃空比λrになるよう燃料
噴射弁32からの燃料噴射量qをフィードバック制御する
よう構成されている。
次にこのフィードバック制御に使用される制御系を第
3図に示すブロックダイヤグラムに基づいて説明する。
尚、第3図は制御系を示す図であって、ハード的な構成
を示すものではなく、実際には第4図のフローチャート
に示した一連のプログラムの実行により、離散系として
実現される。また本実施例の制御系は、前述の(7)及
び(8)式に示した物理モデルに基づき設計されてい
る。
第3図に示すように、本実施例の制御系では、まず上
記水温センサ26で検出された冷却水温Tは第1演算部P1
に入力される。すると第1演算部P1では、その入力され
た冷却信号が前述の(1)式の如き演算式を用いて吸気
管4内での燃料の飽和蒸気圧Psに変換され、更にその変
換された飽和蒸気圧Psが、前述の(1)′式の如き演算
式により吸気管4の壁面に付着した燃料の蒸発量Vfに変
換される。またその変換された蒸発量Vfは除算部P2に入
力され、上記回転速度センサ22を用いて検出される内燃
機関2の回転速度ωによって除算される。そしてその除
算結果Vf/ωは係数f5乗算部P3に入力され、予め設定さ
れた係数f5が乗算される。
一方回転速度センサ22により検出される回転速度ω
は、吸気圧センサ12により検出される吸気管圧力Pや吸
気温センサ13により検出される吸気温Tiと共に第2演算
部P4にも入力される。第2演算部P4は、上述の(2)式
の如き演算式を用いて内燃機関2の回転速度ωと吸気管
圧力Pと吸気温度Tiとからシリンダ2a内に流入する空気
量mを算出するためのもので、その算出結果は、第1乗
算部P5及び第2乗算部P6に出力される。そして第1乗算
部P5では、上記酸素センサ16により検出されるシリンダ
2a内に流入した燃料混合気の燃空比λと第2演算部P4で
算出された空気量mとが乗算され、これによってシリン
ダ2a内に実際に流入した燃料量(実燃料量)λmが算出
される。
また第2乗算部P6では、内燃機関2の負荷に応じて設
定される目標燃空比λrと第2演算部P4で算出された空
気量mとが乗算され、これによってシリンダ2a内に流入
すべき燃料量(目標燃料量)λrmが算出される。そして
乗算部P6で算出された目標燃料量λrmは係数f4乗算部P7
に入力され、予め設定された係数f4が乗算される。
また第1乗算部P5及び第2乗算部P6の算出結果は共に
偏差算出部P8に入力され、その偏差m(λ−λr)が算
出される。そしてその算出結果は逐次加算部P9で加算さ
れ、その算出結果には係数f3乗算部P10で予め設定され
た係数f3が乗算される。
一方上記第1乗算部P5で算出された実燃料量λm及び
除算部P2の除算結果Vf/ωはオブザーバP11に出力され
る。オブザーバP11は、予め設定された演算式を用い、
実燃料量λmと、除算部P2の除算結果Vf/ωと、燃料噴
射弁32からの燃料噴射量qと、前回推定した吸気管4壁
面への付着燃料量w及び吸気管4内での蒸発燃料量
vとから、付着燃料量fwと蒸発燃料量fvとを推定するた
めのもので、その推定結果w及びvには、夫々、係
数f1乗算部P12及び係数f2乗算部P13で係数f1及びf2が乗
算される。
そしてこれら乗算部P12及びP13からの乗算結果は、他
の乗算部P4、P7、P10での乗算結果と共に、加算部P14〜
P17で加算され、これによって燃料噴射弁32からの燃料
噴射量qが決定される。
次に上記第3図の制御系の設計方法について説明す
る。尚、この種の制御系の設計方法としては、例えば、
古田勝久著「実システムのデジタル制御」システムと制
御、Vol.28,ωo.12(1984年)計測自動制御学会等に詳
しいので、ここでは簡単に説明する。また本実施例で
は、スミス−デェビソン(Smith−Davison)の設計方法
を使用するものとする。
上述のように本実施例の制御系は、前述の(7)及び
(8)式に示した物理モデルに基づき設計されている。
この物理モデルは非線形であるので、まず上記物理モデ
ルを線形近似する。
上記(7),(8)式において、 とすると、(7),(8)式は で表すことができる。
上式(15)において右辺に外乱W(k)が加わるもの
とし、このときの変数を添え時aで表すと、上式(15)
及び(16)は次式(15)′、(16)′に示す如くなる。
また であるとすると、上式(15)及び(16)は次式(1
5)″、(16)″に示す如くなる。
上式(15)′,(15)″及び(16)′,(16)″より、 となり、(17)式において外乱Wはステップ状に変化す
るものとし、ΔW(k)=W(k)−W(k−1)=0
であるとすると、(17)及び(18)式より、 となる。
したがって上式(17)′及び(18)′より、線形近似
され、サーボ系に拡大された次式に示す如き状態方程式
が得られる。
次に上式(19)を次式(20)のようにみなす。
すると、離散形2次形式評価関数は次式(21)のよう
に表現できる。
ここで、重みパラメータメータ行列 を選択して、上記離散形2次形式評価関数Jを最小にす
る入力 は次式(22)で与えられる。
従って、上式(19)における最適フィードバックゲイ
は次式(23)のように定まる。
但し、 は次式(24)に示す離散形リカッチ方程式を満たす正定
対称行列である。
これにより、Δ(qa(K)−qr)は、次式(25)のよ
うに求まる。
次に上式(25)を積分すると、qa(k)−qrは次式
(26)の如くなる。
上記(15)″、(16)″式の状態 で上式(26)の制御を行なうと、 となる。そこで(15)″に上式(27)を代入すると、 となり、 とすると、 となる。従って となり、次式(31)において とし、(26)式に代入すると、 となる。
従ってこの式(34)に前述の(9)及び(10式を代入
すると、 となり、上記第3図に示す制御系が設計できる。尚上式
(36)は燃料噴射量を求めるための上述の第2の演算式
となる。
次にオブザーバP11は、上式(36)における吸気管4
壁面への付着燃料量fw及び吸気管4内での蒸発燃料量fv
を直接測定できないため、その値を推定するためのもの
である。オブザーバの設計方法としてはゴピナスの設計
法等が知られており、「基礎システム理論」(前掲書)
等に詳しいので、ここでは最小次元オブザーバを設計す
るものとし、その設計法について簡単に説明する まず上記(15)式において、 とおくと、上式(15)は次式(38)の如くなる。
上式(38)と上述の(16)式で表現される物理モデル
のオブザーバの一般系は、次式(39)のように定まる。
従って本実施例のオブザーバP11は次式(40)のように
設計でき、これにより付着燃料量fw及び蒸発燃料量fvが
推定できる。
次に電子制御回路30で実行される燃料噴射制御を第4
図に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以
下の説明では現在の処理において扱われる量を添字(k
で表す。
当該燃料噴射制御30は内燃機関2の運転開始と共に起
動され、内燃機関2の運転中常時繰り返し実行される。
処理が開始されると、まずステップ100を実行して、
付着燃料量wo、蒸発燃料量vo、燃料噴射量qを初期
設定し、ステップ110で実燃料量λmと目標燃料量λrm
との偏差の積分値Smλを0に設定する。そして続くステ
ップ120では、上記各センサからの出力信号に基づき、
燃空比λ(k)、吸気管圧力P(k)、吸気温度Ti
(k)、内燃機関2の回転速度ω(k)、冷却水温T
(k)を求め、ステップ130に移行する。
ステップ130では、上記ステップ120で求めた吸気管圧
力P(k)と、内燃機関2の回転速度ω(k)とに基づ
き、内燃機関2の負荷に応じた目標燃空比λrを算出す
る。尚このステップ130では、通常、燃料混合気の空気
過剰率が1(即ち理論空燃比)となるよう目標燃空比λ
rが設定され、内燃機関2の高負荷運転時等には燃料を
通常より増量して内燃機関の出力を上げるため、目標燃
空比λrがリッチ側に設定され、内燃機関2の軽負荷運
転時等には、燃料を通常より減量して燃費を向上するた
め、目標燃空比λrがリーン側に設定される。
ステップ130で目標燃空比λr(k)が設定される
と、今度はステップ140に移行し、上記ステップ120で求
めた吸気管圧力P(k)と吸気温度Ti(k)と内燃機関
2の回転速度ω(k)とに基づき、前述の(2)式に示
した如き演算式またはデータマップを用いてシリンダ2a
内に流入する空気量m(k)を算出する、前記第2演算
部P4としての処理を実行する。
また続くステップ150では、上記ステップ120で求めた
冷却水温T(k)に基づき、吸気管2a壁面への付着燃料
の蒸発量Vfを求め、その値を内燃機関2の回転速度ω
(k)で除算し、前回の吸気行程から次の吸気行程迄の
間に吸気管4壁面からの燃料の蒸発量Vfw(k)(即
ち、Vf(k)/ω(k))を算出する、第1演算部P1及
び除算部P2としての処理を実行する。尚本実施例では、
上述のように前述の(1)式に示した如き演算式または
データマップを用いて吸気管2a内での燃料の飽和蒸気圧
PS(k)を求め、その値Ps(k)を用いて前述の
(1)′式に基づき吸気管4壁面からの燃料蒸発量Vfを
算出するものとしているが、燃料蒸発量Vfは、正確には
吸気管気圧力Pによっても変化するので、上記(1)式
に基づき求められる飽和蒸気圧Ps(k)と上記ステップ
120で求めた吸気管圧力P(k)とに基づき燃料蒸発量V
fを算出するようにしてもよい。
そして続くステップ160では上記ステップ120で求めた
燃空比λ(k)と上記ステップ150で求めた空気量m
(k)とを乗算して、前回の吸気行程時にシリンダ2a内
に流入した実燃料量λm(k)を算出する、第1乗算部
P5としての処理を実行し、ステップ170に移行する。
ステップ170は、上記ステップ160で求めた実燃料量λ
m(k)と、前回の燃料噴射量qと、上記ステップ150
で求めた吸気管壁面からの燃料蒸発量Vfw(k)と、前
回求めた付着燃料量wo及び蒸発燃料量voと、に基づ
き前記(40)の演算式を用いて付着燃料量w(k)及
び蒸発燃料量v(k)を推定する、オブザーバP11と
しての処理を実行する。
そして続くステップ180では、上記ステップ130で設定
した目標燃空比λr(k)と上記ステップ140で求めた
空気量m(k)とを乗算して、シリンダ2a内に流入する
目標燃料量λrm(k)を算出する、第2乗算部P6として
の処理を実行した後、ステップ190に移行する。
ステップ190では、前回求めた実燃料量λmと目標燃
料量λrmとの偏差の積分値Smλと、上記ステップ170で
求めた付着燃料量w(k)及び蒸発燃料量v(k)
と、ステップ180で求めた目標燃料量λrm(k)と、ス
テップ150で求めた燃料蒸発量Vfw(k)とから、前述の
(36)式を用いて燃料噴射量q(k)を算出し、ステッ
プ200に移行する そしてステップ200では、上記クランク角センサ24か
らの検出信号に基づき決定される燃料噴射タイミング
で、上記ステップ190で算出された燃料噴射量q(k)
に応じた時間燃料噴射弁32を開弁して実際に燃料噴射を
行なう、燃料噴射制御を実行する。
上記ステップ200で燃料噴射制御が実行され、内燃機
関2への燃料供給が一旦終了すると、次にステップ210
に移行し、上記ステップ160で求めた実燃料量λm
(k)とステップ180で求めた目標燃料量λrm(k)と
の偏差を、前回求めた積分値Smλに加算して積分値Smλ
(k)を求める、逐次加算部P10としての処理を実行
し、ステップ220に移行する。そしてステップ220では、
次回の処理で付着燃料量w及び蒸発燃料量vを推定
するために用いる付着燃料量及び蒸発燃料量の基準値
wo、voとして、今回上記ステップ170で求めた付着燃
料量w(k)及び蒸発燃料量v(k)を設定し、再
度ステップ120に移行する。
以上説明したように本実施例の燃料噴射制御装置で
は、制御則が内燃機関2における燃料の挙動を記述した
物理モデルに基づき設定されるため、内燃機関2の吸気
管温度、即ち内燃機関2の暖気状態によって変化する燃
料の挙動をVfw(即ちVf/ω)によって非線形補償するこ
とができ、単一の制御則によって燃料噴射量を制御する
ことができる。従って従来のように内燃機関の運転状態
に応じて制御則を変更するといった煩雑な制御が不要と
なり、制御系の簡素化を図ることができる。
またこのように燃料の挙動を正確に記述する物理モデ
ルに則って制御が行われるので、制御則の次数が低くて
も外乱の影響を大きく受けることなく制御を行うことが
でき、その制御精度を向上することができる。
また更にオブザーバにより推定する状態変数は、吸気
管壁面への付着燃料量と蒸発燃料量であるので、状態変
数がオブザーバにより正確に推定されているか否かを判
断して制御系の異常を検出するといったこともできる。
ここで上記実施例では、吸気管壁面から蒸発した燃料
が全て蒸発燃料となるものとして求められた(7)及び
(8)式の物理モデルに基づき制御系を設計したが、内
燃機関の吸気行程時に吸気管壁面から蒸発する燃料(4
サイクル内燃機関の場合、吸気行程から吸気行程迄の燃
料蒸発量α5・Vf/ωの1/4となる)は、蒸発燃料として
吸気管内部に留まらず、直接内燃機関のシリンダ内に流
入するといったことも考えられるので、上記(5)式及
び(6)式を夫々次式(50)及び(51)式の如く変更
し、 fv(k+1)=(1−α3)・fv(K)+α6・q
(k)+3・α5・Vf(k)/4・ω(k) …(50) fc(k)=λ(k)・m(k)+α5・Vf(k)/4・ω
(k) …(51) 物理モデルを、次式(52)及び(53)の如く求め、 (但し、α7:α5・3/4、α8:α5/) これに基づき制御系を設計するようにしてもよい。
尚この場合、制御系の設計は、上記実施例と同様に行
うことができる。
即ち、上記(52)及び(53)式において、 とすると、(52),(53)式は前述の(15),(16)式
の如く表すことができるので、上記実施例と同様に、
(15),(16)式から、線形近似され、サーボ系に拡大
された(19)式に示す如き状態方程式を求め、リカッチ
方程式を解くことで、(34)式が得られる。そこで上記
(34)式に上記(54)及び(55)式を代入すれば、 となり、上記実施例と同様の第3図に示す如き制御系が
設計できる。
また第3図におけるオブザーバP11も、前記実施例と
同様の手法で、(40)式の如く設計できる。
次に上記実施例では、オブザーバP11で付着燃料量fw
及び蒸発燃料量fvを推定した際、その推定値w及び
vをそのまま制御に用いるものとして説明したが、内燃
機関が、冷却水温80℃異常の高温時に、軽負荷低回転で
運転されると、吸気行程毎に算出される吸気管壁面付着
燃料の蒸発量Vf/ωが大きくなって、吸気管壁面の付着
燃料量fwが負の値として推定されることがある。しかし
実際には、付着燃料量fwが負の値になることは有り得な
いので、制御が不安定になってしまう。
そこでこのような問題を解決するため、第5図に示す
如く、第4図のステップ170で付着燃料量fwが推定され
た後、付着燃料量の推定値wが負であるか否かを判断
し、推定値wが負である場合には、その値を0とす
る、ステップ171及びステップ172の処理を行うようにす
ることが望まれる。
[発明の効果] 以上説明したように本発明の内燃機関の燃料噴射量制
御装置によれば、内燃機関における燃料の挙動を、吸気
管壁面への付着燃料量fw、及び吸気管内での蒸発燃料量
fvを状態変数として、燃料噴射弁からの燃料噴射量q、
内燃機関の回転速度ω、吸気管壁面付着燃料の蒸発量V
f、シリンダ内に流入した燃料混合気の燃料と空気との
比を表す燃空比λ、及びシリンダ内に流入する空気量m
に基づき記述した上述の物理モデルに従って設定され
た、 q(k)=f1・fw(k)+f2・v(k)+f3・Smλ+f4
・λrm(k)+f5・Vf(k)/ω(k) なる制御則に則って、内燃機関の吸気サイクル毎に燃料
噴射量を算出するので、単一の制御則に基づき、内燃機
関の広範囲な運転条件下で、燃料噴射量を精度よく制御
することができる。
即ち、まず、本発明の基本となる物理モデルは、既述
したように、内燃機関のシリンダ内に流入する燃料量
は、燃料噴射弁からの噴射燃料の直接流入量と、その噴
射燃料が付着した吸気管からの間接流入量と、噴射燃料
或は壁面付着燃料の蒸発により吸気管内部に存在する蒸
発燃料の流入量との総和であり、吸気管壁面への付着燃
料量と吸気管内での蒸発燃料量とを知ることができれ
ば、空燃比を目標空燃比に制御するのに必要な燃料噴射
量を正確に求めることができる、といった考えの下に構
築されたものである。
そして、この物理モデルは、燃料噴射量、吸気管壁面
への付着燃料量、及び、吸気管内の蒸発燃料量だけでな
く、内燃機関の運転状態に応じて変化する吸気管壁面か
らの燃料の蒸発量をパラメータとしており、しかも、シ
リンダ内には内燃機関の吸気行程毎に燃料が流入するの
で、内燃機関の吸気サイクルをサンプリング周期として
いる。
この結果、上記物理モデルは、内燃機関においてシリ
ンダ内に流入する燃料の挙動を正確に記述したものとな
り、内燃機関の全運転領域で燃料挙動を記述することが
可能になる。
そして、本発明では、内燃機関の運転状態から求める
ことのできない蒸発燃料量及び付着燃料量については、
推定手段において上記物理モデルに従って推定し、内燃
機関の運転状態から求めることができる他のパラメータ
については、運転状態検出手段において内燃機関の運転
状態から求め、最終的には、上記物理モデルに従って設
定された上記制御則を使用して、燃料噴射弁から吸気行
程毎に噴射する燃料噴射量を決定している。
従って、本発明によれば、制御入力と制御出力との関
係から状態変数を同定した物理モデルに従って制御則を
設定した装置のように、物理モデルによって内燃機関の
振る舞いを記述可能な運転領域毎に制御則を切り換える
必要がなく、単一の制御則に基づき、内燃機関の広範囲
な運転条件下で、燃料噴射量を精度よく制御することが
できるようになるのである。
そして、このように、本発明によれば、制御則が、上
記物理モデルに従ってて設定され、上記除算手段の除算
結果によって線形補償されているので、非線形補償のた
めに、逐次加算手段による積分要素を大きくする必要が
なく、制御系の簡素化・低次元化を図ることができ、制
御の応答性を向上することもできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成を表すブロック図、第2図は実施
例の内燃機関及びその周辺装置を表す概略構成図、第3
図は同じくその制御系を示すブロックダイヤグラム、第
4図は同じくその制御を示すフローチャート、第5図は
燃料噴射制御処理の改良例を表すフローチャート、であ
る。 M1、4……吸気管、M2、2……内燃機関 M3、2a……シリンダ、M4、32……燃料噴射弁 M5……運転状態検出手段、M6……除算手段 M7……推定手段、M8……逐次加算手段 M9……燃料噴射量算出手段、12……吸気圧センサ 13……吸気温センサ、16……酸素センサ 20……回転速度センサ、26……水温センサ 30……電子制御回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸気管壁面への付着燃料量fw、及び吸気管
    内での蒸発燃料量fvを状態変数として、燃料噴射弁から
    の燃料噴射量q、内燃機関の回転速度ω、吸気管壁面付
    着燃料の蒸発量Vf、シリンダ内に流入した燃料混合気の
    燃料と空気との比を表す燃空比λ、及びシリンダ内に流
    入する空気量mに基づき、内燃機関のシリンダ内に流入
    する燃料の挙動を、 (但し、kは吸気行程におけるk番目のサイクル、a2〜
    a6は定数を表す。)なる式にて記述した物理モデルに則
    って、燃料噴射弁からの燃料噴射量qを制御する内燃機
    関の燃料噴射量制御装置であって、 内燃機関の運転状態に基づき、内燃機関の回転速度ω、
    吸気管壁面付着燃料の蒸発量Vf、シリンダ内に流入した
    燃料混合気の燃料と空気との比を表す燃空比λ、及びシ
    リンダ内に流入する空気量mを求める運転状態検出手段
    と、 該運転状態検出手段で求められた蒸発量Vfを回転速度ω
    で除算する除算手段と、 上記物理モデルに従って、上記運転状態検出手段で求め
    られた燃空比λと空気量mとの積λm、上記除算手段の
    算出結果Vf/ω、及び上記燃料噴射弁からの燃料噴射量
    qに基づき、吸気管壁面への付着燃料量fwを及び吸気管
    内での蒸発燃料量fvを推定する推定手段と、 上記運転状態検出手段で求められた燃空比λと空気量m
    との積λmと、該空気量mと予め設定された目標燃空比
    λrとの積λrmとの偏差を求め、該偏差を逐次加算する
    逐次加算手段と、 上記物理モデルに従って設定された、 q(k)=f1・fw(k)+f2・fv(k)+f3・Smλ+f4
    ・λrm(k)+f5・Vf(k)/ω(k) (但し、kは吸気行程におけるk番目のサイクル、f1〜
    f5は定数を表す。)なる制御則を使用して、上記除算手
    段の算出結果Vf/ω、上記推定手段の推定結果fw,fv、上
    記運転状態検出手段で求められた空気量mと目標燃空比
    λrとの積λrm、及び上記逐次加算手段の加算結果Smλ
    に基づき、上記燃料噴射弁からの燃料噴射量qを算出す
    る燃料噴射量算出手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
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