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JP2690466B2 - レーザビームスピンナ - Google Patents

レーザビームスピンナ

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JP2690466B2
JP2690466B2 JP7002768A JP276895A JP2690466B2 JP 2690466 B2 JP2690466 B2 JP 2690466B2 JP 7002768 A JP7002768 A JP 7002768A JP 276895 A JP276895 A JP 276895A JP 2690466 B2 JP2690466 B2 JP 2690466B2
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mirror
swing
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laser beam
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正雄 岸
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガスレーザ又はY
AGレーザで溶接、熱処理などを行う際、レーザビーム
を被加工物の表面上で円、楕円の軌跡を画くように回転
(スピン)させたり、左右、上下、斜め等、任意方向に
走査(スキャン)させたりするための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大出力炭酸ガスレーザやYAGレーザ
は、エネルギ密度が高く対象物を強力に加熱できること
から、各種材料の切断、溶接、熱処理などに利用されて
いる。中でも溶接で本発明の有効性が顕著に現われるの
で、以下の説明は、この溶接を例に挙げて行う。
【0003】レーザ溶接での被加工物へのビーム投入に
は、図1に見られる通り各種の方法が存在する。レーザ
ビームの照射点は一点に固定し、これに沿って被加工物
の継ぎ目部分を直線運動させるだけでもよく、図1
(a)がそれを示している。この方法は、レーザビーム
をスピン或いはスキャンさせる機構を必要とせず、装置
が単純・安価になる反面、次のような欠点がある。
【0004】(1)照射点でのビーム集束径が微小であ
るため、実際の照射位置が目標位置からずれ易い。
【0005】(2)突き合わせ溶接においては、被加工
物間のギャップを溶接線の全長にわたって狭く保持しな
ければならない。
【0006】(3)重ね溶接では得られる継ぎ手強度が
不足し易い。
【0007】(4)アルミ材等の溶接では溶接部が気孔
(ポロシティ)を含み易く、継ぎ手強度が弱くなる。こ
れについては「レーザ溶接の将来技術」1995年3月
(レーザ熱加工研究会)の第3章、第3節に詳しく述べ
られている。
【0008】そこで、(1)、(2)、(3)の欠点解
消策としてビームを回転させる図1(b)のスピニング
法や、ジグザグに移動させる図1(c)のスキャニング
法が提案されている。
【0009】スピニング法は(4)の問題に対しても効
果がある。理由は、図2に示すように、被加工物の一旦
溶融した箇所を更に1〜数回ビームが横切り、それによ
る攪拌効果で溶融部に含まれるガスの排出が促進される
ためと云われている。しかし、このスピニング法は、図
2から判るように、溶接線JLの左右でビームの軌跡が
異なるため、ステンレス等の低熱伝導率材料の場合には
特に、スピン径、スピン周波数、被加工物の送り速度等
の条件が適切でないと突き合わせ点の左右で溶接状態に
差が出ることがある。
【0010】スキャニング法には、この問題は無いが、
前述の(4)の欠点を解消できない。また、スキャニン
グ法は、溶接線の方向が途中で変化する場合には、被加
工物又はスキャニングヘッドの向きを溶接線の方向に合
わせて傾ける必要がある。スピニング法にはこの問題は
ない。
【0011】このように、スピニング法、スキャニング
法には一長一短があることから、それ等の方法を使い分
けできるようにしたものも提案されている。
【0012】例えば、図3は特開昭61−292122
号公報等に示されているものであって、回転軸に対し、
法線の方向を僅かに傾けた平面鏡1、2を対向させ、こ
れ等の平面鏡をモータ1、2により等速度で同方向又は
逆方向に回転させて下流の集光部品に対するレーザビー
ムの入射位置を変動させる。この方式は、平面鏡を同方
向に回転するとスピンナになり、逆方向に回転するとス
キャナになり、両平面鏡の位相差調整で振幅を変えるこ
とができる。
【0013】また、図5に示すものは、1個の平面鏡
を、その周囲の4箇所に取付けた電磁式アクチュエータ
(図示せず)の協調伸縮により裏面中央のピボット軸を
支点にして揺動させる。集光は、平面鏡の上流に設置し
た放物面鏡で行う。全部のアクチュエータを使用し、ピ
ボット軸を支点にして平面鏡を歳差運動させればスピン
ナとなり、X軸上又はY軸上のアクチュエータを固定
し、他軸上のアクチュエータのみを作動させれば平面鏡
が一軸上でシーソー運動してスキャナとなる。
【0014】このほか、スピンナ機能があってスキャナ
機能の無いものについてもう一例挙げる。図6がそれで
あって、1個の放物面鏡を、放物面の中心線と平行な偏
心軸の回りに回転させる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図3の装置は、スピン
ナ/スキャナの使い分け及び振幅・振動数、スキャニン
グ時の走査方向の電気的遠隔操が可能で操作性に優れ、
耐久性、信頼性も高い。
【0016】しかし、3kw以下のレーザにしか適用で
きない弱点がある。図3では集光部品を放物面鏡として
描いているが、実際にはレンズでなければならない。本
方式では、集光部品に対する光の入射角を集光部品の光
軸と非平行にして回転させ、これによって被加工物上で
ビームをスピン或いはスキャンさせるので、入射光の光
軸が放物面の光軸からずれた場合、図4に示すようにそ
のずれ角に応じて焦点でのパワー密度低下が起こる放物
面鏡では均一な溶接が望めず、従って、集光部品には、
その問題を生じないレンズが要求される。ところが、レ
ンズは、炭酸ガスレーザに対して最小のエネルギ吸収率
をもつZnSe材で製作しても0.4%以上のエネルギ
を吸収し、水冷しても膨張して焦点の移動が無視できな
くなるいわゆる熱レンズ効果が生じるため、一般に3k
w以上のレーザに対しては適用し難い。また、回転する
平面鏡は水の供給が難しいため気体噴射による冷却を行
うことになるが、この方法では構造上伝熱面積を広く採
れず、従って、この平面鏡の冷却効果の面からも適用で
きるレーザビームがパワー密度の低いものに制限され
る。
【0017】図3の装置には、このほかにも、平面鏡の
駆動源であるモータの性能面からビームの最大振幅、振
動数が1mm、70Hz程度に制限されると云う問題
や、装置サイズがかなり大きくなり、かつ、ビーム運動
用ミラーも2個必要と云った問題がある。
【0018】次に、図5の装置は、図3の装置と同様、
操作性がよい。十分な冷却が可能であり大出力レーザに
適用できる。ある程度小型化できる。ビームを運動させ
るミラーが1個でよいと云った多くの長所を有する。し
かし、一方で次の欠点を併せもつ。即ち、最大振動数が
100Hzのとき、焦点距離500mmの集光鏡を使用
しても振幅が3mm弱程度に制限される。また、アクチ
ュエータ両端の固定にピンジョイント類が必要である
が、これが長時間の稼働によって摩耗し、騒音、振動の
源となって装置全体の寿命を短縮させる恐れがある。
【0019】また、図6の装置は、放物面鏡の水冷が可
能であり、大出力レーザに適用できる。また、比較的小
型化が図れ、ビーム運動用のミラーも1個でよいが、信
頼性、耐久性が低い。その理由は、振幅変化のためには
回転中心からの放物面鏡偏心量を変える必要があり、こ
れによって重心位置が変動し、動バランスが崩れて装置
全体に振動が発生し易いことにある。また、その振動回
避のためにビーム操作を小さくする必要があるので、最
大振動数と振幅も50Hz、0.5mm以下ぐらいに規
制される。また、構造上スピンナ専用になり、スキャニ
ング法を実施できない。
【0020】本発明は、かかる現状技術に鑑みてなされ
たものであって、3kw以上、入射ビーム径50mm以
上の炭酸ガスレーザ、YAGレーザ等に対応でき、ま
た、ビーム振幅3mm、振動数150Hz以上で、スピ
ン、スキャンを操作性よく実施でき、さらに、信頼性、
耐久性に優れ、かつ、できるだけコンパクトな光学装置
を提供することを課題としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のレーザビームス
ピンナを図7に示す。このスピンナは、 平行な入射レーザビームを絞って反射するための放
物面鏡2と、 そこからの反射光を再反射する第1揺動ミラー3
と、 第1揺動ミラー3からの光を更に反射して被加工物
に当てる第2揺動ミラー4と、 第1揺動ミラー3を支持してこれを微小角度で揺動
させる第1ガルバノメータ7と、 第2揺動ミラー4を支持してこれを第1揺動ミラー
3の揺動軸に対して直交する軸の回りに微小角度で揺動
させる第2ガルバノメータ8と、 第1、第2ガルバノメータ7、8それぞれの振幅と
相互の位相差を調節する制御装置とで構成されてい
る。
【0022】本発明では、の制御装置で、2台のガル
バノメータ相互の振動の位相差を0°、90°、180
°に切り替えられるようにし、さらに、各ガルバノメー
タの最大揺動角度R1 、R2 も独立して連続的に調節で
きるようにした。ここに、本発明の特徴がある。
【0023】ここに云う振動は、揺動ミラーを直径方向
の揺動軸を支点にしてある角度で相反する方向に交互に
回転(揺動)させることによって行われる。ガルバノメ
ータであれば、その振動の周波数を大きくすることが可
能である。
【0024】
【作用】直交した揺動軸をもつ2つの揺動ミラーと各駆
動用ガルバノメータを設けて制御装置からの指令で2台
のガルバノメータ相互の振動の位相差を0°、90°、
180°に切り替えると、電気的遠隔操作によるスピン
ナ/スキャナの使い分けが可能になる。
【0025】また、各ガルバノメータの最大揺動角度R
1 、R2 を独立に連続的に調節することにより、スピニ
ングではスピン径の、スキャニングでは走査方向と振幅
の制御が可能になる。
【0026】即ち、図8においてX軸用ガルバノメータ
7を φx=R1 /(L1+L2)*sin(ωt)、 Y軸用ガルバノメータ8を φy=R2 /L1*sin(ωt+θ)、 で運転する。R1 /(L1+L2)、R2 /L1はX軸
用、Y軸用ガルバノメータそれぞれの最大揺動角度。θ
は両ガルバノメータの振動の位相差である。これらを制
御装置で調整する。
【0027】θを90°にすれば、X軸用ガルバノメー
タによる被加工物上のビーム集束点の軌跡(以下ビーム
軌跡と略称する)は X=R1 *sin(ωt)、 Y軸用ガルバノメータによる被加工物上のビーム軌跡は Y=R2 *cos(ωt) となりこれらが合成されて被加工物上のビーム軌跡は結
局、 (X/R1 2 +(Y/R2 2 =1…… となる。ここでR1 =R2 =Rとするなら、即ちX軸用
・Y軸用ガルバノメータの最大揺動角度をそれぞれR/
(L1+L2)、R/L1とするなら、ビームの軌跡は
円形となってその半径をRにできる。R1 ≠R2 なら楕
円形となってその長・短径はそれぞれR1 、R2 とな
る。つまり位相差を90°にすればスピニングを行い、
1 /(L1+L2)、R2 /L1の調整によりその形
状・寸法を設定できる。
【0028】位相差θを0°または180°にすれば、
X軸用ガルバノメータによる被加工物上のビーム軌跡は X=R1 *sin(ωt)、 Y軸用ガルバノメータによる被加工物上のビーム軌跡は Y=±R2 *sin(ωt) となりこれらが合成されて被加工物上のビーム軌跡は結
局、 Y=±R2 /R1 *X…… の直線になる。つまり位相差θを0°または180°に
すればスキャニングを行い、R1 /(L1+L2)、R
2 /L1によって直線の傾きと長さを設定できる。
【0029】これをもう少し判り易く説明すると、今、
図8において第1揺動ミラー3がa方向に回転したら第
2揺動ミラー4に向かうビームの光軸が−X方向に変位
する。このとき、θが0°ならミラー4は図のb方向に
回転し、そのため、ビームの照射点SPは−X方向に移
りながらY方向にも移動する。また、2つのミラーの回
転方向がa’、b’方向に変われば照射点SPはX方向
に移りながら−Y方向にも移動し、SPの軌跡が一点鎖
線の右上りの直線になる。
【0030】一方、θが180°の場合には、第1揺動
ミラー3の回転方向がa方向のとき第2揺動ミラー4の
それはb’方向、前者がa’方向のとき後者はb方向と
なり、SPの軌跡は点線で示す右下りの直線になる。2
つの揺動ミラーを用いればこのようにビーム照射点を
X、Yの2方向に変位させることができ、これによりθ
=90°でのスピニングも可能になる。
【0031】第1、第2揺動ミラー3、4のどちらか一
方のみを駆動しての一般的スキャニングも勿論行える。
従って、例えば図1(c)の溶接において、イの位置ま
では被加工物Wを−X軸方向に送りながら第2揺動ミラ
ー4のみを揺動させて溶接を行い、次に、イ〜ロの間
は、被加工物Wを−X及びYの2軸方向に送りながらθ
=180°でビーム軌跡が右下りの直線となるスキャニ
ングに変更し、ロ点以降は被加工物WをY軸方向に送り
ながら第1揺動ミラー3のみを揺動させてスキャニング
溶接を行うと云ったことが可能であり、この方法では被
加工物やスキャニングヘッドの向きを変更する必要がな
い。
【0032】本発明のスピンナと、被加工物をX、Yの
2軸方向に動かす送りテーブルと、この送りテーブルの
送り方向及び送り速度を制御する制御装置を備えるレー
ザ加工装置を用いれば、そのような加工を行える。ま
た、この装置であれば、スピニング法でビームが溶融箇
所を再度横切る回数を適正に制御してポロシティをより
減少させることもできる。
【0033】以上の通り、スピンナ/スキャナの使い分
け及び振幅・振動数・スキャニングの場合の走査方向が
電気的に遠隔操作でき、操作性がよい。
【0034】また、揺動ミラーの揺動抵抗をさほど増大
させない冷却機構を採用してガルバノメータでミラーを
駆動するようにしたので、振動数150Hz以上、振幅
3mmも実現できる。ガルバノメータは、コイルに交番
電流を流して軸を正逆回転させるもので正逆回転の振
幅、周波数を任意に調整し得る。
【0035】さらに、放物面鏡で集束したビームをガル
バノメータで駆動する2つの揺動ミラーで反射して被加
工物に当てる構成にしたので、放物面鏡への入射光は常
に同鏡の中心線と平行に保たれ、従って、ビーム集束点
におけるパワー密度の変動は起こらず、均一な溶接結果
が得られる。
【0036】このほか、ガルバノメータの採用で装置が
コンパクトになる。また、ミラー揺動のための複雑な機
構も無くなって装置の信頼性、耐久性も向上する。
【0037】ガルバノメータは、永久磁石とコイルを組
合わせ、交番電流を流して回転子を正逆回転させる。こ
れは、元来検流計であるが、ミラーの回転抵抗を低減
し、さらに、ミラーの冷却効率を高めて熱を受け難くす
れば、高出力レーザ用ミラーの駆動手段として使える。
【0038】
【実施例】図9乃至図11に本発明のレーザビームスピ
ンナの具体例を示す。光学系として、入射レーザビーム
を最初に方向転換する平面鏡1、その平面鏡からの反射
平行光を集束する放物面鏡2、その放物面鏡2からの光
を反射して次のミラーに向かわせる第1揺動ミラー3、
その第1揺動ミラーからの光を更に反射して光加工物W
に照射する第2揺動ミラー4が設けられている。
【0039】平面鏡1は、全体配置の都合から設けたも
のであって、スペース効率の向上による装置の更なるコ
ンパクト化に役立っているが、必須の要素ではない。放
物面鏡2は、鏡面がAu又はMoでコーティングされ、
基板がCu又はAl製のものなどを用い、高出力レーザ
に対応する場合には水冷式とする。この放物面鏡2は、
小型軽量化のため、及びこれと被加工物Wまでの間に2
組の揺動ミラー3、4を配置する必要上、45°折り返
し型にし、焦点距離14.14インチのものを用いた。
これらはハウジング5に収容して相互の位置関係を保つ
と共に、周囲をレーザビームから保護する。第2揺動ミ
ラー4と被加工物Wの間にはトーチノズル6を備え周囲
を保護すると共に被加工物に吹き付けるアシストガスの
ガイドとする。
【0040】発振器(図示せず)で発生したレーザビー
ムLBは導光系(図示せず)を経由して平面鏡1に入射
し、反射されて放物面鏡2に入射する。放物面鏡2は集
光性能を上げるためにその軸を入射レーザビームに平行
になるように設置する。放物面鏡2は入射したレーザビ
ームを反射すると同時に一点に集束させる。レーザビー
ムは集束しつつ第1揺動ミラー3に入射する。このミラ
ー3はSi等で形成された軽量の平面鏡であり、第1ガ
ルバノメータ7によって駆動される。第1ガルバノメー
タ7は、制御装置(図示せず)からの指令で動き、これ
により、第1揺動ミラー3は設定した周波数と振幅で反
射ビームの進行方向をX軸方向に振動させる。
【0041】その反射ビームは第2揺動ミラー4に入射
する。このミラー4もミラー3と同様の材料から成る平
面鏡である。この第2揺動ミラーは、前述の制御装置か
ら指令を受ける第2ガルバノメータ8によって駆動さ
れ、設定した位相差及び振幅並びに第1揺動ミラー3と
同じ周波数で反射ビームをY軸方向に振動させる。第
1、第2揺動ミラー3、4の振動の位相差は、制御装置
によって0°、90°、180°に切り替えられるよう
にしてある。
【0042】第2揺動ミラー4で反射されたレーザビー
ムLBは、被加工物Wの表面に照射される。被加工物W
は、放物面鏡2からの距離がその鏡の焦点距離と等しい
位置或いは必要に応じてそこから少々ずらした位置に置
かれる。
【0043】制御装置で調節した第1、第2揺動ミラー
3、4の振動の位相差が90°のときは、ビーム照射点
SPの軌跡は継ぎ目JL上付近を中心として設定した径
の円、或いは楕円を描き、このスピニング動作に被加工
物Wの送りが加えられて、溶接点の軌跡が図2に示すよ
うな形になる。
【0044】一方、第1、第2揺動ミラー3、4の振動
の位相差が0°又は180°のときは、照射点SPは継
ぎ目JL上を中心として設定した振幅で左右、上下、斜
め振動を行う。そのスキャニング動作と被加工物Wの送
りにより、図1(c)に示すような形態の溶接が行え
る。
【0045】以上の如く構成した例示のスピンナは、最
大振幅、振動数について3mm、150Hz以上が実現
できた。
【0046】以下に、例示のスピンナによる溶接実験例
を示す。
【0047】実験は、板厚10mmのアルミ板(AL5
052)を下記の条件で突き合わせ溶接した。
【0048】 炭酸ガスレーザ……出力4kw、ビーム径約60mm スピニング周波数……100Hz スピニング振幅……1mm 溶接速度(被加工物送り速度)……1m/分 シールドガス……Ar 50リットル/分 作業雰囲気は特に光学実験室的なものではなく一般の工
場雰囲気である。溶接部分のX線透過写真観察による
と、ビームスピンを行った場合は気孔の大きさ、数共に
減少し、スピンなしで溶接した場合に比べて気孔発生率
は1/7程度に低下した。図12に、上の条件によるス
ピニング法を採用した溶接部と、同一条件でビームスピ
ニングなしの溶接部の違いを示す。上記の溶接条件で
は、溶け込み深さも、スピンなしの場合に対して遜色な
い。
【0049】
【発明の効果】ビームの集光点をスピン又はスキャンさ
せると、突き合わせ溶接の場合、突き合わせ面間のギャ
ップが多少広くても、又ビームの照射位置が多少ずれて
も差し支えがなく、また、特に被加工物がアルミ材質の
場合、通常のレーザ溶接では溶接部にアシストガスを巻
き込んで気泡を含んだポーラスなものになり、溶接継手
強度が弱くなるのに対し、スピニング法を採用すればガ
スを含んだ被加工物の溶融池を更にビームが数回横切る
ためその撹拌効果でガスの排出が促されて健全な溶接が
行える。
【0050】本発明のスピンナは、操作性、信頼性、耐
久性に優れ、しかも、コンパクトな構成で円の形状、寸
法を自由に変えられるスピンと、走査方向を任意に変え
られるスキャンの両機能を兼備させ、さらに、3kw以
上の高パワー密度のレーザビームへの適用を可能ならし
め、ビームの最大振幅、振動数についても3mm、15
0Hz以上を実現しており、従って、スピニング法、ス
キャニング法の利点を充分に生かした溶接が可能であ
り、レーザビーム加工機を更に進化させるための有効な
手段となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接でのレーザビーム投入法の代表的な例を示
す図
【図2】スピニング法でのビーム照射点の軌跡を示す図
【図3】スピンナ、スキャナの両機能をもつ従来装置の
概略図
【図4】放物面鏡の特性を示す図表
【図5】スピンナ、スキャナの両機能をもつ従来装置の
他の例の概略図
【図6】スピンナ機能のみをもつ装置の原理図
【図7】本発明のスピンナの概要を示す図
【図8】同上のスピンナの機能解説図
【図9】本発明のスピンナの具体例を示す部分破断平面
【図10】図9のA−A線部の断面図
【図11】図9のB−B線部の断面図
【図12】ビームスピニングの有無による溶接部の違い
を示す図
【符号の説明】
1 平面鏡 2 放物面鏡 3 第1揺動ミラー 4 第2揺動ミラー 5 ハウジング 6 トーチノズル 7 第1ガルバノメータ 8 第2ガルバノメータ 制御装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを集束して被加工物に照射
    し、かつ、被加工物上でビーム集束点を任意にスピン或
    いはスキャンさせる機能をもった光学系装置であって、
    第1揺動ミラーを微小角度で揺動させる第1ガルバノメ
    ータ第1揺動ミラーからの反射光を反射して被加工
    物側に向かわせる第2揺動ミラーを第1揺動ミラーの揺
    動軸に対して直交する軸の回りに微小角度で揺動させる
    第2ガルバノメータを有し、その第1、第2ガルバノメ
    ータそれぞれの振幅を独立に連続的に制御し、かつ、そ
    の振幅の相互位相差について0°、90°、180°の
    切り替えを行う制御装置を備えていることを特徴とする
    レーザビームスピンナ。
  2. 【請求項2】 第1、第2ガルバノメータの揺動角度を
    可変とし、その揺動角度の制御で、両ガルバノメータの
    振幅の位相差を0°又は180°にして、もしくは一方
    のガルバノメータのみを駆動して行うスキャニングでの
    直線のビーム軌跡の長さを、また、上記位相差を90°
    にして行うスピニングでの円のビーム軌跡の形状、寸法
    を各々所望値に変更する構成にした請求項1記載のレー
    ザビームスピンナ。
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