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JP2674705B2 - 一次元分布分画方法 - Google Patents

一次元分布分画方法

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JP2674705B2
JP2674705B2 JP63142849A JP14284988A JP2674705B2 JP 2674705 B2 JP2674705 B2 JP 2674705B2 JP 63142849 A JP63142849 A JP 63142849A JP 14284988 A JP14284988 A JP 14284988A JP 2674705 B2 JP2674705 B2 JP 2674705B2
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東亜医用電子株式会社
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/14Optical investigation techniques, e.g. flow cytometry
    • G01N15/1456Optical investigation techniques, e.g. flow cytometry without spatial resolution of the texture or inner structure of the particle, e.g. processing of pulse signals
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H10/00ICT specially adapted for the handling or processing of patient-related medical or healthcare data
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血液中の成熟赤血球および、幼若赤血球に
相当する網赤血球のように、生理的にまたは形態的にそ
の環境が完全には明確でない二つの粒子集団を、粒度分
布図等の一次元分布図上で分画する方法に関する。
[従来の技術] 血液中の未成熟の赤血球は網赤血球(レチクロサイ
ト,Reticulocyte)と呼ばれ、全赤血球数中に通常0.7〜
2.2%含まれる。網赤血球数を測定することは急性内出
血,溶血性貧血,再生不良性貧血その他の疾病の診断を
裏付けること、あるいは薬剤投与後の経過を監視するこ
と等に役立ち、臨床検査分野において重要視されてい
る。
上記網赤血球の計数には、従来、ニューメチレンブル
ー,ブリリアントクレシルブルー等の塩基性染料により
染色された塗抹血液試料を観察し、発色して見られる網
赤血球の全赤血球数中に占める割合を求める方法(視算
法)が用いられいた。
この方法は、染色等の血液試料の前処理および染色後
の目視算定に多大の時間と労力を要し、検体数の多い場
合には不適当なものであった。
そのため、フローサイトメトリーを利用し網赤血球計
数を自動化する方法がいくつか提案されている。たとえ
ば、米国特許第4325706号には、アクリジンオレンジで
螢光染色された血液試料をフローサイトメータで測定
し、個々の粒子から検出された螢光信号と散乱光信号と
から描かれる二次元分布図に、網赤血球数を求める方法
が記載されている。第8図は、上記米国特許明細書中の
Fig.8B.を引用したものである。横軸は粒子から検出さ
れる赤色螢光の信号強度を表し、縦軸は粒子から検出さ
れる散乱光の信号強度を表す。まず、図中、中央の赤血
球(RBC)粒子集団および網状赤血球(RETICS)粒子集
団は、斜め上方に伸びる直線状の分画線により、血小板
(PLT)粒子集団から分画される。次に、上記分画線に
より分画される血小板を除去したのち、残った赤血球粒
子および網赤血球粒子について、赤色螢光信号強度を横
軸とした一次元頻度分布図を描くと、第9図が得られる
(同明細書中のFig.9.を引用)。
上記特許においては、赤血球の頻度分布が正規分布に
従うとの基に、第9図中の赤血球(RBC)領域の左側の
カーブから正規分布曲線を推定し、赤血球の分布の右側
のカーブを外挿している(図中、点線で表される曲
線)。さらに、その外挿曲線が元の頻度分布曲線から乖
離する点を閾値として定め、この閾値以上の螢光強度を
有する領域で、且つ、元の頻度分布線と上記外挿曲線と
で挟まれる領域を網赤血球(RETIC)領域とし、この領
域に含まれる粒子を数え、網赤血球数としている。
[発明が解決しようとする課題] 一次元頻度分布図が、形状,性質や由来の全く異なる
複数の粒子集団の部分的重なりにより形成されたもので
ある。場合には、各々の粒子集団の分布を推定し、各粒
子集団の粒子数を数えることは可能である。たとえば、
特開昭63−32347号公報には、一例として、輸血により
異なる大きさの血球が混じり合った血液の赤血球粒度分
布(一次元頻度分布)を解析し、二つの集団のそれぞれ
粒度分布を推定し、各集団の赤血球数を求めたことが記
載されている。第10図がその場合の粒度分布図であり、
図中の点線が各推定分布を表す。
ところが、同一検体内の赤血球と網赤血球との関係
は、全く異なる粒子集団同士の関係ではない。網赤血球
は、赤血球の成熟過程において、成熟赤血球(本明細書
において赤血球と記載されたものは、全て、成熟赤血球
を意味する)のすぐ前の段階にある幼若赤血球である。
この幼若赤血球に相当する網赤血球は通常1〜2日間で
リボ核酸(RNA)を失い、成熟赤血球となる。この網赤
血球から成熟赤血球への成熟の過程は連続的であり、網
赤血球の中にも、より成熟赤血球に近いものから、より
幼若性の強いものまで、いくつかの段階がある。第9図
を参照すれば、網赤血球粒子集団の中でも、より強い螢
光を発るものは幼若性が強いものであり、網赤血球が成
熟するようにしたがって螢光強度が弱まり、成熟赤血球
の螢光強度に近づいていき、ついには、成熟赤血球と区
別できない領域に入る。したがって、第9図の一次元分
布図は、全く由来の異なる二つの粒子集団が重なったも
のではなく、連続的に成熟していく細胞の分布を示した
ものと言うことができる。このような場合に、第10図に
示されるような明確な異なる二つの粒子集団を推定する
ことは現実的にも困難であり、また、考え方としても無
理がある。第9図には正規分布により赤血球の分布を推
定した外挿曲線が描かれているが、本来の、赤血球の分
布の網赤血球との境界はこのような判然としたものでは
無く、渾然としたものであろう。
本発明は、血液中の成熟赤血球および網赤血球のよう
に、生理的にまたは形態的にその境界が完全には明確で
ない二つの粒子集団を、一次元分布図上で分画する現実
的方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の一次元分布分画方法の第1の方法は、変数X
を一軸とする一次元頻度分布図内で閾値thrを求め、一
つの粒子集団を他の粒子集団から分画する方法におい
て、 (a)上記分布図における分布のピーク位置Xpを求める
ステップ、 (b)ピーク位置XpよりもX値が小(または大)の側
で、分布のピークの頻度の所定%の頻度を示す位置Xs
求めるステップ、 (c)式thr=Xp+α(Xp−Xs)により閾値thrを求める
ステップ、 ただし、αは正の数、 の上記(a)〜(c)のステップを包含することを特徴
とする。
本発明の一次元分布分画方法の第2の方法は、変数X
を一軸とする一次元頻度分布図内で閾値thrを求め、一
つの粒子集団を他の粒子集団から分画する方法におい
て、 (a)上記分布図内における分布のピーク位置Xpよりも
X値が小(または大)の側で、分布のピークの頻度に対
して、それぞれρ1,ρ2,・・・,ρnの頻度を示す位置
Xs1,Xs2,・・・,Xsnを求めるステップ、 ただし、nは3以上の整数、 (b)上記分布図内における分布のピーク位置Xpよりも
Xが小(または大)の側に正規分布を仮定し、上記ρ1,
ρ2,・・・,ρnおよびXs1,Xs2,・・・Xsnより、正規
分布の平均μおよび標準偏差σを定数として含む3組以
上の関係式を導出するステップ、 (c)上記3組以上の関係式に最小自乗法を適用し、正
規分布の平均μおよび標準偏差σを求めるステップ、 (d)式thr=μ+α×σにより閾値thrを求めるステッ
プ、 ただし、分布のピーク位置XpよりもX値が小の側に正
規分布を仮定するとき、αは正の数;分布のピーク位置
XpよりもX値が大の側に正規分布を仮定するとき、αは
負の数、 の上記(a)〜(d)のステップを包含することを特徴
とする。
本発明の一次元分布分画方法の第3の方法は、変数X
を一軸とする一次元頻度分布図内で閾値thrを求め、一
つの粒子集団を他の粒子集団から分画する方法におい
て、 (a)上記分布図における分布のピーク位置XpよりもX
値が小(または大)の側で、分布のピークの頻度に対し
て、それぞれρ1,ρ2,・・・,ρnの頻度を示す位置Xs
1,Xs2,・・・,Xsnを求めるステップ、 ただし、nは3以上の整数、 (b)上記分布図における分布のピーク位置XpよりもX
値が小(または大)の側に正規分布を仮定し、上記ρ1,
ρ2,・・・,ρnおよびXs1,Xs2,・・・Xsnにより、正
規分布の平均および標準偏差をそれぞれ二つ以上求める
ステップ、 (c)上記二つ以上の平均および標準偏差の各々の平均
値を計算し、正規分布の平均μおよび標準偏差σを求め
るステップ、 (d)式thr=μ+α×σにより閾値thrを求めるステッ
プ、 ただし、分布のピーク位置XpよりもX値が小の側に正
規分布を仮定するとき、αは正の数;分布のピーク位置
XpよりもX値が大の側に正規分布を仮定するとき、αは
負の数、 の上記の上記(a)〜(d)のステップを包含すること
を特徴とする。
[作用] 上記の様に求めた閾値thrを用いると、血液中の成熟
赤血球および網赤血球の場合のように、生理的にまたは
形態的にその境界が完全には明確でなく、二つの粒子集
団の分布が重なりあった領域において各々の分布を推定
することが原理的に困難な場合であっても、二つの粒子
集団を一次元頻度分布図上で比較的正確に分画すること
が可能となる。
[実 施 例] 以下、本発明の一実施例について詳述する。
まず、本実施例における二次元分布およびそれに引き
続く一次元分布を得るために使用されるフーローサイト
メータの光学系の一具体例を第7図に示された図面に基
づいて説明する。第7図は、前方散乱光と側方散乱光と
螢光との各強度を測定する光学系の基本構成を示してい
る。本実施例においては、前方散乱光強度および螢光強
度をパラメータとした二次元分布図を対象としている
が、測定目的が異なれば、パラメータの他の組み合わ
せ、たとえば、側方散乱光強度および螢光強度をパラメ
ータとした二次元分布図を対象とすることもあり得る。
このフローサイトメータの光学系10に使用される光源
は、たとえば、波長;488nm、出力;10mWのアルゴンイオ
ンレーザ12である。レーザ12から発せられた光は、シリ
ンドリカルレンズ16によって絞られ、フローセル14中を
流れる側底用試料を照射する。レーザ光が測定用試料中
の粒子に当たると、レーザ光は散乱され、粒子が螢光染
色されている場合には、螢光が発せられる。側方へ発せ
られた散乱光および螢光は、コンデンサレンズ18によっ
て集められ、アパーチャ20を通過したのち、ダイクロイ
ックミラー22に達する。
ダイクロイックミラー22は側方散乱光24を反射し、螢
光26を透過させる。ダイクロイックミラー22によって反
射された側方散乱光24は光電子増倍管28によって測定さ
れる。ダイクロイックミラー22を透過した螢光2はカラ
ーフィルター40を通過したのち光電子増倍管42によって
測定される。側方散乱光を測定しない場合には、ダイク
ロイックミラー22および光電子増倍管28は不要となる。
一方、フローセル14を前方へ透過したレーザ光および
測定試料中の粒子によって光軸36に沿って前方へ散乱さ
れた散乱光はビームストッパ30によって遮断され、フォ
トダイオード34に直接入らないようにされている。狭角
の前方散乱光のうちビームストッパ30によって遮断され
なかった光は、コンデンサーレンズ32によって集光さ
れ、つづいてフォトダイオード34で受光される。
血液を染料オーラミンOで螢光染色して測定用試料と
し、上記フローセル14に流し、上記フローサイトメータ
で螢光および前方散乱光を測定し、螢光強度および前方
散乱光強度を二軸とする二次元分布図を描くと、第3図
に示す図が得られる。図の横軸は螢光相対強度を表し、
縦軸は前方散乱光相対強度を表す。図中の各点は個々の
粒子に対応する。図中のAは赤血球粒子集団を表し、B
は網設計球粒子の集団を表し、Cは血小板粒子集団を表
す。以下、第4図〜第6図においても縦軸,横軸や符号
は同じ意味を表す。螢光強度および前方散乱光強度は、
各々、フルスケールを分解能256に等分割するアナログ
/デジタル変換処理を施された後、表示されている。網
赤血球はオーラミンOによって特異的に染色され、螢光
を発するので、網赤血球粒子集団は図中Bで囲まれた範
囲に出現する。赤血球は散乱光強度は大きいが、弱い螢
光しか発しないので、赤血球粒子集団は図中Aで囲まれ
た範囲に出現する。血小板は螢光強度,散乱光強度とも
に弱いので、血小板粒子集団は図中Cで囲まれた範囲に
出現する。各範囲内の粒子数をカウントすれば、測定用
試料中に存在する各粒子集団の粒子数を知ることができ
る。そのためには、二次元分布図上で各粒子集団を分画
する分画線を引く必要がある。本実施例においては、先
に血小板粒子集団を分画して除外したのち、赤血球粒子
集団と網赤血球粒子集団とを分画する分画線の引き方を
対象とする。
第4図中に描かれた曲線は、分布の疎の領域を見つけ
ることにより引かれた、赤血球粒子集団および網赤血球
粒子集団と血小板粒子集団とを分画する分画曲線であ
る。
第4図において、上記分画曲線より下方の粒子集団す
なわち血小板粒子集団を同分布図より削除したのち、螢
光相対強度を横軸とした一次元頻度分布図を描くと、第
1図が得られる。第1図の縦軸は相対頻度を表し、最大
頻度を100%として表示している。ただし、第1図は概
念図であり、第4図と正確に対応していない(第2図も
同様)。第4図の二次元分布図と対比してみれば明らか
なように、第1図中の大きな山状の分布は、ほぼ赤血球
粒子集団によるものであり、網赤血球粒子集団は上記山
の右側の裾野から始まり螢光強度のフルスケール付近ま
で幅広く分布している。赤血球および網赤血球は前述の
ように、生理的にまたは形態的にその境界が完全には明
確でないので、第1図においても赤血球粒子集団と網赤
血球粒子の集団との分布の境界は本質的に明確ではな
い。このような場合の分画方法を以下に二例示す。
赤血球粒子集団と網赤血球粒子集団との分画方法I 第1図に示される一次元頻度分布図において、山のピ
ーク位置を見つけ、それをXpとする。次に、Xpよりも左
側で、山のピークの頻度の20%の頻度を示す位置Xsとす
る(必ずしも20%でなくともよく、通常は10〜65%の範
囲内に設定する)。螢光強度についての赤血球と網赤血
球との閾値thrを下式により求める。
thr=Xp+α(Xp−Xs) (1) ただし、αは性の数であり、その数値は実験的および
または設計上適宜選択される。α=4.25として、上記
(1)式により求めた閾値thrを用いて、赤血球粒子集
団と網赤血球粒子集団との分画線を引くと第5図,第6
図のようになる。図中、上下方向に引かれた直線dがそ
の分画線えある。第5図は健常者の血液を試料とした場
合の結果であり、第6図は特異検体の血液を試料とした
場合の結果であり、赤血球粒子集団の分布が大きく右方
へ広がっており、そのため、赤血球粒子収と網赤血球粒
子集団との分画線の位置も第5図と比べて大きく右方へ
移動している。両図において、Bの領域内の粒子数を求
めると、試料中の網赤血球数を得ることができる。本法
により得られた網赤血球数と従来法である視算法による
網赤血球数との相関は良好であり、本法により健常者の
検体の場合はもちろん、特異検体の場合であっても、赤
血球粒子集団と網赤血球粒子集団とが分画され、正確な
網赤血球数が求められることが示された。
赤血球粒子集団と網赤血球粒子集団との分画方法II 網赤血球は、その細胞内のRNAと染料オーラミンOと
が結合することにより、いわゆる特異染色される。一
方、赤血球は、その細胞内にRNAを持たないので、特異
染色されることはない。この特異染色の他に、特異染色
ほどには強くないが、赤血球および網赤血球ともに細胞
膜蛋白等が染色される。これを非特異色と言う。第1図
の一次元頻度分布図で言えば、図の右方ほど特異螢光が
強く、左方ほど非特異螢光が支配的な領域であると言う
ことができる。特に、図中の山のピークの左側は、完全
に、成熟赤血球による非特異螢光の領域であると考える
ことができる。
ここで、成熟赤血球の非特異螢光強度の頻度分布は正
規分布に従うと仮定すると、上記ピークの左側の分布曲
線は完全に正規分布に一致するものと考えることができ
る。この山のピーク左側の分布曲線を用いて、上記正規
分布の平均μおよび標準偏差σを求めることができる。
その手順を以下に記す。
第2図は、第1図と同じ分布図であるが、スケールを
拡大して描いてある。
正規分布は一般に以下の式であたえられる。
ここで、Xは第2図の横軸の値を表わす。
山のピークの頻度の100・ρ%の頻度となる位置をμ
−εσとすると下の式が成りたつ。
この式を左辺と解くと (4)式を(3)式に代入しεについて解くと となる。
ピークの、100・ρ1%,100・ρ2%,100・ρ3%,10
0・ρ4%,100・ρ5%の頻度値をもつピークより左側
のXの値を求めそれぞれXs1,Xs2,Xs3,Xs4,Xs5とする
(第2図参照)と、 以上(6)〜(10)の式が成り立つ。ここでXsおよび
εを変数とする上記(6)〜(10)式に最小自乗方を適
用すると定数μおよびσを求めることができる。
あるいは、最小自乗法を用いずに以下のようにμおよ
びσを求めることもできる。
(6)〜(10)式よりμおよびσを以下のようにして
4つ求める。
σ1=(Xs1−Xs5)/(ε5−ε1) μ1=Xs1+ε1・σ1 σ2=(Xs2−Xs5)/(ε5−ε2) μ2=Xs2+ε2・σ2 σ3=(Xs3−Xs5)/(ε5−ε3) μ3=Xs3+ε3・σ3 σ4=(Xs4−Xs5)/(ε5−ε4) μ4=Xs4+ε4・σ4 以上の4つのおよびσの平均値を求め、推定する正規
分布のμおよびσとする。
ここで、式 thr=μ+α×σ (11) で求められる閾値thr以上の螢光強度を持つ粒子を網赤
血球とする。ただし、αは正の数であり、その数値は実
験的およびまたは設計上適宜選択される。α=7.0とし
て、上記(11)式により求めた閾値thrを用いて、赤血
球粒子集団と網赤血球粒子集団との分画線を引いても第
5,6図と同様になる。
この例では、μおよびσを求めるために分布曲線上に
5点をとったが、ポイントの個数は適宜選択される。例
の方法においては、最小自乗法により、あるいは、複
数の値を平均して、μおよひσを求めているので、例
の方法よりも、より正確な閾値thrを求めることができ
る。
なお、最小自乗法の方が、複数の値を平均する方法よ
りも、より正確な閾値thrを求めることができるが、演
算処理は後者の方が簡単であり、分析装置等に、本発明
の方法に基づく演算プログラムを組み込む場合には、処
理速度およびコストの点で、複数の値を平均する方法の
方が有利である。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、血液中の成熟赤血球および網
赤血球のように、生理的にまたは形態的にその境界が完
全には明確でない二つの粒子集団を、一次元分布図上で
比較的正確に分画することが可能となる。
特に、本発明の第2および第3の方法においては、分
布曲線上の数点を用いて、正規分布の平均および標準偏
差を計算し、二つの粒子集団を分ける閾値を求めている
ので、より一層正確に一次元分布を分画することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の方法により一次元分布において
閾値を求める手順を説明する図、第2図は本発明の第2
および第3の方法により一次元分布において閾値を求め
る手順を説明する図、第3図は血液をオーラミンOで染
色し、フローサイトメータで測定したとき得られる二次
元分布図の一例を示す図、第4図は同二次元分布図内に
赤血球粒子集団および網赤血球粒子集団と血小板粒子集
団とを分画する分画曲線を引いた図、第5図,第6図は
同二次元分布図内に、さらに、本発明の方法により赤血
球粒子集団と網赤血球粒子集団とを分画する分画線を引
いた図であり、第5図は健常者検体の結果を示す図、第
6図は特異検体の結果を示す図、第7図は本発明の一実
施例に使用されるフローサイトメータの光学系の一具体
例を示す概略図、第8図,第9図,第10図は従来の方法
を説明するための図である。 10……フローサイトメータの光学系 12……レーザ、14……フローセル 16……シリンドリカルレンズ 18……コンデンサーレンズ 20……アパーチャ 22……ダイクロイックミラー 26……螢光、30……ビームストッパ 32……コンデンサレンズ、34……フォトダイオード 36……前方散乱光、40……カラーフィルター 42……光電子増倍管、A……赤血球粒子集団 B……網赤血球粒子集団、C……血小板粒子集団

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変数Xを一軸とする一次元頻度分布図内で
    閾値thrを求め、一つの粒子集団を他の粒子集団から分
    画する方法において、 (a) 上記一次元頻度分布図における分布のピーク位
    置Xpを求めるステップ、 (b) ピーク位置XpよりもX値が小または大の側で、
    分布のピークの頻度の所定%の頻度を示す位置Xsを求め
    るステップ、 (c) 式thr=Xp+α(Xp−Xs)により閾値thrを求め
    るステップ、 ただし、αは正の数、 の上記(a)〜(c)のステップを包含することを特徴
    とする一次元分布分画方法。
  2. 【請求項2】変数Xを一軸とする一次元頻度分布図内で
    閾値thrを求め、一つの粒子集団を他の粒子集団から分
    画する方法において、 (a) 上記一次元頻度分布図における分布のピーク位
    置XpよりもX値が小または大の側で、分布のピークの頻
    度に対して、それぞれρ1,ρ2,・・・,ρnの頻度を示
    す位置Xs1,Xs2,・・・,Xsnを求めるステップ、 ただし、nは3以上の整数、 (b) 上記分布図内における分布のピーク位置Xpより
    もXが小または大の側に正規分布を仮定し、上記ρ1,ρ
    2,・・・,ρnおよびXs1,Xs2,・・・Xsnにより、正規
    分布の平均μおよび標準偏差σを定数として含む3組以
    上の関係式を導出するステップ、 (c) 上記3組以上の関係式に最小自乗法を適用し、
    正規分布の平均μおよび標準偏差σを求めるステップ、 (d) 式thr=μ+α×σにより閾値thrを求めるステ
    ップ、 ただし、分布のピーク位置XpよりもX値が小の側に正規
    分布を仮定するとき、αは正の数;分布のピーク位置Xp
    よりもX値が大の側に正規分布を仮定するとき、αは負
    の数、 の上記(a)〜(d)のステップを包含することを特徴
    とする一次元分布分画方法。
  3. 【請求項3】変数Xを一軸とする一次元頻度分布図内で
    閾値thrを求め、一つの粒子集団を他の粒子集団から分
    画する方法において、 (a) 上記一次元頻度分布図における分布のピーク位
    置XpよりもX値が小または大の側で、分布のピークの頻
    度に対して、それぞれρ1,ρ2,・・・,ρnの頻度を示
    す位置Xs1,Xs2,・・・,Xsnを求めるステップ、 ただし、nは3以上の整数、 (b) 上記分布図における分布のピーク位置Xpよりも
    X値が小または大の側に正規分布を仮定し、上記ρ1,ρ
    2,・・・,ρnおよびXs1,Xs2,・・・Xsnにより、正規
    の分布の平均μおよび標準偏差をそれぞれ二つ以上求め
    るステップ、 (c) 上記二つ以上の平均および標準偏差の各々の平
    均値を計算し、正規分布の平均μおよび標準偏差σを求
    めるステップ、 (d) 式thr=μ+α×σにより閾値thrを求めるステ
    ップ、 ただし、分布のピーク位置XpよりもX値が小の側に正規
    分布を仮定するとき、αは正の数;分布のピーク位置Xp
    よりもX値が大の側に正規分布を仮定するとき、αは負
    の数、 の上記の上記(a)〜(d)のステップを包含すること
    を特徴とする一次元分布分画方法。
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