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JP2673604B2 - 平版印刷用湿し水組成物 - Google Patents

平版印刷用湿し水組成物

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Publication number
JP2673604B2
JP2673604B2 JP28824390A JP28824390A JP2673604B2 JP 2673604 B2 JP2673604 B2 JP 2673604B2 JP 28824390 A JP28824390 A JP 28824390A JP 28824390 A JP28824390 A JP 28824390A JP 2673604 B2 JP2673604 B2 JP 2673604B2
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JP
Japan
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fountain solution
acid
water
glycol
solution composition
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JP28824390A
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博 松本
健二 国近
敏夫 内田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平版印刷版のオフセット印刷法に有用な湿
し水組成物に関する。
〔従来技術〕
平版印刷は水と油が本質的に混り合わない性質を巧み
に利用した印刷方式であり、印刷版面は水を受容し、油
性インキを反撥する領域と、水を反撥し、油性インキを
受容する領域とから成り、前者が非画像領域を形成し、
後者が画像領域を形成する。不感脂化剤は、これを含む
湿し水で非画像領域を湿潤することにより、画像領域と
非画像領域との界面化学的な差を拡大して、非画像領域
のインキ反撥性と画像領域のインキ受容性を増大させる
作用を有している。
従来から一般的に知られている不感脂化剤としては、
重クロム酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、リン
酸又はその塩、例えばアンモニウム塩、アラビアガム、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等のコロイド物質
等を添加した水溶液がある。
しかしながら、これらの不感脂化剤を含む湿し水は、
版の非画線部に均一に濡れ難い欠点があり、このため印
刷物が時々汚れたり、また湿し水の供給量を調節するの
に相当の熟練を要するなどの問題があった。
この欠点を改良するため、イソプロピルアルコールを
約20〜25%加えた水溶液を湿し水として用いるダールグ
レン方式が提案されている。この方式によると、非画線
部への濡れが良くなり、湿し水の量が少なくて済み、印
刷インキと水との供給量のバランスの調整が容易であ
り、印刷インキ中への湿し水の乳化量が少なくなり、更
にブランケットへの印刷インキの転移性が良くなる等、
作業性の面及び得られた印刷物の精度の面において数々
の利点がある。
しかしながら、このイソプロピルアルコールは蒸発し
易いために、湿し水のイソプロピルアルコール濃度を一
定に保つための特殊な装置が必要であり、価格の点にお
いて高価なものとなる。また、イソプロピルアルコール
は特有の不快臭があることと共に、毒性の面でも問題が
あって作業環境上好ましくない。
また、このイソプロピルアルコールを添加した湿し水
を、通常の水棒を用いるオフセット印刷に適用しても、
ローラー上及び版面上でイソプロピルアルコールが蒸発
するため、その効果を発揮することができないなど問題
となっていた。
更に、近年産業公害に対する社会的関心が非常に高ま
り、廃水中のクロムイオンの排出規制が厳しくなり、ま
たイソプロピルアルコールのような有機溶剤の使用が安
全衛生面から規制される傾向にある。このため、これら
を含有しない不感脂化剤が望まれていた。
これらの目的を達成するために、例えば特公昭55-250
75号公報、特公昭55-19757号公報、特公昭58-5797号公
報には、種々の界面活性剤を含有する組成物が記載され
ているが、これらを湿し水として使用する場合、その表
面張力を35〜50ダイン/cmとするためには不感脂化剤中
の界面活性剤濃度をかなり高くしておく必要がある。ま
た、実際の平版印刷においては、光速度で回転するイン
キロール、印刷版、湿し水供給ロールの下でインキ/水
が激しく運動しているため、インキ皮膜上に水が付着し
たり、水の表面にインキが拡散する等の問題となってい
るが、上記に提案されている界面活性剤の組合せは、こ
れらの問題点を完全に解消するには充分ではなかった。
更に、これらの界面活性剤を含む湿し水はポンプ輸送や
攪拌の際に発泡し易いという欠点もあった。
ところで、米国特許第3877372号には、エチレングリ
コールモノブチルエーテルと、ヘキシレングリコール及
びエチレングリコールの少なくとも1種との混合物を含
有する溶液が記載されている。米国特許第4278467号に
は、n−ヘキソキシエチレングリコール、n−ヘキソキ
シジエチレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオール、n−ブトキシエチレングリコールアセテー
ト、n−ブトキシジエチレングリコールアセテート、3
−ブトキシ−2−プロパノールの少なくとも1種を含有
する湿し水が記載されている。特開昭57-199693号公報
には、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールと、完全水
溶性のプロピレングリコール、エチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、トリプロパングリコール、1,5−ペン
タジオールの少なくとも1種を含有する湿し水が記載さ
れている。これらの湿し水組成物はイソプロピルアルコ
ールを含有しないため、安全衛生面で有利ではあるが、
陽極酸化アルミニウムを基板とするPS版では印刷中の非
画線部の濡れが完全とは言いがたく、特に高速印刷時に
非画線部に汚れが生じたり、網点画像部の形状が正常で
なく、大きくなり、ムラ状となる、いわゆる網点画像部
の絡みが発生してしまう問題があった。更に、2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオールは水に対する溶解性が十分
でなく、高濃度の湿し水濃縮液や湿し水用添加剤を得る
のに不利であるなど問題となっていた。
更にこれら提案されている湿し水の問題点として、印
刷機に使用されている給水ロールが印刷機のメーカーに
よってその材質、給水方式が違うため水の供給量が異な
るということが挙げられる。特に水を汲み上げる水元ロ
ールとしてゴム系のロールを使用している場合、印刷部
数3000〜1万枚程度は問題なく刷ることができるが2〜
3万枚連続的に刷ると水元ロールがインキによって汚染
され水の汲み上げ量が変化しやすくなるため印刷が不安
定になり、印刷物の汚れの原因となることがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
従って、本発明は、上記従来の湿し水のもつ毒性や欠
点がなく、印刷作業にあたって、専門的熟練を必要とす
ることなく、供給量の調節を容易に行うことができ、し
かも印刷版、特に陽極酸化アルミニウムを電気化学的に
粗面化した支持体を用いた印刷版(PS版)の汚れ、又は
ブイラインディングを防止するだけでなく、他の利点、
例えばオフ輪印刷機などの高速印刷に適合できる等、湿
し水特性に優れた高品質の印刷物を容易に得ることがで
きる平版印刷用の湿し水組成物を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を
重ねた結果、以下の平版印刷用湿し水組成物を用いるこ
とにより、上記目的が容易に達成できることを見い出
し、本発明に到達したものである。
即ち本発明は、皮膜形成能を有する親水性高分子及び
pH緩衝物質を含む平版印刷用湿し水組成物において、フ
ルオロ脂肪族基(Rf基)を含有するアクリレート又はRf
基を含有するメタクリレートとポリオキシアルキレン/
アクリレート又はメタクリレートとの共重合体であって
Rf基含有アクリレート又はRf基含有メタクリレートモノ
マー単位が該共重合体の重量に基づいて7〜40重量%で
あり、該共重合体の分子量が3000〜100000である化合物
を含有する平版印刷用湿し水組成物である。該フルオロ
脂肪族基は3〜20の炭素原子を有しかつ40重量%以上の
フッ素を含有し、末端の少なくとも3つの炭素原子が十
分にフッ素化されているフルオロ脂肪族基(Rf基)であ
ることが好ましい。
更に該ポリオキシアルキル基の分子量は300〜3000で
あることが好ましい。又必要に応じて末端にジメチルシ
ロキサン基等を付加することにより発泡性を抑制するこ
とができる。
本発明において、Rf基を含有するアクリレート又はメ
タクリレートとポリオキシアルキレンアクリレート又は
メタクリレートとの共重合体は、使用時の湿し水組成物
の全重量に対して、好ましくは0.0001重量%〜5重量
%、さらに好ましくは0.0005〜3重量%使用される。
本発明の必須成分の皮膜形成性親水性高分子物質とし
ては、アラビアゴム、澱粉誘導体(例えば、デキストリ
ン、酵素分解デキストリン、ヒドロキシプロピル化酵素
分解デキストリン、カルボキシメチル化澱粉、リン酸澱
粉、オクテニルコハク化澱粉)、アルギン酸塩、繊維素
誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボ
キシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、それらのグリオキ
ザール変性体等)等の天然物及びその変性体、ポリエチ
レングリコール及びその共重合体、ポリビニルアルコー
ル及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ルアミド及びその共重合体、ポリアクリル酸及びその共
重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合
体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、ポリスチレ
ンスルホン酸及びその共重合体等の合成物が挙げられ
る。これらの高分子化合物は単独で又は混合して使用す
ることができ、その使用濃度範囲は使用時の湿し水組成
物中0.005〜1重量%の範囲が好ましい。
pH緩衝物質としては、水溶性の有機酸及び/及び無機
酸又はそれらの塩が使用でき、これらの化合物は湿し水
組成物のpH調整あるいはpH緩衝、平版印刷版支持体の適
度なエッチング又は防腐食に効果がある。好ましい有機
酸としては、例えばクエン酸、アスコルビン酸、リンゴ
酸、酒石酸、乳酸、酢酸、グルコン酸、ヒドロキシ酢
酸、シュウ酸、マロン酸、レブリン酸、スルファニル
酸、p−トルエンスルホン酸、フィチン酸、有機ホスホ
ン酸等が挙げられる。無機酸としては、例えばリン酸、
メタリン酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。更に、これら
有機酸及び/又は無機酸のアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩あるいはアンモニウム塩が好適に用いられ、こ
れらの有機酸、無機酸及び/又は塩は単独で使用して
も、あるいは2種以上の混合物として使用してもよい。
本発明の使用基の湿し水組成物への添加量は0.001〜
1重量%の範囲が好ましく、pH値が3〜7の範囲の酸性
領域で用いることが好ましいが、アルカリ金属水酸化
物、リン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、ケイ
酸塩などを含有したpH7〜11のアルカリ性領域で用いる
こともできる。
本発明の湿し水組成物は、必要に応じて溶剤、湿潤
剤、殺菌剤、消泡剤等を含有することをできる。湿潤剤
の具体例としては、ポリオール、グリコールエーテル、
アルコール、界面活性剤が挙げられる。例えば、ポリオ
ール、グリコールエーテルとしては2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、ヘキシルセロソルブ、ヘキシルカル
ビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、
ヘキシレングリコール、テトラエチレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノプロピルエーテル、プロピルレングリコールモノ
プロピルエーテル、ジプロピルレングリコールモノプロ
ピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエー
テル、ポリプロピレングリコール(分子量200〜10000、
エチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコール
モノアリルエーテル、エチレングリコールモノフェニル
エーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールのエチレンオ
キシド付加物、アセチレングリコール及びそのエチレン
オキシド付加物等が挙げられる。
アルコールとしては、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、イソブチルアルコール、n−アミルアルコール、
ベンジルアルコール等が挙げられる。
界面活性剤としては例えば、アニオン型界面活性剤と
しては、脂肪酸塩、アビエチン酸塩、ヒドロキシアルカ
ンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルス
ルホコハク酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、
分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、アルキルフェノキシポリオキシエチ
レンプロピルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルスルホフェニルエーテル塩、N−メチル−N−オイル
タウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モ
ノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩、硫酸化ヒ
マシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸
エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸モノグリ
セリド硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンス
チリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル燐酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸
エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル燐酸エステル塩、スチレン−無水マレイン酸共重合
物の部分ケン化物、オレフィン−無水マレイン酸共重合
物の部分ケン化物、ナフアレンスルホン酸塩ホルマリン
縮合物等が挙げられる。
これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ル硫酸エステル塩及びアルキルナフタレンスルホン酸塩
が特に好ましく用いられる。
また、非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
ルアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル、
ソルビタン脂肪酸部分エステル、ペンタエリスリトール
脂肪酸部分エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸
エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビトール脂肪酸部分エステル、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸部分エス
テル、ポリオキシエチレン化ひまし油、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル、脂肪酸ジエタノー
ルアミド、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミ
ン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノー
ルアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド
などが挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンブロックポリマー等が好ましく用いられ
る。
更に、カチオン界面活性剤としては、アルキルアミン
塩、第四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン塩、ポリエチレンアミン誘導体等が挙げられ
る。
これらの湿潤剤は単独もしくは2種以上組合せて使用
することができる。好ましい使用範囲は、使用時の湿し
水組成物の全重量に対して、0.03〜5重量%であり、よ
り好ましくは0.05〜3重量%である。
本発明に好適に使用できる防腐剤の具体例としては、
フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール
誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン
−3−オン誘導体、ベンズトリアゾール誘導体、アミジ
ングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジ
ン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、ト
リアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体等
が挙げられる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等
に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カ
ビ、酵母の種類によっても異なるが使用時の湿し水組成
物に対し、0.001〜1重量%の範囲が好ましく、また種
々のカビ、細菌に対して効力のあるように2種以上の防
腐剤を併用することが好ましい。
本発明に好適に使用できる消泡剤としては、一般的に
よく知られているポリグリコール系、シリコン系のもの
が挙げられる。シリコン系は乳化タイプと一液タイプが
有るがいずれも少量で効果を発揮するのでシリコン系の
化合物が好ましい。消泡剤の使用量は、使用時の湿し水
組成物の全重量に対して0.001〜0.3重量%が適当であ
る。
更に本発明の湿し水組成物には、上記化合物以外に必
要に応じてキレート化合物を添加してもよい。通常、湿
し水組成物は水道水、井戸水等を加えて適当に希釈して
使用される。この希釈する水道水や井戸水に含まれてい
るカルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え、印刷物を
汚れ易くする原因となることもあるので、キレート化合
物を添加して、上記欠点を解消することができる。好ま
しくキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミ
ンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジ
エチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そ
のカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエ
チレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリ
ウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒド
ロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、
そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような
有機ホスホン酸あるいはホスホノアルカントリカルボン
酸を挙げることができる。上記のキレート剤のナトリウ
ム塩あるいはカリウム塩の代わりに有機アミンの塩も有
機である。これらのキレート剤は湿し水組成物中に安定
に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。使用時
の湿し水組成物に添加する量としては0.001〜5重量
%、好ましくは0.005〜1重量%が適当である。
更に、本発明の湿し水組成物には各種着色剤、防錆剤
などを添加することができる。例えば、着色剤としては
食品用色素等が好ましく使用できる。例えば、黄色色素
としてはCI No.19140、15985、赤色色素としてはCI No.
16185、45430、16255、45380、45100、紫色色素として
はCI No.42640、青色色素としてはCI No.42090、7301
5、緑色色素としてはCI No.42095等が挙げられる。防錆
剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾー
ル、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダ
ゾールが好適に用いられる。
更に硝酸マグネシウム、硝酸亜鉛、硝酸ナトリウム等
の非画像部の酸化汚れ防止剤を含有することもできる。
前述のとおり、本発明の湿し水組成物は濃縮液として
製造し、これを用時水道水、井戸水などで数十倍から数
百倍に希釈して用いる方が経済的であり、好ましい。
本発明の湿し水組成物が使用される平版印刷版は、感
光性平版印刷版(PS版)、平凹版、バイメタル、トライ
メタル等の多層金属版、直描マスター、電子写真平版印
刷版など各種の平版印刷版である。
〔発明の効果〕
本発明の湿し水組成物を用いると、地汚れ、酸化汚れ
がなく、インキと水の過剰乳化現象によるローラーハゲ
やインキ濃度の低下のない印刷が可能であり、網点形状
の優れた良好な印刷物が得られ、印刷の能率化、生産性
の向上を計ることができる。特にダールグレン方式に代
表される連続給水方式の印刷機に使用する場合、イソプ
ロピルアルコールを用いないで良好な印刷物を得ること
ができるが、少量の、例えば1〜15%のイソプロピルア
ルコールを併用しても何ら印刷品質上問題はない。
本発明の湿し水組成物は平版印刷版に対する濡れ性が
良く印刷版の非画像部の汚れ、ブラインディングが防止
される。又損紙が大巾に減少し経済性の面からも有利で
ある。
さらに本発明の平版印刷用湿し水組成物は、印刷機の
給水方式全てに適用可能であり、水の供給が安定して行
われ、安定した刷り者が得られる。又作業環境汚染や火
災の心配が殆んどなく局所排気設備の必要がない。しか
もメータリング汚れ、インキブリードも少し連続安定性
にすぐれた湿し水である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
なお、%は特に指定のない限り重量%を示す。
実施例1 純 水 76.8% クエン酸1アンモニウム 2 〃 リン酸2ナトリウム 3 〃 アラビアガム(14°Be) 18 〃 4−シソチアゾリン−3−オン化合物 0.2〃 不感脂化剤として上記組成の水溶液を調製し、水で10
0倍に希釈したのち、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ルのエチレンオキシド1〜4モル付加物0.3重量%、プ
ロピレングリコールモノイソプロピルエーテル0.6重量
%及びN−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミド
エチルアクリレート〔CH2=CHCOOCH2CH2(C4H9)NSO2C8F
17、モノマー比率40重量%〕とポリ(オキシエチレン)
アクリレート〔CH2=CHCOOC3H4OnH、モノマー比率6
0重量%〕の共重合体(分子量15000)を0.03重量%加え
て湿し水とし、オフセット印刷機ハイデルSORM(ハイデ
ル印刷(株))(カルカラー給水装置)にセットした。
一方、印刷版として、FPS-II(富士写真フィルム
(株)製陽極酸化マルチグレインタイプポジ型P版)を
露光し、PS自動現像機800E II、ポジ用現像液DP−4
(水で8倍に希釈)、ポジ用フィニッシャーFP(水で2
倍に希釈)(いずれも富士写真フィルム(株)製)を用
いて現像、ガム引きしたものを、上記印刷機に取りつ
け、以下の項目について湿し水の特性を評価した。
a.メータリングロール汚れ:水あげ用メータリングロー
ルに対するインキの付着汚れの程度を調べる。
良い。 ○ やや劣る。 △ 劣る。 × b.ブリード性:インキ(大日本インキ(株)アペックス
G 紅S)を用い、5000および10000枚印刷したところ
で印刷機の運転を休止し、画線部のインキが非画線部に
滲みでている程度を調べる。
滲みがほとんどない。 ○ 滲みがややある。 △ 滲みが多い。 × c.乳化性:10000枚印刷したとき、インキ練ロール上のイ
ンキの乳化状態を調べる。
良い。 ○ やや悪い。 △ 悪い。 × d.連続安定性:真水を湿し水として用いて、10000枚印
刷し、汚れを生じない湿し水の量(最少水あげ量)を求
め、各種の湿し水をこの最少水あげ量で用いて印刷を行
い、印刷物の汚れが発生するまでの印刷枚数により判定
する。
10000枚以上。 ○ 10000〜3000枚。 △ 3000枚未満。 × 本実施例の湿し水適性についてテストした結果、
(a)メータリングロール汚れ、(b)ブリード性、
(c)乳化性、及び(d)連続安定性のいずれについて
も優れており(いずれについても○であった。)良好な
印刷物が得られた。
本実施例の湿し水は臭気は殆んど感じることなく快適
に印刷作業することができた。
実施例2 純 水 84 % クエン酸2アンモニウム 5 〃 リン酸 3 〃 ヒドロキシプロピルセルロース 8 〃 ホルマリン(37%) 2 〃 不感脂化剤として上記組成の水溶液を調製し、水で10
0倍に希釈したのち、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル1重量%、オクチレングリコール0.1重量%、N
−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチル
アクリレート〔CH2=CHCOOCH2CH2(C3H7)NO2SC8F17、モ
ノマー比率30重量%〕とポリオキシエチレンアクリレー
ト〔CH2=CHCOOC2H4OnH、モノマー比率60重量%〕
の共重合体末端にジメチルシロキサン(モノマー比率10
重量%)を付加して得られる化合物(分子量18000)を
0.05重量%加えて湿し水とし、NaOHでpH5.5に調整し
た。
オフセット印刷機として小森リスロン(小森マチック
装備)印刷機にセットし、実施例1と同様にテストを実
施した結果、評価項目(a)〜(d)のいずれについて
も○であり、良好な印刷物を得ることができた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】皮膜形成能を有する親水性高分子及びpH緩
    衝物質を含む平版印刷用湿し水組成物において、 フルオロ脂肪族基(Rf基)を含有するアクリレート又は
    Rf基を含有するメタクリレートとポリオキシアルキレン
    /アクリレート又はメタクリレートとの共重合体であっ
    て、Rf基含有アクリレート又はRf基含有メタクリレート
    モノマー単位が該共重合体の重量に基づいて7〜40重量
    %であり、該共重合体の分子量が3000〜100000である化
    合物を含有することを特徴とする平版印刷用湿し水組成
    物。
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