JP2658716B2 - 新規微生物及びそれを用いるd−ビオチンの製法 - Google Patents
新規微生物及びそれを用いるd−ビオチンの製法Info
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Description
いるd−ビオチンの製法に関する。
欠なビタミンであり、医薬品原料或いは飼料添加物とし
て重要な化合物であり、通常の発酵培地を用いて、発酵
法によりd−ビオチンを製造する方法として、エシェリ
シア属やセラチア属から誘導した遺伝子組換え菌株を用
いる方法(特表昭64−500081、特開昭62−1
55081、特開平2−27980)が知られている。
しかしながら、これらの遺伝子組換え菌株の発酵生産性
は、高いものとは言えず、より高いd−ビオチン生産性
を有する菌株の取得とそれを用いる十分高い製造効率を
可能にする工業的な発酵法の開発が望まれていた。
ン高生産能を有する新規微生物ならびに該微生物を用い
る工業的に有利なd−ビオチンの製法を提供するもので
ある。
決したものであって、本発明者らは鋭意研究を重ねた結
果、(1)アクチチアジン酸耐性変異株から変異誘導し
てエチオニンやS−アミノエチルシステイン等に対する
耐性変異を付与した微生物は、d−ビオチンの生産能が
増大すること、(2)セラチア属微生物からクローン化
したd−ビオチン生産を司る染色体デオキシリボ核酸
(以下、DNAと略称する)断片をトランスポゾンを利
用して、d−ビオチン生産能を有するセラチア属微生物
の染色体上に組み込んだ微生物は、d−ビオチン生産能
が顕著に増大すること、(3)これら高d−ビオチン生
産能をもつ微生物に、更にクロロ酢酸等の酢酸類似物質
に対する耐性変異を付与した微生物は、d−ビオチン生
産能がより顕著に増大すること、及び(4)アクチチア
ジン酸耐性変異株からクローン化したd−ビオチン遺伝
子断片とベクターとから構成される組換えプラスミド
を、上記(2)もしくは(3)の微生物に導入して得ら
れる微生物は、d−ビオチン生産能が飛躍的に増大する
ことを見出すと共に、この微生物を用いることによって
d−ビオチンを工業的に有利に製造し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
するセラチア属微生物からクローン化されたビオチン遺
伝子を組み込んだ組換えプラスミドを、d−ビオチン生
産能を有するセラチア属宿主微生物に導入して得られる
微生物であって、該宿主微生物が、(1)ビオチン類似
物質耐性、メチオニン類似物質耐性およびリジン類似物
質耐性を有し、かつ(2)該宿主微生物の染色体上に外
来のビオチン遺伝子が組み込まれてなることを特徴とす
る微生物、ならびに該微生物を培地で培養することによ
って、培地中にd−ビオチンを生成蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とするd−ビオチンの製法である。
て、ビオチン遺伝子は、d−ビオチンの生産に係わる
7、8−ジアミノペラルゴン酸アミノトランスフェラー
ゼ遺伝子(bioA)、ビオチンシンセターゼ遺伝子
(bioB)、7−ケト−8−アミノペラルゴン酸シン
セターゼ遺伝子(bioF)、ピメロイル−CoAシン
セターゼ遺伝子(bioC)及びデチオビオチンシンセ
ターゼ遺伝子(bioD)の全遺伝子或いはその一部遺
伝子を意味し、かかる遺伝子の供給源としては、セラチ
ア属〔バージーズ・マニュアル・オブ・システマティッ
ク・バクテリオロジー、第1巻、477頁、(1984
年)〕に属しd−ビオチン生産能を有する微生物があげ
られ、とりわけアクチチアジン酸、5−(2−チエニ
ル)吉草酸、デヒドロビオチン等のビオチン類似物質に
対する耐性を有する微生物由来の遺伝子が好ましい。
セラチア・マルセッセンスSB303(微工研菌寄第1
0119号)、セラチア・マルセッセンスSB411
(特開平2−27980)などのアクチチアジン酸耐性
を有する微生物の他、セラチア・マルセッセンスSr4
1(微工研条寄第487号)(野生株)などのビオチン
類似物質耐性を有しない微生物に公知方法(特開平2−
27980)でビオチン類似物質耐性を付与したもの
も、ビオチン遺伝子供給源として好適に使用することが
できる。また、ビオチン類似物質耐性に加え、エチオニ
ン等のメチオニン類似物質、S−アミノエチルシステイ
ン等のリジン類似物質、クロロ酢酸等の酢酸類似物質な
どに対する耐性を有する微生物も、ビオチン遺伝子の供
給源として、好適に使用することができる。
るベクタープラスミドとしては、移入細胞中で複製可能
なプラスミドであれば特に限定されないが、例えばコピ
ー数が1〜数百であり、アンピシリン、カナマイシン、
クロラムフェニコールなどの薬剤に耐性なマーカーを有
し、かつlac、tac、trpなど適当なプロモータ
ーを有するものが好ましい。更に、par及びparB
などのプラスミド安定化因子を含んでいるものであって
もよい。
339〔ジーン、18巻、335頁(1982年)〕、
pBR322〔ジーン、2巻、95頁(1977
年)〕、pUC18〔ジーン、33巻、103頁(19
85年)〕、pUC19〔ジーン、33巻、103頁
(1985年)〕、pHSG298〔ジーン、61巻、
63頁(1987年)〕、pHSG299〔ジーン、6
1巻、63頁(1987年)〕、pKG1022〔バイ
オテクノロジー、6巻、1402頁(1988年)〕、
pKT240〔ジーン、26巻、273頁(1983
年)〕などが挙げられる。更には、接合伝達性プラスミ
ドR388由来の温度感受性複製プラスミドであり、ト
ランスポゾンとしてTn5が組み込まれ、カナマイシン
耐性遺伝子とトリメトプリム耐性遺伝子を選択マーカー
として持つプラスミドpCHR81〔ジーン、56巻、
283頁(1987年)〕などもベクタープラスミドと
して、好適に使用することができる。
を好適に使用し得る他、これらを保持する微生物菌体か
ら、例えばクリアード・ライセイト法〔遺伝子操作実験
法125頁(高木康敬著,講談社、1980年)〕、ア
ルカリ リシス法〔モレキュラー クローニング マニ
アティス等 368頁(コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー、米国、1982年)〕等の常法によ
って調製することもできる。
有するセラチア属微生物に、(1)アクチチアジン酸、
5−(2−チエニル)吉草酸、デヒドロビオチン等のビ
オチン類似物質に対する耐性、エチオニン等のメチオニ
ン類似物質に対する耐性およびS−アミノエチルシステ
イン等のリジン類似物質に対する耐性を付与し、かつ
(2)その染色体上に外来のビオチン遺伝子を組み込む
ことにより得られる。また、かかる宿主微生物として
は、さらにクロロ酢酸等の酢酸類似物質に対する耐性を
有するセラチア属微生物が好ましく、アクチチアジン
酸、エチオニンおよびS−アミノエチルシステインに耐
性なセラチア・マルセッセンスあるいは更にクロロ酢酸
に対する耐性を有するセラチア・マルセッセンスが最も
好ましい。
えば、アクチチアジン酸に対する耐性を有し、且つd−
ビオチン生産能を有するセラチア・マルセッセンスSB
303(微工研菌寄第10119号)、セラチア・マル
セッセンスSB411(特開平2−27980)、ビオ
チン遺伝子がベクターpLG339に挿入された組換え
プラスミドpLGM201を含有するセラチア・マルセ
ッセンスTA5023(微工研条寄第4101号)が挙
げられる。その他、セラチア・マルセッセンスSr41
(微工研条寄第487号)(野生株)に、上記各物質に
対する耐性を付与した微生物も、好適に使用することが
できる。
でき、例えば適当な微生物を、通常の突然変異誘起処理
した後、ビオチン類似物質、酢酸類似物質などの上記耐
性付与対象物質を約1〜50mg/ml程度含有する最
少寒天培地、例えば、デービス−ミンギオリの最少培地
〔ジャーナル・オブ・バクテリオロジー、60巻、17
頁(1950年)〕或いはその炭素源を各種の糖、有機
酸類又はアミノ酸に代えた培地で27〜37℃で3〜7
日間培養し、生じた大きなコロニーを釣菌分離する。つ
いで分離した微生物の内、発酵培地でのd−ビオチン生
産能をラクトバチルス・プランタラムによる微生物定量
法(生化学実験講座、第13巻、355頁)に従って調
べることによって、目的の耐性を有する微生物を取得す
ることができる。宿主微生物におけるこれらの耐性は、
組換えプラスミドの導入や外来のビオチン遺伝子を宿主
微生物の染色体上に組み込んだ後に付与してもよく、或
いは組換えプラスミドの導入前や外来のビオチン遺伝子
を宿主の染色体上に組み込む前に付与してもよい。
子は、上記のビオチン遺伝子供給源たる微生物からクリ
ヤード・ライセイト法〔遺伝子操作実験法125頁(高
木康敬著,講談社);モレキュラー・クローニング86
頁(マニアティスら編,コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー,1982年)〕等の方法によって調
製することができ、例えばビオチン遺伝子を含む染色体
を適当な制限酵素で切断した後、アガロース電気泳動を
行い、アガロース電気泳動ゲルから、ビオチン遺伝子断
片を含む部分を切り出した後、透析チューブを用いる電
気泳動溶出法〔モレキュラー・クローニング164頁〕
によって調製することが出来る。
(例えば、EcoRI、HindIII、BamHI、
SalI等)を用いて部分分解した後、DNAリガーゼ
(例えば、T4リガーゼや大腸菌DNAリガーゼ等)を
作用させて、ビオチン遺伝子断片と結合させることによ
り組換えプラスミドを調製することが出来る。このとき
ベクタープラスミドとして、parB〔ジャーナル・オ
ブ・モレキュラー・バイオロジー、203巻、119頁
(1988年)〕等のプラスミド保持安定化遺伝子を司
るDNA断片を挿入連結したプラスミド或いは選択マー
カーを適宜置換したプラスミドを用いてもよい。つい
で、得られる組換えプラスミドDNAで制限酵素欠損性
でかつd−ビオチン要求性変異株〔例えば、エシェリシ
ア・コリχ1776株(ATCC31244):モレキ
ュラー・クローニング・オブ・リコンビナントDNA、
248頁,スコットとウェーナー編,アカデミック・プ
レス、(1977年)等〕を形質転換し、得られる微生
物のうち、カナマイシン耐性で、かつ7−ケト−8−ア
ミノペラルゴン酸添加培地でd−ビオチン非要求性のも
のを分離し、得られたクローンからプラスミドDNAを
抽出することにより、目的の組換えプラスミドを得るこ
とが出来る。
た宿主微生物〕トランスポゾンとマーカーを有するプラ
スミドに外来のビオチン遺伝子を連結しこれを宿主微生
物に導入することにより、ビオチン遺伝子が染色体上に
組み込まれた宿主微生物を調製することができる。プラ
スミドとしては、トランスポゾンを染色体上に組み込む
ために構築されたpCHR81プラスミド〔ジーン、5
6巻、283頁(1987年)〕があげられる。pCH
R81はトランスポゾンTn5が組み込まれ、カナマイ
シン耐性遺伝子とトリメトプリム耐性遺伝子を選択マー
カーとして持つので、Tn5の適当な部位に、Sma
l、SalI、BamHI等の制限酵素部位を利用して
外来遺伝子断片を連結し、これを宿主微生物に導入すれ
ばよい。
際しては、外来遺伝子を連結したプラスミドをセラチア
属微生物の修飾系により修飾させることが好ましく、例
えばセラチア・マルセッセンスSr41のTT392株
〔ジャーナル オブ バクテリオロジー、161巻、1
頁(1985年)〕に、外来遺伝子を連結したプラスミ
ドを、タカギとキスミの方法〔ジャーナル オブ バク
テリオロジー、161巻、1頁(1985年)〕で取り
込ませ、得られる形質転換株からクリヤードライセイト
法によりプラスミドを単離・精製することによりプラス
ミドの修飾を行うことが出来る。
微生物に、タカギとキスミの方法により取り込ませ、約
37℃で数時間培養し、得られる培養液を適宜希釈して
栄養寒天培地に塗布する。ついで、30℃で一夜培養し
てコロニーを出現させ、カナマイシン耐性かつトリメト
プリム感受性のコロニーを選択する。コロニーを釣菌分
離した後、微生物細胞から染色体DNAについて、Tn
5のDNA内の適当な領域をプローブとするサザンブロ
ット解析を行い、予想される塩基数の位置にDNAのバ
ンドが確認される菌株を目的の外来ビオチン遺伝子が染
色体上に組み込まれたセラチア属の宿主微生物として得
ることができる。
む組換えプラスミドを保持するセラチア属微生物の製
法〕 ビオチン遺伝子をベクタープラスミドに組み込んだ組換
えプラスミドは、例えば、タカギとキスミの方法によっ
て、ビオチン遺伝子が染色体上に組み込まれた宿主微生
物中に導入することができる。ついで、組換えプラスミ
ドが有する薬剤耐性マーカーの利用によって、形質転換
株を選択すればよい。かくして得られる組換え菌株の例
としては、アクチチアジン酸、エチオニン、S−アミノ
エチルシステインおよびクロロ酢酸の各物質に対する耐
性を有し、かつその染色体上に外来のd−ビオチン遺伝
子断片を含む宿主微生物セラチア・マルセッセンスK8
CL48に、d−ビオチン遺伝子断片を含有せしめた組
換えプラスミドpLGM201PHcAを導入させたセ
ラチア・マルセッセンスTA5027(微工研条寄第4
103号)、或いはアクチチアジン酸、エチオニンおよ
びS−アミノエチルシステインの各物質に対する耐性を
有し、かつその染色体上に外来のd−ビオチン遺伝子断
片を含む宿主微生物セラチア・マルセッセンスETA2
3−K8に、d−ビオチン遺伝子断片を含有せしめた組
換えプラスミドpLGM201PHcAが導入されたセ
ラチア・マルセッセンスTA5026(微工研条寄第4
102号)などが挙げられる。
産能を有する微生物を培養することによって、培地中に
d−ビオチンを高濃度に生成・蓄積せしめることができ
る。本発明において使用されるd−ビオチン生産用培地
としては、炭素源として、ブドウ糖、ショ糖、糖蜜の如
き糖類、フマル酸やクエン酸の如き有機酸又はグリセロ
ールの如きアルコール類等を10〜30%、窒素源とし
て酢酸アンモニウムや塩化アンモニウムの如き無機アン
モニウム又は尿素を1〜3%、さらに有機栄養物として
コーン・スティープ・リカー、ペプトン、酵母エキス、
カゼイン加水分解物等を0〜1%の範囲でそれぞれ適当
量含有する培地を好適に用いることができる。これらの
他にリン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、
モリブデン酸ナトリウム等を少量加え、更に培地のpH
を6〜8に保つために、炭酸カルシウム或いはアンモニ
ア等を必要に応じて添加する。本発明によれば、上記培
地に本発明の微生物を接種し、25〜37℃にて振盪培
養或いは通気攪拌の如き好気的条件下で3〜7日間培養
することによって培地中にd−ビオチンを著量生成・蓄
積せしめることができる。なお、培養期間中に、上述の
培地成分を適宜途中添加或いは連続添加することによっ
て、さらに著量のd−ビオチンを生成・蓄積させること
ができる。
かくして得られたd−ビオチンを含有する培養液から下
記の方法によって、d−ビオチンを単離・精製すること
ができる。先ず、発酵終了液に塩酸を添加し、酸性にし
た後、ホローファイバー型のミクロフィルターを用いて
菌体を取り除くことによって、ろ液を得る。このろ液を
ハイポーラス型合成吸着剤のカラムに導通することによ
って、ろ液中のd−ビオチンを吸着させ、更に希塩酸溶
液によって洗浄した後に、メタノール−アンモニア水
(1:9)等を導通することによって、d−ビオチンを
溶出する。
陰イオン交換樹脂のカラムに導通・吸着し、水で洗浄し
た後、アンモニア水等によってd−ビオチンを溶出す
る。この溶出液を減圧濃縮した後、濃縮液のpHを塩酸
等によって3.0付近に調整し、5〜10℃に冷却、一
夜放置する。かくすることによって、d−ビオチンが結
晶として析出する。この結晶をろ取し、乾燥することに
よってd−ビオチンの結晶を高収率で得ることができ
る。以下に実施例をあげて本発明を説明するが、実施例
中のd−ビオチンの定量はラクトバチラス・プランタラ
ムによる微生物定量法〔生化学実験講座、第13巻、3
55頁(能勢善嗣ら編,東京化学同人(1975
年))〕によって行った。
ルシステインに対して耐性を有する宿主微生物の調製 (A) アクチチアジン酸耐性を有し、かつd−ビオチ
ン生産能を有するセラチア・マルセッセンスSB411
(特開平2−27980)の細胞をエーデルバーグらの
方法〔バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リ
サーチ・コミュニケーションズ、18巻、788頁(1
965年)〕によって変異誘起処理し、栄養培地(ブド
ウ糖0.5%、ペプトン1.0%、肉エキス0.3%、
酵母エキス1.0%、塩化ナトリウム0.5%)で1時
間培養する。この培養液を遠心分離し、得られる細胞を
生理食塩水で遠心分離法で3回洗浄する。この細胞を生
理食塩水に懸濁し、DL−エチオニン60mMを含む最
少寒天培地(ブドウ糖0.5%、リン酸一カリウム0.
3%、リン酸二カリウム0.7%、硫酸マグネシウム7
水和物0.01%、寒天1.5%)に1平板当たり1〜
10×105個の細胞を塗布する。30℃で5日間培養
した後、生じた大きなコロニーを釣菌分離することによ
ってエチオニン耐性株を得る。
発酵培地(ショ糖10%、尿素1%、リン酸二カリウム
0.1%、硫酸マグネシウム7水和物0.1%、硫酸第
一鉄7水和物0.01%、炭酸カルシウム2%)におけ
るd−ビオチン生産能を特開平2−27980に記載の
方法に従って調べることにより、親株に比べ生産量が有
意に増大した菌株の一株として、セラチア・マルセッセ
ンスET2株を得る。なお、本菌株のd−ビオチン生産
量は24mg/lであるのに対して、親株のそれは16
mg/lであった。 (C) セラチア・マルセッセンスET2株の細胞を、
上記(A)と同様に、変異誘起した後、S−アミノエチ
ルシステイン50mMを含む最少寒天平板培地に、1平
板当たり1〜10×105個の細胞を塗布する。30℃
で5日間培養した後、生じた大きなコロニーを釣菌分離
することによって、S−アミノエチルシステイン耐性株
を得る。これらの耐性株について、上記(B)と同様な
発酵培地におけるd−ビオチン生産能を調べることによ
って、親株に比べ、生産量が有意に増大した菌株の一株
として、セラチア・マルセッセンスETA23を得る。
なお、本菌株のd−ビオチン生産量は33mg/lであ
るのに対して、親株のそれは23mg/lであった。
チン遺伝子の組み込み (A) pCHR81を保持するエシェリシア・コリM
C1061〔ジーン、56巻、283頁(1987
年)〕を0.2%ブドウ糖を含むL−ブロス800ml
に接種し、30℃で16時間振盪培養した後、遠心分離
により集菌し、菌体をリゾチーム処理及びラウリル硫酸
ナトリウムで処理して溶菌した後、最終濃度が1Mとな
るように塩化ナトリウムを加えて遠心分離(100,0
00×g、30分間)する。上清を採取しフェノール処
理した後、エタノールを加え、遠心分離する。沈澱を1
0mMトリス塩酸−1mMエチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウム(pH7.5)に溶解し、塩化セシウム−エチ
ジウムブロマイド平衡密度勾配遠心法(200,000
×g、16時間)によりプラスミドDNAを分離精製す
ることにより、pCHR81のDNA(図3参照)0.
3mgを得た。
03から単離した染色体DNAと、pBR322のベク
タープラスミドを、HindIIIとEcoRIで処理
した後、結合させた組換えプラスミドpBM201(特
開平2−27980号、実施例2)を、(2)−(A)
と同様の方法によって単離し、そのDNA0.5mgを
制限エンドヌクレアーゼBamHIで完全分解した後、
アガロース電気泳動を行い、6kbのDNA断片が位置
するゲルの部分を切り出す。このゲルを透析チューブに
入れた後、電気溶出法によって、d−ビオチン生産を司
る遺伝子群の内、bioBFCDの4個の遺伝子がコー
ドされた6kbのDNA断片100μgを得た。
1のDNA1μgを制限酵素BamHIで部分分解す
る。10分間の熱処理後、上記(B)のビオチン遺伝子
断片1μgを混合し、該混合物にT4ファージ由来のD
NAリガーゼを通常の条件で作用させ、DNA鎖を連結
することによって組換えプラスミドを得る。この組換え
プラスミドのDNAを用いて、制限酵素欠損性でかつd
−ビオチン要求性のエシェリシア・コリχ1776(A
TCC31244)の細胞を形質転換する。得られる形
質転換細胞を硫酸カナマイシン100μg/mlとd1
−デチオビオチン0.2μg/ml含有のχ1776株
用最少寒天培地(グルコース0.5%、硫酸アンモニウ
ム0.1%、リン酸二カリウム0.7%、リン酸一カリ
ウム0.3%、硫酸マグネシウム7水和物0.01%、
ジアミノピメリン酸0.01%、チミジン0.004
%、ビタミンフリーカザミノ酸0.2%、寒天1.5
%)上に塗布し、30℃で1日間培養し、生じるカナマ
イシン耐性でかつd−ビオチン非要求性のコロニーを釣
菌分離する。さらに、こうしたクローン10個から抽出
したプラスミドDNAを制限酵素BamHIによって切
断した後、断片をアガロース電気泳動法によって解析し
た結果に基づいて、pCHR81のTn5内のBamH
I切断部位にd−ビオチン遺伝子断片6kbが挿入され
た組換えプラスミドpCHRM304を取得した(図4
参照)。なお、本組換えプラスミドでは、Tn5断片は
rCHR81における方向と同方向に連結されている。
ドpCHRM304のDNAを、セラチア・マルセッセ
ンスの制限酵素欠損株であるTT392株の細胞にタカ
ギとキスミの方法によって取り込ませ、形質転換株を得
る。この形質転換株を培養した後、得られる細胞からク
リヤード・ライセイト法によってプラスミドDNAを単
離精製して、セラチア・マルセッセンスの修飾系によっ
て修飾された組換えプラスミドDNA250μgを得
る。次いで、この組換えプラスミドDNAを、d−ビオ
チン生産能を有するセラチア・マルセッセンスETA2
3の細胞にタカギとキスミの方法によって取り込ませた
後、37℃で7時間培養する。得られた培養液を適当に
希釈した後、硫酸カナマイシン50μg/ml含有の栄
養寒天平板培地に塗布し、30℃で一夜培養し、コロニ
ーを出現させる。かくして得られるコロニー1500個
ついて、カナマイシン耐性とトリメトプリム耐性の有無
を調べ、カナマイシン耐性・トリメトプリム感受性のコ
ロニーを8個を見出した。
胞から抽出した染色体DNAを制限酵素HindIII
とBamHIの各々で切断し、アガロース電気泳動を行
った後、pCHR81中に存在するTn5のBamHI
−SmaI断片(540bp)をプローブとしてサザン
ブロット解析を行い、カナマイシン耐性・トリメトプリ
ム感受性の形質転換体では、ビオチン遺伝子断片(bi
oB、bioF、bioC、bioDの各遺伝子)を含
むTn5が染色体上に挿入されていることを確認した。
その後、発酵培地(ショ糖10%、尿素1%、リン酸二
カリウム0.1%、硫酸マグネシウム7水和物0.1
%、硫酸第一鉄7水和物0.01%、炭酸カルシウム2
%)におけるd−ビオチン生産能を特開平2−2798
0に記載の方法に従って調べることによって、親株に比
べ生産能が最も増大した菌株、セラチア・マルセッセン
スETA23−K8を得た。なお、サザンブロット解析
の結果では、上記のカナマイシン耐性・トリメトプリム
感受性の形質転換株では、対照であるpCHR304の
HindIII断片と同じ位置にDNAバンドを認める
一方、親株のETA23の染色体では、プローブに反応
するバンドは認められなかった。また、BamHI分解
のカナマイシン耐性・トリメトプリム感受性の形質転換
株では、対照であるpCHRM304のBamHI断片
とは大きさの異なるバンドを1本認め、親株のETA2
3の染色体では、プローブに反応するバンドは認められ
なかった。
が組み込まれた宿主微生物へのクロロ酢酸耐性の付与 上記で得られたセラチア・マルセッセンスETA23−
K8をエーデルバーグらの方法によって変異誘起処理
し、栄養培地で1時間培養する。この培養液を遠心分離
し、得られる細胞を生理食塩水で遠心分離法で3回洗浄
する。この細胞を生理食塩水に懸濁し、1mg/mlの
クロロ酢酸を含有する最少寒天培地(L−プロリン0.
1%、硫酸アンモニウム0.1%、リン酸一カリウム
0.3%、リン酸二カリウム0.7%、硫酸マグネシウ
ム7水和物0.01%、寒天1.5%)に1平板当たり
1〜10×105個の細胞を塗布する。30℃で5日間
培養した後、生じた大きなコロニーを釣菌分離すること
によってクロロ酢酸耐性株セラチア・マルセッセンスK
8CL48を得た。取得した耐性株の、発酵培地(ブド
ウ糖5%、尿素1%、リン酸一カリウム0.1%、硫酸
マグネシウム7水和物0.1%、硫酸第一鉄7水和物
0.01%、コーン・スチープ・リカー0.6%、炭酸
カルシウム2%)におけるd−ビオチン生産能を調べた
ところ、48時間培養における本菌株のd−ビオチン生
産量は26mg/lであり、親株のそれは13mg/l
であった。
えプラスミドの調製 セラチア・マルセッセンスTA5023株(微工研条寄
第4101号)を(2)−(A)と同様に処理して、セ
ラチア・マルセッセンスSB303株由来のd−ビオチ
ン遺伝子断片(bioA、bioB、bioC、bio
Dの各遺伝子)がベクターpLG339のEcoRI−
HindIII切断部位に挿入され選択マーカーとして
カナマイシン耐性遺伝子を有するpLGM201のDN
Aを得る。
子parBを有するプラスミドpKG1022を保持す
るエシェリシア・コリHB101の細胞から、(2)−
(A)と同様の方法でpKG1022のDNA0.3m
gを得た後、これを制限エンドヌクレアーゼEcoRI
−BamHIで切断する。アガロース電気泳動を行った
後、580bpのDNAバンドをゲルから切り出し、電
気溶出法によってparB領域を含むDNA断片を得
る。ベクターpLG339を保持するエシェリシア・コ
リC600r−m−(ATCC 33525)の細胞か
ら、(2)−Aと同様の方法でpLG339のDNA
0.3mgを得た。これを制限酵素HincIIで切断
し、クレノウ酵素で末端を平滑化した上記parB領域
を含むDNA断片とDNAリガーゼを用いて結合させた
後、エシェリシア・コリHB101を形質転換した。得
られるカナマイシン耐性かつテトラサイクリン感受性の
クローンについて、プラスミドDNAの制限酵素切断地
図を解析し、pLG339のHincII部位にpar
Bが挿入された組換えプラスミドpLG339Pを得
た。
を、EcoRI−HindIIIで完全切断する。一
方、上記で得たpLG339PをEcoRIで完全切断
した後、HindIIIで部分切断する。両DNAを結
合し、エシェリシア・コリχ1776株(ATCC 3
1244)を形質転換する。この形質転換株の中からカ
ナマイシン耐性でかつd−ビオチン非要求性のクローン
を選択することによって、pLGM201のHincI
I部位にparBが挿入され、かつセラチア・マルセッ
センスSB303由来のd−ビオチン遺伝子断片、プラ
スミド保持安定化遺伝子及びカナマイシン耐性遺伝子を
有するプラスミドpLGM201PHcを得た。アンピ
シリン耐性遺伝子を有するプラスミドpKT240を保
持するエシェリシア・コリHB101の細胞から、
(2)−(A)と同様の方法でpKT240のDNAを
得た後、BamHI−BstPI切断を行う。ついでア
ガロース電気泳動を行った後、3kbのDNAバンドを
ゲルから切り出すことにより、電気溶出法によってアン
ピシリン耐性遺伝子領域を含むDNA断片を得た。この
断片をクレノウ酵素で末端を平滑化した。
DNAもEcoRI−XhoIで切断し、クレノウ酵素
で末端を平滑化する。このDNAと上記の平滑化アンピ
シリン耐性遺伝子領域を含むDNA断片とをDNAリガ
ーゼで結合した後、エシェリシア・コリC600r−m
−株の細胞を形質転換することによって、pLGM20
1PHcのカナマイシン耐性遺伝子がpKT2401由
来のアンピシリン耐性遺伝子に置換された、組換えプラ
スミドpLGM201PHcAを得た(図2参照)。
Aを、セラチア・マルセッセンスの制限酵素欠損株であ
るTT392株にタカギとキスミの方法によって取り込
ませ、形質転換株を得る。この形質転換株を培養した
後、得られる細胞からクリヤード・ライセイト法によっ
てプラスミドDNAを単離精製することにより、セラチ
ア・マルセッセンスの修飾系によって修飾されたプラス
ミド300μgを得た。ついで、このプラスミドを前記
で得たセラチア・マルセッセンスETA23K−8の細
胞にタカギとキスミの方法によって取り込ませた後、ア
ンピシリン500μg/ml含有の栄養寒天平板培地に
塗布して、30℃で一夜培養し、出現したコロニーを釣
菌分離することによって、セラチア・マルセッセンスE
TA23K−8を宿主とし、組換えプラスミドpLGM
201PHcAを含有するセラチア・マルセッセンスT
A5026(微工研条寄第4102号)を得た(図1参
照)。なお、本菌株が含有するプラスミドDNAはpL
GM201PHcAのDNAと同一であることは制限酵
素切断地図の解析によって確認した。
たセラチア・マルセッセンスK8CL48の細胞にタカ
ギとキスミの方法によって取り込ませた後、アンピシリ
ン500μg/ml含有の栄養寒天平板培地に塗布し
て、30℃で一夜培養し、出現したコロニーを釣菌分離
することによって、セラチア・マルセッセンスK8CL
48を宿主とし、pLGM201PHcAを含有するセ
ラチア・マルセッセンスTA5027(微工研条寄第4
103号)を得た(図1参照)。なお、本菌株が含有す
るプラスミドDNAがpLGM201PHcAのDNA
と同一であることは、制限酵素切断地図の解析によって
確認した。
26をアンピシリン500μg/ml含有するL−ブロ
スの平斜面培地で一夜培養した後、発酵培地(ショ糖1
5%、尿素1.5%、リン酸二カリウム0.1%、硫酸
マグネシウム7水和物0.2%、硫酸第一鉄7水和物
0.01%、コーン・スティープ・リカー0.1%、及
び炭酸カルシウム1%を含む溶液15mlを500ml
容振盪フラスコに注入し、滅菌したもの。但し、ショ糖
は加熱滅菌した後添加した。)にそれぞれ一白金耳を植
菌する。次いで往復振盪培養(振幅7cm、120回転
/分)する。120時間後のd−ビオチンの生産量は下
記第1表の通りである。なお、対照株としては、セラチ
ア・マルセッセンスSB411(特開平2−2798
0)とセラチア・マルセッセンスTA5024(特開平
2−27980)を用いた。
マルセッセンスTA5027のそれぞれをアンピシリン
500μg/mlもしくは硫酸カナマイシン100μg
/ml含有のL−ブロス或いはそれらを含有しないL−
ブロスの平斜面培地で一夜培養した後、発酵培地(ブド
ウ糖7%、尿素1%、リン酸二カリウム0.1%、硫酸
マグネシウム7水和物0.1%、硫酸第一鉄水和物0.
01%、コーン・スティープ・リカー0.1%、及び炭
酸カルシウム4%を含む溶液15mlを500ml容振
盪フラスコに注入し、滅菌したもの。但し、ブドウ糖は
加熱滅菌した後添加した。)にそれぞれ一白金耳を植菌
する。次いで往復振盪培養(振幅7cm、120回転/
分)する。120時間後のd−ビオチンの生産量は下記
第2表の通りである。なお、対照株としては、セラチア
・マルセッセンスSB411とセラチア・マルセッセン
スTA5024を用いた。
26をアンピシリン500μg/ml含有のL−ブロス
斜面培地で一夜培養した後、前培養培地(ショ糖10
%、尿素1%、リン酸二カリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.2%、硫酸第一鉄水和物0.01
%、コーン・スティープ・リカー0.6%、及び炭酸カ
ルシウム1%、を含む溶液30mlを500ml容振盪
フラスコに注入し、滅菌したもの。但し、ショ糖は加熱
滅菌した後添加した。)に1白金耳を植菌する。次い
で、30℃にて24時間、往復振盪培養 (振幅7cm、1
20回転/分) する。かくして得られる前培養液14m
lを発酵培地〔ショ糖15%、尿素1.5%、リン酸二
カリウム0.08%、硫酸マグネシウム7水和物0.2
%、硫酸第一鉄水和物0.01%、コーン・スティープ
・リカー0.1%、炭酸カルシウム4.2%、及びディ
スホームCA220(日本油脂(株)製消泡剤)0.2
8%〕1.0リットルに接種し、1.8リットル容ジャ
ーファーメンター中で30℃、通気量0.5リットル/
分、溶存酸素濃度が飽和濃度の10%に保つように撹拌
数を制御しつつ、培養する。培養48時間から120時
間までは、別途調製した添加培地(ショ糖67.5%、
尿素5%、リン酸二カリウム0.15%、コーン・ステ
ィープ・リカー0.1%) を5.6ml/hの流速で連
続添加する。また、別途48時間から120時間まで2
4時間毎に20%、硫酸マグネシウム7水和物0.67
ml及び2%硫酸第一鉄7水和物0.97mlを添加す
る。かくして144時間培養することによって、d−ビ
オチン540mg/lを含む培養液約1.3リットルを
得ることができる。
27をアンピシリン500μg/ml含有のL−ブロス
斜面培地で一夜培養した後、前培養培地(ブドウ糖5
%、尿素1%、リン酸二カリウム0.1%、硫酸マグネ
シウム7水和物0.2%、硫酸第二鉄0.01%、コー
ン・スティープ・リカー0.6%及び炭酸カルシウム1
%を含む溶液30mlを500ml容振とうフラスコに
注入し、滅菌したもの。但し、ブドウ糖は加熱滅菌した
後添加した。)に1白金耳を植菌する。次いで、30℃
にて24時間、往復振とう培養(振幅7cm、120回
転/分)する。かくして得られる前培養液14mlを発
酵培地〔ブドウ糖5%、硫酸アンモニウム0.5%、リ
ン酸二カリウム0.2%、硫酸マグネシウム7水和物
0.2%、硫酸第二鉄0.001%、コーン・スティー
プ・リカー0.7%、およびディスホームCA220
(日本油脂(株)製消泡剤)0.28%(pH7.
0)〕1.0リットルに接種し、1.8リットル容ジャ
ーファーメンター中で30℃、通気量0.5リットル/
分、溶存酸素濃度が飽和濃度の10%を保つように攪拌
数を制御しつつ、培養する。また、培養液のpHを水酸
化カリウム−アンモニア混合液を用いて、7.4以下に
低下しないように制御する。培養1日目から3日目まで
は、別途調製した添加培地(ブドウ糖57.5%、硫酸
アンモニウム0.5%、リン酸二カリウム0.34%、
硫酸マグネシウム7水和物0.2%、硫酸第二鉄0.0
1%、コーン・スティープ・リカー2.75%)を3m
l/hから15ml/hの流速で連続添加する。かくし
て3日間培養することによって、d−ビオチン260m
g/lを含む培養液約1.3リットルを得ることができ
る。
酸の添加によってpHを2.7に調整した後、ミクロフ
ィルター(旭化成(株)製マイクローザSP113型)
を用いて除菌し、7.6リットルのろ液を得る。このろ
液をハイポーラス型合成吸着剤(三菱化成(株)製SP
207)のカラム(樹脂量1000ml、直径40m
m)にSV=2の流速で導通することによって、ろ液中
のd−ビオチンを吸着させ、1リットルの希塩酸溶液
(pH3.0)をSV=2で導通することによって洗浄
する。その後に、メタノール−アンモニア水(1:9)
をSV=2で導通することによって、d−ビオチンを溶
出する。
ロータリーエバポレーターによって減圧濃縮し、900
mlの濃縮液を得た後、強塩基性陰イオン交換樹脂(三
菱化成(株)製ダイアイオンSA−11A)のカラム
(樹脂量100ml,直径20mm)に導通・吸着し、
水200mlで洗浄した後、900mlの0.2N塩化
アンモニウム−0.2Nアンモニア(1:1)をSV=
2で導通することによってd−ビオチンを溶出する。さ
らに、この溶出液900mlを減圧濃縮によって、60
mlに濃縮した後、濃塩酸を加えることによって、pH
を2.7に調整し、10℃以下で一夜放置する。かくす
ることによって、d−ビオチンが結晶として析出する。
生じた結晶をろ取・乾燥することに粗結晶4.5gを得
た後、水から再結晶することによって、d−ビオチン
2.3gを得る。
産能を有するセラチア属微生物からクローン化されたビ
オチン遺伝子を組み込んだプラスミドがd−ビオチン生
産能を有する宿主微生物に導入され、かつ該宿主微生物
の染色体上に外来のビオチン遺伝子が組み込まれた微生
物は、飛躍的に高いd−ビオチン生産能を有しており、
この微生物を培養することにより、d−ビオチンを容易
に大量生産することができる。
スTA5026およびTA5027の構築手順を示す略
図である。
築手順を示す略図である。
スポゾンTn5の位置を示す略図である。
を示す略図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 d−ビオチン生産能を有するセラチア属
微生物からクローン化されたビオチン遺伝子を組み込ん
だ組換えプラスミドを、d−ビオチン生産能を有するセ
ラチア属宿主微生物に導入して得られる微生物であっ
て、該宿主微生物が、(1)ビオチン類似物質耐性、メ
チオニン類似物質耐性およびリジン類似物質耐性を有
し、かつ(2)該宿主微生物の染色体上に外来のビオチ
ン遺伝子が組み込まれてなることを特徴とする微生物。 - 【請求項2】 ビオチン遺伝子がビオチン類似物質耐性
を有するセラチア属微生物からクローン化されたもので
ある請求項1記載の微生物。 - 【請求項3】 宿主微生物が、更に酢酸類似物質耐性を
有するセラチア属微生物である請求項1記載の微生物。 - 【請求項4】 ビオチン類似物質がアクチチアジン酸、
5−(2−チエニル)吉草酸またはデヒドロビオチンで
あり、メチオニン類似物質がエチオニンであり、リジン
類似物質がS−アミノエチルシステインである請求項1
記載の微生物。 - 【請求項5】 酢酸類似物質がクロロ酢酸である請求項
3記載の微生物。 - 【請求項6】 セラチア・マルセッセンスTA5026
(微工研条寄第4102号)である請求項1記載の微生
物。 - 【請求項7】 セラチア・マルセッセンスTA5027
(微工研条寄第4103号)である請求項3記載の微生
物。 - 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
記載の微生物を、培地中で培養することによって、該培
地中にd−ビオチンを生成蓄積せしめ、これを採取する
ことを特徴とするd−ビオチンの製法。
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