JP2649198B2 - 油圧クラッチ - Google Patents
油圧クラッチInfo
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- JP2649198B2 JP2649198B2 JP3352097A JP35209791A JP2649198B2 JP 2649198 B2 JP2649198 B2 JP 2649198B2 JP 3352097 A JP3352097 A JP 3352097A JP 35209791 A JP35209791 A JP 35209791A JP 2649198 B2 JP2649198 B2 JP 2649198B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- clutch
- oil
- rotary plate
- plate
- clutch cover
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧クラッチに係り、と
くにエンジンのクランクシャフトに連動するクラッチカ
バー内を密閉空間とし、この密閉空間内にオイルを充満
させておき、このオイルによってクラッチディスクとク
ラッチカバーとの間の摩擦係合面を潤滑するとともに、
上記クラッチカバーにオイルシリンダを設け、このオイ
ルシリンダによって上記クラッチディスクをクラッチカ
バーの摩擦係合面に押圧するようにした油圧クラッチに
関する。
くにエンジンのクランクシャフトに連動するクラッチカ
バー内を密閉空間とし、この密閉空間内にオイルを充満
させておき、このオイルによってクラッチディスクとク
ラッチカバーとの間の摩擦係合面を潤滑するとともに、
上記クラッチカバーにオイルシリンダを設け、このオイ
ルシリンダによって上記クラッチディスクをクラッチカ
バーの摩擦係合面に押圧するようにした油圧クラッチに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の油圧クラッチの構造は図3に示さ
れている。この油圧クラッチのクラッチディスク1はク
ラッチカバー2によって構成される密閉空間内に配され
ている。しかもクラッチカバー2内にはオイルが充満さ
れている。そしてオイルシリンダ3のピストンによって
クラッチディスク1がクラッチカバー2に圧着されて摩
擦係合されるようになっている。
れている。この油圧クラッチのクラッチディスク1はク
ラッチカバー2によって構成される密閉空間内に配され
ている。しかもクラッチカバー2内にはオイルが充満さ
れている。そしてオイルシリンダ3のピストンによって
クラッチディスク1がクラッチカバー2に圧着されて摩
擦係合されるようになっている。
【0003】クラッチカバー2はフレックスプレート4
に結合されるとともに、このフレックスプレート4がク
ランクシャフト5の端部に固着されている。これに対し
て、クラッチディスク1はスプラインを介してインプッ
トシャフト6に結合されているために、クラッチディス
ク1がクラッチカバー2に摩擦係合されると、このクラ
ッチディスク1を介してクランクシャフト5の回転がイ
ンプットシャフト6に伝達されることになる。
に結合されるとともに、このフレックスプレート4がク
ランクシャフト5の端部に固着されている。これに対し
て、クラッチディスク1はスプラインを介してインプッ
トシャフト6に結合されているために、クラッチディス
ク1がクラッチカバー2に摩擦係合されると、このクラ
ッチディスク1を介してクランクシャフト5の回転がイ
ンプットシャフト6に伝達されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような構造の油圧
クラッチは、密閉空間を構成するクラッチカバー2がフ
レックスプレート4を介してクランクシャフト5に結合
されるようになっており、このためにエンジンの回転に
伴って、クラッチカバー2は常時回転している。よって
このクラッチカバー2内のオイルも粘性によって回転方
向の力を受けることになる。
クラッチは、密閉空間を構成するクラッチカバー2がフ
レックスプレート4を介してクランクシャフト5に結合
されるようになっており、このためにエンジンの回転に
伴って、クラッチカバー2は常時回転している。よって
このクラッチカバー2内のオイルも粘性によって回転方
向の力を受けることになる。
【0005】従ってクラッチディスク1がクラッチカバ
ー2から図2に示すように離間した状態においても、こ
のクラッチディスク1は流動するオイルとの間の粘性に
よって、クラッチカバー2の回転方向の力を受けること
になる。すなわち油圧クラッチにおいては、クラッチデ
ィスク1がクラッチカバー2内のオイルの中にあるため
に、遮断時に引きずりトルクを生ずる問題がある。
ー2から図2に示すように離間した状態においても、こ
のクラッチディスク1は流動するオイルとの間の粘性に
よって、クラッチカバー2の回転方向の力を受けること
になる。すなわち油圧クラッチにおいては、クラッチデ
ィスク1がクラッチカバー2内のオイルの中にあるため
に、遮断時に引きずりトルクを生ずる問題がある。
【0006】このようなクラッチの遮断時における引き
ずりトルクを防止するために、図3に示すように、イン
プットシャフト6にロータリプレート7を設け、このロ
ータリプレート7を静止側と微小な空間を介して対向さ
せるようにし、オイルの粘性を利用して静止側との間で
摩擦係合力を発生させることが考察される。すなわち引
きずりトルクによってクラッチディスク1が回転された
場合には、このロータリプレート7が静止側との間で逆
方向のトルクを生ずることになり、これによって上記引
きずりトルクを相殺することが可能になる。
ずりトルクを防止するために、図3に示すように、イン
プットシャフト6にロータリプレート7を設け、このロ
ータリプレート7を静止側と微小な空間を介して対向さ
せるようにし、オイルの粘性を利用して静止側との間で
摩擦係合力を発生させることが考察される。すなわち引
きずりトルクによってクラッチディスク1が回転された
場合には、このロータリプレート7が静止側との間で逆
方向のトルクを生ずることになり、これによって上記引
きずりトルクを相殺することが可能になる。
【0007】ところがこのようなロータリプレート7は
クラッチディスク1がクラッチカバー2に完全に摩擦係
合されてクラッチが接続状態になった後においても逆方
向のトルクを生ずることになる。このようなロータリプ
レート7によって生ずるトルクは、一種のフリクション
ロスであってその分だけ損失になる。すなわちこのよう
なロータリプレート7を設けることによって、燃費の悪
化につながる可能性がある。
クラッチディスク1がクラッチカバー2に完全に摩擦係
合されてクラッチが接続状態になった後においても逆方
向のトルクを生ずることになる。このようなロータリプ
レート7によって生ずるトルクは、一種のフリクション
ロスであってその分だけ損失になる。すなわちこのよう
なロータリプレート7を設けることによって、燃費の悪
化につながる可能性がある。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、クラッチの遮断時において引きずりト
ルクを相殺するためのロータリプレートの逆方向トルク
が温度によって変化し、低温時にのみ効果を発揮するよ
うにした油圧クラッチを提供することを目的とするもの
である。
たものであって、クラッチの遮断時において引きずりト
ルクを相殺するためのロータリプレートの逆方向トルク
が温度によって変化し、低温時にのみ効果を発揮するよ
うにした油圧クラッチを提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンのク
ランクシャフトに連動するクラッチカバー内を密閉空間
とし、該密閉空間内にオイルを充満させておき、該オイ
ルによってクラッチディスクとクラッチカバーとの間の
摩擦係合面を潤滑するとともに、前記クラッチカバーに
オイルシリンダを設け、該オイルシリンダによって前記
クラッチディスクをクラッチカバーの摩擦係合面に押圧
するようにした油圧クラッチにおいて、前記クラッチデ
ィスクとスプラインを介して連結されているインプット
シャフトにロータリプレートを設けるとともに、該ロー
タリプレートに対向するように静止側にプレッシャプレ
ートを設け、しかも該プレッシャプレートを形状記憶合
金ばねによって前記ロータリプレート側に移動調整する
ようにしたものである。
ランクシャフトに連動するクラッチカバー内を密閉空間
とし、該密閉空間内にオイルを充満させておき、該オイ
ルによってクラッチディスクとクラッチカバーとの間の
摩擦係合面を潤滑するとともに、前記クラッチカバーに
オイルシリンダを設け、該オイルシリンダによって前記
クラッチディスクをクラッチカバーの摩擦係合面に押圧
するようにした油圧クラッチにおいて、前記クラッチデ
ィスクとスプラインを介して連結されているインプット
シャフトにロータリプレートを設けるとともに、該ロー
タリプレートに対向するように静止側にプレッシャプレ
ートを設け、しかも該プレッシャプレートを形状記憶合
金ばねによって前記ロータリプレート側に移動調整する
ようにしたものである。
【0010】
【作用】オイルの温度が低い場合には、形状記憶合金ば
ねによってロータリプレート側にプレッシャプレートが
移動して両者の間の隙間が小さくなる。従って引きずり
トルクと相殺される逆方向のトルクをロータリプレート
とプレッシャプレートとによって発生させることが可能
になり、これによって引きずりトルクが軽減される。
ねによってロータリプレート側にプレッシャプレートが
移動して両者の間の隙間が小さくなる。従って引きずり
トルクと相殺される逆方向のトルクをロータリプレート
とプレッシャプレートとによって発生させることが可能
になり、これによって引きずりトルクが軽減される。
【0011】オイルの温度が上昇すると、形状記憶合金
ばねがプレッシャプレートを後退させ、ロータリプレー
トとの間の隙間を大きくする。従ってロータリプレート
に生ずる引きずりトルクが小さくなり、クラッチの完接
後における損失を少なくして燃費の悪化を防止できるよ
うになる。
ばねがプレッシャプレートを後退させ、ロータリプレー
トとの間の隙間を大きくする。従ってロータリプレート
に生ずる引きずりトルクが小さくなり、クラッチの完接
後における損失を少なくして燃費の悪化を防止できるよ
うになる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る油圧クラッチ
を示すものであって、この油圧クラッチはフライホイー
ルハウジング10を備えている。フライホイールハウジ
ング10の前面側には開口11が形成されるとともに、
この開口11内にはクランクシャフト12の先端部が挿
入されている。そしてクランクシャフト12にはフレッ
クスプレート13がボルト14によって取付けられてい
る。またフレックスプレート13の外周側にはリングギ
ヤ15が固着されている。
を示すものであって、この油圧クラッチはフライホイー
ルハウジング10を備えている。フライホイールハウジ
ング10の前面側には開口11が形成されるとともに、
この開口11内にはクランクシャフト12の先端部が挿
入されている。そしてクランクシャフト12にはフレッ
クスプレート13がボルト14によって取付けられてい
る。またフレックスプレート13の外周側にはリングギ
ヤ15が固着されている。
【0013】フレックスプレート13の背面側にはクラ
ッチカバー18が配されており、このクラッチカバー1
8の端面に形成されているボス19は、ボルト20によ
ってフレックスプレート13と結合されている。そして
このクラッチカバー18内にクラッチディスク21が配
されている。クラッチディスク21の中心側の部分はイ
ンプットシャフト22の外周面に形成されているスプラ
イン23に係合されるようになっており、このスプライ
ン23によって軸線方向に移動可能であってしかも回転
方向には拘束された状態で結合されている。
ッチカバー18が配されており、このクラッチカバー1
8の端面に形成されているボス19は、ボルト20によ
ってフレックスプレート13と結合されている。そして
このクラッチカバー18内にクラッチディスク21が配
されている。クラッチディスク21の中心側の部分はイ
ンプットシャフト22の外周面に形成されているスプラ
イン23に係合されるようになっており、このスプライ
ン23によって軸線方向に移動可能であってしかも回転
方向には拘束された状態で結合されている。
【0014】クラッチカバー18にはオイルシリンダ2
6が形成されており、このオイルシリンダ26内にピス
トン27が摺動可能に保持されている。ピストン27は
クラッチディスク21をクラッチカバー18の受圧面2
8に押圧するようになっている。
6が形成されており、このオイルシリンダ26内にピス
トン27が摺動可能に保持されている。ピストン27は
クラッチディスク21をクラッチカバー18の受圧面2
8に押圧するようになっている。
【0015】また上記インプットシャフト22の外周側
であって軸線方向背面側にはオイルポンプ29が設けら
れている。このオイルポンプ29にはコントロールバル
ブ30が付設されている。このコントロールバルブ30
は3つのポート31、32、33を備えている。ポート
31はオイルシリンダ26にP1 の高圧を供給するため
のポートである。またポート32はクラッチカバー18
内に低圧P2 を供給するためのものである。ポート33
はこのクラッチカバー18内のオイルをオイルポンプ2
9に戻すためのものである。そして上記ポート31がオ
イル通路34を介してオイルシリンダ26と連通される
ようになっている。
であって軸線方向背面側にはオイルポンプ29が設けら
れている。このオイルポンプ29にはコントロールバル
ブ30が付設されている。このコントロールバルブ30
は3つのポート31、32、33を備えている。ポート
31はオイルシリンダ26にP1 の高圧を供給するため
のポートである。またポート32はクラッチカバー18
内に低圧P2 を供給するためのものである。ポート33
はこのクラッチカバー18内のオイルをオイルポンプ2
9に戻すためのものである。そして上記ポート31がオ
イル通路34を介してオイルシリンダ26と連通される
ようになっている。
【0016】また上記インプットシャフト22上であっ
てその軸線方向後側にはロータリプレート36が取付け
られている。このロータリプレート36はクラッチハウ
ジング37とポンプハウジング38との間の隙間に配さ
れるようになっている。そしてクラッチハウジング37
にはプレッシャプレート39が形状記憶合金ばね40を
介して支持されている。この形状記憶合金ばね40は封
入されているオイルの温度に応じて、プレッシャプレー
ト39を軸線方向に移動させ、ロータリプレート36と
の間の隙間を調整するようになっている。
てその軸線方向後側にはロータリプレート36が取付け
られている。このロータリプレート36はクラッチハウ
ジング37とポンプハウジング38との間の隙間に配さ
れるようになっている。そしてクラッチハウジング37
にはプレッシャプレート39が形状記憶合金ばね40を
介して支持されている。この形状記憶合金ばね40は封
入されているオイルの温度に応じて、プレッシャプレー
ト39を軸線方向に移動させ、ロータリプレート36と
の間の隙間を調整するようになっている。
【0017】以上のような構成において、この油圧クラ
ッチを接続する場合には、オイルポンプ29を駆動して
ポート31からオイル通路34を通してオイルシリンダ
26内に高い油圧P1 を供給し、このピストン27によ
ってクラッチディスク21をクラッチカバー18の受圧
面28に押圧するようにしている。
ッチを接続する場合には、オイルポンプ29を駆動して
ポート31からオイル通路34を通してオイルシリンダ
26内に高い油圧P1 を供給し、このピストン27によ
ってクラッチディスク21をクラッチカバー18の受圧
面28に押圧するようにしている。
【0018】このような構造によれば、オイルシリンダ
26によってクラッチの接離が制御できるようになる。
またクラッチディスク21とクラッチカバー18の受圧
面28との間の摩擦係合は、クラッチカバー18内に充
満しているオイルによって潤滑されるようになり、これ
によってクラッチディスク21の磨耗が少なくなる。ま
たクラッチディスク21がオイルによって常時潤滑され
ているために、クラッチに自由に滑りを発生させること
ができ、クリープ動作等が簡単に行ない得るようにな
る。
26によってクラッチの接離が制御できるようになる。
またクラッチディスク21とクラッチカバー18の受圧
面28との間の摩擦係合は、クラッチカバー18内に充
満しているオイルによって潤滑されるようになり、これ
によってクラッチディスク21の磨耗が少なくなる。ま
たクラッチディスク21がオイルによって常時潤滑され
ているために、クラッチに自由に滑りを発生させること
ができ、クリープ動作等が簡単に行ない得るようにな
る。
【0019】つぎにこのクラッチを遮断する場合には、
オイルポンプ29によってコントロールバルブ30のポ
ート32からクラッチカバー18内に低圧P2 を供給す
る。この圧力P2 によって、オイルシリンダ26のピス
トン27が後退するようになり、クラッチディスク21
がクラッチカバー18の受圧面28に押圧されるのが解
除されるようになる。
オイルポンプ29によってコントロールバルブ30のポ
ート32からクラッチカバー18内に低圧P2 を供給す
る。この圧力P2 によって、オイルシリンダ26のピス
トン27が後退するようになり、クラッチディスク21
がクラッチカバー18の受圧面28に押圧されるのが解
除されるようになる。
【0020】図1に示すようにクラッチディスク21が
クラッチカバー18から離間してクラッチが遮断した状
態においても、クラッチディスク21はクラッチカバー
18内のオイルによって引きずりトルクを受ける。これ
はクラッチカバー18がフレックスプレート13を介し
てクランクシャフト12に連結されているからであっ
て、エンジンが回転している限りクラッチカバー18が
回転している。従ってこのクラッチカバー18とオイル
を介してクラッチディスク21が粘性結合された状態に
あり、このような粘性結合によって引きずりトルクが発
生し、クラッチディスク21はクランクシャフト12の
回転方向の引きずりトルクを生ずることになる。このよ
うな引きずりトルクはインプットシャフト22に伝達さ
れることになる。
クラッチカバー18から離間してクラッチが遮断した状
態においても、クラッチディスク21はクラッチカバー
18内のオイルによって引きずりトルクを受ける。これ
はクラッチカバー18がフレックスプレート13を介し
てクランクシャフト12に連結されているからであっ
て、エンジンが回転している限りクラッチカバー18が
回転している。従ってこのクラッチカバー18とオイル
を介してクラッチディスク21が粘性結合された状態に
あり、このような粘性結合によって引きずりトルクが発
生し、クラッチディスク21はクランクシャフト12の
回転方向の引きずりトルクを生ずることになる。このよ
うな引きずりトルクはインプットシャフト22に伝達さ
れることになる。
【0021】このような引きずりトルクを軽減するため
に、この油圧クラッチはロータリプレート36を備えて
いる。ロータリプレート36はクラッチハウジング37
とポンプハウジング38との間の狭い隙間に配されてい
る。しかもこれらのハウジング37、38はともに静止
状態にあるために、クラッチディスク21の引きずりト
ルクによってインプットシャフト22を介してロータリ
プレート36が回転されると、このロータリプレート3
6とクラッチハウジング37あるいはポンプハウジング
38との間の隙間に存在するオイルによって引きずりト
ルクとは逆方向のトルクを受けることになる。
に、この油圧クラッチはロータリプレート36を備えて
いる。ロータリプレート36はクラッチハウジング37
とポンプハウジング38との間の狭い隙間に配されてい
る。しかもこれらのハウジング37、38はともに静止
状態にあるために、クラッチディスク21の引きずりト
ルクによってインプットシャフト22を介してロータリ
プレート36が回転されると、このロータリプレート3
6とクラッチハウジング37あるいはポンプハウジング
38との間の隙間に存在するオイルによって引きずりト
ルクとは逆方向のトルクを受けることになる。
【0022】しかも上記ロータリプレート36とプレッ
シャプレート39との間の隙間G1 は形状記憶合金ばね
40によって調整されるようになっている。この形状記
憶合金ばね40はプレッシャプレート39をクラッチハ
ウジング37に保持するためのものであって、プレッシ
ャプレート39を軸線方向に移動調整するようにしてい
る。
シャプレート39との間の隙間G1 は形状記憶合金ばね
40によって調整されるようになっている。この形状記
憶合金ばね40はプレッシャプレート39をクラッチハ
ウジング37に保持するためのものであって、プレッシ
ャプレート39を軸線方向に移動調整するようにしてい
る。
【0023】クラッチディスク21がクラッチカバー1
8から離間してクラッチが遮断状態にあり、しかもオイ
ルの温度が低い場合には、図1に示すように形状記憶合
金ばね40が膨張しており、プレッシャプレート39を
前進させてロータリプレート36との間の隙間G1 を小
さくしている。従ってこの場合には両者の間で逆方向ト
ルクが発生し、このような逆方向トルクがクラッチディ
スク21に生ずる引きずりトルクと相殺される。これに
よって引きずりトルクが小さくなる。
8から離間してクラッチが遮断状態にあり、しかもオイ
ルの温度が低い場合には、図1に示すように形状記憶合
金ばね40が膨張しており、プレッシャプレート39を
前進させてロータリプレート36との間の隙間G1 を小
さくしている。従ってこの場合には両者の間で逆方向ト
ルクが発生し、このような逆方向トルクがクラッチディ
スク21に生ずる引きずりトルクと相殺される。これに
よって引きずりトルクが小さくなる。
【0024】これに対してオイルの温度が上昇すると、
形状記憶合金ばね40が収縮し、プレッシャプレート3
9を後退させる。従ってプレッシャプレート39とロー
タリプレート36との間の隙間G2 が図2に示すように
大きくなり、両者の間のオイルによる粘性結合力が弱く
なる。すなわちこの場合には、ロータリプレート36は
逆方向トルクをほとんど発生しなくなる。従ってクラッ
チの完接時においてはロータリプレート36がほとんど
トルク損失を発生せず、これによって損失が低減され
る。このことは燃費の悪化を防止することになり、ロー
タリプレート36を設けても燃費が悪化することがなく
なる。
形状記憶合金ばね40が収縮し、プレッシャプレート3
9を後退させる。従ってプレッシャプレート39とロー
タリプレート36との間の隙間G2 が図2に示すように
大きくなり、両者の間のオイルによる粘性結合力が弱く
なる。すなわちこの場合には、ロータリプレート36は
逆方向トルクをほとんど発生しなくなる。従ってクラッ
チの完接時においてはロータリプレート36がほとんど
トルク損失を発生せず、これによって損失が低減され
る。このことは燃費の悪化を防止することになり、ロー
タリプレート36を設けても燃費が悪化することがなく
なる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明は、クラッチディス
クとスプラインを介して連結されているインプットシャ
フトにロータリプレートを設けるとともに、このロータ
リプレートに対向するように静止側にプレッシャプレー
トを設け、しかもこのプレッシャプレートを形状記憶合
金ばねによってロータリプレート側に移動調整するよう
にしたものであって、低温時にはプレッシャプレートが
ロータリプレート側に移動してその隙間が小さくなると
ともに、高温時にはロータリプレートがプレッシャプレ
ートから離れて両者の隙間が大きくなるようにしたもの
である。
クとスプラインを介して連結されているインプットシャ
フトにロータリプレートを設けるとともに、このロータ
リプレートに対向するように静止側にプレッシャプレー
トを設け、しかもこのプレッシャプレートを形状記憶合
金ばねによってロータリプレート側に移動調整するよう
にしたものであって、低温時にはプレッシャプレートが
ロータリプレート側に移動してその隙間が小さくなると
ともに、高温時にはロータリプレートがプレッシャプレ
ートから離れて両者の隙間が大きくなるようにしたもの
である。
【0026】従って引きずりトルクの影響が大きくなる
低温時にのみプレッシャプレートとロータリプレートと
の間で逆方向のトルクを生じさせ、このトルクによって
引きずりトルクを相殺して損失を低減することが可能に
なる。
低温時にのみプレッシャプレートとロータリプレートと
の間で逆方向のトルクを生じさせ、このトルクによって
引きずりトルクを相殺して損失を低減することが可能に
なる。
【図1】本発明の一実施例に係る油圧クラッチの縦断面
図である。
図である。
【図2】温度が上昇した状態の油圧クラッチの縦断面図
である。
である。
【図3】従来の油圧クラッチの縦断面図である。
1 クラッチディスク 2 クラッチカバー 3 オイルシリンダ 4 フレックスプレート 5 クランクシャフト 6 インプットシャフト 7 ロータリプレート 10 フライホイールハウジング 11 前面側開口 12 クランクシャフト 13 フレックスプレート 14 ボルト 15 リングギヤ 18 クラッチカバー 19 ボス 20 ボルト 21 クラッチディスク 22 インプットシャフト 23 スプライン 26 オイルシリンダ 27 ピストン 28 受圧面 29 オイルポンプ 30 コントロールバルブ 31 ポート(P1 を供給) 32 ポート(P2 を供給) 33 ポート(戻り用) 34 オイル通路 36 ロータリプレート 37 クラッチハウジング 38 ポンプハウジング 39 プレッシャプレート 40 形状記憶合金ばね
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンのクランクシャフトに連動する
クラッチカバー内を密閉空間とし、該密閉空間内にオイ
ルを充満させておき、該オイルによってクラッチディス
クとクラッチカバーとの間の摩擦係合面を潤滑するとと
もに、 前記クラッチカバーにオイルシリンダを設け、該オイル
シリンダによって前記クラッチディスクをクラッチカバ
ーの摩擦係合面に押圧するようにした油圧クラッチにお
いて、 前記クラッチディスクとスプラインを介して連結されて
いるインプットシャフトにロータリプレートを設けると
ともに、該ロータリプレートに対向するように静止側に
プレッシャプレートを設け、しかも該プレッシャプレー
トを形状記憶合金ばねによって前記ロータリプレート側
に移動調整するようにしたことを特徴とする油圧クラッ
チ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3352097A JP2649198B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 油圧クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3352097A JP2649198B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 油圧クラッチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05164146A JPH05164146A (ja) | 1993-06-29 |
JP2649198B2 true JP2649198B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=18421761
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3352097A Expired - Lifetime JP2649198B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 油圧クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2649198B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3622689B2 (ja) * | 2001-04-24 | 2005-02-23 | トヨタ自動車株式会社 | 動力伝達装置用作動油温の制御装置 |
JP5393563B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2014-01-22 | 株式会社クボタ | 変速装置およびポンプ装置および変速装置の使用方法 |
-
1991
- 1991-12-13 JP JP3352097A patent/JP2649198B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05164146A (ja) | 1993-06-29 |
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