JP2647198B2 - 物体の冷却方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、少なくとも１本の噴射ノズルを用いて処理
対象物の表面にガス／液混合物を霧（mist）状に吹き付
けて冷却する方法、及びこの方法を実施するための装置
に関するものである。

（従来の技術、及び発明が解決しようとする問題点） 押し出し金属片（billet）を冷却するために噴霧され
た（atomized）空気／水混合物は水のみに比べて爆発の
危険は少ない。なぜなら、表面に当たる空気／水の霧は
水が殆んど完全に蒸発してしまう様に調節されるからで
ある。

周知の吹き付け系（spraying system）は、空気／水
混合物が噴射ノズル（jetting nozzle）の内部で予め形
成されるというベンチユリ管の原理に基づいている。そ
のようなベンチユリノズルは、水の霧を形成するのに必
要な空気の量がきわめて大きいという欠点がある。さら
に、霧を噴射する領域における冷却強度が場所によつて
きわめて大きく変わる。なぜなら、噴流（jet）軸と一
致する領域は周辺領域よりよく冷やされるからである。

したがつて、本発明の目的は、冷却作用を改善し、同
時にガス量を減らすことのできる方法と装置を提供する
ことにある。

（課題を解決するための手段） このような目的は本発明にもとづく方法で達成される
のであるが、この方法では流体流（fluidstream）がノ
ズル口から噴射されて100μｍ未満の液滴（droplet）よ
り成る霧が形成され、そして流体がノズルから飛び出し
た後それはガス流によつてノズル軸に対し０〜90゜の角
度で衝撃をうけ、液滴は加速され、偏向する。

本発明の方法では、吹き付け系におけるガスの流量
は、ベンチユリノズルにもとづいたガス／流体混合法で
のガス流量の何分の一かに出来る。さらに驚いたことに
は、流体流の吹き付け及び本発明の方法にもとづきノズ
ルを径た液滴の加速により、霧の衝突する領域、つまり
冷却されるべき物体（冷却対象物）の表面全体にわたる
冷却が均一に行われることが判明した。

望ましい操作方法では、各ガス流の強さはそれぞれ別
個に調整される。それにより、広い領域において、ノズ
ル開口を経て形成された円錐形の噴霧流体の流れの方向
を変えるのが可能になる。又、ノズルを形状を一定にし
ておいて冷冷却物の冷却をこまめに調整することもでき
る。

冷却媒は適宜選ぶことができるが、多くの場合、水が
望ましい。

ガス相としては、空気を用いてもよいが、窒素やアル
ゴンなどを用いてもよい。

本方法は通常法ないし電磁鋳造法で鋳造されたインゴ
ツトの冷却に特に向いているが圧延ないし押出しにより
製造された金属、特にアルミニウム、製品の冷却にも向
いている。

厚さの異なる部分を有する押出し製品の場合、曲がり
直し操作（straightening operation）がさらに必要と
ならない様、冷却強さを調整することが特に望まれる。
複数ノズルの配置を予め計算しておくことにより、又各
ガス流を異つた強さにすることにより、押出し製品の曲
がりを防止できる。

本方法は、高温面で冷却剤を完全に蒸発させて冷却す
るのにも向いているが、その場合、冷却強さは500〜300
0W/m²゜Ｋの範囲にするのが望ましい。

本発明の方法は又、被冷却物（たとえば押出し形材、
圧延薄板、回転ロール又は円筒など）を固定ノズル系の
ところを通過させるような場合にも向いている。冷却効
果は冷却剤を完全に蒸発させることによつてなされ、そ
してこれら被冷却物の伝熱数（heat transfer number）
は曲線により前もつて決められる。

（実 施 例） 本発明の装置は、流体を供給し、方向づけるノズル
と、ノズル軸に対して０〜90゜の角度に設置されたガス
を供給し、方向づける複数の溝とで特徴づけられる。

最も簡単な場合、このようなガス溝は二つ設けられる
が、それらはノズル軸に対して対象的、かつ同心的に配
置されており、ガスをそれぞれ異つた圧力で供給でき
る。

本発明のもつと別の効果、特徴、詳細は、以下の望ま
しい実施態様により又図面により明らかになる。それを
図面によつて説明する。

第１図は本発明の装置の断面模式図であり、第２図は
第１図に示した装置の平面図である。

対象物を冷却するための装置Ｒは、ノズルの吐出口４
を有する水供給ノズル３を有し、かつガス供給用の直径
方向にて相対する孔5a,bで貫かれた部分１を有する。図
には、水と空気を供給するための複数の導管が描かれて
いる。部分１は相手方部分２の中に嵌合されているが、
両部分はガス整流（ないし誘導）溝（gas alignment ch
annels）7a,bに通ずる環状のすき間6a,bを形成するよう
に結合している。このガス溝はノズル軸Ｘと角度α、た
とえば45゜を形成する。

孔5a,bに異つた圧力を与え、円錐形の水の噴霧流９の
方向を広範囲に変えることができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の装置の断面模式図である。 第２図は第１図に示した装置の平面図である。 1:本体部分１、2:本体部分２（相手方部分） 3:吹き付けノズル、4:ノズル吐出口 5a,b:ガス供給口、6a,b:環状のすき間 7a,b:ガス溝、8a,b:ガス流の方向 9:噴霧水の流れ

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガス／液体混合物をノズルで霧状にして物
   体の表面に吹き付けて冷却する方法であって、 ノズル吐出口を通過した流液が100μｍ未満の大きさの
   液滴の霧状にされ、この液流が吐出されるノズルの吐出
   口の下流において、ノズル軸（Ｘ）に対して０〜90゜の
   角度にてガス流を衝突させて、液滴を加速し且つ偏向さ
   せることを特徴とする方法。
2. 【請求項２】複数のガス流の強さがそれぞれ独立して調
   整される、請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】ガスとして空気が用いられる、請求項１又
   は２に記載の方法。
4. 【請求項４】液体として水が用いられる、請求項１〜３
   のうちの一つ項に記載の方法。
5. 【請求項５】請求項１に記載の方法を実施するための装
   置であって、 液体導入用ノズル（３）と、ノズルの吐出口（４）領域
   にてノズル（３）の軸（Ｘ）に対し０〜90゜の角度
   （α）で配置されたガス供給溝（7a,7b）とによって特
   徴付けられた装置。
6. 【請求項６】基本的には、流体を供給し、整流するノズ
   ル（３）とガス供給口（5a,5b）とを有する部分（１）
   より成り、この部分（１）はガス整流溝（7a,7b）を形
   成するように相手方（２）に嵌め込まれていることを特
   徴とする、請求項５に記載の装置。
7. 【請求項７】ガス整流溝（7a,7b）がノズル溝（Ｘ）に
   対して対称的且つ同心状に配置されている、請求項５又
   は６に記載の装置。
8. 【請求項８】金属製、特にアルミニウム製の、普通に又
   は電磁的に鋳造されたインゴット、圧延製品及び押出し
   製品を冷却するために使用される、請求項１に記載の方
   法。
9. 【請求項９】冷却剤を完全に蒸発させることによって、
   高温面を、望ましくは冷却強度500〜3000W/m²゜Ｋにて
   冷却するために使用される、請求項１に記載の方法。
10. 【請求項１０】固定ノズルのところを通過される被冷却
    物を冷却するための方法であって、冷却剤の完全蒸発に
    よって冷却が行われ、被冷却物の熱伝導数は予め決めら
    れた曲線に従う、請求項１に記載の方法。