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JP2646636B2 - 低カロリー油脂組成物 - Google Patents

低カロリー油脂組成物

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Publication number
JP2646636B2
JP2646636B2 JP63079617A JP7961788A JP2646636B2 JP 2646636 B2 JP2646636 B2 JP 2646636B2 JP 63079617 A JP63079617 A JP 63079617A JP 7961788 A JP7961788 A JP 7961788A JP 2646636 B2 JP2646636 B2 JP 2646636B2
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JP
Japan
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oil
waxy
fish
triglyceride
oils
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JP63079617A
Other languages
English (en)
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JPH01252248A (ja
Inventor
恒三 深井
博久 鈴木
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Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
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Publication date
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  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は近年食生活の向上に伴なう高カロリー摂取に
よる肥満,成人病等の弊害を防止する低カロリー油脂を
目的とした健康食品分野に関する。
従来の技術及び問題点 トリグリセライドを主成分とするラード,ニシン油,
ナタネ油などの動植物油脂(以下トリグリセライド油と
称する)は、摂取した際生体に利用されるカロリーが1g
当り9kcalと高カロリーである。一方、一価アルコール
の脂肪酸エスエル(以下ワックスと称する)は消化吸収
率が10%以下(Renhorta G.S.,etal.,Cereal Chem.,63:
459,1986)と低いので低カロリーである。
ある種の硬骨魚、例えばオレンジラツフイー(Hoplos
atethus atlanticus)の脂質の95%はワックスであり
(Buisson D.H.etal.,J.Amer.Oil Chem.Soc.,59:390,19
82)、その魚体性からワックスを主成分とする魚油(以
下ワックス魚油と称する)を分離することができるがこ
のままの状態で食品に利用することはできない。
ワックス性魚油は、なまぐさい不快な臭い(以下魚臭
と称する)を有する。しかしワックス性魚油を水素添加
すると魚臭は消えることが知られていたが、脱臭と水素
添加量との関係について定量的な議論はなく、ワックス
性魚油の臭気を除く必要最少限の水素添加量の条件検討
はされてなかった。
ワックス性魚油およびその水素添加油は、沸点,粘度
などの物理的性質および舌ざわりなどの食感品質がトリ
グリセライド油と類似することも知られていた。水素添
加により魚臭の消えたワックス性魚油は、2時間以上19
0℃以上で加熱する(以下長時間強く加熱する、と称す
る)と、魚臭または異臭が発生することが知られていた
他に、バラムツ(Ruvettus Pretiosus)等ワックスを多
量に含む魚を多く食べると下痢をすることも知られてい
たので、従来ワックス性魚油は油脂食品の原料または調
理用油脂としては凡用性がなかった。
一方トリグリセライド油は水素添加したトリグリセラ
イド油を含めて物理的性質および食感品質が優れてお
り、食用に供されているが高カロリーであり、低カロリ
ー化を指向する健康食品用としては適当ではなかった。
ワックス性魚油はなまぐさい不快な臭いを有するが水
素添加によりこの不快な臭いを消した水素添加ワックス
性魚油も長時間強く加熱すると異臭が発生する。バラム
ツ等ワックスを多量に含む魚肉を多く食べると下痢をす
る、等の欠点を有するのでワックス性魚油をそのままで
食用に供することは困難であった。
一方トリグリセライドを主成分とする動植物性油脂は
高カロリーであり、低カロリーを志向する健康食品用と
しては必ずしも適当な油脂とはいえなかった。
発明が解決しようとする課題 ワックス性魚油の異臭を消し、トリグリセライド油の
欠点である高カロリー性を解消し、低カロリー油脂組成
物を開発することにある。
課題を解決するための手段 本発明者らはこれらの課題を解決すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに到った。即ち本発明はヨウ素
価80以上のワックス性魚油のヨウ素価を少くとも25以上
低減させて得たヨウ素価70以下の水素添加ワックス性魚
油とトリグリセライド油とを8対2ないし2対8で混合
したことを特長とする食用低カロリー組成物である。
さらに詳細には、本発明はヨウ素価80以上のワックス
性魚油であり、かつワックスを主成分とするワックス性
魚油をヨウ素価が25以上、好ましくは30以上低下するま
で水素添加して得たヨウ素価70以下の水素添加ワックス
性魚油とトリグリセライド油と8対2ないし2対8、よ
り好ましくは8対2ないし5対5の比率で混合すること
を特徴とする低カロリー油脂組成物である。
本発明によりワックス性魚油の欠点であるなまぐさい
不快な臭い(以下魚臭と称する)および長時間強く加熱
した際に生じる異臭を従来のトリグリセライド油と混合
することにより防止し、同時にトリグリセライド油のダ
イエットを志向する人人にとって欠点である高カロリー
性をより低カロリーに改善し、かつトリグリセライド油
の有する物理的・食感的品質をも併せもち長時間強く加
熱しても異臭の発生することのない低カロリーな調理用
および食品原料用油脂組成物を開発することができたも
のである。
トリグリセライド油を高カロリーからより低カロリー
に改善するには人体でのカロリー吸収をほぼ無視しうる
ワックス性魚油を混合すれば良い。混合割合が10%程度
ではダイエットを志向する人々にとって利点が少く、混
合割合は少くとも20%は必要である。急激な低カロリー
を志向せずかつ低度のダイエットを志向する人々にはダ
イエット食以前とまったく同様な天ぷらや油脂食品を食
しつつダイエットできる上で充分利点がある。本格的に
ダイエットを指向する人々には混合割合が50%以上であ
ればなお一層効果が大きい。混合割合が50%であれば体
内で利用されるカロリーは従来の食用油脂の1g当り9kca
lに対し本発明品は約4.5〜5kcalと半減し、ダイエット
指向以前の量、内容と食生活を大巾に変更することなく
つまり食欲を押さえることなく油脂食品を従来通り食し
ながらダイエットの目的には大きな効果を発揮しうる。
一方ワックス性魚油の魚臭及び異臭を除くには少くと
もトリグリセライド油を20%混合することにより長時間
強度に加熱した際の異臭等の発生を完全に押さえること
ができる。
本発明で用いるワックス性魚油は、ヒウチダイ科(Tr
achichythyidae)、ハダカエリ科(Paralepididae)、
チゴダラ科(Moridae)、クロタチカマス科(Gympylida
e)、 ボラ科(Mygilidae)、ラチメリダエ科(Latime
ridae)、オスフレノミダエ科(Osphrneomidae)、オレ
オソマチダエ科(Oreosomatidae)、その他の魚類中に
は、筋肉,卵巣,肝臓等にワックスを約5%から約40%
含む魚が種々存在する(日本水産学会編,海洋動物の非
グリセリド脂質 恒星社恒星閣,1982)ので、抽出して
用いることができる。これらのワックス性魚油はワック
ス性魚油から水素添加ワックス性魚油を得る過程でトリ
グリセライド油を精製する場合と同様な方法で使用目的
に応じて脱ガム,脱酸,脱色および水蒸気蒸留処理の全
部または一部を行ったものを用いることは何ら差支えな
い。
トリグリセライド油の具体例はダイズ油,ナタネ油,
トウモロコシ油,コメ油,綿実油,ゴマ油,パーム油,
パーム核油,ヤシ油,ヒマワリ油,サフラワー油,オリ
ーブ油,カカオ脂,牛脂,豚脂,ニシン油、イワシ油な
らびにモリテイエレラ(Mortierella)属等の微生物が
産生する油脂およびこれらのトリグリセライド油を単独
または相互にエステル交換した油脂、ならびにエステル
交換油脂を含めたこれらトリグリセライド油を水素添加
または分別した油脂およびトリグリセライド油またはエ
ステル交換等の改質処理を行ったトリグリセライド油の
2種類以上の任意の組合せ、および任意の比率による混
合油等が挙げられる。
他に食塩,バニラエッセンス,ショーユ,食酢等を味
付,風味を出すため添加することは何等差支えない。
以下本発明を実施例により詳細に説明する。
<水素添加ワックス性魚油の調製> オレンジラツフイーから分離した4ロットのワックス
性魚油(共和油脂(株)製,ヨウ素価それぞれ81.3,87.
2,91.8、および97.9)各4kgを70℃で強く攪拌しながら
試薬特級リン酸430gづつを15分間で添加し脱ガムした。
次に5分間で濃度240g/lの苛性ソーダ水溶液を当量値
より30%過剰に加え15分間低速攪拌し脱酸し、1時間静
置し上澄みを採取した。この上澄みを80℃で10%量の水
で洗浄後真空乾燥し、脱ガム・脱酸油を得、これら4種
類の脱ガム・脱酸油に白土をそれぞれ2%量添加し、80
℃で30分間真空脱色し、40℃で白土をろ過除去した。得
られた脱色油はいずれも酸価0.1以下、過酸価物価0.5以
下、鉄分3ppmであった。
これら4種類の脱色油に触媒(堺化学工業(株)製,S
−250)をそれぞれ1.0%ずつ加え、150℃3.0kg/cm2で水
素添加し、4種類の脱色油各々からヨウ素価の異なる更
に4種類づつの計16種類の試料を得た。
これらの試料の内、ヨウ素が25以上低下し、しかもヨ
ウ素価が70以下の試料を1〜8とし、その他の試料を9
〜16とし併せて表1.に示した。
試料1〜8および試料9〜16はそれぞれ240℃ 2Torr
以下で水100mlづつを使用して水蒸気蒸留により精製し
た後、魚臭の有無を官能評価し、水素添加によるヨウ素
価の低下量および水素添加ワックス性魚油のヨウ素価
と、水蒸気蒸留した試料の魚臭との関係をしらべた。結
果は表1.に示す。
表1.からヨウ素価80以上のワックス性魚油の魚臭を除
く為には、原料油のヨウ素価を原料油を基準として25以
上、好ましくは30以下低下させ、ヨウ素価を70以下にす
ることが必要であることが判明した。
実施例1〜15.水素添加ワックス性魚油とナタネ油の混
合油の調製 表1.中の試料番号2,5および8の3種類の水素添加ワ
ックス性魚油を、各々ナタネ油と4種類づつの比率で混
合した。これら15種類の混合油各500gを約190℃で2時
間加熱した後、190±15℃で約40分間づつかけてフレン
チポテトを揚げ、各6名で試食し、魚臭を含め異臭の有
無を評価した。更に試料2,5,8にナタネ油を配合し、比
較例1〜6.とし併せて結果を表2.に示す。
表2.の結果から、オレンジラツフイーから工業的に分
離したワックス性魚油を脱ガム,脱酸,脱色後、ヨウ素
価が30以上低下するまで水素添加し、更に水蒸気蒸留に
より精製した水素添加ワックス性魚油は、ナタネ油と8
対2以下の比率で混合して揚物に使用した場合、揚げた
食品の食感・味がトリグリセライド油で揚げた食品と類
似しており、かつ異臭を認めないことが判明した。使用
した水素添加ワックス性魚油とナタネ油の混合物15種類
は各々長時間強度に加熱されているのでこれらの混合油
は揚物を含む各種調理において使用可能である。
実施例16,17 ケーキ用マーガリンの調製 オレンジラツフイーから分離したワックス性魚油(共
和油脂(株)製,ヨウ素価91.8)4kgを前述の水素添加
ワックス性魚油の調製と同様の方法で脱ガム,脱酸後水
素添加し、ヨウ素価61.2の水素添加ワックス性魚油を調
製した。脱色および水蒸気蒸留は行わなかった。この水
素添加ワックス性魚油を各種トリグリセライド油と表3.
の比率で混合し、2種類のケーキ用マーガリン原料油脂
を調製した。
これらのケーキ用マーガリン原料油脂を表4.に示す比
率で食塩等の副原料と約45℃で混合した後、約5℃に急
冷しつつ練 可塑化、更に練 しつつ熟成させ2種類のマーガリンを調製した。
これらのマーガリンを小麦粉等と表5.に示す比率で配
合し、スイートドウを調製し、常法により2種類のパン
を焼いたが、ふっくらと焼き上り、食感,味,臭い,風
味等を何ら害なうことはなかった。
発明の効果 オレンジラツフイー等の硬骨魚から分離したヨウ素価
80以上のワックス性魚油をヨウ素価が25以上低下する迄
水素添加し、ヨウ素価を70以下にした水素添加ワックス
性魚油をトリグリセライド油と8対2から2対8、好ま
しくは7対3から2対8の比率で混合することにより得
られる本発明の低カロリー油脂組成物は成分中に含まれ
るワックスの消化吸収率が10%以下であるため1g当り2.
5kcalから7.2kcalとトリグリセライド油よりも低カロリ
ーである。
摂取カロリーを可能な限り減らすことを希望する者は
水素添加ワックス性魚油とトリグリセライド油を8対2
で混合した本発明の低カロリー油脂組成物を摂取するこ
とが望ましいが、摂取カロリーの大巾な削減が不要また
は摂取カロリーの大巾な削減が有害である者の場合に
は、望ましいカロリー削減量に応じて水素添加ワックス
性魚油の混合比率の小さい本発明の低カロリー油脂組成
物を用いることができ、このような混合比率の有用性は
米国において例えばバター,マーガリン,ドレッシング
等の油脂含有量を伝統的な油脂含有量の約80%量に置き
換えた商品や、使用する油脂の全部または一部分を置き
かえるためのタピオカデキストリン製低カロリー代替脂
等が販売されていることから裏付けられる。
また本発明品はトリグリセライド油と同様に天ぷら油
などとして長時間強く加熱する調理およびマーガリン等
の油脂食品製造の原料に用いることが可能である。この
場合水素添加ワックス性魚油の比率を80%以上に高める
と異臭が発生し好ましくない。このようにして調理・製
造された天ぷら・マーガリン等には魚臭などの異臭がな
く、トリグリセライド油を用いて調理・製造された天ぷ
ら・マーガリン等と食感・味が類似しており、日常の食
生活でトリグリセライド油と同様に食することができ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヨウ素価80以上のワックス性魚油のヨウ素
    価を少くとも25以上低減させて得たヨウ素価70以下の水
    素添加ワックス性魚油とトリグリセライド油とを8対2
    乃至2対8で混合したことを特徴とする食用低カロリー
    油脂組成物。
JP63079617A 1988-03-31 1988-03-31 低カロリー油脂組成物 Expired - Lifetime JP2646636B2 (ja)

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US5693835A (en) * 1994-01-27 1997-12-02 Snow Brand Milk Products Co., Ltd. Fish oil having decreased fish odor and a method for preparing the same
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